34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】
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[その日は、暖かい日だったから。 カコは東屋のガーデンソファに寝そべり、 庭園で一人作業を終えたジャーディンを 呼び寄せ、戯れにまた膝を求めた。]
……こうするの、慣れないでしょうね?
慣れて。
[彼の顔を見上げて、カコはあっさりと言い放つ。 使用人達が見れば誤解されかねない光景だが、 愛妾の一人や二人囲うのは当たり前のご時世だ。 どうということもない。 それ故、特に誤解を解いて回ることもしなかった。 『お嬢様は最近表情が柔らかくなられた』というのは、 幼少の頃から仕える使用人達の囁くところだ。]
(*197) eyes 2024/03/04(Mon) 09時頃
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[小さく欠伸を漏らして、カコはすっと手を伸ばし、 金色の毛先を弄ぶ。 こちらを見下ろす紅い瞳。>>0:227]
貴方の髪、陽に透けてる。 瞳も、陽の下だと紅く見えるのね。…綺麗。
パルテールで見た、暗褐色も好きだったけど。
[白い頬に指先を滑り落として囁くと、 柔らかく目を閉じた。 それはジャーディンを自邸に引き取って以来、 カコが初めて彼の肌に触れた、何気ない一瞬だった。
そうして、目まぐるしくも穏やかに、 日々は過ぎていった。]**
(*198) eyes 2024/03/04(Mon) 09時頃
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[やがて、慶ばしき日が訪れた。 フェルゼ=リュミエルと、伴侶となる人との 婚儀の当日。 自邸にてメイドと共に、ジャーディンを礼服で 着飾らせるカコの姿があった。]
これはね、場にふさわしいように着飾るの。 こういうのは、お芝居と同じ…、 ああ、お芝居にもそのうち、付き合って頂戴。
芝居に集中している耳元で、気障な愛を 囁きかねない男より、幕間に気取らない 感想を聞かせてくれそうな貴方の方が、 連れとしてはよっぽど上等よ。
[気障は構わないとしても、せめて時と場所は 選んで欲しいというのがカコの持論だ。]
(*199) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[シャツにベスト、フロックコートで装うジャーディン。 彼の首元を飾るタイは、手ずから締めながら]
背筋を伸ばして、顎は少し引いて…、 堂々と、視線を遠くに置いて。
ダーラが仕込んだだけあって、 貴方の所作は、元々美しいのだから。
[ドレスからアクセサリーまで品よく整えたカコは、 少し身体を引いて、今日の連れの立ち姿を、 頭頂から足先まで検分する。]
(*200) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[見込み通り、正装姿のジャーディンは、 贔屓目抜きでも美しかった。 その仕上がりに、カコは満足げに頷く。]
うん。いいわね、とても。 貴方の価値がわからない人間に、 わざわざ侮る隙を与えてやることなんかない。
自分の値は高くつけるものよ。 貴方、私の私物としては一番高い買い物だったもの。
[カコが叩く軽口にも、徐々にジャーディンは 慣れてきただろうか?]
(*201) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[結婚指輪をリュミエル邸に届けた際にも、彼を伴った。 フェルゼは、カコの様子に何か感じるものがあったのか、 結婚式には、是非彼も一緒にと言ってくれていた。]
そういえば…、花嫁はおそらく、 貴方の元同僚よ。 フェルゼ様は、他に心に決めた人がいるのに、 娼館に通うようにはとても見えないから。
そういう方だから、あまり恐縮することはないわ。
[直にわかる事だからと、主役の一人の身元を明かす。 あの後パルテールで、フェルゼの姿を見かける ことはなかった。彼にいつも侍っていたドールの姿も。 それも、ジャーディンを帯同すると決めた理由の一つだ。 三つ目の理由は、単純に。こんな機会でもなければ、 彼を盛大に着飾ることもそうないだろうから。]**
(*202) eyes 2024/03/04(Mon) 11時半頃
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[その場と立場に相応しく着飾る意味を芝居に例えれば、 それはどういったものかと尋ねられたから。>>209* 「週末にでも連れていってあげる。」と笑った。
問われたのは、ジャーディン自身の 価値についても。>>*211]
うん? 価値は、自分で作るものよ。 貴方は、折れずに、歪みもせずに、 今こうして健やかなまま、ここに立っている。 それは何より凄いことよ。
これからの貴方がどう花を咲かせるのかは 貴方次第。そのための環境は、私が用意する。
[正装は彼のしなやかな身体のラインを引き立て、 首元のタイは、彼の肌色によく映えている。 カコは、微かに目を細めた。]
(*220) eyes 2024/03/04(Mon) 21時半頃
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[正してやるまでもなく、すっと伸びた背筋に 掌を宛てがったのは。>>*210 多分、ただそうしたかったからだ。]
人生って存外に長いのよ、ジャーディン。 自分一人のために生きるには、ね。
学んで、働いて、何かを育んでいれば、 あっという間に過ぎてしまうのでしょうけれどね。
[自分自身を。心を、価値を、命あるものを。 幾つもを。彼はもう、根無し草ではないから。]*
(*221) eyes 2024/03/04(Mon) 21時半頃
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[着飾らせたジャーディンを、今日は従えるのではなく、 腕をとって隣を歩く。彼には俄仕込みの仕草だが、 なかなか筋が良かった。彼にエスコートを仕込む日は、 そう遠くないことだろう。 観劇の予定も出来たことであるし。
式場では、また何時か街中で巡り合えることを 願っていた姿を見つけた>>*179]
───煙!びっくりした…
まさか此処で貴方に会えるなんて。
[けれど、パルテールに通えるような顧客は ほぼ例外なく貴族や富豪だから、富裕層 同士の繋がりがあるのは不思議なことでもない。]
(*222) eyes 2024/03/04(Mon) 22時頃
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そう、この方が。 お初にお目にかかります、リッキィさん。 カコと申します。
[雇い主兼恋人と紹介された少女に、満面の笑みを向ける。 良い主人だけでなく恋人にまで恵まれるとは。 彼は、想像以上に幸せであったらしい。]
ええ、結局うちに来てもらったの。 『優しく』してるつもりだけど。 そうできているかは…どうでしょうね?
[それは今ではなく、遠い先にジャーディン自身が 判断することだろう。 終の棲家の居心地が、彼にとっても快適なものであるよう 家長としては整えるつもりだ。 暫し煙と近況を尋ねあった後、連絡先を交換し、 「またね」と言い合って別れた。]*
(*223) eyes 2024/03/04(Mon) 22時頃
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[寄り添う花嫁と花婿は、宮廷画家が無償であれど こぞって描きたくなるのではと思う程、様になっていた。 互いの指と指を繋ぐのは、縁と絆を結ぶ、 ガーネットの花咲く指輪。 ぴたりと定位置に収まる様に、カコは目を細めた。
後にフェルゼが口にした感謝の言葉には、 こちらこそと謝意を告げて微笑む。>>*185]
おめでとうございます、フェルゼ様。 どうか。末永くお幸せに。
[既知の彼が愛する人と並び立つ美しい光景には、 思わず涙ぐんだから。 少し目元は赤かったかもしれない。]*
(*224) eyes 2024/03/04(Mon) 22時頃
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