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ーー自宅/応接間ーー
初めて訪れる僕の家を彼は珍しそうに眺めている。 何にでも興味を示す彼だから、特に僕の家である為、ではないのだろうけど。
きちんと写真立てに入れて飾ってある家族写真は、僕にとっては日常生活の一部だから特段最近見返す事はなかった。
あれは確かーー。
仲睦まじい四人がいる場所が近隣ではない、つまり旅行の際の写真であるのは見ればわかったのだろう。
「うん、父さんと母さん。僕が小学生の時かな?鬼怒川の温泉に行ったんだ。
川下りをしたり、日光東照宮を見に行ったり楽しかったよ。 広い温泉にも入ったし。
ーー……。」
彼が家族旅行をしたことがないのは知っている。海辺デートの際に訪れたリゾートホテルを随分物珍しく見ていたから。
(44) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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身体にハンデがある彼はそんな、普通の家族の当たり前の幸せを知らない。
僕は改めて、自身が健康体に恵まれ育った事を考えた。
彼のリクエストに応じて冷蔵庫から冷えたペットボトルを取り出して渡す。 彼の気遣いに僕は気付かなかった。こういう所、康生は他人を思い遣る優しさに溢れている。 僕はそれを今まで、当たり前に享受してきた。
それがどんなに幸せな事だったか。
僕らは教会で愛を誓いあった。 未来があれば、そのとびきりの幸せが続いたはずなのだ。
珊瑚と大和にしても、生きていたら結婚し家庭を作り、家族旅行に行ったりしただろうに……。
ーー僕らは。
(45) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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僕が吐露した想いに、普段通りの笑顔を見せるも流石に彼の言葉も沈んで。
そしてーー……。
「……ッ」
あらかさまに動揺した。 彼が腕を回してきたから。 僕の、肩に。
震えを鎮めようとするかのよう、それは優しく僕を包む。
一瞬彼とのふれあいは良くないのではと考えたが、粘膜が触れたり唾液が行き交う訳ではない。だが、大丈夫な範疇とわかっても僕の鼓動が裏返る。
どくん、と。
きっと康生はただ、僕を慰め元気づけたいだけ。 相手が僕でなかろうと、落ち込んでいる人間を目の前にしたらそうする。
(46) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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僕が特別だからじゃ、ない。
そんな残酷な優しさが彼の本質と知りながら。
僕はーー愛を誤認した。 その温くて弛い誘惑に勝てなかった。
だから、赤面する。 肩に置かれた手にときめく。
人は当たり前に自分の期待を、希望を他人に見るから。 ーーすがるから。
「そう、だよ……そうだ。」
嗚咽を漏らす。涙が頬を伝う。 千映、珊瑚、大和。彼らの死だけでなく、僕らの運命に。
愛し合う二人の未来が奪われるなんてーー。
(47) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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「いや、だ……僕は、嫌だ、ーー死にたく、ない。 死にたくなんかない……。
僕は君が好きだ。君と恋人になれて、今までの人生では考えられない程幸せだった。
君に愛されて……価値を、得て。僕みたいなつまらない人間だって、生きていいって思えたのに。」
拳を握り手の甲で目を拭う。それでも溢れる涙は止まらない。
「ーーコウ。逃げよう。何処か遠くに二人で。 あの強制転送がどこまでも届くかなんてわからないよ。
僕はーー闘いたくない、パイロットなんかなりたくないッ
死にたくないんだッ!!」
(48) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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堰を切ったように感情が爆発した。惨めに、憐れに僕は涙した。虫けらが騒いだところで何も変わらないと何処か知っているのに、すがる。
彼の愛がそこにあると信じて。
「コウ、君だって僕と一緒に生きたいよね?死にたくなんかないよね?
……僕が死ぬなんて、嫌だよ、ね……?」
僕と康生の決定的な価値観の違い。彼は、ここで闘いを止めたら今までの犠牲が無駄になると考えている。 僕は犠牲が増えれば増えるほど、こんな闘いを止めなくてはならないと思うが。
どちらが正解でも不正解でもなく。ただ、人はそれぞれに異なり、違った方向を見据えているのだ。
(49) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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僕らの視線の先はーー交わらない。
僕は両手で顔を覆った。そして震える声で彼に、告げた。
「……次は、僕だ。僕なんだよ、コウ。」
顔を上げる。涙でぐしゃぐしゃの汚い顔を彼に向けて。
「助けて……助けてよ、コウ。」
薄暗く仄かに。あり得ない希望を僕は彼に見ている。*
(50) 2023/11/10(Fri) 19時頃
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/* 死んだ後だから枕元にしか立てないな
(-10) 2023/11/10(Fri) 19時半頃
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[甘くなっていく珊瑚の吐息と比べて大和の吐息は熱くなっていく。 高鳴る拍動が生み出す熱量は赤く熟れた林檎のように赤い顔を見つめて生まれたものだ。 じっと見つめていると口元を手で隠してしまったけれどその動きもまた珊瑚への好きという気持ちを増長するものだった。
仰向けに押し倒し見下ろしたままに、目蓋を瞬かせる動きと合わせて大和の目蓋もまた瞬いた]
手の甲は……確か『敬愛』だったかな。 他にももっと色々あるよ。
頬は『親愛の情』……。
[許可を得たのでまずはと頬に口づけを施して、頭をあげれば見えたのは珊瑚が腕の位置を変えていたことで浮かび上がった盛り上がりだった]
(-11) 2023/11/10(Fri) 20時頃
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う゛……んと……。
[思わず詰ってしまった言葉を誤魔化すように声を繋げて、おでこにキスをし『祝福』を、目蓋へのキスで『強い憧れ』を、鼻へのキスで『大切にしたい想い』の意味があることを伝える]
それで、耳は……。
[顔を近づけ、頬が擦り合わさる程に近さに寄って耳へとキスをする]
『あなたと繋がりたい』、だよ。
[これから先を望む言葉を伝える。 キスの意味でもあるが大和の欲でもある言葉を紡いでまた頭をあげて碧の瞳を見つめるとまた唇に口づけを。 背に回していた手をゆるりと動かして引き抜くと横に置かれた手を取り、指先や手の甲、手のひらに口づけをしていこう*]
(-12) 2023/11/10(Fri) 20時頃
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頬にキスされると髪の毛がくすぐったくて、キスされた側の目を閉じてしまった。 そして顔のいろんな場所にキスの雨が降ってくる。 なんだかとても大切にされてるみたいな気持ちになって、キスの意味も反芻しながら私は柔らかなその感覚を受け止めていた。 親愛。祝福。強い憧れ。大切にしたい…。 そんなふうに思ってくれていることにときめきが積み重なっていくような、そんな気持ちになる。 そんなふうに思ってくれてる事に胸が高鳴って。
でも。耳元にされたキスと囁かれた言葉はとても刺激が強いもの。 ──繋がりたいって。絆とかかもしれない。心はもう繋がってると思う。絆も。そんなふうに頭の中にいろんな言い訳が浮かぶのは、浮かれ過ぎちゃダメって気持ちがほんの少し残ってたから。 でも。
(-13) 2023/11/10(Fri) 21時頃
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「ん…。」
再びキスされて、今度は私の手にたくさんキスをしてくれる命くんに、きゅん、と胸が切なく疼いた。 キスされた指先が甘く痺れを帯びる。
「命くん…。」
空いている方の手を伸ばしながら命くんを呼んで、首に手を回して軽く引き寄せた。 そして私も軽く頭を上げて。 ちゅ…、と軽く唇を重ねた後、頬にキスして、そして。
(-14) 2023/11/10(Fri) 21時頃
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「私も…。」
耳元で囁いて、そこにキスを落とす。 本当は鼻先とか額とか、同じだけキスを返したかったけど。 体勢的にそこまでで精一杯。 私の気持ちを伝えるためという意味でも。 じっと命くんを見上げる。
ほんの少し眉を下げた、困ったような顔で。
けれど期待に満ちた潤む瞳で。
「…あの。 電気…消さない?」
だから、緊張にかすれる小さな声でそんな事を言うことになった。
この続きを、想像してしまえたから。
そして望んでもいたから。*
(-15) 2023/11/10(Fri) 21時頃
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─乾恵一の家 応接間─
一回の旅行で、結構あっちこっち行くもんなんだな〜。 ちっちゃい頃のケイ、なんか可愛くね? 今は可愛いって言うより、カッコイイ寄りだけど! なあ、川下りってどんな感じ? やっぱ速い?
[彼が心中を吐露するまでは、そんな風に康生は“いつも通り”だった。まるで、学校帰りに立ち寄っただけの様な。他愛ない雑談である自覚は康生にもあったから、彼が隣に座ればその話は一度途切れた。]
……?
[彼の動揺に、康生は僅かに首を傾げた。動揺自体は察せど、その理由までは解らなかったのだろう。康生に他意は無いのだから。親友が震えていたから、支え、慰め、元気付けようとした。出来る範囲で温めようとした。 ──それだけだ。人間の皮膚というのは存外丈夫だから、傷口や粘膜を露出しない限りそう感染の心配は無い。例え、極端に免疫力を下げていたとしても。]
つまらない人間だなんて、言うなって……。 あ、えっと…………ほら。
[康生は空いている右手で自分のポケットをまさぐると、ポケットティッシュを差し出した。足りなければ応接間を見回し、ティッシュ箱に手を伸ばして彼に渡した筈だ。自分では、拭う事さえ出来ないから。]
(51) 2023/11/10(Fri) 21時半頃
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───……。
[感情を爆発させる親友に、康生は眉を下げた。康生は、私の前でさえ「死にたくない」と口にした事は無い。契約騒ぎに巻き込まれる前、幼少期から常に死の危険に晒され続けてたにも拘らずだ。それが全部偽りなのかも知れないと想像する事は、私には出来なかった。]
……、……前にも少し言ったけど、さ。 俺は死ぬわけにはいかないし、死にたいとも思ってない。 ケイだって、生きててくれる方がずっといいって思ってる。 けど、それは……、……。
[康生が見てるのは、過去の犠牲だけではない。此処で戦いを止めれば、地球が滅ぶ。そうなれば、パイロットだけではなく全員死ぬ。自分や周囲という個の安寧より、世界の──その他大勢の存続を見据えていた。少なくとも、この時点では。だから、彼の視線と交わる筈も無かったのだ。]
ケイが、次……? 呼ばれた、のか?
[康生は恐らく、彼の救いには───なれない。]
そっか、次が…………ケイ、か。
[私がそう確信したのは、彼が死の運命を康生に打ち明けた時だった。大粒の涙を溢す彼を視界に映したまま、康生は安堵の笑みを浮かべたのだ。]
(52) 2023/11/10(Fri) 21時半頃
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俺、ケイのこと助けたいと思ってるよ。 ケイの助けになることで、俺にできることは全部したい。
[もしそれが“次に死ぬのが自分でないと知った事から来る安堵”であれば、まだ理解して貰える可能性があったかも知れない。彼は康生から「死にたくない」という言葉を引き出そうとしていた様だったから。けれど、そうですらなかった。そうであれば、こんな事は言わないだろう。]
ケイが俺に傍に居て欲しいってんなら、傍に居る。 一緒に逃げてほしいってんなら、どこまでだって逃げるし。 ケイが「闘いたくない」「パイロットになりたくない」 「死にたくない」って言うなら…………全部は無理だけど、 「闘いたくない」って願いくらいは叶えられるかも。
[康生の声は穏やかで、微笑みさえ浮かべている。だからこそ、私は戦慄した。初めてこの子を……実の息子を、怖ろしいと思ってしまった。]
……ケイは、どうしたい? 俺は、何をしたらケイを助けられる?*
(53) 2023/11/10(Fri) 21時半頃
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/* 「闘いたくない」って願いくらいは叶えられるかも>>53
ポチチは、この発言聞いて「殺す気だ」ってなってる そらそう だってこの親子、パイロット交代について既に聞いてるもん 闘いたくないなら、闘う事になる前に殺してしまえばいいって結論に陥るよね 柊木(父)は「理屈は解るけど駄目だろう」ってなってて 柊木(息子)は、「それがケイの救いになるなら」って感じの心で実行しようとしてる これだけだと普通の(?)サイコパスなんだけど 「ケイのこと殺したくなんかない」って泣きながらも殺ろうとするだろう辺りが、柊木(息子)のヤベー奴っぷりを象徴してると思います
(-16) 2023/11/10(Fri) 22時頃
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[珊瑚と繋がりたい。 心でも、絆でも、身体でも。 自分の全てで感じていたい。
肌に触れる唇に伝わるのは柔らかな珊瑚の感触。 心地好く、心が踊る良い香りがする。 触れれば触れるだけ唇が熱くなっていく]
……珊瑚さん。
[名前を呼ぶ、呼ばれる。 その行為だけで酷く幸せな気分になれてしまうのに、首に手が回ってきて引き寄せられると素直に従って唇と頬が幸せになる。 珊瑚もまた望んでくれている。 本当に――大和にとっては幸福を齎してくれる存在だ。
耳元に落とされるキスに頷いて返す。 繋がりたいと願ってくれる。 それだけで嬉しくて仕方がない]
(-17) 2023/11/10(Fri) 22時頃
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……ほんとは、見つめていたいんだ。 でも――その分珊瑚さんを感じられそうだし……。
[小さな声を聞えた言葉に『うん』と答えて手を伸ばす。 電灯のスイッチに指先が触れると消灯のボタンを押して灯りを消した。 灯りが消えて暗くなった部屋の中で周囲の音も少なく聞こえるのは互いの呼吸の音と身動ぎで生じる衣擦れの音ばかり。
大和はスイッチから手を引くと視線をじいと珊瑚へと向けた。 暗くなって目がまだ慣れておらず真っ暗な中で触れている珊瑚だけは感じられる]
(-18) 2023/11/10(Fri) 22時頃
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僕さ、こういうことするの初めてだから。 痛かったりしたら、教えて。
[こつりと額を重ね合わせる。 触れ合う額が心地好くて、鼻先をずらして触れる唇が幸せで、真っ赤な顔は見えはしないだろう。 口づけの音を室内に響かせていけば次第に音の間が長くなり代わりに呼吸の音が高まっていく]
それでね――喉へのキスは……。
[『あなたをわたしのものにしたい』と言葉にすればそうなる。 呼吸の合間、はぁ、と吐息を漏らしてから伝えると珊瑚の喉元へと唇で触れて、ちゅ、と声の出所へと印をつけるようにキスをした*]
(-19) 2023/11/10(Fri) 22時頃
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「珊瑚…で、いいよ?」
いきなり呼び捨てはハードルが高いかもしれない。私も、命くんを命と呼べと言われてもすぐには難しい。ずっとできないかも。 でも、そんなふうに少し甘えた声を出した。 本当は私も命くんを見つめていたいけど、それよりみられる恥ずかしさがあるから電気は消す方向性でお願いした。 それでもあんまり暗かったら、常夜灯くらいは点ける?なんて聞いたかも。 でも煌々と明るい部屋の中で自分を見られてしまうのはきっと恥ずかしいと思ってしまったから。
でも。真っ暗でも、ほんのり薄暗くても。 一番に感じるのは命くんの温もり。 あたりはしんと静まり返って、自分たちの呼吸音と衣擦れの音が聞こえる。心臓の音まで聞こえてしまうんじゃないかって思うと余計にドキドキと自分の心臓が煩くなった。
(-20) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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「私も──初めて、だけど。 痛いって聞くけど…命くんなら、良いから…。」
初めてはどうしても痛いって聞いたことがある。 好きな人が相手だから耐えられる痛みなんだって。 だからきっと私は大丈夫。 だってこんなに好きな人と初めてを経験し合えるんだもの。 真っ赤な顔はお互い見えないけど、気持ちが高まっていくのが分かる。 繰り返しキスをして、甘く吐息を溢して。
(-21) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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「ん…、はぁ…っ、ふ…。」
きっと今、わたし、人に見せられない顔をしてると思う。 甘く蕩けた、期待を隠しきれない顔。 そんな時に喉へのキスの意味を知らされて、微かな甘い痛みを伴うキスだったからピクッと体が震えた。 印を残すように、なんて気付いてないけど。 明るい場所で見たら、きっとそこには命くんのつけた薔薇の花弁が残ってるはず。 そしてそのキスへの私の返事は勿論──。
「──命くんのしたいこと。 全部、受け止めたい…な?」
絶対に酷いことはしないと思ってるし、大切にしてくれてると現在進行形で思うから。 でもそう。最初は無事を喜び合うだけで十分だと思っていた。 でも、好きな人とこうして隣り合って、触れ合って、想いを伝えるだけじゃ飽き足らない。 そんな私の欲深さを思い知る事になる。 それに──。
(-22) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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それに──。 お互い生きてる事を確認し合いたいし、もっと甘えたい。甘えて欲しい。もっと沢山キスがしたくて──命くんのしたい事全部受け止めたい。
「だから、…遠慮なく、してね?」
本当に遠慮なくなったらどうなるんだろう、なんて知識はあまり無いから。 私なりのお誘いを言葉にして、そっと彼の頬を撫でた。**
(-23) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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ーー自宅/応接間ーー
避けようがない死が迫っていなかったら、実に楽しい会話になったはずだ。
カッコいいなんて褒められなれていないから、大袈裟に照れただろうし、川下りについても身振り手振りを交えて説明したはずだ。
なんなら自室からアルバムを引っ張り出してきて、もっと沢山の写真を彼に見せたかもしれない。
しかし、今の僕にはそうは出来なかった。 曖昧な笑みを浮かべ、結構流れは速かった、という事だけは答えたが。
差し迫る死の恐怖に怯えれば怯えるほど彼は暖かく。 それがただの友情だなんて思えなくて、僕は涙した。
渡されたティッシュすら特別なもののように思える。
彼は僕を心配してくれている。 ーー僕を、愛しているから。
こんなにもみすぼらしい存在の僕を、闇にすらなれないただ踏まれるだけの影のような僕を。
(54) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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光そのものと言える彼が包み込んでくれる。
ーーだから僕は全てを晒した。 弱い部分も、恥ずかしい気持ちも全てを。
みんなが勇敢に闘い死んでいったのにに対して、僕はピイピイと雛みたいに泣いて、ただ弱音を吐いた。
彼はきっと、僕の死が確定したのを知ればショックを受けるだろう。悲しみに暮れるはずだ。
それが愛と言うものだから。
もしも死が避けられず、僕が彼を置いて先に亡くなろうとも。 僕という存在を愛し、それに胸を傷めてくれる人がいたなら。
ーー僕はきっと救われ る はず
「ーー……」
(55) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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その表情はなんと表現したらいいんだろう。僕は彼が顔を歪め僕のために泣いてくれると思っていた。
思っていたのに、彼は。
ーー嗤った。
嘲るとかではない。愉しいとかでもないだろう。 強いて言えばアルカイックスマイル。彼の見目麗しさを際立たせるような笑みに僕は戸惑う。
「コ、……ウ?」
彼はそんな僕を置いてきぼりにするように、言葉を重ねた。
僕を助けたいと。なんでもする、と。
それは勿論嬉しい言葉ではある。だけどーーこの胸騒ぎと違和感はなんだ?
さわ、と首筋に寒気が走る。 僅かに粟立つ肌。
(56) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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一緒に何処までも逃げるのは、とてもロマンチックだ。 二人で手を繋いで、行き先のわからない電車に乗って。
僕らを誰もが知らない土地へ。 二人きりになれる場所へ。
だけどーーその幸せな時間は永遠には続かない。 いや、むしろ死刑の瞬間までの猶予に近いのではないか。
そんなこと、聡明な彼がわからぬはずがない。 だったら何故言う?
(57) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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彼の物言いはまるで。
"君が死ぬ瞬間まで望みを叶えるよ"と言っているようで。
「違、う……」
声が掠れる。彼は驚くかもしれない。だって、両手を広げるような慈愛に満ちた態度で僕の願いを聞き入れようとしていたのだから。
「君の、気持ちは嬉しい……けど。でもそれは、その献身は、さ。」
何のため?
ーー死に逝く僕へのせめてもの手向け?
それともーー嗚呼、そうだ、彼の性格を考えたなら、答えなんか1つじゃないか!
地球やみんなを護る。 その為に。
(58) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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死にたくない、は叶えられなくとも。 闘いたくない、は叶えられる。
組合わさったパズルの答えは?
「……コウ。闘いたくないって僕の願いを、君は。」
ごくり、と唾を飲む。愛する彼が、恋人である彼がこんなにも傍にいるのに。僕らは身を寄せているのに。
どうして冷や汗が止まらないんだ?
「それを僕が願ったら、どうやって叶えるつもりなんだ……?」
聞いてしまえば、後戻りは出来ないかもしれない。 しかし僕は迂闊に足を踏み入れる。底無し沼のような問答の先に救いがあると思えないのにーーそれでも。*
(59) 2023/11/10(Fri) 22時半頃
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