10 冷たい校舎村9
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[そのマネキンは、 何かに強い力で握り潰された……いや、「抱き締められた」かのように、 腹部が潰れていて、そこから大量の血が流れ出ている。 床に血溜まりを作っており、教材の棚にまで飛び散っていただろう。
そしてその血溜まりの脇に、 まるで幼い子供が踏み荒らしたかのような、裸足の血の足跡が残っている。 足跡は倉庫の奥の壁のほうへ続いており、 壁に吸い込まれたようにそこで途切れている。]
(646) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[マネキンの背格好は間違いなく番代ひとみのものであり、 胸の上で握られている右手の拳からは、紺色のハンカチがはみ出て見えるだろう。
ずっとお守りとして持っていた薄青のボタンの代わりに、 痛みに耐えるため、友達の力を借りようとしたかのように。**]
(647) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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/* 思ったよりも早く投下が終わってしまった! まあ、樫樹くんいつでもいいよの姿勢なので良しとしよう。
番代ひとみ、イメージBGMはずっとうみねことペルソナでした。 ファンタジーになってしまった悩みにお付き合いいただいた方はありがとう。 それでは後は見守ってるね!
(-90) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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― 次のチャイムが鳴るまで ―
[黒沢と別れた後は どこかのタイミングで3年9組に一度顔を出して すっかり賑やかになった黒板に 「10組の天井に御札いっぱい」って追加しておいた。
何だか妙に頭を使ったような気がして疲れたので クレープ>>254の文字に目をつけて 食べ物を求めて食堂へと向かったことだろう。
向井はクレープを食べきる前だっただろうか。>>578 まだ残っていれば集まってきた面々と分けあって 食事にありついただろうけれども。]
(648) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[結局九重が見つからなかったこと、 それとついでに精神世界がどうたらって話も、 探してた鳩羽かもしくは誰かから聞くことは出来たのかな。
結局大したことは何もわからないまま 夜は更けて、眠りに就こうとしていた。]
(649) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/09(Wed) 23時半頃
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/* うわーん!番代さんー!
(-91) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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………止まってしまった校舎、か。
[早く大人になりたいね。黒沢はそう言った。>>606
そうとも、大人になれば今よりも世界が広がる。 文化祭より楽しいことだってきっと見つかる。
このメールを送ってきた誰かも、 もうちょっとだけ、ほんのちょっとだけ粘ってみれば 何か変わったかもしれないのに――――]
(650) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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/* ひとみつらいね、つらいけどよくがんばったね…えらいぞ… そしてりつはだいじょうぶかな…
(-92) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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─ 回想 ─
[ "またお前か。"
病院に駆け付けた父親の第一声がそれって。 …何か笑っちゃうよね
どんだけ信用無いんだよ、って話 ]
(651) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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…そんな事言ったって。
[ 思わず口を尖らせてボソリと呟いたのは 階段から落ちて担ぎ込まれた病院の中。 目の前には遠くへ越して行って久しぶりに… と言ってもほんの一か月前に喧嘩別れした 父親が立っていた
何か文句でもあるのか。 思わず口を衝いた反抗的な言葉にすかさず 強い言葉が返り思わず首を竦めていた
"俺だって好きで落ちたわけじゃない!"
…言っても無駄な事は分かっていた。 苛立つ声が10倍にもなって帰ってくるだけ。 だから、言葉を飲み込んで、黙り込む。
静かに、静かに。己の存在を消すように ]
(652) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[ ──はぁ。
深い溜め息が降ってくる。
俺と父親は、あまり似ていない。 なのにすぐ溜め息をつく癖だけは しっかり似るもんなんだな。
…なんか、ヤダな。 ]
(653) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[ "最近、どうだ。" ──別に。普通だよ。
"朝起きてるか。" ──大丈夫だよ。
"勉強してるか。" ──やってるって。
ギクシャク、ギクシャク。 互いに目も合わせる事無く 安っぽいジュースの果汁より薄い会話が続く
表面だけの上っ面を撫でた会話をしたら終了。 父親は会計と退院手続くをするとの事で ほっと安堵の息を吐いた時 ]
(654) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[ ──父親の携帯が着信を告げた。
仕事の電話だろう、あまり聞かないよう 部屋を出ようとしていると 背後からガシャンと音が聞こえ振り返る。 父が携帯電話を取り落した音だった。
"一人で、帰れるな?" 何があったのか訊こうとしたけれど 尋常ではない様子に口をはさむことはできなくて ]
(655) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[―――なんて、大嘘。]
"ごめんなさい、もう限界でした。"
[欺瞞もいい所だ。]
(656) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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──ハァ、嘘だろ!?
[ 打ち上げが終わり帰路に着くころ。 父親からの着信があり硬い声で 弟が交通事故で亡くなった、と連絡が入った
…嘘や冗談を何より嫌う父が こんな悪質な嘘を吐くはずがない事は 分かっていたけれど受け止めきれなくて。
──ハァ。 深い、深い溜め息が携帯電話の向こうから流れる。
"お前の病院に呼ばれてる時に亡くなったそうだよ" …そっか父親は死に目にも会えなかったのか。なんて。 痺れる頭で理解したのは随分後の事だった ]
(657) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[ 俺と弟は特別仲が良いわけでも悪いわけでもない ごく普通の兄弟だっただろう。
ただ"要領の良い"弟はパパッ子で上手に父親に 甘えては仲良く二人で出掛けたりしていた。
俺が中学の頃どんなにねだっても貰えなかった 自室や携帯電話は、俺が高校生になって手に入れた時に アッサリと中学生の弟にも与えられた。 同じように努力した習字だって より良い成績を取って褒められたのは弟だった。
両親ともに決してワザと差別しよう、だなんて 思っちゃいなかっただろう。
…でも高校生ともなれば自然と分かっちゃうんだ。 両親ともに、弟の方が可愛いと思ってる事くらい。]
(658) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[ ──なんで。
死んだのが弟の方だったんだろうなぁ。 *]
(659) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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[昼間話した内容を、ぼんやりと思い返していた。**]
(660) 2021/06/09(Wed) 23時半頃
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/* あっ落ちロルに挟んでごめん!!!
(-93) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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── 翌朝 : 2F階段 ──
[ 学校に泊まる事になる、なんて思いもしなかったが 男子便所で落ち着きを取り戻した後は 手伝いに参加しつつ男子たちと共に就寝したのだろう
翌朝、まだ暗いうちに目を覚ます そっと寝床を抜け出て新鮮な空気を吸おうと階段の方へ
剥き身のカッターナイフをそっと退かして階段へ座り込んだ 注意していたつもりだったけれども チクリ、刃の一部が指先に赤い筋を作って 自分の要領の悪さにまた溜め息が出た ]
(661) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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[ 暫くぼんやりしていたけれど ふ、と辺りの様子がおかしい事に気付く。
辺りは文化祭の賑やかな装飾が施されて居た筈なのに 不意に線香の匂いが鼻を衝いた ]
…嘘、だろ…
[ 顔を上げてすぐに気づく。
…目の前に広がるのは弟の葬式会場だ。 実際の会場で見た時には笑顔を浮かべていた筈の 弟の遺影は憎しみを露わに此方を睨んでいる
何時しか辺りには真っ黒な影のようなものが 多数浮かんで俺を睨んでいた
…いや、睨んでいるような気がするだけだ 彼らには睨む顔も眸も無かったのだから ]
(662) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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[ ── お前が死ねば ]
[ わんわんと鳴り響く声の輪唱に 耳を塞いだけれども、その声は途絶えない 苛む声から逃れようと脚を踏み出せば
ぐらり、揺れて、落ちる。
期せずして、それは文化祭で落ちた階段と同じ場所。 違う事といえば、そう、今度は何かから逃げ出そうと きつく耳を塞いでいたこと ]
(663) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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── 翌朝8:50
[ 1階の階段の付近に 一体のマネキン人形が首の折れた状態でひっそりと倒れていた
辺りの景色には何ら違いは無いが 線香のような香りが薄っすら漂っていたかもしれない
遠目から見れば単なるマネキンが倒れている 風に見えたかもしれない。
…が近くで見たならば、まるで何かを諦めたかのように 薄っすらと微笑む表情が見えただろう
まるで元からその姿であったかのように 樫の樹で作られたそれは、静かに横たわっていた **]
(664) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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── 夜・休憩室 ──
[結局夜は何も食うことはできなかった。 ……のに腹は減るのはなんでだろうな。
購買からポテチをいくつか購入する。 受け皿の上は既に小銭でいっぱいだ。 休憩室に持ち込んで、無心で摘み出したりする。
毛布もマットも布団よりか寝心地は悪ぃし 状況は修学旅行みたいな感じなのに、 全然そういう気ぃしねーのな。
隣でシンが毛布を弄んでても気づかねーし>>618 必要あらばユキに状況の説明はしたけど>>649 でも説明ならユーガのほうが適任じゃねーかなって 正直思うけど、どうだろう。 ]
(665) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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[なんにせよ、すぐには寝付けねえだろって ちょっと思ってたんだけどさ。
案外俺今日パワーを消費しちまったようで。 多分、そのままぐっすりと寝てしまったと思う。 誰かが寝床を抜け出したとしても。>>621 誰かが眠れねえ夜を過ごしていたとしても。
翌朝の友人の外出に、気づかなくても。>>661 何も知らないまま、きっと、朝が来る。 ]**
(666) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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/* 番代も樫樹もお疲れ様でした。 番代のホストへの声掛けにうるうるきて、 樫樹の背景に胸がぎゅっとなっています。
(-94) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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/* 樫の木!!!綺麗!!!
(-95) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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/* 樫樹君…つらい… ほんとにね、樫樹君の中の人の体調が万全だったら、生きにくさの話をしたかった。
(-96) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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/* 電池切れそうで焦ってた(流石に病室にPCは持ち込めず)とはいえ、学習しなさい…! 柊さん本当ごめんよ
(-97) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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