10 冷たい校舎村9
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[星はすぐお日様に変わる。 破顔って言葉がぴったりな鳩羽くん>>605の表情に、 今度はわたしの目が星になる番だった。]
大袈裟。……でもありがとね。
そんなに喜んでもらえるなら、 もっといいヤツ持ってくればよかったかな。
[まっすぐに喜ばれるとちょっぴり照れくさくて、 わたしは瞬いていた目を細める。 ホンモノの笑顔がわたしの前に広がるから、 すごく、眩しかったんだよ。]
ん? うん、用事はもう終わったから。
[鳩羽くんの質問>>606に、わたしは 用事って伝えるのと一緒に鳩羽くんの手元を指さした。 もちろんって頷いて、わたしは靴を取りに行く。 ローファーはもうぐずぐずに濡れてはいない。]*
(622) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 21時半頃
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— 帰路・鳩羽くんと —
そういえば、一緒に帰るのは初めてだね。
[帰りはいつも、一人かひとみちゃんと一緒だったから。 途中まで一緒に帰れることは、あの日の朝が知ってる。 わたしたちは朝来た道を逆に歩いた。]
さむ……。
[2月の空気は肌を刺すように冷たい。 日が沈んでしまえばさらに気温が下がるだろう。 わたしは手袋をした両手でわたしの頬を包んだ。]
(623) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 21時半頃
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なんか、あっという間だったねぇ。
[特に校舎に迷い込んだ後から、ってわたしは呟く。 新しく知ったことがいっぱいあって、 わたしの心の中にたくさんの人が増えて。 時間って足りなくなるんだなって知った。
この寒さも過ぎれば、わたしたちの卒業は間近だ。 わたしは同意を求めるように鳩羽くんを見上げた。]*
(624) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 21時半頃
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— 金曜日のお見舞い —
[校庭の片隅のベンチが、個室のベッドに変わっただけ。 わたしは今でも乃絵ちゃんの雨を受け止める。
時間にしたらそう長くないのに、たくさんの話を聞いた。 それはきっと、乃絵ちゃんが前よりもっと わたしに心を降らせてくれるからだ。
わたしはやっぱりうん、うん、って相槌を打って、 傘も差さずに聞いている。 でも、前みたいにぎこちない友達じゃなくて わたしが望んだ関係が目の前にあるから、 わたしはそんな時間が「すき」だった。
前も別に嫌ってた訳じゃないんだよ。 でも平気ってだけだったから、わたしは変わった。 きっと、乃絵ちゃんも。]
(651) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 23時半頃
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[駄菓子をお土産に持ってきて、ミニコンサートを開いて、 今、わたしの前には、乃絵ちゃん>>613の大好きな 苺大福とほうじ茶、そして乃絵ちゃんの肯定がある。]
……そっか。
[わたしは苺大福に甘い卵焼きのサンドイッチを重ねる。
乃絵ちゃんのお母さんはお父さんに逆らえない。>>5:209 そんなお母さんが作ってくれた乃絵ちゃんのための料理。 乃絵ちゃんが病院に運び込まれた時の夜食>>3:1もそう。
わたしは懺悔みたいに打ち明けた乃絵ちゃん>>613に いつもの相槌じゃなくて、「よかったねぇ」って言った。
乃絵ちゃんのこと、 乃絵ちゃんとして愛してくれる人がいて 本当によかった。
乃絵ちゃんの世界は、乃絵ちゃんに優しくなっていく。]
(652) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 23時半頃
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[そんなお母さんが作ってくれた苺大福。 わたしの行動が乃絵ちゃん>>615に伝わったって 知った時、わたし、少しだけ動揺した。
ほら、食べかけの苺大福、餡子が漏れちゃった。 指についた分を口に入れて、手を拭って。
わたしがピアノのこと、打ち明けようと思ったのは、 乃絵ちゃんのお母さんの話を聞いたからだ。 今度はわたしが乃絵ちゃんに雨粒を落とす。]
(653) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 23時半頃
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[お父さんやお母さんの話はしなかった。 別に内緒にしたいんじゃなくて、 ただ今は必要ないと思っただけ。
わたしの話を聞いた後、乃絵ちゃん>>617が口を開く。 覚えてる? って聞かれたら、覚えてるよって答えた。]
忘れる訳ないよ。あの日のことは、ずっと。
[ピアノを聴いてみたいって乃絵ちゃん>>5:135は言った。 空っぽじゃなかった乃絵ちゃんの心の中>>5:235、 わたしの音楽が残ってた。
わたしのピアノだから、聴きたい。 そう、言ってくれた。>>5:246
それなのに「それまで」なんて言うから>>5:247、 わたしが「それまでしか」って返したんだよ。>>5:251]
(654) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 23時半頃
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[わたしが納得いく完璧な演奏ができる日までじゃなくて、 できなくても、一緒にいたかった。
「がんばる、から」>>29って言ってはみたけど、 やっぱり、どうにも難しそうだから わたしは乃絵ちゃん>>618に初めて弱音を零す。]
……本当だよ。めちゃくちゃ難しいよ。 そんなの、一生できるか、わかんない……。
[わたしの声は震えていた。 打ち明けるの、ちょっとだけ怖かったから。 嘘つきって思われたらどうしようって。 だからわたしの声には怒りじゃなくて甘えが乗る。
乃絵ちゃん>>619の手がわたしの頭に伸びた。 わたしは黙って乃絵ちゃんの手のひらを受け止める。]
(655) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 23時半頃
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難しい、けど、わかんないけど、 やっぱりね、弾くのは楽しいんだよ。 苦しいけど、たのしいの。
だから……ずっと、待っててくれる? ずっと、聴いててくれる?
[いつか、わたしの音楽に わたしが納得しても、しなくても、ずっと。
乃絵ちゃんが優しく笑うから、 わたしも涙じゃなくて笑顔が溢れた。]*
(656) Pumpkin 2021/06/19(Sat) 23時半頃
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— お泊まり会の夜 —
[わたしはそんなつもりなかったんだけど、 いつの間にか乃絵ちゃん包囲網が完成していた。>>630 そんなつもりなかったんだけどね。ホントニホントダヨ。 乃絵ちゃんが何か考えてるなって思ってたのも本当。]
バレンタイン……。
[乃絵ちゃん>>632の口から飛び出したのは少し先の イベントで、これが噂のコイバナだってわたしは思った。 残念ながら力にはなれないので、 それからは聞き役に徹することが多かったかな。
何ならその時は既製品すら買う予定がなかったから、 不参加の意思表明をしたかもしれない。]
(658) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 00時頃
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[乃絵ちゃんの相談はどんな結論に至ったんだっけ。 すっかり夜も更けて、わたしたちは布団に入った。]
……のえちゃん。
[わたしは乃絵ちゃんに小声で話しかける。 みんな距離が近いんだから、 あまり意味はないかもしれないけど。]
その「すき」って、他とどんな風に違うの?
[こちとら最近まで友達の境界線を探ってたんですよ。 love≠ニlike≠フ違いなんてわからない。 どっちも「すき」でしょう。
恋をしたことがないのかって聞かれたら、 恋も愛も全部音楽にあったよって答えちゃいそう。 変わってるのは知ってるから、さすがに言わないけどね。
だからそれ以上追求せず、おやすみって目を閉じた。]*
(659) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 00時頃
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— 帰り道・鳩羽くんと —
[「待ってた?」って聞かれたら>>633、 当たり前みたいな顔して「待ってたよ」って答えちゃう。 さすがに道中すべて>>601追いかける訳にはいかない。 だから、探したんだよ。れんくんのこと。
わたしたちは、乾いた靴で帰り道を歩く。]
(669) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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[日が沈む前に帰るし、今日はいいかなって マフラーを置いてきたのがまずかった。 わたしの顔が寒風に悲鳴をあげるから、 両手を頬に添えてまま、鳩羽くん>>635を見上げる。]
冷めてない?
[鳩羽くんの手にまだココアはあったかな。 メインよりこっちの方がよかったかもなんて、 わたしは勝手に満足していたりする。 得意げな表情の半分を手の後ろに隠して、
もうすぐ卒業だね。あっという間だったね。 わたしたちは定番で、避けられない話題を交わす。]
(670) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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鳩羽くんでも足りないのかぁ。
[なんて、わたしは呑気に返事をしたりして。
わたしだって分からないなりに気は遣えるから>>3:131、 誤解は辛うじて誤解として成り立つ。>>580 だから大袈裟>>622って言っちゃうし、疑いもしない。
わたしは友達の数だけ>>576チョコを持ってきていた。]
(671) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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[話題は道なりに進んで大学の話になる。 XXXが禁句なのは相変わらず。 あっという間だけど、わたしたちはまだ受験生だ。]
うん、すぐ近くだよ。家から近いとこ。
[だってわたしの家、高校から徒歩圏内だもん。>>0:528 大学に入っても家を出るつもりはなかったから、 音大から変わったわたしの志望校はすべて近隣だ。]
お父さんにずっといろいろ任せてたから、 これからはもっと家のこと頑張ろうと思って。
[洗濯や掃除だけじゃなくて、これからは料理も。 文化祭やお泊まり会で少しは鍛えられたと思いたい。 わたしは頭の中から焦げたクレープを逃した。 逃走先を見るみたいに目を逸らして、ひとつ咳払い。]
(672) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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この前ね、そのことでお父さんと喧嘩しちゃった。
[それはきっと、会話の延長線。 わたしは鳩羽くんに少し前のことを打ち明ける。
わたし、言ったの。 グランドピアノ、片づけようって。
音大に行かず、弾きもしないなら、 埃を被るより誰かの元で使われた方がいい。
お互いにずっと分かってた。でも、踏み切れなかった。 これはわたしたちのケジメだ。
お父さんがあまりにも渋るから 最後には一発かましちゃったんだけど>>116、 それは……ごめん。 翌朝、お父さんの頬に手形が残ってなかったのが救い。]
(673) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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本当は夢があったんだけど、一旦おやすみするの。 それを選んだら他のもの全部手放しちゃうから。
[鳩羽くんとピアノの話をしたのは夜の教室くらい。>>3:5 だから詳細を話しはしなかったけれど、 気持ちはするりと溢れた。]
無敵だった時なら平気だったかもしれないけど……
[乃絵ちゃんがすき。ひとみちゃんがすき。 月曜の音楽室もすきだし、ヨーコ先生もすきだったよ。 文化祭がすきだったし、とびきり甘いものがすき。 優しいお父さんがすきだし、鮮やかなお母さんもすき。 ピアノも今でも変わらずだいすきだよ。 3-9のみんなもすきだし、れんくんのこともすき。]
(674) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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……今はもう、寂しくなっちゃうから。
[わたしは鳩羽くんを見上げて笑った。 そして告げたのは、この辺の大学の名前。]
(675) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時頃
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[もしも近くだって気づいたら、 わたしはきっと嬉しそうな顔をしちゃうよ。
「あっという間」の先があるかもしれないって、ね。]**
(676) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 01時半頃
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— 金曜日:ふたりぼっちの雨 —
[友達には、優しくするものだと思ってた。 大切に大切に、決して傷つけないように。 望まないことはしない。否定もしない。
溢れた分の雨粒を摘んで輪郭に並べていくような。 そんなの、ほんの少しの震えでダメになっちゃうのにね。
今も相槌は同じだけど、これまで>>660とは違う。 わたしは乃絵ちゃんにダメって言えるし>>661、 わたしも乃絵ちゃんに弱いところを見せられるよ。]
(712) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 11時頃
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[乃絵ちゃんはわたしの頭を撫でる。 その手つきは慎重で、 わたしが乃絵ちゃんを撫でた時みたいだなって思った。 だからわたしは懐かしさに目を細める。]
そんな感じでいいの……?
[向井くんと話した時みたいだなって思った。 わたしが悩むようなことも、 相手にとっては時にもっと軽いものだったりする。
伝えることは、わたしを分かってもらうだけじゃなくて 相手を知ることでもあるのかなって、思ったの。]
(713) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 11時頃
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[乃絵ちゃん>>664は、その時はって笑う。 一生なんて言葉を簡単に言っちゃう。
分かってるのかな。一生ってすごく長いんだよ。 乃絵ちゃんはこれからもいっぱい生きるんだから。
乃絵ちゃんが未来を当たり前のように考えてくれるのが 嬉しくて、わたしはふわふわと笑った。 もう薄っぺらいわたしはどこにもいない。]
言ったね。 じゃあ……これからも、よろしく。
[先は長い。でもそれ以上に未来は遠くまで繋がっている。
わたしは頭に乗った乃絵ちゃんの手に触れた。 わたしたちの手は全然似てないけど、 同じ温度、だったから。
——わたしと乃絵ちゃんは、一生、友達だ。]*
(714) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 11時頃
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— お泊まり会の内緒話 —
[人間関係初心者かつチョコ配布予定のないわたしは、 ひとみちゃん>>681たちが盛り上がる様子を眺めてた。 もしそこから恋バナに続いたとしても、 立ち位置は変わらなかったと思う。
別に感情がない訳じゃない。 でも夢中になるものがあると、 他のことに心を注ぐ余裕ってなくならない?
わたしはそれが15年くらい続いてただけ。 無敵で余裕のなかったわたしは、 止まった校舎を経てようやく休みを取った気分だ。]
(732) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 12時半頃
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[結局、話はチョコから別の方向に流れたんだっけ。>>682 楽しかったことだけは間違いない。 心地よい疲労感がわたしの身体の中、じんわり広がる。
だからわたしの声には茶化す響きがないどころか、 とろとろの眠気が混じっていた。]
うん……。
[乃絵ちゃん>>666の躊躇うような声が聞こえる。 瞼が重くて、乃絵ちゃんの表情までは分からなかった。 わたしは辛うじて続きを促す頷きを返す。]
(734) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 12時半頃
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[やきもち。焼き餅。ヤキモチ。 わたしは乃絵ちゃん>>667の内緒話に耳を傾ける。
たとえば、乃絵ちゃんが他の人と仲良くしてたとして、 わたしはヤキモチを焼いちゃうのかな。 今日、楽しかったよね。 わたし、乃絵ちゃんが綿見さんに注意されてるの、 ちょっと嬉しかったよ。 綿見さんは大変だったかもしれないけど、 仲良くなりたい>>5:209が叶って良かったねぇって。]
(739) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 12時半頃
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[たとえば、ひとみちゃんが他の人と帰ったとして、 わたしはヤキモチを焼くのかな。
誘った時に断られたら、ちょっと寂しいかもしれない。 でもこれまでのわたしたちは約束してた訳でもないし、 一緒に帰らない日だってあった。 そういう時にひとみちゃんが誰かと一緒なのは むしろ嬉しいし、安心してたと思う。
たとえば、鳩羽くんが他の人と話して……、 ……フツーだね?
それこそ向井くんとか、柊くんとか、綿見さんとか、 元部活仲間とか、隣のクラスにも。>>601 鳩羽くんの周りにはたくさんの人がいる。 そこで鳩羽くんがホンモノの顔で笑ってるの、すきだよ。 名前を呼んだら、嬉しそうに笑ってくれるのも。>>603 すきじゃなくなくとく、ってやつだ。]
(746) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 12時半頃
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[わたしにはどうもピンと来なくて、返事が曖昧になった。 乃絵ちゃんはあくまで自分の話だって付け加える。]
わたし、乃絵ちゃんが 自分の気持ちいっぱい出してくれるの、嬉しいよ。
特別なすきなんだねぇ。 わがまま、いいじゃん。
[ヤキモチをわがままって言うのは少し違うかな。 でも欲求のひとつでしょ。 わたしだけが知っていたい、わたしだけの何かが欲しい。 特別ってそういうものなのかな、ってわたしは思う。]
(747) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 12時半頃
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……わたしの中にも、そういう気持ちあるのかなぁ。
[乃絵ちゃん>>668がどうしてって尋ねるのに、 わたしは眠る間際の声で答えた。]
あると、いいなぁ。
[たったひとつの「すき」だけを抱いたこれまでと違い、 わたしの手のひらには多くの「すき」>>674が並ぶ。 今のわたしはそれを子どもみたいに眺めていて。 興味、好奇心。そういう段階だったんじゃないかな。
今は、ね。 夜を知らないわたしは、次第に眠りに落ちていく。]*
(748) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 12時半頃
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— バレンタイン:乃絵ちゃんと —
[お泊まり会から日は過ぎて、バレンタインがやって来た。 ひとみちゃんが事前に教えてくれた通りに 大量のチョコを持ってきていたり、 綿見さんがどうするかは知っていたかな。 わたしは綿見さんにもチョコを渡したと思う。
みんなに相談していた乃絵ちゃん>>638の進捗を わたしが尋ねることはなかった。 結局どうするかは本人次第だと思うし、 料理方面も恋愛方面もわたしじゃ力不足だったし。
それでも乃絵ちゃん>>639にチョコを渡した時、 わたしは乃絵ちゃんの反応を不思議に思った。]
(753) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 13時頃
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? うん、大丈夫だよー。 わたし持ってくるなんて言ってなかったしね。
[別にわたしが貰えるって考えてた訳じゃない……たぶん。 ただ乃絵ちゃん頑張るのかなって思ってたから、 予想との差にわたしは困惑した。
ちなみに冒険チョコはみたらしプリンだよ。 なぜかパッケージにウニの絵がついてる。 たぶん美味しいと思うよ。ウニの味はしないから……。]
(754) Pumpkin 2021/06/20(Sun) 13時頃
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