人狼議事


10 冷たい校舎村9

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視点:


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 00時頃


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 00時半頃


【人】 真向一気 シンイチ


[ チャイム、鳴っちゃったな。
 わあわあ騒ぎ立てながら、慎一は思う。]
 

(11) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 8時50分・教室 ──

[ まだこんなに人が少ないのにね。
 慎一は自分の席に座ってそのときを迎える。

 鳴り響くチャイム。
 8時50分、始業の合図。
 毎日規則正しく鳴り響く音。

 そのときはまだ辛うじて、
 やっぱり休校なのかなって思っていられた。]
 

(12) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 圏外だったはずのスマホが鳴る。

 それも、慎一のポケットの中からだけじゃなく、
 教室のあちらこちらから。一斉に。騒がしく。
 急なことに、慎一はちょっとビクッとする。

 それから、スマホの中身を見るより先に、
 慎一はすんすんと鼻を鳴らした。
 奇妙なにおいがした気がしたせいだ。>>#1
 慎一は耳だけじゃなく、鼻もけっこう利く。

 出所を探すように廊下のほうを見た。
 ちかちか。明るいだけじゃない光が、
 どういうわけだか瞬いている。気がする。]
 

(13) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 気がするだけならよかったんだけど、
 慎一は「なんで?」って思って立ち上がった。

 教室の扉まで歩いてって、
 扉にそっと手をかけて、力をこめて引く。

 だから、教室の前のほうにいた人なら、
 慎一以外にも外の様子が見えたはずだ。

 どうだろう。さっきと様子の違う廊下が、
 扉の向こうから顔を覗かせてるよ。]
 

(14) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 見なきゃよかった。

 ──と思考する余裕さえもなく、
 慎一はその瞬間、その場に立ち尽くしている。]
 

(15) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ


  なんで。

[ って、何かの癖みたいに呟いたのは無意識だった。*]
  

(16) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・3年9組教室 ──

[ なにか、も何も。>>19

 目前に広がる光景を見つめて、
 少しの間フリーズしていた慎一は、
 その言葉で現実に引き戻されはした。

 けど、なんていうか、ダメだった。
 やっぱり今日は最悪な一日で、
 順調にいくことなんかひとつもなくて、
 慎一の頭には「なんで?」ばかりが、
 たくさんたくさん渦巻いている。]
 

(27) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……わ、


[ わかんない。と言おうとしたのか、
 綿見。と名前を呼ぼうとしたのか、
 どっちだったかさえ定かじゃない。

 ただ、声のしたほうを振り向いて、
 そしたら綿見の黒い髪と目があって、
 その向こうにいつもどおりの教室と、
 あまりたくさんじゃない級友がいて、

 「わ」の続きを紡ごうとしたら、
 言葉じゃないものが溢れそうだった。]
 

(28) 2021/06/06(Sun) 01時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だから、慎一はもうダメだった。
 
 何があったかを説明するなんて無理。
 みんな、自分の目で見ればいいと思う。

 慎一にそれ以上何も言わせないでほしい。
 だって、無理。声を発したら涙も出ちゃう。

 扉を開けた瞬間から、
 ぶわあっとなってた頭の中が、
 真っ白から、いろんなもので綯交ぜになって、
 目の前の光景もぐにゃぐにゃ歪みはじめてて、

 だから、気が付いたときには、
 慎一は逃げるみたいに教室を飛び出してる。

 行き先なんか考えてなかったけど、
 たぶん、もう帰ろうって下に向かって。**]
 

(29) 2021/06/06(Sun) 01時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 01時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・昇降口へ ──

[ 走っても走っても匂いは消えない。
 視界に瞬くカラフルな光がうるさい。

 だから逃げ場がないようで、
 慎一はちっとも立ち止まれない。

 途中、何かを踏んづけて、蹴飛ばして、
 足元を見て、何かがカッターナイフだと知る。

 だからなんなの。
 余計に意味がわからないだけだった。

 慎一は泣きたい。
 今すぐ「わああ」とか声に出して、
 ダンダンと足を踏み鳴らしたり、
 うずくまって床に拳を打ち付けたりしたい。]
 

(78) 2021/06/06(Sun) 11時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ でも、18歳のそれは奇行でしかないから、
 とにかく今はこの場から逃げ出して、
 平穏で平坦で静かなところに行きたかった。

 名前を呼ばれた気がしたけれど、>>64
 というか、だからこそ逃げなくちゃ。
 だって今、慎一は絶対にちゃんとできない。

 通り過ぎた教室に「おばけやしき」とあって、
 また別の教室には「休憩所」とあって、

 やっとたどり着いた出口の近くにも、
 「豊町高校 第XX回 文化祭」ってあるから、
 そんなわけないじゃん。って慎一は思う。]
 

(79) 2021/06/06(Sun) 11時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 校舎の中はどこも異様な様相で、
 だから慎一はもう帰りたいって思う。

 自分の家が当たり前に逃げ込める場所で、
 慎一は運がいいんだけど、その自覚もない。

 まっすぐ下駄箱の前までいって、
 裸足のまま濡れたスニーカーに足を突っ込む。
 左足。左足。左足って頭の中で唱えてたから、
 今度はちゃんと順番に靴を履くことができる。

 昇降口の冷えたドアノブを握った。
 いつもと同じ感触のそれを捻って、押す。]
 

(80) 2021/06/06(Sun) 11時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ …………開かない。

 扉はうんともすんとも言わない。
 別に慎一は非力じゃないし鍵はかかってない。
 開かない理由がひとつも見当たらないのに、
 思い切り押しても引いてもビクともしない。]


  …………。


[ 両手を使って力を込めても、
 もっと荒っぽくしても、何度試しても、
 扉が動くことはなくて、慎一には逃げ場がない。

 察しの悪い慎一も不思議と理解する。
 たぶん、というか絶対、この扉は開かない。]
 

(81) 2021/06/06(Sun) 11時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  …………。


[ ドアノブを握りしめたままの両手に、
 ぽた ぽた と温い水滴が降ってきて、
 その出所は間違いなく自分の両目だった。

 慎一は真下に俯いたまま、
 頬の内側をぎいっと噛みしめて考えてる。

 窓の外の大雪。ひとけのない通学路。
 ずぶ濡れの右足の靴下。圏外のスマホ。
 廊下を彩るカラフルな光。食べ物の匂い。

 頭の中をばらばらといろんなものが漂って、
 慎一は考えてる。どうしたらいいんだろう。]
 

(82) 2021/06/06(Sun) 11時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ とにかく涙を止めて、落ち着いて、
 頭の中の雑然とした状況を、
 もう少しマシなものにしたかった。

 扉が開かなかったことを知らせなきゃ。
 とは、そのときの慎一には浮かばなくて、

 そうだ。
 昼飯を買い忘れてた。って慎一は思う。*]
 

(83) 2021/06/06(Sun) 11時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 11時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 回想・文化祭当日 ──


  ぎゃははっ、
  なんつーカッコだお前!
  なんでカチューシャだよ。
  つか、情報量、多っ!

  レンだけなんかやべー。
  でも超おもしれー。

  え、客引き組でそのへん並べよ。
  黒沢、写真撮って広報アカに上げて!
  あと、俺にも送っといて。
  あ、黒沢も入って撮る? 撮ろっか。


[ 客寄せパンダ──もとい鳩羽の姿に、>>0:1056
 慎一はひっくり返りそうなくらい笑った。]
 

(89) 2021/06/06(Sun) 12時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ プラカードもだけど、クラスTも。
 かわいいクレープの絵ならいいが、
 詰んだデザインが万が一どこかに残ってたら、
 慎一は本当に吐くんじゃないかってくらい笑った。

 せっかくなので記念写真を残そうとしながら、
 スイーツアクセ着用、明るく元気な客引きと、
 屋台のホラーテイストや、文字通りの目玉メニュー。
 割と温度差があって風邪引く人が出ないか心配。

 まあ、慎一が心配したって文化祭は始まって、
 想像以上の繁盛っぷりに接客に追われることになる。]
 

(90) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 暮石にボタン風対応集を見せられたとき>>0:1185も、
 慎一は「本気だったわけ?」ってゲラゲラ笑って、
 それを自慢のチャートの隣に貼りだしたはずだ。

 本当は自分以外の誰かがレジに入ったとき、
 トチるのを目ざとく見つけてやって、
 「販売係スイッチ、あ!」とか言いたかったけど、

 たとえば前からも横からも後ろからも、
 つまりお客さんや調理係やほかの人から、
 同時にあれこれと話しかけられたら、
 慎一はその情報量に溺れただろうから、

 案外そのスイッチに一番助けられたのは、
 当の慎一だったのかもしれない。]
 

(91) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ でも、そのおかげでうまくいった。
 慎一は途中休憩ももらいながら、
 チャートと対応集をちらちら見つつ、
 最後まで機嫌よくレジに立っていたし、
 「これ、役に立ったなあ」なんて、
 対応集を指してしみじみと暮石に言ったりもした。

 クラスの出し物としての評判も上々。
 売上も計算する間もなく上々だろうなって、
 高校最後の文化祭を楽しく終えられそうだった。

 でも、なんでかなあ。
 いつも何かがうまくいかないんだよね。]
 

(92) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ その10円玉なら、慎一が持ってる。>>0:1187]
 

(93) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 売ったモノの数と、手元に残った金額。
 用意していた小銭の数との確認作業。
 もう暮石が数えたって知らなくて、
 ズレがないかをちゃんと数えようとして。

 その直前に慎一は、
 レジスペースの変なとこに挟まってた、
 10円硬貨を1枚見つけて小銭の山に混ぜた。

 何かの拍子に挟まったんだなって、
 深く考えることもなかった。

 それで数えたら、10円余っちゃった。
 なんで? って頭の中が真っ白になって、
 こっそりと震える手で数えなおしても合わない。]
 

(94) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 自分が関わってたら他人を責めなくて済む。

 慎一はそう思ってレジに立っていたけれど、
 本当に何かズレが生じてしまったときに、
 どうしたらいいかなんて考えてなかった。

 この10円をどうすればいいんだろう。
 どこからズレていたんだろう。
 返す相手なんてわかるはずないし、
 でも、計算はちゃんと合わなきゃいけない。

 10円くらいいいじゃん。って考えは、
 慎一の頭には一切浮かんでこなかった。

 でもどうしたらいいかわかんなくて、
 もう何も考えられなくて、息が詰まって、
 混乱したまま、慎一は10円玉を1枚抜いた。]
 

(95) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 会計の記録上の収支の辻褄は、
 最終的には合っているはずだ。]
 

(96) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ どうしたらいいかわかんなくて、
 自分の財布に混ぜることもできなくて、
 まだ持ったまんまの10円玉を見るたび、
 慎一は今も「なんで?」って思う。]
 

(97) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ なんでいつもうまくいかないんだろう。
 
 いつも些細なことで息を詰めて、
 動揺して、泣きたくなる自分を、
 慎一は、「明日はうまくいくよ」って、
 明日はきっとかんぺきな1日になるよって、
 必死になだめすかして生きているのに、
 そんな日はちっともやってこない。

 あんなにかんぺきに思えた文化祭だって、
 最後の最後でこうなっちゃうんだもの。
 その事実にも、慎一はやっぱり泣きたくなる。]
 

(98) 2021/06/06(Sun) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だからこれは、慎一にとっては、
 楽しいばかりだった日、たったひとつの瑕の話。*]
 

(99) 2021/06/06(Sun) 13時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 15時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・昇降口 ──

[ 慎一が聞いたのは誰かのため息じゃなく、
 「どうしたの?」って鮮明な声だった。>>161

 そのとき慎一はもう涙をこぼしてはなくて、
 ただ、俯いてドアノブを握りしめたままでいる。

 慎一はこういうの、ちょっと詳しいんだけど、
 急ぎ気持ちを落ち着かせる必要があるときは、
 一定のリズムで単純な動作を繰り返したり、
 一定のリズムで動くものを見つめるといいよ。

 よかったらみんなも試してみてほしい。
 慎一は今、握ったドアノブの裏の凹みを、
 指先でひたすらなぞっていたところ。]
 

(170) 2021/06/06(Sun) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ──なので、
 急な番代の登場に慎一は「わっ」と言って、
 慌ててドアノブから飛びのくように離れた。

 そうしたら番代がごく自然な流れで、
 扉に手を伸ばそうとするから、咄嗟に言う。]


  ──あ、開かねえから! それ。


[ 言ったところで信じてもらえたかどうか。
 別に自分で試してみてくれてもいいけど、
 絶対開かないし、慎一の体温で生温いし、
 なんなら手汗でべちょっとしてると思う。
 慎一としてはあんまりオススメできない。]
 

(171) 2021/06/06(Sun) 17時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ とはいえ、行動の選択権は番代にある。

 後ろに飛びのいたまま、
 慎一はなんとなしに彼女の動きを眺めてて、]


  帰りたいの? 家……、


[ 実際に試したあとかどうか、
 扉が開かないということに納得してもらえたら、
 シンプルに浮かんだ疑問を投げたことだろう。*]
 

(172) 2021/06/06(Sun) 17時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 回想・文化祭当日 ──


  えっ、いいの? 入る入る!


[ カメラマンがサマになってる黒沢に、
 「入る?」って聞かれたから、>>166
 それ以上黒沢に写真に入るよう言うこともなく、
 慎一は遠慮なく撮ってもらいにいった。
 だって、遠慮する理由なくない?
 っていうかこんなんみんな写りたいでしょ?

 だから、広報用じゃないオマケの写真。
 ついでに撮ってもらえたんじゃないかな。
 変顔でもいいので付き合ってください。お願い。

 材料費だって費用に計上しますとも。>>168
 ……客入りも上々だったから賄えたはずだ。]
 

(187) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一はわかりやすく楽しそうだっただろう。

 だって、慎一が今まで遠目から見て、
 いいなあって思ってた学校生活って、
 まさにこういう感じだったんだもの。

 でも、慎一は知らない。
 誰かの嘘で保たれるはずだった平坦。>>152

 そのときどちらか片方でも、
 都合の悪い事実を正直に伝えてれば、
 なんてことはない話だったんだろうけど。]
 

(188) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ まあでも慎一の高校生活って、
 ずっとそんな感じだったかもしれない。

 楽しい、愉快な高校生活だったけど、
 きれいで浅いところ、上澄みだけ掬って、
 沈殿したものは知らないまま、みたいな。

 でも慎一のそれはきっと、
 自分の深いところに触れられるのが怖い以前に、
 普通に気にならなかったり、億劫なせいだ。

 だから慎一は、
 みんなの家の話も、癖の話も、夢の話も。
 奥底に抱えるむなしさそのものの話も。
 ちゃんと聞いたことがなかったかもね。]
 

(189) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一は黒沢の目指すものを知らないし、
 暮石の親が昨年死んだことも知らない。
 鳩羽の家に最近起こった事件のことも、
 番代の過去に何があったのかも、全部。]
 

(190) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だから、今も。]
 

(191) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・昇降口 ──

[ 躊躇なく番代がドアノブを掴む。>>184
 慎一はちょっとそわそわしながら見てる。

 カチンコチンというカジュアルな言葉は、
 あの扉の違和感にやや相応しくないような。]


  凍っちゃった……んじゃないような……


[ とはいえ慎一もうまく表現できないから、
 ううんと首をかしげているばかり。

 暴力的なこと。慎一はしてない。
 良識的に扉を押し引きしただけだった。
 暴動とか言ってたくせ、その発想はなかったな。]
 

(192) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……そっかあ。


[ 今すぐ帰りたかった慎一は、
 番代の返事にあいまいな相槌を打つ。>>186

 なんだろう。女子にこう言われると、
 俺は今すぐ帰りたいようとは言いづらい。

 どうしたらいいんだろうって慎一は思って、
 でも、「外の空気が吸いたい」って、
 番代のその言葉なら叶えられるかもって思った。

 ドアが開かなくても、窓を開ければいいじゃん。
 というか、慎一はそこから帰ればいいし。]
 

(193) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ どうしたってドアが開かないこと、
 あれだけ奇妙に確信したばかりなのに、
 慎一はなぜか窓は開くって思いこんだ。
 逆に今までなんで思いつかなかったんだろう。

 名案! くらいの気持ちを持って、
 番代の隣をひょいと通って、
 ドアの傍らの大きな窓の錠を外す。

 番代は「閉じ込められた」とか、>>186
 物騒な可能性を口にしていたけれど、
 慎一はその瞬間だけは妙に楽観的だった。]
 

(194) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ でも、]


  あ?
  …………窓も開かない。


[ ついでに言っておくと、
 さっきのドアと似た感触でした。

 慎一がめいっぱい力を込めているのは、
 きっと見ていてくれたらわかるだろう。
 番代の目の前で少しの間窓と格闘して、
 慎一はなんだかまた落ち着かなくなってくる。

 でも、今度はひとりじゃないから、
 いったん振り返って、共有してみよう。]
 

(195) 2021/06/06(Sun) 18時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  閉じ込められてるのかもしんない。
  …………なんで?


[ わかんない。
 慎一はたぶん、途方に暮れた顔をしている。

 指先でクレセント錠をカタカタ揺らす。
 つまり、落ち着いていたいけど、無理そう。

 当たり前っていうとなんだけど、
 当然気を回して言葉を選ぶ余裕はなかった。

 ……というかそもそも、気を回そうにも、
 慎一は番代の過去なんて知らないんだけど。*]
 

(196) 2021/06/06(Sun) 18時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 18時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・昇降口 ──

[ 開かないって慎一ははっきり言ったのに、
 返ってきた言葉には疑問符がついてた。>>224

 開かないんです。
 何度聞いてくれてもいいけど、
 慎一は毎回きっちり同じ返事をするだろう。

 ついでに、慎一の「なんで?」にも、
 答えらしい答えが返ってくることはない。>>225

 鸚鵡返しは慎一の心を落ち着けてはくれない。
 あまつさえ疑問符は増えているので、
 このままいくとふたりとも、
 頭の中が「?」でいっぱいになっちゃいそう。

 慎一は番代の指がいじいじ、いじいじ、
 単調な動きを繰り返すのを目で追っている。]
 

(232) 2021/06/06(Sun) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 答えの返ってこない問いなどごまんとあって、
 けど、慎一はいつまでもそれに順応できない。

 あきれた顔されることはあっても、
 引っ叩かれることなんてなかったからかも。

 まだ可能性はある。まだ大丈夫。
 とでも言いたげな番代の顔は、
 慎一でもわかりそうなくらい変だった。

 そのことが余計に慎一を不安にさせる。
 だから言葉を詰まらせながら慎一は言う。]
 

(233) 2021/06/06(Sun) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  わ、わ……割ろう、窓。
  割ったら出れるじゃん。外。


[ どこか開いてる? 誰か隠れてる?>>227
 そんなの探してらんないって慎一は思う。
 慎一は、今、今すぐにここから出たいの。

 震える声でそう言ったきり、
 慎一は口をぎゅっと結んで、
 また頬の内側を噛みしめる。

 壁に立てかけられていたモップを一本取って、
 そのまんま大きく振りかぶって、下ろす。]
 

(234) 2021/06/06(Sun) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ かぁんって、乾いた変な音が響いた。
 モップの柄だか掌だかがびりびりして、
 握ってたモップは手汗で滑って落っことした。

 今度はからんって軽い音がする。
 モップの柄が床にぶつかった音だ。

 それが床を打って少し跳ねる様子が、
 慎一にはスローモーションのように見えた。

 普通、モップで窓が割れるものなのか、
 慎一は試したこともないから知らないけど、
 少なくともこの窓は割れないんだなって。

 扉や窓が開かないのと同じ、気づいちゃった。]
 

(235) 2021/06/06(Sun) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  …………。


[ 今度はなんでって言わなかった。
 言ったらまた泣いちゃいそうだったし。

 次の動作をとれないまんまで、
 慎一は呆然と床に落ちたモップを見て、

 ……どうしよう。
 どうしようもなくべたついた掌を、
 行儀悪く制服のズボンで拭きながら、

 慎一はまた「昼飯買い忘れたな」って、
 気を紛らわせるように考えていた。*]
 

(236) 2021/06/06(Sun) 20時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 20時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・昇降口 ──

[ あまりかけられたことのない類の声援。
 高い女の子の声が飛んでくる。>>237

 男の子にもがんばれないことは多々あるけど、
 というか慎一には頻繁にあるんだけど、
 その瞬間だけは男の子らしく暴力的に頑張った。

 結果、惨敗。間に流れるのは沈黙。

 少しの間立ち尽くしていたすえに、
 番代が出した結論はたぶん正しい。>>238

 「ダメだったわ」とか「へへ」とか、
 ありそうなセリフの一言も吐かずに、
 番代がモップをもとに戻すのを見た。]
 

(251) 2021/06/06(Sun) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 励ましの言葉。慰めの言葉。>>238
 もし思い浮かんでいたとして──、
 たぶん返事に困るだろうから、いいかな。

 どことなく微妙な空気の中で、
 番代の言葉に慎一も言葉少なに答える。]


  ああ、うん……。


[ 慎一は、慎一はとりあえず靴を履き替えるよ。
 去ってく番代を見送りながら、左の靴を脱いだ。*]
 

(252) 2021/06/06(Sun) 21時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 21時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・購買 ──

[ 番代と別れて。

 慎一はさっき履き替えたばかりの靴を、
 また上履きへと履き替えなおした。

 頭の中が真っ白、というほどではなく、
 でもひどく頭が重くて、ぐらぐらして、
 ずいぶん気が滅入っている感じがする。

 もぐもぐと空っぽの口を動かしながら、
 慎一はポケットの中に手を突っ込む。

 財布とスマホは入れっぱなしだった。
 だから慎一はこれ幸いと購買に向かう。]
 

(274) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ その道中。はあ。って、
 慎一は一瞬、自分が言ったのかと思った。]
 

(275) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……とんだ勘違い。

 どこからともなく聞こえた音は、
 慎一を挙動不審にするには十分で、
 バッと振り返って周囲を見回したりする。

 ……誰もいないんだけどね。
 視界にはどこまでも楽し気な校舎と、
 点々とカッターナイフがあるばかり。

 慎一もため息つかれることはあったからね。
 結果、余計に落ち着かない気分で、
 シャツの袖の縁をしきりに指で撫でたりする。]
 

(276) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一は帰りたい。

 それは間違いないんだけれど、
 気を抜くとずずっていいそうな鼻とか、
 味のないものを食み続ける口とか、
 そういうのをどうにかしたくて、
 ふらりふらりと購買に入り込んだ。

 まっすぐにいつもの棚の前まで行って、
 いつも当たり前にある商品を予定通り取る。

 いつものおばさんがいないことには、
 なんだかもう驚かなくなっていた。]
 

(277) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 鼻をぐずぐず言わせながら、
 暗記している合計額をきっちりレジに置く。

 ついでにレジにあったメモとペンを借りて、

 『あんドーナツ/おかかおにぎり/ミルクティー
              3年9組 向井慎一』

 念のため、几帳面な字で書き残しておいた。

 抱えた食べ物と飲み物は、
 ……うん。間違いなくいつもと同じ。
 それでようやく、慎一は一息つける気がする。]
 

(278) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 満足したかといえば、少しは。
 落ち着いたかというのも、まあ少し。

 今度はパンの袋の淵のギザギザを、
 なんとはなしに指先でなぞってみる。

 でも、なんでだろうなあ。
 そしたら今度はじんわり悲しくなってくる。
 別に、わあわあ泣くほどじゃないけどさ。

 少し重たい足取りでのろのろと、
 教室までの道のりをゆっくり歩いてく。
 さっきは走ってきた道を逆向きに。

 ……出口を探せって?
 だって慎一は疲れた。そんな余力ない。]
 

(279) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・3年9組教室 ──

[ かくして、しばらくの離脱ののちに、
 慎一はパンとおにぎりとミルクティーを抱え、
 黙って自分たちの教室に帰ってくる。

 そのときまだ、黒沢とか、
 ほかの誰かは教室に残っていたかな。

 ちらりと黒板を一瞥して──、ラピュタ。>>163
 なんだそれ。そう思ったけど、外は見ない。
 意味わからなさすぎて怖いんだもの。
 あと、今の慎一にはその元気はない。

 だから、黒沢の疑問にまずはひとり。
 窓の外を見ないやつ、ここにいるよ。>>247]
 

(280) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 自分の席に食料を置いたら、
 慎一はそのまんままっすぐ黒板に向かう。

 なんかテンション低いね。とかは、
 今から書く文字を見て納得してほしい。

 『 昇降口の扉 開かない
    〃  窓 開かない 割れない 』

 黒板に文字をまっすぐ書くのって難しいよね。
 斜めになるのがヤで何度か書き直しながら、
 これがラクってんだから樫樹はすごいなあとか、
 慎一は現実逃避めいたことを考えていた。]
 

(281) 2021/06/06(Sun) 22時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ それで、自分の書いた文字と、
 それからほかの人の書置きも、
 もう一度全部に目を通して──、]


  外、出れねえかもしんない……


[ 息を吐き、残っていた面々に一言。

 まだ何が起きてるのかちっともわからない。
 ただ、不可解な断片だけが集まってく。
 そのことが無性に居心地悪くて、
 昇降口についての報告としてはひどく手短になった。*]
 

(282) 2021/06/06(Sun) 22時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/06(Sun) 22時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──

[ 「おかえり」って言われた。>>305
 帰ってくるはずじゃなかったんだけどなあ。

 ちょっと捻くれたこと書いてみたけど、
 黒沢の声に慎一はふっと顔を上げて、
 もごもごと「ただいま」って言う。

 定型文的な挨拶くらいしか、
 返す言葉として思い浮かばなくって。]
 

(330) 2021/06/06(Sun) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一の書き記した文字に、
 黒沢は不思議そうな声を上げる。>>306

 そりゃそうだ。
 慎一と番代だって呆然とした。
 意味が分かんなくて、間を埋める言葉もなく、
 なんとなくあやふやに解散してきたのだ。]


  ……開かない。
  押しても引いてもビクともしない。
  鍵かかってないし、凍ってるんでもなさそ。


[ 並べ立ててみると、改めて理解不能だ。
 不思議そうな顔してるとこゴメンだけど、
 慎一にもそれ以上は本当にわからない。]
 

(331) 2021/06/06(Sun) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  窓も割ろうとしたけど、
  傷もつかない……、


[ ちょっと声が沈んでても、
 さすがに許されたいこの状況。

 お察しのとおり、試したの慎一だからね。
 非力じゃない元運動部の男の子。
 たぶん今いるメンバーの中じゃ、
 1番か2番くらいに適した人員じゃない?

 あと、公立高校の窓ガラスに、
 超強化ガラスを使うのはもったいないと思う。]
 

(332) 2021/06/06(Sun) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ そうやって状況を整理していくと、
 どうしたってそこに行き着くらしい。>>307

 閉じ込められた。
 黒沢が発した言葉に、慎一は眉をひそめる。]


  ……番代もそう言ってたけど。
  状況的には、そんな感じだけど、
  でも、なんで? なんで俺たちなの?
  っていうか、現実的にむりじゃん?


[ だって、やっぱり、なんで?
 なんで慎一たちが閉じ込められることがある?
 どんな技術を使えば廊下が一瞬で様変わりする?
 疑問は尽きなくて、慎一はうまく笑えない。]
 

(333) 2021/06/06(Sun) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  俺、チャイム鳴るギリギリに来たけど、
  チャイム鳴るまで、廊下普通だったし。

  しかも、なんで文化祭……


[ 悪いね。慎一オカルトには明るくなくて。

 この状況に理由がつけられるような仮説、
 ひとつだって思い浮かびそうにないから、

 そうだなあ。
 場合によっては図書館で情報収集とか、
 あ。九重とかに聞いてみるべきかもしれない。*]
 

(334) 2021/06/06(Sun) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──

[ 言われてみれば慎一は有言実行してた。
 いつになく暴力的な振る舞いをしてさ。
 あれはほとんど暴動といっていいよね。>>355

 ちなみにもし黒沢が今この瞬間、
 黒いライダースーツに身を包み、
 なんかでっかいバイクに跨って、
 陽気な廊下を疾走してくれたら、

 こんなに落ち込んでいる慎一でも、
 元気いっぱい笑えると思うんだけど、ダメ?]
 

(377) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……冗談はそのへんにしておいて、
 黒沢が物わかりのいいことを言うから、
 慎一は反論できる気がせず苦い顔をする。>>356]


  ……そんなん言われても、
  はいそーですかとはなんねえよ。
  ヤなもんはヤだし、無理なもんは無理……


[ わかってる。これは黒沢が正しい。
 慎一の言い分は到底通らないだろう。

 だって現実に慎一は今ここにいて、
 どうにも夢を見てるわけではなさそうだし。]
 

(378) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ でもさ、受け入れがたいことってないかな。
 慎一にはいっぱいある。毎日出くわす。
 なんでもお利口に受容できたらいいんだけど、
 慎一はどうもそういうふうにできてない。]
 

(379) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……まあ、さっきのは聞き流して。

 慎一はちょっと疲れていて、
 素直に「うん仕方ないね」って、
 へらへら笑って言える気分じゃなかった。

 それだけの話。

 それに、続く黒沢の言葉に、>>357
 慎一は一瞬きょとんとして、「あ!」となって、
 さっき一斉に鳴ってたスマホを思い出すから、
 たぶん、会話は問題なく前に進むはず。]
 

(380) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 会話の途中に失礼だけれども、
 慎一はその場でポケットからスマホを出す。

 みんなに遅れることしばらく、
 慎一にもちゃんと届いてたメールを見る。

 10行にも満たない短い文面。>>1
 国語が得意じゃなくてもわかる不穏な内容。
 幸か不幸か慎一は「引導を渡す」を知っていた。

 その文面を穴があくほど見つめる。
 慎一はなんだかまたドキドキしてくる。

 「文化祭、楽しかった」……ああ、だから。
 学校が急に文化祭仕様になっちゃったんだ。
 ……とは、到底すぐには受け入れられない。]
 

(381) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



   ……い、これ、遺書?


[ これは、返事を求めてない問い。
 答えなんて聞かなくてもそう見える。

 慎一はスマホの画面と、
 淡々とした口調の黒沢を数度見比べる。]


  こいつの望みで、
  学校がこんななってるってこと?


[ だとしたらメールの送り主、
 今ここにいるやつの誰かってこと?
 ──って、察しの悪い慎一も気づいた。>>357]
 

(382) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  なんで?


[ って、慎一はまた癖みたいに聞いてる。

 でも安心してほしい。
 何も慎一だって、この怪奇現象の種とか、
 メールの送り主の胸のうちとかを、
 黒沢に聞こうってんじゃなくて、
 純粋に黒沢のその反応が不思議で聞いてる。]
 

(383) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  なんでそんな落ち着いてられんの?
  これが遺書でも、黒沢は受け入れる?


[ 慎一はこんな状況に至る前、
 雪道を歩きながら会話したのを思い出す。

 おかしな会話をたくさんしたね。
 そのときも慎一と黒沢はなかなか、
 相互理解には至らなかった気がするけど。

 慎一はこの件、ヨーコ先生の職務怠慢と同じか、
 それ以上に、素直に受け入れられそうにない。**]
 

(384) 2021/06/07(Mon) 00時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/07(Mon) 00時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──

[ そう。ワガママを聞いてもらえず、
 慎一は苦い顔をして会話をしている。

 黒沢はやっぱり物わかりのいいふうに見える。
 この状況にも、慎一の幼稚な言い分にも。>>392

 そうされると慎一は、
 これ以上駄々をこねづらくなっちゃう。

 なんでなんでって思ってても、
 自分の足りなさを突き付けられてるみたいで。]
 

(443) 2021/06/07(Mon) 10時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 感情がついてこない。>>392
 そんなこともあるんだなあって思う。
 慎一はいつも感情に置いてかれちゃうのに。

 でも、それって悪くないような気がする。
 少なくとも、人前でわあってなっちゃうよりは。]


  偉そうなこと言えるだけえらいよ。
  …………いいなあ。


[ だから、慎一はいつもみたく、
 みんなえらいなあって感覚で、
 黒沢はえらいよって言ったはずだった。

 ……ぽろっとついでにこぼれた言葉に、
 慎一は一瞬、自分でもついていけない。]
 

(444) 2021/06/07(Mon) 10時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 「えらい」は賛辞だけれど、
 「いいな」は羨望でしょう。

 慎一は今の生活を楽しんでいるし、
 毎日がんばっていてえらい。
 みんなも何かしらすごいしえらい。

 それだけでいいはずだった。
 慎一だってうまくやれてるんだから。]
 

(446) 2021/06/07(Mon) 10時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……だから今のは、
 いったんなかったことにしよう。

 何事もなかったかのように、
 慎一はスマホの表面を撫でる。

 「遺書みたいだね」>>393
 得られてもうれしい同意ではないけど、
 今回はふたりの意見は速やかに合致した。]


  やっぱ、遺書かあ。
  …………かわいそう。


[ 咄嗟に浮かんだ言葉を吐く。
 辛くて悲しかったんだろうな。
 疲れたのかな。疲れちゃったんだろうな。]
 

(447) 2021/06/07(Mon) 10時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 悲しいなあって慎一は思うから、
 感情の回路だけは今日も良好。

 元気がないままの慎一からすると、
 やっぱり黒沢は落ち着いて見える。
 いつもどおり、淡々として見える。>>394]


  うん。落ち着いて見える。
  ……頼むから、
  「何も言えないかな」とか言うなよ。


[ 後半部分はちょっとだけ冗談まじりに。
 もし本当に言われたら慎一はもう一度
 「黒沢、冷たい」ってこぼすからね。>>0:188]
 

(449) 2021/06/07(Mon) 10時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ まあでも、
 黒沢は感情が少しゆっくりなだけで、
 まだ現実味を感じられないというなら、]


  ……どっかつねろうか?


[ もうその下りはやっただなんて知らない。

 慎一は窓を打ったとき、
 手が痛かったから夢じゃないと思う。]
 

(451) 2021/06/07(Mon) 10時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  夢じゃないとして、
  どうすりゃいいんだろなぁ。

  そもそも遺書だとして、
  幽霊でも混ざってんのかって。
  ……全員順番につねればいい?

  わかんなくない…………?


[ 言ってたらまた悲しくなるから、
 慎一の声はだんだん小さくなって、
 はあ。ってひとつ息を吐く。
 体内の「悲しい」を逃がすイメージ。

 このあとどうしよう、とか。
 思いつかないまま現状を嘆いた。**]
 

(452) 2021/06/07(Mon) 10時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/07(Mon) 10時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 回想・打ち上げ ──


  階段から落ちたぁ?
  リツおまえ……なんか……、
  …………ドンマイ。


[ 「ドジだなあ」とか「タイミング悪いなあ」、
 最初に浮かんだ言葉を投げるには不憫で、

 打ち上げには帰ってきた樫樹を、
 かわいそうに……って目で見て、
 慎一はその肩をぽんと叩こうとした。]
 

(470) 2021/06/07(Mon) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 委員長はクレープをつくり、
 書記は黒板に文字を書き、
 生徒会副会長が絵を添えた。

 会計は何をすればいいんだろう?
 えーと……ジュースでも買ってくるよ。
 余ったクレープの有効活用は名案だけど、
 今日の利益を少しあてがってもいいよね。
 リクエストがある人は申告しておくれ。

 万が一材料が足りなくなっても、
 最悪近所の店に駆け込めるよう、
 その日も慎一は自転車で来てた。

 から、ちょっとそこまでひとっ走り。
 付き合ってくれる人がいれば歓迎する。]
 

(471) 2021/06/07(Mon) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ でも、今回はひとりでも大丈夫。
 前回ほど荷物が多いわけじゃないし。

 まだほんの少し夏の気配をはらむ風を、
 びゅんびゅんと全身に受けて走ってく。

 頭や、顔や、Tシャツから伸びた腕が、
 風に冷やされてくようで気持ちよかった。

 数え直してもズレてるたった10円。
 小銭の山をひとりで見降ろしてたとき、
 掌も目も頭の中も熱かったのが嘘みたい。

 ポケットにねじ込んだ10円玉が、
 あれだけ重たく感じたことも。

 「みんな」の輪から少し離れて、
 慎一はやっと息がつけた気がする。]
 

(472) 2021/06/07(Mon) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ そんなこんなで打ち上げがはじまれば、
 慎一はまたいつもどおりに、
 みんなと混ざって笑えていたはずだ。**]
 

(473) 2021/06/07(Mon) 13時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 無様でもみっともなくても、慎一は生きてきた。
 その四文字を何で埋める気かは知らないけれど。>>475]
 

(506) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──

[ 相槌みたいな「そうかな」に、>>474
 慎一はへらっと笑ってみせた。

 どんな顔すればいいかわかんないときは、
 まず笑っておけばいい……笑えるうちは。

 どっかで聞いたことあるようなモットーで、
 どうやらその場はごまかせたらしい。
 ……そっとしといてくれたのかもしれない。

 でもほら、今は慎一のことより、
 このメールの送り主の話をしよう。]
 

(507) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 冗談が冗談として通じてたらいい。>>476
 黒沢の否定に慎一はへらっとして、
 それ以上からかいを投げるわけでもない。

 その裏にあった言葉を慎一は知らない。>>477
 だけど聞こえてたらきっとまた、
 「なんで?」って問答がはじまったろうし、
 秘密にしておいてくれてよかったかもね。

 慎一に言わせれば「生きる」とは、
 だだしいというよりたのしいものであるはずだ。

 ましてやあのメールを見て「いいなあ」だなんて、
 へらへら笑いも剥がれ落ちたかもしれなかった。]
 

(508) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だけどね、そのあとの言葉には同意する。]


  あー……、確かに。
  気づきもしなかったし、
  今、誰なんだろって考えても、
  ……わかんねえや、全然。

  ……探す、かあ。


[ 歯切れ悪くなっちゃった。
 だって慎一は想像がつかない。
 ここにいる誰かが死んじゃうなんて。
 あるいはもう死んじゃってるなら?
 ……悲しい。の一言からははみ出すくらい、
 最悪な話だって慎一は思う。ヤだなあとも。]
 

(509) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 黒沢をつねる案は辞退され、>>479
 みんなつねってく案への反応も微妙。>>480]


  幽霊だったら触れないかもしんない。


[ そこまで冗談でもなく慎一は言った。
 すごく簡単な証明方法じゃない?

 いや別に慎一はオカルト好きではないし、
 幽霊の類を信じているわけでもないけど、
 一般的な幽霊観ってそうじゃないかな。

 ただ、それってつまり──送り主は死んじゃってる。
 非現実的を現実に受け入れるにしたって、
 心情的にやっぱヤだとしか言いようがないな。]
 

(510) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だから慎一はため息をついた。
 そしたら急に背を向けられて、>>483
 慎一は黒板の前に立ったまま動揺する。]
 

(511) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  え、ええ、何?
  ちょっと、黒沢……?
 

[ 慎一の前で黒沢は何かに謝ってる。>>483
 その言葉を向けられてるのが自分とは思わず、
 慎一は躊躇いがちに黒沢の方に歩み寄る。

 なんだかすごく変な感じ。
 大体先に慎一の頭が真っ白になってるから、
 慎一は取り乱す人ってあんまり見た記憶がない。

 わかんないのは慎一も一緒だ。何もわかんない。
 メールの送り主も、この世界の仕組みも、
 今目の前で何が起きているのかも。]
 

(512) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……だ、大丈夫?


[ なんで? って聞かれても困るの、慎一は知ってる。
 から、口にしたのはそんな言葉だったけど、
 大丈夫? って聞かれても困るよね。慎一は困る。

 様子を伺うように体の正面の方に回り込みながら、
 恐る恐るといった調子で声をかける。
 ぎゅうと強く握り締められた手首。
 「癖みたいなもの」って言葉をふいに思い出す。]
 

(513) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  いや、え、
  ……俺、ここにいないほうがいい?


[ 自分がいくら取り乱し慣れていても、
 慎一はちっとも冷静な反応はできない。

 でも、これでもさ、
 慎一なりに考えた結果だった。

 気が滅入るとき、悲しいとき、
 慎一はいつも逃げ出したくなる。
 誰もいないとこに行きたくなる。

 ……だから、一般的な対処としてはさておき、
 あくまで気遣いとしてそう尋ねてる。**]
 

(514) 2021/06/07(Mon) 16時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/07(Mon) 16時半頃


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/07(Mon) 20時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──


  ……それ、
  もれなく俺も巻き込まれんだけど。
  なんもわかんねえし……やくたたず仲間?


[ へらへら冗談っぽく言ってみたけど、
 あら。こんな話を朝もした気がする。

 送り主に心当たりのない慎一は、
 犯人捜しにおいてやくたたずの類だろうけど、
 ついでに、慰めや励ましについても、
 経験則で補えるほどの経験がないやくたたずだ。]
 

(561) 2021/06/07(Mon) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  マジメで自己チューでやくたたず。
  は、ちょっと盛りすぎじゃない?

  こんな意味わかんねえ状況で、
  正気保ってるだけ、えらいでしょ。


[ 慎一はさっき保ててなかったかもだけど、
 手近な棚にいったんあげておくね。

 うまい言葉とかなんにも出てこなくて、
 困った慎一はやっぱりへらへらしちゃう。

 なんか、うん。どうしたらいいのかなあ。
 青ざめた顔とか、握りしめられた手首とか、
 そういうの見てちょっと困ってるうちに、
 黒沢がぱっと顔を上げる。元気に。>>558]
 

(562) 2021/06/07(Mon) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ さすがに、相手が慎一でも、
 それは空元気にしか見えないなあ……。]
 

(563) 2021/06/07(Mon) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ かえってどうしたらいいかわかんなくて、
 バカみたいに納得したふりすればいいかな。
 でも、慎一は別に演技派じゃないんだよなあ。

 繰り返された「大丈夫!」に、
 慎一はちょっと困って「うーん」と言う。]


  じゃあ、ここにいたほうがいい?
  ……黒沢は、どっちのほうがラク?


[ 送り主を探すという目的があるんだから、
 ここでじっとしてても仕方ないんだけどね。
 一旦、正直に答えてくれることに賭けて聞く。*]
 

(564) 2021/06/07(Mon) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──

[ 黒沢がちょっとだけ笑った。>>575
 笑ってくれて、慎一はうれしい。

 ちょっとほっとするから、
 へらへらで表現したくない感じに笑う。
 ……しかしニコニコってのも柄じゃないな。]


  別に、正しい答えをくれるから、
  えらいって言ってるんじゃないしね。


[ ほとんど地面に引っ付いてるようなハードルでも、
 跨げてえらいなあくらいの気持ちで生きてたいよ。
 というか、そうじゃないとしんどくない?
 ただでさえ変な状況なんだから、
 慎一を見習ってハードルを下げればいいと思う。]
 

(603) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……見習われていたのは鳩羽でした。>>576

 黒沢がちょっと落ち着いた様子なので、
 わたわたしていた慎一もちょっと落ち着く。

 出てくるという黒沢に、慎一は「そっか」と言う。
 さっきほど空元気ってふうでもないから、
 慎一は引き止めたりはしない。
 黒沢が黒板に文字を書くのを見守ってる。>>577

 それで、黒沢が出ていく間際。
 慎一は少しだけ迷って、その背中に声をかける。]
 

(604) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……あのさあ、
  別に答えなくてもいいし、
  そっか、としか言う気ないんだけど、
  ……それ、手、痛くない?


[ ぎゅうって手首を握る癖のことだよ。

 結局メールの送り主の件、
 「ご自身にお心当たりは?」って聞けないまま、
 慎一が最後に投げかけた問いはそれだった。*]
 

(605) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・教室 ──

[ 黒沢の返事があっても、なくても。

 慎一はそれから教室に残って、
 さっき買ってきた食べ物を食べる。

 どこかでクレープの会をやってるなんて、
 慎一の耳には入ってこなかったし、
 知っていたとしても、ここに残った。

 気が付いたらもういい時間で、
 昼食をとるべきだったので、慎一はそうする。]
 

(607) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 誰かが帰ってくるまでは、
 慎一は教室にひとりぼっちだ。

 もそもそと自分の席でパンを食べて、
 おにぎりを食べて、ミルクティーを飲んで、

 ラピュタが怖くて窓は開けられないけど、
 自席から外をぼんやり見ているだけなら、

 静かな教室も、くるくる舞う白色も、
 慎一には結構落ち着くなあって思う。]
 

(608) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 朝からいろんなことがうまくいかなくて、
 帰りたいと思ったのに帰れなくて、
 ちょっと泣いたけど、ちゃんと持ち直して、
 他人と会話もできたから、慎一はえらい。

 昇降口が開かなくて落ち込んで、
 メールの送り主はわからないままだし、
 この世界についても仮説のまんまだ。

 あんまり何の役にも立ってないし、
 頼りにならなかったのは明白だけど、
 慎一は慎一なりにがんばってて、えらい。]
 

(609) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ そうやって生きてきたはずなんだけどなあ。

 「全然頼りにならないな」って、>>575
 黒沢のやたらと高いハードルが、
 頭の中にちらついて離れないのはなぜだろう。]
 

(610) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 実は慎一にも立派な腕が2本生えてるんだけど、
 どうにもそれらは自分を抱きしめるのに忙しい。]
 

(611) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 回想・文化祭当日 ──

[ 慎一は屋台のレジにいた。
 一番お客さんに近い場所。

 だから、屋台の目の前の出来事なら、
 そりゃあ慎一だって気づくよ。>>304

 お釣りの計算をしてるとこだった。

 がやがやとした空気の中で、
 慎一はお客さんが言う商品名とか、
 クレープを包む紙のカサカサって音、
 体育館でやってるらしいバンドの演奏。

 そういういろんな音と一緒くたに、
 柊がすぐそこで呼び込みしてるなって、
 うっすらと声は認識していた。]
 

(612) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ それが、声のトーンが変わって、
 なんだか空気がざわっとする。

 「崩してもいいですかー」って、
 差し出されたお札を受け取って、
 代わりに小銭を拾ってた指を止める。

 なんだろうって慎一も思って、
 隣にいるはずの暮石を見た。目が合う。>>543]
 

(613) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……トイレとか?


[ 奇しくも誰かと同じことを言ったらしい。
 慎一のは柊を庇うんでもなんでもなく、
 とりあえず適当言っただけだったけど。>>464

 ひとりになりたいんじゃない? とか、
 そういう思考さえなく、当てずっぽうに。

 数度瞬きをして──、そうだ。お釣り。
 えっと、いくら渡すんだっけ。
 きちっと種類をそろえて小銭を重ねて。

 …………お、お。あ、そうだった。]
 

(614) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  お待たせしてすみませーん!


[ 少し怪訝そうなお客さんに笑いかけるころには、
 慎一は頭の中の片隅に柊の件を追いやって、
 たぶん、思い出さない。明日には忘れる。
 後日「大丈夫だった?」って聞くこともない。

 だって接客が忙しかった。
 直接自分と何かあったわけでもない。
 この後には10円の謎だって出てきちゃう。

 人のことを気にするには余裕がいるんだよ。
 慎一にはいつもそれがない。ずっとない。
 そろそろできてもいい頃だと思ってたんだけど。*]
 

(615) 2021/06/07(Mon) 22時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 少し前・教室 ──


  そうだよ。


[ それ以上何とも言わず慎一は笑った。

 ごめんね! 君の想像の範疇をこえて。
 遥か下のほうからお話ししています。
 ギリギリ声が届いてよかったよ。>>616

 まあ別に慎一だって、
 手抜きしてるわけじゃないんだけど。]
 

(650) 2021/06/07(Mon) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 出ていく間際、黒沢が振り返る。>>618
 慎一は宣言通り、「そっか」って言った。

 だから、そこに「行ってきます」はなくて、
 当然「いってらっしゃい」も存在しない。

 ……慣れちゃったかあ。
 もごもご、まだ空っぽの口を動かす。
 歯形が跡みたいに残ってぼこぼこの頬は、
 奥歯で挟んでみても痛みがぼやけてわからない。

 慎一の頭には文化祭の様相をした廊下と、
 点々と落ちてるカッターナイフばかりがよぎる。*]
 

(652) 2021/06/07(Mon) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── それから ──

[ 気が付いたら日が暮れ始めている。

 その間、教室に来た人はいたかいないか、
 慎一もずっと留守番してるわけではなく、
 少し気持ちが落ち着いたころには、
 校舎の探索に出かけてみたりもする。

 黒沢のように書き置きは残さなかった。
 たとえば屋上が開かないか見に行ったり、
 非常階段の様子を見に行ったり、

 慎一の行動はやっぱりどこか、
 外に出る方法を探すことが起点だった。]
 

(665) 2021/06/08(Tue) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 外に出ることができるのか。
 ……希望は薄らいでいくばかりだ。

 仮に出口を見つけたとして、
 慎一は今もまだ家に帰りたい?

 ……だんだんわからなくなってくる。
 あのメールのこと、黒沢と立てた仮説。
 そんなものがぐるぐると渦巻いていて。]
 

(666) 2021/06/08(Tue) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 一度だけ九重と遭遇した。

 ……遭遇した、というより、
 慎一が非常階段を揺らしてるのを、
 気がついたら背後から見つめていた。

 どうにも彼女の様子がおかしい。>>584
 手を差し伸べるような慎一ではなく、

 ただ振り返って、少しビビッて、
 彼女をまじまじと見つめただけだったけど、

 九重は慎一にも「精神世界」という、
 仮説の最後の1ピースみたいなものをくれた。]
 

(667) 2021/06/08(Tue) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ それが──、いつのことだっけ。

 突然のことに驚いてしまって、
 ロクに話もできなかった慎一を置いて、
 九重利美はまた校舎のどこかへ消えていく。*]
 

(668) 2021/06/08(Tue) 00時頃

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