人狼議事


33 桜森高校同窓会

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視点:


【人】 ラプター ニジノ

[旧桜森高校の制服を巡る一幕。]

制服は――あのデートの時はお互いまだ
ギリ高校生の年齢だったから
コスプレじゃないけど、


今着たら、確かにコスプレだね。

[その他、ここ三年余りの数えるほどの逢瀬で、色々なものを着せられてきた。海を隔てた超超超距離恋愛なので仕方ないのだが、それ故か二人きりになると、彼なりに工夫と趣向を凝らしまくってくれて、"普通の交際"からは大きく逸脱している気がするのだ。お蔭で度々、沙羅や野々花を宇宙に発射してしまっている。
一体どれだけ、衣装や道具に給料が消えているのだろう……あまり考えたくはないけれど。そしてまた、業の深い一着が加わった。]

ん〜〜〜〜〜〜っ、これは……、

[自分では買うつもりのないセーラー服を手に取って、大和の方に向けてみる。ちょっと肩幅がキツそうだけど、Lサイズなら入らなくはなさそう。

唐突に、セーラー服と伊達眼鏡で踊る大和の図が脳漿を襲った。結婚式の余興にしても、肉襦袢の腰蓑ダンスよりは露出度低いしマシなんじゃね? バックダンサーに柊と野々花と自分を足したところで、漸く現世に戻ってきた。酷いビジョンを見てしまった。**]

(241) りしあ 2024/02/26(Mon) 01時頃

【人】 ラプター ニジノ

[チェックアウト時間ギリギリに、どうにかこうにか大小のキャリーケースに荷物を詰め込んだ。小さい方は、今にも爆発して溢れそう。5分前行動と整理整頓が、いつまで経っても身に着かない。]

『あのう……ゲームコーナーのUFOキャッチャーの
アームが故障していたようでして……。

こちら、お詫びの品でございます。』

[部屋の鍵を返した受付で、平謝りされ何故か🦅のぬいぐるみを渡された。思わず大和と顔を見合わせる。
キャリーケースの中には、沙羅から里子に貰った仔犬が、憐れなほどぎゅうぎゅう詰めにされていて、🦅の入る余地などないほどの一触即発状態だ。ここは、大和に持って帰って貰おう。鷹匠ごっこでもするといい。

9200円もつぎ込んだのに🦅が取れなかった、みたいなクレームが複数あったらしい。ちょっと誇張されている気もする。]

(246) りしあ 2024/02/26(Mon) 01時半頃

ラプター ニジノは、メモを貼った。

りしあ 2024/02/26(Mon) 02時頃


【人】 ラプター ニジノ

[窓からの景色で薄々気付いてはいたが、玄関扉を開けると見事なまでの銀世界が広がっていた。もう、街は動き出しているのに、喧噪から隔てられた不思議な静けさがある。雪が音を吸うのだとか何だ、高校で習った気はするけど、思い出せない。]

わーああぁ! どの辺に埋める?

[大和は幾つか土に還らなそうな素材の箱を抱えているから、手伝うつもりで雪かき用のスコップを二本フロントで借りてきた。凝った白い吐息を撒きながら、疎らな足跡が続くだだっ広い雪のキャンバスを眺める。]

(253) りしあ 2024/02/26(Mon) 10時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[居ても立ってもいられなくなって、両手の荷物を放り出すと、誰にも踏み荒らされていない真白の中へ、背中からダイブした。地面より柔らかく受け止めてくれる雪の上で寝転がって、バタバタと手足を動かす。]

えへへーSnow Angel
  ……雪の天使って言うんだよ。

あっちでは雪が積もると、
雪ダルマより大量に発生するんだ。

大和も一緒にやろーよー?

[真ん中に小さく丸い頭の窪み、そしてリボンのように手足の部分は三角に。腕で作った分の形が天使の翼に見えるから、こんな名前なのだ。
大和も誘って、仲睦まじい様子の天使の姿を二人並べる。あはは、と朗らかな笑いも薄青い空に残響。]

(254) りしあ 2024/02/26(Mon) 10時半頃

【人】 ラプター ニジノ

いーやー、もう一日あれば、
今日は雪合戦大会だったのにねー。

でも昨晩降らなくて良かった、のかな。

[冬の試合で雪深い国も訪れるから、そう珍しい光景でもないはずなのに、一頻り子供のようにはしゃいでしまった。
後は粛々と、通り道の邪魔にならなさそうな外れに、雪と土を抄って膝上まで埋まるくらいの穴を掘る。]

(255) りしあ 2024/02/26(Mon) 10時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[結局、未来の自分へなんて何を書いていいか分からなかったから、他のみんなに宛てた手紙を一通ずつしたためた。何事もなければ数年後、環境が変わっても――お互いの結婚式に招待されたりもして――同じ面子で掘り返すだろうから。数奇な縁で引き合わされたこの出会いを、大切に育むのだ。芽吹きはしないけれど、種蒔きのようなもの。]

数年後には、笑い話になってるといいね。

[長い人生のたった一年、と辛抱強く待つことを承諾してくれた大和に甘えて、芽を出す必要のない汚点も、小さく折り畳んで沈めてしまえ。大和が鮫のぬいぐるみを入れるのも、似たような心境なんだろうか。]

(256) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時頃

【人】 ラプター ニジノ

それと、一応みんなに
シアトル土産用意してたんだけど、
なーんか渡しそびれたから、いっそ何年も
そびれたまま寝かせようかと……。

あー、お酒とか入れたら、
熟成されて美味しくなっちゃう?

[二枚ずつ揃いの、ガラスのコースターも放り込む。
いつぞやの女子会で、沙羅がガラスの美術館のお土産をくれたから。シアトルにも似たようなものがないかと探して、有名なガラス作家のChihuly Garden and Glassへ行ってみたのだ。残念ながら、前衛的過ぎてアートは理解はしきれなかったものの、その規模は圧巻であった。まだ、虹乃の感性でセーフな範囲のコースターを、手土産に忍ばせて来たのだが。]

(257) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時頃

【人】 ラプター ニジノ

[そうして、みんなが想いを詰め終わったら、元通り土を被せていく。雪までは戻さなかったから、そこだけ黒い土が剥き出しになった。]

場所、忘れちゃわないように地図描くとか、
宝探しの謎解き的な文言とか考えてみる?

スマホのカレンダーって何年先くらいまで
イベント登録できるかなぁ……。
途中で機種変しちゃうか。

[鬼が笑いそうな、来年より更にその先の杞憂。]

(258) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[スコップを返してきてから、今更に指先がかじかんでいることに気付いた。手袋を外すと、真っ赤になってしまっているのに、氷のように冷たい。]

ん゛っ…………ぅん。

[自然な動作、にはまだ修練が必要だ。差し伸べられる手に、冷え切った手を預けて、歩き出す。]

行きたいお店あるから、ちょっと付き合ってよ。
早く注文しないと、四月に間に合わないかも知れない。

[ねっ、とはにかんで、繋がれていない方の手でキャリーケースを引きずりながら。
一度だけ振り仰ぐ、通ったことのない校舎。次は桜の季節が良い――何人かは同じ気持ちだろう。

こうして、鷹羽虹乃の最高の同窓会合宿は、幕を下ろしたのだった。**]

(259) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時半頃

【人】 ラプター ニジノ

――最後の椿姫――

[20XX年 4月 21日。

桜も散ろうかという季節になって、関東一帯を猛烈な寒波が襲い、桜色と風花が同時にちらつく幻想的な日になった。

久しぶりに日本のリンクに立つ、鷹羽虹乃。
全国から選手が集まるような大規模な試合ではないから、古くからこのリンクで過ごした関係者や古馴染みの多い場で、演技を披露するのもまだ試合慣れしないノービスやジュニアが中心だ。
一番年嵩で、スコアも高い虹乃は、オオトリを任されてしまったので、かなり緊張している。

製氷から時間が経って、爪先から少しずつ冷え強張っていく、あの感覚。
脚が治ってからも、なかなか氷の上への一歩が踏み出せなかった。何度試合に出ても、フェンスを越える一瞬だけ、悪夢に捕らわれる。

この足先の白銀の凶器で、未来を奪ってしまった相手。彼女は二度とリンクに戻れなかったが、それ以上をネットで調べる気はもうない。

今から捧げる演技は、贖罪ではなく、ここまで自分を支えてきてくれた人への感謝を目一杯籠めよう。
観客席に視線を向けて、近く一人一人を確認する。見知った顔を見つける度、心に勇気が満ちた。]

(292) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

――3番、鷹羽虹乃さん、
プログラムのナンバーは、『椿姫』――

[会場に響くアナウンスと拍手に押され、羽搏き滑り出す。
氷上に描かれる、シュプールのように波打つ溝。その軌跡は、スケート人生の集大成だ。

五年前の『乾杯の歌』から、復帰後の最高傑作『花から花へ』、そして『さようなら過ぎ去りし日よ』までメドレーで繋いだ一度限りのオリジナル。
幼馴染のデザインした、椿色の衣装(胸のサイズは直しが必要だった)を纏い、肌身離さぬ椿のピアスも飾って、銀盤を舞う。途中で白から紅に衣装チェンジするのも、エキシビションでしか許されない、幼馴染のアイディアだ。

振り上げた左脚の踏切も、すっかりブレずに完璧で、嘗て滑れないほどの大怪我を負ったなんて誰も信じないだろう。]

『さようなら、過ぎ去りし日の
楽しく美しい夢よ』

[前半は殊更妖艶に、刹那の愛と永久の愛に翻弄されるヴィオレッタ。この恋心を識ることで、演技幅がぐっと深まり、海外でも評価を得ることができた。
ダブルアクセルから、トリプルのコンビネーション。試合より長めに見せつけるような、180度開脚するスパイラルは、リンクの端から端までいっそ雄々しく滑り切る。]

(293) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

[後半は、死の病に侵されたヴィオレッタが、離れた恋人を懐かしむ詩だ。]

『嗚呼、道を踏み外した女の願いに
微笑みかけてください。

どうかお許しください、受け入れてください、神よ。
喜びも哀しみも、間もなく全てが終わるでしょう。』

[思い描く顔は決まっている。
ヴィオレッタはアルフレードと束の間の再会の後、すぐに息を引き取ってしまうけれど。
長い別離の果てに重なった二人の手。虹乃はその後も滑り続けるし、傍にいつも、彼が居るはずだ。

息の上がる後半、縺れそうになる足を叱咤しながら、夢中で氷を蹴る。
オイラーを挟んだ三連続のジャンプ、得意のフリップは片手を上げて。ステップの出口で少しバランスを崩しかけたけれど、そのまま最後のスピンへと。
――試合でも一度も組み入れなかった、フライングバタフライ。三度翼のようにフリーレッグを振り上げ、煌めくブレードが空気を真円に切り裂く。まるでヴィオレッタに忍び寄る、死神の鎌のよう。一度は虹乃を死に至らしめた、その技を最後に。

小さな会場を満たす拍手の中で、ヴィオレッタはその生涯を終え、冷たい氷上に倒れ伏す。]

(294) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

[本当に最後は、呼吸ができないほど苦しかった。
最終滑走者だから、体感ではかなり長く、氷から身を起こせずにいて。汗だくの額に張り付く前髪を払いながら、よろよろと立ち上がる。

――全ての人に感謝と。この滑りの境地まで達せたことを、寿ぐ気持ちで溢れていた。
舞台の四面に向かって一礼をして、最後に関係者席に大きく両手を振る。やりきった、出し切った、と大声で伝えたい。]

(299) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[観客の目を十分に楽しませた後は、幾重にも削り跡のついたリンクに真っ赤なカーペットが敷かれ、表彰用の台が置かれる。
アナウンスが入って、今日のジュニアたちの順位表彰の跡、再び虹乃がコールされた。
椿姫の衣装のまま、リンクの真ん中に踊り出る。
畏まった顔で、赤い道の上を歩んでくるプレゼンター。賞状とトロフィーを携えた、なんか偉い人と。抱えきれないほどの紫の薔薇の花束に埋もれかけたワカナさんは、今日はきちんと正装している。同じくフォーマルな服装で、お手製の椿の造花で花冠を編んでくれた清佳と、馬子にも衣装状態の大和と。]

(300) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時半頃

【人】 ラプター ニジノ

――嗚呼、これで一区切り。

[全て終わるでしょう、と虹乃の中のヴィオレッタが嘆く。
けれど、自分にとっては精一杯でこれ以上ない、競技人生だった。
あまりに自分のことに夢中で駆け抜けてきたから、そろそろ周囲の暖かな人達に、氷上以外で恩返しもしていかなければいけない。

口上は聞き流しつつ、想いの篭った花束を受け取って、銀盤の椿姫はここで死ぬ。
新たに生まれ変わるのは、スケーターでないただの鷹羽虹乃だ。

さすがに感極まってきて、肩が震えて目頭が熱い。
けれどカメラに向ける嫣然とした笑みのまま、段を下りて大和の前に立った。スケート靴の分だけ底上げされて、目線が大分高いところになってしまっている。*]

(301) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時半頃

【人】 ラプター ニジノ

うん、――うん、大和!
もう半年は、ちょっと勉強頑張らなきゃだけど、


いっぱい待たせちゃって、ごめんね。
長い間待っててくれて、ありがとう。

[人生を賭けた氷の上で、残りの人生を彼に誓おう。
夢見たシチュエーション。跪く彼の手ずから指輪を嵌めて貰って、潤む瞳で何度も頷く。
真ん中で燦めく、雪椿の庭で貰った、紫の貴石。]

(316) りしあ 2024/02/27(Tue) 00時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[ひしと抱き合う二人のBGMに、気を利かせた誰かが会場のステレオから、アルフレードとヴィオレッタの熱烈なアリアを掻き鳴らす。
祝福と喝采に包まれたリンクは、大団円のフィナーレを迎えていた。


最後にリンクから去る前に。幼い頃から汗と涙と青春を捧げた銀氷の舞台に跪いてキスをして――氷の粒片をつけたままのくちびるで、大和の頬にも掠めるような冷たいキスを。
戯れ合う二人に、観客はドッと沸きたち、清佳はワナワナと拳を震わせている。両親も――特にパパは卒倒していないかな。ここまでくれば自棄気味に、インタビューだろうが取材だろうが、惚気に惚気まくってやるのだ。


マニア向けのスケート雑誌の端っこに、小さく氷上プロポーズの白黒写真と記事が載ってしまって、後日羞恥で死にかけることになる。**]

(317) りしあ 2024/02/27(Tue) 00時半頃

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