27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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[果たして天使に頼めば 35億回のくじ引きをショートカットして 運命の人と引き合わせてくれるんだろうか。
一目で二人は恋に落ちて、 世界であたしだけに愛を囁いて、 約束されたハッピーエンドを描くんだろうか。
……嘘。そんな都合のいい人、いないよ。
現実はそんなに甘くない。 わかってる。わかってるのに。 分不相応な期待なんてしないし、こんな世界嫌いだし。 何もかも諦めて、耳を塞いで、絵の世界に浸って。 別にそれでよかったのに。]
(343) 2023/07/30(Sun) 22時頃
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(――― ……なのに)
(あたし、なんで、あんなこと言ったんだろう。)
(344) 2023/07/30(Sun) 22時頃
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[一つため息をついて、虚像のあたしに手を伸ばせば それはその場に融けて消えてしまった。
また逃げ出してしまいたくなるけど、 どっちみち夢なんだ。 今くらい、馬鹿になったっていいじゃないか。
そんな気持ちでまっすぐ歩めば、 きっといつのまにかロータリーに着いている。**]
(345) 2023/07/30(Sun) 22時頃
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/* こころちゃん♡→大藤くんなのかな……?(ワクワク
(-83) 2023/07/30(Sun) 22時半頃
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―― 現在:美術館2階 ――
はい。一応そのつもりでしたが、 言葉にすると、なんか恩着せがましいっすねえ。
[ なんて苦笑を零しながら、 ]
はい、ミュージアムショップっす。 綺麗なはがきとか色々とあったので、 見ているだけでも楽しいと思うっすよー。
[ まず最初に出てくる発想が、 絵画の中に入った、ということは、>>338 銀先輩が絵画の中に入った、 もしくはその知識がある、ということか。
立ち上がる先輩に倣うように、 俺も立ち上がると、 ]
(346) 2023/07/30(Sun) 22時半頃
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銀先輩は、もうすぐこの場所から お別れしないとですもんね。 時間の許す限り、見て回るといいと思うっすよ!
[ 絵画に向き合って、別れを告げる先輩に、>>339 もしかして、これがバスで言ってた 見たかった作品なのかなって何となく思ったけど。
絵画に別れを告げる理由や経緯は分からなかったけど、 俺は別にその言葉が縁起が悪いなんて思ってなかった。
だって、「さよなら」と言おうが言うまいが、 起こった結果は変わらないし。 ]
(347) 2023/07/30(Sun) 22時半頃
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いえいえ、どういたしまして!
[ お礼の言葉を言われる頃には、>>340 銀先輩の笑みは戻っていた。
――よかった。少しは役に立てたみたいだ。
俺はホッと安心して、笑顔を浮かべると、 特に引き留めることなく、先輩を見送った。 ]**
(348) 2023/07/30(Sun) 22時半頃
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――B1/階段――
[骨のように白い手が、 黄泉路から手招きしている。 否、それは本当に骨だったのかも知れない。
血塗られたように、深紅のマニキュア。 精緻なネイルにハートのラインストーン。 ラメが綺羅綺羅とオレを翻弄する、 あれは五人目の彼女の手。
耳元で、「なんで?」と彼女が囁く。 「どんな我儘でも聞いてくれたでしょ?」 「好きなら、これくらいできるでしょ?」]
――ごめん。
[オレは薄く微笑みながら、頬への衝撃を覚悟して 奥歯を噛み締める。]
(349) 2023/07/30(Sun) 22時半頃
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そう? 私はあまり勘がよくないから 言葉にしてもらえるほうがありがたいわ。
[>>346>>347>>348 きっと、銀が気づいてない所で これまでも色々と気を配ってくれていたのだろう。]
素敵な場所だものね。 そう、この絵、子供の頃に見た時も、今も いいなって思えたわ。
[彼の視線を受けて、添えると背を向ける。 足取りが軽やかなものでなかったのは、 重いローブのせいだったことにしよう。*]
(350) 2023/07/30(Sun) 22時半頃
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[砕いてきた死者たちが、 オレの背後にわらわらと列を成す。 まるでこのまま歩き続ければ、 自分たちも現世に黄泉還ることができると 思っているかのようだ。
骸骨たちによる、死者の行進、生者の葬列。
肉体を弔うために葬儀を行うなら、 精神を弔うにはどうすればいいのだろう。
この手で殺してきた、35億分の9人の 女神たちの心は。]
(351) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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七日間くらいあるのかな。
["慈悲"であり猶予のはずのこの世界。 覚める前にとりとめもなく考える。 ジイさんの葬式の時、坊さんが掻い摘んで 話てくれた、死後の話を。
七日経てば、三途の川に着く頃合い。 それから七日毎に七度の裁判を経て、 四十九日後、次の世界へと旅立つのだと。]
――ごめん。
[誰に対して謝っているのか、分からない。 この階段の先が、奈落でも川でもなく、 現世の病院だと、オレは識らされていた。]
(352) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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[いつしか階段は、踊り場で折り返すことなく、 螺旋を描いて下方へと続いている。
まるで轆轤のようにくるくると、 永劫回り続けているように錯覚する。
のべられる、幾多の亡者の手を歯牙にもかけず、 ただ一歩ずつ、目醒めに向かって。
遠くで、雷の落ちる音が聞こえた気がして、 一瞬身を竦ませた。
階段の最後の段には、まだ辿り着かない。 オレの心が、澱み迷い続ける限り。*]
(353) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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―― 現在:2階・絵画『運命』の前 ――
ふうん、なるほど。
[ 銀先輩が立ち去った後、 俺はじっくりと目の前の絵画を見てみることにした。>>0:319
なんとなく、先ほど銀先輩が着ていた服装と この絵画の世界観がマッチしている気がする。
それに、子供の頃に気に入った絵もこの絵らしいし、>>350 絵画の中に入ったのは、やはり銀先輩なのかな、 と、俺は推測する。>>346
ただ、ほんの少し前なら、 直接文句を言ってやりたい人間もいたけど、>>65 俺の感情はもうすっかり冷えていて。>>145>>173 ]
(354) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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――美術館探索
[福原と別れたあとは、近くの特別展示室を覗いて 見て廻る。それから階下へと降りたが、 一階は到着後に観ているものも多い。
ずるずるとマントを引き摺るようにして のんびりと歩く。 鑑賞というには集中を欠いていたものの、 先ほどの落ち込みを思えば、各段にましになっている。 福原が助けになったことは明らかで、 時間の経つとともにありがたいなとしみじみ思う。]
あ、ここね、ミュージアムショップ。
[目的というわけではなく通りかかっただけだ。 きっと、夢の外に持ち出すことはできないだろう。 パンフレットやオリジナルグッズを見るともなしに。]
(355) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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まあ、今のところは絵の中に入らなくていいかな。 直接会って、言い訳なんて聞きたくないし。
[ 父さんがどれだけ 俺から恨まれる覚悟があったか知らないけど、>>173 死人には口など無いのだから、 俺が父さんに対して思う感情に 口を挟まれたくなんてない。 ]**
(356) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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…………。
[残された時間は明示されていなかった。 ただ、時が迫っているような、急き立てられる感覚。
未だ誰とも分からない、最後にここに残る者のことを 考えるのは気が重い。]
アリババさん、 やっぱりちょっと憎らしく思ってしまうわ。
[息を吐く。その掌も声を優しいものだったけれど。
今は最後のひとりとなった者が 少しでも安らかに眠れるといい――そう願うだけ。*]
(357) 2023/07/30(Sun) 23時頃
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>>335
[それはどんなタイミングだったか。 呼ばれれば姿をみせる]
キミは、還る人だね。 何か思うことがあるのかな。*
(358) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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──回想:骨谷先輩と──
[>>170 似顔絵?と思って覗いたけど、カップの図案だそうだ]
使う人をイメージした図案ですか? へぇ〜…面白いなぁ
[感心しながら後ろから覗き込めば、思い浮かんだ内容について教えてくれるかな。ワイルドストロベリーが有名な食器って、どこかで見た事があったっけ]
面白そう…いつか作ってもらいたいですね〜…ぜひ。 で、それを使ってお茶とか飲んでみたいなぁ
[自分も戻れれば、それは叶うかもしれない。 でもまだ分からないから、これ以上の約束は しない方がいいかな]
(359) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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[機会があれば、仁科さんにも絵を見せてもらおうか]
思い通りの食べ物が出る冷蔵庫ですか。 うちにも一台欲しいですね。
[子どもの頃に、ドラ●もんを初めて知った時にも同じ事を言ったなぁ]
肉じゃが、福原先輩に作ってもらえる約束したんですよ。 うん、このおにぎりも美味い。
[ちょっと鼻にツンと来たけど。 で、慌てて冷たいお茶を汲みに行ったんだった。*]
(360) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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[グループLINEを長いこと確認していなかった。 >>316 骨? 骨谷のLINEに疑問符を浮かべる。 ボーンチャイナとは聞いていたが、どういうことだろう。
何かを打とうとして、 伝えるべき言葉はないのだ。 この中にひとり、永遠に会えない人物がいるのだとしても。 >>80 また、後で。 ここでもう一度、会っておくべきだっただろうか、 考えて首を振る。 それから、ふと、スマホを構えて自撮りした。]
……この衣装で、 スマホって合わないわね。
[画像を見て呟く。これも消えてしまうのだろう。 それでも、少し笑えたから良かったのだと思う。*]
(361) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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ああ、そのことか。 スケッチブックは残念ながら持ち帰れない。 ただ、
起きても、まだこちらの世界を あなた方は視ることができるだろう。 いや、視ようとすれば、かもだが。
[ま、詳しくはのちほどと]*
(362) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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[空を飛ぶのは怖い>>319と聞けば苦笑して、]
うまく飛べる夢ならいいんスけどね。 夢にもルールがあるから難しいス。
[経験者はかく語りきであるが、その経験こそが仁科の魔法を難しくしている。 兄弟について、亡くなったと言われればそれ以上を問うことはできない。悪口ってことは、仲が悪かったんだろうかとか。 石を投げられた、とはラインの悪夢>>1:325か。
・・・思春期を拗らせた、本当は仲の良い姉妹たる仁科には、関係性の想像もつかないけれど。]
(363) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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夢から醒めたら、どれくらいのことを 覚えてられるのかな、って。
[未だ現世への階段を下り始める前のこと。>>358 美術館の地下階に一片残された黒は、みるみる内に膨らみ 翼へと変じていた。
颯爽と現れた黒いスーツの彼の前で、 手にしたスケッチブックを捲る。]
さすがにこれを、持って行くことはできない?
[即断>>362 ああやはりと、落胆も露に。]
……え、視れる?
[オレは豆鉄砲を食らった鳩のように、呆然としていた。 それは想定していなかったな。]
(364) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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[顔をあげてみない?と言われて、少し躊躇う。 深呼吸して、視線を上げる。 自分の顔を見る前に、少し逸らしてみるとやり切った顔の姉が映っている。
つ、と視線を正面に向けると、ダレデスカと言いたくなるようなメイクと髪型。 自分でも、ハッとした。 「印象が変わった」と言われると、事実なので素直にうなづけた。]
そう、ですね
[慣れないので落ち着かないけど、田端先輩は嫌そうでもバカにした素振りももちろんなくて]
ありがとう ございます
[か細い声で礼を]
(365) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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[どこからか子供のすすり泣く声に、田端先輩が反応して。
姉にもシュシュをくれた。 田端先輩の差し出した手から、少ししてシュシュは消えただろう。
鏡の中に渡ったシュシュを見て、田端先輩を見た。]
ありがとうございます 姉にまで・・・“魔法”を使ってくれて。
[泣いてる子供を放って置けない田端先輩に、まるで自身も泣いてる子供だったなあと思いながら。 可愛い、と言われたら、今度は否定せず。 言葉にはできないけど、こくこくとうなづいて、頭を下げた**]
(366) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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……こちらの世界を視て、 現実の世界でスケッチブックに 描くことは可能、なのかな?
[それにはまず、腕を負傷していないという大前提があるけれど。 いずれも彼の語る詳細も、いずれ目覚めれば分かること、であろう。]
もう僅かしかここに居ないオレのために、 わざわざありがとう。 そうか、持って帰れないのなら、 誰かにあげても良かったな。
[ニトちゃんには新品を提供できたから、 使い古したこのスケッチブックにもう用はない。 黒衣の男に、彼の姿に見合うだけの丁寧な一礼をして、去るのを見届けた。*]
(367) 2023/07/30(Sun) 23時半頃
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[ふと、届いた通知にスマホを開くと、骨谷先輩からのメッセージ>>316。 骨、と聞くとはてと思ったけれど、陶器の知識なら牛骨を使うボーンチャイナは知っている。 でも人骨を使うことがあるとは知らなかったから、咄嗟に結びつけることができずにそこにはYESもNOも書かなかったけど。 きっと知っていれば、逆に喜んでって言ったかもしれない。
目覚めの兆しが近いなら、これがこの世界で最後のラインかもしれないな、と思って。] 「スケッチブック、もらえてよかった。」 「ここを出る前に描きたいものができました。」
[死んで出るのか、生きて出るのかは、さて。 夢の絵が持ち出せる気はしないけど、生きているならまた描けばいい。 それこそ何枚でも。]
「カップ、すごい楽しみですけど 自分のことはよくわからないんで、先輩に任せます。」 「もしも迷ったら、おにぎりか絵筆でも。」
[そんな簡単にオシャレ女子にはなれないのだ。 送信してから、絵筆より先におにぎりと書いてしまったけれど、それはそれ**]
(368) 2023/07/31(Mon) 00時頃
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/* 先輩の〆より後になってしまった! さいごまでおにぎりですいません
姉にも深くお詫びします()
(-84) 2023/07/31(Mon) 00時頃
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……しまった、肉じゃが食べ損ねたな。
[深く深く、底の見えぬ闇の奥へと歩みながら。 最後に思い出したのは、そんな詮無いことで。 くぅ、と寂しげに鳴る腹に、自分でも可笑しくなった。]
ノっ君が生きていたら、ご馳走して貰おう。
[八人目の彼女の手が差し出してくるトリュフチョコを 丁重に断って、オレは淡々と単調に階段を下る。
現実の意識が戻るまで、もう振り返らない。*]
(369) 2023/07/31(Mon) 00時頃
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うん、なんか起きてもこっちのこと、 視えたりするらしいから。
ニトちゃんの描きたいもの、オレも見れたら見るね。
[最後のLINE**]
(-85) 2023/07/31(Mon) 00時頃
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