14 冷たい校舎村10
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
ナツミに7人が投票した。
リッキィに1人が投票した。
ナツミは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
リッキィが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、こころ、マナ、ヘイタロウ、ワカナ、ユンカー、ハルミチの6名。
キーンコーンカーンコーン…………
(#0) 2021/11/11(Thu) 00時頃
──午前8時50分。
三度目のチャイムが鳴る。
この校舎で迎える二度目の午前8時50分だ。
窓の外、雪の止む気配は一向になく、
それは当然ともいえるだろう。
日付を示す表示はすべて昨日から変わっていない。
これは新たな今日のはじまり。
ここにいる限り、君達は明日へは進めない。
それでも、おはよう。冷たい校舎に朝が来たよ。
(#1) 2021/11/11(Thu) 00時頃
けれどチャイムが響く頃、
変わったことが一つ、二つ。
そこに新たな人形を残して、
夏見七星と平塚莉希が見当たらない。
(#2) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
── 回想・夜 ──
缶詰。 あはー、ひもじすぎて似合わないー ひもじいヘータローが切ないから、 明日はなにか作ったげるー魚料理ねー
[ 魚……食堂にありました?>>388
炭水化物をむさぼるわたしに、 ヘータローの指摘はなかなかに刺さる。 それでもめげずに焼きそばを口に運んだ。
実のところ、わたしに料理の習慣はなく、 明日作るつもりでいるのも、 食事というよりおやつなのだけれど、 やればできるだろう、とわたしは大口をたたく。]
(0) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[ 結果、軽口が飛んできた。>>390 チョークを手にしたまま、 わたしは声の主を振り返って言う。]
今年のバレンタインは、 手作りにしようと思ってたよー 喜んでくれたと思うなあ。 実現してたら、ねー
[ 去年は市販のチョコレートで済ませたけど、 みんながおいしいって言ってくれたから。]
(1) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[ えへへ。とわたしは笑う。 もう存在しない未来の話をして。
悲劇的な何かがそこにあったわけでも、 喧嘩別れをしたわけでもない、 ただ、その道を選んだだけだから。
悔いはなかった。 ……じゃあ、ここにあるのはなんだろう。]
(2) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[ 罅の入るちいさな音がして、 チョークの先が少しだけ欠けた。*]
(3) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[ ──それから、]
平気ー わたし、どこでも寝れるからー
[ 結局、女子は保健室を使えたんだっけ?
だとすればわたしはそう言って、 簡易なベンチに横になっただろう。 暗幕でばさりと体を覆って。
文化祭クッキングチャレンジ杯。 挑戦者がいるなら一緒にやろうよ。>>386 それじゃあ朝ごはんじゃなくって、 お昼間にしようかってわたしは笑った。]
(4) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[ 足元には明日の着替えを。 畳んで置いた布と布の間に、 わたしはポケットに入れていた卵を、 そうっとくるんで忍ばせていた。]
(5) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[ まだ孵らない。
なにかを訴えかける卵。 それを拾ってはじめに考えたのは、 いつか孵るのだろうかということだった。 この手で大切にあたためていれば。いつか。*]
(6) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
── 夜・3-1教室 ──
[動き回るにも荷物になるので 増えた暗幕を抱えて教室に戻れば。]
おー。食いもんこんなにあったんだ。 ありがとな幣太郎。
[一仕事終えた幣太郎と。 ジャージに着替えた古香や夏見もいただろうか。 黒板前の教卓の上へ、どさっと暗幕を置き。 ついでに書き加えられた文字らを一瞥してから>>2:281
『↓暗幕は自由に使用可』
と、短い一文を追加しておく。]
(7) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[そうして段ボールの中から、 手に取ったのはフランクフルトとクレープ。]
毛布代わりに集めてきた暗幕、 好きに使っていーからな。
他のやつらは、まだ戻ってきてねぇ、か。
[演劇部の倉庫を漁るなら、 平塚には一応断った方がいいだろう。 適当な机に腰かけて行儀悪く食事をしつつ考える。]
(8) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[もう夜も更けてきたし、今から探しに出ても 行き違いになる可能性の方が高そうなので。 とりあえず待てばいいかと、焼きそばにも手を伸ばし。 腹ごしらえを済ませてしまおう。
保健室は女子が使うようだし、 拘りもないから今夜の寝床は教室でいいだろう。
満腹になれば自ずと欠伸がこぼれ出て。 暗幕にくるまり気づけば教室の隅で寝落ちていた。**]
(9) 2021/11/11(Thu) 00時頃
|
|
[どうせ死ぬのなら、最後に星空がみたかった]
(10) 2021/11/11(Thu) 00時半頃
|
|
[望月高校の屋上は、 絶好の星空観察スポットだ。
普段はここに至るまでにもうちょっとまっとうな手段を使うけれど、 今回はさすがに忍び込んだ。
そもそも家だってこっそり脱け出した。 上階にある自分の部屋の窓から脱け出したのだ。 机の上に手紙だけを残して]
(11) 2021/11/11(Thu) 00時半頃
|
|
『 でかけてきます。さがさないでください。 依緒の誕生日、いっしょにおいわいできなくてごめんね。 』
(12) 2021/11/11(Thu) 00時半頃
|
|
[矛盾をはらんでいる。 何も残さなければ見つかる時間が遅くなるかもしれないのに。 こんなことをわざわざして。
それから屋上の縁に立って、 すでに書き上げていたメール>>1:1を一斉送信した。 文化祭をともに作り上げたみんなへ]
…………あっ。
どうせ最後なんだし、 あんな綺麗な文章じゃなくてもよかったかなあ……。
[そうだ、もう何も隠す必要がないんだから、 今まで己がどれだけ…… どれだけ自らのココロのおかしさを隠して生きてきたか、 それだって、もう、いいよね、隠さないで。 でも今から書き出したら、長い手紙になってしまう]
(13) 2021/11/11(Thu) 00時半頃
|
|
やっぱナシでいい、かな。
[それが身を投げる前の最後の言葉だった。 心残りならあって、それは、 和歌奈がいなくなった後のみんなを見られないことだった。 一番壊れてしまいそうで、 一番壊したくない面々。 和歌奈は死後の世界とか幽霊には懐疑的だった。 というか、なりたくはなかった]
(14) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[……ともあれ、彼女自身の予想よりは早く和歌奈は見つかって、 今は手術室にぶちこまれている。 飯尾先生がそれを、早めに連絡したかどうかまでは和歌奈には不明である。
――現実のまんじりともしない時を置き去って、 冷たい校舎には二度目の朝が来る]
(15) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[エレベーターは問題なく稼働しているが、 1Fから屋上までとは別に、もうひとつ回数表示が増えている。 猫みたいなマークが書かれている。 そのボタンを押せば、ちょっとした浮遊感の後、 箱は文化祭の日の喫茶店へとみんなを連れていくだろう。
校舎に卵が落ちているのは相変わらずだけど、 いつの間にか中身が増えている。 割ってみれば出てくるのは猫耳の片方だ。もちろん本物ではない。 文化祭の衣装の猫耳カチューシャをほうふつとさせるもの、 ぬいぐるみっぽい材質をしたもの――種類は様々である*]
(16) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
―― 前日・夜が過ぎていく ――
[それからしばらく後、 墨鳥曰くケチャップ塗れのマネキンが安置されているのを、 隣の教室で見た。 ああ、確かにいろんなところに日食虎次郎っぽい特徴を残している。
教室に戻って、天文部の展示会場から持ってきた暗幕をばさっと落として、 黒板に書かれていた記述>>2:281を読んだ。そうして動いた。 そういうことかー……、って呟きながら、 でも、取り乱したりするような気持ちは起きなかった。 これがモノだとちゃんと分かっているから。
生きている人間がかえる代わりに、 壊れた人形が残ったのかな。 だから墨鳥雄火でさえも普通にしていたのか。 ただ、和歌奈は和歌奈でこの世界をつくった誰かさんが、 優しいのか意地悪なのか、よく分からなくなってきた]
(17) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ 朝。ぱちりと目を覚ます。 目覚めはいいほうであるわたしが、 ここから動きたくないなあと思うこと。 わたしは毎年、まずそのことに冬を感じる。]
(18) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ 冬の朝だった。 しぶしぶベッドから抜け出して、 わたしはクローゼットの扉を開く。
そのとき視界に入ったのだ。 昨日までは気にならなかったのに。 クリーニングに出したあと、 丁寧に畳んでおいたマフラー。 わたしのために、きみが選んだ。
クリスマスにはじまって、 誕生日の前に終わったから、 唯一のいかにも≠ネ贈り物。
わたしは冬に立っていた。]
(19) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ 笑って終わらせられると思っていたのに。]
(20) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[でも、人間って、たいがい、 卵にも似たココロの中に色々抱えてるよね? どうしようもない矛盾だったりとか……]
(21) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ クリスマスの装飾にあふれた町で、 きみがそわそわとした様子でお店に入って、 誰かに似合う色のマフラーを真剣に選ぶ。
そんなところまで想像して、 涙があふれて止まらないのだ。
耐えられない。 きみがこの先、わたしじゃない誰かに向けて、 照れたように片側の口角だけで笑ったり、 強がった口ぶりで少しだけ鼻をひくひく動かすのが。]
(22) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ 耐えられない。こころが痛いの。 誰の身にでも起こりうる喪失が、 こんなに痛みを伴うものだなんて知らなかった。]
(23) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ きみは、ふつうの男の子。 わたしもふつうの女の子。 こんなにもありふれた顛末で、 これほどにこころをかき乱されるなんて、 人間とは、なんと不自由な生き物なのだろう。]
(24) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ これ以上の痛みなんて想像がつかない。 これから先を生きていける気がしない。 またなにかを失うくらいなら、 わたし、その前に死んじゃいたかった。]
(25) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
── 現在・朝 ──
[ ──保健室に立っている。
学校があるなら間違いなく遅刻だった。 動きたくないなあという気持ちに従ったせいだ。
もしもこれが現実なら、走って走って、 1階に教室があるのをいいことに、 ローファーのまま窓から乗り込むところだ。
けど、スタート地点は保健室だし、 昨日のことを鮮明に思い出せる程度には、 わたしの目はもうぱっちり冴えている。]
(26) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
なっちん? りのきちー? ……みんな、早起きだねえ。
[ とぼけた声を上げて室内を見回しながら、 わたし、その瞬間を恐れていたのかもしれない。]
(27) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[ ……チャイムが鳴った。**]
(28) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
[そうして今の和歌奈の中には、 明日同じようなことが起こるのを気にする縮こまった気持ちと、 それでも明日が楽しみという気持ちが同居していた]
『委員長のごはん楽しみだなー。>>2:370 私は明日のお夕飯でも作ってみようかな!』
[そんなことを黒板に書きのこしたあたりでどっと疲れが出てきた、けど、 どうにかすっきりした状態で寝たくて、疲れた身体を引きずって動いた。 シャワーを浴びるまではちょっともたなかった。明日にしよう。 あ、ちゃんと保健室のベッドひとつ拝借しましたとも**]
(29) 2021/11/11(Thu) 01時頃
|
|
── 朝・食堂 ──
……あれ。平塚いねぇのか。
[起きたら目に入った黒板の文字が、 平塚ぽかったから。>>2:438 食堂に行けば会えるだろうときてみたけれど 夜に引き続きすれ違ってしまったらしい。]
(30) 2021/11/11(Thu) 01時半頃
|
|
[欠伸を噛み殺し、冬眠明けの熊のようにのそのそと。 床で寝たせいで少し痛い首をさすりながら テーブルの上を見れば用意されていた朝ごはん。 美味そうな匂いの誘惑に抗えず、座って手を合わせた。]
……いただきます。
[トーストを口に放り込んで咀嚼するうち、 だんだん脳も起きて頭がはっきりしてきた気がする。 こんなちゃんとした朝食を摂ったのはいつぶりだろう。 なんて、呑気に手を伸ばした先には春雨スープ。]
うま……こんだけ料理作れるのすげぇな。
[会ったら礼を言わないと。 冷たい校舎の中、新たな人形にはまだ気づかないまま。]
(31) 2021/11/11(Thu) 01時半頃
|
|
[そして程無く、 午前8時50分を告げるチャイムが鳴った。>>#0 **]
(32) 2021/11/11(Thu) 01時半頃
|
|
ひもじいかぁ? 俺、高級グルメばっかり食うわけじゃないのよ。
[>>0反論してみたが、まあ、言わんとすることはわかる。 金持ちである自覚はあるが、食生活は特に変哲もないものだ。
料理についての話が切り出されるなら、 俺は軽口を返してやって、潰えた古香さんのバレンタインのプランを知ることになる。]
(33) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
それは喜んでくれただろうな。 誠に残念なことで。
[笑みが返ってきたのなら、 こちらも社交辞令的に笑って受け取る。 実現しない未来の話。
好きな人がくれるものならなんだって嬉しい。 いつかの相談でそう言われたからというわけではないけど、 関係が続いていればきっと喜んでくれたのだろうと。]
(34) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[そうして、夜も更けていく校舎。 春満の集めてくれた暗幕をひとつ、 ありがたく借りて、教室の隅のほうを借りれば、 暖房のぬくもりを享受できるうちに眠りに落ちることになる。]
(35) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
— 朝・1F廊下 —
[朝の目覚めは若干早かった。 どう頑張ってもスッキリしない気持ちを少しでも整えようと、 購買でタオルや歯ブラシを買って、身支度を整える。
相変わらず校舎の外には出れそうにない。 出れる時を待つほかなく、やれることもない。
ああ、そういや、 料理ができる奴らが朝食や昼食を作ってくれるという話だっけ。 それはとてもありがたい。
そんなことを思って廊下をほっつき歩っていたところで、 8:50、チャイムの音が鳴った。*]
(36) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
— 回想:敗者の後日談 —
[季節が冬になる。 ユイとは会えていない。
いつも2人で歩いていた通学路を1人で歩きながら、 いろいろなことを思い返す。 どんな気持ちでずっと俺の隣にいたのだろうと。
考える時間だけはたっぷりある。 答え合わせは永遠にできない自己復習。
何度も繰り返し、同じことを考える——]
(37) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
あ、
[視線の端、道路を挟んで向かい側、 疎らな人影の中に、その姿を見た気がした。
ふとそちらを見て、回り込んで道路を渡る。 追いかけて、そして——いた。
ユイがいた。 婚約解消してからずっと、俺と会うのを拒否していたユイが、 私服姿で、どこかへ向かって歩いていくのが見えた。]
(38) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[追いかける。大きく距離を開けて、見つからないようにしながら。 どうしてかは自分でもよくわからなかった。 呼び止めたいのなら、そうすればよかったはずなのに、 ユイがどこに向かっているのかを知りたかった。
これはストーキングだろうか。 やめたほうがいい、と脳の奥で警鐘が鳴る。
それでも俺は追いかける。 先をゆくユイを追いかけて、バスに乗ったのを確認し、 躊躇ったけど、顔を隠しながら俺もバスに乗る。]
(39) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[そのまましばらく座席で揺られていた。 バスは進む。
いつかの日、2人で出かけた美術館を通り過ぎ、 遊園地前に来たところで、ユイはバスを降りた。
俺もそれに続くように降りる。 ユイにはまだ気付かれていない。
心臓が破裂しそうだった。]
(40) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[遊園地。 少し考えれば分かったのだ。 ここへ1人で来る用事なんて、ユイが持っているはずがないと。
遊園地の入り口、待ち合わせスポットのマスコット像へ向かって、 ユイが駆け出していくのを見た。
俺は、人混みに紛れて、 その様子をずっと見ていた。
これ以上、見てはいけないと。 本能がそう訴えかけてくるのを無視して。]
(41) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[ユイは、笑顔を浮かべた。]
(42) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[ユイと待ち合わせていたのは、 婚約の解消を伝えに来た、あのライバル会社の若き社長で。
あの男を前にしてユイは、笑っていた。
そして。 その2人は一目見て分かるほど、仲睦まじい様子で、 手を組んで遊園地のゲートの奥に消えていった。]
(43) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[……俺が見たことのないユイの表情は、あの男に向けられていた。
それも、そうか。 あの男は、ユイを解放するために尽力してくれたヒーロー。 俺という悪者を退けた、彼女にとっての救世主。
ああ、そういうことか。 ユイにとって、俺は邪魔なだけの悪役で。
そして、もう決着が着いた後。 忘れ去られるだけの、ただの情けない敗者でしかないのだ。]
(44) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[>>1:188——こいつ、あんまり笑わないんだけどさ。 気にしないでくれよな。こういう奴だから。]
(45) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[何が「こういう奴だから」だよ。死ね。]
(46) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
[冬の夕方、 遊園地に向かうカップルたちの流れに逆らって、 ひとり、敗者は歩き去るのみで。**]
(47) 2021/11/11(Thu) 04時半頃
|
|
─ 回想:1日目夜/莉希 ──
君から見た私が、 強く見えているのなら嬉しい。
そうだな。 私は周囲の人間に恵まれているし。 莉希の事も、そのうちの一人だと思っている。
(48) 2021/11/11(Thu) 09時半頃
|
|
バリアフリー。 提案してくれてありがとう。
[ 笑顔で頭を撫でようとしたけれど。>>2:431 片手が繋がっているので叶わない。 む。と表情を一転、不服そうに呻いてから。 ]
(49) 2021/11/11(Thu) 09時半頃
|
|
私の事? ふふ。莉希は頼りになるぞ。 しかし聞いても面白い事はないと思うが。 うん。そうだな …… 気が向いたら。
[ まるでいつかを彷彿させるような、 会話の運びだった。>>1:101 君の引っ掛かりを知れば、驚いたかも知れない。
そうだな。私はメールは苦手だが。 命を断つ理由ならば常に隣に置いていたから。 犯人である可能性は否定しきれない。 ]
(50) 2021/11/11(Thu) 09時半頃
|
|
[ 私はこの世界に不必要な人間だと思うんだ。
─── きっと優しい人達は否定するだろうから。 いつだって、言葉を噤む事しか選べないまま。 ]
(51) 2021/11/11(Thu) 09時半頃
|
|
[ 二人で知恵を合わせた脱出ゲーム。 結果は1]
1,成功 2,失敗
射的や輪投げはどうだっただろう。 莉希の欲しい景品を教えてもらえれば、 任せてほしい。 実際に飛ぶ方向はさておいて、 真梛は張り切って狙いをつける。 プラネタリウムの星々は、 空を模した群青によく映えて。 素晴らしいなと、意図せずとも感嘆の声が零れた。 ]
(52) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
[ 回り始めたのが遅い時刻だった事もあり。 2階の端に辿り着いたあたりで時間切れ。 1階に戻ろうという話になれば、 その帰りのエレベーターで。 ]
その、莉希。君が良ければ何だが …… まだ明日もこの時間が続いていたのなら、 3階の催しも一緒に回ってくれないだろうか?
[ 得体の知れない状況下。 流石に呑気が過ぎるかもしれない。 見上げながら問う声は、少々不安そうに揺れて。
最も。君が頷いてくれてもくれなくても。 そんな時間は訪れないのだけど。 私も、おそらく君も、それを知らないから。 ]
(53) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
[ 寝床を準備してくれた事に、感謝すれば。 保健室の一室を借りて。 小さく寝息を立てたその翌日。
鳥の囀りも届かない止まった時間。 目を覚ます頃には、君はいなかった。 ]
(54) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
── 現軸 ──
[ 車椅子を走らせる。 2階はすでに回ったし、3階はこれからだ。 だからそれ以外なのではないかと。 ろくに根拠なんてないままに。
途中で呼吸を整えようと息を吸い込めば 水分を含んだ、冬を示す清涼な空気が肺を満たす。 その中に、錆びた鉄のような臭いが混ざり込んだ。
─── 体育館。 ]
(55) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
[ 舞台を飾る大道具より何よりも。 最初に目に入ったのは、 黒く長く揺蕩う髪で。>>2:451
一瞬。あそこで死んでいるのは、私かと思った。
直ぐに違うと気付いたのなら。 ステージへと近寄って、 文化祭で見たのと同じスポットライト。 しかし照らされる演者は、 動かないし、台詞を諳んじる事もない。
虎次郎の件を誰かから聞いていたのなら。 マネキンである事にはそれほど驚かず。 ]
(56) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
[ …… ただ、苦しそうに見えたから。 吊るされた身体。 何とか降ろそうと試みたけれど。
真梛ではステージに上がれない。 たった1m程の高さが、届かない。
結局無力な身には、 血に濡れた身体を清めるどころか 近付くことすらできなかったけれど。 ]
(57) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
なぁ、莉希。 今度はちゃんと君だとわかったぞ。
[ 漆黒で覆われたその奥には、 明るく柔い綺麗な色が輝いていると。
信じて疑わない声。 吐き出だせばくるり、車椅子の向きを変えた。 ]
(58) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
[ 体育館に莉希がいる。 降ろしてあげてほしい。
途中で誰かに会えば、口頭で。 そうでなければ3−1の黒板に書き込んだ後。 真梛は一人でエレベーターへと乗り込み、 3階へと向かう。
続きをしようと思った。 文化祭の続きを、昨日の続きを。 気付けばエレベーターのランプが一つ増えており。 つまりもふもふだな?と眦を下げて。 ]
(59) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
[ そうして全部の階を回り終えて。 屋上だけが残った時。 止めてくれる君がいなくなってしまった今>>2:105
さて、私は ───。 ]**
(60) 2021/11/11(Thu) 10時頃
|
|
── 回想・夜 ── ──うん、残念。 バレンタインもクリスマスも、 なーんにも関係なくなっちゃった。 でも、もし現実のわたしが、 失踪? してるなら、 心配させなくて済んだ、ともいえるねえ。 [ たとえば、わたしが死にかけていても、 肉体や精神がなんらかの形で、 失踪≠オている状態だったとしても、 きみにすぐ知らされることもないだろう。 そのことを好ましく思った。 夜に軽口を叩きあいながら。>>34]
(61) 2021/11/11(Thu) 16時頃
|
|
……ヘータローは、 心配かけちゃうねえ、許嫁ちゃんに。 泣かれちゃってるかもよー? クリスマスは盛大にやらなきゃ。 [ わたしはチョークを手放し、 軽く払えばまた割り箸を取った。 別に、このまま修学旅行の夜のように、 コイバナで夜を明かしてもわたしよかった。 けれど、おそらくそうはならず、 わたしは保健室のベンチに体を横たえる。**]
(62) 2021/11/11(Thu) 16時頃
|
|
そうか、もうこんな時間なんだな。
[動くのは明日にしたほうが良いのでは>>2:382と突っ込まれて時計を見れば、既に夜更け。]
学校って、こんな時間までいるイメージねーからさ。 なんか、まだ早い時間な気がすんだよね。
(63) 2021/11/11(Thu) 19時頃
|
|
── 夜から朝へ ──
こっちのほうが良いんだよ。おめーも試してみる?
[と言って運んできたのは体育倉庫に入っていたマット。 高飛び用の、クソでけーマット。]
一度やってみたかったんだよな。
[ひいこら言いながら渡り廊下を引きずってきたそいつに飛び乗る。 ずっと、こいつで寝てみたいと思っていた。 ここまで来たら、とことんやってやる。]
(64) 2021/11/11(Thu) 19時半頃
|
|
[柔らかすぎるマットに首を寝違え、それでもそれをこれは良いネタができたとでも言うように嬉しそうに報告する。 それと同時に、朝食がてらいくらか昨日の状況も把握した。]
んだよ、みんな拾ってたのかよ。 てっきり、触っちゃいけねぇやつかと思ったわ。
[食事を終え、手洗い場に立ちながらそんな話を。 昨日からずっと気になっていたその卵。 興味を持ってすっと手に取ってみる。]
(65) 2021/11/11(Thu) 19時半頃
|
|
[ああ、しまった。後悔した時にはもう遅い。
手をちゃんと拭かないまま、がさつに手に取ったのが良くなかったのか。 バスケで鍛えたホールド能力が発揮されることもなく、水につるりと滑った卵は、そのまま床へと真っ逆さまに。]
あああああああああああああああああああ!!!
[殻が割れる音と同時に、オレは過去一叫んだ。]
(66) 2021/11/11(Thu) 19時半頃
|
|
は?
[割れた卵。 そこから本来あるはずの卵黄が零れ出すことはない。 代わりに出てきたのは。]
見ろよ。
[手作り風の、ちょっとだけ下手な猫耳。 これは一体どういうことだろう、とそこにいた面々を見つめるのだった。
(67) 2021/11/11(Thu) 19時半頃
|
|
なんだか、卵の中にあの日の教室が入ってたみてぇじゃね。
[そんな事を呟いた時、聞き慣れたチャイムが鳴った。*]
(68) 2021/11/11(Thu) 19時半頃
|
―― げんじつせかい ――
[ コンコン。
ノックの音が聞こえて、あたしははっと顔を上げた ]
ふあっ!?
[ あたしの声は返事になってなかったし、
なんなら返事じゃなかったんだけど、
ドアを開けてお母さんが入ってくる ]
「寝てたの?」
[ お母さんはあきれ顔。
手にはトレイを持ってて、そのトレイには、
レンチンの焼きおにぎりが2つと
具沢山のお味噌汁が載ってる。
お母さん、よく夜食を持ってきてくれるんだよね。
あたしが真相を知った日以降、特に。
あたしが何かやらかさないか、きっと心配なんだと思う ]
[ あたしはというと、机の上に参考書とノートを広げて
寝てた。寝てた……んだ。
なーんだ、夢かあ。
夢……だった? ]
「七星?」
[ お母さんが怪訝そうな声であたしを呼んだ。
トレイを机の端に置いて、
あたしに手を伸ばしてくる ]
「首、どうしたの?痣になってる」
…………え。
[ お母さんの手があたしの首に触れた。
ポーチから手鏡を出して確かめてみれば ]
うわっ。
[ 怖いんだけど!
指で首絞められたみたいな痣ができてるんだけど!
あれはただの夢なのに!
そうでしょ?
だって、ただの夢じゃなかったら、それって ]
[ ぴこーん。
聞き慣れた音がしたのは、その時だった。
スマホのメッセージ受信音だ。
条件反射みたいにあたしは確認しちゃう。
送信者は……日食君?
こんな時間に珍しいな。
日食君といえば猫だけど、
こんな時間に猫写真を撮ったわけでもなかろうに。
そんなことを考えながら、メッセージを開けば ]
今、病院に着いた……?
[ 病院?なんで病院?
よくよく見れば、グルチャに送られた
日食君のメッセージは、それだけじゃなかった。
あたしは瞬きを忘れて、
ついでに目の前にいるお母さんのことも忘れて、
慌ててメッセージをさかのぼる ]
[ 病院って不穏な単語に、お母さんが首を傾げて、
話の途中だっていうのに口を挟まずに待ってくれてるの、
気づく余裕は今のあたしにはなくて ]
『帰ってきた。病院行く』
『今家を出る』
[ 帰ってきた?帰ってきたって、どこから?
日食君のメッセージは要領を得ない。
イラっとしそうになったけど、
他にもメールが届いてることに気づいた。
飯尾先生?と、和歌奈ちゃん?
グルチャにメッセージじゃなくて、メール。
首を傾げながらあたしはまず
和歌奈ちゃんからのメールを開いて ]
[ 血の気が一気に引いた。
和歌奈ちゃんから送られてきたメールは、
あの校舎で読んだ遺書だった ]
お母さん、
[ がくがくと体が震えて、
あたしは忘れてたお母さんのことを都合よく思い出した。
片手にスマホを持ったまま、もう片方の手で、
お母さんの腕をつかむ ]
お母さん、どうしよう。
和歌奈ちゃん、和歌奈ちゃんが、死んじゃう。
「七星。七星、落ち着きなさい」
[ 空いてる方の手で、お母さんが背中をさすってくれる。
でもあたしは落ち着けない。落ち着けるわけない。
どうしよう。止めなきゃ。行かなきゃ。でもどこに?
……病院!
そうだ、病院って、さっき読んだ! ]
……病院!日食君、着いたって……。
[ どこの病院かは書いてなかった。
っていうか日食君はどうして知ってるの?
誰から聞いて……あ。
先生からのメール!
あたしは慌てて先生からのメールを開く ]
……お母さん。
[ メールを読み終わって、あたしはお母さんに向き直った ]
友達が、病院に運ばれたの。
あたし、行きたい。
[ 先生からのメールには、
和歌奈ちゃんが望高の屋上から飛び降りて、
望月病院に運ばれたって書いてあった ]
行かなかったら、あたし多分一生後悔する。
夜食は、持ってく。
[ あたしは、なんていうか、ぐちゃぐちゃだ。
認める。あたしにはそういう部分がある。
多分あたしの言動で、お母さんはあたしの友達が
病院に運ばれた理由を察したと思う。
ぐちゃぐちゃなあたしを、自殺を図ったであろう友達に
関わらせたくないと思う。
でも、行かなきゃ。絶対行かなきゃ ]
……あのね、あたし、夢の中でひめちゃんに会ったの。
[ ひめちゃん。
その言葉に、お母さんの肩が震えたのがわかった。
だけど構わずあたしは言葉を続ける ]
ひめちゃんに死んでって言われたけど、断った。
あたしは生きたいって。
ちゃんと言って、ちゃんと決別できたよ。
だから……あたしは、大丈夫だから。
[ 実際のところ、そんな簡単な話じゃないと思う。
今でもあたしのどこかはやっぱりぐちゃぐちゃだし、
カウンセリングとか、多分そういうの、
あたしには必要なんだと思う。
だけど、今は。今だけは。
大丈夫だから行かせてほしい ]
[ お母さんは大きなため息をついた ]
「食い意地が張ってる間は大丈夫そうね。
お味噌汁はスープポットに入れていけばいいでしょ。
お父さんに車を出してもらいなさい」
[ お母さんの言葉に、あたしは目を見開いて、
それから抱き着いた ]
うん、ありがと。
……あのね、あたし、お母さんのこと、大好きだからね。
お父さんのことも。
[ コートを着て、マフラーを巻いた。
首が隠れるように、しっかり。
玄関のドアを開ければ、そこは雪景色じゃなくて、
だけど冷たい空気がほっぺたを冷やす。
お父さんは、もう車のエンジンを掛けてくれてた。
乗り込んでシートベルトを締めて、
そしてあたしはグルチャにメッセージを送る ]
『ただいま!夏見、帰還しました!
今から病院へ向かいます!』**
|
[ ─── あの時見つけてくれたのは、君達だった。 ]
(69) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
[ 3階。回れなかった文化祭巡りは続いて。 できるだけ時間を空けないように 真梛は展示品を眺めたり、 脚を使わない遊戯に興じる。
それでも全ての教室を回り終えて ふ、と隙間ができてしまうようならば。 ポケットからスマホを取り出して、 益体もないことを考えてしまうだろう。
もし君が、君が本当に飛んでいってしまったら。>>1:1
私は悲しいと瞳を曇らせるのか。 それとも羨ましいと嫉妬するのだろうか。
とはいえそれほど強い感情ではない。 できないのだから。>>2:72 届かないのだから仕方ないと、鎮めてしまう程度。 ]
(70) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
[ でもほら、見てほしい。 タッチパネルに刻まれた「屋上」の文字を。
今の私は、人差し指1本伸ばすだけで。 あのひたすらに青い空に、手が届く。>>1:262
浮遊感の後耳に届いた、到着を知らせる音。 車椅子のモーターが、鈍い音を響かせれば。 私がいなくなった後の世界を想う。 澄んだ音色が世界を満たす>>1:261
そんな瞬間に、堪らなく焦がれた。 ]
(71) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
―― 朝の校舎 ――
[ところで。 昨夜の和歌奈は夕飯も食べないまま眠ってしまったわけだが、 そういうことはたまにあった。 時間も忘れて星空を観測し、 あったかい家に戻ると疲れがどっと出てくるパターンがおなじみだったり。
だから、過剰な空腹で深夜に目が覚めることもなく、 目覚めれば、朝だった]
(72) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
七星 ………?
[ だが想いは、不意に溶けた。
屋上に辿り着く直前。 倒れていたのは七星───に似た、マネキン。 様子を伺いながら近づいて。
泣いているような笑っているような。 私は君の笑顔に甘やかされてばかりだったから。
私の知らない顔で笑う君。 しばらく呆然と視線を落とした後。
乱れた髪を手櫛で梳いて、 涙の痕跡に指先を這わせた。 ]
(73) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
[ こくりと喉を鳴らす。 出てきた声は、若干掠れていて。 ]
…… 文化祭を準備をしていた時。 君と路子に見つけてもらえて、 私はとても、嬉しかった。
あと、アイスもだ。 つい遠慮してしまったが。 君は優しいから、分けてくれて。 だけどありがとうと、言いそびれてしまった、
その ───
(74) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
ちゃんと、君自身に、言えるだろうか?
[ ここに君はいないだろうから。 ]
(75) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
[ 顔を上げる。 視界が変わった瞳に力を込めると。 絡む誘惑を振り切るように、屋上から背を向ける。
今は他に成さねばならない事がある。
そのままエレベーターに乗ると、 向かう先は1F。
莉希と七星がいる場所を、 望む人に届けよう。 ]**
(76) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
── 朝・校内 ──
[同じように黒板の書き込みを辿って 食堂まできたやつはいただろうか。
もし春雨スープのおかわりを見咎められたりしたなら 早い者勝ちじゃねぇの、と平らげて。 使った食器を洗い場へ片せば、食堂を後にした。]
(77) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
……昨日と変わんねぇな。
[今日も校内は、文化祭一色。 けれど、昨日ほど不気味だと思わない俺がいた。
一日経って、開き直ったのもあるが。 たぶん、この世界はメールの主が作り出したもので それは俺らの中の誰かなのだろうと 各々の話からおおよその仮説が立ったのもある。
もしかすると──それが俺である可能性だって ゼロではないということも。]
(78) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
[なんとなく、あちこちに転がる卵は避けながら 廊下をぶらぶらしつつ。 体育館の方からやってくる真梛を見つければ 片手を上げようか。>>59]
……はよ。 そっちの方には、なんかあったか?
[いつも通りの短い挨拶に返ってきた 平塚を降ろしてほしいという願いに、一瞬目を丸くして。 何故か、虎次郎のことがふと脳裏に過ぎった俺は わかった、と短く答えて体育館へ足を向けた。*]
(79) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
|
|
―― 朝の校舎 ――
[……朝の保健室だ。 しんしんと忍び寄る冷たさの中、 誰かさんの世界で一夜を明かしてしまったなあ、と胸中で呟いた。
いくつか空いたベッド>>2:397>>2:437があることには気付いたけれど、 深く気にすることはなく、 寝てる子を起こさないように、動く。 ……叩き起こして朝ごはんを作らせるというのもどうか、と思ったわけだ]
(80) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
── 回想:朝のチャイムの後 ──
やあ春満か。おはよう。 良い朝だな。 というのは不適切だろうか。
[ いつも通りの挨拶に。 真梛もいつも通りの笑顔を向ける。
だが後に付け足され流のは莉希の話題。>>79 非日常は隠せない。 ]
(81) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
[シャワー室を借りて温かいお湯を浴びて、 いつもの制服に着替え直して教室へと行く。 通学時間と朝食の時間を綺麗にショートカットできたから、 時間には余裕があった。 途中で購買>>2:348を経由して、 クリームパンをひとつ持っていっても十分おつりが来た。 ……いや、レジの傍に代金を置いていったから、 勝手にもっていったことにはならないはず]
平塚ちゃんが朝食係とな……。
[黒板に最近書き加えられたと思しき文>>2:438に気付いた時には、 すでにもむもむとクリームパンを食べ終えた頃。 タイミングはよろしくない。なんとも残念そうな顔をした]
(82) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
[その時だ、三度目のチャイムが鳴ったのは。>>#0]
(83) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
…… すまないな。 私ではステージに上がれなくて。
莉希に触る事もできなかった。
[ 春満は真梛の頼みに頷いてくれた。 君はそういう人だと、私は知っていた。
階段を使わなくても教室に行けるようになった。 スマホはまだ下手だけれど。 春満を煩わせるような事は、 あれ以来していないと思う。>>1:32 ]
(84) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
[ なのに ─── ]
…… 私はいつも、君に迷惑をかけてばかりだな。
[ 視線が交わらぬのを良いことに。 体育館へ向かう背中に向けて。
眉を下げて、ふ、と息を吐く。 寂しげに笑んだ後。 ]
(85) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
私では手伝うだけ邪魔だろうし。 他の者にも知らせてこよう。
[ 莉希を頼むと、小さく言い残せば、 自身は反対方向、校舎へと引き返す。]**
(86) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
…………。
[最初にマネキンが見つかったのも八時五十分だった。 夜の。 じゃあこの朝は何が起こるのか。 ……良くないなあ、って呟きながら、教室を駆けだした。 宛てなんかないからしらみつぶしに回るしかない。
上の階を探すなら階段ではなくエレベーターを使うしかない。 ……扉の閉じた箱の前に立って、ふと気付く。 誰かが其処に行ったんだろうか、 「R」のランプが点灯してるし、 もうひとつ、猫のマークが増えている。>>16
和歌奈がボタンに手をかけるより先に、 エレベーターのランプは動いた。 途中で止まることなくまっすぐこの階まで]
(87) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
おー、……不知火ちゃんか。 …………ひょっとして、誰かを探してた? あるいは……マネキン、をさ。
[こんなすれ違い昨夜もあったような。>>76 とはいえあの時と違って不知火真梛はひとりきりだったし、 和歌奈の顔も曇っている。
やがて和歌奈は二つのマネキンの在処について知る。 ますます表情が曇る……というよりは思案気になる]
(88) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
今度はいっぺんにふたつかあ……。 わかった、私は夏見ちゃんのマネキンの方に行くから。
[マネキンってそんなに重くないよね。たぶん。 重かったらだいぶ引きずることになりそうだけど、 それでも、エレベーターに乗せることさえできれば、 なんとかなる、そう思いたかった]
ええと、なんていうか、お疲れ様。 まあここからは私に任せなってことで。
[うん、なんとかなりたい*]
(89) 2021/11/11(Thu) 22時頃
|
|
— 回想:夜 —
[>>61バレンタインもクリスマスも、なんにも関係なくなった、と。 そう語る古香さんの話を、缶詰を食べながら聞いていた。
>>62そうだね。俺にはまだ、その予定があるのだと、 みんなにはそう思われているんだろう。
婚約を解消されたことを話したくなかった。 情けなくて、惨めで、きっと知られたら耐えられない。 見栄というよりは、突かれたくない傷に対しての防御だった。
でも、もう疲れてきたな。]
(90) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
泣く奴なんて、いないよ。
[もしも俺が失踪していたとしても、の話。 小さい声で、少しだけ自嘲しながら呟いた。
そう、どちらにせよユイは泣かない。 婚約を解消された今も。 婚約で繋がっていた昔も。
恋話で夜を明かすのは、俺は勘弁願いたかった。 話の種がどこにもないから。
だから俺は保健室へ向かう古香さんを見送り、 教室の隅ですごすごと蹲る。*]
(91) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
和歌奈か。 君の顔を見れて嬉しい。
探していたわけではないが、 マネキンには心当たりがある。
[ エレベーターから降りた先。 既視感を抱き顔を上げれば、 そこにいたのはやはりクラスメイトで。
莉希と七星の件を伝える。 体育館へは春満が行ってくれたと添えたなら、 和歌奈から心強い言葉が帰ってきて。>>89 ]
(92) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
頼む。 七星がいない3−1は、私が寂しい。
[ しかしエレベーターに乗せるのはともかく。 降りた1階から教室に運ぶのは、 女子の細腕では難儀するだろう。 誰かに会えたなら、応援を頼もうと思う。
その誰≠ゥに、 自分が当てはまらないことは理解していたから。 ]
(93) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
和歌奈。ありがとう。
うん。君に、任せた。
[ そう言って浮かべる微笑みが。 自身の無力さを噛み締めるものにならぬよう 気をつけながら。 ]
なんだか君とは、すれ違ってばかりだ。
[ ふふ、小さく息を吐いたなら。 私は外、君は中へ。 そのままエレベーターが動くのを、見守った。 ]**
(94) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
— 朝 —
[朝の身支度を手洗い場の鏡で済ませていたら、 その最中に雄火がやってきた。>>65
朝食を作ってくれた人がいることを教えてもらいつつ、 昨日の情報交換をする。]
俺、何個か踏んで壊しちゃったんだよな、その卵。 中身は何も入ってなかったけど。
[昨日はそうだった。 何かを言おうとしていた卵を、気付かぬうちに踏み砕き。 少し気にかかっていたことではある。]
(95) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
[>>66雄火が卵を拾い上げてきたと思ったら、 少し間を置いて、ものすごい絶叫が轟いた。]
う、うるせっ……!
[ぼんやりしていた頭が起床する。 朝の目覚まし代わりになってしまった。]
ああ、落としたのか。 何も入ってなかったろ?
[卵を落としただけか、大袈裟だな、と、 鏡に向き直ろうと思ったら、雄火が卵から何かが出てきたと言う。>>67]
(96) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
猫耳……。
[の、片方。
文化祭の時、全員分作りたいと主張した平塚さんと激論を繰り広げて、 結局作らせてしまったのが懐かしい。 我らの予算が存分に注ぎ込まれて作られた、貴重な品である。]
なんだよ、すごいロマンチックなこと言うね。 ……誰かが卵に閉じ込めたのか? あの時の思い出を。
[>>68卵の中にあの日の教室が入っていたと、 そう表現されれば、そう思えてくるから不思議だ。 合っているのかどうかは、この校舎を作り上げた主のみが知るのだろうか。]
(97) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
[そうして雄火と別れて手洗い場を後にした時、 俺はチャイムの音を聞く。
チャイムの音で思い出すのは、 虎次郎が消えて、マネキンが増えた昨夜のこと。 まさか、と思うには十分だった。
心なしか早足で、廊下を進んでいく。*]
(98) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
|
今日は朝練、できそうにねーな。
[高校入学からほぼ欠かすことのなかったルーティーン。 今は、できそうにもない。]
同じところに、運んでやるか。ハル、悪ぃけど、手伝ってくんね?
(99) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
|
―― 望月病院 ――
[ お父さんは、車を病院の正面入口の前じゃなくて、
夜間入口の近くに停めてくれた。
あたしはありがとうってお礼を言って、
トートバッグを持って車を降りる。
お財布とかハンカチとか、
ラップに包んだ焼きおにぎりとか
お味噌汁の入ったスープポットとかが入ってる。
スマホはすぐに気づけるようにコートのポケットの中だ。
帰る時は迎えに来るから連絡しなさいって言う父に、
あたしはもう一回ありがとうを言った ]
日食君。
[ 夜間入口を入ってすぐ、
自販機コーナーに日食君がいた。
思わずあたし、大きな声を出しそうになって、
慌てて口をふさぐ。
いけないいけない。ここは夜の病院だ ]
[ メッセージは届いてたんだからさ、
無事なのはわかってた。
あたしだって、あの世界で死んだけど、
こうやって生きてるんだし。
だけどやっぱり無事な姿を見ると安心するね。
おかえりって言ってくれる日食君に、
あたしはうんって頷いた ]
日食君も。無事でよかった。
日食君、マネキンになってたんだよ。
あたしと路子ちゃんで運んであげたんだから。
感謝しろよな!
[ 血まみれになって云々はさすがに言わないけど、
恩はしっかり売る!
両手に花だったんだんだから!
意識はなかっただろうけど!
そしたら、ジュース奢ればいい?なんて
自販機の方を向こうとするから慌てた ]
なんでそーなるっ!
……そーだなあ。日食君といえば猫じゃん。
和歌奈ちゃんさ、きっとすぐ退院ってわけには
いかないよね。
きっと退屈するだろうからさ、
選りすぐりの猫写真、グルチャに流してよ。
あたしも見るし。
[ 小6のあの日、飛び降りようかって言ったあたしを
ひめちゃんは止めた。
飛び降りだと、あたしの生死を
コントロールできなかったからだ。
飛び降りだと死ぬってひめちゃんは考えたんだろう。
和歌奈ちゃんは、望高の屋上から飛び降りた ]
[ ……そーゆーことは今は考えない!!
和歌奈ちゃんは、ひとりじゃない。
ひとりじゃないから、大丈夫のはず。
みんなが一緒に連れて帰ってきてくれるはず。
なにしろあそこには、
「持ってる」路子ちゃんだっているんだし ]
[ あたしはあの世界を夢だったとは思ってないし、
日食君もそうみたいだった。
こうやって話が通じるのが何よりの証拠 ]
……さて。先生来てるんだよね?
和歌奈ちゃんのご家族とか。
挨拶してくるよ。
日食君はまだしばらくここにいるの?
なら、誰か来るかもしれないし、出迎えよろしく!
[ あたしはそう言って、病院の奥へと足を進めた ]*
|
─── 少し前、猫耳を発見した時に ───
閉じ込めて何がしてーのか。 けれど、ハッキリしたな。
[普通の人にとっちゃあ、ただの猫耳。 オレ達にとっちゃあ、思い出深い品。 こんなオカルトちっくな局面で、猫耳なんて不釣り合いなもんだしてくるんだから、間違いない。]
やっぱ、オレ達の中にいんだな。 この場所を作ったやつってのが。
[それが誰なのかは未だに分かんねーけど。]
(100) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
少し、ほっとした。
(101) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
[平塚さんのマネキンが体育館に。 夏見さんのマネキンが屋上の扉の前に。
——という情報を、不知火さんから聞いた。>>76]
(102) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
そっか、わかった。
[廊下でばったり出会って、一通り必要なことを聞いた後、 少し動揺しながらも、事態を飲み込んで返事を返す。
やはり彼女は行動力が高い。 文化祭準備期間の失踪事件を思い出す。 足が不自由だから歯痒いのだろう、なんて、 勝手な思い込みを押し付けてた自分の甘さを改めて実感する。
今回は、帰れなくなっていなくて良かった。 突如現れたエレベーターのおかげでもあるのだろうか。]
(103) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
屋上まで行ってくれたんだな。 ……なんというか、
[どうしてエレベーターが設置されたのだろう。 その理由を探すとやはり、不知火さんのためではないかという考えがよぎり、 もしかして彼女が——と、思ってしまえば、 言葉がどことなく濁ってしまう。]
探してくれて、ありがとう。
[感謝の言葉と、かつて勝手に心配したことへの罪悪感。 それらが混じったまま、教えられた場所に向かう。]
(104) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
[>>100雄火と話して確信を深めたけれど、 この世界の主がこの中にいるのなら、 それは不知火さんかもしれなくて。
そうじゃないとしたら、おそらく、 不知火さんにも自由に校舎を動き回って欲しかったと、 そう思う誰かが、いる……?]
(105) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
[手近なエレベーターに乗った。 俺は、学校の校舎を移動するなら階段で駆け上がったほうが早いと思っている。 両足が満足な者の、当たり前の思い上がり。
だから、待っている間はもどかしかった。 ランプを見上げれば、よくわからない猫のマークがついている。 ああ、俺たちの思い出にはどうにも猫の気配が濃い。
>>16エレベーターに乗れば、猫のようなボタンは気になるものの、 まず目指すのは不知火さんに教えてもらった屋上の場所。
やがて、音を立ててエレベーターは到着するだろう。 >>89そこに先客がいたかどうかは、扉が開くまでわからない。*]
(106) 2021/11/11(Thu) 23時頃
|
|
── 体育館に向かう前 ──
[平塚を降ろすのを請け負えば、 真梛に謝られ、軽く息を吐きだした。>>84]
……んな、謝ることかよ。 やりたくてもできないってことくらい見りゃわかる。
わかった、体育館だな。
[微かなひっかかりを感じながら 俺は車椅子の横を通り過ぎ。 体育館に向かって歩き出そうとした、のだけど。]
(107) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
|
|
[聞こえた声に、思わず足を止めた。>>85]
……はぁ?
[何言ってるんだ? 怪訝な顔を隠さずに振り返り。 まじまじと見た真梛の笑う顔はいつもと違っていて。 こいつもそういう顔もするんだな、なんて ここにきて新しい発見をした気分になりながら。]
そんな、今更なこと謝らなくても…… っていうか、いつもみたいにへらへら笑って、 礼言ってたのはどうしたんだ。
[口にしてようやくそれが、 さっきひっかかったことだと気づく。]
(108) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
|
|
迷惑とか、今更なんだよ。 何を反省してるのか知らないけど、 それ反省する方向を間違ってるんじゃね。
[あの時、教室の喧騒に紛れてしまい>>1:32 聞きとることが出来なかったから。 俺はその真梛の態度に眉を顰めて、再び背を向けた。]
(109) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
|
|
平塚は、虎次郎んとこ連れてくつもり。 みんなに知らせんのは……頼んだ。
[任せた、と言いかけて。 少しだけ言い方を変えてから。 校舎へ引き返す車椅子と別れようか。*]
(110) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
|
|
わかるわ……私だって寂しいし……、 それに、いくらマネキンとはいえ、 寒そうなところにひとりぼっちにしておくのはねえ。
[そう、いくらマネキンといえ、だ。>>93 ただ、和歌奈はあくまでだれそれのマネキン、と呼ぶけれど、 彼女はちゃんと名前で呼ぶ。 そういうところも優しいと思うなあ。
その微笑み>>94が心配で崩れないようになんとかしたい。 具体的には素早くやるべし――]
(111) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
|
わたし
[そう、平塚莉希が死んでも
ママは悲しまない。
天野莉希の死を、悲しむだけ。
だってそういう人なのだから。]
|
―― 屋上の扉の前 ――
[とはいえ、いざマネキンと向き合ってみれば、 思うところの一つや二つ、出てくるわけで]
ふふ、二人きりになれたね夏見ちゃん。
[ついでに二人きりならば、 意味ありげな笑みも隠さない。 とはいえ数秒も経てば引っ込めたが]
あのさ、ごめんね。 実は……夏見ちゃんがこの世界を作ったかもしれない、って、 私、ちょっと思ってたんだ。 ほんとにちょっとだけだよ。
(112) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
|
わたし
[ 平塚莉希は 貴女の どこにいますか? ]
[文化祭が終わって春が近づくにつれ、
どんどん憂鬱になっていった。
進学するにしたって、ママが納得するところに
しか行かせてくれない。
レッスンやオーディションだって再開する心算
だろう。
……また雁字搦めの生活に戻る?
ううん、この三年間だって、
糸は絡まったままだったよ。]
|
……進路の話をした時のことを思い出すとさあ、 ひょっとしてその可能性はゼロじゃないかも、 なんて思っちゃって。
[実はお互いに気持ちを隠してたとか、>>2:351 あの時夏見七星に対して的外れなことを言ってたとか。 もちろん知らない。 だから、いずれこの疑惑が杞憂であるかどうか確かめたかったけれど、 そうするべき相手は、どうやら、 この世界のどこにもいないらしい]
正直、今はほっとしてるよ。ちゃんと。
[ふと小声で漏らされた言葉の本当のところは、 どこまでも自分本位だ。 普通の日常に帰るという理由を盾にして、 夏見ちゃんのココロを引っ掻き回す機会も、 その誘惑につられる機会も、なくってよかった]
(113) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[やりたいけど、やりたくないことだ、こんなの。 こんなことをしても、私の「このメンバーで何がしたいか」が解決されると思えない。 墨鳥くんとの昨夜のやりとりでも、そっちを考えないでよかった。
誘惑に抗えるかどうかはまた別の話だけど。 我ながらため息のひとつも出るというもの]
(114) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[こどものような小さな指で首を絞められた痕をなぞる。 苦しめられながらも笑っている、>>2:429 その矛盾にまみれた顔を見つめる]
この世界をつくった誰かさん。 優しいのかそうでないのか、やっぱりわからない。
[自分の頭の中という卵にみんなを閉じ込めておきながら、 帰るための道を用意している……のかなあ]
(115) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
―― 帰還 ――
―――――っ!
[何かに弾かれるようにばちりと目が覚めた。
鼓動が早い。
呼吸が浅い。
嫌な汗だって流れている。
まるで悪夢を見た時のように。
息を落ち着かせながら沈んでいたベッドから身体を
起こした。
えぇと、私何してたんだっけ?
……そうだ。ママと電話して一方的に色々言われて、
しんどくなってベッドに身を投げたんだ。]
[窓の外はとっぷりとした闇に染まっていて、
冬の空気が星の光をより綺麗に瞬かせている。
思わず窓を開けた。
窓はすんなりと開いた。
雪は積もってはいなかった。]
……夢、だったのかな?
[夜空を見上げれば綺麗だなぁと思ったけど、
身体が冷えればママに怒られる、とやっぱり
すぐにからりと閉めた。]
|
── 体育館 ──
[舞台の上に並べられた、見覚えのある大道具。 そういやあの時、劇の宣伝もされたっけ。>>0:350 なんだかんだ着ぐるみで絡まれまくったせいで、 観に行くタイミングは逃してしまったけど。
運搬のお駄賃にもらった茶と菓子を食べながら、 どんな内容か聞いたりしたことを。 今更のように思い出しながら。
舞台の中央に吊るされた、黒髪の人形に眉を顰めた。 降ろしてほしいそれが平塚だと聞いていなかったら きっと俺はそれが誰だかすぐにわからなかっただろう。
舞台にあがって人形に手を伸ばす。>>2:451 ぽたり、と滴り落ちた錆くさい赤は、 それがまだ新しいことを示していた。]
(116) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[ああやっぱり。 そんな、どこか納得してる俺がいるのを自覚しながら。]
…………無事、帰れてるといいな。
[古香と夏見から仮説を聞いていなかったら、 実際血まみれの人形に出くわして こんな平静でいられなかっただろう。 糸を外していけば、がくん、と人形が傾いだ拍子に 黒髪だけが床に落ちて、いつもの髪色が現れて。
やっと見覚えのある平塚の面影を人形に見て 何故か少しホッとした。]
(117) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
[やることやらなきゃと思って時間を確認しようと
ベッドに投げ出されたままだったスマホを手に取る。
そこでいくつか通知が入っているのに気づいた。
それは日食君、それから飯尾先生、和歌奈さんの
順に表示されていて。
どうしたのかなって、一番上の日食君から目を
通した。]
病院? どこか怪我したのかな?
[もしかして送信先間違えた?なんて思ったけど、
次に飯尾先生のメールを開けば、その意味はすぐに
知れることとなる。]
……夢、じゃ、なかった?
あの世界は。
ホストは、和歌奈さんだったってこと?
[あの世界で見た同じ文面が、一言一句違わず
確かにここにある。
その画面を凝視していると、もう一件、通知が
入った。]
……行かなきゃ。
[七星さんも帰って来た?って思ったけど、
今はそんなこと気にしてる場合じゃない。]
『平塚莉希も帰還
病院、私も向かいます!』
[私もグルチャに返信を打って、部屋を飛び出した。]
|
— 回想:敗者の参列 —
[高校を卒業した後の、春に。 ユイと例の若社長が式を挙げるという報せが、我が家に届いた。
随分準備が早いなと思ったけど、 俺の知らない水面下で何もかもが進んでいたのだから、 何もおかしなことじゃない。
卒業後にすぐに結婚する予定だった、俺とユイの、 俺の部分が他人に入れ替わっただけ。]
(118) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[わざわざ俺の家に招待状を送ってくるとは、何の当て付けかと思った。 これも会社の付き合いの事情が全てであり、他の意味合いはないのだけど。
「ご出席」と「ご欠席」の欄があって、 欠席に印をつけたくてたまらなかったけど、 俺は個人として呼ばれたのではなく、会社の関係者なのだから、 面子のため、どう足掻いても出席せざるを得ないらしい。
俺は、この目でまざまざと見なくてはならない。 ユイが他の男と契りを交わす瞬間を。
こんなの、あまりにも残酷じゃないか。]
(119) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[泣き喚くこともできない。怒り狂うこともできない。 悔しさと情けなさに身を焦がしながら、 ただただ、俺は耐えるしかない。
でも。 それって、俺と婚約させられていたユイが、 長い長い間ずっとやってきたことだろう。
立場が逆になっただけだ。 甘えるなよ幣太郎。
彼女がずっと辛い気持ちを抱えていたことを、見向きもしなかったくせに。]
(120) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[俺はユイのことを何も知らなかった。 趣味も、特技も、好きなものも、嫌いなものも、 何も知らないまま、疑問に思うのをやめていた。
自分から「好きだ」と言ったのはいつだったか、覚えていない。 何も言わなくとも、向こうも同じ気持ちなのだと思い込んでいた。
幼い頃から勘違いを積み重ねていたことに気付かされ、 今となってはもう遅い。
惨めだな。惨めだ。 死にたくなるほど、惨めだよ。]
(121) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[失恋の傷と呼ぶには、あまりにも深く抉られていて、 今もなお血を溢し続けている気がする。
自分は、普通に人を好きになれる人間だと思っていた。 でもそうじゃなかったよ。 俺に人を好きになる資格などないと突きつけられた。
人を好きになっていたつもりが、 人を傷付けて、それに気付けない愚か者。
死ねよ、なあ、幣太郎。]
(122) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[——ああ、そうだ。]
(123) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
むむ……。
[和歌奈とそう身長の変わらないマネキンを、 脇の下に両手を通して立たせる。 和歌奈の力じゃどうしてもかかとが完全に床から浮かなくて、 ずるずると引きずり気味になってしまう。 その状態でエレベーターに向かって進んでいると、 軽快なチン、という音が到着を知らせる。>>106]
石頭くん! ちょうどいいところに! あのね、夏見ちゃんのマネキンを運ぶのを、 ちょーっと手伝ってほしいの。
[と、頼みながら視線をわざとらしくマネキンの足に向けた。 そっちを持ってほしいと言いたげだ**]
(124) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[ユイの結婚式、誓いの口付けの最中に。 首を掻っ切って死ねば、最高かもしれないな、って。*]
(125) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[さて、どうやって運ぼう。 ひとまず布でくるんだ方が床が汚れないだろうと、 適当に舞台に使われてた暗幕をひっぺがしていたら。
雄火も体育館にきたらしい。>>99 バスケ部だもんな、朝練が癖になってんのか。 ただし、もうチャイム鳴ったけど。]
ああ、これで包んで運ぼうと思ってたとこ。 二人で運んだ方が早そうだし、 じゃあ雄火は頭の方持ってくれ。
[暗幕を広げて、人形を包み。 運ぶ先で考えたのが同じだとわかれば、 少しだけ口元が緩んだ。]
(126) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
|
[そうして、平塚の人形を3-2教室へ移動する間。]
……こうやってマネキンになると、 この校舎から外に出れるらしいって話だけど。 雄火は、ここから出て帰りたいか?
[身長差がある分、多少身を屈めながら。 そんなことを聞いてみようか。**]
(127) 2021/11/12(Fri) 00時頃
|
[ 手術室に、人影が見えた。
手術中の赤いランプが灯ってるのも、見えた。
あたしはゆっくりと近づいて、頭を下げる ]
こんばんは。
[ 来たのか、と声を掛けてきたのは飯尾先生。
和歌奈ちゃんのお父さんは、
わざわざありがとうございます、って
子供のあたしに敬語で挨拶して、
頭まで下げられてしまって、あたしはちょっと慌てた。
和歌奈ちゃんのご家族には文化祭の日に会った。
覚えてる。
和歌奈ちゃんのご家族は他に誰か来てたかな。
皆さんお揃いだったかもしれないし、
もう夜も遅いから、お母さんと妹ちゃんは
お留守番だったかも ]
[ 和歌奈ちゃん、来たよ。って、
あたしは手術室の扉を見つめた。
この向こうに和歌奈ちゃんがいる ]
[ しばらくそうしてたけど、
先生が、ちょっと一服してきます、って
席を外そうとするのに、
あたしはついていくことにした。
先生にはちょっと話したいことがあったから ]
あ、あたし夜食持ってきてて。
ちょっと食べてきます。
[ ご家族にそう言って、あたしは先生を追いかけた ]
[ 病院って屋内には喫煙所作れないんだって。
あたしは煙草吸わないし吸う予定もないから
どうでもいいけど。
病院の外の特定屋外喫煙場所とやらで
そう言って嘆く先生の横で、
あたしはラップをめくっておにぎりを食べた ]
先生さー、教育者の端くれってやつでしょ、
だったらさあ、集団失踪事件の話、知ってる?
誰かの頭の中にいた、みたいな話。
[ レンチンの焼きおにぎりは冷めても美味しい。
もぐもぐしながら聞いたら、
端くれ言うな、って小突かれた。
一応知識としては知ってる、とも ]
先生、あたしねー。
さっきまで、和歌奈ちゃんの世界にいた。
……って言ったら、信じてくれるー?
[ あたしがそう言ったら、先生は怪訝そうな顔をした。
大人を揶揄うもんじゃない、ですとな? ]
先生、こんな状況でそんな冗談言うほど、
あたし不謹慎なやつじゃないよー。
[ そりゃ夏見七星、お調子者ですけどね?
ハチャメチャガールズとか一部で言われてる
らしいですけどね?
言っていいことと悪いことの区別くらいは
ついてるつもりです! ]
和歌奈ちゃんの世界って、望高文化祭だった。
それでさ、あたしとか日食君は帰ってきちゃったけど、
その世界にまだ残ってる人がいるはずなの。
[ 路子ちゃんに、真梛ちゃんに、荒木君に……って
あたしは指を折って数える。
莉希ちゃんからのグルチャは
車の中で読んだ。
莉希ちゃんももうじき来る。
先生が信じてくれないなら、
莉希ちゃんからも言ってもらおう。
あたしたちは、和歌奈ちゃんの世界にいたって ]
だからさ、先生。
みんなが連れて帰ってくれるはずだからさ、
……和歌奈ちゃん、助かるよね。
[ おにぎり包んでたラップを小さく丸めて握りしめる。
俯いたあたしの頭に、先生の手がポンって乗った ]**
|
— 屋上・扉の前 —
[エレベーターの到着を告げる音がして、扉が開く。 その向こうは屋上へ通じる空間だった。 箱の外に出れば、またすぐに屋上に出るための扉に阻まれるのだけど、 そこには生きて動いている人と、ぐったりと倒れ伏した人形があった。>>124]
河合さん。 聞いたんだけど、夏見さんのマネキンがここに……。
[皆まで言わずとも、彼女が抱えているのが“それ”であると気付けた。
>>2:429目を背けたくなるほど痛々しい傷つき方をしていて、 見覚えのある制服と髪型の、泣いているのか笑っているのか分からない人形。]
(128) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
|
|
[俺が死ぬことで、ユイの心に消えない傷を刻めるだろうか。 狂っていると非難されようと、ユイの心を縛り続けられるだろうか。
そうだったら少しは嬉しかったのに。
あいつは、俺のことをすぐに忘れて幸せに暮らすのかもしれなくて。 それが悔しくて、たまらない。]
(129) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
|
|
[それでも。 少しでも俺のことを見て欲しいと、未だ自分勝手に燻る気持ちがある。]
(130) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
|
|
……酷いな、これは。 何されたのやら。
[マネキンを運ぶのを手伝って欲しいと言われ、 促されるままに足側を持ち上げる。 感触は紛うことなく人形で、それえは良かったと言える。]
しかし、運んで何か意味あるかね?
[俺は虎次郎の時もそうだったけど、 人形と分かれば興味を失うので、そこは疑問だった。 死体ならば弔わねばならないけど、マネキンだもんなあ。
とはいえ、気休めでも状態を良くしておきたいと言うのであれば、 それに逆らうつもりもなく。]
(131) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
|
|
よいしょっと。 夏見さん、無事に帰れてるといいんだけどな。
[そうじゃなければ困るよな、と。 マネキンを持ち上げてバランスを取りながら、確認するように河合さんに促した。**]
(132) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
|
あの!私ちょっと望月病院に行ってくる!
[下にいた祖父母にそんな声をかけて慌ただしく
バタバタしていれば、驚いた二人から一体
どうしたのと声がかかった。]
あ、えっと、その、
友達が、運ばれたって…!
[祖父母は昔里帰りした時は気難しくて厳しい人たち
って印象だったけれど、今は孫として普通に接して
くれている、と思う。
たどたどしく説明をすれば、二人は顔を見合わせた。]
[望月病院は自転車で行けばそんなにかからない。
コートを羽織ってマフラーを巻いて、迷いなく
飛び出そうとしていれば待ての声が響いた。
こんな夜中に外出は関心しないと。]
で、でも……!
[確かに関心できないかもしれない。
でも私だって子どもじゃない。
どことなくママに似た面影に、雰囲気に、
反論の声はそれ以上出てこない。]
「夜道は危ないから送っていく。」
――――え?
[下を向きかけたら、降ってきた声に素っ頓狂な
声が出た。
私を、心配してくれた?
それともやっぱり世間体?
なんて考えてしまうのは失礼だっただろうか。
でも断る理由はない。
だって私は病院に行きたいから。]
……お願いします!
[そうして車に乗り込んで、病院を目指した。]
[私食堂に食料があるって書き込みだけ見たわけ
じゃないよ。
ちゃんと日食君についての書き込みを
見たら、マネキンもちらっと確認した。
保健室のベッドは四つで、女子は五人。
路子さんはどこでも寝れるからとベンチで寝て
しまって。
遠慮して空けるのも勿体無いなぁって思ったから
使わしてもらったけど、マネキンを見てしまった
せいかなかなか眠れなくて。
だから。]
首大丈夫?
[自販機の所にその姿を見つけたら、
開口一番にその細い首を確認した。
まぁ大丈夫じゃなかったら日食君も私もこんな
ところにいるわけないんだけど。]
|
── 回想・夜 ──
…………ヘータロー?
[ 軽口のリレー。>>91 先にバトンを取り落としたのは君だ。
ぽつんと落とされた言葉に、 わたしはわずかに首を傾けた。 それまでの会話にかみ合わない台詞。
わたしはその表情を窺い見て、 迷いながらも口を開く。]
(133) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
|
|
婚約者ちゃんと──、 ……あー、えーっと、んー、
[ なにかあったのかと問うにも、 わたし、ためらってしまったのだ。
例えば、教室に人が増えてきたから? いくらだって理由は後付けできるけれど、 ただその瞬間、言葉がうまく出てこない。
珍しく言い淀んだ末に、 黒板の前から彼のいるほうに歩き、 わたしも、ごく小さな声で言ったのだ。]
(134) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
|
|
……もし、わたしがホストだとしたら、 クリスマスの予定がなくなったことは、 すごく重大な出来事だったと思うんだー
……つまりー、なにが言いたいかって、 ヘータローのことが心配です。
ねー、気が向いたらでいいからさ、 楽しいばかりじゃない恋バナでもしよう。 ……わたし、話の種はたくさんあるんだあ。
[ 君には種がないと言われるかもしれない。 ただ、自身の意思表示として言い残した。*]
(135) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
|
|
── 現在 ──
[ どうやら女の子たちは総じて早起きで、 わたしは一番のお寝坊さんだったらしい。
見回した保健室にはすでに誰もおらず、 わたしがまず向かったのは教室だった。
黒板に残されたメッセージ。>>2:438 それを見て食堂に向かおうと思う。
昨夜のチャイムのときみたいに、 明らかな異変を知らせる音はない。 それをいいことに、わたし、 嫌な想像から目を逸らしたのかもしれない。]
(136) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
|
|
[ 道中見かけたまなちが、>>94 その日はじめて見た人間だった。]
……まなちー、おはよう。 思い切り寝坊しちゃったー みんながどこにいるか知ってる?
誰にも会わないもんだから、 りのきちの朝ごはんの会に、 わたしだけ乗り遅れたのかと思っちゃった。
[ 日常的な朝の挨拶と平和な話題。 それを口にしながら彼女に駆け寄る。]
(137) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
|
|
[ ……昨日の朝のことを思い出した。 異常事態だと言いながらも、 なっちんに日常めいた言葉をかけたこと。
わたしは今、それに近いことを、 自分のためにしているなあって。 どこか他人事のようにも考えている。**]
(138) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
|
本当に苦しかったな、あれ。
死ぬのって、あんなに苦しいんだね。
[日食君の身にどんな現象が起こったのかは
知らないけど、そんな言葉をぽつりと零す。
和歌奈さんも苦しかったかな、痛かったかな。
少なくともその胸の内は、苦しかったのだろう。
七星さんももうついていると教えてもらえば、
私はその姿を探したんだ。]
[ドラマとかでよくあるよね。
暗い病院に赤いランプが灯ってさ。
その前に家族が神妙な面持ちで待ってるの。
まさかリアルで体験することになるとは
思わなかったよ。
ご家族にぺこりと頭を下げた。
この扉の向こうに、和歌奈さんがいるんだ。
ランプはまだ、消える気配はない。]
七星さん、に飯尾先生。
こんばんは。
[二人がどこにいったかを教えてもらえば
そちらへと足を向ける。]
[会いたかったのは飯尾先生じゃなくて七星さんだ。
脇目も振らず傍によればぎゅって抱きついた。
そんなこと今までしたことなかったけど、
しょうがないよね。
ちょっといろいろ情緒崩壊してるんだ。
だから許してね。]
……七星さんも帰って来たんだよね。
みんな、帰ってくるよね。
[二人が何を話していたのかなんて知らなかったけど、
その言葉を聞いたら先生も、信じてくれたかな。]**
|
―― 屋上の扉の前 ――
[マネキンのことを聞いていたのなら話は早かった。>>128 さすがにマネキンがどんな傷つき方をしてたかは聞いてなかったようで(それもそうか)、 酷いな、という言葉がこぼれる。>>131
そう、確かに何かをされたようではある。 血みどろではないもののそこは日食虎次郎のマネキンと同じ。 当然のように心当たりはないので、 首を小さく傾げるのみ]
ある人にとってはあると思うよ。意味は。
[死体に見えなくもないだけのマネキンを運んで並べるということについて考える。 それは見るによって形を変える光景だろう。 ただの物の並びと見るか否か]
(139) 2021/11/12(Fri) 14時半頃
|
|
[今頃まだ見ぬ平塚莉希のマネキンも運ばれているところだろうか。
マネキンを置いてけぼりにするのはどうかと思う―― という辺りには同調した和歌奈だったが、 いざマネキンが揃って並べられても、 昨夜のように、先程のように、取り乱すこともないんだろう]
(140) 2021/11/12(Fri) 14時半頃
|
|
[足の方が持ち上がったなら、>>132 両腕にかけていた力をゆっくりと抜く。 一気に抜くとバランスが崩れちゃうからね]
……そうだねえ。無事じゃないとそれこそ事件だよ。
[今の状況、 本で読んだ失踪事件のように無事な人が出る事例に当てはまっているのか、 こちら側からは確実に分からないのが困る]
……ていうか石頭くんこそ、さっさと素早く帰らないといけないやつじゃん? 君がいなくなると悲しんじゃう子がいるでしょうに。
[ふっ、とそんなことを口に出す。 間違いではないはずだ。 何せ和歌奈の中の石頭幣太郎は依然として、 “将来を誓い合った婚約者と結ばれている人”だ。 そのことを疑ってなかった**]
(141) 2021/11/12(Fri) 15時頃
|
|
― 回想・夜 ―
[>>133疲れに疲れて落としたバトン。 放っておいてくれても良かったのに、 それは拾われてしまい。
何かを言おうとして躊躇う古香さんを、苦笑して待つ。 目線は落としたまま。]
(142) 2021/11/12(Fri) 18時半頃
|
|
いいよ、心配なんて。 たぶん、俺じゃないから。
[そう思う根拠は言わないけど。]
……ま、そのうちね。 忘れてなければ。
[話の種なんて持ってないし、これ以上何も芽生えることもない。 だから、いつかの相談の時のように再び予防線を張って濁す。
楽しいばかりじゃない恋バナ。 聞いてみるのもいいだろうとは、 心の中で思いつつも、確約はしないでおいた。]
(143) 2021/11/12(Fri) 18時半頃
|
|
― 屋上・扉の前 ―
ある人、ね。 やっぱ心当たりあったりする?
[>>139マネキンを運んで綺麗な状態にしておく意味。 俺には思い当たらなかったから、試すように問いかけてみる。 みんなの姿を象っていようと、人形は人形だと思っているから。
――だからもし、俺がこうなったとしても、 放っといてくれていい。]
(144) 2021/11/12(Fri) 18時半頃
|
|
[夏見さんの姿をした傷だらけの人形の、足のほうを持つ。 2人でバランスをうまく保って抱える格好。 体重がダイレクトに伝わらないのは幸いだったろうか。 ……なんて、そんなことを意識したらこの人形が人間のようだと認めるみたいで。]
……ああ、そうね。
[>>141俺は早く帰ったほうがいい人間だと、そう思われているのなら、 苦々しく笑って、少し間を空ける。 昨夜もそうだったけど、嘘を吐き続けるのにもう疲れている。 破棄された婚約を隠すたびに、自分で自分を傷付けている。]
(145) 2021/11/12(Fri) 18時半頃
|
|
悲しむ奴なんていないから、 ここで心中してやってもいいよ、俺は。
[半ば投げやりに、胸の内を吐き出す。 公然となっている認識が壊れても、もうどうでもいい。
俺が死ぬならあいつの結婚式で、と思っていたけど、 まあ、それでもいいか。 この世界の主がそれを望むのであれば。**]
(146) 2021/11/12(Fri) 18時半頃
|
|
── マネキン運搬業者 ──
[ここから出たいか>>127という質問。 愚問だと思う。当然出たい。だからこそ、オレは呼んだ側ではないのかと思う。 けれどもそれと同時に、こんな思いもあるんだ。]
帰りてぇよ。けど、勿体ねえよな。こんな場所にいること、そうそうねぇんだし。
[きっとまだ、帰れない。 試したいことがあるなら。 文化祭でしか、できなかったことがあるなら。]
(147) 2021/11/12(Fri) 18時半頃
|
|
なんだ、このボタン?
[突然現れた不自然なボタン。 エレベーターによってボタンは違えど、猫ボタンがあるエレベーターだなんて、オレは知らない。
押したくてたまらなかったが、春満もいる手前、何とかこらえた。 押していいと言われれば、迷わず押してしまうだろうが。
怪しいボタンは押すに限る。]
(148) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
そーゆーおめーはどうなのよ? そこんとこ。
[人の気持ちは、分かるようで分からない。 そう思い込んでいるだけかも知れないから。 みんなみんな、そうだろう?
もし出たくないってなら、そいつの思いがここに留まらせているのかも知れないから。]
(149) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
おはよう路子。 よく眠れたのならよかった。
君はいつも誰かの為に頑張っているから このような状況では疲労も溜まるだろう。
[ 莉希の朝ご飯はゆっくり食べるといい。 彼女も頑張り屋だ。 きっと美味しいだろう。
駆け寄って来る我らが委員長。 笑顔でそんな風に続けたら。 ]
(150) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
[ 日常と非日常。 線を引くべきか少しだけ、考える。
……結局、真梛の口調と声は。 朝の挨拶を告げたのとさほど変わらぬ音で。 ]
(151) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
七星のマネキンは屋上前の扉。 莉希のマネキンは体育館のステージ上だ。
どちらもあのままにしておくのは、 どうにも偲びないものだから。
屋上へは和歌奈と幣太郎。 体育館は春満が行ってくれた。
雄火とは、今朝はまだ会っていない。
[ みんな≠フ名を並べた後。 唇を結ぶと、顔をあげ、視線を向けると。 黙したままで路子の言葉と選択を待った。 ]*
(152) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
── 文化祭の日 ──
[ずっと思っていた。 今年も委員長になった世界線なら。副委員長になった世界線なら。あるいは、また別の役回りだった世界線なら。 オレはどうしていただろう。
結局、何をしたって後悔はあるのかも知れない。 違う選択をした世界なんて、体験できないのだから。]
(153) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
[もう貫き通せない。雄火の姿を。 だからこっからは真っ逆さま、堕ちていく一方。 お先真っ暗だ。
だからといって、グレたり、逆に大人しくなることもできなかった。 真梛の一件があった時だって、屋上で落書きでもしてやろうかと思ったのに、結局すぐに帰ってきた。 何もしないのは、耐えられなかった。
オレは一体、何を望んでいるのだろう。 オレは一体、誰なんだろう。]
(154) 2021/11/12(Fri) 19時頃
|
|
── 回想:春満 ──
振り返るのは反則だな。
[ 思いがけず絡まる視線。>>108 困った顔のまま笑みを浮かべ。 そのままぷいと、身体ごと逸らす。 ] あまり見ないでほしい。 君はきちんと頼るなと言ったのに。 そんな君の力を借りなければならない。 不甲斐ない女の顔だ。
(155) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
うん。頼まれた。 君も莉希を頼んだぞ。
[ 続いてにこっと笑う。 これ以上の言葉は必要ないと言うように。
そして君は体育館。私は校舎。 互いに背を向ければ、距離は静かに広がって行く。]**
(156) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[だからいっそ、隠しきれなくなる前に。 最高に幸せな、今のうちに。
”勝ち逃げ”しちまいたいなって。
負ける前に、勝ったまま終わりたいなって。 そんな欲望が顔を覗かせる時がある。]
(157) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
オレは、幸せだ。
(158) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
みんな、サイコーだ。
(159) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[けれどもそれはいつまで続く?
オレの知らぬところ、みんな過去への未練を抱えているのかも知れない。 今がその過去にならないなんて保証はどこにもない。
いつかこの瞬間も、美しかった過去に成り果てちまう。]
そんなの、ごめんだ。
(160) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
── 現在・1階廊下 ──
ありがとうまなちー まなちもちゃんと眠れた? 睡眠不足はお肌に悪いからねえ。
[ 外の天気は相変わらず大荒れで、 今この瞬間がどんなに不可解な状況でも、 和やかで爽やかな朝の挨拶である。>>150
いつもと変わらない温度感の声に、 わたしもゆるゆると笑って答える。]
(161) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[ 気遣うような言葉が続けられ、>>150 わたしはそれを微笑んだまま聞いていた。 それから続けられる報告めいた言葉も。>>152
わたしは「そっかあ」とつぶやく。 なっちんとりのきちはもうここにいないらしい。
マネキンの存在をそう解釈して、 わたしはまなちの頭を見下ろしている。]
(162) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
……みんな、本当に早起きだなあ。
[ はじめにこぼしたのはそんな言葉だった。 感心。それから苦笑。わたしの表情はそう移り、 再びいくらか言葉を発するため口を開く。]
なっちん、帰っちゃったかー 味見係復活だーって言ってたのに。
りのきちも、今いなくなられたら、 朝ごはんのお礼も感想も言えないじゃんねー
おすみはどこ行っちゃったんだろう。 人形が見つかったわけじゃないんだよね? 元気に走り回ってそうだからなあ……
(163) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[ 取り乱すというわけでもなく、 なにかの感想みたいにわたしは言った。
どんどん人は減っていく……のかもしれない。 そのことに胸がざわめくような感触もあれば、 まだ現実感がないような気もするのだ。 この世界にも、誰かが死ぬかもしれないということも。
じっとわたしはまなちを見下ろした。 目を細めて頬を緩める。笑っていた。 もうひとつだけ、この状況に思うところがあって。]
(164) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
こんなときでも、 まなちはしっかり者の書記さんだなー ありがとう、まなち。 おかげで寝坊助の委員長は助かりました。
[ 冗談まじりにそんなお礼を伝えれば、
さてと、それならこの後どうしようか。 口をはさむのばかりがオシゴトと思っていたけれど、 議論の進行というのは委員長の役割に入るらしい。 ……でも、優秀な友だちが勤勉に働いてるようだし。]
(165) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
……それで、まなちはどうするご予定?
委員長は優雅に朝ごはんでも食べて、 文化祭を見て回って、お菓子を作って、
──そういうことをしがてら、 もう少しあの遺書の送り主について、 思いを馳せてみようかなあという具合ですが。
[ この奇妙な二度目の文化祭。誰かの頭の中。 そこで今日は何をして過ごしたい? なんて、 穏やかな口調で彼女の意向を尋ねてみる。*]
(166) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[前夜祭のステージで暴れたあの時、オレは思った。
ここで散ったら、オレは永遠に伝説だ。 この高い窓から。たった1教室だけ電気がついている、この演出の中で。歓声を上げている生徒達へ向かって。
4回転宙返りで飛び込んでやりたいって。]
(167) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
─ 回想:幣太郎 ─
[ 幣太郎に会えば、真梛の視点で確認した情報。 なるべく客観的に述べた。>>103
なんというか、>>104 ………… 君の言葉には、少しだけ間があった。
程なくして向けられたありがとうには。
たまたま見つけただけで、 探したわけではないんだ。 でもどういたしまして!と笑顔で返したが。
何となく思ったんだ。 君の言いたかった事。 本当は別にあったんじゃないか? ]
(168) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
なあ、幣太郎。 君は今回の犯人が私だと思うか?
[ 話の流れとしては唐突だったと思う。 根拠は私と君の視線の先。
相変わらず校舎には不釣り合いなエレベーターが 口を閉じたままこちらを見ていた。
だが、答えを待つ事はせず。 ]
(169) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[結局そうはならなかった。 完璧人間にも、ダメ人間にもなれない。]
オレは普通の人間だ。
[知っていた。 志望大学はこの辺りじゃ名が知れているけれど、全国トップクラスとは言い難い。 インターハイでは県大会なら無双できたけれど、全国では高身長の留学生相手に全く歯が立たなかった。
そんな当たり前の事実を認めたくなかった。]
(170) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
うん。 それぞれ春満と和歌奈が行ってくれているが、
[ 和歌奈の方は一人では大変だろう。 できれば彼女を手伝って欲しい。 ─── とは、言わなかった。 和歌奈に手助けが不要なわけでなく。 わざわざ口にする必要がないと思ったから。 だから和歌奈の時とは異なり、 エレベーターが動くのを見守る事はなく。 ]
(171) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
なあ。幣太郎。
君が、たとえ相手が不自由でなくとも。 荷を背負っている人を見れば、 当たり前に手を差し伸べる奴で。
─── 私はとても嬉しいんだ。
[ かつて欲張りと断じた行為。>>1:159 穏やかな音と表情で言い逃げれば、 そのまま振り向く事なく車椅子を走らせた。 ]*
(172) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
|
|
[自分を見せたくなくて。自分でいたくなくて。 キャラクターになりきれるように、文化祭の教室では全部猫語で喋ったりもした。
店員である間、オレは雄火じゃなかったから。 猫店員で、いられたから。]
(173) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
[だから墨鳥雄火は文化祭に参加してねぇ。 あの出し物に、参加したかった。雄火として。]
さーて、鬼が出るやら蛇が出るやら。
[やがてオレは2つめの猫耳をつけると、エレベーターの猫ボタンを押しただろう。 ある確信を持って。]
(174) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
[たった1匹の店員は、来るかも分からない客を待つ。*]
(175) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
うん。きちんと寝た。 君達が寝床を用意してくれたおかげだ。 どうもありがとう!
[ 緩く穏やかな笑みに、 こちらも笑顔で返せば。 日常の延長戦は続く。]
(176) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
そうだな、しかし路子が帰れば。 きっと七星も味見ができるし。 莉希にお礼も言えるぞ。
美味しかったと伝えるなら、 きちんとご飯を食べないといけないな。 私も後で頂いて来よう。
雄火に関しては、無事でいてくれる事を 私も祈っている。
[ 帰れる根拠は無いけれど。 望みを閉じる必要はないと。 君達の望みを正確に理解しないまま、 私は気休めに似た展望を語る。 ]
(177) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
私か? 莉希の朝食は貰うとして ……
そうだな。文化祭を見て回ろうかと思っていた。 2階と3階には、行けなかったから。
[ ただもうどちらの階も回り終えてしまったんだ。 私が遊び呆けていた事は、内密にしてほしい。 至極真面目な顔で、秘密の共有を求めた後。 ]
(178) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
[ 屋上 ─── は。 今は駄目だ。内心で首を横に振る。 あそこには和歌奈と幣太郎と七星がいる。
やることがなくなってしまったな、と。 思考を巡らせた後。 もう一つ。昨日との違いを思い出す。 ]
ああ、そうだ。言い忘れていた。 路子。実はな、
(179) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
─── ボタンがもふもふなんだ。
[ もし首を傾げられてしまったら。 エレベーターで移動できる場所が増えている。 そんな情報を追加で伝える。>>59 ]*
(180) 2021/11/12(Fri) 20時頃
|
|
── 現在・1階廊下 ──
──そうだねえ。 でも、わたしがホストだったら?
[ 延長戦はどこまでも──というわけでもなく、>>176 かといって声を固くするでもなくわたしは言う。
みんな≠順番に並べて、 気休めともとれる楽観的な話をしていたころ。>177
それもただの可能性の話に過ぎない。 なにかを以て違うと断定できるほど、 わたしはわたしを理解できているとも言い切れない。]
(181) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
……なんて、全部仮定の話だけど、 いつかは、答え合わせがはじまるのかな。
そのときまでは文化祭を楽しまれよ。 ……ってことなのかもしれないけどー やっぱりちょっと落ち着かないや。
まなちは落ち着いてるねえ。 せっかくなっちんが考えた台詞も、 なかなか出番がなさそうだなー
狼が出たー! って、 嘘でも、呼んでくれていいのにー
[ 自らの手で少し乱した日常のペース。 わたしはとうとうとそんなことを語る。]
(182) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
[ さて、それはさておき今日のご予定は? わたしの問いにまなちは律儀に答える。>>178 そっと囁かれた秘密にわたしは思わず笑った。]
──ああ、エレベーター! そっかあ、文化祭満喫してたんだねえ。
そうそう、2階にも行ったんなら見たかな。 プラネタリウム。わかにゃんの尽力の結果。 ……わたしのお気に入りでー、イチオシ。
[ 文化祭での一幕を思い出す。 それを君とも共有できたらうれしいというふうに。
すっかり文化祭を満喫していたらしい君は、 わたしの知らないことも知っている。>>179]
(183) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
──それは。 見に行かなきゃいけないねえ。 なんなら今からでも向かっちゃう?
[ わたしの知らなかった変化。 エレベーターの中にある秘密。
この世界の主は一体何がしたいんだろう。 不穏なことが起きると思えば、 まるで、この場所を楽しんでくれと言わんばかりだ。
そこに何があるのだろう。 この世界の秘密? それとも。 想像ばかりを膨らませ、糸のように目を細めた。*]
(184) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
こんなの、そうそうあってたまるかよ。 勿体ないって、そんなにこの場所がいいか?
[帰りたいは、まあわからなくもない。>>147 けど勿体ないは、ちょっと意外だった。 まるで雄火はここを満喫したいと思ってるような 文化祭でやり残したことでもあったんだろうか。
そんな、他愛もない話を言葉少なに交わしつつ。 平塚似の人形を、雄火と共に運びながら エレベーター付近に来たところで。]
(185) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
ボタン?
[足を止め、エレベーターの表示を見た。>>148 猫だ。なんで猫?]
……なんなのか気にはなるのわかるけど、 平塚運んだ後にしようぜ。
[めちゃくちゃ押したそうな雄火を、宥めて止める。 二人きりだったなら自由にすればいいが、 今は人形になった平塚まで巻き込むことになるので。 怪しいボタンは大いに気になるものの、 ひとまず運搬を優先しようと。]
(186) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
[そして、聞き返されたなら。>>149]
俺? 俺はべつに……帰りたいは、ないな。 ここに居たいってわけじゃないけど、 帰ってもなんもないし。
[あっさりと、今の心境を口にして。]
(187) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
雄火は、やりたいことあるならやっとけよ。 手伝い必要なことなら、手くらい貸すから。
[面倒くさいことだったら、ちょっと考えるけど。 なんていつも通りやる気はなさそうな口調で続け。 3-2の教室に着いたなら、 虎次郎の横に平塚を並べて置いた。
その横に更にもう一体、増えることはまだ知らない。*]
(188) 2021/11/12(Fri) 21時頃
|
|
— 回想・不知火さん —
[>>169問いに返す答えは、無言で。 視線が全てを物語った。 確証は無いし、安易すぎるとは思う。 だから口にはしない。]
……あ、
[>>172エレベーターの扉が閉じる時、 最後に聞こえた言葉に、何かを言う間もない。]
(189) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
|
|
[違うよ、俺はただ、人の気持ちがわからないだけだ。
自分が手を差し伸べるのは、自分が恵まれているから。 相手の気持ちを深く考えてやっていたわけじゃない。
自分が恵まれている存在だと思って、 ただ、何も知らずに浮かれていて、 他人を無意識に見下していたんだろう。 今ならそれがわかる。
狭い箱の中で、拳を握り締めた。*]
(190) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
|
|
[ 路子がホストだったら。>>181
提示された可能性。 零ではないと納得してから。
少々スマートではないと思いつつ、 向けられた諮問に対しに、答えでなく問いで返す。 ]
ホストだと、帰れないのだろうか?
(191) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
|
|
[ 問いかけても答えは出ないだろう。 少なくとも、答え合わせは今ではないから。 暗黙のうちに、 路子とそんな思考を共有すれば。 ]
答え合わせが来るのかはわからない。 だが、生者である以上。 不変というのは、なかなか難しいことだ。
[ 現時点で既に、 昨日と比べて違う点もいくつかある。 いつかは状況も変わるだろう。 望もうと、望むまいと。 きっと配慮などしてくれないままに。 ]
(192) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
|
|
その時までに、出来る事をやっておこう。
…… 落ち着いているように見えるなら。 そうあろうとしているに過ぎない。
単にそんな自分に慣れているだけなんだ。
[ 路子。君と対して変わらないよ。 そう言って顔を上げ、 じぃ。大きな真っ黒い瞳を向けたなら。
ふふふ、といつかの体育倉庫を脳裏に浮かべてから。 実は、と声を潜める。 ]
(193) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
ここだけの話。狼は呼んでみたいんだ。 ただ存外、この空間は私に優しくて。
呼ぶ必要がないというのが実際のところだな。
[ だから私がマネキンになる番が来たら 張り切って声を上げようと思う。 そんな本気か冗談か分かりにくい主張をして。
プラネタリウムは莉希と一緒に見たんだ。 だから彼女の事も混ぜて欲しい。 そんな願いに優しく瞳を細めてから、 紅潮した頬と共に、煌めく星々の事を語るだろう。 ]
(194) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
そうだな。 いずれは行かなければならないだろう。
当然、今からでも構わない。 それだと莉希のご飯は昼食かな。
[ 答え合わせ会場かもしれない場所。 赴く事に異論はないと頷いたなら。 路子のお腹に向けて語りかけるように。
君の具合はどうだろうか? と、少し笑いながら尋ねて見せた。 ]**
(195) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
— 回想・とある一人の夜 —
[テレビのバラエティ番組を、ぼんやりと見ていた。]
(196) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[とある番組の特別企画で、 数十名の独身の男女が集まって、共同生活を送る。 そして数日後に、好きになった相手に告白をして、 両想いなら晴れて結ばれる——と、そういうことらしい。
番組の内容に興味なんてなかったけど、 勉強をする際のBGMとして、なんとなく流していた。
浮かれた男どもと女どもが、 インタビューに答えて、誰が気になると打ち明ければ、 VTRを見ているスタジオがキャーキャーと騒ぎ出す。
その音声を聞くだけで無性にイライラしてくるのに、 何故か、チャンネルを変える気になれず、 共同生活の行方を見守ってしまって。]
(197) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[やがて、2人の男が、1人の女性を同時に好きになったことが明かされる。 恋のガチンコ勝負。女性を射止めるのはどっちだ!? ——他人事のスタジオは、無責任に煽る煽る。
最終局面の告白シーン。 2人の男が思いの丈を女性にぶつけ、付き合ってくださいと猛アピール。 煩わしいCMを数回挟んだ後、その恋の行方は決着を見せた。
女性の心を見事射止めた男性は、涙ながらにインタビューに答える。 「必ず幸せにします!」女性の手を掴んで、そう語る。
負けてしまったもう1人の男性は、……あれ? ……もう1人の男性は……?
どうしてだろう、映像に映らない。 最後まで映らないまま、番組は終了した。]
(198) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[イシズ製薬のCMが流れて、我に返る。 気付けば勉強を放り投げて、テレビに齧り付いて見ていた自分がいた。
俺は、負けてしまったもうほうの男性の顔が見たかった。 でもそれは叶わなかった。
テレビとしては、勝利して夢を掴んだ男をクローズアップするのが当然で、 惨めに敗北した男のしけた顔など、いらないのだ。
視聴者は、世間は、人間は、華やかな勝者の姿を見たがっている。 無慈悲なまでに残酷に、 敗者はバカにされることすらなく、存在そのものが消されていく。]
(199) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[誰にも見られることなくフェードアウトしていった男性へ。 あなたが今どんな顔をしているのか、見せてほしい。
俺と同じ顔をしているのか、確かめさせてほしい。]
(200) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[潔く、敗者であることを認められたのなら。
こんなに苦しむ前に、自分から消えてしまえたのだろうか。*]
(201) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
── 現在・1階廊下 ──
帰れないことはないんじゃないかなー みな生還! というのを読んだから。
けど、どうだろう。 わたしが、まなちがホストだとして、
ああ文化祭は今度も楽しかったー それじゃあお疲れ、帰ろっか……とは、 わたし、ならない気がするなあ。
[ これは、仮定の話の延長戦? これを君の疑問への答えとしよう。>>191
ゆるゆると紡いだ言葉に、 あともう少しだけを付け加えて。]
(202) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
──でも、 ここがわたしの世界じゃないのなら、 わたし、おかしくなっちゃう気もする。
まなち、わたしが錯乱したらそのときは、 遠慮なんかせずに思い切りひっぱたいてね。
[ そのとき、最良と思える選択をするために。 これはひとつ、わたしからの内緒話ということで。 しいっとジェスチャーを添えておこうか。]
(203) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[ 生きている限り不変であるのは難しい。>>192
なるほどと唸ってしまいそうなことを君は言い、 わたしはそれを受けて周囲を一周ぐるりと見た。
文化祭の様相へと変わったそのあとも、 意味を捉えきれない変容を続ける校舎。
不可解だとも思う一方で、 改めてわたし、この場所が嫌いではない。と思う。]
(204) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
……12時間。 今度は何が起きるんだろうね。
あんまり猶予はないなあ。 今を精一杯に生きなくては。 なにひとつやり残しがないように、ねー
[ この世界の主のためか、わたし自身のためか、 はたまたそれが同じことを指しているのか。
わからないままわたしは笑い、 まなちの深い色の瞳を見ていた。
そこにあるのは何だろう。 慣れているという言葉を君は発して、 それは受容にも諦念にも聞こえた気がした。]
(205) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
……そんなまなちを頼りにしてるよ。
呼ぶ必要がないのはなによりだ。 ただね、わたしが君を頼りに思うだけ、 わたしだって駆けつけたいって思ってること。 覚えててね。
[ それじゃあ、再び文化祭の話をしよう。
君はもうプラネタリウムを見ていた。 頬を紅潮させてそれを語る様子は熱っぽく、 わたしは少しだけりのきちに嫉妬する。>>194
その印に、わたしは対抗するように、 あの場所はわたしの友だち──わかにゃんが、 わたしのために整えてくれたのだ。と囁いた。]
(206) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
それじゃあ、出発進行だ。
──おや、まなち。 そこにわたしの瞳はなくってよ。 見るならこの好奇心に満ちた目を見てよー
[ 腹部に話しかけるのにおどけてみせて。>>195
りのきちの朝ごはんは朝昼ごはんに。 お菓子作りはおやつに持ち越しましょうと、 迷うことなくエレベーターに足を向ける。*]
(207) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[河合和歌奈のココロに、 悲しみの雪が降り積もったことはない]
(208) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[そりゃあしんどいみたいなことならあった。 一時期「ただいま」と言っても何の返事もなかったこととか、 手ひどく振った親友の恨みを買って、 机の中身をゴミ箱にぶちまけられたとか。
でも、全然泣かなかったし、みじめにも思わなかったし、 ココロが痛むということを、身をもって経験したことはなかった]
(209) 2021/11/12(Fri) 22時頃
|
|
[だからこそより手ひどい喪失を怖れていた。 自分が他人のココロを突いたせいで ココロより人の縁よりも、より大きいものが壊れたら。 それこそ自分が嫌になってしまいそうで。
もっと普通に生きることができていれば、 普通に恋をして、 誰かの恋を失う痛みにも、普通に寄り添うことができたのかな]
(210) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
―― 屋上の扉の前 ――
さあね……。
[首を横に振った。>>144 心当たりの一番手はマネキンになりました、なんてわざわざ言うこともないし、 マネキンだけを残してしまった三人の他に心当たりもない。
クラスメイトが減っていってるのは確かだけど、 急にミステリーにジャンルが鞍替えしたとも思ってない。 死体は語るかもしれないがマネキンは語らない。 それでも大事には扱うよ。運んでいる間中は]
(211) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
…………。
[「悲しむ奴なんていない。」>>146 その言葉の意味するところに気付かなかったはずがない。 いつからそうなってたんだろう。 婚約者ちゃんの誕生日はちゃんと過ごせたのか。 ていうか、もしかして、もう向こうには他に男がいるとか? これはあくまで勘だけど。
壊れた物は元に戻らない。 彼らの婚約関係も、幸せな人だとぼんやり思ってた石頭幣太郎への認識も。 今己は壊れた関係の、あるいは思慕の残骸を踏んでいる。 もっと踏んだら細かくなってしまいそうな……]
―――へっ!? 心中って、……えっと、この世界で死ぬの?
(212) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
[うわあ、なんて心で言っちゃう。 和歌奈としてはこの世界で死ぬこととマネキンになることの相関関係は不明で、 だからこそうかつなことは言えない。 でも、かけるべき言葉は決まっている。 そう、河合和歌奈ならこう言うだろうってことが]
いやびっくりするって、……えー、と、でも、 ―――いいんじゃないかなあ。好きにしちゃって。
[…………ん?]
(213) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
[ 足音が聞こえた気がして、あたしは顔を上げた。
莉希ちゃんの姿を認めて、思わず目を見開く ]
莉希ちゃん!
おかえり!
[ ここは屋外であるからして、多少声が大きくても大丈夫。
なーんてこと、考える余裕なんかなかった。
反射的に口をついて出ちゃったんだよ。
ここが病院の外で良かった。
こんばんはって言う莉希ちゃんに、おかえりって返して
ぎゅって抱き返す。
今この一瞬だけは、和歌奈ちゃんを心配する気持ちより、
莉希ちゃんに会えて嬉しいっていう気持ちが
上回っちゃったかもしれない。
一瞬!一瞬ね! ]
うん、……うん。
[ 莉希ちゃんの質問に、あたしはうんうんって頷く。
七星さん「も」って莉希ちゃんは言う。
莉希ちゃんも帰ってきた。
つまりそれって……莉希ちゃんもきっと、あの世界で
死んだんだろうって思う。
痛かったよね。それとも、苦しかったかもしれない。
労いの気持ちを込めて、莉希ちゃんを抱きしめたまま、
その背中を撫でた ]
せんせー。
和歌奈ちゃんの世界で、莉希ちゃんも一緒だったんだ。
ね?莉希ちゃん。
[ 莉希ちゃんに抱き着いたまま、
あたしは先生の方に顔を向けた ]
[ 先生は、しばらく黙ってあたしたちの方を見てた。
けど、頭をぼりぼりした後、降参って感じで手を挙げる ]
「あー、わかったわかった。
……けどな」
[ 先生は、しばらく言葉を選ぶみたいに
視線をさまよわせた後、
少し声を落として、言った ]
「もし……河合が、……戻ってこなくても。
他の奴らを責めてやるなよ」
[ どきんと心臓が跳ねた ]
[ みんなが連れて帰ってくれるはずって
あたしは言った。
莉希ちゃんの言った「みんな」にも、
もちろん和歌奈ちゃんは含まれてるはずだ。
自分に言い聞かせるようにあたしはそう信じてる。
だけど、もし、和歌奈ちゃんが帰ってこなかったら? ]
……そんなの、当たり前、だし。
責めたりなんか、しないし。
でも……でも、帰ってくるよ。ね?
[ ぎゅってあたしは莉希ちゃんに抱き着く腕に力を込めた ]
[ 和歌奈ちゃんの世界にあたしたちが呼ばれた理由。
最期に一目会いたかったからじゃないか。
路子ちゃんはそう言ってたけど。
その言葉に、そうかもってあの時あたしも思ったけど。
っていうか、そういう気持ちもきっとあると思うけど。
それだけじゃなくてさ。
和歌奈ちゃんの中のどこかに、連れ戻してほしい気持ちが
あるからだったりしないかな。
だって。だってさ。
ひめちゃんの世界に、あたしは呼ばれなかった。
それって、ひめちゃんに
なんの未練もなかったからじゃない?
あたしを縛り付けるために命を捨てたひめちゃんだもん。
もし、ひめちゃんもあんな世界を作ってたなら、
そこにあたしが呼ばれないはずがない ]
[ はやくひとりになりたいなあ。
いつかの和歌奈ちゃんの言葉を思い出す。
だけど、和歌奈ちゃんは呼んでくれた。
和歌奈ちゃんの世界に、あたしたちを呼んでくれた。
ねえ、和歌奈ちゃん。
やっぱりひとりぼっちはさみしいよ? ]*
|
[ まなちとともにエレベーターに乗り込めば、 もふもふ≠ニ形容されたボタンを押す。 明らかに猫をモチーフにしたそれは、 一体どこにつながっているのだろう。
未知なる場所への高揚をこころに携え、 ほんのわずかな時間、浮遊感に身を任せれば、
そこに広がっているのはわたしたちの思い出と──、]
(214) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
── 現在・3年1組 猫カフェ ──
──おすみ! こんなとこにいたのー?
[ 待ち受ける店員さんにわたしは驚き、>>175 まずはじめに口からこぼしたのはそんな言葉。
その背景に広がっているのはよく知る空間。 わたしたちがあの日作り上げたもの。 わたしにとっての大切な思い出。
猫耳まで完全装備だったおすみに、>>174 わたしは思わず笑っていた。
どうしよう。思った以上にこの世界が好きだ。 ここにあるのは優しい思い出ばかり。]
(215) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
驚かせないでよー
もー、こんなことなら、 先に商品を準備してくるんだった! じきにお客さんが押し寄せてきちゃうよー
っていうかその耳どうしたのー、ずるい。
[ それとも今はわたしたちがお客さん? あるいは、大急ぎで商品を準備しましょうか。
どちらにせよわたしは笑い、 ぐるりとその空間を見回したのだ。*]
(216) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
文化祭でやりたいことをやればいい、みたいなこと、 墨鳥くん、言ってたし。 ――いや絶対そういう意味で言ったんじゃないと思うけどさあ。 でも石頭くんに、他にやりたいことがないなら。 それも選択のひとつ……というか……
[待て待て。 これは、うん、「河合和歌奈ならこう言うだろう」とは明らかに逆だ。 石頭くんの投げやりが移っちゃったんだろうか。 今から全部ナシにする。どうしよう?
呆然としてマネキンを持つ腕から力が抜けかけたけど、 そこはどうにかこらえた。 気がつけば屋上へ向かう扉に視線が吸い寄せられていた。 むしろこの世界をつくった誰かさんと心中したいのはこっちだよ。 なんという身勝手]
(217) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
はあ……なんか、ごめん、語っちゃって。
[マネキンは運ぶけど、ちゃんと。 一仕事終えるまでの間、石頭くんとまともに目を合わせられる気がしなかった*]
(218) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
|
|
死ぬっていうか、 ここを作り上げた奴と、ずっと一緒にいてやってもいいって。 そうすれば現実では死ぬんだろ。
[>>212心中っていう言葉のチョイスが物騒だったか? 俺としては、こんな場所に俺たちを呼んだ奴の気持ちを汲んだつもり。]
……いや、そもそもここの主が俺たちをここに呼んだ理由、 心中してほしいってわけじゃないのかもしれないけど。
[そのあたりは依然として不明なので。 俺の想像を述べただけに過ぎない。]
(219) 2021/11/12(Fri) 23時頃
|
|
……?? おっととと。
[>>217河合さんが何かを語ると同時に、 マネキンのバランスが崩れかけて、夏見さんの頭が一瞬床に近付いた。 俺も戸惑いながら、辛うじて落とさないようにバランスを立て直す。]
いや、やりたいことっていうか……? なんだろう……な……?
[驚かせたらしいけど、その後の反応は心中を止めるでもなく、 選択肢のひとつだとまで言う。
別に俺は止めてほしくて言ったわけではないけど、 何か違和感がある。]
(220) 2021/11/12(Fri) 23時頃
|
|
ここで死ぬこと、否定しないんだ。 河合さんは、帰りたいと思ってる?
[確認するように聞いてみる。 >>218目は逸らされているけど、俺は細目で見つめていた。
エレベーターが到着すれば、マネキンを抱えたまま乗り込み、 そのままマネキンを安置している場所まで向かうつもりだけど、 その間に返事はもらえただろうか。*]
(221) 2021/11/12(Fri) 23時頃
|
|
[この世界に残るという意味での心中。>>219 そっちはそっちで心穏やかじゃない。 もしかすると正体を隠したままの、 恥ずかしがり屋の誰かさんのことでも考えてるのだろうか]
……心中してほしい。 私は違うと思うな。なんとなくだけど。
[そういえば墨鳥雄火には言ってなかったが、>>2:349 現代文は和歌奈も得意ではない。 古文で、古き時代の言葉の意味を暗記する方がまだできる。 これが英語になるとちょっと頭が痛くなる。 ……話が逸れた。 とにかく誰かさんの考えていることなどピンとこない。 世界の仕組みだって、そう]
(222) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[自分で言ったことに挙動をおかしくして、>>220 夏見ちゃんのマネキンは落としかけたけど無事。セーフ。 そのまま無事にエレベーターにも乗り込めた。 閉ざされた箱の中で、ちらっと視線を流す。 相手に問われたからには、なるべく目を合わせて答えないとね>>221]
……そりゃああるよ。 仮にこの世界をつくった誰かさんの目的が、 ずっと一緒にいてもらうことだったら、そんなのゴメンだし。
[じゃあ、そうじゃなかったら? 天邪鬼じみてずっとここにいてもいい、って思うんだろうか。 誰かさんの目的を壊すために?]
(223) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
でもまあ、私は私のやりたいことをやってからかなあ。 単に調理係っぽいことを。
[彼がそんなにヘンに思っていない様子なのは、 とりあえず落ち着いて受け答えするのに役立った。 それでもまともに顔が見れないって気分は継続中。
やがてエレベーターは1Fについて、 せっせと2組の教室へ運んだ夏見ちゃんのマネキンを、そっと横たえる*]
(224) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[エレベーターの猫ボタンの謎を 解明しに行くのだろう雄火を見送って教室に戻り。 黒板を一通り見た後で、ふと、開かない窓の外を見る。
どうも、昨日から時間の感覚は曖昧で。 チャイムが朝と夜に鳴ることで、 辛うじて日付の変わったことを認識してる感じがする。 たぶん、あれは何かの区切りなのかもしれない。
そして、次にチャイムが鳴った時は── ]
(225) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
げ。
[足の下で何かが潰れた感触に視線を下げれば、 カラフルな卵の残骸があった。 余所見していて踏んづけてしまったらしい。]
(226) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[校内の卵と言えば、昨日のこともあり 敢えて近づかないよう避けていたが。 よく見ると、今日は中身がある。]
……猫耳?
[それも、片方だけ。 結局俺は最後までつけなかったけど、 クラスメイトが男女問わず全員装着だった記憶が蘇り。 やけに猫好きなチビがきてたことを、思い出した。*]
(227) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[夏見さんのマネキンを運び終えたら、 河合さんと別れて、一人廊下を歩いていた。
気付けば夜も遅くなっていた時間。]
(228) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
── 回想・文化祭当日 ──
[委員長から受け取った本日の飴、もとい おしゃぶり昆布を着ぐるみ頭の下で噛みしめながら。 俺は突然飛びついてきたチビに、固まっていた。
もしかして、あれ予言だったのか?>>1:325]
…………に、に゙ゃあ?
[野太い声で威嚇したら泣かれるんじゃ。 ぐるぐる一周考えた結果、困惑の猫語を絞り出せば 笑う気配が近付いてきた。>>2:288]
(229) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[ひらり、ひらり。
目の前に忽然と、1枚の紙片が現れたので、 無意識にそれを掴んでいた。]
(230) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[それは結婚式の招待状だった。
俺はこれを知っている。 我が家に届いた、ユイとあの男の挙式を告げる報せ。 俺にとっては突きつけられた敗者の宣告。
そうだ、結婚式が始まる。 俺は出席しなければならない。
記された場所は——『3F 音楽室』。]
(231) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
いもうと……って、副委員長の?
[ああ、確かに。>>2:289 放っとくとハチャメチャなクラスメイトらを支え いつも見守ってる感じは姉っぽい気がする。
副委員長とひっついて離れないチビとを、も一度見て。 とりあえず泣かれても宥められそうな存在が 近くにいることに体の力が抜けた。]
(232) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
べつに写真はいいけどな…… はいはい、ちょい屈んでやるからちょっと離せ。
[河合の妹は小学生くらいだろうか。 さすがに身長差がありすぎて画面に収まらないだろうと チビの頭をぽんぽん撫でて、しゃがんでやり。 黙って、カメラがあるだろう方を向く。
しかし、妖精でもプロでもない俺に ポーズなんてできるわけもない。 怖がらせないようにじっと小さな嵐がすぎるのを待つ間、 テーマパークのスタッフの気持ちがちょっとわかった。]
(233) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
— 3F・音楽室 —
[急ぎ足でエレベーターに飛び乗り、目的の階へ。 音楽室の分厚い扉が見えてきた。
開始時間はもう過ぎているらしい。 急がなければならない。 フォーマルなスーツは持ってきていないから、生憎の制服姿で失礼。 扉に手をかけ、一息で開く。
そこは結婚式が執り行われるチャペルだった。]
(234) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[既に参列している人々で席は埋め尽くされており、 俺の姿はひどく場違いで。
真っ直ぐ伸びたバージンロードの向こう、 祭壇の上には、純白のドレスを纏ったユイと、 新郎の若社長が、揃って向き合っていた。]
「それでは、誓いのキスを」
[神父が宣言すると、2人は見つめ合って頷き合い、 そしてゆっくりと顔を近づける。
——間に合った。]
(235) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[そうして、ひとしきり自由に触らせてやり。 他に注意が変わったらしくチビが離れて行けば ぐったりしながら手を振る。
河合がまだ笑っているようなら、 着ぐるみ頭の中からジトリと睨み。]
あー……なんかどっとつかれた。 妹っていくつなんだ? つか、あまり似てないな。
[年が離れた、仲良い姉妹。 それが、河合の家族の印象だった。**]
(236) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[握り締めていた招待状はいつの間にか、 鋭利なナイフに変わっていた。]
(237) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[一歩、二歩、三歩、踏み出して、 チャペルのど真ん中に、 番いの契りを結ぶ場所の中心に、 明らかに邪魔な制服姿の異物が立ち、ナイフを喉元に当てる。 鋭い切っ先が薄皮に食い込む感触を覚えた。
何度も思い描いたんだ。 俺の命を使って、ユイに呪いをかける方法。
惨めな悪役の散り際。
花嫁の人生を表すバージンロードを、 お前たちが蹴落とした敗者の血で汚してやろう。]
(238) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[ナイフを突き立てた箇所から、一筋の血が流れ出る。
そして、痛みを感じながら俺はようやく気付く。]
(239) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[ユイも。 その旦那になる男も。 席に着く参列者も。
誰一人として、俺のことを見ていない。]
(240) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[………………俺は。何をしてるんだろうな。]
(241) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[ユイ。 お前には少しでもいいから、俺を見て欲しかった。 俺に面と向かって、嫌いだと一言でも言って欲しかった。 愚かな俺に、正直な気持ちをぶつけてほしかった。 どうしても難しいことだったかもしれないけど。
お前は俺に長い夢を見せてくれた。 お前は、俺の心の大半を持って行ってしまった。
そしてお前は、それに気付かぬまま俺の元から去っていく。]
(242) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[お前をひどい裏切り者だと罵ることができれば良かったのに。 お前を恨んで、お前に消えない傷跡を刻んで、 忘れられないように縛り付けてやろうとも思ったのに。
違うよな、それは。 だって、お前のことを考えて思い浮かぶのは、 お前のことを何も知れないまま見ないフリしていた後悔と、 お前に何もしてやれなかった反省ばかりで。
お前を傷付けたいわけじゃなかった。 今も。これから先も。]
(243) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[手の力が抜けて、ナイフが零れ落ちる。]
(244) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[やっぱりお前が好きだったよ、ユイ。]
(245) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[首についた小さな傷から血を零しながら、 落としたナイフを拾い上げる。]
(246) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[だからどうかお幸せに、唯さん。]
(247) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
|
|
[よろよろと、ふらつきながら、 ナイフを持ってチャペルの脇へ外れ、 そして壁に凭れ掛かり、目を閉じる。]
(248) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
|
……結婚、おめでとう、ございます。
(249) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
|
[拍手の音がする。 誓いのキスが終わったのだろう。
俺は、微笑んで。 握り直したナイフを首に当て直し、 勢いよく真横に引き切った。]
(250) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
|
[お前たちは誰も俺を見ていない。 これから先もずっと、敗者は敗者のまま消えるのみ。
でも、こんな俺でも、 見てくれる奴らがいたことを思い出せた。
誕生日プレゼントの相談に乗ってくれたり、 家に遊びに来てバカ騒ぎしてくれたり、 恋バナをしようとしたり、 譲れない論争をしたり、 罰を考えてくれと申し出たり、 隙あらばいじったりからかってきたり——]
(251) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
|
[やっぱりさ、俺は恵まれていたよな。 ちゃんと覚えてる。 全部覚えてるよ。 ありがとう、みんな。
人生の中で大切な何かを壊してしまったって、 それを埋めてくれる奴らは、必ず現れる。
それを教えてやりたくなったよ。 この校舎を作った、お前に——]
(252) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
|
— 8:50 —
[チャイムが鳴る。
3Fの音楽室を覗けば、楽器は壁際に片付けられており、 赤い絨毯が真っ直ぐに引かれ、左右には椅子が整然と並べられ、 なんだか、簡易的に作られた結婚式会場のよう。
花嫁も花婿も神父も参列者も、もう誰もいなくて、 絨毯には花弁が散らされた跡があり、 祝福の時はもう終わってしまったような雰囲気を感じさせる。]
(253) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
|
[参列者席の向こうに片づけられたグランドピアノの側で、 壁際に凭れ掛かりながらぐったりと崩れ落ちるマネキンがある。
男子生徒の制服を着ているそれは、 首元が掻き切られて血を流しており、 手には血のついたナイフが握られている。
まるで花嫁たちの祝福の時間を邪魔しないように、 誰にも見られない隅っこで、ひっそりと。**]
(254) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る