27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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――在りし日 〜運命の出会い編〜
[最初に山奥の美術館を訪れたのは、 小学四年生時の黄金週間。 両親と姉、弟、銀檀と家族五人での日帰り旅行だ。 父親の運転する車は山中のトンネルを抜け、 吊り橋を渡り目的地へ到着する。
三つ上の姉はともかく、 二つ下の弟と齢九つの銀からすれば退屈な場所といえる。 動かない像や絵画は、芸術に馴染みのない子供たちに とって、面白みに欠けるものだったから。 時間をかけて鑑賞して回る両親に痺れを切らして、 あちこちブラブラしていると。
一枚の絵画に出会う。]
(318) 2023/07/26(Wed) 15時頃
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…………。
[ゴツゴツとした岩肌が覗く山岳の地を背景に 数人の人物が描かれていた。 彼らが見下ろしているのは黒い布がかけられた、 恐らくは死者だ。 その中に一人だけヤギの頭蓋骨とおぼしき 仮面を被った少年がいる。 いや、黒い外套の下の輪郭を銀がそう判断しただけで、 あるいは少女だったのかもしれない。 それはどちらでもいい、些細なことだ。]
(319) 2023/07/26(Wed) 15時頃
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[例えるなら稲妻に似た何かが、 幼い日の銀の胸に走る。 魅入られたように見つめていた。 やがて探しにきた両親に引き剝がされるように 美術館を後にした。 その日の夜は出した熱は三日三晩引くことはなく、 ベッドの中でもずっと魘されていたらしい。
四日目にはすっかり元に戻って家族を安心させたものの、 以前の自分とはもう違うのだという自覚が 銀の中に芽生えていた。*]
(320) 2023/07/26(Wed) 15時頃
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――美術館入口
[>>312 確かに。 心の中で頷きながら、チケットを購入し館内に入る。
子供の頃はあまり気に留めなかったが、 随分綿密なコンセプトのもと施工されていることがわかる。 ガラスを多用して作られた屋根には幾何学模様のフレームが 張り巡らされていて、 どことなく曼荼羅を想起させた。
暫らくの間、眺めてから足を踏み入れようとして。]
骨谷くん? 何か描くの?
[>>315 スケッチブックを手にした青年に声をかけた。**]
(321) 2023/07/26(Wed) 15時頃
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―回想:銀―
[ある日、髪のゴムが切れてしまっていました。 それに気付いて髪ゴムを使わなくても良い、髪の毛だけでまとめられる方法を使っていたのですがそれが少しずつ緩んでしまっていたようです。 解いてしまっても良いのですが、それでは講義を受けるのに邪魔だと思いました。 髪の毛が落ちてくるたびに耳にかけ直すのは手間だからです。 だから、銀が気づいてくれたのはそのタイミングだったのでしょう。>>295 差し出してくれたバレッタに少し目を見開きます。]
ありがとう。いつ返せば良いかしら。
[直ぐに売店に行って髪ゴムを買ってくれば、借りなくても良いかもしれません。 けれど次の講義に向かいたくて売店による暇がありませんでしたから助かりました。 こう言う時に限って予備のシュシュも忘れてきてしまっているのです。 だからそう尋ねましたが、速やかに立ち去ってしまった銀からの返事はあったでしょうか。 返さなくて良いものであれば、その日からそのバレッタが田端の髪をまとめる役目を担いました。 それは今日も勿論です。]
(322) 2023/07/26(Wed) 15時半頃
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[そしてそれを食料品のお礼と気づいていないだろう田端は後日シュシュをお返ししました。 手編みで作った青のシュシュに銀のビーズを散らしたものです。]
この間は助かったわ。 趣味で作ったものだけど、良ければもらって。
[彼女が受け取ったかは定かではありません。 受け取ってもらえなければ、予備のシュシュとして持ち歩くことになるでしょう。]*
(323) 2023/07/26(Wed) 15時半頃
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―現在―
[田端は特に目的があって歩いている訳ではありませんでした。 だから自然と、入り口から右手沿いに館内を巡っていきます。 一人で行動するのは苦ではありません。 昔から田端は一人で行動してきました。 一人でなんでもできなくてはいけませんでしたし、もっと言えば誰かを助けなくてはいけませんでした。 だから、誰かを助けなくてはいけない集団行動よりも、自分だけ助ければ良い単独行動の方が気楽なのです。 そして、いつしかそれは自分を守る盾にもなりましたし、他人を遠ざける壁にもなっていました。 けれど、常識的な範囲内で誰かに手を貸すことを厭う訳でもありません。 ただ、それをツンデレのデレだと思っていたら大間違いだと言うことです。
やがて一枚の絵の前で田端は足を止めました。 一階の奥の方にあった、手を繋いだ二人の子供の絵です。 雨の中、カッパを着た小さな子と、その子の手を引く傘を持つ子。 雨の表現も見事でした。 葉に光る雨粒や紫陽花の花も美しかったです。 ただ、その絵の前で田端は少しだけ不愉快そうな顔をしていたのです。]
(324) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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[田端は三人家族です。 少し前、三人家族になりました。 田端が生まれた理由は、もう無くなりました。 けれど、そんなことを気にせず生きてやろうと思います。
でも、こうした描写を見るたびに、田端の心に刺さったままの棘が痛み、嫌な記憶を思い起こさせるのです。]*
(325) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/07/26(Wed) 16時半頃
水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/07/26(Wed) 16時半頃
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── 二階を目指して ──
[誰かと連れ立つような約束は特にしておらず、 寂しく思う性分でもない。
目的の展示のことを考えながらゆっくりと歩いていた時に、 後輩が成海を追い抜いて行った。>>303 彼の向かう先にはトイレしか無いと思うが……。
心ここにあらずの成海は横顔など見ていなかったし、そうする以前に福原がどこにいたのかも知らない。 長い道中だったのだから当然だろう、と一般的な解釈をしそのままエレベーターへと向かった。]
(326) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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── 美術館二階・特別展 ──
[そこは馴染み深さと歴史を同時に感じさせるような空間だ。 成海の実家は日本家屋なのでそう思うのかもしれないが。 歴史的価値を想像すれば博物館のほうが相応しいようにも思えるが、それらは確かに芸術的美を持ち合わせていた。
子棚は武家の娘が輿入れに持参した調度品らしい、彫り込まれた模様が格式高さを主張している。 ガイダンスによれば中の図柄も興味深いもののようだが、触るのはよしておこう。
鈍く光沢を放つ時代蒔絵の小箱には、蝶らしき姿が金属粉で描かれている。 こうしたものに選ばれるのは鶴や富士、趣深い和の風景などのイメージがあったが、女性の為に作られた品だったのだろうか?]
(327) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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[一色で塗り潰されたような虹彩の瞳が一点を映したまま、 それは食い入るように見つめているのか、硬直しているのか。]
(328) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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[兄の部屋には小さな頃に凝っていた昆虫の標本が今も飾られていたので 女性はあまり好ましく思わないのではと、それとなく聞いたことがあった。
少女は静かに笑って大丈夫だと、素敵なコレクションだと思うと立場上当然だろう返事をした記憶。 思えばまるでただの子供のような、思慮の浅い問い掛けだった。
けれど、黒いアゲハ蝶が特に綺麗で気に入っているのだと言う様子には嘘が無いように思えたのだ。 だから、立場が変わった後はいつか蝶を模したアクセサリーでも贈ろうと密かに思っていたけれど──]
(329) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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[あの子──婚約者だった女の子がいたら、さぞ食い入るように眺めていただろう。蝶の蒔絵の小箱も、他の展示物も。
不美人ではないものの素朴な顔立ちで集団の中では埋もれるが、 長い黒髪と品の良いファッションが印象に残る子だった。
二人の間には刺激やときめきは存在しない。 けれど、彼女とならば家庭を持っても上手くやれると思えるような、穏やかな温かさは確かにそこにあった。
あれやこれやと知識を語るでも、上流階級らしい所作で品評するでもない彼女との美術館デートは 家族で足を運び有名芸術家や己にコネがある者の作品にしか興味が無い父にただ付いて回った時よりも余程楽しかった。 地元の海を描いた絵の前で、そっくりだと子供みたいな感想を口にして静かに笑っていた姿を今も覚えている。
心優しいごく普通の少女が、自分の立場を築く足場の腐敗を少しも気に留めていないとは思えなかったけれど 家に思うことがある成海と違い、生まれた市の伝統と自然を実父に習い彼女自身も心から愛しているように感じた。]
(330) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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[種が腐っていたのか土が病んでいたのか、 はたまたそれこそが天命だろうか。
二人の間に花が咲く未来は訪れなかった。*]
(331) 2023/07/26(Wed) 16時半頃
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― 独白 ―
[回谷こころには年子の妹がいる。
容姿も、勉学も、要領も、 何もかも全てにおいて自分よりも秀でていた。 これで性格くらい難があるのなら 少しはましだったかもしれないけれど、 素直で愛嬌があり、それでいてどこか抜けていて 嫌味なく人に愛される子だった。
地元の田舎ではご近所付き合いも健在で、 一つ学年が違っても年の近い子は顔見知りで。 親も、友人も、初めて好きになった人も。 誰もかれもふとした折にあたしとあの子を比べて どこか嘲りと憐れみの混じった眼差しを向ける。
明るく面倒見がよく優しいと 誰かの目に映るそれは 地元を離れて以降の姿に過ぎない。]
(332) 2023/07/26(Wed) 17時半頃
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[それでも自分なりに頑張ったこともあった。 お洒落したり、盛り上げ役を買って出たり、色んな分野に手を出してみたり。
でも、「下位互換」だなんて冗談交じりに言われて。 道化を演じるのも段々と馬鹿らしくなって、 逃げ込むように一人の世界に没頭することが増えた。
地元の小さな美術館。 金持ちが道楽でやっているような、滅多に人も来ないような場所。 閉館時刻ぎりぎりまで入り浸って ぼうっと絵の世界に没頭するその時間が 中高生の頃のあたしにとっては癒しだった。]
(333) 2023/07/26(Wed) 17時半頃
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[絵は好き。 品定めしてくることもないし、 そっと心に寄り添ってくれたり、 逆に強烈に引き込んでくれたりする。
どんな絵にも背景があって、 誰かが魂を削って作り上げている。
絵画の世界に思いを馳せればその瞬間だけは 自分じゃない誰かになれるような気がして。]
(334) 2023/07/26(Wed) 17時半頃
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[こんな世界、嫌いだった。 何もかも煩わしかった。 ずっとずっと、ここじゃないどこかに行きたかった。
でも、どこかってどこなんだろう。
何者かになりたいと願い、信じ続けながら、 未だ、その答えを見つけられずにいる。**]
(335) 2023/07/26(Wed) 17時半頃
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―おいしいプレゼンとかお菓子とか―
[柊くんからのプレゼンポッキー>>262をありがたくいただき、甘いイチゴの香りと食べ応えのある粒触感に口角が上がる。 他愛のない会話で一緒に食べるお菓子は楽しい。 柊くんは他の人は「先輩呼び」なのに仁科のことは「さん呼び」のままでいる>>264のは、嬉しいこと。
出発してから起床したためはじめの方のお菓子はきっと逃したが、銀先輩が「被ってなくて良かった」と言っていたから>>230、それはそれですごいなあと思う。 アーモンドフィッシュは帰りのバスでの楽しみにしたいので、そう言った。小さな約束のようなもの。 ゆえに]
ほひい
[ポッキーを口に含んだままに、ノリくんのクッキーも強請る。>>268 泣き真似っこには最弱じゃないよと声をかけようとしたが、言葉を発する前にそのままクッキーにぱくりと食いついたので、せんべいを差し出す。 みんなで食べると美味しいので、柊くんにも、食べる人がいるのなら周囲にもお裾分け。]
(336) 2023/07/26(Wed) 17時半頃
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[わいわい集まって何かするのは企画してくれる人がいて初めて成立するので貴重だ。 今回で言えば西門教授(課外授業なのだが)。
自分には中心になる素養はないし、お米のパーティー>>257>>258>>259が開催されたなら嬉々として参加する。そもそも米好きとしてはたまらない会なので、なんなら定期的にやってほしいくらいである。 その場合は、具材の提供も辞さない。
いつかのある日。 尋ねた諸事情。 家庭の事情で親と暮らせない>>298、と言われたなら仁科はそこで納得しただろう。 けれど、彼の"煙幕"はいずれ、私のような空気の読めない―それでいてしつこい―人に聞かれている姿を見て知ることになる。
少しの自己嫌悪と、変わらずにいてくれる明るさに安堵する。 米パーティーで、うまくいえないけれど・・・本気で楽しそうしている姿を見たなら、次の開催もしてほしいと思うのだ**]
(337) 2023/07/26(Wed) 17時半頃
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/* とりあえず駆け足でがんばた!ぞ! 反応したいメモ・次のためのメモのこり >>228 骨谷先輩 >>#12 >>254 美術館に着いたら
(-69) 2023/07/26(Wed) 18時頃
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あ、メグココちゃんも見た? じゃあ陽炎や白昼夢じゃなかったのか。
うん、何もない方向に向かってたから 変だなと思って。
[オレがチケットを手にしたところで、 テンション高めの合の手>>317が入った。 同い年のはずだけど、話題にそぐわず明るい声音と 彼女の纏う雰囲気が、年下なのではと錯覚させる。 「雰囲気ある」、に完全同意して頷くオレ。]
タカナル先輩が天国みたいとか 言ってたっけ。 天使じゃなくて幽霊が居たり?
[本気で幽霊に怯えてるなら、一緒に行こうかと 誘ってみる場面だけど。 怖がる口ぶりなのに、むしろメグココちゃんは楽しそうだ。 くるくる変わる表情は、どこかあどけなくて可愛らしい。]
(338) 2023/07/26(Wed) 18時半頃
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なんか機嫌いいね、羨ましい。 ここ、気に入った?
[そのワクワクが彼女から伝わってくる。 この課外授業に参加した以上、 みんなレポートや単位のためだけでなく、 何かしら美術芸術に興味があるのは自明。]
ドシャ降り雨もあがったし、 想像してたよりずっと荘厳で不思議なトコだ。 彼女を犠牲にしてまで来たかった美術館だし、 オレも満喫しなきゃな。
[内出血もそろそろ色が変わる頃合いか、 痛みは表面的なヒリヒリでなく奥でズキリと 疼くようになってきている。 彼女のように期待と高揚もあるけれど、 オレはそれを上回る不気味さや違和感も 同時に感じていて、さっきから首筋の産毛が がぞわぞわ逆立つようだった。憂鬱だ。]
(339) 2023/07/26(Wed) 18時半頃
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―回想:お米(消費させ)パーティ―
[その時、田端は圧倒的に食材提供者であり、お米を炊く係でもありました。 腹ぺこ学生が集まり、こちらとしても沢山食べてほしいですから、大きな土鍋でお米を炊く事にしたのです。 野菜は生でそのままが難しそうなものは事前にオカズにしてタッパーに入れて持参しました。 無限もやしピーマンだとか、ラタトゥイユだとかの夏野菜のおかずです。 勿論、そのまま持っていってくれたらの願いを込めて野菜そのものも運び込みました。 母親ネットワークでいくらやマグロも安く美味しいものが買えましたのでそれはみんなで割り勘でしょう。海苔も同じくです。 酢飯用の調味料はこちら持ちでも構いませんけれどね。米を消費して欲しいのですから。]
(340) 2023/07/26(Wed) 19時頃
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[そんな会の開催は、お米が増えてどうしようもなくなった時や、お米好きの声>>337が聞かれたならそれなりの回数開催されたはずです。 夏と秋にはほぼ定期的だったかもしれません。 けれど、もしそのお米好きの声や他のやりたいと言う声がなかったり、届かなかったりしたら、やらなかったかもしれませんね。
どの会でも、田端は準備する側に回っていて、本人が食べてる姿はほとんど見られませんでしたから。]*
(341) 2023/07/26(Wed) 19時頃
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[美術館の屋根の全容を呆けるように見上げていたら、 傍らから声がかかった>>321 シロマちゃんの目線は手元のスケッチブックに向いていたから、 オレは見せた方が早かろうと頁を捲る。]
次の作品の構想、まとめようと思って。 途中のトンネルと吊り橋、 すごくなかった? この建物自体も、自然と不自然が 絶妙なバランスで、惹きつけられる。
(342) 2023/07/26(Wed) 19時頃
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何か……掴めそうなんやけど、う〜ん。
[ともすれば抽象画でも通じそうな 多角形と曲線の調和した図案。 けれどそれらは全面でなくワンポイント。 幾つかはカップのカタチで区切られている。
シロマちゃんには、研究室の誰かには、 話したことはあったっけ。 オレの祖父は界隈でそれなりに高名な陶芸家で、 オレの夢はジイちゃんの窯元を継いで 陶芸家になることだ――って。**]
(343) 2023/07/26(Wed) 19時頃
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へー…何もない所に。 ますます不思議だね。
[自身を独特なあだ名で呼ぶ骨谷。>>338 彼も確かにスーツの男を見たようで うんうんと相槌を打ちつつ。
なお年下っぽいと評されたことがあれば そんなに子供っぽい…!?と 地味にショックを受けたと思われる。余談だが。]
幽霊よりも天使の方がレアっぽいから ちょっと見てみたいけど、 でも確かにさっきの人は あんまり天使って感じじゃなかったよねえ。黒いし。
[引き続きやや失礼な物言いをしつつ。 気に入ったのかと言う問いにはうん、と 元気よく首を縦に振った。]
(344) 2023/07/26(Wed) 19時半頃
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やっぱりさー、郊外だからなのかな。 街中の美術館とはまたちょっと違うっていうか 建物全体が美術品って感じがする。 中見るのも楽しみだよー。
[タイルの敷かれた道と荘厳な雰囲気の建物は それだけで異世界に繋がる入り口のようだ。 目を輝かせていたが、続いた言葉にはやや苦笑して肩を竦めた。]
彼女を犠牲にって…… ……さっきから気になってたけど、 頬っぺたのそれ、やっぱ痴情の縺れなんだ? ご愁傷様。
[一見冗談のような台詞だが多分洒落じゃないんだろう。 段々と紫に変わりつつある痕は 見ているだけでやや痛々しい。 何か冷やせるものでもあればよかったけれど、 生憎保冷材は品切れである。]
(345) 2023/07/26(Wed) 19時半頃
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てか、そんなに楽しみにしてたんだ。 何か目当ての展示品があるとか?
[彼女と険悪になってまで来たいとは、 さぞ見たい物があったのではないかと。 興味が湧いて聞いてみるけれど。**]
(346) 2023/07/26(Wed) 19時半頃
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