3 ディアス家の人々
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― 第四夜 ―
[ アリステアがあげる香料の名は、どれも知っていたけれど、 調合によって、こうも奥行きをもつものか。]
おまえのことがよくわからない。
[ 感嘆の色を乗せて言う。]
マッサージの腕前だって、それだけで開業できるくらいだ。
(-0) enju3 2021/01/14(Thu) 23時頃
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[ 甘やかなリラックスを誘うアロマと、解きほぐすような巧みなマッサージで、血の巡りがよくなるのが手にとるようにわかった。]
うん、 気持ちいい。
そこも、 とても。
[ 彼の手の下で、警戒することなく、満足の声を発する。*]
(-1) enju3 2021/01/14(Thu) 23時頃
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すぐにわかりますよ。
[満足を示す彼の首筋に、軽く唇で触れる。 漂う香りはどちらにも等しく作用するから、 ―――もう、忍耐など振り切れていた。]
ここ。 思い出して。
[尾の名残に掌を置き、掠れた声で囁く。 呼びかけられたものが、彼の内側で目を覚ました。 最初の夜からずっと彼の中を占めている闇が、柔らかく震える。*]
(-2) nekomichi 2021/01/15(Fri) 00時半頃
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[ うとうとと微睡みかけていた。 首筋にアリステアの吐息を感じ、ぞくりとする。 湯冷めしたのではない。]
…、 そろそろ終わりに──
[ 身体をずらそうとした時、硬い骨の下で何か目覚めた。 気になって、腰を捻る。*]
(-3) enju3 2021/01/15(Fri) 00時半頃
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ここからはもう、夜の時間。
[闇の目覚めと同時に、纏う気配を変えた。 横たわる背中へ、まるい尻へ、柔らかな内股へ、つま弾くように指先を走らせる。]
もっと良いことを、しよう。
[体を折って囁きかければ、彼の背に髪の先が触れる。 香油を纏った指を菫門に差し向ければ、抵抗もなくとぷりと沈んだ。*]
(-4) nekomichi 2021/01/15(Fri) 09時半頃
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[ 濃密な甘い香りと、艶めいた声、淫美な触感がウィリアムを惑わせる。]
…あっ
[ 従者の分を超えた──いっそう背徳的な行為をされたというのに、身体が拒絶しない。]
スペンサー、 いけない…
[ 呼びかけながらも、的外れなことを言っている気がしてならなかった。 頭部の下に重ねて枕にしていた手を背中に伸ばして、彼に触れようとする。*]
(-5) enju3 2021/01/15(Fri) 10時半頃
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全部、私に任せて。
[伸ばされた手を取り、腰の上に束ねてゆるく押さえ込む。 その間に、沈めた指を曲げ、感じる場所をまさぐりはじめた。]
良くしてあげるよ。 もっと―――ずっと、
… ここ、欲しい?
[彼の悦びの源泉に指先が届く。 幾度か撫でるように愛でて、誘った。*]
(-6) nekomichi 2021/01/15(Fri) 11時半頃
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[ 手首を拘束され、中を弄られてることもマッサージの一環であるかのように身体を蕩かす。]
んッ …は ぁ
[ 一線を越えている気がしているけれど、痺れるように気持ちよくて、制止したくないと思ってしまう。]
そう──、 そ こ、
[ ヒクリと中が締めつける。*]
(-7) enju3 2021/01/15(Fri) 12時半頃
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[香りに蕩かされて、彼の体も言葉も素直だった。 指を動かせば、肉襞が絡みついてくる。]
じゃあここ。
それと、ここ。
[二本目の指を入れ、同時に動かした。 強く、弱く、緩急をつけて擦る。]
まだ足りない、 だろう?
[囁いて握っていた手を放し、彼の腰を引き寄せた。]
(-8) nekomichi 2021/01/15(Fri) 13時半頃
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[膝立ちにさせた彼の後背に顔を寄せ、二本の指で広げた場所に舌を差し込む。 淫靡な水音をたてて舐め、中をまさぐった。 存分に舌先で堪能したあと、周囲を舐め上げて唇を離す。]
もっと欲しい? ここにぴったりのもの。
[指の動きを再開させながら、誘う。]
言って。
欲しい、 って。
[妖艶な声が甘い香りをかき回した。*]
(-9) nekomichi 2021/01/15(Fri) 13時半頃
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[ 擦られると悦楽が溢れてくる場所を刺激する質量が二倍になる。 動きはもっと妖しく複雑になって、狂おしい陶酔の段階を押し上げた。]
ふ あっ … く、 う──
[ 腰をもちげる姿勢に引き上げられて、震える息を吐く。 うつ伏せているよりも良かった。 だってもう、股間に血が集まって、硬くなっている。]
(-10) enju3 2021/01/15(Fri) 14時頃
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っひ、 あ… なン
[ もう充分に熟れて熱い場所を舌で舐られて、脈が跳ねる。 こんな奉仕は受けたことがなくて、そもそも奉仕してもらうべきことなのか 後ろめたいような、でも、止めるさせることなど論外で、 甘い香りも肉の官能も、もとより彼の存在自体が、もっと自由になっていいと唆すのだ。]
っは… あ、 い
欲しい… もっ と ──
[ 求める言葉を口にしながら、羞恥に手で口元を覆う。*]
(-11) enju3 2021/01/15(Fri) 14時頃
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[腰を引き上げた手に、硬いものが触れた。 彼の熱が集まる場所は、もう脈打ち、勃ちあがっている。]
ここは後で。 先にいってしまったら、もたないからね。
[そこも香油を纏った掌で優しく擦る。 先端も親指の腹で円描くように捏ねながら、中へ闇を送り込んだ。 出せぬよう漏らさぬよう、粘度のある闇が細い管を遡り、内側を満たす。 のみならず、闇は中で密やかにのたうち震えるのだ。]
(-12) nekomichi 2021/01/15(Fri) 15時頃
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おまえの望むままに。
[求める言葉を言わせて、愛おしさははち切れそうになる。 自身の滾る熱を彼の足に触れさせ、彼自身の陽根とも擦り合わせたのち、香油と唾液で光る媚洞へ収めた。
日々開発され、指と舌で広げられた内側は、少しの隙間もなく侵入者を包み込む。 動かせば柔らかく震え、絞りたてるように奥から窄まった。]
中はもうこんなに熱くなって、とろとろに溶けているよ。 もっと欲しい、と吸い付いてくる。
ほら、動いてごらん。 自分で、欲しいところに擦り付けてみて。
[浅く腰を使いながら、もっと深いところへおいでと誘いかける。*]
(-13) nekomichi 2021/01/15(Fri) 15時頃
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[ それまで情欲を昂めるように愛撫してきた彼が、ウィリアムの前を塞いで射精できないようにした。]
や…、 そん…な、
[ 自分勝手だと恨めしく思ったが、昂りは解消されないまま、内側で扱き上げられるかのような感覚に襲われて身悶えする。
一方で、合一を求める言葉は速やかに受理されて、待ち受ける場所に彼の灼熱が侵攻した。]
(-14) enju3 2021/01/15(Fri) 15時半頃
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…うう、 くぅ いい──
[ 自分とは信じられない艶めいた声が吐露する。 こんな無防備に曝け出しては、主人としての威厳は形なしだと、ブレーキをかけたがる理性はどこかに存在するのだけれど、もっと身を捧げて奪われたいという願望もまたあって、歯止めが効かない。
言葉だけでなく、行動で示すようにと教授されて、おずおずとぎこちなく腰を揺らす。*]
(-15) enju3 2021/01/15(Fri) 15時半頃
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[そそのかされた彼が、腰を揺らし、自らを捧げる。 初々しい仕草に微笑み、手を添えて動きを助けた。
今まで内側を埋めていた手は前に伸ばして胸乳を探る。 彼の恍惚をさらに深めるべく、あかい珠を指先に捉えた。]
いい――― たまらない 。
[悦びを紡ぐ声は彼の吐息と絡まりあう。 彼も己をもめくるめくような波に投げ込んで、もろともに蕩けた。]
(-16) nekomichi 2021/01/15(Fri) 16時半頃
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ああ……いくよ―― っ、
[今宵は自らの欲望に手綱を掛けず、感じるままに駆けた。 彼を高め彼に高められて、この夜最初の悦びを放つ。 なおも衰えない槍先でかき回せば、淫猥な水音が高く反響した。]
まだ、 もっと欲しい。
[濡れた声を彼の背に滴らせる。*]
(-17) nekomichi 2021/01/15(Fri) 16時半頃
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[ 彼の手がより大胆な動きを導く。]
あ、 あ…っ
[ 求められていることに喜びを覚えて、身体が弾んだ。]
い…い、 もっ と、 っああ、 中に 、
ひ… いく…──!
[ 彼の言葉をなぞって上り詰め、胸をいじられれば切なく喘いで、 射精できないままに、小さくオーガズムを迎える。 そこから立て続けに弾ける快楽に、あられもなく泣き咽んだ。]
(-18) enju3 2021/01/15(Fri) 17時半頃
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やだ… いい…っ イヤ、
感じすぎ て、 だめに── なっ、 ああぁ!
[ 自分の中にこんな淫らな部分が花開くなんて思ってもみなかったれど、 彼に最後まで連れていってもらうことしか、もう考えられない。]
頼む… 全部、 して
──おまえが、 欲しい
[ 見えない目で彼の姿を求め、汗ばむ肩越しに振り仰ぐ。*]
(-19) enju3 2021/01/15(Fri) 17時半頃
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[この身の下で咽び身悶える彼は、蜜に溺れた蝶のよう。 進めば戻れないと知ってか知らずか、さらなる蜜を求めて羽を震わせる。 花たる自分は彼に蜜を注ぎ、一緒に溺れてしまおうか。
壁を乱打した嬌声が反響を残して消え、なお求める声は強欲にも全てを望む。 溢れるほどに愛を注ごう。愛しきものよ。]
湯の中でしようか。
[一度結合を解き、彼を抱き上げて湯に運ぶ。 合間に、唇や額や首筋や胸元に、キスの雨を降らせた。]
(-20) nekomichi 2021/01/15(Fri) 18時頃
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[湯船に入れば腰を下ろし、彼を背中から抱き寄せる。 溢れた湯が小さな津波を起こし、浴室の香りがかき回されて新たになった。]
全部してほしい? 感じすぎて、もっとだめになるよ?
気持ちいいこと以外、なにも考えられなくなって、 頭の中が真っ白になってしまうよ?
[先ほどの彼の言葉を繰り返して、この先を示唆する。 足を開かせた彼の中へもう一度己を送り込み、再びの結合を果たす。 再開された営みは、先ほどより激しいものだった。]
(-21) nekomichi 2021/01/15(Fri) 18時頃
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[浮力を利用して彼の体を弾ませ、入り口から奥までを立て続けに突き上げる。 より深く、より密着させて、彼の快楽の道を往還した。
片手では彼の封じられた熱を握り、貫くのと同じリズムで擦り締め付ける。 時折先端をつまみ鈴口をつついて、中の闇を震わせた。
もう一方の手では胸の先を転がしひねり摘まんで刺激を加える。 腰奥で生まれた快感を全身へと響かせる経路が開かれていく。]
愛している。 おまえの、全てが欲しい。 もっと、深いところまで、全部みせて。
[甘く囁く言葉は絶え間なく、時折は首筋に唇を這わせてリップノイズを立てる。 戯れに噛みついた肩にはほんのりと赤が滲み、香りに背徳の官能を加えた。*]
(-22) nekomichi 2021/01/15(Fri) 18時頃
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んッ、 く…
[ 抜け落ちるのではなく、引き抜かれるという確かな質感をもって彼が出てゆく。
体からぐったりと力が抜けて、自分がどれだけ消耗を強いられていたかを目の当たりにしつつも、 また戻ってきてほしいとどこかで望んでしまうのだ。]
(-23) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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[ アリステアは軽々とウィリアムの身体を抱いて運ぶ。 彼が手を滑らせる心配はしていなかったが、彼の正体には不安を抱いた。 身分がどうこういう以前に、すべてが規格外のような。]
スペンサー、 おまえは──…
[ バスタブの中に下ろされて、湯の温度が冷めていないことに驚く。 アロマの香りは先ほどより強く甘く漂い──二人の淫蕩な行為もそれに一役買っている気がした。 熟れて堕ちる直前の果実のようだ。]
(-24) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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この香が自分をおかしくしているのではないか、あるいはワインの酩酊がガードが甘くしているのかと、そんな危機感も覚えたけれど、精油や酒のせいにするのは卑怯だと自分を戒める。 どんな理由があっても、自分の言動には責任を持つべきだ。 貴族というものは、そういうものだろう。]
つう…あ、あ
[ 自分を律する規範を確かめる最中にも、背後から抱き寄せられ、濡れた息で囁かれて、疼く。]
(-25) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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[ この先は何も考えられなくなると、そんな予告とともに再開された交わりは濃く深く、 湯を伝播して全身くまなく滾るようだった。]
あ、 っあ… これ 以上
なに を、 奪う っ
[ 愛してると言わせたいのだろうか。身体のように従順になれと。 愛と快楽はイコールではないはずだ──
激しく突き上げられ、溢れた嬌声はタイルに反響し、長く尾をひいた。*]
(-26) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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私の正体が気になる?
[不安の色を示す彼に囁きかける。 知ってはいけない秘密を、密やかに明かすように。 けれどもそれも、甘い香りの中に溶ける。]
いずれわかる時が来る。 今はただ、感じて。
[彼の快感の在処を全て捉えて刺激する。 魔性の与える愛撫は優しく、暴力的で、容赦がない。]
(-27) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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奪ってなどいない。 与えているだけだ。
感じているだろう? 気持ちいいだろう? 今はそれでいい。
[抗議のような言葉を紡ぐ口を、手で塞ぐ。 中指を押し込んで、彼の舌を愛でる。 言葉だって必要ないと。]
(-28) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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――― これやわが深みの炎
[不意に詩情を動かされたかのように吟じる。 日のある内、書き留めた彼の詩に添えるように]
また永久の秘密の徴、われと聴く 激しき恋の凱歌に沈みにし色。
[言葉の残りは、彼の肌に直接染み入らせた。]
(-29) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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