34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】
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[それからのカコは、ジャーディンが早くこの家に 根を張れるようにと、何くれとなく心を砕いた。 共に働く通いの使用人と、住み込みの使用人。 彼らの顔と名前を一致させるだけでも 時間はかかったことだろう。
一方でカコは、時折気侭に振る舞いもした。 如何に己を律しようと、カコの性根は、 蝶よ花よと傅かれてきた奔放な一人娘だ。 ジャーディンが本気で嫌がりはしないようなら、 必要以上に気を回すのは、お互いを疲れさせるだけだと 止めにした所為もある。]
(*195) eyes 2024/03/04(Mon) 08時半頃
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[疲れた折には、ソファの上でジャーディンの膝を求め、 髪を撫でるようにと強請った。彼の膝は柔らかくは なかったが、カコは満足そうだった。
天気の良い日には、庭を見渡せるパーラーに、 紅茶のカップと仕事片手に引き籠もる事もある。 疲れが溜まれば、カモミールティーを啜りながら、 庭仕事をするジャーディンを視界に収める。>>*165
それは、カコにとって憩いの一時となった。 春の庭先で、花木の間に憩うジャーディンの姿は、 何時か見た夢に似ていた。>>1:189 ]
(*196) eyes 2024/03/04(Mon) 09時頃
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[その日は、暖かい日だったから。 カコは東屋のガーデンソファに寝そべり、 庭園で一人作業を終えたジャーディンを 呼び寄せ、戯れにまた膝を求めた。]
……こうするの、慣れないでしょうね?
慣れて。
[彼の顔を見上げて、カコはあっさりと言い放つ。 使用人達が見れば誤解されかねない光景だが、 愛妾の一人や二人囲うのは当たり前のご時世だ。 どうということもない。 それ故、特に誤解を解いて回ることもしなかった。 『お嬢様は最近表情が柔らかくなられた』というのは、 幼少の頃から仕える使用人達の囁くところだ。]
(*197) eyes 2024/03/04(Mon) 09時頃
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[小さく欠伸を漏らして、カコはすっと手を伸ばし、 金色の毛先を弄ぶ。 こちらを見下ろす紅い瞳。>>0:227]
貴方の髪、陽に透けてる。 瞳も、陽の下だと紅く見えるのね。…綺麗。
パルテールで見た、暗褐色も好きだったけど。
[白い頬に指先を滑り落として囁くと、 柔らかく目を閉じた。 それはジャーディンを自邸に引き取って以来、 カコが初めて彼の肌に触れた、何気ない一瞬だった。
そうして、目まぐるしくも穏やかに、 日々は過ぎていった。]**
(*198) eyes 2024/03/04(Mon) 09時頃
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[やがて、慶ばしき日が訪れた。 フェルゼ=リュミエルと、伴侶となる人との 婚儀の当日。 自邸にてメイドと共に、ジャーディンを礼服で 着飾らせるカコの姿があった。]
これはね、場にふさわしいように着飾るの。 こういうのは、お芝居と同じ…、 ああ、お芝居にもそのうち、付き合って頂戴。
芝居に集中している耳元で、気障な愛を 囁きかねない男より、幕間に気取らない 感想を聞かせてくれそうな貴方の方が、 連れとしてはよっぽど上等よ。
[気障は構わないとしても、せめて時と場所は 選んで欲しいというのがカコの持論だ。]
(*199) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[シャツにベスト、フロックコートで装うジャーディン。 彼の首元を飾るタイは、手ずから締めながら]
背筋を伸ばして、顎は少し引いて…、 堂々と、視線を遠くに置いて。
ダーラが仕込んだだけあって、 貴方の所作は、元々美しいのだから。
[ドレスからアクセサリーまで品よく整えたカコは、 少し身体を引いて、今日の連れの立ち姿を、 頭頂から足先まで検分する。]
(*200) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[見込み通り、正装姿のジャーディンは、 贔屓目抜きでも美しかった。 その仕上がりに、カコは満足げに頷く。]
うん。いいわね、とても。 貴方の価値がわからない人間に、 わざわざ侮る隙を与えてやることなんかない。
自分の値は高くつけるものよ。 貴方、私の私物としては一番高い買い物だったもの。
[カコが叩く軽口にも、徐々にジャーディンは 慣れてきただろうか?]
(*201) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[結婚指輪をリュミエル邸に届けた際にも、彼を伴った。 フェルゼは、カコの様子に何か感じるものがあったのか、 結婚式には、是非彼も一緒にと言ってくれていた。]
そういえば…、花嫁はおそらく、 貴方の元同僚よ。 フェルゼ様は、他に心に決めた人がいるのに、 娼館に通うようにはとても見えないから。
そういう方だから、あまり恐縮することはないわ。
[直にわかる事だからと、主役の一人の身元を明かす。 あの後パルテールで、フェルゼの姿を見かける ことはなかった。彼にいつも侍っていたドールの姿も。 それも、ジャーディンを帯同すると決めた理由の一つだ。 三つ目の理由は、単純に。こんな機会でもなければ、 彼を盛大に着飾ることもそうないだろうから。]**
(*202) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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照れ隠し……? [何に照れたというのか、なぜそれを隠すのか。>>*193 そして彼女はなぜむくれたのか。 ジャーディンがその辺りの機微を 自分の事として理解するようになるには 時間がかかるだろう。 今はただ「人は本心を隠したいことがある」と 学ぶのみに留まった]
(*203) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[彼女には礼を言われたが>>*194 ジャーディンはその言葉に何も返せなかった。 この家に来てよかったのかどうか 今はまだ答えが出せていなかったからだ。 良い扱いを受けているとは思う。 が、このように扱われる価値が自分にあるのか。 自分に何か返せるのか。 不安に苛まれながら素焼きのマグに口をつけると ホットミルクの素朴な味わいが喉を温めた]*
(*204) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[住み込みの使用人は、顔を合わせる機会が多いのと そう数がいないこともあってすぐに覚えられたが、 通いの使用人たちを覚えるのには手間取った。>>*195 奴隷の一人が主人にやたらと気遣われているのでは 周りから奇妙な目で見られやしないか、と ジャーディンは常々不安に駆られた。 彼女の表情が柔らかくなったという噂を 年輩の使用人たちから聞いたが>>*197 ジャーディンからすると出会ったばかりの頃との差は あまり感じ取れなかっただろう]
(*205) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[彼女がジャーディンの庭仕事を時々見ていると ジャーディンは聞かされるまで気付くまい。>>*196 彼女の元で暮らすうち、やせ細っていた膝も いくらかは肉付きがよくなるだろう。 庭仕事を終えた後に東屋で、彼女に膝を貸す。 初めて彼女に膝を求められたときは少々戸惑ったが、 それが主人の望みなら叶えないわけにはいかない。 それに] いえ……、僕はこういう触れ合いのほうが 言葉を交わすだけよりは慣れています。 [パルテールで膝枕を求めた客はいなかったが、 抱き締めていてほしいと言われるようなものである]
(*206) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[東屋は日陰だろうが、 パルテール店内よりはよほど明るい。 そのせいだろうか。彼女に瞳の色を言われた。>>*198 ジャーディンは驚いて、彼女をしげしげ見つめた] 気味が悪いと言われることもあるんです。 気に入っていただけて安心しました……。 [ジャーディンはこの瞳を好む者を知らない。
かつての主人のひとりは、暗がりで見たときには 気付かなかったジャーディンの瞳の色に気付いて 忌まわしいと言って売り払った]
(*207) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[頬を撫でていった彼女の指先は滑らかで>>*198 触れられたことを気負う隙も与えなかった。 彼女の元で過ごす日々は、 忙しくはあるし新しい経験ばかりで目まぐるしいが、 周りの者たちに人間として扱われる日々でもあった。 周りの者たちに暴力を振るわれることも、 慰み者にされることもない。 初めのうちはそれが慣れず、落ち着かずにいたが 慣れてくればこれほど心地よい環境に 身を置いたことはなかった。 佳い主人に恵まれたと、今なら言えよう]*
(*208) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[やがて慶事に招かれ、 否応なく主人に飾り立てられることになって、>>*199 ジャーディンは戸惑いつつもされるがままになった] お芝居、とは、どういったものですか……? [演劇なるものも、それを観るという行為も ジャーディンは知らずに育ってきた。 場に相応しい服装という概念も理解していない。 今はただ主人に従っているだけだ]
(*209) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[所作が美しいと言われ、目を瞬く。>>*200 言われてみれば、確かにダーラに買われた後 しばらくは訓練を受けたのを思い出す。 相手は貴族や富豪なのだから、と パルテールで接客するにあたって必要最低限の礼節を 叩き込まれたのだ。 外の世界でどれだけ通用するものかはわからないが、 あの頃を思い出せばいいのかもしれない、と カコの指示を聞きながら姿勢を正した。 タイを主人に締めてもらうとはとんでもない無礼だが 主人が望んだ行動なのだからやむをえない]
(*210) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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僕に、そんなに価値があるのですか……? [ジャーディンは未だに自分自身の価値なるものを あまり理解していなかった。>>*201 だがあまり遜っても彼女の見る目を 貶めることになってしまう。 彼女の気に入りの存在だというのならば 堂々とするのが彼女のためでもあるのだろう]
(*211) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[花嫁を元同僚と聞かされると目を見開く。>>*202 そんなことがあるものなのか。 パルテールの客がドールを娶るなどと。 フェルゼのことは店内で何度か見かけたし 彼のお気に入りのドールも記憶にある。 そのドールが少なくとも身体は男性であることは、 同時期に働いていたドールなら知っている。>>*190 しかしまさか婚礼を挙げようとは。 そういう状況で花嫁の身分や性別を 積極的に明かすわけにはいかないだろう、と ジャーディンは己の身分を含めて隠す心算を固めた]
(*212) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[ジャーディンは式場で見知った顔を見かけても 自分から声をかけることはなかった。 あくまで主人に連れられて来た従者の立場である。 主人を差し置いて私語など交わすものではない、と ジャーディンは思うからだ。 だが向こうから声をかけられたのを 無視したいわけではない。 声をかけてくれた煙には微笑んで礼を返した。>>*179 それに着飾らされたジャーディンを見れば、 主人から良い扱いを受けているのはわかるのだろう]
(*213) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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[初めて目にする婚礼はとても華々しく美しかった。
愛する人に花嫁衣装を着せて、 あのように愛の誓いをする光景というのは ジャーディンにとってはあまりにも縁遠い。 しかしながら憧れのような思いは 浮かばぬでもなかった。 自分の隣で花嫁姿となってくれる人は 生憎思い浮かべられはしなかったのだが。 奴隷に結婚など夢のまた夢、 思い描くだけでも恐れ多い。 フェルゼの例は特殊なのだ]**
(*214) Siro_neri 2024/03/04(Mon) 14時頃
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····ふふっ、そうですね。 誓いのキスもしましょうか。
[冗談を間に受けた訳ではなく、···ただ口付けがしたかっただけ。 君と一緒にいる間に、ズルいことも覚えてしまったみたいです。
触れるだけの軽いものじゃ足りなくて、 もっと深く、まるで君の熱を奪うかのように。
もう人の目を気にする必要はないから。 胸に抱いた愛おしい気持ちに従って、君を力強く抱きしめました。]
(*215) rururu_966 2024/03/04(Mon) 20時半頃
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― 後日談 ―
[結婚式って、年が近い友人のものでも 参列するのはまだ先のことだと思っていた。 招待状には養父もだが私の名前もある。そして煙の名前もあった。 他にも幾人か、この家で働く者たちの名前も。
大人びた服はまだまだ似合わないので、 ドレスコードを守った正装で、参列した。]
わぁ、すごい。綺麗。
[顔面偏差値的にも、衣装的にもだけれど 一番は、2人がとても幸せそうで、 とても美しかった。]
(*216) sinonome 2024/03/04(Mon) 20時半頃
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[式場では、煙さんのお知り合いにご挨拶>>*129したり 恋人として紹介されることに照れたり。 友人も招待されていて、煙さんのお知り合いだった 「ドール」時代の同僚兼恋人の子も一緒に参列していたり 等々。色々あったけれど。
でも一番の思い出は、そうね。 春の幸せを詰めたようなブーケが 私の手の中に降ってきた、ことでしょうか。>>*183
席ごとに違う、美しい花。 手の中で咲き誇る、白のラナンキュラスとビバーナム サムシング・ブルーのデルフィニウム ライラックで色調を整えて、柔らかなピンクのスィートピーが 甘酸っぱい新婚さんの幸せを教えてくれるかのよう。
ぎゅ、とだきしめ、うれしそうに笑う私は。 今日この良き日に世界で二番目に幸せな子なのだ。]
(*217) sinonome 2024/03/04(Mon) 20時半頃
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[>>2:5 いつだったか。寝物語のように昔話をカコにねだられた事があった。遅い時間に帰っていく後ろ姿を、まだ覚えている。
もう、自身がその役割をする事は無いのだろう。 控えめに挨拶を交わしてくれた、彼がいるのだから。>>*213
知己の幸運を、そっと願っておいた。]
(*218) kuromuwabi 2024/03/04(Mon) 21時頃
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[>>*217 幸運のブーケを受け取った瞬間、そちらの方に目を奪われた事を許してほしい。
嬉しそうに笑う彼女の顔を忘れる事はできないだろうなと、思った。]
(*219) kuromuwabi 2024/03/04(Mon) 21時頃
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[その場と立場に相応しく着飾る意味を芝居に例えれば、 それはどういったものかと尋ねられたから。>>209* 「週末にでも連れていってあげる。」と笑った。
問われたのは、ジャーディン自身の 価値についても。>>*211]
うん? 価値は、自分で作るものよ。 貴方は、折れずに、歪みもせずに、 今こうして健やかなまま、ここに立っている。 それは何より凄いことよ。
これからの貴方がどう花を咲かせるのかは 貴方次第。そのための環境は、私が用意する。
[正装は彼のしなやかな身体のラインを引き立て、 首元のタイは、彼の肌色によく映えている。 カコは、微かに目を細めた。]
(*220) eyes 2024/03/04(Mon) 21時半頃
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[正してやるまでもなく、すっと伸びた背筋に 掌を宛てがったのは。>>*210 多分、ただそうしたかったからだ。]
人生って存外に長いのよ、ジャーディン。 自分一人のために生きるには、ね。
学んで、働いて、何かを育んでいれば、 あっという間に過ぎてしまうのでしょうけれどね。
[自分自身を。心を、価値を、命あるものを。 幾つもを。彼はもう、根無し草ではないから。]*
(*221) eyes 2024/03/04(Mon) 21時半頃
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[着飾らせたジャーディンを、今日は従えるのではなく、 腕をとって隣を歩く。彼には俄仕込みの仕草だが、 なかなか筋が良かった。彼にエスコートを仕込む日は、 そう遠くないことだろう。 観劇の予定も出来たことであるし。
式場では、また何時か街中で巡り合えることを 願っていた姿を見つけた>>*179]
───煙!びっくりした…
まさか此処で貴方に会えるなんて。
[けれど、パルテールに通えるような顧客は ほぼ例外なく貴族や富豪だから、富裕層 同士の繋がりがあるのは不思議なことでもない。]
(*222) eyes 2024/03/04(Mon) 22時頃
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そう、この方が。 お初にお目にかかります、リッキィさん。 カコと申します。
[雇い主兼恋人と紹介された少女に、満面の笑みを向ける。 良い主人だけでなく恋人にまで恵まれるとは。 彼は、想像以上に幸せであったらしい。]
ええ、結局うちに来てもらったの。 『優しく』してるつもりだけど。 そうできているかは…どうでしょうね?
[それは今ではなく、遠い先にジャーディン自身が 判断することだろう。 終の棲家の居心地が、彼にとっても快適なものであるよう 家長としては整えるつもりだ。 暫し煙と近況を尋ねあった後、連絡先を交換し、 「またね」と言い合って別れた。]*
(*223) eyes 2024/03/04(Mon) 22時頃
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[寄り添う花嫁と花婿は、宮廷画家が無償であれど こぞって描きたくなるのではと思う程、様になっていた。 互いの指と指を繋ぐのは、縁と絆を結ぶ、 ガーネットの花咲く指輪。 ぴたりと定位置に収まる様に、カコは目を細めた。
後にフェルゼが口にした感謝の言葉には、 こちらこそと謝意を告げて微笑む。>>*185]
おめでとうございます、フェルゼ様。 どうか。末永くお幸せに。
[既知の彼が愛する人と並び立つ美しい光景には、 思わず涙ぐんだから。 少し目元は赤かったかもしれない。]*
(*224) eyes 2024/03/04(Mon) 22時頃
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