人狼議事


28 僕等(ぼくら)の

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視点:


【人】 地道居士 エニシ

[結構ハッキリ言ったつもりだったのに、あまりうまく通じてなかったみたいで、仏頂面の眉毛をハの字にして聞いていたけど。>>@77

ぎゅってして、と言われて、思わず えっ!?と狼狽える。

周囲をきょろきょろと見渡せば人もいなくて、日暮れの薄暗さで。元々掴んでいた腕を一旦離して、一歩近付くと落ち葉を踏みしめる音がする。肩に手を伸ばしたら、一瞬びくっと震えたような気がして。
大丈夫かな……と少し思いながら、そのまま抱き締めた。

ふわっと女の子の甘い香りがして、頭がくらくらしてくる。そういえばハロの時は何度も抱っこしてたけど。これは。全然違うし。
隠せないくらい心臓の動悸が速くなっていくのが分かった。]

 ──……これで、何か、わかる?

[この状態で分かるのは、僕の鼓動の音がヤバい事くらいなのでは?
さすがに恥ずかしいんだけど。……でも、一度抱き締めてしまうと、何かの糸が切れたみたいになってしまって。だんだん腕の力が籠っていくのを抑えるのが大変だった。]*

(285) steel 2023/08/30(Wed) 09時半頃

【人】 地道居士 エニシ

[さすがに自分から言って来た事なので突き飛ばされたりは無いと思ってたけど、背中に腕が回ってきたのは少し驚いて。次の言葉に、二度驚いた。
僕は、ずっと夏水は弟が好きなのだと思っていたし、
言葉だけだと信じられなかったかもしれないけど。
密着していると夏水の心臓の音も聴こえてきて。それはとても、雄弁に。]

 …………えっ。
 まじで………

 夏水は縁牙が好きなんだと思ってた。ずっと。

[何なら本郷さんにもそう言ってしまったような……と一瞬赤い顔が青くなったけど、それには触れず。というか。]

 本郷さんは友達だって……。
 まさかそんな誤解されると思ってなかったんだよ。

[それはそうだ。夏水が自分に対してその手の関心があると考えていなかったんだから。
夏水の腕が一度解かれたけど、構わず抱き締めたまま、続けた。]

(286) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃

【人】 地道居士 エニシ

 僕も好きの種類とか長らく分かってなかったよ。
 ただ……、夏水だけが大事だった。


 僕が勝手に大事に思ってるだけだから、
 夏水の気持ちはあまり関係なくて、

 自分も含めて、他の人が死ぬのは仕方ないって思ってるのに
 夏水が死ぬのだけは絶対にダメだって。

 重過ぎて逆に恋愛だなんて思えなかった、けど……

[乾と恋愛の話をした時のことを思い出す。>>5:62
自覚できたのはあの後だったかもしれない。]

(287) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃

【人】 地道居士 エニシ

 相楽の事があっても、僕に触られるのを嫌がらないのは、縁牙と同じ顔してるからだと思ってたよ。

[もしかして逆だった?
そういう問題じゃないのかもしれないけど。]

 ………本当に嫌じゃない?

[今や、簡単には振りほどけないくらい強い力で抱き締めてしまっていた。]*

(288) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃

【人】 地道居士 エニシ

[>>@82夏水は逃げたりすることもなく、背中に手を回して来て、肩に擦り寄ってくる。その頭をそっと撫でてから、あらためてぎゅーっと抱き締めた。]

 ……言葉だけだと信じられなかったかもだけど、
 夏水の心臓の音が……すご。

 ……そっか。
 僕も。嬉しい。

[二人とも動悸が凄くて、もうどちらの心臓の音なのか分からないような状態になっていた。永や縁牙に怒られるだろうか?それとも祝福してもらえるだろうか。

しばらくそのまま、人通りのない並木道で抱き合っていたけど、暗くなって星が見え始める頃にはさすがに身体を離して、"帰ろ"と言いながら、手を繋いだかな。]*

(294) steel 2023/08/30(Wed) 14時頃

地道居士 エニシは、メモを貼った。

steel 2023/08/30(Wed) 15時半頃


【人】 地道居士 エニシ

──それから・3──

[僕のゲームの腕前は落ちて、ランキングも下がっていった。時々組んでいた外人のフレンドからは、"enのプレイは以前みたいな殺気が無くなったね。"と言われた。
"でも、置いて行かれてる感じが無くなってとても遊びやすいよ。まったり楽しもうね"とも。

確かに以前の僕はゲーム内で殺戮を求めているようなところがあった。自覚は多少していた。

パイロットに選ばれた時も。来た、と思ったのだ。

やはり僕に訪れるのはそういう運命なんだって。


僕は。ひとごろしがしたかったのかもしれない。
確認したかったのだろうか。
母親と同じ場所に立ってみたかった。

でも今は。
まるで、牙を抜かれたように。

疑似的な殺人を、楽しめなくなっていた。]

(295) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃

【人】 地道居士 エニシ

[僕は、子供の頃に両親が殺し合った果ての死体を目撃して、それ以上の酷い事なんて、自分の手を汚す以外で起こりようがない気がしていたけど。

その後、思春期を迎えた頃の僕を待ち受けていた現実は、軽く過去を超えて来て。
キャパオーバーしてしまったのかもしれない。

どんな人であっても、誰でも、簡単に死ぬ。
それは変わりないけど。

少しずつ変化していった。道端で猫が死んでいたら心を痛めたりもした。昔は何にも感じなかったというのに。
もしかしたら"普通の感覚"というものを手に入れたのかもしれない。

一番好きな人以外の命も大事にしようとしていて、自ら命を絶った乾のことなどを、時々思い出していた。

あの地球の天文部のみんなは、もう居ない。
センセイは、無事に帰れたのだろうか?
それを知るすべも、僕には無い。]

(296) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃

【人】 地道居士 エニシ

[だけど、世界はそういうものなのだと悟った。
別の地球では、僕が死んでいたり、そもそも生まれていなかったりするのだ。
僕は、この地球の僕自身と、
同じ地球に生まれてくれた夏水を大事にしよう。]

(297) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃

【人】 地道居士 エニシ

[さて、夏水はそれから、僕の家に普通に遊びに来るようになった。正確に言えば、昔から遊びに来てはいたのだけど、必ず永も居たから。
今は、彼女一人で来る。祖父母にとってもいつもの光景だから特に気にされる事もなく。
僕がゲームしている後ろで、夏水は器用に寝ていたりする。小動物かな。]

 僕の部屋は畳だからマシだけど、すぐ床とかで寝る癖はどうかと思うんだ。

 ………無防備だなぁ。

[微睡んでいる夏水に聞こえたかどうか。
僕の前でだけ無防備で居てもらえるのが嬉しいから、襲ったりはしないけど。
ゲームからログアウトして、隣に寝転がると、少し汗ばんでる前髪を撫でて。額にキスだけして、そのまま一緒に寝落ちてしまった。]*

(298) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃

【人】 地道居士 エニシ

──それから・〆──

[双子の縁牙を失って、
まさに牙を失ったようになった僕だけど。>>295

縁だけが残った、なんていうのは
語呂合わせが過ぎるかな。

それはもちろん彼女のことだけじゃなくて。
出逢った全ての人との縁のことだけど。

もう会えないみんな。

どこか別の世界で生きているかもしれないみんな。]

(305) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[それから更に月日が流れて、僕は、とある高校の教師になった。
3年A組担任、教科担当は現代文。そして、天文部の顧問。
何故教師になったのかというと成り行きに近いのだけれど。
むかし、別の地球で出会ったセンセイのように、立派な先生になれたらいいなと思う。

僕等の地球で××年前に起こった、未知のロボット襲来事件は、今では様々にメディア化されて娯楽として消費され始めていた。僕の教えている現代文の教科書にも、知らん人が書いたエッセイのようなものが掲載されている。

僕が元パイロットで、夏水が元引継ぎアシスタントの"ハロ"を担っていた事なんて勿論世間一般に知られてはおらず。
平和な生活を送っていた。]

(306) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[ある日、天文部の部員たちに囲まれてしまう。何年か後にこの高校の屋上に出来るミニプラネタリウムの話を聞きつけて来たらしい。僕が学校側に提案して採用されたやつだ。]

 ストップ、ストップ。
 え、校長先生が話しちゃったの?それじゃ仕方ないな……。
 卒業後にそんなの出来ちゃうの悔しいよね。ま、OBは遊びにおいでよ……

[そう言って、天文部部長の茶髪おかっぱ頭を撫でた。しかし、部員たちは"ゆるせなーい!先生なんか奢って!"とか騒ぎ出す。もはやそれが狙いか。]

 はは。奥さんがつわりあるし、僕が晩ご飯作ってるから、しばらく寄り道は出来ないな〜。またいつかね。

[やんわり生徒たちを往なして、僕は職員室に帰った。]

(307) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[席に着いた頃にちょうど奥さんからLINEが入っていて。
名前考えておかないとだね?なんて。
何となく男の子じゃないかな、という勝手な予感がしていて。考えていたことを返信に書いてみる。]

 💬
 "永縁(ようえん)"か"永牙(えいが)"でどうかなぁ……
 捻りなさすぎ?


[永と縁牙、どちらか、或いは両方に顔が似てることはもはや確定だから。いっそ名前も近いのが良いなんて思ってるんだけど。むしろ双子の可能性もあったりして……奥さんの意向も聞いてみようか。
メッセージを送信すると、僕は試験問題を作るために教科書を開いて、例のエッセイを書き写し始めた。]

 『………こうして、彼らは地球を救いました。何の作為もなく選ばれた高校生たちが地球のために戦って散っていったのです……』

[エッセイの作者は全然知らない人だから、ほんと誰だよ、なんて突っ込んでしまうんだけど。
     内容は紛れもなく……───、僕等の。]**

(308) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

──余談>>@88──

[目が覚めるともう夕暮れも過ぎるくらいの時間になっていた。家で会う事もたびたびあるけど、やたら寝落ちてしまう。いや、これは夏水がよく寝るせいだ。と責任転嫁して、まだ眠っている、🐹みたいな柔らかそうな頬をつんつん突いた。
起きたなら、そろそろ帰る時間だよ、と伝えて。

外に出ると、紫色の、夕闇のような空にぽつぽつと星が瞬き始めていた。
すっかり星に詳しくなってしまったので、金星だね、とか、そろそろ獅子座が見えるな、とか雑談しつつ。薄いコートのポケットの中で繋ぐ手。

駅前近くに来て、別れが惜しくなるのか二人共だんだん足取りが遅くなっていく。
僕は立ち止まって、握った手の力を強めた。夏水がこちらを振り向く。後ろ髪を撫でながら、そのまま引き寄せて、触れるか触れないかくらいで唇を重ねた。すぐに離れるけど、至近距離で呟く。]

 ……好きだよ、夏水。

[照れずに言えるようになるまでは結構時間がかかったけど。生きていれば人は、こんな風に変わっていくのだなと身を持って知る。
そうして、また明日ね。と頭を撫でると、歩き始めて駅に向かった。]**

(323) steel 2023/08/30(Wed) 23時半頃

【赤】 地道居士 エニシ

With love to all pilots.

(*0) steel 2023/08/31(Thu) 00時頃

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