14 冷たい校舎村10
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[その時、再びエレベーターの扉が開いた。 現れたのは、1匹の黒猫。 オレが付けている雑な猫耳と同じように、片耳が垂れている。]
逆じゃん。
[猫が客かい? 猫カフェって、そういうもんだっけ。 多分、オレが知ってる猫カフェはそうじゃない。]
いいか。減るモンじゃねーし。
[そっと黒猫に手を差し出した。]
(+7) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[ 卵がある。
冷蔵庫を開けて半熟のスクランブルエッグに 眸を数度瞬かせた後。
頂きますと手を合わせて。 春雨スープとヨーグルトを頂いた。
咀嚼して、飲み込んで。 とても美味しかったと。 …… 果たして君に伝えられる日は来るのかと。 脳裏に浮かべた、陽に透けた輝きを想う。 ]
(31) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[ 食事の後で路子とは別れた。>>2
増え続けるマネキン。 次に会える保証などないのに。 それではまた、と。 当たり前に明日が来る日常のように。
微笑みを伴って手を振れば、 路子も同じ笑みを返してくれただろうか? ]
(32) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[ チャイムが、鳴る。 ]
(33) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[ 星がひとつ、またひとつと、造られる。 誰かが造った人工の光。 はるか過去から届けられる本物の輝きではなくとも。
─── それを美しいと思う心は、 間違っているのだろうか? ]
(34) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[ エレベーターに乗り込んだ。 最初は少なからず警戒していたはずの箱。 慣れた仕草で、操作する。
目指すのは屋上。 私が求めていた場所。 だってこんなに綺麗なのだから。
いなくなるなら、こんな空の下がいい。 ]
(35) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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…… ままならないな。
[ エレベーターを降りて。 先客の姿にふ、と息を吐き、苦笑する。>>14
ここにはいつも誰かがいるから。 結局真梛の目的は果たせていない。>>2:72 今回も結果は同様だと。 そのまま引き返そうとした車椅子を止めると。 せっかくすれ違わずに済んだのだからと、 後ろ姿に声をかける。
星を創るその人に。 知ってか知らずか、真梛の望みを先に叶えた君に。 大切な、クラスメイトへ。 ]
(36) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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屋上から飛び降りるのは、どんな気持ちだろう?
(37) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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いいよなぁ オレも、猫になりてえ。
[すっと猫を持ち上げれば、そんなことを呟く。 もっと楽で、自由に、走り回りたいな。]
いらっしゃいませ、ご注文はキャットフードですか?
[毛並みの暖かさを感じながら、そんな冗談を。]
(+8) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[ 扉はもう開かれていただろうか? それならその先から。 そうでなければ、脳裏に浮かべて。
空に輝く満天の星々を、想う。 ]**
(38) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[確かにペットは飼いたかったけれど、これは文化祭でやり残したことではないな。 そんなことを思いながら暫く黒猫と戯れていると、再びエレベーターの扉が開いた。 そこには]
よっ、店番終わったろ? 1on1でもしようぜ!
[挑発的に笑うオレが立っていた。]
(+9) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[驚きはなかった。 なぜかそれが当たり前だったかのように、その状況を受け入れることができた。 そしはもう1人のオレにとっても、同じらしい。]
んだよ、せっかく人が楽しんでたってのに。 猫ちゃん、ちょっと待ってな。
[黒猫をその場に降ろせば、目の前の"試合"に集中する。 相手にも上背は無い。なら、小細工なんていらねぇ。正面からゴリ押しするだけだ。]
(+10) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[───けれども。
もう1人のオレはとても強かった。 同じ体格で、同じ技術を持っていて、同じ経験があるはずなのに。 どうあがいても勝てる気がしなかった。
オレを舐めんなよ、その理由はちゃんと分かってんだ。 あいつには、迷いがねぇ。 だから一瞬早く動けるんだ。]
(+11) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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もう降参か? ゴールはここにあるぜ?
[いつの間にか、エレベーターの中にバスケットのゴールがあるシュールな光景になっていた。]
もう降参してえ。 んなこと気にせずに、ずっと猫と遊んでいてえよ。
[そう口にした途端、エレベーターはゆっくりと遠ざかっていく。教室と、エレベーターの床との間に深くて暗い谷が広がりはじめる。]
(+12) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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んじゃあ、オレが"勝ち"を貰っちまうってことで。
[その言葉を聞いた時、再びオレの足が動いた。 負けず嫌いなのは、譲れねえか。
なぜかそいつの手には、あの日の答案用紙>>0:477が握られていて。]
こんな安挑発に負けてられっかよ。
[床の端までやってきたが、そこで再び足が止まってしまう。 元々身体能力で身長を補ってきたんだ。ジャンプ力には自信がある。それをもってしても、ギリギリの距離。 迷っている間にも、エレベーターはどんどん遠ざかっていく。]
(+13) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[休め、何も変わんねえ>>2:213と言われた。 その言葉が脳裏によぎる。
そんなこんなで迷っていれば、後ろから唸り声が聞こえてきた。]
シャアアアアア!
[いつの間にか、猫は恐ろしげな黒豹に姿を変えていた。 そしてその声はご丁寧にも
全く可愛くないと言われた、オレの猫語。]
(+14) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[行くも地獄、帰るも地獄。 だけれど中途半端はもっと地獄。 進退窮まったオレ。
普通の人だと認められない? いいや、違うな。 普通の人でなんて、いられねぇんだ。
いずれどちらかを選ばなきゃいけない時が来る。]
(+15) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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/* そろそろ遺体(マネキン)発見しすぎて、 貴様はコナンなのではと言われそうなので 今回はお任せするぞ、するぞ (しかし見つけてもよさそうなら見つける✨)
天声前にロルを書いてしまっていたのもありますが…
(-6) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[黒豹は襲い掛かってくる5秒前。エレベーターは届かなくなる5票前。 ようやく理解した。オレは休みたかったって言うより、1番でなくなるのが怖かったって言うより。
消えちまった心の炎に火をつけて欲しかった。
誰かにケツを叩いてほしかった。]
当たって砕けろ! もうどうにでもなれ!
[迷っていても、まず動け。バスケを始めた日に、先輩から教わった至言。 だからオレの体は宙に浮いていた。]
(+16) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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甘くねえか。気合いだけで乗り切れるほどは。
[迷いはどこまでも追いかけて来る。 迷いの正体はどこまでも逃げていく。
ジャンプした途端にエレベーターは遠ざかるスピードを上げた。 黒豹は教室から跳んでなお、オレのすぐ背後まで迫ってきた。]
もう少し早く決断していれば。 ああ、これが。
後悔ってやつか。
(+17) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[あと数十センチ、エレベーターの縁に手は掛からなかった。 僅かな差でボールを奪えなかった、インカレの時のように。
黒豹の爪に己の肉体が切り裂かれるのを感じた。]
嫌だ。オレはまだ!
[そこで確信を持つことができた。 この世界を作ったのは、オレじゃねえ。]
(+18) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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[なあ、どこかで聞いているのか。見ているのか。 どこにいるとも分からない、そいつに向かって。 お前は死のうとした時、どう思った? やっぱり嫌だと思ったのか、それとも。
痛む体、落ちていく感覚。 それはどこまでも続く。
答えは聞かねぇよ。 おめえが何と言おうとオレは、こんなので納得する奴がいるなんて、こっちのがマシだと思ってた奴に気付かなかっただなんて。
認めねえ。]
(+19) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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[後には爪跡の残るマネキンがエレベーターに転がっているだけ。
届かなかったはずのエレベーターの中にあったマネキン。 その意味は、雄火自信にも分かる日は来ないだろう。]
(+20) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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─── 現実世界 ───
あっ、この野郎! いってえー!
[どこから忍び込んで来たんだ。野良猫に引っ掻かれた痛みにオレは飛び起きた。
いつの間にか体育倉庫のマットで眠ってしまっていたらしい。 だからあんな夢、見たのかな。 夢の中で寝ているのも変な感じだけれど。]
(+21) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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今何時だぁ? つーか、部員共誰か起こせよ。早く下校しねえと、また守衛のおっさんに叱られちまう。
[焦りとともに、時間を確認するためにスマホを開けた。 そこには、見たことない量の通知が。]
(+22) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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かわ・・・・・・い?
[正夢か。 いいや、そんなちゃちなもんじゃねえ。 とにかく、こんな時にする事はただ1つ。]
迷っていても、まず動け!
[体育館から飛び出す。もう扉が開かないだなんてことはなかった。 オレは病院へ向かって自慢の快速を飛ばす。 どんな試合よりも、速く走ることができたオレは、病院へ飛び込むのだった。**]
(+23) 2021/11/13(Sat) 10時半頃
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/* 雄火の落ちロル見れてよかった!
エレベーターの使い方がすごい なるほどなー、休めと言うのも正解じゃなかったんだなあ
(-7) 2021/11/13(Sat) 10時半頃
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── 回想・日中 ──
あは、ハグで落ち着かせてくれる? 小さい子をなだめるみたいに。 そっちのほうがあったかくて、いいねー
[ クールな言葉がちょっぴり独特で、 とびきりお茶目なわたしの友だち。
彼女よりもずいぶん大きなわたしは、 そんな彼女のWIN-WINらしい提案に、 少し甘えた口ぶりで言ってくつくつ笑った。>>26]
(39) 2021/11/13(Sat) 11時頃
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心配しないで。 わたし、強いから。
頑張っているつもりもなければ、 疲れて打ちひしがれることもない。
──って、自信満々に思ってたんだけどー わたしにはまなちのハグが必要だったみたい。
[ だから、手始めにひとついいかな? しゃがんで、彼女より小さくなって、 腕だけは大きく広げて、ほらハグは? なんて。
視線の高さの差が埋まって、君との距離が近くなる。 きれいな黒色の瞳がいつもよりよく見えた。 それは思った以上にあたたかな色をしていた。]
(40) 2021/11/13(Sat) 11時頃
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……駆けつけるための脚がなくたって、、 まなちはいつだってわたしのこころにいるよ。 そのぶん、君は言葉を尽くしてくれるじゃない。
[ これだけ近ければ大きな声を出す必要もない。 囁くような声音で言って、頬を緩めたわたし。]
これからも思っていてよ。 それで、わたしを抱きしめにきて。
わたし、平らな地面が好きなの。 そのほうがうんと自由に駆け回れるから。
(41) 2021/11/13(Sat) 11時頃
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