人狼議事


15 青き星のスペランツァ

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【人】 艇長 イワノフ

― 帰還の日/イワノフの自室 ―

[キャプテンを自称しているからといって、イワノフの自室の等級が上がるわけではない。地球型人類に相応のスペースがあるばかりだった。ただ、粗野な口調には似合わず、かれの自室はよく整頓されている。部屋の中央に立って、青い瞳で、かれはじっと壁を見つめている。継ぎ目のない平らかな壁を。]

深い水底にゃ、光が届かない。真っ暗だ。

[軽い口調で語りかける。誰もいない虚空に。]

深海は専門じゃないんだがね。ただ、暗く、重く、古いものが堆積してるのは間違いねえ。

[とても海に対応しているようには思えなかった。装備も人種も。生きているはずがなかった。]

だから、そうだな。
さびしい場所だろうよ。

そんなところに行くべきじゃねえんだ。

オマエは愛されていたじゃないか。

(64) Бесы 2021/11/17(Wed) 15時頃

【人】 艇長 イワノフ

― 帰還の日/イワノフの自室 ―

[口元にドラッグの光はない。だれとコミュニケーションをとる必要もない自室のかれは、妄念の海に生きている。そこは豊かで、過去に満ちている。そこでかれは取り返しのつかないいくつもの昔日に取り巻かれ、いつも取り返し損ねて目を覚ます。]

水の底には過去が堆積している。その星の歴史の底で、だれも思い出さないものがある。
だが人間は深海にも行く。探索は続く。研究は続く。

[過去は戻らない。]

いつか遠い将来、『マーレ10』が人類の移住先になった時、オレたちを越えて、海洋研究は進む。深海探査艇も出る。
オレたちの今回の装備よりもっとはるかに上等なやつだ。

その時、人類は海の底に、山ほどの『マーレ10』の地質学・地史学的資料に混じって、

[過去は記憶のなかにある。あるいは海の底に。]

オマエを見つけるんだ。
ライジ。

[かすかに口ひげを上げて、笑う。]

(65) Бесы 2021/11/17(Wed) 15時頃

【人】 艇長 イワノフ

― 帰還の日/イワノフの自室 ―

海の底には大量の、その星の過去が沈んでいる。
それは忘れられたままでいることもあるだろう。
だが、引き揚げられちまうこともあるだろう。

オレの星の言葉で、それはスパセェーニエ спасение という。

沈んだものを引き揚げるって意味だ。

[あるいは、魂の救済。]

沈んだ側にしちゃ、迷惑なもんだろ? ――だが、オマエもずいぶん迷惑をかけてるんだぜ。オマエを見つけちまって当惑する、次の『マーレ10』を調査探索する世代にな。

[帽子をとり、敬礼する。なにもない壁に。あるいは虚空に。だれもいない妄想の海の中で。]

海には過去がある。だが過去は未来へつながっちまうんだ。どうしてか。……

[空調の音が、静かな室内を満たしていく。帰還前。探索の終わり。あるいは、次の探索への待機。……**]

(66) Бесы 2021/11/17(Wed) 15時半頃

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