31 私を■したあなたたちへ
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[ 行ってみよう、という返事に>>80 卯木は首肯して、 二人揃って音が出た先へと足を進める。 ]
地下迷宮、ということは アトラクションの一環なのでしょうか。 それにしては、あの早見盤は 分かりづらい位置にありましたが……。
[ 煙崎灰羅の幾らかの緊張を孕んだ声音は、 こういうハプニングに対する反応としてはあり得るか と卯木は特に疑問には思わず、 ]
(89) 2023/11/19(Sun) 14時頃
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降りてみます?
[ 煙崎灰羅に尋ねながら、 卯木は階段へと足を進める。 制止されれば、一旦降りるのを止めただろうが、 特にそういったことがなければ、 そのまま階段を降りきるだろう。 ]*
(90) 2023/11/19(Sun) 14時頃
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── 銀の館→地下 ──
分かりました。 では、行きましょうか。
[ 正直、地下に降りたい気持ちが大きかったから、 引き止められることがなくて良かったと 卯木は内心安堵しつつも、
階段を降りきった先、 ひとりでにライトが点灯し、 その場は地下とは思えないくらい 明るい空間となる。
テーマパークには似つかわしくない、 研究室の姿が目に入る。 ]
(123) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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[ この場所がかつて病理研究所だったことは 軽く調べた程度では知っていたが、>>0:164 もしかしたら、この地下室に気づかずに テーマパークを建てたのか、
……いや、あの隠し階段は おそらくは人為的な仕掛けだろう。 だから、意図的にこの地下室を残したうえで、 地上にテーマパークを建てたのだろう。
でも、一体何のために? 卯木は疑問に思いながら、 煙崎灰羅の様子を眺めてみたが、 卯木には、彼の表情から 特に驚きや困惑の色は見えない。>>99>>101
卯木の中で、煙崎灰羅への疑惑が深まった。 ]
(124) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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そうですか。なるほど。
灰羅さんは、犯人が見つかって その犯人が死んだら、 本当にこの島から出られると思いますか? 私は、顔も見せないこの招待主のことが どうにも信用できなくて……。
ただ、灰羅さんの立場からすると、 まずは真相が知りたいという気持ちは よく分かりますから。
(125) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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[ 声音については 昨日のボイスメッセージと変化なく、>>101 この点では卯木の疑念が消えることはないが、 一日経った後だから、 幾分落ち着いた可能性はある。
ただ、今は 卯木からは煙崎灰羅が 勝手知ったる態度のように見えることの方が 気になっていた。 ]
(126) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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心当たりは、そうですね……。 るくあさんが言っていたことで 気になっていることといえば、 『恋人はお供えできない』といったブラックジョークや、 『生と死の境界』についての質問でしょうか。
灰羅さんから見たるくあさんは、 こういった話をしそうだとか思います?
[ 従弟の事故のことは伏せつつも、 卯木の心当たりについては、>>0:19>>0:216 簡単に説明した。 ]
(127) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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[ そして、卯木には事件のこととは別に 煙崎兄妹に身寄りが少なかったらしいという 話を聞いてから、>>1:288 どこか思うところがあった。
たしかに、煙崎灰羅には怪しい点はある。 ありはするのだが、 まだ、それは確定ではなく、 シュレーディンガーの猫の状態なのだ。
だから、今ならば自分の心を離れさせずに 彼と会話できる気がした。>>0:218
だから── ]
(128) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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ねえ、灰羅さん。 これは、兎坂庵の店長の言葉でなく、 卯木 宙太という一人の人間からの言葉と 思ってほしいのだけど、
[ それまでの兎坂庵での営業用の口調から、 普段知り合いと話すときのような フランクな話し方に変えながら、 ]
(129) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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僕から見たるくあさんは、とても幸せそうに見えた。 もちろん、実際がどうだったかは、 るくあさんにしか分からないけれど。
でも、るくあさんが見せてくれた笑顔が もし本物だったなら、 それは周りの人たちのおかげで、 特に灰羅さんの力が大きかったんじゃないかなって 僕は思うんだ。
(130) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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きっと、灰羅さんは 僕より素敵なお兄ちゃんだったんだろうね。
[ 従弟を思いつつ、つい小さく零れだした独り言は 彼の耳に入ったかは分からないけれど。 ]
(131) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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だから、灰羅さんが今までしてきた努力は 灰羅さん自身がちゃんと認めてあげてほしいなって 僕は思うよ。
灰羅さんが「るくあさんが生きていたら、 こんな人生を送ってほしい」と思っているように、 きっと、るくあさんも灰羅さんに対して 同じようなことを思っていると、僕は思うから。
[ ありったけの本音を込めて話してみたが、 はたして、煙崎灰羅には 卯木の言葉は届いたか。>>0:217>>0:218 ]
(132) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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[ そうこう話しながら足を進めているうちに おそらく二人は何かの部屋の扉の前に たどり着いただろう。
扉を開くと、どうやら仮眠室のようだが、 簡易ベッドの枕元に、 何かノートのようなものがあるのを見える。
中を覗いてみようかと、 卯木はノートへと近づき手を伸ばしてみた。 ]**
(133) 2023/11/19(Sun) 16時頃
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── 現在:地下研究室 ──
そうですよね。 たとえ無実の人間であっても 素直に解放する確証なんてないですし。
だから、私は銀の館が怪しいかと思って、 色々と調べていたのですよ。
無理やり引きずり出せなくとも 何か招待主の秘密を握ることができれば、 交渉材料にでも使えないかと思って。
[ 卯木が持っていた疑念に対して 肯定されれば、>>151 自身が銀の館に来たがっていた理由を加える。 ]
(181) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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[ 交渉といっても、脅しの材料にするとか そういったことをするつもりはなく。
どちらかといえば、 現在主導権を握っている招待主に対して、 意趣返しをしたい、程度の考えだったが、 それが煙崎灰羅にうまく伝わったかは分からない。 ]
(182) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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そうですね。 思春期は色々と悩みが尽きないので そういった小難しいことを 考えてしまうのかもしれませんが。
灰羅さんにも同じ話をしたのなら、 犯人につながるような 重要な話でもなかったのかもしれませんね。
まあ、一介の喫茶店の店長に話せる内容など、 そう大した内容でもないのでしょうが。
[ 心当たりがあるような反応には、>>153 卯木は同意するように一つ頷いた。 ]
(183) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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そうだね。 僕個人の意見としては、 それが僕にとっての悪い行動だったなら、 努力と認めるのは難しいかもしれない。
でも……
[ 努力として肯定できるかについて問われれば、>>155 自分の中の許容範囲について話しながらも、>>0:218 少しだけ言いづらそうに口ごもった後、 ]
(184) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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行動の善悪は関係なく、 誰かのために想うことは愛だと思う。
だから、君の努力が 善くない行いに対して払われたものだったとしても、 それが、真にるくあさんを想っての行動だったなら、 そこに愛はあった、と僕は思うよ。
[ 愛があれば 何でも受け入れるというわけでもないけれど、 少なくとも頭ごなしに否定する気も起きない。
その後、冗談めかしたように 言葉を付け加えたけれど、>>156 なんとなく彼の努力がどういったものかは、 推し量ることはできた。 ]
(185) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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僕とるくあさんとは、 ただの喫茶店の店長とお客様のままだったよ。
深い話はしたことがあったし、 そこに僕の本音が混ざったこともあったけれど、 最終的には模範的な大人の回答をするに 留めていた。
むしろ、生前のるくあさんに向き合えなかったから、 その罪滅ぼしで、君と向き合おうと思ったのかな。
[ 苦笑を零しつつも、 仮眠室らしき部屋に入るくらいには、 この話は途切れただろうか。 ]
(186) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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[ プライベートモードの口調で話していたからだろうか。
「自分も従弟のことを愛していた」 なんて、一瞬でも過去の自分を許そうとしたことに 卯木は「何をバカなことを考えているんだ」と 心の中で苦みが広がった。 ]
(187) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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[ 簡易ベッドの枕元にあるノートを拾う。>>133 パラパラとめくると、 そこに煙崎るくあの名前が書かれていて、 どういった内容だろうと 興味深く読み進めていた卯木であったが、 ]
なんだ、これ……
[ 尋ねられたことにも気づかず、>>166 ぽつりと一言零した後、卯木は固まってしまった。
ノートに書かれていたのは日記のようなもので 日付はおそらく、 このテーマパークの建設準備が始まる 少し前から始まっているようだが── ]
(188) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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[ 文面を読む限り、 この日記の作者は研究者のようだが 特に実験記録のようなものは 書かれていないようだが、 関係者にしか分からない隠語は もしかしたら使われているかもしれない。
しかし、それ以上に気になるのは、 煙崎るくあを崇拝視でもしているような文面が ところどころに散見され、 それどころか、この研究員以外の人間も まるで煙崎るくあの配下に置かれることを 喜んでいるかのような内容も見られる。
さらに── ]
(189) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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……煙崎さんが遊園地で遊びたかったから、 ここが遊園地になった?
[ 『煙崎るくあが よく「宇宙みたいな遊園地に行きたい」と 言っているから、 この研究所は遊園地にすべきだ』 という内容の文面を見て、 卯木は理解が追い付かなくて、 思わず片手で額に手を当てる。
つまり、煙崎るくあは研究員たちを手玉に取って 研究所を閉鎖に追い込んだのだろうか。 しかし、実際に話した限りで、 そんな悪女っぽい子には思えなかったが。 ]
(190) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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[ 考えてみても、さっぱり分からないまま。
しかし、集中力が思考リソースのみに割かれれば、 ノートを掴んだ片手はおろそかになり、 卯木は思わずノートを取り落とし、 仮眠室の床に叩き落されたノートが バサリと音を奏でた。 ]*
(191) 2023/11/19(Sun) 21時頃
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/* キャンディちゃんの狂気っぷりが、とても素敵です(カメラでパシャー!)
それにしても、よくもまあここまでクセの強い関係者が集まったこと、と、るくあちゃんのフェロモン効果(?)に絶句しつつ。 たぶん菊水さんが一番まともだと思われる。
(-29) 2023/11/19(Sun) 21時半頃
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/* 密星さんメモ> あまり灰羅さんをがっつり拘束してもよくないかなと思って、日記を読んでショックを受けた卯木は途中離脱の予定でしたが、流れ次第では地下に残ることになるのかな??(自分で決めろとセルフ突っ込み)
(-32) 2023/11/19(Sun) 22時頃
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── 現在:地下研究所 ──
たしかに、面と向かって本人に愛してるとかいうの 気恥ずかしいよね。 でも、こういう大事なことは、 ちゃんと言葉にしないと きっと相手には伝わらないんだろうね。
[ そういえば、自分も従弟が事故死する前に、 きちんと彼に愛を伝えたことは 数えるほどしかなかったな、と 卯木は思い返し、 こういうところがダメだったんだろうと反省しつつ。 ]
(223) 2023/11/19(Sun) 23時頃
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さすがに、女子高生と どうこうなる気もなかったしね。 下手したら、警察のご厄介になることだし。
[ 健全、という言葉を>>212 男女関係のそれと思っての返しで、 冗談めかして加えつつも、
そもそも恋愛偏差値が底辺の卯木に>>1:180>>1:181 こういう心配は無用だよなと、 内心苦笑を零しながらも。
卯木が犯人である可能性を示唆されれば、>>213 ぱちくりと目を瞬かせながら、 ]
(224) 2023/11/19(Sun) 23時頃
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僕がるくあさんを殺したなら、 「こんな殺人犯のいる島にいられるか、 僕は部屋に帰る!」 とかいって、ホテルの部屋に引きこもるよ。 だって、その方が他人と話したりして ボロ出さずに済みそうじゃない?
[ 冗談を言っているように聞こえるかもしれないが、 卯木本人としては、冗談交じりとはいえ 本気の意見である。 ]
(225) 2023/11/19(Sun) 23時頃
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でも、ありがとう。 お兄さんである灰羅さんがそう言うなら、 るくあさんにとっての僕って 役立たずだったのかなって思わずに済みそう。
[ 実際はそんな簡単な話ではなく、 きっとこれからも何度も思い出して、 後悔する日は来るのかもしれなけれど、
現時点で心がどこか軽くなったのは本当だから、 卯木は礼を言うと、ふわりと微笑んだ。 ]
(226) 2023/11/19(Sun) 23時頃
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