人狼議事


17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から

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視点:


【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 白に怯える誰か>>2:68がいました。
 白い景色を好んだ誰か>>1:48がいました。

 よく考えたことはありませんでしたが、
 夏の青と夜の青が違うように
 白もまた、多くの色持っているのかもしれないと
 ふと、思いました。

 だって、私の知る白は、
 絵筆が思い出を形作る前のはじまりの色で、
 寒さがすべてを覆い隠す長い冬の色で、
 儚いようでたくましい……もとい凛とした、
 あるいは、赤ん坊の甘酸っぱい匂いの隣で眺める
 ふかふかの眠る前の色でした。]
 

(9) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私の周りには四角い雪が降っています。

 癖のある文字であったり、
 甘い茶色を覗かせていたり、
 他にはどんな特徴があったでしょうか。

 私の知らない世界の、私を知らない誰か。
 白い生き物とふたりぼっちだった白い世界に、
 いつの間にか多くの言葉が溢れています。

 私の周りに、何かが増えることはありませんでした。
 ……本当に?]
 

(10) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ あなたに必要な何かが、
 突然目の前に現れることがあるかもしれない。

 と、ここで出会った初めての白が教えてくれたことを
 私は、ちゃあんと覚えています。]
 

(11) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ また、新しい雪が私の傍に落ちました。
 白色に、とても美しい緑>>2:192が芽吹いています。]
 

(12) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 あなたのような星空とは、不思議な響きですね。』
 

(13) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 相手は私のこと知らないはずなのに。
 何だか面と向かって話しているような心地に、
 私はまた挨拶も忘れて文字をしたためます。]
 

(14) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 朝が来て、昼が来て、夕方が来て、夜が来る。
  あなたの知る一日が私の知る一日と同じなら、
  私はまだ、この身に星空を抱いているのですか。

  実のところ、
  私は空だけを見たことがあまりないのです。
  私が見ていたのは、空を見上げる人でした。

  私を必要としてくれるのに、すぐ消えてしまう。
  弱くて、脆くて、儚い人間たち。
  悠久の空より、見逃したくない相手がいました。

  けれど、空も永遠ではないのですね。     』
 

(15) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 あなたにも、あなたの扉がありますか。
  あなたも白色の中にいるのでしょうか。
  それなら、分かってくださるでしょうか。

  ここに来てようやく、私は宙を見上げました。
  ひとりになって初めて、私はただ、上を見ました。

  とても、暗かった。
  暗くて、黒くて、まるで時が止まったような色は
  決して怖ろしいものではなかったけれど、
  どうしてか、煌めく星が恋しくなりました。  』
 

(16) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 私も、人のように忘れていたのかもしれません。
  時は記憶や思い出を置いて行ってしまいますから。
  ひとり、誰かと交わすことがなければ尚更ね。

  あなたが大切なものを思い出せて良かった。
  美しい空みたいな女の子の表情も、
  男の子が好む夕焼け空も私は分かりませんが、

  あなたの心を彩る枝葉の緑が、
  手紙に広がる色であればいいのにと思います。

  とても美しいものをありがとう。       
  美しい空を教えてくれてありがとう。     』
 

(17) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 あなたが愛した空は失われて、
  記憶になってしまったかもしれませんが、
  あなたはもう忘れないでしょう?

  ならば、きっとまた出会えます。

  誰かが覚えている限り、
  ”それ”が完全に消えることは決してないのだと、
  私は、そう信じています。          』
 

(18) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 親愛なる フーデリア へ

  私の声があなたの名を呼ぶことはありませんが、
  あなたの知らないどこかで
  私はあなたの名をずっと覚えています。

  フーデリア、私を知らないあなた。
  あなたの歩む扉の先が、幸多からんことを。

                  バキュラム 』
 

(19) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私に何かを見るための目はありません。
 そんなものがなくとも、
 星空とは違う煌めき>>200は私に届いていますから。

 私には多くの与えられた名がありました。
 人間から与えられた役目がいくつもありました。
 けれど、そのほとんどがひと時のものでした。

 私は、手紙に名を記します。
 黒い男が見ていたらあっという間に手紙は破られ、
 燃やされ、跡形もなくなっていたでしょうが、
 艶めく黒はもうここにはいません。

 人間は永遠を生きられない種族です。
 いずれ私を置いて遠くへ行ってしまうのです。

 跡形もなく、消えていきます。
 時を伴い、いつか記憶や思い出も攫うでしょう。]
 

(20) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ どうして、名を書いてしまったのか、ですか。
 フーデリアは、私に美しい空を願ってくれました。
 だからでしょうか。そういうことにしてください。

 私の手紙は白い生き物の手によって旅立ちます。
 カウンターの上には、白と美しい緑が残りました。

 まるで、雪解けの季節、芽吹きを見つけたような。
 乾いたインクに朝露の片鱗はありませんでしたが、
 私は美しい緑へ、そっと額を寄せました。]*
 

(21) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 いつか、私をせんせいと呼ぶ子たちがいました。
  実は、その頃は私もまだ幼くて、
  なかなか慣れなかったことを思い出しました。

  あなたが誰かとの出会いで何かを見つけたように、
  あなたもまた、誰かのきっかけになれるのです。

  思い出させてくれてありがとう。
  あなたのおかげです。            』
 

(22) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 あなたが未来を視る種族でないならば、
  この先のことなど分からなくて当然です。

  不透明で曖昧な先に進むのは不安を伴うでしょう。
  孤独であれば尚更です。
  誰かの存在はそれだけで救いなのかもしれません。

  けれど、あなたはもう見失わないでしょうから。
  今はまだ曇り空でも、
  差し込む光が行く先を照らしてくれるはず。   』
 

(23) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 それでも、時には孤独や不安に
  圧し潰されそうな日もあるかもしれません。

  そんな時はどうか誰かに手を伸ばして。
  目が良くとも、自分では見えないものもあります。
  出会いが何かを見つけてくれることもあります。

  あなたは決して、ひとりではないのですから。 

  ――どうですか?
  今の私は”せんせい”であれたでしょうか。

  幾分、無責任で頼りないかもしれませんが、
  すべて私の本心です。            』
 

(24) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 井樋 水輝 様

  これからは、私もあなたのように
  ”大切なこと”から目を逸らさず、見失わず、
  生きていきたいと思います。

  となれば、まずは見つけなければいけませんね。

  私はもうすぐ、扉から旅立つでしょう。
  カルピスというものの感想は
  どうやらお伝えできそうにありません。

  手紙を見つけてくれてありがとう。
  私はあなたの言葉を忘れません。
  だから、いつかBで目を測ることができたなら、
  その時だけはどうか、私を思い出してください。

                      B 』
 

(25) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私は食事を必要としません。
 ゆえにカルピスを口にすることはできません。
          ・・・
 それにしてもどんな食べ物なのでしょうか。
 音の響きからは魚のように感じます。
 火を通せば美味しく頂けるかもしれませんね。
 人間というものは、
 熱を通すことで食事を楽しむ種族ですから。

 私は水輝からの手紙もこれまでの手紙と同じように
 カウンターへ広げました。
 私の周りは、白といくつかの色ででいっぱいです。]
 

(26) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ ――その中に。
 まるで、最初から在ったとでもいうような顔をして。

 鍵がひとつ、落ちていました。]**
 

(27) Pumpkin 2022/03/10(Thu) 05時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私を選んだのは、とても小さな赤ん坊でした。
 私の役目は――未だ、見つけられないままです。]
 

(104) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 国歴10000年の記念祭に相応しく、
 箱の上辺に広がる空は澄み渡った青なのでしょう。
 外からは活気のある人間の声が聞こえました。

 本来なら坊やもその一員であったのですが、
 残念ながら今は真っ白なシーツに包まって
 大きな雪玉を拵えているようです。

 私たちが雪を見たことないからって
 気を利かせてくれたのね。
 と、坊やのお母さまが皮肉交じりに告げても、
 頑なに顔を出すつもりがないようでした。]
 

(105) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 氷のお姫さまのようね。と、お母さまが言いました。

 海を越えて遠くにあるという雪に閉ざされた地。
 最奥には雪に負けないくらい白いお城があり、
 その中には真っ白なお姫さまが住んでいるそうです。

 お姫さまは城から離れることはありません。

 お姫さまに一目惚れした王子さまは、
 何度も雪で閉ざされた道を乗り越えて
 少しずつお姫さまの心を溶かしていきます。

 長い時を経て二人の心が通じ合った時、
 白く覆われていた大地は緑に溢れ、
 長い長い冬がやっと終わりを迎えました。]
 

(106) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 王子さまは、いつお姫さまに出会ったんでしょうね。
 坊やのお母さまならご存じかもしれません。

 だって、これはこの地に昔から伝わる、
 女の子に大人気のおとぎ話。
 お母さまも幼い頃にお母さまから聞いたそうです。

 自分が親になったら同じように話すつもりでしたが、
 産まれたのは私を選ぶようなわんぱくな坊や。
 ささやかな夢は破れ、私もおとぎ話を知りません。]
 

(107) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ お母さまは暫くベッドの前に立っていたようですが、
 長いため息の後に遠ざかる足音がしました。
 落ち着いたら出てきなさい。と、
 扉が閉まる直前、気遣うような声が聞こえました。

 お姫さまと言われても何も反応しなかった坊やは、
 白いお城よろしく白いシーツに閉じ籠っています。

 私には目がありません。
 だから坊やが私をシーツの中に巻き込もうとも、
 私は白くて丸いものを見ることができました。]
 

(108) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 坊やは私を強く抱きしめました。
 引きずっても振り回しても傷つかない私ですが、
 押しのける手を持っていません。

 だから、坊やの柔らかい肌がが傷つかないよう
 願うことしかできませんでした。
 だって、こんな暗闇では私の”声”は届きませんから。

 私には手も指もありません。
 坊やを抱きしめることも、
 坊やの目元を拭うこともできません。]
 

(109) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ ■■■と私の名を呼んで、違うと呻いて。
 怒りや悔しさに頭まで浸かってもなお、
 私を抱きしめる坊やに、私は何もできません。

 だって、原因は私なのですから。
 友人に私のことで揶揄われた坊やに
 私が何かをする資格など、あるはずがありません。

 どうしたら、私は坊やの役に立てるのでしょうか。]
 

(110) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 坊やがいなくなったのは、その後のことです。]*
 

(111) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 20時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ お父さまとお母さまから、
 坊やが塔の魔術師に弟子入りしたと聞かされました。
 百年以上も前に魔族を追い払ったと言われる国で
 当時、王たちに力を貸した男なのだそうです。

 坊やのお父さまは自分の跡を継いでくれないことに
 少しだけがっかりしたようですが、
 どこか誇らしそうにしているようにも見えました。

 遥か遠くを見つめるお父さまの姿は、
 いつか私が彼の夢を聞いた夜に似ていました。

 けれど、私のインクは夜空の濃紺ではありません。
 坊やの大きな瞳にずっとあった煌めきが、
 坊やのいない場所で、私の内を揺蕩っています。]
 

(112) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ アイツももう立派な大人だからな。
 と、お父さまが言いました。

 嗚呼、嗚呼。

 坊や――彼は、人間は、
 私が思うよりずうっと早く歳をとっていきます。]
 

(113) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム

― カウンターの上にいたのが、ふたつだった日 ―

[ かみさまから”人間に不要なモノ”と定められた私は、

 望まれれば在るだけで、
 望まれなければなくなるだけで、

 人間に何かを求めることはありませんでした。

 だから、この場所に私が望むものは現れない。
 何ひとつ、何もかも。

 私にとっては人間と同じ、
 私を置いていく過去でしかありません。

 だから私はただ、見守り、見送るだけです。]

(114) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ さみしいだとか、かなしいだとか、
 そういう痛みを伴う感情は。
 たのしいだとか、うれしいだとか、
 そういう痕を残す感情は。

 人間よりずっと長い時を生きる私が、
 持ってはいけない感情なのです。

 私が”人間に不要なモノ”であるように、
 感情は私にとって不要でなければなりません。]
 

(115) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 白い光、白い大地、ぽつんとあるカウンターの上。
 同じくらいの大きさをした生き物と、私。
 透明な半円の境界線と私だけの扉。

 それだけだった、はずなのに。

 いつの間にか、
 私の周りにたくさんの思い>>10が溢れていました。]
 

(116) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 名前のないもの、名前があるもの。
 美しい緑に甘い茶色。好きな景色に嫌いな色。
 光の覗いた曇り空も、忘れてしまった息の仕方も。
 もう二度と見ることのできない愛しいすべてへ。

 はじまりの色の上を彩るおもいは、
 全部が違っていて、それなのにどこか近くて。

 みんなみんな、少し悲しくて、さみしそうでした。]
 

(117) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ ひとりぼっちで、取り残されてしまったような。
 ひとりぼっちに、寄り添ってくれるような。

 ”それ”が、ほんの少し満たされたような気になる。
 ……私が? 本当に? どうして?

 私には分かりません。
 だって私は、今までもこれからも
 ”それ”以上でも、”それ”以外でもないのですから。]
 

(118) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ ねぇ、坊や。そうでしょう?

 だって私はあなたに選ばれて、
 あなたが望むままに引きずられただけなのです。

 だからあなたがいなくなったとして、
 私が寂しがるのはとってもおかしなことです。]
 

(119) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ これまでもそうでした。
 人間は私を置いて、先に行ってしまう種族です。
 迷い、悩み、多くの問題を抱える種族>>0:23です。

 ゆえに人間は、短い時を生きるのです。
 心を燃やして、刹那の痛みさえ糧にして。

 人間とは違う私が”そう”染まってしまったら、
 そんなことはありえないけれど、
 これからも多くの別れを経験して、嗚呼、
 迷い、悩み、怒り、嗚呼、苦しんで、
 その度に直面する問題に苦悩して、呻いて、
 嗚呼、嗚呼、 どうしたら、 ]
 

(120) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム



[ ――私は、百万年の孤独に耐えられるでしょうか。]

 

(121) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ お父さまとお母さまは、手紙を書くよう言いました。
 だから、私が言葉を待っても二人は微笑むだけです。

 坊やがいなくなっても、お父さまは
 私を夢のサンプルにすることはありませんでした。
 万年筆と名づけてくれたお母さまも、
 坊やにしていたように私を撫でるだけでした。

 ただ、もう一度、私に手紙を書くよう言いました。]
 

(122) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私は、周囲を取り囲む白の中、
 私の手紙>>2:158>>2:159>>2:160を見つめます。

 書き出して途中で途絶えた文面と>>2:161>>2:162
 他よりも走り書いたメモのようなもの>>2:163

 私は、坊やに手紙を書いたことがありません。]
 

(123) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 白いおもいの中心で、私は丸くなりました。
 頭のような部分だけを上げ、宙を見上げます。

 すっかり煌めきが満ちてしまった私の内とは違い、
 光を知らないような、暗い暗い宇宙の色>>0:#1

 その中心に一筋、星>>33が流れました。
 暗闇を一閃して道を切り開いてくれるような、
 強くて優しい、あたたかな色をしていました。]
 

(124) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ まるで目≠ナも奪われてしまったかのように。
 煌めきの残滓さえ見逃さないように。

 私は、宙を見ていました。]*
 

(125) Pumpkin 2022/03/12(Sat) 22時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ どれくらいの間、私は宙を見上げていたでしょう。

 瞬きにも満たない時間だったでしょうか。
 人間の一生に足り得る日々だったでしょうか。
 私にとっては、どちらも大差はありません。

 人間が生まれ、私を染め、内から消えていくのも、
 国が生まれ、地を染め、時を刻む>>105のも、

 すべて等しく、私を置いていくものですから。]
 

(181) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 時間も距離も、それから温度も、何もかも。
 私には必要ないと省かれた部分にも、
 どちらでもよいこと>>0:23があるのでしょう。

 私は睡眠をとりません。
 私が夢を見ることは許されません。>>1:64

 だから、これはきっと。
 私がはじめて見た、夢なんだと思います。]
 

(182) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 時間も距離も、それから温度も、何もかも。
 私には必要ないと省かれた部分にも、
 どちらでもよいこと>>0:23があるのでしょう。

 私は睡眠をとりません。
 私が夢を見ることは許されません。>>1:64

 だから、これはきっと。
 私がはじめて見た、夢なんだと思います。]
 

(183) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 白に囲まれた私に、またひとつ手紙が届きました。
 解けるように開いた紙には、
 見覚えのある名>>146が記されています。

 井樋 水輝。
 知らない文字であるはずなのに、
 どうしてか、相手を呼ぶ音を私は知っています。

 しかし、私には口も声も存在しません。
 ゆえに、この場に名が響くことはありません。]
 

(184) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 曇り空のような人でした。
 どんよりと薄暗いのに、
 向こうに差す陽が薄っすらと見えるような。

 優しいだけじゃなくて、綺麗ごとだけじゃなくて、
 辛いことも受け入れられないこともあって。
 気持ちの置き場を見失い、それでも大切な人がいて、
 前を向くと決めても、耐えられない夜はあって。

 これは、私の想像でしかないのですけれど。

 交わした言葉は多くはありませんでしたが、
 水輝の世界は私から遠いところにあるようでした。
 けれど、誰よりも私の知る人間に近い子でした。]
 

(185) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ だから、ということにしましょう。
 手紙を書く前から分かっていたことですけどね。

 気のせいかもしれないけれど。
 ――扉の向こうから声が聞こえます。]
 

(186) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私は水輝の書いた手紙を読んですぐに
 おもいの輪からずるりと身を滑らせました。

 だから、私が二枚目を読むことはありませんでした。
 私にとって、カルピスは食べ物のまま。>>26
 それで良かったのかもしれません。

 いつか>>147、なんて。
 私のよく知る人間に似ている水輝が
 私が叶えられない願いを綴っていることを、
 知らずに済みましたから。]
 

(187) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 生きることについて尋ねた兎>>2:134がいました。
 ”私”は”人間の望む役目を担うもの”なのに、
 書いた言葉は私から溢れたものでした。>>2:152

 もしかして、お父さまとお母さまが願ったのは、
 こういうことだったのでしょうか。>>122

 私の望み。私の思い。
 そんなもの、どこにもなかったのに。
 あなたたち>>2:158はずっと、私に人を求めた。]
 

(188) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 水輝にとって、
 私は”バキュラム”ではなく、”B”なのです。

 それがたとえ偽りの名でも、
 あなたがふとした瞬間思い出してくれる度に、
 私は息を吹き返すのでしょう>>2:151。きっとね。]
 

(189) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私の尾は私のおもいを文字にしませんでした。
 だから二度と水輝に手紙は届きません。

 問いに口が閉ざされたように、
 名前のない手紙が二度と訪れなかったように、
 永遠の暗闇を星の光が裂いたように。

 私たちの繋がりはどちらかが筆を止めた時点で
 完全に、永遠に、途絶えるものです。]
 

(190) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 名前を知らない相手がいました。
 境遇を知らない相手もいました。
 過去も、未来も、姿形も、理由も、意味も。

 ひとときの夢の中で私が手にしたものは、
 目覚めた瞬間の温度で解けてしまうくらい、
 弱々しく、不確かなものです。]
 

(191) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ けれど、そんな不確かな存在がいるだけで
 救われることがあるのだと私は思います。

 広い広い世界。
 いつかひとりぼっちになってしまうとしても、
 星の数ほど、この世界に存在している誰かが居て。

 私と同じように、生きているのですから。]
 

(192) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 傍らに在った白い生き物はどうしていたでしょうか。
 まだまだチーズに夢中だったかもしれませんが、
 私は構わず、白い生き物に身を沿わせました。

 ぐるり、ぐるり、と。
 端から見ればBがAを捕食するようでしたが、
 幸か不幸かここには私ともうひとりしかいません。]
 

(193) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私は静寂を破りました。>>1:36
 ただ――アシモフ、と。呼びたかったから。]
 

(194) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ アシモフのちいさな指先が私の手紙に触れる度、
 私は何度も感謝と喜びを伝えました。

 さいご、ですから。
 さいごなのに、さいごだから、
 アシモフの手≠煩わせることはしません。

 瞬きより長く、人間の生より短く。
 手を持たない私の抱擁は、
 アシモフにとって拘束だったかもしれませんけれど。

 一度だけ奪ったアシモフの自由が、
 私がここに残したさいごのものでした。]
 

(195) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私には、手も腕もありません。
 だから手紙を抱きかかえることはできません。
 あったとしても、空っぽだったでしょうけれど。

 鍵だけが、私の跡をついてきました。
 カウンターの上から見た扉は遠くて小さかったのに、
 自ら動くことなどほとんどない私でも
 簡単に辿り着くことができました。

 目の前に来れば、もう気のせいなんて思えません。
 声が聞こえます。人間の声が、扉のあちら側から。

 旅立ちの時です。]
 

(196) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ どんな扉だったでしょう。

 鎖より頑丈な言葉で閉ざされた扉かもしれませんし、
 祈りの声と若い草の匂いがする扉かもしれませんし、
 隙間風が通り過ぎる煤で汚れた扉かもしれませんし、
 色鮮やかなな色が覗く真っ白な扉かもしれませんし、
 ローブを着た何者が手を伸ばす扉かもしれません。

 私の書く文字が見るものの望む形になるのだから、
 私が見た扉もそうであったに違いありません。

 真実は手紙の代わりに私が持って行きます。
 答えが知りたいなら、どうか私に望んでください。]
 

(197) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ その言葉が私に届くのであれば、ね。
 私は私の意思で、扉の向こう側へと進みます。

 そして――私は石畳に横たわっていました。]*
 

(198) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 21時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 坊やがいなくなって、何度星空を見上げたでしょう。

 瞬きにも満たない時間だったでしょうか。
 人間の一生に足り得る日々だったでしょうか。
 私にとっては、どちらも大差はありません。

 人であることを求められた私には、
 鮮やかな感情をこの身に灯してしまった私には、

 すべて等しく、私に痛みを与えるものです。]
 

(221) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 悲しみたくないのに、嬉しくなくていいのに、
 だって”それ”は、永遠にとってあまりに強すぎる。]

 眩しくて、煌めいて、燃え盛って。
 刹那を生きる人間だからこそ受け止められる熱に、
 私はいつまで焼かれ続けるのでしょう。

 己の身が浮き、運び出されたことに気づいた時には、
 私はすっかり弱り切っていました。]
 

(222) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ どこに連れていかれるのでしょう。
 今度は誰が私に意味をくれるのでしょう。
 どんな役目を担うのでしょう。

 とびきり酷い人間であればいいと思いました。
 欠片も愛せない、微塵も別れが惜しくない、
 そして、私を孤独にしない人間を望みました。

 叶わない望みであることも分かっていました。
 どんなに歪でも、汚れていても、荒んでいても、
 人間が私を手放す時、私の内から色が消える時、
 またどうしようもない痛みが私を苛むのです。

 ならば、このまま朽ちてしまえたらいいのに。
 箱から零れ落ちて冷たい石畳に叩きつけられても、
 私の身には傷ひとつつきません。]
 

(223) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 去った後に降ったひとひらの雪>>177
 ”それ”が目にすることはできません。

 繋がりは弱々しくて、不確かでした。>>191
 けれど、目覚めた温度で解けるほど、
 冷たいものでもありませんでした。

 もし、底から水面へ辿り着くまでの泡のような
 淡い淡い夢>>177夢を見ることができたなら。
 Hと名乗ったあなたへ、路地裏の冷えた道の灰色を
 伝えることができたでしょうか。>>179

 私には、誰かと食べる美味しさとぬくもり>>140
 分かち合うことはできないけれど、
 名前に特別な意味を抱くひみつ≠フ子>>180
 あなたに紹介してもらうことができたでしょうか。]
 

(224) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私の知らない白色も、
 指先ひとつ届かなかったカルピスも、
 永遠と幸福の象徴となった緑色も、
 あなたに教えてもらうことができたでしょうか。

 すべては夢です。
 望むことも叶うこともない、私の知らない世界の話。
 私たちはこれからも”H”と”B”なのです。

 ……でもね、決して現実にならないのなら。
 あなたの心残り>>140すら晴れた蒼穹を、
 あなたが好んだ青色を、私が描いた星空色を、
 ”私”が願ってもいいでしょうか。

 すべては、夢なのですから。]
 

(225) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ あたたかな腕につつまれていました。]
 

(226) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 嗚呼、またそんなに強く抱いて。
 傷ついてしまうと言っても、
 あなたは決して離してくれませんでしたね。

 不気味でしょう。怖ろしいでしょう。
 あなたがどう思おうとも、
 私は世界にとってそういう存在なのです。

 お帰りなさい。手放しなさい。
 私に何の役目も与えないのなら、
 この身を満たす色をどうか枯らしてください。]
 

(227) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私は目≠開きました。
 夜闇に紛れる黒いローブ、隙間から覗くのは――

 ――いつか見た>>0:27、炎によく似た色。]
 

(228) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム

 
[ ねぇ、フーデリア。私の名を知るあなた。
 きっとよく似た空の色>>2:195を知る人。

 私の星空は坊やの瞳のようでした。>>2:147
 濃紺の夜に煌めきをくれたのは坊やでした。

 けれど、いつの間にか私の知る坊やはいなくなって
 瞳には炎が滲んだようでした。
 あなたは朝焼けを知っていますか。そんな色。]
 

(229) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 一度は私を手放して、
 一度は私を取り落とした坊やが口を開きます。

 私は震える尾で宙をなぞりました。
 私は坊やの――彼の名を書きます。彼は頷きました。

 一度だって書ききれなかった手紙。私のおもい。
 今なら、さいごまで続けられそうな気がします。
 書き出しは、そうですね――はじまりは、白。]
 

(230) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


『 前略、扉のこちら側から 』
 

(231) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 彼は不思議そうに目を瞬かせました。
 炎の煌めきがキラキラと私に降り注ぎます。

 私に目はありません。口もありません。
 けれど、私は笑っていたのでしょう。

 鮮やかな感情が、置いてきたはずのおもいが、
 私の内を穏やかに、狂おしく、揺蕩っています。
 永遠に、さいごまで、ね。]
 

(232) Pumpkin 2022/03/14(Mon) 23時半頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ もしかしたら、
 決して叶わない夢を見る余裕もあるかもしれません。
 あなたたちがくれたおもいを、色鮮やかな感情を、
 私がしたためることだって、あるいは。

 焦る必要はありません。まだ時間は残されています。
 瞬きよりも長く、人間の生よりも短い。
 手紙の終わりに名を記すまでなら十分でしょう。

 だから、締めの言葉を考えるのはもう少し後で。
 今はただ、私を焼く痛みを噛み締めたいのです。]
 

(233) Pumpkin 2022/03/15(Tue) 00時頃

【人】 瀑布昇竜道 バキュラム


[ 私に生きる意味を与えたのは、■■■■■■でした。
 私の役目は――夢は、あなたと共に死ぬことです。]*
 

(234) Pumpkin 2022/03/15(Tue) 00時頃

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