16 魔界のミッドウィンター祭【R18】
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/* お疲れ様でしたー。虫チーズとか見えた!
(-1) nekomichi 2021/12/20(Mon) 23時半頃
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― 草原の住み処 ―
[魔界らしからぬ穏やかな草原の先、岩山に穿たれた住み処がある。 もともとの洞窟を手直しした我が家は、入り口の印象よりも中が広い。 獣人の形態に移行して扉を開け、中に入って錠前を下ろす。 それから、革袋の口を開いた。]
入り口はそこだけ。鍵は私の手の中。 探しても他にはないよ。 無駄に家を荒らさないでくれたまえ。
ここは居間と台所。 奥に寝室と食料庫とワインセラーがある。 しばらく適当にしているといい。
[一緒に入れた服だけ取り出して、ハンガーに掛けておく。 天使は引っ張り出したりしなかったし、出るのを邪魔もしない。]
(-2) nekomichi 2021/12/21(Tue) 00時頃
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ところで本当に食事はいらないのかね。 君の口に入りそうなものをいろいと見繕ってみたのだが。
[机に並んでいるのは各種果物や蜜、砂糖菓子。 それにミルクと酒の類だ。]
(-3) nekomichi 2021/12/21(Tue) 00時頃
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[少なくとも天使は袋から出た途端に暴れ出しはしなかったし、こちらの問いに反応もしていた。 多少は慣れてくれたのではないかと期待する。
居間で紅茶を入れている間、天使は家の中を探索していた。 気配を追いながら、カップに紅茶を注ぎ、椅子に腰を下ろす。 そうして湯気立つカップを手にしながら、天使の様子を観察していた。]
(-7) nekomichi 2021/12/21(Tue) 16時半頃
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[天使は各部屋を覗きながらなにかを探しているようだった。 天井や壁を見ているから、窓を探しているのかもしれない。
この家には明かり取りの天窓が居間にひとつあるが、空から覗くのは所詮は魔界の空だ。 台所に煙出しの穴がある以外は、他に開口部はない。]
探検は堪能したかね。 こちらにおいで。少し休むといい。
[探索がひととおり終わる頃を見計らって天使に声を掛ける。 これで来るようならば、たいした進歩だ。*]
(-8) nekomichi 2021/12/21(Tue) 16時半頃
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[来なければ捕まえにいくつもりだったが、天使は居間へ戻りテーブルに近づいてきた。]
よく来たね。 その椅子を使うといい。 上に乗っているものは、側にどかして。
[たまの来客に使っている丸椅子は、普段はすっかり物置き台となっている。 今も革装丁の書物が椅子を占拠していた。]
(-10) nekomichi 2021/12/22(Wed) 00時頃
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茶は飲むかね。 それともやはり日光浴がいいかね。
君がここで過ごすのに必要な物があれば用意するつもりだが、そのためには君をもっとよく知る必要がありそうだ。
[天使のために紅茶をカップに注いで、前へ押しやる。]
それと、名前もあるといい。 いつまでも、君、と呼ぶのは味気ないものだ。
君の名前を教えてくれるかね。
[天使がいままで一言も言葉を発していないとわかっているが、それでも敢えて問う。*]
(-11) nekomichi 2021/12/22(Wed) 00時頃
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[椅子を勧めたが、天使は座らずにこちらの背後へ回ってきた。 背中でなにかをしている様子だが、害意はなさそうなので好きにさせておく。
問いに返答が無いのも予測通りだった。]
教える気はないか。 それとも名前は持たないのかね。
あの均質な群れの中では必要ないかもしれないが、 君は今、私の特別な天使になっているのだ。 君だけの名はあった方が良い。
[均質の中から拾い上げた特別な一粒だ。 手を掛けて育てればどのような姿を見せてくれるのか。 大層、興味が有る。]
(-15) nekomichi 2021/12/22(Wed) 16時半頃
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ケラヴノス。 今日からそれが君の名だ。
返事はせずとも構わないから、 私が君を呼んでいることは理解してもらいたい。
[雷という意味を持つ名を天使に贈る。 群れの中で縦横無尽に飛んで繰り出された槍は、雷の一撃と呼ぶに相応しいものだったから。*]
(-16) nekomichi 2021/12/22(Wed) 16時半頃
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[名をつけた天使は、興味が無いというそぶりではあったが、確かに反応を返した。 拒否はしないというところだろうか。
視界の中に戻ってきた天使は、椅子の上の書物を手に取る。 『天使の飼い方・特装版』と表題にあるが、天使は魔界の文字は読めるのだろうか。本文には挿絵も入るので、天使に関する本だということくらいは分かるかもしれない。]
私のケラヴノス。
[そっと呼んでみる。 どんな反応をするだろう。]
(-19) nekomichi 2021/12/22(Wed) 23時頃
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[名を呼ばれた天使は、あからさまに気分を害したという態度で部屋を出て行った。 天使は素直でわかりやすい。 獣の口で微笑んで、置かれた本を手に取る。 ぱらりぱらりとページをめくりながら、離れていった気配に耳を澄ませた。
天使が身につけていた鎧に興味は無かったので、地下の倉庫に投げ込んである。 寝室にある地下への入り口は、いざというときの避難経路でもあるので、仕掛けによって隠されていた。 見つけ出すのは少々骨の折れることだろう。]
(-22) nekomichi 2021/12/23(Thu) 00時頃
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[天窓から見える魔界の空が、一層暗さを増していた。 魔界に太陽が昇り沈むわけではないが、一応の昼と夜はある。 瘴気の雲が広がり、空が翳る時間というものが。]
ケラヴノス。じきに夜が来る。 その格好では冷えるかもしれない。
[奥にいる天使に声を掛けて、立ち上がる。 ティーセットを片付けて、寝室へ向かった。
厳密には睡眠は必要ないが、頭と体を休める時間はあったほうがいい。*]
(-23) nekomichi 2021/12/23(Thu) 00時頃
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[少し早いが、今日はもう休むつもりで寝室に入る。 書物を一冊、枕元の読書台に置いて、寝台に横になった。 自身が発光しているので、読書灯は必要ない。
肘をついて頭を上げ、横になったまま読書する。 怠惰な姿勢ではあるが、最近はすっかり習慣づいていた。
天使はどうしているだろうかと顔を上げ、呼んだ。]
寒くなったならこちらにきなさい。 一緒にいれば少しは温かいだろう。
[寝台は広く取ってある。 天使は睡眠を取らないものが多いというが、一緒に横になるスペースは十分にあった。*]
(-25) nekomichi 2021/12/23(Thu) 18時頃
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[耳を倒し、天使が去って行く気配と音を追う。 どうやら厨房の方へ向かったらしい。
冷えると言ったからだろうか。 かまどの灰には、確かに火が埋めてある。 多少弄っても火事には繋がらないだろうが、天使自身が火傷などするかもしれない。
気にはなったが、見に行くことはしなかった。 ただ本を閉じて、楽な姿勢になり、気配を読むことに集中する。*]
(-27) nekomichi 2021/12/23(Thu) 23時半頃
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[天使はしばらくかまどの前にいたが、離れたようだ。 居間に移動した後は、なにかしている気配がする。
家の中を物色しているとか、外へ出ようと画策しているとか、そういう物音はしなかった。 どうやら、体を動かしているだけらしい。
何をしているのか興味はあったが、行くのはやめておいた。 居間に近づけば光で気付かれるだろうし、見られていると気付けば止めてしまうだろう。 慣れるまでは、放置しておくのがいい。 時間を掛けてゆっくり近づいていくのが良いのだと思う。]
(-30) nekomichi 2021/12/24(Fri) 11時半頃
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[知覚の一部を天使の上に残し、意識のレベルを下げていく。
微睡みに近い状態になって、今夜はもう休むことにした。*]
(-31) nekomichi 2021/12/24(Fri) 11時半頃
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[微睡みは完全な眠りではなく、天使が近づいてくるのは知覚していた。 何をするのだろうかと意識の欠片で追いかけていれば、毛皮を幾度か撫でられる。 そわそわした感触で覚醒したけれども、そのまま動かずにいたら、足元に顔を伏せた。
天使は眠るのだろうか。 それともうつ伏せているだけだろうか。 毛布でもかけてやりたくなったが、触ると起きるかもしれない。
光る毛を伸ばして天使の周囲に絡ませ、光の天蓋を作るに留めておいた。]
(-34) nekomichi 2021/12/25(Sat) 17時頃
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[すっかり目が覚めてしまったが、動くに動けない状態だ。 天使がいなくなるか、夜が明けるまでは横になっていようと思う。
足元の温もりは、なんだか心地良かった。*]
(-35) nekomichi 2021/12/25(Sat) 17時頃
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[天使が顔を上げる。 離れていく温かさが惜しくて、一緒に上体を起こした。]
目が覚めたのか? やはり寒かったかね。
[そのまま体を半回転させ、寝台から足を下ろす。]
どれ。火を入れておこうか。 少しは温まるだろう。
[立ち上がり、厨房へと歩き出した。*]
(-37) nekomichi 2021/12/25(Sat) 18時半頃
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[かまどの前に立ち、埋めて置いた火を目覚めさせる。 鮮やかな赤に光る燠に新たな炭を添えてやれば、火は再び息を吹き返した。 ぬくもりが穏やかに広がっていく。
天使がまだ寝室にいるのを知覚しながら、自分の毛を幾度か梳いた。 指に絡んで抜けた長い毛を、指で編んでいく。]
ケラヴノス。 こちらに来なさい。
[かまどの前にもうひとつ椅子を用意して呼んでみる。*]
(-40) nekomichi 2021/12/26(Sun) 00時頃
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[思ったよりも素直にやってきた天使に椅子を勧める。 それとは別に、求めるように掌を出した。]
夜の間、ずいぶん消耗していただろう。 少し、手を見せてごらん。
[手を見せるよう催促し、手首を素早く掴んで自分の毛で編んだ糸をくるりと巻き付けた。]
この毛はしばらく光っている。 君は光を糧に生きる天使のようだからね。 少しは君の足しになるだろう。
(-42) nekomichi 2021/12/26(Sun) 01時半頃
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[掴んだ手を離さないままで告げ、不意にその手を強く引く。]
本当はこうするのが一番だ。 君が望むなら、いつでもしよう。
[腕の中に天使を捕まえて、抱きしめる。 全身が明るく温かく輝いた。*]
(-43) nekomichi 2021/12/26(Sun) 01時半頃
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[毛で編んだミサンガは天使に受け入れられたらしい。 外せという様子は無い。 抱きしめた最初の一瞬も大人しかったが、すぐに抵抗された。
そのまま抱きしめておくのに困難はなかったが、与えたミサンガの効果を試したくて天使の手首を撫でる。 編まれた毛の一部がするりと伸びてもう一方の手首に巻き付き、簡単な手鎖となって天使を拘束した。]
暴れるのは構わないけれど、危ないからね。 しばらくそのままでいなさい。
[拘束したついでに翼の傷を診る。 砕けた付け根が少し盛り上がっているのを掌で撫でた。 このまま再生するだろうか。 片翼の天使も良いが、飛ぶ姿も見てみたいと思う。]
(-46) nekomichi 2021/12/26(Sun) 12時半頃
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[拘束してやったら抵抗はより激しい物になったが、それでもまだ可愛いものだ。 叩きつけられる手を捕らえて、縛られた腕の輪の中に頭を突っ込んでみる。 そうして立ち上がれば、天使の足は宙に浮く高さだ。]
君は天界に帰りたいと思っているかもしれないが、 もう諦めた方が良い。 君は既に私のもので、天のものではない。
[腕の中に天使を捕らえたまま、その金の髪を撫でる。 単に撫でるというよりは、指を差し入れて梳く動きだ。]
(-48) nekomichi 2021/12/26(Sun) 15時頃
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このあたりは私の領域で、他の魔物は寄りつかない。 一人は静かでいいが、時には他の生き物が恋しくもなる。
私に見いだされたのが運命と思って、ここで暮らすといい。
[語りかけるような穏やかな口調だが、天使を抱きしめる腕が緩むことはなかった。*]
(-49) nekomichi 2021/12/26(Sun) 15時頃
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[宙吊りでの蹴りなど、少々煩わしい程度のもの。 じゃれつかれているのと大差ない、と思えば愛しさも覚える。
首に天使の腕を掛けたまま、獣人から獣へと姿を変えた。 そのまま天使を床に押し倒し、のしかかる。]
君には印をつけておこう。 誰が見ても、私のものだとわかるように。 君が私の側を離れても、すぐに探せるように。
[牙の並ぶ口を開き、天使の首を咥える。 浅く肌を破る牙と、喉笛を舐める舌。 どちらも火のように熱く感じるだろう。]
(-52) nekomichi 2021/12/26(Sun) 23時半頃
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[口を離せば、天使の喉に文様が刻まれている。 まるで首輪のようなそれこそが支配の印だった。*]
(-53) nekomichi 2021/12/26(Sun) 23時半頃
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[床に押し倒されても、なおも天使は蹴りつけてくる。 それは抵抗のためというよりも、意地のように思えた。
天使の上に腹ばいになり、体全体で乗る。 間近になった首筋や顔に舌を伸ばして舐めた。]
君に言葉が通じているか分からないから、 つい無理矢理になってしまうな。 君が喜ぶことをしてやりたいのだが。
いや。君の望みが聞けたとしても、 私はそれを聞き届けることはできないだろう。 君を手放すことも、光に返すこともしたくはない。
せめて快適に過ごさせてやりたいが、 どうもうまくいかないようだね。
(-55) nekomichi 2021/12/27(Mon) 02時半頃
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[体毛の一筋を伸ばして扉の鍵に触れる。 解錠の音と共に、外へ続く扉が開いた。]
気晴らしに、外へでも行ってくるといい。 私の側にいると、君も気疲れするのだろう。
私の領域内に、他の者はほとんど入ってこない。 危険があっても、刻印を通じて君を守れる。
君が出かけている間に、会話の手段を考えておこう。 文字が読めるなら、――いや。絵の方が良いか。
[考えを言葉にしつつ、天使の拘束を全て解いて、体の上からも退いた。*]
(-56) nekomichi 2021/12/27(Mon) 02時半頃
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[天使が出て行ったのを見送って、扉を閉めた。 前脚を伸ばし、後脚を片方ずつ伸ばしてあくびをする。 それから、軽い食事を摂った。 獣身でも大抵のことはこなせるものだ。
食事が済めば、自らも外へ出る。 草を踏んで歩き、大岩の上に飛び乗って、そこで腹ばいになった。
背中の毛がそれぞれに光を放ち、周囲を照らす。 光を浴びた植物たちが、そっと葉を広げる。 己の領域を保つための日課だった。]
(-60) nekomichi 2021/12/27(Mon) 13時半頃
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