>>29志乃君
月と言えば狼が人の姿を捨てる時と聞くが
狐も月光浴がお好みだったかな
人も杯を挙げて名月を迎えるし、兎も跳ねれば、狐もこの村を好んでくれるやもしれん
さぁて、どんな尻尾を出してくれるだろうねえ
[目を輝かせる様子に意識を奪われるが、自分でもなぜ気を取られたか分らぬまま。毛皮を持つものたちについてと忠告を置く声に相槌を返す]
なんだい。心配かね
こういうのは大抵心配していた側の方が行ってしまうんだよ
しかし誰かが帰ってこないことがそんなにも気に掛かるか…
…朝顔君ともそんな話をしていたっけねえ
――あ、いや。立ち聞きではないよ。聞こえてしまったんだ
[言って初めて何やら少女たちの会話を盗み聞いていたような発言だと、慌てて両手と算盤を振り否定にかかる。断じてそんなことはないと。じゃらじゃら鳴る珠が忙しない]
とても不思議な朝顔君に、少しの不思議滲む志乃君に、不思議じゃなさそうで美味しい果実をいつも抱えているのが不思議な日向君に、団子の美味さが不思議なたまこ君に?
(48) 2016/09/28(Wed) 22時頃