人狼議事


10 冷たい校舎村9

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【人】 夜笑国 メイ


[冷たい校舎の時は終わる。]
 

(25) Pumpkin 2021/06/16(Wed) 19時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[最初はわたしが手を引いていたけれど、
 気づけば先頭は乃絵ちゃん>>5:258
 わたしたちは青空を飛ぶ鳥のように連なって、
 昇降口の扉>>2:263をくぐる。

 食べ残してしまったクレープ>>5:262
 冬を春にするために残したダッフルコート、
 まるい銅色のいくつかは、未だわたしの過ちを残す。

 そんな思い出の中にひとつだけ、
 濡れたローファー>>0:666を紛れ込ませてもいいかな。
 わたしの足元は上靴のままだった。]

(26) Pumpkin 2021/06/16(Wed) 19時半頃

【人】 夜笑国 メイ


  ……さむ。

[制服姿に素足と上靴。
 無防備なわたしの身体を雪風が撫でる。

 最初はあんなに着込んでいたのにな。
 いつの間にか、いろんなものがなくなっちゃった。]

(27) Pumpkin 2021/06/16(Wed) 19時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[わたしが横を向くと、炭蔵くん>>5:256が見えた。
 ありがとうと言った時の表情は見えたかな。
 ピンで留めた前髪が右に左に踊る様子はやっぱり
 普段より幼い。それも、今だけのことなんだろうけど。

 乃絵ちゃん>>5:260のわがままを
 きっと炭蔵くんは叶えるんだろう。
 その真面目さで、誠実さで。まっすぐに、正しく。
 わたしは風からわたしを守るフリをして目を細めた。

 乃絵ちゃんの足>>5:263はもう震えていない?
 わたしは乃絵ちゃんの手をぎゅっと握って口を、

 開いた。]

(28) Pumpkin 2021/06/16(Wed) 19時半頃

【人】 夜笑国 メイ


   ————、——。
 

(29) Pumpkin 2021/06/16(Wed) 19時半頃

【人】 夜笑国 メイ


[答えの見えない明日≠ヨ、進んでいく。]*
 

(30) Pumpkin 2021/06/16(Wed) 19時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[身体が寒くて目が覚めた。
 どうやら勉強中に寝ちゃったみたい。
 開けっ放しのカーテンからは、
 大雪なんて降りそうにない夜空が広がっている。

 冷えきった手を擦り合わせてみたら、
 どうしてか左手だけがすごく温かかった。
 まるで、さっきまで誰かと手を繋いでいたみたい。
 わたしは反対の手に息を吹きかける。]

(111) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時頃

【人】 夜笑国 メイ

[見慣れた制服は朝着るようにハンガーにかかっていて、
 お財布は左ポケットじゃなくて鞄の中、
 胸ポケットは指で押しても布の弾力しか返って来ないし
 右ポケットの中で握るわたしの手のひらは空っぽだ。]

  ……夢じゃない。

[それでも、メール>>3:+4を見る前から分かってた。
 校舎に置いてきたことも、わたしが新たに抱えたものも、
 全部、覚えていたから。

 わたしは私服の上に血に染まっていない
 コートとマフラーを着込んで階段を下りる。]

(112) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時頃

【人】 夜笑国 メイ

[お父さんがリビングにいることは、
 1階の廊下に漏れる明かりからすぐに分かった。]

  お父さん、

[わたしがお父さんを呼ぶと、
 お父さんはグラスに入った液体を揺らして振り返る。
 わたしの髪みたいな色。お酒だと思うでしょ。
 残念。正解は麦茶でした。
 お父さんは、お母さんの前ではお酒を飲まない。

 あの日>>2:600もそうだった。
 お父さんはわたしへ少し恥ずかしそうな顔をするけど、
 隠すつもりもなかったくせに。
 わたしは迷わずお父さんの隣に座る。
 顔を上げると、お父さんの大きな手がわたしに触れた。

 わたしはお父さんの少し硬い手のひらにじゃれながら、
 お父さんの悲しそうな顔を眺めていた。
 今度はあの日>>2:601に戻っちゃったのかな……でも、]

(113) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時頃

【人】 夜笑国 メイ

[目元の皺、いつの間にか結構増えたね。
 クマもちょっと濃くなってる気がする。
 お母さんが死んで、お父さんもわたしも
 もう動けない、進めないと思ってたのに、
 そんなことなかったみたい。

 ——わたしたちは、生きている。
 鼓動を奏でる生者の時は止まらない。
 立ち止まっているつもりでも、
 わたしたちは少しずつ前に進んで、
 お母さんのことを忘れていく。

 夢を語る溌剌とした表情も、怒った時の鮮烈な声も、
 頭を撫でてくれた柔らかい手も、味の薄かった料理も、
 わたしたちの願望が、お母さんの本当を塗りつぶす。]

(114) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ


  お父さん、わたしね——

[やっぱり、死んだらそこで止まっちゃうんだよ。
 だから生きている方がいい。
 どんなに苦しくても、辛くても、生きて足掻く方がいい。

 そのためならわたし、ワルモノにもなれるよ>>5:222

 心臓がバクバクしてる。声を出す喉も上手く動かない。
 それでもわたしは、お父さんと話をした。]

(115) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

 
[月が朝焼けの空に掠れる頃、
  何かが破裂したような音がした。]*
 

(116) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[わたしの乗ったタクシーが病院の前に停まったのは、
 他の車>>8より後のこと。

 目覚めた時見た夜空はもうどこにもなくて、
 わたしは朝焼けも過ぎようという早朝に
 病院へ足を踏み入れることになった。]

(117) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

— 病院・待合室 —

[乃絵ちゃんの手術は既に済んでいて、
 今は乃絵ちゃんの生命力に託した状態。
 集中治療室に入ることは当然叶わず、
 わたしは待合室にいる。

 面会時間外だというのに、
 病院の中には見知った顔がたくさんあった。
 みんなはどこにいたかな。

 たとえばそこに一日限りの相棒>>8がいたなら、
 挙げた片手にこたえるように、
 わたしの右手の人差し指はわたしの前髪の縁を伝う。
 毛先に触れるたび、指の皮膚がじんと痺れた。]

(118) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[炭蔵くんの前髪はすっかり元通り。
 昨日の今日どころかさっきの今だ。
 約束が果たされるのはもう少し後のことなんだろう。

 そう思ってもわたしはいつものように、
 炭蔵くんへ個人的に声をかけることはない。
 だってもう、二人じゃない。

 止まった一日は終わった。
 わたしはまた民衆に埋もれていく。]*

(119) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

— 病院・集中治療室前 —

[わたしたち以外に、見慣れない女性がひとりいる。
 集中治療室の向こうを見るその人が、乃絵ちゃんの
 お母さんだってことはさすがのわたしもすぐに分かった。

 顔立ちに乃絵ちゃんと似ているところはあったかな。
 乃絵ちゃんに毎日お弁当を作ってくれるお母さん。
 お菓子も手作りにこだわっていたお母さん>>3:205
 苺が好きだった話>>4:469、わたしは理由を聞けたかな。
 夜食>>4:309のエピソードはどうだろう。

 少なくとも、わたしの知る乃絵ちゃんのお母さんは
 乃絵ちゃんを傷つけたりしなかった。否定も、何も。

 でも乃絵ちゃんはお母さんのこと、諦めてた>>5:209
 お母さんは、乃絵ちゃんの救いにはならない。
 だからわたしも家族の話をやめた>>5:225

 でも、ここに乃絵ちゃんのお父さんの姿はない。]

(120) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ


  ……乃絵ちゃん、苺がすきなんです。

[なんで声をかけたのかって言われたら、
 わたしたぶん納得のいく答えを出せない。

 いきなり隣に来て声をかけてきた子どもに、
 乃絵ちゃんのお母さんはどんな顔をしたんだろう。
 必要ないって、害になるって、馴れ合いだって、
 そう決めつけられた>>5:1乃絵ちゃんの友達が
 何人も駆けつける光景を、どう見てるんだろう。

 乃絵ちゃんのこと、どう、思ってるんだろう。

 わたしは細める前の目で乃絵ちゃんのお母さんを見る。]

(121) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ


  乃絵ちゃんを見てください。

  ……乃絵ちゃんは、ここにしかいないので。
  生きているので。

[見知らぬ子どもが急に生意気なこと言ったんだもの。
 怒られたって睨まれたっていいよ。

 こんなことしたら、乃絵ちゃんに迷惑をかけちゃうかな。
 でも、ここには乃絵ちゃんのお父さんはいないから。
 逆らえない、お母さんしかいないから。

 わたしが知っているのは、乃絵ちゃんとお父さんのこと。
 お母さんの意思は乃絵ちゃんからも聞いてない。]

(122) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ


  突然、すみませんでした。
  ……失礼します。

[わたしじゃなくて『乃絵ちゃんの友達』が
 悪く言われるのはヤだから、わたしはちゃんと謝った。
 ちゃんと謝って、ちゃんとお辞儀をして、離れる。

 乃絵ちゃんのお母さんが何をしたところで
 わたしは振り返らなかったし、
 わたしの耳が何かを拾おうとしてもすべて手放した。]

(123) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[こんなこと言う必要、なかったんだけどね>>5
 わたしのやることってやっぱりどこかズレてるのかも。

 コートのポケットに適当に突っ込んだお財布の中、
 たった1枚がひどく重く感じた。]*

(124) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 06時半頃

【人】 夜笑国 メイ

— 帰還 —

[それから暫くは待合室にも寄りつかず、
 病院の片隅にある椅子に腰掛けてぼーっとしていた。
 早朝と夜の境目にある空を眺めていると
 変な時間に目覚めたせいで瞼が重くなってくる。
 右手のピリピリとした感覚がどうにか留めてくれた。

 不安は思ったより大きくない。
 乃絵ちゃん>>5:211は自分の現状を教えてくれて
 事実、そうだったんだけど、
 最後に聞いた言葉>>5:264が再会を望むものだったから。

 望んでも叶わないことはいっぱいいるけど、
 たまにはその通りになってもいいでしょう。
 自動販売機の飲み物、
 これからずっと違う物が出てきたっていいから。

 わたしはただ、乃絵ちゃんの明日を信じたいだけだ。]

(125) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時頃

【人】 夜笑国 メイ

[わたしにその答えを教えてくれたのは、
 消灯したランプ>>19じゃなくて微かに聞こえた声>>23

 音の先を覗き込むと、ひとみちゃん>>23
 薄暗い病院の中を歩き回るのが見えた。
 もし出会うことができたなら、わたしは思わず
 ひとみちゃんの手をとろうとする。

 左手を底に据えて、ほかほかの右手で蓋をする。
 おにぎりを作ろうとしているのか、手のひらでぎゅっと。

 わたしの右ポケットは空っぽで>>111
 何度も力を借りたぼたんは見当たらなかった。
 ひとみちゃんに手を払われでもしない限り、
 傷のあった側面>>2:13を指で辿って探ろうとする。

 そこに傷があってもなくても、わたしのところへ
 帰ってきていた紺色のハンカチを重ねようか。]

(126) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時頃

【人】 夜笑国 メイ


  ……よかった。

[こうしてちゃんと話せたのは、
 お菓子パーティー>>+0以来かな。

 持ち寄ったお菓子を並べて、どんな話をしたんだっけ。
 趣味以外の話>>0:713
 あの時みたいに知らない仲じゃない。
 明るい我らが看板娘の声があれば、
 また違った話もできたのかもしれないけど。

 すごく離れていた気がするのに、
 あの世界でもたった2日、ここではもっと少ない。
 わたしが零す言葉はどっちに向けられていたんだろう。]

(127) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時頃

【人】 夜笑国 メイ


  よかったよ。

[じゃあ、どっちもにしよう。
 わたしはもう一度同じ言葉を繰り返した。

 それ以上は引き留めたりしない。
 ひとみちゃん>>24が長く一人でいられないことは
 分かっているつもりだから。]

  また学校でね。

[わたしはひとみちゃんの背中を見送る。
 その光景が、見慣れた日々と重なった。]*

(128) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時頃

【人】 夜笑国 メイ

[一緒に帰ってきたからかな。
 わたしが来てから乃絵ちゃんが目覚めるまで、
 そう時間はかからなかったと思う。
 待合室の時計がそれを教えてくれた。
 乃絵ちゃんのお母さんの姿はない。
 家族だから、一足早く側にいけたんだろう。

 みんなも朗報に集っていたかもしれない。
 少なくとも鳩羽くん>>11はたぶんその一人。
 さっきまで別の場所にいたんだろう。
 わたしも人気の少ない場所でぼーっとしていたから、
 わたしたちの再会はたぶんこの瞬間だ。]

(129) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時半頃

【人】 夜笑国 メイ


  ……うん。

[困ったな。
 明日≠フない一日は終わったから、今のわたしには
 もう、背に手を当ててくれる相棒>>5:71がいないのに。
 いつもみたいに笑ったつもりなんだけど、
 眉だけが乗り遅れて眉尻を落としちゃった。
 右手の人差し指で下がった皮膚を押し上げる。
 指先の触れた場所だけ熱かった。]

  どうしたの、それ。

[眦への絆創膏チャレンジは成功していたかな>>5:212
 傷を示すついでに、わたしは片眉の救出に成功した。
 ぐりぐりと温かい指を押しつけたまま、
 わたしは丈ぴったりのダッフルコート>>5:+53を見る。]

(130) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時半頃

【人】 夜笑国 メイ

[持ち帰れなかったこと気になってたから、
 置いてきぼりにしてなくてよかったなって。
 これで誰も寒くない。隣同士、顔のない人形を思う。]

  ありがとね、鳩羽くん。

[傷の理由を聞けた後かな。わたしはそれだけ告げた。
 何にとかそういうことじゃないから、それだけ。

 鳩羽くんの前にしては口数の少ないわたしだけど、
 作り物じゃない顔でニッて笑うから、
 今はそれで許してほしいな。]*

(131) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時半頃

夜笑国 メイは、メモを貼った。

Pumpkin 2021/06/17(Thu) 07時半頃


【人】 夜笑国 メイ

— 明日を知る今日:病院で —

[わたしの沈黙に鳩羽くん>>132は不思議そうな顔をする。
 当然だ。わたしは困り眉の世話を焼きつつ目を細める。

 わたしは黒板の言葉>>4:497の意味を知らないし、
 意味を共有した親友と交わした思い>>5:+38
 本気に傾きかけた冗談>>3:+42も知らない。

 鳩羽くんが運命に向き合ったこと>>5:+59も、
 たった一度だけ見た泣き顔>>5:+168のその先に
 ふつうの言葉で特別を伝えられたことも>>5:+143

 昨日の8:50≠ゥらほんの少しの空白を
 勿論、わたしが、知るはずなんて、ない。

 これまでもそうだった>>0:240
 クラスメイトとの関わりなんてそんなもの。
 普通でしょ。悪いことなんかじゃない。]

(218) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 17時頃

【人】 夜笑国 メイ

[だから、]

  さみしかったよ。

[また逢えた今日>>12くらい、
 ちゃんと気持ちを言葉にしようと思った。
 伝われば、傾げた首も元に戻せるでしょう。

 我の強い月だからひとりでも輝けるけど、
 やっぱり、お日様が見えないと長くは保たないんだよ。
 ……ってね。

 わたしの世界は音楽とそれ以外。
 こんなことを言う日が来るなんて思ってなかったよ。
 乃絵ちゃんが作った世界で、わたしも変わったんだ。

 弱くなったなぁって呟いた。
 でもいつかそう思った時>>4:501よりヤじゃないから、
 わたしの表情は曇らない。]

(219) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 17時頃

【人】 夜笑国 メイ

[ニセモノの名残なんだって鳩羽くん>>134が言う。
 わたしはニセモノを知っていたから、
 一瞬ハッとした顔をした。

 刃で彫られたあんまり上手くない赤い笑顔>>4:496
 抜け殻みたいだって思った>>5:63傷の一端。
 眦の見えない切り傷は涙みたいだなって思ったけど、
 ホンモノの顔がわたしの先にあるから。
 生きて、いるから。

 もしありがとうに理由をつけるとするなら、
 そんなところかな。
 わたしもよく分かってないから言葉にできなくて、
 鳩羽くん>>135のなんではそのままになっちゃうけど。]

  なんでも。

       ホンモノ
[ニッて笑う顔が同じだから、それでいーやって思った。]

(220) Pumpkin 2021/06/17(Thu) 17時頃

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