人狼議事


29 constellation

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【人】 学園特警 ケイイチ

ーー回想ーー

1つ歳上の兄さんは僕の友達であり、保護者であり、憧れであり、全てであった。

ずっとずっと兄の傍に居られると僕は思っていた。
だって結婚しようがどうなろうが、兄弟は一生”家族”なんだから。

兄も同じように思ってくれていると信じていた。
でもーー本当は。

同学年の友達が僕に出来ない事を、兄と両親は心配していたのだ。

親離れならず兄離れの出来ない僕の形を健全とは考えなかった。

野球を薦めることにより一時的に僕は兄から離れて仮初めの友達を得た時、兄は寂しいんじゃないかとか僕は多少思ったのだが、実はほっとしていたのである。

(144) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

別に纏わりつく弟が疎ましいとかではなく、弟が正しい人間関係を築けるようになったのに安堵した、という意味で。

そして兄は、僕が野球に熱中している間に違う道を歩み始めていた。
天文部に所属し、自分の好きな事を始め、友達を作りーー恋をした。

弟はもう大丈夫、友達とやっていけると踏んで。

しかし僕はーー野球を続けられなくなり、再び兄の元に戻る。

兄の傍は僕が唯一安心できる場所。どろどろした生暖かな沼にまた首まで浸かろうとしたのだ。

そこがもう、以前とは違うのに気付かずに。

(145) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

恋人がいると聞かされた時、僕は耳を疑った。
兄は異性に対する興味を見せたことがなかったから、恋愛など必要としていないと考えていたから。

対して僕はーー小さな頃から性衝動が異常に強かった為、女子を見ればいやらしい妄想をしたし、夜は猿みたいに自慰を繰り返していたんだけど。

兄は聖人だからそんな下世話には興味もなく清らかにずっと生きていくのだと信じていたのだ。

雨竜先輩は、腰まで伸びたストレートヘアの美しい女性だ。
スタイルもいいし、ちょっとおっちょこちょいな部分も可愛くて、天文部員男子は惹かれている者が多かった。

僕も例外ではなく彼女のセックスアピールにはやられていて、彼女が近寄った時に薫る甘い香にドキドキしたもので。

(146) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

そんな彼女と兄が恋人同士だった。
兄に、大切な人が出来た。

兄は勿論、恋人が出来たからと僕を構わなくなったわけではない。部でだらしなくイチャイチャすることもなかったし(兄は周囲に気遣いの出来る人だから)、むしろ僕や康生の面倒を見るのにかまけていたぐらい。

でも。

僕はモヤモヤした。二つの意味で。

いいな、と思っていた雨竜先輩を兄に奪われたような気がしたし、逆に雨竜先輩に兄を奪われたようなーー。

僕の入る余地が何処にもなくなったような。

当然僕はそれを表面上は出さずに二人を祝福したわけだが、ずっと燻っていたんだーー

どす黒く濁った想いは。

(147) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

去年の合宿にて、雨竜先輩に誘われた時。
兄の恋人に手を出すなどあり得ないと考えたのに、僕は事に及んだ。

僕にはもう、何もない。
野球だって勉強だって、僕なりに頑張ってきた。

頑張ってきたんだ!

なのにーー兄も憧れの人も、僕を一番とはしてくれなかった。

囁いた悪魔は。
多分ずっと僕の中にいた。
それは僕自身。

『お前だって(僕だって)好きにしてもいいんじゃない?』

彼女から誘われたんだ。
抱いて何が悪い?
先に裏切ったのは兄さんだッ

(148) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

ーー全ての痛みを、快楽で塗り潰す。

雨竜先輩の豊満な肉体を貪り、僕は男としての強さを鼓舞しながら、生を、存在を実感した。

人は結局過ちを繰り返す。

僕は雨竜先輩との失敗をあれだけ悔いたが、本質が変わっていないから。

(149) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

僕はまた、失敗して。大切な人を失うのだ。

(150) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

ーー自宅/応接間ーー

兄との思い出を語ったのは何故だろう。家族写真を先程彼と見たからだろうか。

結局、柊木康生は僕を愛してなどいないーー全て偽りだと思ったからだろうか。
兄に恋人がいると知った時と、同じように。

僕には自尊心というものがまるで存在しない。

両親からも兄からも愛され大切にされ育ったが、それは僕が”家族”だからで。”僕だから”ではないのを知っていたからだろうか。

他人から好意を向けられる事が全くなかったわけではない。
しかし、僕は根強く”自分が愛されるわけがない”と思い込んでいたから、それが塗り替えられることはなかったのだ。

彼は、康生は誰にでもフレンドリーだ。その中で自分が某の意味で特別であるなど、考えたこともなかった。

眩しく光輝く彼がそんな想いを抱いていたなんて……
今も、昔も。愚かな僕は気付かない。
それがどんなに彼を絶望させているかも知らずに、ただ。
凶行に及んだ。

(151) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

「……忘れたらなんだっての?嫌味か?そも、君の体質や病気が本当かなんて、僕はわからないし。」

これは嘘だ。真実は、僕は覚えていた。全部を、何もかもを。
ただ彼との思い出に、彼の気持ちが伴わないのだと考えたらーー否定しないではいられなかっただけ。

彼が涙を流す意味を僕は理解できない。僕を憐れんでるのかな、と卑屈に捉えたぐらい。

「強い人間がさ。弱い人間に向かってそういう風に言うの、煽りにしかなんないよ。

……死にたいとか、漏らした時。強い人間は言うんだ。『自分だって辛かった事はある。それを耐えて今を生きている』みたいに。

まるで、弱い人間と同じだ、理解できるみたいに振る舞うのーー……

ふざけてるよ。」

(152) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

左足も破壊した。右足より先に強い打撃が彼を襲っただろう。

こんな仕打ちに堪える彼は、やっぱりまともには見えなかった。悲鳴を聞くと、やっと僕のざわついた心が少し落ち着いた。

      苦しみたくない。
      もう、苦しみたくないんだ。

「……んでぇ?御高説はもう終わりかな?
もっと僕を蔑んだり馬鹿にしたり、呆れて突き放してもいいんだぜ?」

    ……お願いだよ、僕を

脳内の僕は明らかに分裂して騒がしいが気にしない。

僕は金槌の先で彼の顎をくいと持ち上げる。殴った部分は赤黒く変化し腫れていた。

「綺麗だ……こんな風にしても、君は綺麗だよ。

遊ぼうか、ごっこの続き。」

(153) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

この金槌で頭を叩けば、彼の頭骨は柘榴のように裂けてピンクの綺麗な脳みそを見せてくれるんだろう。

珊瑚が亡くなった時みたいに。

動かなくなれば、話すこともない。
もう僕を苦しめる存在はいなくなる。

だけど……握った金槌を振り上げる事は出来ない。

チッと舌打ちをして僕は彼を抱き上げた。所謂姫抱きだが、彼の手が胸にあるならそんな風にはならないか。

「僕の部屋に行こう、コウ。


階段を上り二階へ。二階には兄の部屋と僕の部屋がある。
片脚で扉を開く。肘で電気のスイッチを押した。

(154) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

僕の部屋は平凡極まりない。本棚、学習机にベッド。テレビにはゲーム機が接続されている。

彼をベッドに放り投げた。
物のように。
脚が動かない彼が逃げる心配はないから、僕はまた部屋から出て幾つかのアイテムを取りに行く。

母の部屋にそれがあるのは知っていた。

戻ってきた僕はそれらを机の上に置き、彼を見据える。

「結婚式の後、夫婦となった二人は何をする?

新婚旅行だよな〜缶カラがいっぱいついた車で走り出して、二人きりで……そして、素晴らしい初めての夜を迎える。

ははッ君は男だし、ただのなんちゃってだけどね〜?」

身体を折るほどに笑う僕は、もう。ただーー

目の前の彼を壊す事だけを考えていた。
はやくそうしなければきっと。彼が声もあげられないぐらいにしないと。

(155) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

もう堪えられない。*

(156) 2023/11/12(Sun) 20時半頃

学園特警 ケイイチは、メモを貼った。

2023/11/12(Sun) 20時半頃


学園特警 ケイイチは、メモを貼った。

2023/11/12(Sun) 20時半頃


【秘】 珊瑚宮連邦 ルリ → 校庭番長 ヤマト

「さっ!? 最初からじゃないよ!?
 寒かったり、擦れたりするとそうなるけど
 今は…あっ、ほら、んんうっ♡
 命くんが…ひゃうんっ♡
 触って、た、からあ…んんんんっ!!」


最初からなんて!と、思わず抗議の声を上げたのは…だって最初からこう、なんて思われるのはちょっと違ったから!
だって、それは命くんが触るから。
触って、私の気持ち良いをどんどん引き出していくからで。
だから今も、胸を舐められキスされて、こんなに声が出る様になってしまってる。
左右両方ともを口にされると空いた方の先端がヒンヤリと冷えて、それでさらにキュッと引き締まり屹立する。
またそれを口にされると気持ちよくて、私は何度も声を上げて背中を跳ねさせる。膝頭がぴくっ、びくっと何度も跳ねて、体の反応が全身に広がりつつあった。
胸に吸いつかれるとそれでも気持ちよさと共に愛おしさが溢れてきて、そっと命くんの頭を抱きしめる。
ゆっくりゆっくり髪を撫でながら、なのにあがるのは真逆の甘えた声。

(-90) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【秘】 珊瑚宮連邦 ルリ → 校庭番長 ヤマト

「ん、んううっ、好き…命くん、好き…♡」


甘やかしたい。甘えたい。その両方の気持ちがある。
でもこの果てのない気持ちよさの高まりに、どこまでいってしまうのか怖くもあった。
胸へのキスの雨が終わるとはふ…、と安堵と甘い余韻との吐息を漏らして。
それでも肌は騒めいている。
胸の先の敏感さが、お腹の奥を中心に全身に行き渡ってしまったかの様に。

(-91) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【秘】 珊瑚宮連邦 ルリ → 校庭番長 ヤマト

「わ。…す、すごい、ね…?」


そして導かれた手が触れた場所に驚いちゃった。
硬い。もう部屋着だから厚手じゃないのもあってとても暑いのが伝わってくる。
熱さも硬さも、大きさも。──勿論他の人のは見た事ないし、知識として私のそこはいつか赤ちゃんが通る場所だとも知ってる。
でも、普段の私のそこは閉ざされていて、この大きさ太さのものが入るなんて想像がつかなかった。
でも。これが、命くんの。

(-92) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【秘】 珊瑚宮連邦 ルリ → 校庭番長 ヤマト

「…怖くないよ。どきどき、してる。
 それに…今回のことで私凄く思ったの。

 また、なにか危ない目に遭うなんて考えたく無いけど。
 でも。

 好きな人と、命くんと、一緒にいられないのは嫌。
 まだキスもしてない。何も、してないのに
 ──やだ、って思ったの。だから。」


──言葉にできなかった。死んじゃったら。殺されちゃったら。なんて。
だから、やだ、の一言に全てを乗せて、私は瞳を伏せた。
涙が少し流れ落ちる。命くんの形を手のひらで撫でて確認して、お腹のキスも涙を拭きながら微笑んで。

(-93) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【秘】 珊瑚宮連邦 ルリ → 校庭番長 ヤマト

「命くんが消えちゃうのが、一番怖いの。
 だから…。」


お互いが無事で居られる保証が無いと、3度の襲撃で理解できたから。
だから、無事であるうちにできる限りそばにいたい。まだ、前を向いて将来のことを考えるより今の無事を喜んで分かち合いたかったから。
だから、私はショートパンツに手をかける。
少し腰をうかしてスルリと下すとクロッチが少し湿った下着が見えたかも。
脚先からぱさりとソファ下にそれを落として。


「命くんと、…つながり、たい、の。」


繋がって、しっかり確認したかった。
愛しいあなたが生きてここにいるんだと言うこと。
何もしないで後悔するかもしれないより、お互いに望んだことをして生きたいとも。**

(-94) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

ーーif/珊瑚が合宿に参加した場合ーー

『──そのパイロットになんで選ばれたの?
なんで私たちだったの。』>>138

珊瑚がそう思ったのを僕は聞いたわけではない。
しかし、僕も同じ事を考えた。

何故、僕らでなければいけなかったのか。僕らである必然がないなら、どうして僕らなのか。

たまたまでは済まされない。
パイロットなんてものの適正もない、ただの高校生なのだ、僕らは。

地球の命運などいきなり背負わされても普通は受け止められない。

死という運命を突き付けられたら誰だってそう思う。

そんな理不尽に納得できないと。

高校に入り僕は、兄の薦めにより天文部に入部した。

(157) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

そこで再会したのが瑠璃川珊瑚だ。

康生とは高校で初対面だが、僕は珊瑚を知っていた。小学生の時にずっと同じ学校だったし、珊瑚はどんぐり亭によく来ていたから。

僕が兄にべったりのコミュ障でなければ小さな頃に仲良しになっていただろう。

高校生になった珊瑚は女らしく、可愛らしく変化していた。

そんな彼女がモテモテだったのは当然であり、僕は康生とはまた別の輝きを間近にしながら眩しく眺めていたものだ。

とはいえ、僕のような糞雑魚ナメクジが光輝く彼女に見合うとは一ミリも考えたことがないから、僕は彼女に恋をしなかったのかも。
(雨竜先輩の本質は僕と同じ糞だから、僕はそれを見抜いていたのかもしれない。

同じ溝の匂いに惹かれて。)

僕と珊瑚はそんな関係。
眩しくてたまらない憧れ。

(158) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

そんな二人と一緒に参加する合宿は、去年同様楽しいものになるはずだった。

ーーはずだったのに。

訳もわからず巨大ロボットで闘う契約をさせられた僕らは、ほうほうのていで東京に帰ってきた。

康生は救急車にて運ばれてそのまま入院。

親が迎えに来れない大和、珊瑚の二人をどんぐりワゴンに乗せての帰路となった。
両親がいるから車内では話が出来なかったが、帰ってから珊瑚に通話をみる。

「珊瑚、大丈夫?……こんな事になるなんて。

本当に僕らがあんなロボットに乗らなくちゃならないのか?
乗ったら死ぬなんてーー信じられる?

僕はまだ混乱してるよ。」*

(159) 2023/11/12(Sun) 21時半頃

学園特警 ケイイチは、メモを貼った。

2023/11/12(Sun) 21時半頃


【人】 校庭番長 ヤマト

――IF・珊瑚が合宿にきた世界線――

[合宿の日、大和 命は有り体に言えば浮かれていた。
楽しみにしていたと言い換えることもできる。
何か変われるかもしれないとか、居場所から逃げ出したかったとかではなく普通に瑠璃川 珊瑚に誘われて合宿に行くことを楽しみにしていた。
瑠璃川 珊瑚に話しかけられると普段の調子とは違い分かりやすく機嫌良さそうに受け答えしている姿が見れる程に>>131合宿を前のめりに楽しんでいた。
暗さとか陰りとかどこに消えたのだろうかと不思議になってしまう程には世界に絶望はしていなかったろう。

 そんな合宿では瑠璃川 珊瑚との会話を皮切りに皆と話していけた、といいと思う。
最後尾を歩くのではなく適当な位置にいるようになったろうし花火も楽しんでいた。
線香花火チャレンジは17秒で、>>132ちらりと見られているとはにかんでしまったくらいである]

(160) 2023/11/12(Sun) 22時頃

【人】 校庭番長 ヤマト

[ただ、線香花火があまりにも無惨でその後すぐにスンと真顔になってしまったのだけれど。
星座のことはよくわからなかったから教えてもらうことができたろうか。
星座板と見比べながら獅子座は夏の星座なのに今の時期に見えないことを知り驚いたことは間違いない。
冬前くらいから見えるらしくその時は蟹座と一緒に見えるそうだ。
その時にまた星座を見たいねと話をすることもできたろうか]

(161) 2023/11/12(Sun) 22時頃

【人】 校庭番長 ヤマト

[楽しく過ごせた合宿で、帰るとまたしんどい生活が続くだろうがそれでも希望を持って生きることが出来そうだった帰り道。
誘われて寄り道した先で、疑い深いものだから最後に登録した大和だったけれど――。

 それが運命の分岐点だった。
正直な話、何がどうなっているのか大和は理解が追い付いていなかった。
ゲームもしたことがないし宇宙が消滅するというのもわからなかった。
>>136珊瑚もそれは同じようでその中でも戦いたくないという言葉が耳に刺さる。
どうにかして何とかしてあげたい。
そう願うが今の大和には何もしてあげられることがない。
>>137一緒に探索する中でも、そうやって一緒に居ることしかできない無力さはこれまでの人生の中でもずっと味わってきたことだった。

 死した七星に花を手向ける。
そこに含むのは独りの寂しさを知っているからのもので、何を想って戦って、何を想って死んだのかはまだ知らないことだ]

(162) 2023/11/12(Sun) 22時頃

【人】 校庭番長 ヤマト

  ……うん、どうかした?


>>138突然に声をあげた珊瑚に声をかける。
ずっと黙して祈っていたようだったから何かあったのかと小首を傾げる。
大和自身よりも社交的で、同じくパイロットに選ばれてしまった珊瑚に投げかけられる言葉は少なくて、多少の今の不穏を尋ねるくらいだけだった**]

(163) 2023/11/12(Sun) 22時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

──if・大和くんと──

>>163大和くんに声をかけられてビクッと肩を跳ねさせた。
だって気づいてしまったんだもの。
私がしでかしてしまったこと。
だって気づいてしまったんだもの。
柊木くんがなんであんなに謝罪の言葉を口にしていたのか。
騙されていた。確かに騙した方が悪いけど、大和くんはきっと誘わなかったら来なかった。
誘わなかったら、合宿に来なかったら、こんなことに巻き込まれることだけはなかったのに──!


「…っ。」


咄嗟に何かを言おうとする。でも、喉がきゅっと締まって声が出ない。
泣くのは卑怯だ。謝る時には相手の目を見て、涙をこぼさない様に謝るのが誠意ある謝罪だと思う。
泣くのは、ずるい。そうだと思うのに、狼狽えて笑うことも出来なかった。
すう…、と深く息を吸う。
ふ、と小さくそれを吐いて。

(164) 2023/11/12(Sun) 22時半頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

『ごめん。ごめんなさい、大和くん。
 私が合宿に誘ったから、
 こんな変なことに…巻き込まれて…。』


そう、言えればよかった。
でも私、言えなかったんだ。
どうして?
だって、そのことをわざわざ暴いて、嫌われたくなかった。
それにきっと言ったら言ったで絶対に大和くんは許してくれると思うから。
だってそうでしょ、誰もこんなこと予想してない。できない。なのに謝ってもそれは私の気持ちが楽になるだけ。
私の重荷を大和くんに押し付けるだけになる。
──勿論そのことで柊木くんを詰るつもりは無いよ。だって、柊木くんだってそんなつもりはなかった。私だって柊木くんを責めるつもりは無いし、一番悪いのは七星くんとハロだって思ってる。
でも。
私は許されたくなかったのかもしれない。
本当に死ぬのなら。本当に戦うのなら。
だって。
七星くんは死んでしまったけど、私たちは大丈夫…かもしれないし。
もしかしたらこの後戦闘なんて起きないかも知れない。起きたとしても数十年先で、今日のことを忘れてしまうくらい先のことだとか。

(165) 2023/11/12(Sun) 22時半頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

そうなら良いけど、七星くんが死んでしまったその事態と、街の惨状にどうしても楽観視できない。
許されることで楽になるのは、違う。
そう思ったからこそ、私は何とか笑みを浮かべて首を緩く横に振った。


「…なんでもない。
 ハロが、前に見た黄色いナマコに似てるなって。
 ちょっとだけそう思っただけ。」


でも、胸がつきりと痛む。
好きな人に嘘をついた。謝ることをしなかった。
そして、本当に死んでしまうなら。

(166) 2023/11/12(Sun) 22時半頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

「…大和くんは大丈夫?
 あれなら、うちでご飯食べてかない?」


この恋を叶えるつもりは、私には無い。
だってこんな状況で、本当の気持ちを教えてもらえるかなんてわからない、なんてワガママな気持ちが芽生えてしまったんだ。

死んでしまうから、叶えてあげる。
好きって言ってあげる。
行ってあげないと可哀想だから。
そんな、惨めな恋の叶え方ってある?

優しい大和くんだから。
そんな事はしないで誠実に答えてくれると思うって気持ちと、優しいからこそ全てを受け止めてくれるんじゃ無いかと言う気持ち。
同時に、同じ立場になるからこそ自分の思いを叶えにいくんじゃ無いか、その相手が自分じゃ無いかもしれないという臆病さから、私は絶対に自分から気持ちを伝えまいとその時は決めてしまっていた。


それと同時に。

(167) 2023/11/12(Sun) 22時半頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

「父さん、病院で今日は忙しそうだから。」


──私はこの地球を守りたいのかな?
父さんはもう私のことも忘れてしまってるのに。
私の年齢のことも忘れて、新しい恋人と過ごしてるのに。

そんな、苦しい気持ちが芽生えて。
ほんの少しだけ、語尾が震えた。**

(168) 2023/11/12(Sun) 22時半頃

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