28 僕等(ぼくら)の
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視点:
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
Aが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、ハロ、エニシ、ケイイチ、ヒイラギ、ルリ、ナナオ、マユミ、ヤマトの8名。
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誰が… ……?
[『何処に行っていた?』 まだ発することが出来ていない問いと 七尾の言葉が、遠いところで符号しそうで。 ―――ロボットというものは、 ―――搭乗者が居なければ動かない。
全く状況が分からない中ながらにして、 あの時抱いた言葉にならない不安が再び頭を擡げ始める。 詳しいことを聞けるだろうか。 否、無理だろう。七尾は顔を背けてしまう。 思い出したくない夢に魘されるような、そんな仕草。
無理に聞き出すことは本意ではない。 今はそっと置くことにしたものの、生徒らの会話の中から 何かしらの糸口を掴もうと、耳を傾けている。 **]
(@0) 2023/08/15(Tue) 00時頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/15(Tue) 00時頃
夏合宿を終えて、帰宅した僕等は。
その後、敵が出現する事もなくて、
学校の授業も、何もかも、通常通りだった。
もしかしたら、合宿の事は夢だったのでは。
――……そんな希望も、もしかしたら持ってしまったかも、しれないけど。
ふと、誰かの元に、
どこからか名を呼ぶ声が届いただろう。
(#0) 2023/08/15(Tue) 00時頃
雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/15(Tue) 00時半頃
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私のおかーさん≠ヘおとーさん≠ェ嫌い。 おとーさん≠ヘ何も言わな≠「。
いつからだっただろう。 昔はそんな事、無かったのに。 ………そんな事すらなかった、のかな。
毎日聞こえるおかーさん≠フ悪態≠ェ 毎日訪れる沈黙≠ェ 堪らなく たまらなく
- * - * - * - * - * - * - * - * - * - * -
(0) 2023/08/15(Tue) 01時頃
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つらかった
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(1) 2023/08/15(Tue) 01時頃
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―― 起床 、 ――
[目が覚めた場所は何処だったろう。 見慣れた天井広がる我が家か、 見知らぬ白い天井か。 きっとその違いは些細で。 変わってくるとしたら寂しいか寂しくないかだけ。
目が覚めるとあたしは泣いていた。 なんで泣いているのだろう。 怖い夢を見たのかな。 単に目にゴミが入って目が覚めたのかな。 違う 単に、]
(2) 2023/08/15(Tue) 01時頃
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[ 『名前を呼ばれただけ』 ]
(3) 2023/08/15(Tue) 01時頃
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[なんの声だったのだろう。
わかってる なんで呼ばれたんだろう。
わかってしまってる お母さんが起こしに来たのかな。 それとも、お父さん? どっちにしたって珍しいな、いつだって あたしが一番に家で目を覚ますんだから。
だから、]
(4) 2023/08/15(Tue) 01時頃
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[何に呼ばれたかはわかってしまったんだ。**]
(5) 2023/08/15(Tue) 01時頃
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───縁牙ッ!!!戦え!!!
[僕は思わず、パイプ椅子に座って固まっている弟を思いっきり殴りつけた。縁牙は椅子から転げ落ちる。
胸倉を掴んで立たせ、もう一度椅子に座らせた。
椅子の後ろから、弟の手に自分の手を被せる形で握って、耳元で囁く。
───主砲、右肩に撃って来るから上体を下げて。
次、左足に来る。躱して。
遅い!!次、避けたらお腹を狙って撃つ!
[まるで二人羽織りの戦闘だった。ロボットはちゃんと動いて、槍を放つ。
というより縁牙は、避けるのが下手だが、攻撃は百発百中だった。そうでなければ。それでこそ。僕の弟。
だけど、確実に中ててしまうからこそ、自分の腕に怯えるのか。]
殺さなければ殺られるんだ。
考える余地すらない。
[敵ロボットの核が丸見えになった時、あいつは泣いていたけど、
"殺れ!!!"という僕の合図により、
一撃で仕留めた。
そのロボットの核は何故かガラスのように透けていて、
中に独りで居たパイロットが丸見えだったっけ。
仕留めた瞬間、真っ赤に染まって、何も見えなくなったけど。]
[縁牙はその場で吐いて。泣いて。
僕は "………よくやったよ" と声をかけたけど、
弟は何も言わなかった。
その戦闘の後、あいつは直ぐに死んでしまって。
───同じ顔だから。
───ああ、僕の死に顔は、こうなんだ……と
知った。]*
.
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ーーその一滴から花開くーー
[大事な事はなんだろう。 大切な事は、なんだろう。
巨大ロボットの大暴れという、僕視点のほぼ災害に巻き込まれて。
本当ならば、Aは何故あんな事をしたのかとか、僕らはただ被害を追っただけなのかとか、考えるのが普通だ。
僕はAの連絡先を聞いていたのに、みんなのように連絡しようなどと1ミリも思わなかったし。
むしろあのロボットも、Aも、ハロも。
どこか地球じゃない世界からやってきた迷惑な侵略者みたいなもので。
僕らの大切な想い出になるはずだった合宿最終日をぶち壊した悪者、みたいな認識でしかなかったから。
(6) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[よって、まず。
康生が乗る救急車が遠ざかって行くのを見送りながら僕が考えて居たことはーー
とくんとくんと騒がしくてたまらない胸の鼓動の原因だったんだ。]
(7) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[僕という人間が何に支配されて来たか。 物語を読んでいる人は薄々気付いているだろうけど、解説しておこう。
ーー自覚はいつからだったろう。 中学で精通を迎える前から、僕はみんなより性的な興味が強かった。
幼稚園の時に女の子のパンティを脱がせて泣かせてしまい、酷く怒られた。
中学になって身体が大人になると、僕は欲が溜まりムラムラするのを強く覚えた。
しかし、僕の中学は男子校である。だから、専ら野球に打ち込み性欲を発散した。 それでは足りないから、夜は猿みたいに自慰を繰り返した。
女の子を見かければ、胸やうなじといった性的部分に視線が張り付いた。
ヤりたくてヤりたくて堪らなかった。
ヤれるなら男でも構わないとすら思ったことも。]
(8) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[そんな僕は肩を壊して野球人生にサヨナラする。 最早スポーツにて発散という手段を失ったのだ。
そして、高校は男女共学だった。
僕の周りにはクラスメート、部活先輩、そしてーー再会した幼馴染みになれなかったあの子など、いきなり女子が溢れる事になる。
飢えて、飢えて。
肉を貪りたくて堪らない僕の前に餌が沢山あった。
ただ、だからって勿論いきなり同意なく押し倒し事に及んだらただのレイプで犯罪だ。
僕だって分別はあるし、男は女の子を護るもの、という心の矜持だってあったから。
しかし結果、自慰だけでは鎮められない強い性欲を僕は常に持て余すことになったのだ。]
(9) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[ーー雨竜先輩は、ある意味の同類。ある意味の、共犯者。
彼女もまた、肉欲に支配された獣だった。 それなのに僕の兄みたいな真面目で淡白な男と付き合ってしまったものだからーー
そりゃあ、溜まっていただろう。
部室で初めて二人きりになった時、僕は彼女の雌の香りにクラクラした。
彼女もすぐに気付いたのだろう。手を触れあわせて挑発してきた。
あれは、雄と雌の原始的な交尾のサインだったんだ。
なんてこたぁない。 僕は雨竜先輩を好きなわけでも、恋をしていたわけでもなかった。
ただセックスアピールに惹かれていただけだったんだ。]
(10) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[合宿にて僕は兄から、彼女が恋人なのだと打ち明けられた。
その時彼女はニヤニヤしていた。面白がるように。
ヤりたくて狙っていた女は兄のお手つきでした。 僕がショックを受けてどん底に沈むのを見ていた。
でも雨竜先輩は、僕がそれでしおしおと諦めないことまで見抜いてたんだよね。
だって僕は、支配されているから。強い強い性欲に。
彼女は真夜中に僕をラウンジに呼び出した。
yogiboにしなだれかかり、僕を誘った。
寂しいの。
その一言で十分だったよ、僕がたかを外してしまうのに。
理性なんかとっくにぶっ飛んで、彼女をひたすら貪った。]
(11) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[同じように彼女も、僕の精を吸い付くそうとしたんだけど。
一夜の過ち?それは結果論だ。 もし兄にバレなければ、僕らは毎日だってヤりまくったろう。
ただ粘膜を擦り合わせ、快楽を得るために。
ーー互いに好きなんて感情はなかった。
ただ、これらは全て無自覚に行われてきた。
僕は雨竜先輩を前にして高まる肉欲を、恋のときめきだと勘違いした。
彼女を好きなんだと誤解した。
自分を理解してなかったからね。]
(12) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[だけどこんな僕が変わるきっかけが訪れた。 僕を支配していた性欲に打ち勝つ強い感情に、僕は唐突に出逢う。
それはまるで、ヘレン・ケラーが雨に打たれてwaterと叫んだような。
物事を全身で理解するような瞬間だった。
僕は恋をしたのだ。 漸く、肉欲に負けない強い想いを得たのだ。
最初の一滴は小さな。 でも、僕の心をじわじわと侵食して。
やがて自覚に至る。]
(13) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[本当に好きなら、その相手をヤれるかヤれないかなんて、些細なんだよ。
ーーつまり。
僕は柊木康生に恋をした。]
(14) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[問題は、そのタイミングは、僕が性欲に押し流されて彼に無理矢理キスした後であったこと。
完全に片想いである、というのは、恋愛成就は恋という性質に別に不可欠ではないから構わないが。
普通は恋をしてから同意を得て、ロマンチックにキスをするんだよ。
なのに僕は焦り、彼との最後のキスを恋に堕ちる前にしてしまった。
なんともまあ、皮肉。
さて、一応僕の気持ちが本当に恋なのか検証してみよう。 それを恋ではないと僕が間違えて判断した原因もね。
珊瑚先生宜しくお願いします。]
(15) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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『よく、恋は落ちるものっていうよね。 いつの間にか好きになってるの。>>309』
キスした直後から僕はとても恥ずかしくなり、いつの間にか今までの友情とは異なる好きの感情を持っていた。
『友情は信用と信頼で成り立つけど>>309』
そう、だからキス以前は友達として好きだった。
『性的な欲求とも、違うと思う。』
友達としての好きが高まり、パニックを身体が興奮と誤認し、僕は彼の唇を奪うに至った。
だがその後、僕は彼の身体的ハンデを知り、性的欲求を感じなくなっている。
彼に恋をしたからだ。
(16) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[『友情だったら"いいって事よ!"で済むのが 恋愛だったら"もっとしてあげたい"と "察して欲しい""自分にも返して欲しい"になる?』
彼に僕の気持ちを察してほしいと思った。 彼が僕を恋愛的な意味で好きになり、気持ちを返してくれたらと願った。
『もっと笑顔が見たいとか、 何かしてもらえると他の人より嬉しい』
勿論だ。笑顔が見たいし、彼に褒められたり触れられると誰より嬉しい。
『自分より優先したい相手なら』
言わずもがな。
『狂おしいほど相手が欲しい。奪いたいくらい。』
彼が珊瑚にプレゼントを渡して言った時、僕は明確に嫉妬した。]
(17) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[『隣にいるだけでドキドキするとか。 ほんのちょっとしたことが嬉しい、とか。』
食堂で隣に座るだけでドキドキした。 彼が僕の名をほんのちょっと呼ぶだけで嬉しかった。
僕は彼に恋をした。
まるで坂道を転がるように、抗いようなく、恋に堕ちた。
ただ、この物語は恋愛ストーリーではない。
僕らはこれから巨大ロボットに乗り命を掛けた戦闘をするのだ。
本来はそちらの心配をしたり苦悩するのが普通だがーー]
(18) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[長年僕を苛んできた性欲を上回る想いに満ちて。
恋をするだけで、相手から同じ想いが返らずとも幸せいっぱいになることを僕は知り。
そう、ただ。
彼への想いを募らせていた。 ひたすらに。
たった一滴が花開く。 たった一滴を僕は、噛み締める。]
(19) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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[ーー好きだよ、コウ。]
**
(20) 2023/08/15(Tue) 03時半頃
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──今までの人生で、一番多く見た色は何? もしそう聞かれたら、即答できる自信がある。
白だ。 俺は、白に囲まれて生きてきた。
合宿参加者のみんなには完全にバレちまったけど、俺は身体が弱いなんてもんじゃない。 中学の途中まで、入退院を繰り返すどころか、入院しっ放しみたいな生活を送ってた。 星に興味を持ったのも、比較的調子のいい日に窓際に行って見られるからとか、そんな理由だった。 特に夜は、母さんも父さんも面会時間過ぎたら帰っちゃって、消灯まで暇だったし。 (暇なんて言ってられない体調の日の方が多かったけど) 一年中空調の効いた場所に居た俺にとっては、星たちの変化が季節の変化…みたいなとこもあった。 今思えば、室内の明かりが窓に反射しがちだったし、病院自体の立地も街中だったから、観測条件としては最悪に近かったんだけどな。 それでも、買ってもらった星の本と、実際に微かに見える星明りの位置が一致してることが嬉しくて、ワクワクしてたんだ。
(21) 2023/08/15(Tue) 05時半頃
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