人狼議事


14 冷たい校舎村10

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視点:


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 ひもじいかぁ?
 俺、高級グルメばっかり食うわけじゃないのよ。

[>>0反論してみたが、まあ、言わんとすることはわかる。
金持ちである自覚はあるが、食生活は特に変哲もないものだ。

料理についての話が切り出されるなら、
俺は軽口を返してやって、潰えた古香さんのバレンタインのプランを知ることになる。]

(33) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 それは喜んでくれただろうな。
 誠に残念なことで。

[笑みが返ってきたのなら、
こちらも社交辞令的に笑って受け取る。
実現しない未来の話。

好きな人がくれるものならなんだって嬉しい。
いつかの相談でそう言われたからというわけではないけど、
関係が続いていればきっと喜んでくれたのだろうと。]

(34) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[そうして、夜も更けていく校舎。
春満の集めてくれた暗幕をひとつ、
ありがたく借りて、教室の隅のほうを借りれば、
暖房のぬくもりを享受できるうちに眠りに落ちることになる。]

(35) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 朝・1F廊下 —

[朝の目覚めは若干早かった。
どう頑張ってもスッキリしない気持ちを少しでも整えようと、
購買でタオルや歯ブラシを買って、身支度を整える。

相変わらず校舎の外には出れそうにない。
出れる時を待つほかなく、やれることもない。

ああ、そういや、
料理ができる奴らが朝食や昼食を作ってくれるという話だっけ。
それはとてもありがたい。

そんなことを思って廊下をほっつき歩っていたところで、
8:50、チャイムの音が鳴った。*]

(36) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 回想:敗者の後日談 —

[季節が冬になる。
ユイとは会えていない。

いつも2人で歩いていた通学路を1人で歩きながら、
いろいろなことを思い返す。
どんな気持ちでずっと俺の隣にいたのだろうと。

考える時間だけはたっぷりある。
答え合わせは永遠にできない自己復習。

何度も繰り返し、同じことを考える——]

(37) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 あ、

[視線の端、道路を挟んで向かい側、
疎らな人影の中に、その姿を見た気がした。

ふとそちらを見て、回り込んで道路を渡る。
追いかけて、そして——いた。

ユイがいた。
婚約解消してからずっと、俺と会うのを拒否していたユイが、
私服姿で、どこかへ向かって歩いていくのが見えた。]

(38) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[追いかける。大きく距離を開けて、見つからないようにしながら。
どうしてかは自分でもよくわからなかった。
呼び止めたいのなら、そうすればよかったはずなのに、
ユイがどこに向かっているのかを知りたかった。

これはストーキングだろうか。
やめたほうがいい、と脳の奥で警鐘が鳴る。

それでも俺は追いかける。
先をゆくユイを追いかけて、バスに乗ったのを確認し、
躊躇ったけど、顔を隠しながら俺もバスに乗る。]

(39) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[そのまましばらく座席で揺られていた。
バスは進む。

いつかの日、2人で出かけた美術館を通り過ぎ、
遊園地前に来たところで、ユイはバスを降りた。

俺もそれに続くように降りる。
ユイにはまだ気付かれていない。

心臓が破裂しそうだった。]

(40) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[遊園地。
少し考えれば分かったのだ。
ここへ1人で来る用事なんて、ユイが持っているはずがないと。

遊園地の入り口、待ち合わせスポットのマスコット像へ向かって、
ユイが駆け出していくのを見た。

俺は、人混みに紛れて、
その様子をずっと見ていた。

これ以上、見てはいけないと。
本能がそう訴えかけてくるのを無視して。]

(41) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[ユイは、笑顔を浮かべた。]
 

(42) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[ユイと待ち合わせていたのは、
婚約の解消を伝えに来た、あのライバル会社の若き社長で。

あの男を前にしてユイは、笑っていた。

そして。
その2人は一目見て分かるほど、仲睦まじい様子で、
手を組んで遊園地のゲートの奥に消えていった。]

(43) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[……俺が見たことのないユイの表情は、あの男に向けられていた。

それも、そうか。
あの男は、ユイを解放するために尽力してくれたヒーロー。
俺という悪者を退けた、彼女にとっての救世主。

ああ、そういうことか。
ユイにとって、俺は邪魔なだけの悪役で。

そして、もう決着が着いた後。
忘れ去られるだけの、ただの情けない敗者でしかないのだ。]

(44) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[>>1:188——こいつ、あんまり笑わないんだけどさ。
気にしないでくれよな。こういう奴だから。]
 

(45) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[何が「こういう奴だから」だよ。死ね。]
 

(46) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[冬の夕方、
遊園地に向かうカップルたちの流れに逆らって、
ひとり、敗者は歩き去るのみで。**]

(47) 2021/11/11(Thu) 04時半頃

頭蓋骨と骨 ヘイタロウは、メモを貼った。

2021/11/11(Thu) 04時半頃


 ―― げんじつせかい ――

[ コンコン。
 ノックの音が聞こえて、あたしははっと顔を上げた ]

 ふあっ!?

[ あたしの声は返事になってなかったし、
 なんなら返事じゃなかったんだけど、
 ドアを開けてお母さんが入ってくる ]

 「寝てたの?」

[ お母さんはあきれ顔。
 手にはトレイを持ってて、そのトレイには、
 レンチンの焼きおにぎりが2つと
 具沢山のお味噌汁が載ってる。 
 お母さん、よく夜食を持ってきてくれるんだよね。
 あたしが真相を知った日以降、特に。
 あたしが何かやらかさないか、きっと心配なんだと思う ]


[ あたしはというと、机の上に参考書とノートを広げて
 寝てた。寝てた……んだ。
 なーんだ、夢かあ。
 夢……だった? ]

 「七星?」

[ お母さんが怪訝そうな声であたしを呼んだ。
 トレイを机の端に置いて、
 あたしに手を伸ばしてくる ]

 「首、どうしたの?痣になってる」

 …………え。

[ お母さんの手があたしの首に触れた。
 ポーチから手鏡を出して確かめてみれば ]



 うわっ。

[ 怖いんだけど!
 指で首絞められたみたいな痣ができてるんだけど!
 あれはただの夢なのに!
 そうでしょ?
 だって、ただの夢じゃなかったら、それって ]


[ ぴこーん。
 聞き慣れた音がしたのは、その時だった。
 スマホのメッセージ受信音だ。
 条件反射みたいにあたしは確認しちゃう。
 送信者は……日食君?
 こんな時間に珍しいな。
 日食君といえば猫だけど、
 こんな時間に猫写真を撮ったわけでもなかろうに。

 そんなことを考えながら、メッセージを開けば ]

 今、病院に着いた……?

[ 病院?なんで病院?
 よくよく見れば、グルチャに送られた
 日食君のメッセージは、それだけじゃなかった。
 あたしは瞬きを忘れて、
 ついでに目の前にいるお母さんのことも忘れて、
 慌ててメッセージをさかのぼる ]


[ 病院って不穏な単語に、お母さんが首を傾げて、
 話の途中だっていうのに口を挟まずに待ってくれてるの、
 気づく余裕は今のあたしにはなくて ]



 『帰ってきた。病院行く』
 『今家を出る』

[ 帰ってきた?帰ってきたって、どこから?
 日食君のメッセージは要領を得ない。
 イラっとしそうになったけど、
 他にもメールが届いてることに気づいた。
 飯尾先生?と、和歌奈ちゃん?
 
 グルチャにメッセージじゃなくて、メール。
 首を傾げながらあたしはまず
 和歌奈ちゃんからのメールを開いて ]


[ 血の気が一気に引いた。
 和歌奈ちゃんから送られてきたメールは、
 あの校舎で読んだ遺書だった ]



 お母さん、

[ がくがくと体が震えて、
 あたしは忘れてたお母さんのことを都合よく思い出した。
 片手にスマホを持ったまま、もう片方の手で、
 お母さんの腕をつかむ ]

 お母さん、どうしよう。
 和歌奈ちゃん、和歌奈ちゃんが、死んじゃう。

 「七星。七星、落ち着きなさい」

[ 空いてる方の手で、お母さんが背中をさすってくれる。
 でもあたしは落ち着けない。落ち着けるわけない。
 どうしよう。止めなきゃ。行かなきゃ。でもどこに?

 ……病院!
 そうだ、病院って、さっき読んだ! ]



 ……病院!日食君、着いたって……。

[ どこの病院かは書いてなかった。
 っていうか日食君はどうして知ってるの?
 誰から聞いて……あ。
 先生からのメール!
 あたしは慌てて先生からのメールを開く ]



 ……お母さん。

[ メールを読み終わって、あたしはお母さんに向き直った ]

 友達が、病院に運ばれたの。
 あたし、行きたい。

[ 先生からのメールには、
 和歌奈ちゃんが望高の屋上から飛び降りて、
 望月病院に運ばれたって書いてあった ]



 行かなかったら、あたし多分一生後悔する。
 夜食は、持ってく。

[ あたしは、なんていうか、ぐちゃぐちゃだ。
 認める。あたしにはそういう部分がある。
 多分あたしの言動で、お母さんはあたしの友達が
 病院に運ばれた理由を察したと思う。
 ぐちゃぐちゃなあたしを、自殺を図ったであろう友達に
 関わらせたくないと思う。
 でも、行かなきゃ。絶対行かなきゃ ]



 ……あのね、あたし、夢の中でひめちゃんに会ったの。

[ ひめちゃん。
 その言葉に、お母さんの肩が震えたのがわかった。
 だけど構わずあたしは言葉を続ける ]

 ひめちゃんに死んでって言われたけど、断った。
 あたしは生きたいって。
 ちゃんと言って、ちゃんと決別できたよ。
 だから……あたしは、大丈夫だから。

[ 実際のところ、そんな簡単な話じゃないと思う。
 今でもあたしのどこかはやっぱりぐちゃぐちゃだし、
 カウンセリングとか、多分そういうの、
 あたしには必要なんだと思う。
 だけど、今は。今だけは。
 大丈夫だから行かせてほしい ]


[ お母さんは大きなため息をついた ]

 「食い意地が張ってる間は大丈夫そうね。
  お味噌汁はスープポットに入れていけばいいでしょ。
  お父さんに車を出してもらいなさい」

[ お母さんの言葉に、あたしは目を見開いて、
 それから抱き着いた ]

 うん、ありがと。
 ……あのね、あたし、お母さんのこと、大好きだからね。
 お父さんのことも。
 


[ コートを着て、マフラーを巻いた。
 首が隠れるように、しっかり。
 玄関のドアを開ければ、そこは雪景色じゃなくて、
 だけど冷たい空気がほっぺたを冷やす。
 
 お父さんは、もう車のエンジンを掛けてくれてた。
 乗り込んでシートベルトを締めて、
 そしてあたしはグルチャにメッセージを送る ]

 『ただいま!夏見、帰還しました!
  今から病院へ向かいます!』**
 


メモを貼った。


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 回想:夜 —

[>>61バレンタインもクリスマスも、なんにも関係なくなった、と。
そう語る古香さんの話を、缶詰を食べながら聞いていた。

>>62そうだね。俺にはまだ、その予定があるのだと、
みんなにはそう思われているんだろう。

婚約を解消されたことを話したくなかった。
情けなくて、惨めで、きっと知られたら耐えられない。
見栄というよりは、突かれたくない傷に対しての防御だった。

でも、もう疲れてきたな。]

(90) 2021/11/11(Thu) 22時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 泣く奴なんて、いないよ。

[もしも俺が失踪していたとしても、の話。
小さい声で、少しだけ自嘲しながら呟いた。

そう、どちらにせよユイは泣かない。
婚約を解消された今も。
婚約で繋がっていた昔も。

恋話で夜を明かすのは、俺は勘弁願いたかった。
話の種がどこにもないから。

だから俺は保健室へ向かう古香さんを見送り、
教室の隅ですごすごと蹲る。*]

(91) 2021/11/11(Thu) 22時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 朝 —

[朝の身支度を手洗い場の鏡で済ませていたら、
その最中に雄火がやってきた。>>65

朝食を作ってくれた人がいることを教えてもらいつつ、
昨日の情報交換をする。]

 俺、何個か踏んで壊しちゃったんだよな、その卵。
 中身は何も入ってなかったけど。

[昨日はそうだった。
何かを言おうとしていた卵を、気付かぬうちに踏み砕き。
少し気にかかっていたことではある。]

(95) 2021/11/11(Thu) 22時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[>>66雄火が卵を拾い上げてきたと思ったら、
少し間を置いて、ものすごい絶叫が轟いた。]

 う、うるせっ……!

[ぼんやりしていた頭が起床する。
朝の目覚まし代わりになってしまった。]

 ああ、落としたのか。
 何も入ってなかったろ?

[卵を落としただけか、大袈裟だな、と、
鏡に向き直ろうと思ったら、雄火が卵から何かが出てきたと言う。>>67]

(96) 2021/11/11(Thu) 22時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 猫耳……。

[の、片方。

文化祭の時、全員分作りたいと主張した平塚さんと激論を繰り広げて、
結局作らせてしまったのが懐かしい。
我らの予算が存分に注ぎ込まれて作られた、貴重な品である。]

 なんだよ、すごいロマンチックなこと言うね。
 ……誰かが卵に閉じ込めたのか? あの時の思い出を。

[>>68卵の中にあの日の教室が入っていたと、
そう表現されれば、そう思えてくるから不思議だ。
合っているのかどうかは、この校舎を作り上げた主のみが知るのだろうか。]

(97) 2021/11/11(Thu) 22時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[そうして雄火と別れて手洗い場を後にした時、
俺はチャイムの音を聞く。

チャイムの音で思い出すのは、
虎次郎が消えて、マネキンが増えた昨夜のこと。
まさか、と思うには十分だった。

心なしか早足で、廊下を進んでいく。*]

(98) 2021/11/11(Thu) 22時半頃

 ―― 望月病院 ――

[ お父さんは、車を病院の正面入口の前じゃなくて、
 夜間入口の近くに停めてくれた。
 あたしはありがとうってお礼を言って、
 トートバッグを持って車を降りる。
 お財布とかハンカチとか、
 ラップに包んだ焼きおにぎりとか
 お味噌汁の入ったスープポットとかが入ってる。
 スマホはすぐに気づけるようにコートのポケットの中だ。
 帰る時は迎えに来るから連絡しなさいって言う父に、
 あたしはもう一回ありがとうを言った ]

 日食君。

[ 夜間入口を入ってすぐ、
 自販機コーナーに日食君がいた。
 思わずあたし、大きな声を出しそうになって、
 慌てて口をふさぐ。
 いけないいけない。ここは夜の病院だ ]


[ メッセージは届いてたんだからさ、
 無事なのはわかってた。
 あたしだって、あの世界で死んだけど、
 こうやって生きてるんだし。
 だけどやっぱり無事な姿を見ると安心するね。
 おかえりって言ってくれる日食君に、
 あたしはうんって頷いた ]

 日食君も。無事でよかった。
 日食君、マネキンになってたんだよ。
 あたしと路子ちゃんで運んであげたんだから。
 感謝しろよな!

[ 血まみれになって云々はさすがに言わないけど、
 恩はしっかり売る!
 両手に花だったんだんだから!
 意識はなかっただろうけど!
 そしたら、ジュース奢ればいい?なんて
 自販機の方を向こうとするから慌てた ]



 なんでそーなるっ!
 ……そーだなあ。日食君といえば猫じゃん。
 
 和歌奈ちゃんさ、きっとすぐ退院ってわけには
 いかないよね。
 きっと退屈するだろうからさ、
 選りすぐりの猫写真、グルチャに流してよ。
 あたしも見るし。

[ 小6のあの日、飛び降りようかって言ったあたしを
 ひめちゃんは止めた。
 飛び降りだと、あたしの生死を
 コントロールできなかったからだ。
 飛び降りだと死ぬってひめちゃんは考えたんだろう。

 和歌奈ちゃんは、望高の屋上から飛び降りた ]


[ ……そーゆーことは今は考えない!!
 和歌奈ちゃんは、ひとりじゃない。
 ひとりじゃないから、大丈夫のはず。
 みんなが一緒に連れて帰ってきてくれるはず。
 なにしろあそこには、
 「持ってる」路子ちゃんだっているんだし ]


[ あたしはあの世界を夢だったとは思ってないし、
 日食君もそうみたいだった。
 こうやって話が通じるのが何よりの証拠 ]

 ……さて。先生来てるんだよね?
 和歌奈ちゃんのご家族とか。
 挨拶してくるよ。
 日食君はまだしばらくここにいるの?
 なら、誰か来るかもしれないし、出迎えよろしく!

[ あたしはそう言って、病院の奥へと足を進めた ]*


メモを貼った。


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[平塚さんのマネキンが体育館に。
夏見さんのマネキンが屋上の扉の前に。

——という情報を、不知火さんから聞いた。>>76]
 

(102) 2021/11/11(Thu) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 そっか、わかった。

[廊下でばったり出会って、一通り必要なことを聞いた後、
少し動揺しながらも、事態を飲み込んで返事を返す。

やはり彼女は行動力が高い。
文化祭準備期間の失踪事件を思い出す。
足が不自由だから歯痒いのだろう、なんて、
勝手な思い込みを押し付けてた自分の甘さを改めて実感する。

今回は、帰れなくなっていなくて良かった。
突如現れたエレベーターのおかげでもあるのだろうか。]

(103) 2021/11/11(Thu) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 屋上まで行ってくれたんだな。
 ……なんというか、

[どうしてエレベーターが設置されたのだろう。
その理由を探すとやはり、不知火さんのためではないかという考えがよぎり、
もしかして彼女が——と、思ってしまえば、
言葉がどことなく濁ってしまう。]

 探してくれて、ありがとう。

[感謝の言葉と、かつて勝手に心配したことへの罪悪感。
それらが混じったまま、教えられた場所に向かう。]

(104) 2021/11/11(Thu) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[>>100雄火と話して確信を深めたけれど、
この世界の主がこの中にいるのなら、
それは不知火さんかもしれなくて。

そうじゃないとしたら、おそらく、
不知火さんにも自由に校舎を動き回って欲しかったと、
そう思う誰かが、いる……?]

(105) 2021/11/11(Thu) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[手近なエレベーターに乗った。
俺は、学校の校舎を移動するなら階段で駆け上がったほうが早いと思っている。
両足が満足な者の、当たり前の思い上がり。

だから、待っている間はもどかしかった。
ランプを見上げれば、よくわからない猫のマークがついている。
ああ、俺たちの思い出にはどうにも猫の気配が濃い。

>>16エレベーターに乗れば、猫のようなボタンは気になるものの、
まず目指すのは不知火さんに教えてもらった屋上の場所。

やがて、音を立ててエレベーターは到着するだろう。
>>89そこに先客がいたかどうかは、扉が開くまでわからない。*]

(106) 2021/11/11(Thu) 23時頃

頭蓋骨と骨 ヘイタロウは、メモを貼った。

2021/11/11(Thu) 23時半頃



     わたし
[そう、平塚莉希が死んでも
 ママは悲しまない。

    天野莉希の死を、悲しむだけ。
    だってそういう人なのだから。]
 



   わたし
[ 平塚莉希は 貴女の どこにいますか? ]
 


[文化祭が終わって春が近づくにつれ、
 どんどん憂鬱になっていった。
 進学するにしたって、ママが納得するところに
 しか行かせてくれない。
 レッスンやオーディションだって再開する心算
 だろう。

 ……また雁字搦めの生活に戻る?

 ううん、この三年間だって、
 糸は絡まったままだったよ。]



[ まるで操り人形のように ]
 


―― 帰還 ――


 ―――――っ!


[何かに弾かれるようにばちりと目が覚めた。

 鼓動が早い。
 呼吸が浅い。
 嫌な汗だって流れている。
 まるで悪夢を見た時のように。

 息を落ち着かせながら沈んでいたベッドから身体を
 起こした。

 えぇと、私何してたんだっけ?
 ……そうだ。ママと電話して一方的に色々言われて、
 しんどくなってベッドに身を投げたんだ。]


[窓の外はとっぷりとした闇に染まっていて、
 冬の空気が星の光をより綺麗に瞬かせている。
 思わず窓を開けた。
 窓はすんなりと開いた。
 雪は積もってはいなかった。]


 ……夢、だったのかな?


[夜空を見上げれば綺麗だなぁと思ったけど、
 身体が冷えればママに怒られる、とやっぱり
 すぐにからりと閉めた。]


[やることやらなきゃと思って時間を確認しようと
 ベッドに投げ出されたままだったスマホを手に取る。
 そこでいくつか通知が入っているのに気づいた。
 それは日食君、それから飯尾先生、和歌奈さんの
 順に表示されていて。
 どうしたのかなって、一番上の日食君から目を
 通した。


 病院? どこか怪我したのかな?


[もしかして送信先間違えた?なんて思ったけど、
 次に飯尾先生のメールを開けば、その意味はすぐに
 知れることとなる。]




 ……夢、じゃ、なかった?
 あの世界は。
 ホストは、和歌奈さんだったってこと?


[あの世界で見た同じ文面が、一言一句違わず
 確かにここにある。
 その画面を凝視していると、もう一件、通知が
 入った。


 ……行かなきゃ。


[七星さんも帰って来た?って思ったけど、
 今はそんなこと気にしてる場合じゃない。]




『平塚莉希も帰還
 病院、私も向かいます!』


[私もグルチャに返信を打って、部屋を飛び出した。]


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 回想:敗者の参列 —

[高校を卒業した後の、春に。
ユイと例の若社長が式を挙げるという報せが、我が家に届いた。

随分準備が早いなと思ったけど、
俺の知らない水面下で何もかもが進んでいたのだから、
何もおかしなことじゃない。

卒業後にすぐに結婚する予定だった、俺とユイの、
俺の部分が他人に入れ替わっただけ。]

(118) 2021/11/12(Fri) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[わざわざ俺の家に招待状を送ってくるとは、何の当て付けかと思った。
これも会社の付き合いの事情が全てであり、他の意味合いはないのだけど。

「ご出席」と「ご欠席」の欄があって、
欠席に印をつけたくてたまらなかったけど、
俺は個人として呼ばれたのではなく、会社の関係者なのだから、
面子のため、どう足掻いても出席せざるを得ないらしい。

俺は、この目でまざまざと見なくてはならない。
ユイが他の男と契りを交わす瞬間を。

こんなの、あまりにも残酷じゃないか。]

(119) 2021/11/12(Fri) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[泣き喚くこともできない。怒り狂うこともできない。
悔しさと情けなさに身を焦がしながら、
ただただ、俺は耐えるしかない。

でも。
それって、俺と婚約させられていたユイが、
長い長い間ずっとやってきたことだろう。

立場が逆になっただけだ。
甘えるなよ幣太郎。

彼女がずっと辛い気持ちを抱えていたことを、見向きもしなかったくせに。]

(120) 2021/11/12(Fri) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[俺はユイのことを何も知らなかった。
趣味も、特技も、好きなものも、嫌いなものも、
何も知らないまま、疑問に思うのをやめていた。

自分から「好きだ」と言ったのはいつだったか、覚えていない。
何も言わなくとも、向こうも同じ気持ちなのだと思い込んでいた。

幼い頃から勘違いを積み重ねていたことに気付かされ、
今となってはもう遅い。

惨めだな。惨めだ。
死にたくなるほど、惨めだよ。]

(121) 2021/11/12(Fri) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[失恋の傷と呼ぶには、あまりにも深く抉られていて、
今もなお血を溢し続けている気がする。

自分は、普通に人を好きになれる人間だと思っていた。
でもそうじゃなかったよ。
俺に人を好きになる資格などないと突きつけられた。

人を好きになっていたつもりが、
人を傷付けて、それに気付けない愚か者。

死ねよ、なあ、幣太郎。]

(122) 2021/11/12(Fri) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[——ああ、そうだ。]


 

(123) 2021/11/12(Fri) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ



[ユイの結婚式、誓いの口付けの最中に。
首を掻っ切って死ねば、最高かもしれないな、って。*]

 

(125) 2021/11/12(Fri) 00時頃

[ 手術室に、人影が見えた。
 手術中の赤いランプが灯ってるのも、見えた。
 あたしはゆっくりと近づいて、頭を下げる ]

 こんばんは。

[ 来たのか、と声を掛けてきたのは飯尾先生。
 和歌奈ちゃんのお父さんは、
 わざわざありがとうございます、って
 子供のあたしに敬語で挨拶して、
 頭まで下げられてしまって、あたしはちょっと慌てた。
 和歌奈ちゃんのご家族には文化祭の日に会った。
 覚えてる。

 和歌奈ちゃんのご家族は他に誰か来てたかな。
 皆さんお揃いだったかもしれないし、
 もう夜も遅いから、お母さんと妹ちゃんは
 お留守番だったかも ]


[ 和歌奈ちゃん、来たよ。って、
 あたしは手術室の扉を見つめた。
 この向こうに和歌奈ちゃんがいる ]


[ しばらくそうしてたけど、
 先生が、ちょっと一服してきます、って
 席を外そうとするのに、
 あたしはついていくことにした。
 先生にはちょっと話したいことがあったから ]

 あ、あたし夜食持ってきてて。
 ちょっと食べてきます。

[ ご家族にそう言って、あたしは先生を追いかけた ]


[ 病院って屋内には喫煙所作れないんだって。
 あたしは煙草吸わないし吸う予定もないから
 どうでもいいけど。
 病院の外の特定屋外喫煙場所とやらで
 そう言って嘆く先生の横で、
 あたしはラップをめくっておにぎりを食べた ]

 先生さー、教育者の端くれってやつでしょ、
 だったらさあ、集団失踪事件の話、知ってる?
 誰かの頭の中にいた、みたいな話。

[ レンチンの焼きおにぎりは冷めても美味しい。
 もぐもぐしながら聞いたら、
 端くれ言うな、って小突かれた。
 一応知識としては知ってる、とも ]



 先生、あたしねー。
 さっきまで、和歌奈ちゃんの世界にいた。
 ……って言ったら、信じてくれるー?

[ あたしがそう言ったら、先生は怪訝そうな顔をした。
 大人を揶揄うもんじゃない、ですとな? ]

 先生、こんな状況でそんな冗談言うほど、
 あたし不謹慎なやつじゃないよー。

[ そりゃ夏見七星、お調子者ですけどね?
 ハチャメチャガールズとか一部で言われてる
 らしいですけどね?
 言っていいことと悪いことの区別くらいは
 ついてるつもりです! ]



 和歌奈ちゃんの世界って、望高文化祭だった。
 それでさ、あたしとか日食君は帰ってきちゃったけど、
 その世界にまだ残ってる人がいるはずなの。

[ 路子ちゃんに、真梛ちゃんに、荒木君に……って
 あたしは指を折って数える。
 莉希ちゃんからのグルチャは
 車の中で読んだ。
 莉希ちゃんももうじき来る。
 先生が信じてくれないなら、
 莉希ちゃんからも言ってもらおう。
 あたしたちは、和歌奈ちゃんの世界にいたって ]

 だからさ、先生。
 みんなが連れて帰ってくれるはずだからさ、
 ……和歌奈ちゃん、助かるよね。

[ おにぎり包んでたラップを小さく丸めて握りしめる。
 俯いたあたしの頭に、先生の手がポンって乗った ]**


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 屋上・扉の前 —

[エレベーターの到着を告げる音がして、扉が開く。
その向こうは屋上へ通じる空間だった。
箱の外に出れば、またすぐに屋上に出るための扉に阻まれるのだけど、
そこには生きて動いている人と、ぐったりと倒れ伏した人形があった。>>124]

 河合さん。
 聞いたんだけど、夏見さんのマネキンがここに……。

[皆まで言わずとも、彼女が抱えているのが“それ”であると気付けた。

>>2:429目を背けたくなるほど痛々しい傷つき方をしていて、
見覚えのある制服と髪型の、泣いているのか笑っているのか分からない人形。]

(128) 2021/11/12(Fri) 00時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[俺が死ぬことで、ユイの心に消えない傷を刻めるだろうか。
狂っていると非難されようと、ユイの心を縛り続けられるだろうか。



そうだったら少しは嬉しかったのに。

あいつは、俺のことをすぐに忘れて幸せに暮らすのかもしれなくて。
それが悔しくて、たまらない。]

(129) 2021/11/12(Fri) 00時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ



[それでも。
少しでも俺のことを見て欲しいと、未だ自分勝手に燻る気持ちがある。]

 

(130) 2021/11/12(Fri) 00時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 ……酷いな、これは。
 何されたのやら。

[マネキンを運ぶのを手伝って欲しいと言われ、
促されるままに足側を持ち上げる。
感触は紛うことなく人形で、それえは良かったと言える。]

 しかし、運んで何か意味あるかね?

[俺は虎次郎の時もそうだったけど、
人形と分かれば興味を失うので、そこは疑問だった。
死体ならば弔わねばならないけど、マネキンだもんなあ。

とはいえ、気休めでも状態を良くしておきたいと言うのであれば、
それに逆らうつもりもなく。]

(131) 2021/11/12(Fri) 00時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 よいしょっと。
 夏見さん、無事に帰れてるといいんだけどな。

[そうじゃなければ困るよな、と。
マネキンを持ち上げてバランスを取りながら、確認するように河合さんに促した。**]

(132) 2021/11/12(Fri) 00時半頃



 あの!私ちょっと望月病院に行ってくる!


[下にいた祖父母にそんな声をかけて慌ただしく
 バタバタしていれば、驚いた二人から一体
 どうしたのと声がかかった。]


 あ、えっと、その、
 友達が、運ばれたって…!


[祖父母は昔里帰りした時は気難しくて厳しい人たち
 って印象だったけれど、今は孫として普通に接して
 くれている、と思う。
 たどたどしく説明をすれば、二人は顔を見合わせた。]


[望月病院は自転車で行けばそんなにかからない。
 コートを羽織ってマフラーを巻いて、迷いなく
 飛び出そうとしていれば待ての声が響いた。
 こんな夜中に外出は関心しないと。]


 で、でも……!


[確かに関心できないかもしれない。
 でも私だって子どもじゃない。
 どことなくママに似た面影に、雰囲気に、
 反論の声はそれ以上出てこない。]


「夜道は危ないから送っていく。」

            ――――え?


[下を向きかけたら、降ってきた声に素っ頓狂な
 声が出た。

 私を、心配してくれた?
 それともやっぱり世間体?
 なんて考えてしまうのは失礼だっただろうか。

 でも断る理由はない。
 だって私は病院に行きたいから。]


 ……お願いします!


[そうして車に乗り込んで、病院を目指した。]


[私食堂に食料があるって書き込みだけ見たわけ
 じゃないよ。
 ちゃんと日食君についての書き込み
 見たら、マネキンもちらっと確認した。
 保健室のベッドは四つで、女子は五人。
 路子さんはどこでも寝れるからとベンチで寝て
 しまって
 遠慮して空けるのも勿体無いなぁって思ったから
 使わしてもらったけど、マネキンを見てしまった
 せいかなかなか眠れなくて。
 だから。]


 首大丈夫?


[自販機の所にその姿を見つけたら、
 開口一番にその細い首を確認した。
 まぁ大丈夫じゃなかったら日食君も私もこんな
 ところにいるわけないんだけど。]




 本当に苦しかったな、あれ。
 死ぬのって、あんなに苦しいんだね。


[日食君の身にどんな現象が起こったのかは
 知らないけど、そんな言葉をぽつりと零す。
 和歌奈さんも苦しかったかな、痛かったかな。
 少なくともその胸の内は、苦しかったのだろう。

 七星さんももうついていると教えてもらえば、
 私はその姿を探したんだ。]


[ドラマとかでよくあるよね。
 暗い病院に赤いランプが灯ってさ。
 その前に家族が神妙な面持ちで待ってるの。
 まさかリアルで体験することになるとは
 思わなかったよ。

 ご家族にぺこりと頭を下げた。
 この扉の向こうに、和歌奈さんがいるんだ。
 ランプはまだ、消える気配はない。]


 七星さん、に飯尾先生。
 こんばんは。


[二人がどこにいったかを教えてもらえば
 そちらへと足を向ける。


[会いたかったのは飯尾先生じゃなくて七星さんだ。
 脇目も振らず傍によればぎゅって抱きついた。
 そんなこと今までしたことなかったけど、
 しょうがないよね。
 ちょっといろいろ情緒崩壊してるんだ。
 だから許してね。]


 ……七星さんも帰って来たんだよね。
 みんな、帰ってくるよね。


[二人が何を話していたのかなんて知らなかったけど、
 その言葉を聞いたら先生も、信じてくれたかな。]**


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

― 回想・夜 ―

[>>133疲れに疲れて落としたバトン。
放っておいてくれても良かったのに、
それは拾われてしまい。

何かを言おうとして躊躇う古香さんを、苦笑して待つ。
目線は落としたまま。]

(142) 2021/11/12(Fri) 18時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 いいよ、心配なんて。
 たぶん、俺じゃないから。

[そう思う根拠は言わないけど。]

 ……ま、そのうちね。
 忘れてなければ。

[話の種なんて持ってないし、これ以上何も芽生えることもない。
だから、いつかの相談の時のように再び予防線を張って濁す。

楽しいばかりじゃない恋バナ。
聞いてみるのもいいだろうとは、
心の中で思いつつも、確約はしないでおいた。]

(143) 2021/11/12(Fri) 18時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

― 屋上・扉の前 ―

 ある人、ね。
 やっぱ心当たりあったりする?

[>>139マネキンを運んで綺麗な状態にしておく意味。
俺には思い当たらなかったから、試すように問いかけてみる。
みんなの姿を象っていようと、人形は人形だと思っているから。

――だからもし、俺がこうなったとしても、
放っといてくれていい。]

(144) 2021/11/12(Fri) 18時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[夏見さんの姿をした傷だらけの人形の、足のほうを持つ。
2人でバランスをうまく保って抱える格好。
体重がダイレクトに伝わらないのは幸いだったろうか。
……なんて、そんなことを意識したらこの人形が人間のようだと認めるみたいで。]

 ……ああ、そうね。

[>>141俺は早く帰ったほうがいい人間だと、そう思われているのなら、
苦々しく笑って、少し間を空ける。
昨夜もそうだったけど、嘘を吐き続けるのにもう疲れている。
破棄された婚約を隠すたびに、自分で自分を傷付けている。]

(145) 2021/11/12(Fri) 18時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 悲しむ奴なんていないから、
 ここで心中してやってもいいよ、俺は。

[半ば投げやりに、胸の内を吐き出す。
公然となっている認識が壊れても、もうどうでもいい。

俺が死ぬならあいつの結婚式で、と思っていたけど、
まあ、それでもいいか。
この世界の主がそれを望むのであれば。**]

(146) 2021/11/12(Fri) 18時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 回想・不知火さん —

[>>169問いに返す答えは、無言で。
視線が全てを物語った。
確証は無いし、安易すぎるとは思う。
だから口にはしない。]

 ……あ、

[>>172エレベーターの扉が閉じる時、
最後に聞こえた言葉に、何かを言う間もない。]

(189) 2021/11/12(Fri) 21時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[違うよ、俺はただ、人の気持ちがわからないだけだ。

自分が手を差し伸べるのは、自分が恵まれているから。
相手の気持ちを深く考えてやっていたわけじゃない。

自分が恵まれている存在だと思って、
ただ、何も知らずに浮かれていて、
他人を無意識に見下していたんだろう。
今ならそれがわかる。



狭い箱の中で、拳を握り締めた。*]

(190) 2021/11/12(Fri) 21時半頃

頭蓋骨と骨 ヘイタロウは、メモを貼った。

2021/11/12(Fri) 21時半頃


メモを貼った。


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 回想・とある一人の夜 —


[テレビのバラエティ番組を、ぼんやりと見ていた。]


 

(196) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[とある番組の特別企画で、
数十名の独身の男女が集まって、共同生活を送る。
そして数日後に、好きになった相手に告白をして、
両想いなら晴れて結ばれる——と、そういうことらしい。

番組の内容に興味なんてなかったけど、
勉強をする際のBGMとして、なんとなく流していた。

浮かれた男どもと女どもが、
インタビューに答えて、誰が気になると打ち明ければ、
VTRを見ているスタジオがキャーキャーと騒ぎ出す。

その音声を聞くだけで無性にイライラしてくるのに、
何故か、チャンネルを変える気になれず、
共同生活の行方を見守ってしまって。]

(197) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[やがて、2人の男が、1人の女性を同時に好きになったことが明かされる。
恋のガチンコ勝負。女性を射止めるのはどっちだ!?
——他人事のスタジオは、無責任に煽る煽る。

最終局面の告白シーン。
2人の男が思いの丈を女性にぶつけ、付き合ってくださいと猛アピール。
煩わしいCMを数回挟んだ後、その恋の行方は決着を見せた。

女性の心を見事射止めた男性は、涙ながらにインタビューに答える。
「必ず幸せにします!」女性の手を掴んで、そう語る。

負けてしまったもう1人の男性は、……あれ?
……もう1人の男性は……?

どうしてだろう、映像に映らない。
最後まで映らないまま、番組は終了した。]

(198) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[イシズ製薬のCMが流れて、我に返る。
気付けば勉強を放り投げて、テレビに齧り付いて見ていた自分がいた。

俺は、負けてしまったもうほうの男性の顔が見たかった。
でもそれは叶わなかった。

テレビとしては、勝利して夢を掴んだ男をクローズアップするのが当然で、
惨めに敗北した男のしけた顔など、いらないのだ。

視聴者は、世間は、人間は、華やかな勝者の姿を見たがっている。
無慈悲なまでに残酷に、
敗者はバカにされることすらなく、存在そのものが消されていく。]

(199) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[誰にも見られることなくフェードアウトしていった男性へ。
あなたが今どんな顔をしているのか、見せてほしい。

俺と同じ顔をしているのか、確かめさせてほしい。]
 

(200) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[潔く、敗者であることを認められたのなら。

こんなに苦しむ前に、自分から消えてしまえたのだろうか。*]

(201) 2021/11/12(Fri) 22時頃

[ 足音が聞こえた気がして、あたしは顔を上げた。
 莉希ちゃんの姿を認めて、思わず目を見開く ]

 莉希ちゃん!
 おかえり!

[ ここは屋外であるからして、多少声が大きくても大丈夫。
 なーんてこと、考える余裕なんかなかった。
 反射的に口をついて出ちゃったんだよ。
 ここが病院の外で良かった。
 こんばんはって言う莉希ちゃんに、おかえりって返して
 ぎゅって抱き返す。

 今この一瞬だけは、和歌奈ちゃんを心配する気持ちより、
 莉希ちゃんに会えて嬉しいっていう気持ちが
 上回っちゃったかもしれない。
 一瞬!一瞬ね! ]



 うん、……うん。

[ 莉希ちゃんの質問に、あたしはうんうんって頷く。
 七星さん「も」って莉希ちゃんは言う。
 莉希ちゃんも帰ってきた。
 つまりそれって……莉希ちゃんもきっと、あの世界で
 死んだんだろうって思う。
 痛かったよね。それとも、苦しかったかもしれない。
 労いの気持ちを込めて、莉希ちゃんを抱きしめたまま、
 その背中を撫でた ]

 せんせー。
 和歌奈ちゃんの世界で、莉希ちゃんも一緒だったんだ。
 ね?莉希ちゃん。

[ 莉希ちゃんに抱き着いたまま、
 あたしは先生の方に顔を向けた ]


[ 先生は、しばらく黙ってあたしたちの方を見てた。
 けど、頭をぼりぼりした後、降参って感じで手を挙げる ]

 「あー、わかったわかった。
  ……けどな」

[ 先生は、しばらく言葉を選ぶみたいに
 視線をさまよわせた後、
 少し声を落として、言った ]

 「もし……河合が、……戻ってこなくても。
  他の奴らを責めてやるなよ」

[ どきんと心臓が跳ねた ]


[ みんなが連れて帰ってくれるはずって
 あたしは言った。
 莉希ちゃんの言った「みんな」にも、
 もちろん和歌奈ちゃんは含まれてるはずだ。
 自分に言い聞かせるようにあたしはそう信じてる。
 
 だけど、もし、和歌奈ちゃんが帰ってこなかったら? ]



 ……そんなの、当たり前、だし。
 責めたりなんか、しないし。
 でも……でも、帰ってくるよ。ね?

[ ぎゅってあたしは莉希ちゃんに抱き着く腕に力を込めた ]


[ 和歌奈ちゃんの世界にあたしたちが呼ばれた理由。
 最期に一目会いたかったからじゃないか。
 路子ちゃんはそう言ってたけど。
 その言葉に、そうかもってあの時あたしも思ったけど。
 っていうか、そういう気持ちもきっとあると思うけど。

 それだけじゃなくてさ。
 和歌奈ちゃんの中のどこかに、連れ戻してほしい気持ちが
 あるからだったりしないかな。

 だって。だってさ。
 ひめちゃんの世界に、あたしは呼ばれなかった。
 それって、ひめちゃんに
 なんの未練もなかったからじゃない?
 あたしを縛り付けるために命を捨てたひめちゃんだもん。
 もし、ひめちゃんもあんな世界を作ってたなら、
 そこにあたしが呼ばれないはずがない ]


[ はやくひとりになりたいなあ。
 いつかの和歌奈ちゃんの言葉を思い出す。

 だけど、和歌奈ちゃんは呼んでくれた。
 和歌奈ちゃんの世界に、あたしたちを呼んでくれた。

 ねえ、和歌奈ちゃん。
 やっぱりひとりぼっちはさみしいよ? ]*


【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 死ぬっていうか、
 ここを作り上げた奴と、ずっと一緒にいてやってもいいって。
 そうすれば現実では死ぬんだろ。

[>>212心中っていう言葉のチョイスが物騒だったか?
俺としては、こんな場所に俺たちを呼んだ奴の気持ちを汲んだつもり。]

 ……いや、そもそもここの主が俺たちをここに呼んだ理由、
 心中してほしいってわけじゃないのかもしれないけど。

[そのあたりは依然として不明なので。
俺の想像を述べただけに過ぎない。]

(219) 2021/11/12(Fri) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 ……??
 おっととと。

[>>217河合さんが何かを語ると同時に、
マネキンのバランスが崩れかけて、夏見さんの頭が一瞬床に近付いた。
俺も戸惑いながら、辛うじて落とさないようにバランスを立て直す。]

 いや、やりたいことっていうか……?
 なんだろう……な……?

[驚かせたらしいけど、その後の反応は心中を止めるでもなく、
選択肢のひとつだとまで言う。

別に俺は止めてほしくて言ったわけではないけど、
何か違和感がある。]

(220) 2021/11/12(Fri) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 ここで死ぬこと、否定しないんだ。
 河合さんは、帰りたいと思ってる?

[確認するように聞いてみる。
>>218目は逸らされているけど、俺は細目で見つめていた。

エレベーターが到着すれば、マネキンを抱えたまま乗り込み、
そのままマネキンを安置している場所まで向かうつもりだけど、
その間に返事はもらえただろうか。*]

(221) 2021/11/12(Fri) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[夏見さんのマネキンを運び終えたら、
河合さんと別れて、一人廊下を歩いていた。

気付けば夜も遅くなっていた時間。]

(228) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ



[ひらり、ひらり。

目の前に忽然と、1枚の紙片が現れたので、
無意識にそれを掴んでいた。]

 

(230) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[それは結婚式の招待状だった。

俺はこれを知っている。
我が家に届いた、ユイとあの男の挙式を告げる報せ。
俺にとっては突きつけられた敗者の宣告。

そうだ、結婚式が始まる。
俺は出席しなければならない。

記された場所は——『3F 音楽室』。]

(231) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 3F・音楽室 —

[急ぎ足でエレベーターに飛び乗り、目的の階へ。
音楽室の分厚い扉が見えてきた。

開始時間はもう過ぎているらしい。
急がなければならない。
フォーマルなスーツは持ってきていないから、生憎の制服姿で失礼。
扉に手をかけ、一息で開く。

そこは結婚式が執り行われるチャペルだった。]

(234) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[既に参列している人々で席は埋め尽くされており、
俺の姿はひどく場違いで。

真っ直ぐ伸びたバージンロードの向こう、
祭壇の上には、純白のドレスを纏ったユイと、
新郎の若社長が、揃って向き合っていた。]


「それでは、誓いのキスを」

[神父が宣言すると、2人は見つめ合って頷き合い、
そしてゆっくりと顔を近づける。

——間に合った。]

(235) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[握り締めていた招待状はいつの間にか、
鋭利なナイフに変わっていた。]
 

(237) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[一歩、二歩、三歩、踏み出して、
チャペルのど真ん中に、
番いの契りを結ぶ場所の中心に、
明らかに邪魔な制服姿の異物が立ち、ナイフを喉元に当てる。
鋭い切っ先が薄皮に食い込む感触を覚えた。

何度も思い描いたんだ。
俺の命を使って、ユイに呪いをかける方法。

惨めな悪役の散り際。

花嫁の人生を表すバージンロードを、
お前たちが蹴落とした敗者の血で汚してやろう。]

(238) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[ナイフを突き立てた箇所から、一筋の血が流れ出る。

そして、痛みを感じながら俺はようやく気付く。]
 

(239) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[ユイも。
その旦那になる男も。
席に着く参列者も。

誰一人として、俺のことを見ていない。]
 

(240) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[………………俺は。何をしてるんだろうな。]


 

(241) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[ユイ。
お前には少しでもいいから、俺を見て欲しかった。
俺に面と向かって、嫌いだと一言でも言って欲しかった。
愚かな俺に、正直な気持ちをぶつけてほしかった。
どうしても難しいことだったかもしれないけど。

お前は俺に長い夢を見せてくれた。
お前は、俺の心の大半を持って行ってしまった。

そしてお前は、それに気付かぬまま俺の元から去っていく。]

(242) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[お前をひどい裏切り者だと罵ることができれば良かったのに。
お前を恨んで、お前に消えない傷跡を刻んで、
忘れられないように縛り付けてやろうとも思ったのに。

違うよな、それは。
だって、お前のことを考えて思い浮かぶのは、
お前のことを何も知れないまま見ないフリしていた後悔と、
お前に何もしてやれなかった反省ばかりで。

お前を傷付けたいわけじゃなかった。
今も。これから先も。]

(243) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ



[手の力が抜けて、ナイフが零れ落ちる。]

 

(244) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[やっぱりお前が好きだったよ、ユイ。]


 

(245) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[首についた小さな傷から血を零しながら、
落としたナイフを拾い上げる。]
 

(246) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[だからどうかお幸せに、唯さん。]



 

(247) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[よろよろと、ふらつきながら、
ナイフを持ってチャペルの脇へ外れ、
そして壁に凭れ掛かり、目を閉じる。]
 

(248) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




 ……結婚、おめでとう、ございます。


 

(249) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[拍手の音がする。
誓いのキスが終わったのだろう。

俺は、微笑んで。
握り直したナイフを首に当て直し、
勢いよく真横に引き切った。]

(250) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[お前たちは誰も俺を見ていない。
これから先もずっと、敗者は敗者のまま消えるのみ。

でも、こんな俺でも、
見てくれる奴らがいたことを思い出せた。

誕生日プレゼントの相談に乗ってくれたり、
家に遊びに来てバカ騒ぎしてくれたり、
恋バナをしようとしたり、
譲れない論争をしたり、
罰を考えてくれと申し出たり、
隙あらばいじったりからかってきたり——]

(251) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[やっぱりさ、俺は恵まれていたよな。
ちゃんと覚えてる。
全部覚えてるよ。
ありがとう、みんな。

人生の中で大切な何かを壊してしまったって、
それを埋めてくれる奴らは、必ず現れる。

それを教えてやりたくなったよ。
この校舎を作った、お前に——]

(252) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 8:50 —

[チャイムが鳴る。

3Fの音楽室を覗けば、楽器は壁際に片付けられており、
赤い絨毯が真っ直ぐに引かれ、左右には椅子が整然と並べられ、
なんだか、簡易的に作られた結婚式会場のよう。

花嫁も花婿も神父も参列者も、もう誰もいなくて、
絨毯には花弁が散らされた跡があり、
祝福の時はもう終わってしまったような雰囲気を感じさせる。]

(253) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[参列者席の向こうに片づけられたグランドピアノの側で、
壁際に凭れ掛かりながらぐったりと崩れ落ちるマネキンがある。

男子生徒の制服を着ているそれは、
首元が掻き切られて血を流しており、
手には血のついたナイフが握られている。

まるで花嫁たちの祝福の時間を邪魔しないように、
誰にも見られない隅っこで、ひっそりと。**]

(254) 2021/11/13(Sat) 00時頃

頭蓋骨と骨 ヘイタロウは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 00時頃


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