17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、アシモフ、ジリヤ、バキュラム、ノッカ、ホリー、ミケ、トレイル、コーラ、タルトの9名。
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キミは底抜けにお人よし…ヒトじゃないね。 ええっと…こういうときなんて言えば… ああ、そうだ『救いようのないバカ』 そういうのだったかな?
[ ディアなんとかさんの語る話を>>139 わたしはただ黙って聞いた。 途中声を上げそうになるのを堪え、 彼? 彼女? が微睡みの中へ船出し、 その血が優しさとなって、はらはらと 私の衣服から落ちていくまでただ黙って その木漏れ日が如き新緑を見つめていた。 ]
(0) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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なんで、そんな目にあってまで守ろうとしたの? 人間なんかに放っておけばよかったのよ。 勝手に仲間同士で殺し合って死ぬんだから。 関わったって、何もいいことなんかない。
自分勝手で浅ましく残忍で価値観を押し付けてくる。 何もかも奪っていくくせに被害者ヅラして あいつらに関わること自体が不幸の始まりよ!
[ 声を荒げてしまってからはっとして押し黙る。 目を瞑り心を落ち着かせるようと何度も深呼吸。 最後に一際大きくため息を零す。 そこには呆れも憤りもあったけれど、それ以上に 大きな羨望もあって ]
(1) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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キミは馬鹿だね。 憎め? お断りよ。 だって人間じゃないものわたし。 不幸? 幸せなんかもう一欠片だって残っていない。 反感? もう置きどころがないくらい買っている。
キミは馬鹿だ………でも
[ 眠る竜の身体をそっとなで上げる。 ]
だれよりも優しく 勇敢だよ。
(2) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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[ それから空いたテーブルの前に立ち両手をかざす。 大丈夫、覚えてる。これは大切な記憶。 初めての友達がが教えてくれたもの。 わたしが覚えているヒトとの最古の記憶 わたしに『救いようのないバカ』と笑って 死んでいったあのヒトの。
『望むものが現れる』ならば── 手と手の間からぱらぱらと草花がこぼれ落ちる。 テーブルに小さな緑の絨毯が築かれて 寝そべるように点在する小さな白い花たち シロツメクサだ。 ]
(3) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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目をつぶってたってできる。 忘れてしまっていても身体が覚えている。
[茎を手に持ち手際よく結びつけていく。 ひとつ ふたつ みっつ おしまいに最初と最後をくっつけて出来上がり。 白と緑の花冠。
それをわたしはそっとディアなんとかさんの頭に置いた]
(4) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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うん、人間のガラクタなんかよりよっぽどお似合い。 趣味はいい線いってるんじゃないかな?
おやすみなさい。勇敢で心優しい邪竜さん 『くりぃむそぉだ』というのがなんなのか 起きた時に教えてね。 ああ、あとキミの名前をもう一度教えて。 ちゃんと覚えられなかったの。 約束=c…ね
[ 『くりぃむそぉだ』の方は案外早くに お目にかかることになることになるのだけど それはまた別のお話。 何かを思い出し、先程かぶせた花冠に手を伸ばす。 ]
(5) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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もうひとつ≠ヘキミに似合わないから わたしが貰っていくことにするね。
[ 冠の花を一房摘んで口付ける。 抜け落ちた記憶の欠片たち それでも心の臓にこびりついて取れないものもある。
弱いくせに、人間のくせに わたしをかばって死んだあのヒト ヒトに殴り殺されたあのヒト わたしがためらったばかりに招いた死 最期に『救いようのないバカ』だと言われ 『でも■■■』と褒められたあの記憶
■■■が許せなくてわたしはすべてを殺し尽くした。 食い破り、薙ぎ払い、嬲り殺しにした。 嗚呼、■■■が許せない。 こうなるのなら■■■なんかいらなかった! 私には復讐≠セけで充分だ。紅の憎悪だけで! ]
(6) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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キミはすごいよ わたしにはできない。できなかった。
[ 眩しい。憧れる。 優しさと強さを携えたあの花かんむりの王≠ェ そして戸惑っていた。 『くりぃむそぉだ』なる幸福と永遠の色へ 縋りたくなるわたしの心の変化に。 ]**
(7) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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/* ちょっと誰よ… クリームソーダを幸福と永遠の象徴にしたのは (腹抱えて笑ってる)
(-0) 2022/03/07(Mon) 11時半頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2022/03/07(Mon) 11時半頃
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─ タルトと ─
え? にせものとかいるの? 大きいとかげとかでなくて? 竜? にせものの竜?
[ 眠ってしまった邪竜のもとから離れて女の子のもとへ そのディア何とかさんの食事を尋ねたら 不思議な答えられ方をされて困惑げに瞬きをする。 ただ、それが呼び水となって先程聞き流した、 やはり不可思議な問いかけを思い出す。]
(8) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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さっき『中にひとがいるの?』 なんて聞いてきたよね?
意味がわからなかったから何も言えなかったけれど、 つまり、あなたの姿もにせものってこと? その中に別のあなたがいるのかな?
[ 随分失礼な物言いとは思ったけれど、 どう見ても文化も、恐らくは文明というものも、 まるで違うのだから、はっきりしないと 意思の疎通が図れない。 ]
(9) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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嫌な物言いだったらごめんなさい。 あなた肉の匂いがしない≠ゥら まるでお人形さんみたい。 わたし、鼻が利くから
そうね…そういうことなら…
[ 少しのためらいの後、『まあいいか』と呟き 腕を捲り女の子の前に差し出す。 次の瞬間、か細く白い腕を漆黒の毛が覆い、 一気に膨らんだ。 小さな掌だったものからは顔の半分にも達しそうな 鋭利な爪が現れる。 それを見せながら、もし逃げられなければ 爪の先が当たらないように 頬でもなででやったかもしれない。 ]
(10) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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伝承とか本はあなたの世界にある? 聞いたことくらいあるかな狼男≠ニか? 私の世界にはそういう存在がいる。 当の本狼が言うんだから間違いないでしょ?
[ あまり見せたいものではないからすぐに戻して、 怖がられたら困るなというように眉を寄せる。 もちろん逃げるようなら追いかけたりしない。 もし怖がる様子を見せるならば… ]
別に襲ったりしないよ。 お腹へってないもの。 それに…わたしこう見えてグルメだし お人形さんには興味ないよ。
[ と、自虐めいて笑ってみせたか? ちらりと小さな牙が見え隠れしたのはご愛嬌 ]
(11) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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でも困ったわ。あなたも知らないのね。 起きた時にお腹をすかせて暴れられると 大変よね? と思ったのだけど。 眠っちゃう前に聞いておけばよかった。
[ まったくそんな心配してない顔で 眠りについた邪竜を眺めながら時折チラチラと 女の子が飲んでいた緑色の液体を見る。 飲んだことなどあるわけがないし そもそも見たこともない。 今まで見かけたこともなかい鮮やかな緑色には 警戒よりも興味が勝った。 なによりわたし自慢の嗅覚が女の子の言う通り 美味しい=iはず)と告げていたのだ。 だから押し出されて目の前に置かれれば ]
そ…そう? じゃあ信じるね
[ と、あっさり口に入れるわけだが]
(12) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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えっ………!
[ その時、わたしに電流が走った ]
すごい!? あ、あのこれ……!! これ、おいしい…
[ 押し寄せる情報が多すぎて目がチカチカする。 口内を痺れさせる刺激は、大人たちが飲んでいた 麦酒のそれと同じだが、とんでもなく甘い。 こんあ甘いもの味わったことはい。すごく甘い!
それにとろけるような白く冷たい物体はなんだ。 動物の乳が雪になったような。すごく濃厚で すごく…すごい!]
(13) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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すごくおいしい(じゅるじゅる) すごくすごくて(じゅー) えっと…すごい……なにこれ(あむあむ) おいし…すご…
(じゅー じゅ… じゅるじゅる)
けぷっ
[ 口から何かが溢れてようやく我に返った。 目の前の液体は既に空になり、口内に残る甘さと 口元にまとわりつくベタついた感触が わたしの行動を雄弁に語っていた。 ]
(14) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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あの…えと… この飲み物はいったいなんなの?
[ 耳の先まで顔が火照るのを感じで余計に紅潮する。 今更隠すように口元を隠しながら身を震わせて… ]
あと………その おか、おかわり……いただける?
[ そうごにょごにょと呟くように懇願して 目の前の女の子を上目遣ったか? ]**
(15) 2022/03/07(Mon) 15時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2022/03/07(Mon) 15時頃
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[生きててよかった、ということは本心。>>1:102 私を見た人が必ず言った言葉。 なのにミケさんが贈ってくれるその言葉は、 確かな温もりを持って私の心に届く。 触れる。沁みる。>>1:104
私が出来なかったこと、しようとしなかったこと。 見えていたこと、見ようとしなかったこと。 ]
(16) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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[私はずっと、笑っていたつもりだった。 それは失敗で、ひどい顔をしていたのだろう。 ─── 今も、あの時も。
だから、うん、って頷いた。 自分の気持ちを、ちゃんと言葉にしよう。 自分にだけは、嘘をつかないように。
不思議な場所で、ひとり増えた友達に 私は密かに誓う。
今度は、ちゃんと笑えているといいな、と。 友達も、笑えるといいな、と。 ]
(17) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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[違う星から来た、穏やかで優しい人。
私はきっと、まだまだずっと幼くて 友達になるということが、 いつか来るさよならを匂わせるのだということ、 そのことに心を傷める人がいるということ、 ちっとも理解していなかったんだ。
だから大きな呼吸をする姿を、 情けなくも穏やかな気持ちで見つめていた。
ほんとうのさよならを ほんとうの孤独を きっと、私以上にミケさんは 知っているのだろう。 ]
(18) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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[ミケさんの指先をグラスの水滴が伝って、 濡れている。 じん、と喉の奥がまた熱くなってしまったけれど 次いでミケさんの素敵な呪いが 鼓膜をくすぐったものだから。>>1:107
一瞬、私の好きになったあの人が ブロッコリーにまたがって、 夕日の綺麗な島を駆けていく、 そんな光景が頭にぶわ、って浮かんで
ぶは、ってカルピスを吹き出しそうになった。 ゲラゲラ笑ってしまったせいでちょっとだけ咽せて、 目尻に滲んだ涙を咳のせいにして そっと指で拭った。 ]
(19) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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[席を立つミケさんが、手を握ってくれた。 禿げたネイル、かさかさの指先で、 ぎゅっと力と想いを込めて。 ]
うん、またね。 ありがとう、ミケさん。 ……元気でいようね。
[そんな言葉を口にした。 さよなら、じゃなくて。 またね、と言ってくれたことが嬉しかった。
また、いつか。 きっと、どこかで。 ]**
(20) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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[ミケさんと離れて、私はしばらくカウンターで ぼんやりしていた。 ネズミさんがチーズと格闘している姿があれば 笑って見守って。
そういえばさっき、他の人の姿も見えたんだった。 ここにいるのは私とミケさんだけじゃない、と 会釈をしてくれた人>>0:20の姿を思い出す。
歩いている姿を見たあの人も、 もしかしたら他の人も、 どこかにいるのかな、とぐるりとあたりを見渡した。 ]
(21) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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[ ─── ふと、視線の片隅に小さな白。 グラスの水滴で濡れていたカウンターは いつのまにか綺麗になっていて、 そこに、一枚の、紙。
そっと指を伸ばして、摘み上げて。 そこに綴られた文字を、声に出す。 ]
『あなたの目には、何が見えていましたか。』>>1:130 ]
(22) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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なにこれ……メモ? ……手紙?
[ネズミさんがいれば説明をしてくれただろうか。>>#5 ふぅん、とひとつ頷いて、 カウンターの上の紙とペンを手に。 ちょっと悩んで、それでもいくつか言葉を綴る。]
(23) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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『前略、扉のこちら側から。
お手紙、受け取りました。
視力は裸眼で両眼とも1.2です。 色々なものが、ちゃんと見えていたのに、 自分に都合の悪いもののほうを 自ら好んでよく見ていました。
今は、ほんの少し そのことがわかった気がしています。
あなたの目には、何が見えていましたか、と 尋ねてくれたあなたに。 あなたの見えるものは、綺麗ですか? 』**
(24) 2022/03/07(Mon) 19時頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/07(Mon) 20時頃
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『 前略、扉のこちら側から 出会いとすれ違いを結ぶ橋B様へ
わたしの故郷は毎年多くの雪が振ります。 家を、木々を、空を、心を真っ白に染め上げて そして生命もまた白に還すのです。
冬を超えた先には芽吹く世界はあるでしょう。 けれど、冬に生まれ冬に還った者たちは? 春を知らぬ者に春の色はわかりません。
ここははじまりの白の世界。 くりかえし繰り返し始まりへと還る はじまりを超えないのだからその下を知るモノは 誰もいない…そう、はじまりの理を示す はじまりの動物を他においては。
色づきは扉の向こう側にしかないのだと わたしはそう考えます 』
(25) 2022/03/07(Mon) 20時頃
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