37 忙しい人のための手紙村(望郷編) RSS
(2024/11/03(Sun) 07時頃 に更新。 )
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[ 11月23日。作戦決行のX-DAY。 ランチ後の一服を終えたタイミングで、 『重大な話があるから』と少女は件の 星間運輸商社の令息タカモトを呼び出していた。
社内では幾つもの会議が紛糾しているだろう頃合。 開発センターの端に位置する、 張り出したバルコニーのある豪奢な応接室。 昨晩帰国したばかりの父にも 同席を頼んでおいた。 ]
『改まってどうしたんだい。 もしかして、結婚の許可を求めに来たのかな』
(6) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時頃
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[ アンドロイドの給仕が三人分の珈琲を淹れて下がると 父は上機嫌で葉巻に火をつける。 少女は小さく咳込んでから、一揃えの契約書を テーブルの真ん中に表示させた。 婚姻証明書――ではない。 抑揚の失せた声で、淡々と告げる。 ]
お父様。 わたくし、この財団の全権限を こちらのタカモト氏に譲渡したいと思うの。
――お父様も、わたくしも、 これから裁かれ全ての罪を償うのだから、 空位のままでは社員が路頭に迷ってしまうでしょう?
(7) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時頃
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[ 業務譲渡契約書は、後は総裁のサインで履行される。
事前に相談したタカモト某は、 父が築きあげてきた会社と資産を まるっと譲ると持ちかけると、あっさり寝返った。 30秒も聞いていられないような自慢話はうんざりだが、 父の悪行三昧に比べれば誰でもマシに思える。 経営手腕に不足があれば、父を崇拝していた 社員たちに涙を呑んで貰うしかない。 少女の心は露ほども痛まなかった。 ]
(8) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時頃
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[ あの日、少女が銃爪を引いた銃を、 今度は育ての父の眉間に突き付けて。 母の集めた不正の数々と、 少女からの告発文もちらつかせながら、 虚構の王国の退位を迫る。
主治医も、弁護士も、官僚や警官も、 父が買収した者たちは皆 更に賄賂を上乗せすれば、簡単に証言を覆した。 ]
そんなに人が信用できないのなら、 いっそ機械を統べる王国にでも 君臨すれば良かったのではないですか?
(9) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時半頃
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[ こうして、屈辱にペンを震わせながら 父が辞任の電子署名と指紋認証を 終えるのを見届けると、 少女は共犯者となったタカモト氏に目配せをした。
たった今、M.I.R.A.C.L.E財団の全権を掌握した男が 鋭く連絡を飛ばすと、両開きの自動ドアから 警備員が雪崩れ込んでくる。
もっと喚き散らして抵抗するかと思ったのに、 父は苦悩と諦めの混ざった面持ちで、 人と機械に囲まれながら退室していった。 ]
(10) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時半頃
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――……っ
[ 一瞬だけ、視線が交錯する。 母と決別したあの日から、 いつかはこうなることを、 父は予期していたのかも知れない。
閉じた扉の向こうに複数の足音と 項垂れた父の背が消えると、 少女はようやく肩の力を抜いて だらんと両腕を下げた。 ]
ずっと父が怖くて委縮していたけれど、 案外呆気ないものね……。
……うぅん、《彼》 を助けたくて 必死だったから、わたくしも強くあれたのだわ。
(11) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時半頃
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[ 鳥籠は砕かれ、晴れて少女は自由の身となった。 ――が、実感は湧いてこない。 冷めてしまった珈琲を啜っていると、 婚約者になるはずだった男が これからどうするのか、と問うてくる。
財団の全資産を持参金に、 少女が妻の座を要求すると思っているようだ。
銀糸揺れる頭を横に振って、少女は静かに否定した。 ]
先程申し上げた通り、父だけでなく わたくしも罪を償わねばなりません。
ご心配なさらずとも、 優秀な護衛を手配しているので、 道中は安全なはずです。
(12) りしあ 2024/10/29(Tue) 14時半頃
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ですので、わたくしのことは 死んだとでも思って 忘れてくださいませ。
[
時計を確認する。定刻通りだ。
ゆったりとした歩調でバルコニーに出る。
白く白く風を孕んではためく レェスのカーテンと少女の長衣の裾。
手にした銃を蟀谷にあてる、 その表情はどこまでも穏やかだった。
]**
(13) りしあ 2024/10/29(Tue) 15時頃
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/* >>1>>2 トマト嫌いに共感されて 応援されてるの笑うわwwwww
わたくしは黄色いトマトなら 食べられるのよ←?
トマトを食べる度 褒めろ撫でろと要求してやるの。エヘン!
(-39) りしあ 2024/10/29(Tue) 15時半頃
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カリュクスは、🍅🍅🍅🍅🍅🍅🍅離席するの**
りしあ 2024/10/29(Tue) 15時半頃
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──出発──
[無期懲役を言い渡された囚人たちにとって、この星は終焉の地だ。 星を出ていく事も、地球に帰る事も叶わない。 ここに送り込まれたが最後、死ぬまで働き木が枯れるように死んでいく。
やってくる宇宙船は物資の運搬が主な目的だ。 または、新たな囚人を運んでくるか…
今回の宇宙船もそうだろうと囚人たちは思っていた。 まさか、そこに仲間の誰かが乗り込むことになるなど想像だにしていなかった。
ウォルフがこの星の宇宙港を訪れるのは三年ぶりである。 ここに連れてこられた時、周囲を見渡すような気力は全くなかった。 何故なら別れる時のカリュクスの表情が忘れられなかったかである。]
(14) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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[ウォルフへの有罪、無期懲役判決はカリュクスが心神喪失状態にて病院に入院する間にすみやかに下った。それが異例の速さであったのは、アンタレスの親族が恨みが重刑を望んだこと、ウォルフが余計な事を言う前に遠くへやってしまおうというカリュクスの父親の思惑などが色々入り交った結果であった。
地球を離れる際にウォルフとカリュクスの面談が叶ったのは、意識を取り戻したカリュクスの相当な無理強いがあったからに違いない。罪人への面会などそうは許されないから。もしカリュクスが入院したままであったなら、二人は顔を合わせる事なく離れ離れになったろう。]
(15) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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[カリュクスはヤダヤダ行かないで欲しいとダダをこねた。
事件に激しいショックを受けたカリュクスは記憶障害を起こしていた。自分でアンタレスを撃ったことを忘れ、ウォルフが撃ったと思い込んで。
自分を守ってくれただけなのに、有罪なんて酷い。 何故それで遠い星にウォルフが行かねばならないのだ! 離れるなんていやだ!
幼い少女が難しい状況を必死に把握した上だ。こう考えたのも仕方ないだろう。
ウォルフとしては、彼女が無事であることに安堵したし、このまま自分が罪を被ることで彼女が幸せになるのならそれでいいと思っていた。 たとえ離れる結果になろうとも。自分の命に代えても護る価値のあるものだと思ったから。
目の前で泣いている少女の人生は。]
(16) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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……俺は人を殺したんだ、だからその罰を 受けなくてはならない。
行かなくてはいけないんだ。 どうか聞き分けてくれ。 …お嬢さん。
[父親から解雇を言い渡されたウォルフはもう、カリュクスをお嬢さんと呼ぶ必要はない。しかしきっとこんな風に呼ぶのは最後だから。
ウォルフの説得はなんの効果もなく、カリュクスは更にヒートアップしていく。 もしこのまま行ってしまうならば抱いてほしい、と言い出したのだ。
まだ子供である少女の口からそんな大胆な言葉が漏れ出た事にウォルフは面食らう。 流石に初潮は迎えているだろう。性知識もあるだろう。 しかし、きっと男を知らぬ身体だ。 だから死に物ぐるいでアンタレスの暴行に抵抗したのだろうし…
その純白とも言える身体をウォルフに差し出すとはどういうつもりなのだろう。 余りの驚きに口を金魚みたいにはくはくとして呼吸に苦しんだが、どうにか冷静さを取り戻す。]
(17) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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馬鹿を言うんじゃない。 お嬢さんはまだ子供だろう。 俺に対して何か思慕のようなものを 感じたとしても、 兄を頼るような感覚じゃないのか?
違うとて、俺にはお嬢さんに対して そういう感情はない。 ただ護衛対象として護ったに過ぎないんだ。 ……気持ちに応える事は出来ない。
(18) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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[身体を差し出すなどドラマででも覚えたような生意気な事を言いながら、少女の細い肩は小刻みに震えているではないか。 彼女はレイプされかけたのである。その恐怖がまだ治ってもいないのに、セックスなんて出来るはずもない…。 ウォルフを引き留めようと必死に身体を差し出すその健気さには胸を打たれたが。
肩を震えを諫めるように。優しく大きな手をそっと添える。]
いい子だから言う事を聞いてくれ。
[この物言いは逆効果だった。カリュクスは子供扱いされることを嫌う。だから逆切れして更に喚く結果となった。
この一分一秒が最後になるというのに、俺は彼女の笑顔を見れないのか。 春に息吹に芽吹く花のような微笑みを記憶に焼きつけたかったのに。]
さよならだ。 お嬢さ…カリュクス。
(19) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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[二人を隔てる扉が閉まる。その一枚がこんなにも遠く感じられるのなら、宇宙の向こうに旅立った暁には忘れられるのではないか。
あの時はそんな風に思った。 しかし、いざ流刑の地に来てみれば、ウォルフが彼女を忘れ思い出さない日など一日もなかった…。
小型の宇宙船のハッチが開いており、ウォルフと付き添いの刑務官が乗り込むのを待っている。これに乗れば数日で故郷の地球に到着するだろう。 カリュクスと落ち合ったら二人で新天地を目指す…
振り向いて荒廃した大地を最後、目に焼き付ける。 囚人たちはあの地をまだ掘っているに違いない。 自分もそこにいるはずだったのに。
ウォルフは、毎日ふるったツルハシの重みがまだ手に残っているような気がした。]**
(20) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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/* 小さい時トマトとラーメンに入ってるネギだけ許せなかった… 今はどっちも好き。
(-40) CClemon 2024/10/29(Tue) 16時頃
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──未だ穴の底──
[どれ程の時間が経っただろう。 クロノグラフを確認すれば容易く答えは得られる。 なのに、俺は穴倉で目を瞑っていた。 ヘルメットからのライトが淡く周囲を照らすのを 閉じた瞼の裏で感じる。 完全な暗闇はこんな無人の星でも拝めないのだ。 時間を確認するため目を開いたのは 焦れたからでも諦めたからでもなく。]
……メール、届いてるかな。
[中継局を経て、宇宙空間内を渡る電子の手紙。 彼が遣り取りをやめていなければ、 そろそろ辿り着いているかもしれない。]
(21) yunamagi 2024/10/29(Tue) 16時半頃
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[戻るか、とほの暗い穴の入り口を見上げる。 俺の念が届いたかのようなタイミング、 通信ヘッドセットがジジ、 ガサついた音で沈黙を破った。
俺の名前と無事を問う声に応える。 位置測位システムで こちらの場所は凡そ掴めているため、 そこから先は早い。
滑落に巻き込まれなかったクルー達に助けられ、 宇宙船へと帰還した。]
(22) yunamagi 2024/10/29(Tue) 16時半頃
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[『イビル星で地割れ・滑落事故』 『行方不明者11名』『原因解明中』 地球への最初の報から8時間余りで全員が救出される。 怪我人もいたが何れも軽傷で 探索も即中止とはならず 様子を見ながら上の判断を待つことになった。
『ご家族はさぞ慌てたことだろうな』 緊急性のある事故はリアルタイム通信で 上層部に報告されただろう。 一般報道はタイムラグがある筈だが、 俺の家には先に連絡がいった可能性が高い。]
(23) yunamagi 2024/10/29(Tue) 16時半頃
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『無事と分かりゃ ほっとするさ』
[そうだろうか。 死んでいた方が 両親は婚約者は 胸を撫でおろしたのではないか。 あの日 行き場をなくした悲しみの涙を 今度こそ 流すことができたのではないか。
俺の表情をどう受け取ったか仲間のクルーは 肩に手を置き、今日はゆっくり休むようにと 言い含めて離れていく。 俺は医務室から私室に移り、ベッドに腰かけた。
ディスプレイ下メールの受信を告げる通知に気付く。 披見する前に気持ちを整えたかった。 立ち上がり、不味いコーヒーを用意する。]**
(24) yunamagi 2024/10/29(Tue) 17時頃
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/*
延長*4ありがとう 最終日(11/2)の夜は予定があります、と先に><
>>-25 よーし、初メール書いちゃうぞー の段になってそうえいば書く理由考えてない…!! ってなっただけなので謝ることはないんだ(髪の先くいくい
(-41) yunamagi 2024/10/29(Tue) 17時頃
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/*
>>-30 水星の魔女はともかくマクロスって最近……?
>>-32 そうなのか 宿でクラリッサ・セシルだったので まさか、とひとりざわついてしまった 過去PCなんだね
>>-35 関係なかったぽいけど くだんの村の宿の名前(銀のゆずりは亭)は ゆずさんから取ったんだよ(本人おらんとこで… おかげで狼宿になってしまった
(-42) yunamagi 2024/10/29(Tue) 17時頃
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/* 俺はマクロスはFまでしか見てないなあ。 りしあさんはデルタ好きって言ってたような。 菅野はいい…
(-43) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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──青い地球──
[「地球は青かった」
人類初の宇宙飛行から帰還したユーリ・ガガーリンのこの言葉は有名だが、実は 「地球は青いヴェールをまとった花嫁のようだった」が本当だという説もあるようだ。
確かに遠く離れた宇宙から見ると地球は青くて丸い水の星だ。青いのは表層の70%が海であるから。しかし、ガガーリンの発した言葉はもっと地球を近くから見ている時に言われた言葉ではないか、と。 この場合、地球の外側を覆っている大気の層が青いヴェールのように見えたと思われる。
地球を離れる際、ウォルフは窓の外を見る事すらしなかった。 生きる気力のない人間にとってそんなものはどうでもいいからだ。
しかし今は、刻一刻と近づいてくる故郷の星が気になって仕方がない。 はやくあの大地を踏みたくて仕方ないと、焦がれる。
美しい花嫁が待っているから。]
(25) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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[ウォルフを乗せた宇宙船はある宇宙ステーションに入港した。燃料などの補給の為であるが、ウォルフには下船の許可が出ていた。船に乗る時に仰々しくつけられた手錠も今は外されていた。
一体カリュクスはどんな手段を使い、どう裏で手を回してウォルフの自由を勝ち得たのだろう…。
宇宙ステーションには惑星探査に出かける者や、旅行者、移住民など沢山の人が入り乱れている。ウォルフはとある店から漂うイイにおいにくんくんと鼻をひくつかせた。
肉を焼く匂いだ。]
ケバブか…一つくれ。
(26) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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[ケバブはトルコ料理の一種である。肉や魚、野菜などにスパイスで下味をつけて香ばしく焼き上げた料理である。大きな串に肉の塊を刺してぐるぐると回しながらグリルし、焼き目をつける調理法は独特である。
串に刺しているから歩きながらでも食べられるので、渡された肉の塊にウォルフは豪快にかぶりついた。ジューシーな肉汁がぶわっと咥内に溢れる。]
うまい…。
[刑務所では食べられなかった肉の味を堪能する。勿論、代わりに食べてくれと言われた言葉を頭の片隅に思い出しながら。 次にウォルフが目をつけたのはアイスクリームの出店であった。 懐かしい。確か昔カリュクスと一緒に食べた店と同じ系列店であるような気がする。]
バターピーカンを一つ。
(27) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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[巨体の男がアイスクリームを注文する様はちょっと不思議だったかもしれない。売り子の女性は目尻に皺を寄せてコーンに乗ったアイスクリームを手渡してくれた。 ちょっと塩気のきいたアイスはウォルフのお気に入りである。 カリュクスの好きな味は…。あの時に食べていたのは…。
腹が減っていたので立て続けに食事をした。 人間とは、生きる気力が湧いていないと食欲も湧かないというのを実感する。
メールには11月23日のPM15:00までにMAPの位置に向かい待機しろとあった。 ウォルフにはカリュクス側の状況が全くわからない。 危険はあるのか、追手はいるのか。 色々と心配は過るが言われたとおりにするのが最善だろう。
どんなことが起ころうと、カリュクスを護る。 護り通して見せる。
この想いに揺らぎはないから。]
(28) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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[こうしてウォルフはネコ元帥が指し示していた地点に向かう事になる。 ……約束の場所へ。
再会の時は近い。]**
(29) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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カリュクスは、突然のメシテロwwwwwくっっっそう🍅
りしあ 2024/10/29(Tue) 17時半頃
カリュクスは、突然のメシテロwwwwwくっっっそう🍅
りしあ 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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/* 待ち合わせ場所の描写をりしあさんに任せて(本社の近く)お風呂へ…
りしあさんの描くストーリーは綿密でとってもいいよね。俺は海外ドラマみたいって思う。
(-44) CClemon 2024/10/29(Tue) 17時半頃
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