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……るくあさん、 灰羅さんのことを話すとき、 ちゃんと 「妹」の顔を、してましたのよ。
[霧が晴れたこと、 彼は複雑な想いでいるだろうか。 でも、るくあという「妹」に対して 抱いていた感情は否定しないで欲しいと思った。
伝えるまでもなかっただろうか。 それでも、 と、思った。]
(53) 2023/11/21(Tue) 12時半頃
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[惑星の外。 出口からアトラクションを出て、 遊園地の敷地内へ戻ってきた。]
時間を下さって、ありがとうございました。
[いちど、両手を揃えて、一礼する。*]
(54) 2023/11/21(Tue) 12時半頃
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――2日目午後/観覧車下――
昨日も乗り回したカラフルな並行二輪車(セ〇ウェイ)で園内を移動していたから、暫く自分の足元の問題に気付かないままだった。通常タイプのモナリザを呼び止めて、ホテルの405号室から厚底ブーツを持ってきて欲しいと並走しながら頼む。
「パシリみたいに使い走らせちゃってごめんねぇ。 ボクは観覧車にでも乗ってるから、 下まで届けてくれるかな。よろしく。」
懲りもせずに目印にと、袖に飾っていたころんと丸い莓型のチャームを、モナリザの肩に結びつけた。ロボットは一瞬アームの動作を確認するような仕種を見せたが、その場で半回転してホテルへとゆったり進み出す。
いつの間にか観覧車を見上げる距離まで来ていて、靴でなくとも乗れそうな遊具の脇に並行二輪車を駐めてから、搭乗口で『アポロ』を掲げた。
道中、中央広場に差し掛かったところで、何やら軽快なサンバが聞こえてきた(2:378)が、遠目にモナリザたちを従えた指揮者が誰か分かると、フンッと鼻息荒くそっぽを向いて、声もかけずに素通りしたのだった。
(55) 2023/11/21(Tue) 13時頃
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(坂理へ個別送信)
『いや、そこは「坂里」「黒須」だろ。 何でしれっと名前で呼び合うことになってるんだ。 ボクは絶対キミのこと「坂里」としか呼ばないからな!』
こう言うところがいちいち神経に障るのだ。 しかし、現在戸籍上は母方の旧姓になっているため、厳密にはもう黒須ワでもない。更に母だけは再婚相手と同姓に改姓していて、もうコロコロ変わる苗字なんてどうでもいい気がしてきた。説明するのも億劫で、誠に遺憾ながら、「ワ君」呼ばわりを黙認するしかないようだ。
『るくあの解釈違い乙。 ボクは好きなんて一言も言われたことがないし、 だったらなんでボクはフられたんだ。
るくあのことはどんな些細なことでも知りたいけど、 キミの惚気は聞かない。本当に以上!』
(*3) 2023/11/21(Tue) 13時頃
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── 現在:ホテルロビー ──
お彼岸までは、まだまだ暑い日が続きますから。 水分と塩分の補給はしっかりなさってくださいね。
そうですね。 こう園内が広いと、どこかで待ち合わせでもしないと 誰かと会うのも難しそうです。
[ 人懐っこい笑みに、>>45 卯木もふわりと笑い返しながら、 ]
(56) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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ほう、LINEを。
[ 有名な歌舞伎役者が、 一ファンと繋がることがあるというのは、>>46 なかなか夢のような話だと、卯木は内心思いつつ、 ]
ふふ、抹茶白玉パフェは、 味もですが、兎型に丸めた白玉団子が 一部の若い女性の間で人気なのですよ。
不思議な雰囲気は……ええ、そうですね。
[ 卯木は何事もないように頷いてみせたけれど、 こうして煙崎るくあの話をしていると、 地下研究室のノートの内容や>>2:189>>2:190 黒須が語る彼女の話を思い出し、>>2:382>>2:383>>2:384 背筋を嫌な汗が伝った。 ]
(57) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ 兎坂庵の場所を尋ねられたら、 菊水にも渡したショップカードを>>2:8 取り出してみたが、 はたして彼に受け取ってもらえただろうか。 ]
そうですね。 私も早く出られればと思っておりますが……
[ 実のところ、卯木はそこまで帰りたいとも 思ってはいない。 元々諦めやすい性質だから、 できる限りの力を費やした結果として、 出られないなら、それは仕方ないと思っている。
それよりも、先ほど煙崎るくあの話をしたことで、 卯木はやけに嫌な悪寒を覚えて、 その結果、卯木にしては珍しく固い表情で 上の空の生返事を返していた。 ]
(58) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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……中村さん。 私、この事件のことを色々と調べていて、 思いついたことがあるんです。
荒唐無稽な話だと思われるでしょうが、 聞いていただけますか?
[ 唐突だと思われたかもしれない。
けれど、それは質問ではなく、 「これから話します」というただの宣言で。
だから、中村がどんな反応を見せようとも、 卯木は固い表情のまま、 さして気にせずに話し始めただろう。 ]
(59) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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煙崎さんは、 どうやら特殊な体質だったようなのです。
例外はあるようなのですが、 いつの間にか、周りの人間が 彼女を崇め奉るようになったらしくて。
彼女に敵意や悪意を持った人間でも、 次々に彼女に傾倒し、 彼女が欲しがるものは、 周りが用意してくれたらしいのです。
[ 根拠が必要と言われたら、 黒須の名前は伏せつつも、 卯木の知っているエピソードを語って聞かせ、>>2:189>>2:190>>2:382>>2:383>>2:384 ]
(60) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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おそらくは煙崎さん自身は、 その状況を良しとは思っていなかったようです。
彼女は自分を慕う男の子が告白しても、 付き合うのは断ったらしくて。
もし、自分の体質を利用して、 周りの人間をいいように扱いたかったのなら、 とりあえず告白はOKして、 それから奴隷のように扱うと思いますから。
また、彼女の体質がそうなったのは、 後天的なことか、 あるいは人為的なことなのかは分かりません。 ある日急に変わったようなので、 先天性ではないとは思いますが。
(61) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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ですが、そのような特殊な状況で、 煙崎さんが殺されたとなると、 ある一つの可能性が思い浮かぶのです。
[ 重大なことでも話すように、 ここで一度言葉を切り、 卯木はじっと中村の顔を見つめながら、 ]
(62) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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もし煙崎さんが「私を殺して」と願ったならば、 周りにいる彼女を崇め奉った人は、 その願いを叶えようと、 本当に彼女を殺してしまうかもしれない、と。
(63) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ そこまで言った後、卯木は小さく息を吐く。 どうやら随分緊張していたようで、 張り詰めた感覚が徐々に緩んでいくと、 卯木の顔はいつもの柔和な顔に戻った。 ]
先ほど、例外があると言いましたが、 全員が全員、 煙崎さんを崇め奉ったわけではなかったようです。
だから、犯人が本当に煙崎さんに殺意を抱いて 殺した可能性は否定しきれません。
まあ、かくいう私も 自覚がないだけかもしれませんが、 特に煙崎さんを信奉していた記憶はないのですが。
(64) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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正直なところ、私はこんなところに呼ばれて とばっちりを食らったと思っていました。
──ですが、もし煙崎さんの特殊な体質ゆえに この殺人が起きたのならば、 犯人もまたとばっちりを食らったのかもしれませんね。
まあ、そんな事情があったところで、 招待主が納得するかは別のなのでしょうが。
[ うまいところ、皆が納得するところに 着地するといいのだけれどと 苦笑しながらも、
結局のところ、この事件の顛末が どう転ぶかは分からないまま。 ]
(65) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ 卯木が中村にここまで話したのは、 彼が犯人からは最も遠い存在だと 思い込んでいたからというのもある。
彼も自分と同様に煙崎るくあを お客様として扱っていたと思っていたから、 彼女の信奉者だったとは思えず、
また、私情で殺意を抱いたとしても、 有名歌舞伎俳優なら、 一介の身寄りの少ない女子高生相手に 丸めこむのは簡単だろうと思っていたから。 ]
(66) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ だから、ここで卯木が話したことが、 中村に何か影響を与える可能性などは 全く考えてもいなかったのだった。 ]**
(67) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[>>48 先日休憩所で顔を合わせた、 るくあの中学時代の担任の名を聞いて得心する。 次いで、己が面談の類についぞ呼ばれることが なかったことも、連鎖的に思い出していた。]
アンタ、 問い詰めたり、怒ったりしないんだな。
[こんな孤島に彼女を閉じ込めた張本人を前に、 密星の声音は変わらない。 淡々と、冷静に、他者の優しさを語っていた。]
(68) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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……心配、俺を? それはさすがにお人好しが過ぎるな。 俺の方が心配になる。
[己のことを情が深いとの言に苦笑して。 そう”見る”ことが出来るなら、彼女も、 情を解する心を持ち合わせているのだ。
改まった呼称に一対の蘇芳を見つめる。 サングラス越し、ただしくその瞳の色は 識別されないのだが、 静かな眼差しは遮られることもなく。]
(69) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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そりゃ、どうも。
[密星の声は淀みない。 己の今までの感情の肯定は、 先刻、卯木からもされていた。>>2:185 どいつもこいつも面と向かって臆面なく。 肩を竦めて素っ気ない返しをしたものの、 不快なわけではない。 本心であることが伝わってくるからだ。]
(70) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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嬢ちゃんに慰められることになるとは、 思わなかったなぁ。
[アトラクションを出て、空を仰ぐ。 律儀に、礼をする姿に目をやって。]
(71) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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いや、礼を言うのは俺のほうだ。 ありがとうよ。 そうか、妹の顔してたか。 あいつとの時間は……、ああ、あったんだよ。
ホントは謝罪も必要なんだろうが……、
[許してほしいとは思ってるわけではない。 しかし、彼女には不要な気がして、言葉を噤む。]
(72) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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じゃあな。
[アトラクションの急な裏切りにより、 予期せぬアクシデントはあったものの これをクリアしたのだから、次は もっと難易度を上げることができるだろう。
そう、次があれば。 ぶらぶらと煙管を揺らして、 密星の元を去るつもり。*]
(73) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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気づいていたよ、私を”見守る”あなたの視線。 私を助けてくれたことも。
でも、どこまでが黒須先輩の本物の感情なのか。 私には判らなかった。 私を見つめる熱い視線――――本当に?
判らない。だから。
「 ごめんなさい、やっぱり、 無理だと思う 」 >>0:175 **
(74) 2023/11/21(Tue) 15時頃
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(中村へ個別送信)
『 俺もアンタと話したいと思ってたよ。 都合のいい時間と場所教えてくれ。 』
(*4) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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── 現在:ホテルロビー ──
兎型の白玉団子、そういえば写ってたかも! かわい〜い、楽しみにしてますね。
[>>57 兎坂庵の話を女学生のように楽しそうに聞いたり、軽い雑談をしていたが。 やや唐突に、目の前の卯木が真面目な表情になって、今回の事件の話を始める。>>59 事件とは何か、言わずもがなである。緊張は見せず、黙って彼の話に耳を傾けた。
その内容は、犯人捜しではなく。煙崎るくあの特異性について。
初めは柔和な表情を崩さぬように聞いていたのだが、 だんだん、顔が強張って来る。 ガラスのコップをまだ手にしていたら、震えてしまっていたかもしれない。]
(75) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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特異……体質?
[確かに少しSFじみた、荒唐無稽な話のようにも思えたが。笑えない内容だった。
そういえば。 僕がLINEに登録しているファンの女の子は、ほぼ例外なく、歌舞伎座の関係者の親戚のお嬢さんだったり。懇意にしている店の子だったり。どうしても拒否できない相手ばかりだ。
なのに、カフェで偶然会っただけの女子高生・煙崎るくあと、どうして軽率に繋がってしまったのだろうか。 ───当時の詳細がうまく思い出せない。 卯木の話は、まだ続く。]
(76) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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(黒須へ個別送信)
『 黒須くんか。 ああ、そういうのはいい。 空いてる時に連絡してくれ。 』
(*5) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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[”彼女に敵意や悪意を持った人間でも、 次々に彼女に傾倒し、 彼女が欲しがるものは、 周りが用意してくれたらしいのです。]
[殊更、この部分には背筋が凍った。 彼女が欲しがるものを用意、する。
彼女が欲しがるもの────……]
あ……、
[思わず声が漏れ出た。口を手で押さえる。 卯木の目を見て、続きを聞いた。]
(77) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/21(Tue) 15時半頃
灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/21(Tue) 15時半頃
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[そこまで来れば、彼の犯人に対する考察>>63は、すんなりと心に届いてしまう。 話を終えて、柔和な表情に戻った卯木を見つめたまま、何か言わなければ、と言葉を絞り出した。]
……、何だか、ちょっと現実離れした話ですけど。 身に覚えがありました。
僕、彼女にLINEを教えた流れを思い出せないです……。 今まで疑問に思ったこと無かったんですが。
[もはや血の気が引いて、顔が蒼ざめてしまっているかもしれない。 でも、LINEのことは本当だから、不自然ではないだろう、と敢えて平気そうな演技はしなかった。]
(78) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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(灰羅へ個別送信)
『じゃあ、今観覧車の前に居ますけど、 ご一緒しますか?
ボクは何周乗っても、その後でも、構わないので。』
(*6) 2023/11/21(Tue) 15時半頃
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