人狼議事


10 冷たい校舎村9

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視点:


メモを貼った。


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 ── 現在・病院 ──


  ……綿見、キチク。
  でも、撮れたら俺にも教えて。


[ 綿見の発言にちょっと引いたあと、
 同じ口で便乗するようなことを言ったけど、
 別にゆすりのネタにしようってんじゃない。

 あの校舎に行って、帰って、
 慎一のつくりには何も変化がないからして、
 炭蔵がどっかで泣いていたとして、
 目の前でもなきゃ気づかないだろうしさ。]
 



[ 騒がしくて散らかった慎一の視界。
 測ってみても思ったより狭い手の届く範囲。
 誰かみたいに手を伸ばす真似事を夢見るとして、
 それとは別に誰かの目を借りるってのもアリだろう。
 ……たぶん、女子に無視されても炭蔵は泣かないけど。]
 



[ くすくす笑いに黙殺された問い。
 そのことはあまり気にしないでおこう。
 「変な感じ」に黙ってうなずきながら。

 「懐かしい」と称された出来事。
 確かにずいぶんと前のことに思えるけど、
 でも、慎一の心にはずっと残っていた。]


  ……なんでわかったの?
  とか聞くと、また藪蛇になりそうだなあ。


[ 泣き顔が見たかった? こわぁ。でもごめんね。
 慎一が浮かべているのは苦笑みたいなものだ。]
 



[ 実のところ、吹っ切れたわけじゃない。

 諦めがついたわけでもなく、
 でも、気づかないふりもできなくなって、
 だから、慎一の「むなしい」は現在進行形。

 でも、死なない理由探しもしちゃったから。
 付き合いきれない自分に折り合いをつけて、
 息苦しくても呼吸をしていくしかないのだ。

 至った結論は結局のところ、
 あまり変わってはいないのだけれど、
 ひとりになるのはさみしいからね。
 どうせ生きるなら、夢くらい見たいじゃないか。]
 



[ まあ、つまり──、現在進行形な慎一が、
 その文脈で時制に引っかかるのは必然。

 図星としかいいようのない言葉を重ねられ、
 悲しいやら恥ずかしいやら情けないやら、
 喉元ばかり触っていた慎一だけれど、
 ふと、顔を上げてつぶやいてみようか。]


  ……過去形なんだね。
  「虚しくてだった」……、


[ 言葉尻を捕らえるようなことしてごめんね。
 ただの言葉の綾じゃあなければいいんだけど。

 だって慎一は、もうそれをいいように捉えた。
 捉えて、「よかったなあ」って顔をしている。]
 




  ……だとしたら、よかったね。


[ 「ごめーんね」って間延びした調子。
 到底謝罪には聞こえていないんだけれど、
 いいよ。ここは慎一も笑ってあげよう。]


  事実だしね。アレは怖かったけど。
  認めたのも認めたけど──、
  頑張るのはやめない。あと少しくらいは。


[ にへら、と浮かべた笑みは、
 疲れてないと言っちゃあ嘘だけど、
 大丈夫。急に刃物を手に取り乱したりはしない。]
 




  ……できればそう、
  豹変せずに、次はそっと教えてほしい。


[ 最後にそんなリクエストだけ添えようか。
 慎一はいつものほうの綿見のが好きだよ。

 ……淡々と言葉を重ねる姿は、
 なんだかどちらも綯い交ぜになっても見えるけど。

 そして話題は移り──、
 不思議なことに、慎一は礼を言われている。

 和らいだ視線は怖くないけど、
 その感覚は慎一にはないものだった。
 それについてもいずれ「なんで?」って言えるかな。
 こういう話を、現実世界でも続けていれば。]
 



[ ぐいっと顔をこちらに向けた番代に、
 慎一は一瞬、「うおっ」って驚いて──、

 ……ほらね。ビビりなところも変わってない。
 それから、ふふんと自慢げに笑って見せた。]


  あ〜〜番代は早々に帰ってたからな〜!
  うまかったなあ。夜に食べるパンケーキ。


[ 冗談めかしてそんなことを言うとき、
 慎一の手はもう首元をなぞってはいない。
 目を細め、羨ましそうな視線に付け足そう。]
 




  今のうちに綿見に頼んでおけば?
  「これから」だってあるんだし。

  で、カフェオレと、コーラね。
  ……寒いのに番代、すげえな。


[ ふたりぶんのリクエストを復唱。
 復唱は大事って販売係で学んだからね。

 余計な一言を付け足しはしたけれど、
 「おまけ」だから……お代はいいよ。

 慎一だってきっと、今の気持ちの感じなら、
 そのくらいの気は回せるはずだ。
 無償のナントカにはまだほど遠いけれど。**]
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 時計を見上げていた。
 秒針が刻々と時を刻むのを逃さないように、
 待ち受けるようにじっと見つめていた。

 そうして、3、2、1、……
 スピーカーへと顔を上げれば、
 最後のチャイムが鳴った。 ]
 

(22) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 炭蔵はまだ、この世界に居た。
 その事実を受け止めれば、少しだけ笑って
 律儀にゆっくりと食器を片付け始める。

 そうしていたら、その扉が勢いよく開いて、
 あっという間に詰められる距離感に、>>14
 思わず後ずさってしまったが。

 暮石の姿を見て、
 大凡のことを理解していただろう。 ]
 

(23) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 鳩羽と柊は帰った≠アと。>>16
 この世界の主は、黒沢だってこと。>>15

 カッターナイフを見た時から、
 ずっと炭蔵は薄々勘付いていた。
 連想ゲームをするなら、思い浮かべるのはただ一人。
 ただ、炭蔵の知らないところで、
 カッターとの関連のある人物も居るかもしれないと
 確信が持てなかったのもあったが。 ]
 

(24) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  暮石、落ち着け
  ……まだ、12時間近くある
  いや、もう12時間しかないとも言うが

  俺に出来ることは限られているが、
  最善を尽くそう


[ 呼吸も荒く、必死な様子の暮石に
 いつものように落ち着いて返事をする。
 ──……した、筈だった。

 彼女の手が伸びてきて、>>16
 炭蔵の前髪を掻き上げれば、
 其処には隠しきれない表情が浮かんでいる。 ]
 

(25) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



      揺れる眸は、不安の色、
      そして激しい焦燥を映す

 

(26) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺の決意は最初からずっと変わらなくて、
 約束だって有効期限は無期限だった。
 それに、頼まれなくたって、
 黒沢のことを連れ戻したいと思っている。

 けれど、暮石は知らないと思うが、
 俺は無意識のうちに、この校舎に来てから
 黒沢と言葉を交わすことを避けていた。
 理由は、そうだな── 自信がなかったから。
 
 俺の考えが本当に正しいのか、
 どんな言葉を選べばいいのか、
 足元が地面から浮いているように落ち着かなくて。

 俺の力では、黒沢のことを
 取り戻せないんじゃないかって
 思ってしまって自信がなかったんだ。 ]
 

(27) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 昨日の夜には鳩羽に責任を押し付けようとしてた。
 情けないよな、本当に。

 そんな複雑な感情を乗せた眸を、
 暮石に暴かれてしまったことも情けない。

 あんなみんなを助けたいだとか、
 偉そうに言っておきながら勇気も出ないとか、
 本当に情けなくて嫌になる。 ]
 

(28) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ でも、 ]


  ……足りないことはないだろ、
  少なくとも俺は、今暮石に勇気は貰えたし


[ 眸を見られて数秒、
 ワンテンポ遅れて視線を逸らし、
 前髪を指で弄びながらにそう答えた。

 真っ直ぐに俺を見上げる眸の中に浮かぶ色、>>20
 諦念など一切浮かばない、暮石が居る。 ]
 

(29) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  まずは、柊と鳩羽を見つけ出そう
  ……その間に作戦会議でもしようか
  黒沢をどうやって連れ戻すかについて


[ 真っ直ぐ黒沢の元に向かいたい気持ちもあるが、
 今朝消えたであろう二人の姿も確認したい。
 その気持ちは暮石と同じだった。 ]
 

(30) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 不安も焦燥も消えないけれど、
 炭蔵祐駕はどこまでも炭蔵祐駕で、
 今はもう前だけを見つめていた。 ]
 

(31) 2021/06/14(Mon) 02時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  ……そうだ、暮石。
  なんかこう、前髪を留めるもの持ってないか?


[ 暮石は提案に乗ってくれたかどうか。
 別行動をするのであれば、
 別れる前に手でヘアピンの形を真似どって
 持っていないか確認をするだろう。

 ないなら、そうだなー…
 足元にはもうカッターナイフも落ちていないし、
 どこかの教室でハサミでも借りようか。 **]
 

(32) 2021/06/14(Mon) 02時頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/14(Mon) 02時半頃


[……もしかしなくても私、
ものすごく空気が読めてない視線の割り込みをしたけれど、
パンケーキ自慢をした向井くんのせいってことにしとこう。]

 ずるいずるい!
 私も食べたかった〜〜!

[大袈裟に自慢してくるもんだから、しょうがない。
向井くんにはさっきから「ずるい」ばっかり言ってる気がする。

ずるいと言えば、男子に秘密のお菓子パーティーの件、
向井くんには教えてあげないけど、そのことについては棚に上げている。]



 寒い時こそ甘ったるくて爽やかな炭酸はガソリンですから。

[自慢にもならないことで胸を張って見せる。
例え斜め上と言われようがこの好みは譲らない。

自販機に行く向井くんを見送った後、
茉奈ちゃんがまだここにいるようなら、
次はパンケーキ、お願いね!というキラキラした目線を送ってみた。]


[それと、茉奈ちゃんにはもうひとつ。]

 何かあったらいつでも話、聞くからね。

[……と、小さな声で告げれば。
あの校舎の中で最後に言い残したカマ掛けを思い出すだろうか。

これは本当に最後の確認のつもり。
もし私に対して何も話すことが無いようなら、これ以上は聞くこともしない。
私の気のせいということにしようと思う。

いつの日か相談に乗ってもらった手前、
報告くらいはしないといけない、とは思ったので。手短に。]



 私にしか見えない女の子の守護霊?的な、
 あのことなんだけど。

 私が“いる”って思い込んでたせいだったのかな、って。
 ……うまくお別れできそうなんだ。

[お別れ、というのが明確にどういうことなのかは自分でも分からず口にしたけど、
もうぼたんの存在に悩まされることはないだろうし、相談することも無くなる。
それだけを伝えたかった。**]


メモを貼った。




[―――気付けば泣きながら目を覚ました。]


 


― 帰還 ―

[目を開ければ視界には見慣れた天井。
カーテン越しの窓の外は薄暗い。
日が昇るにはまだ少し早いようだ。
濡れた顔を拭って頭だけを動かせば枕元にはスマホ。

自室の風景がそこには広がっている。]

……………ああ……………

[まだ若干ぼんやりする頭を無理やり持ち上げ、
ベッドの上で体を起こした。

なんだっけ、なんだか深くて濃い夢を見ていた気がする。
何気なく視線を落とせば、手首に巻かれたハンカチが目についた。]



 ――――、


[ぼーっとそれを見つめて3秒。急激に思考が覚醒した。

思わずそのハンカチを剥ぎ取って
部屋の明かりをつけて手首を確かめる。
よくよく見ないと分からない程度だけれど、
うっすらと傷跡のような線が残っていた。

ばたばたと立ち上がり、部屋のハンガーにかけてある
通学時に使っているブラウンのコートを見る。
手を突っ込んでポケットを漁れば―――あった。

まるで上から水を撒いて滲んだように
全体が強くピンボケした写真。
でもシルエットで分かる。
黒板を背にして皆が映っているそれは、
打ち上げの時に撮ったあの―――]




………帰ってきた、


[口に出す。確かめる。頬についた涙の跡を指で辿った。
弾かれた様にスマホを手に取る。

どうでもいいメッセージをスワイプで押しのけて、
グループチャットを開こうとする前に
九重からのメッセージが入っていた。]


[それを見て、

…………ああ、やっぱり。って。

脳裏に過ったのは納得と確信だった。
もしかしたらそうなんじゃないかなって
話してる時にちょっと思ったんだ。

俺が帰ると決めた後、
夢の中で話した唯一
未来の話をしなかったきみ。

そもそも消去法でもうだいぶ絞られていたもの。
帰りたい?って聞いた時、是とも否とも言わなかったけど。
きっと答えはどっちでもなくて、"帰れない"んだ。
自分が作り出した世界にずっと、留まり続けている。]


[それから、これは俺のもう一つの確信。

電話帳を呼び出して、友人の名をタップした。
寝てるかもしれないが起きるまでコールし続けてやる。

出ない、とは何故だか思わなかった。]


……あ、レン?
メッセージ、見た?


[開口一番、俺は問いかける。**]


メモを貼った。


 

[ 比較的静かに帰還した悪友とは違って
    こちらは酷く騒々しい目覚めだった ]

 


 

[ どこかでスマホが鳴っているような
         ──────── 気がする ]
 
 


── 自宅2F ──

[パッと目を開けるとそこは見知った部屋
冷たい校舎でも、夢の中の部屋でもない。]


 え。俺。
 戻っ……… ってきた?
 それとも、………夢?
 

[夢だったのだろうか、
それともきちんと戻ってきたのだろうか。
あの時、そうだ、最後に俺は

眦に、ちくっとした痛みを感じて手で触る
目も鼻も、あるようだけど、信用ならない
だって俺は見たものだけを信じたいから]
 


 

 アイちゃん!!いる!?
 俺!!顔!!


[飛び起きて3秒、
転がるように部屋を出て、大声で叫んで
そうだ、鏡。洗面所。洗面所に行けば、俺]


 うわっ、あっ、っと


[どんがらがっしゃーん。
駆け下りた階段数段踏み外して落ちた。
怪我とかはしてないけれど、相当大きい音が響く
いつもならここで ──────── ]
 


 
[頭に衝撃。階段から落ちた衝撃じゃあないよ
見上げればチョップを繰り出すアイちゃんの姿。
あっ、いつもどおりの日常だ。いや不服だけど。

   『 レン!うっさい。 』

リビングからは、父親も顔を覗かせている。
いつもどおりの3人家族。他に、余計なものは無い。
見知らぬ女もいなければ、見知らぬ廊下でもない。

アイちゃん、俺顔付いてる?って聞いたら
アイちゃん史上、最高に怪訝な顔、された。

   『 そんなことよりか、
     さっきからスマホ鳴ってるけど 』]
 


 

 ユキ!無事!?
 メッセージ?なんのこと?

[その電話に出たのは
ひたすらコール音が鳴り続けた後だっただろう
20回以上は鳴ったんじゃねえかな……。ごめん。

携帯を耳に当てながら、
階段でぶつけた尻を掻きながら洗面所に向かう
鏡、鏡… 目も口もありそうなんだけど、
眦が痛いの、これ何が起きてんだ?怪我?

なんて、鏡の前にたどり着いて、
眦に小さな「出来たての切り傷」を見つけるのと
多分、ユキの口から、ノエのことを聞くのは同時。

傷、触れば痛くて、痛ッて、と声を出した。]
 


 

 ノエ、が。

[……考えないようにはしてたからさ、
そうだったんだ、っていう気持ちと、
やっぱりそうか、っていう気持ちがね半々。

俺のほうも、消去法。
その上で、ユキとユーガは絶対無いって
俺さ、確信してたから。

メイは、確証はなかったけどさ。
交わされた「また明日」の言葉が。

─── 生きている掌の温度が
    嘘だなんて、思いたく、なかったかな。 ]
 


 


 つか、いかなきゃ。
 病院は!?
 っていうかほかのやつは無事なん?

[病院のことまで教えてくれた?
俺ですか?慌てて病院向かおうとしてますけど。
でも電話で悪友が話したいことがあるっつーなら
仕方ねえなあ聞いてやらんこともないよ(傲慢)]
 


 

[あ、でもさ、これだけは電話を切る前に
ちゃんと、ユキに言わなきゃな。]


 ……あーそれと。
 ユキ、おかえり。ただいま。


[きっと、ちゃんと明日が続いてく「日常」に。]*

 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー



      [ 眸を、見られた。>>35 ]

 

(43) 2021/06/14(Mon) 12時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 反発するような言葉、焦ったような様子が、
 次第に落ち着いて行くのがわかる。>>38 ]


  ……そうだな、同じ人間だよ


[ 少しだけ不貞腐れたような声音になってしまう。
 平坦だった声にも次第に隠せない感情が乗り始める。

 けれど、告げられる言葉に、笑い声。
 俺はそれを不快に思うことはなく、
 逆に気恥ずかしい思いが優ってしまったから
 視線をつい逸らしてしまっていた。 ]
 

(44) 2021/06/14(Mon) 12時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ そうして、同じように深呼吸をする。
 二度、そうすればこの気恥ずかしさも落ち着いた。

 よもや、互いが互いを落ち着かせたなんて
 気付けもしていなかったから、
 助けた≠ネんて言われても心当たりがない。

 ただ、感謝の言葉を述べられれば、
 悪い気はしないものだった。 ]


  いや、俺の方こそありがとう


[ 今はもう逸らしていた視線を戻して、
 暮石のものと繋げていた。>>39* ]
 

(45) 2021/06/14(Mon) 12時頃

[鳩羽が電話に出るまで、たっぷり数十秒はかかったと思う。
一緒に帰って来てるって確信してた筈の俺だけど、
コール音を聞いてるうちにだんだん自信なくなってさ、

え?あいつまさかワンチャン帰り損ねてる?
失敗してそのまま逝ってたりしない?
なんて頭に過り始めたころだったから、

スマホ越しに痛え、なんて
呑気な声が聞こえたときは
やっぱりちょっとだけ安心した。]


【人】 泥炭採り ユンカー


[ それから、暮石の疑問に小さく笑う。>>40 ]


  あまり主張をしてこなかった暮石が言うんだ
  まさか狼少女だと思うことがあるか?

  ……それに、心当たりがない訳じゃない


[ まだ拾ったカッターナイフはあっただろうか?
 もし消えていないのならば、
 ポケットから取り出して見せようとするだろう。

 ないのなら?
 自分で傷つけた左手首を暮石に見せる。
 暮石のひっかかっていたことはわからないが、
 黒沢の癖ぐらい気づいていただろう?
 ── と、言わんばかりに。 ]
 

(46) 2021/06/14(Mon) 12時頃


無事無事。
五体満足で帰って来てますよーっと。


[とはいえ夢の中で飛び降りなんてしたせいか、
ちょっと重めの筋肉痛の時みたいに
全身の関節がじんわり痛い。
動けないほどじゃないけどさ。

口振り的にまだメッセージは
見てないようだったから
簡単に俺の口から説明する。

精神世界と閉ざされた校舎のこと。
黒沢が自殺未遂を試みて、病院に運ばれたこと。
それに、容体はあまり芳しくないこと。]


【人】 泥炭採り ユンカー


[ そして髪留めの件については、
 教室にあるらしい。>>42

 そうだな、やっぱり辞めると言い出す前にと、
 俺たちは自分たちの城である教室へと向かった。* ]
 

(47) 2021/06/14(Mon) 12時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 教室にたどり着いた頃、
 カッターナイフの無くなった綺麗な廊下に、
 扉の外に靴跡が残されているのが見えた。>>4:496 ]


  なあ、暮石
  ……これは、多分そうだよな


[ そう≠ニいうのは、マネキンを示唆する。
 暮石はそれを見た時、どんな顔をしていただろうか。
 俺はちらりと表情を盗み見ようと視線を向けていた。

 本当は、今すぐにでも辿りたかったが、
 当初の目的の髪留めを先に回収しよう。
 そう提案をして、教室の中へ踏み込んだ。 ]
 

(48) 2021/06/14(Mon) 12時頃

[鳩羽と世界の主の正体誰だみたいな話は
そういや(悪ふざけを除いて)しなかったけど
彼も何となく気付いていたんだろうか。
しんみりとした口調からは読み取れない。]

――……うん。

[頷いた後一拍前を置いて、少し迷って口を開く。
デリケートな話だけど、こんな事態だしいいかな。
いいよね。それに鳩羽だし。]



副会長さあ、
見限られるのが怖いんだって言ってた。
見捨てられないように、頑張って、親切にして、
みんなのことを気にかけて、頑張らなきゃいけないんだって。

そう命令されてるからって。


[そうして頑張って頑張って、
ある日限界が来てしまった。

死ぬのが怖いって言ってたんだよ。
リスカは死ぬためのものじゃないって言った癖に、
自分でも死ぬつもりなんてなかった癖に、
それでも耐えられなくなってしまったんだ。]


【人】 泥炭採り ユンカー


[ きっと、暮石が髪留めを探している間、
 俺は黒板に並ぶ寄せ書きを眺めていた。
 廊下に貼り出されている写真のように
 まるで卒業アルバムの裏表紙のように
 思い出の一部に、感じていた。
 ただ、文字の内容は物騒なものが多いけど。

 辿るように文字を読んでいれば、
 ふと、増えているものに気づいた。 ]


  ───…… 鳩羽の字だ


[ やたらと目立つ文字。>>4:497
 教室にマネキンはない。
 と、言うことは。外にあった靴跡は──…… ]
 

(49) 2021/06/14(Mon) 12時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  行こう、暮石
  多分あの足跡の先に、鳩羽がいる気がする


[ 髪留めは見つかっただろうか?
 足跡を辿るように3階へと向かおう。* ]
 

(50) 2021/06/14(Mon) 12時半頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/14(Mon) 12時半頃


[掌を握りしめる。
写真がぐしゃりと乾いた音を立てた]


………クソだよ。そんなん。
奴隷や所有物じゃないんだぞ。
俺、許せない。


[世界の主の正体を知って、俺の胸に過るのは。

虚しさでも悔しさでも、悲しさでもない。
どうしようもない怒りだ。]


[ともあれ、九重が教えてくれた病院名を告げれば
鳩羽はその足で向かうようだ。]

他の奴にはまだ連絡とってないからわっかんないけど……
少なくとも九重ちゃんは無事。
この内容全員に送ってるみたいだから、
向かってる奴もいるんじゃないかな。

[なんて話をする。
俺もこのまま朝が来るまで
じっとしてるつもりもなかった。

取り合えずまた後で、って告げて
そのまま電話を切ろうとしたけれど]


[続いた言葉に瞬きをする。
ふ、と口元を緩ませて息を吐いた。]


……ただいま。レンもお帰り。
そんで、これからもよろしく。


[やがて来る「明日」を共にする悪友に向けて。
ちょっとだけ畏まった挨拶と共に笑った**]


メモを貼った。


── 電話・ユキ ──

[電話の向こうで語られるのは、
あっちの世界の話、ノエのこと。

なんでノエが、とかさ。
未だに俺は、思っちゃうの。
そんだけ深い話、してこなかったんだなあって。

だけど一拍置いて、語られたのは、
ノエの、悩み、デリケートな部分。
  
   ……鳩羽だし、って前置かれたのはさ、
   俺ユキに信頼されてる、っていう意味で
   いいのかな、それとも違うのかな]
 


 

 ………はぁ?誰に。

[多分全部聞いたときのさ、その声音は
トシミの人形、見つけたときと同じだったはず
だからユキがこの声を間近で聞くのは、二回目。

………誰に。なんて。
話の文脈で、だいたい絞られるけど。
親か、それともいじめでも遭ってんのか。]
 


 

 うん。

[許せない、の声には、即答で同意を返す

死にたくなかったのに。
追い詰められて、耐えられなくて。
頭ン中があんなんになるまで、限界になるまで。
そこまで追い詰めたやつを、許せるわけなんてねえだろ]
 


 
 俺さあ、あん中にいる時
 世界の主もなんか解決策を見出して
 「死にたくなくなればいいなあ」なんて
 すげえ悠長にさ、考えてたと思う。

 明日を一緒に生きれたらさ、
 一緒に飯でも食うか、くらいの。

 そんだけ、死ぬって、
 自分から遠いことで、他人事だった
 


 

 そんなん、耐えらんなくて当然じゃん
 そんなん、酷すぎんだろ

 そんなことが、現実で起きてるとかさ
 全然、想像すらできなかったんだなって、


[言葉を切る。
ノエを追いやったやつへの怒りだけじゃない。
非日常から帰ってきたっていうのにさ、
相変わらず日常らしからぬ感情で、忙しい。]
 


 
[病院の名前、教えてもらう。
他のやつらが多分無事、だということも。

順番に帰ってきているんだろうか。
最初にトシミから連絡が入ってるっつーことは
あの世界を抜けた順に、この世界に戻ってる、
そう思っても良さそうで。

つうか今何月何日だ??まあいいや。

けど、まあ。
きっとユーガとメイは「まだ」なんだろう。
無事に帰ってくることを、いまは願うだけ。 ]
 


 

 ああ、うん。
 ユキも、これからもよろしく。

[あらたまった挨拶、ひとつ
悪友であり、類友であり、戦友であり、級友であり。
なあもしよかったら、親友も名乗らせてもらっていいかな]
 


 
[ちなみに電話を切る前にさ]

 とりあえず病院行く、でいいよな
 それとも先、ノエんち殴り込みにいく?

[って言って「嘘だよ」ってすぐに撤回したのは
まあ6割くらいは冗談だったかな。 ]**
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 同じ人間で良かった。>>52
 一緒に頑張りたい。>>53
 暮石のくれる言葉は、心の中に滲むように広がる。

 今この瞬間に至るまでこの世界で誰かと過ごしてきて
 沢山の言葉を交わして、何人もの姿を見送ってきた。
 もうこの世界に残されたのは俺たちだけだとしても、
 ココにあるのは、俺たちの気持ちだけじゃない。

 真っ直ぐに同じ方向を向いている。
 これも多分、俺たちだけじゃないと良いな。 ]
 

(64) 2021/06/14(Mon) 16時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 心当たりの件については、>>54>>55
 詳細は語られなくとも時折聴こえていた
 ため息≠フ理由に繋がりそうだった。

 あのはじまりの日のカッターナイフ。
 まだたった2日前のことなのに、
 何故だか遠い昔のように感じるよな。
 俺たちは多分、あの時から気付いてたのかもな。

 それから、手首のこと。
 頬を抓られても然程痛くはなかっただろう。 ]


  これは向井が悪い


[ と、罪を擦り付けてもおこう。 *]
 

(65) 2021/06/14(Mon) 16時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ そうして、教室に入る時、
 盗み見た暮石の顔は泣きそうで、>>56
 帰った≠ニ信じていても、
 悲惨な状態のマネキンがあるのは確かに
 なるべく見たくはないものだろうと思う。 ]


  無理はしなくていいからな


[ それでもきっと、暮石は見ると言うだろうが。
 あやすようにぽん、と小さな頭をひとつ叩いて
 教室の中へ踏み込んでいた。 ]
 

(66) 2021/06/14(Mon) 16時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  リハーサルにしても、
  まだ少し早いよなあ


[ 正しく卒業アルバムのように並ぶ、
 整列された写真たちと寄せ書きの黒板。

 ヘアピンを受け取り、>>58
 その黒板に文字が書き足されるのを見ていた。 ]


  どのくらい頭の中、って……
  さあな、それは俺にも分からない


[ 量の多い前髪を上に掻き上げて、
 てっぺんに集めてヘアピンで固定しながら、
 暮石の不思議な質問に答えて。 ]

(67) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 刻まれた文字に、眸を薄める。>>60 ]


  伝わると思う、
  いや思うじゃなくて、絶対伝えよう


[ チョークの粉が少し舞う。
 精神世界なんだ、問いの答えはわからない。
 分からないけど、まだ気持ちは伝えられると思う。

 だから、俺は黒板に新たな書き込みはしなかった。
 ちゃんと一緒に帰ってから、
 卒業アルバムの裏表紙にサインしよう。
 それまでは、お預けだ。 ]
 

(68) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  どうだ、似合うか?


[ ヘアピンをつけ終えたなら、
 検討した結果を見せつけるよう>>42
 暮石にファッションチェックも依頼していた。* ]
 

(69) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ そして、思い出を教室に残して向かった先。
 三階に辿り着くと、寒さが増す。
 暮石の視線の先を追えば、
 ひとつだけ窓が空いているのが見えた。>>4:520

 俺の腕も二本しかないし、身体も一つしかない。
 暮石と同じで、手近な教室に足を伸ばす。>>61 ]
 

(70) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 後ろから、中に倒れている鳩羽を見た。>>4:496
 顔をコートに埋める暮石の隣にしゃがみ込み、
 背中を擦るように手のひらを添えた。

 そして、もう一本の手はカッターナイフを拾う。 ]


  まだ俺たちに明日≠ヘ来てない
  この校舎の中は、
  永遠に同じ日付を繰り返してる
  俺は鳩羽と約束したんだよ、

  俺たちが目指すべき明日は、もう少し先にある


[ そう、俺も約束したんだ。
 この校舎が動き出す明日へ。>>4:366 ]
 

(71) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  だから、鳩羽はきっと、
  一足先に明日≠ナ待ってるだろ
  こんな作り物の笑顔じゃない、
  本当の笑顔を浮かべてな


[ 話しながら、
 暮石が途中で顔を上げないことを願っていた。
 だって、俺も泣きそうになってたから。
 もし見てしまったのなら?
 ……他のみんなには内緒にしてくれ。

 特に、綿見には言わないように。 ]
 

(72) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 衣装部屋の中にあるもので、
 可能な限り文化祭の日に近くなるよう
 ごちゃごちゃとした装飾をつけてやろう。
 どうだ、満足のいく出来栄えになっただろうか?

 それから、暮石が落ち着いた頃に、
 開けっ放しの窓の方へと向かうだろう。* ]
 

(73) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 近づけば、窓の外ではなく、
 窓のすぐ近くに、
 降り積もる雪に覆われたマネキンがひとつ。

 吹き込む風が、雪が、冷たくて。
 窓枠に、手をかける。

 なあ、暮石覚えているか?
 はじまりのあの日、一緒になって覗いたこと。
 あまりにも深い闇が広がっていて、
 言葉を失っていたっけ?>>1:297
 その気持ちを覚えているから、
 下を見ないようにそっと窓を閉めた。 ]
 

(74) 2021/06/14(Mon) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ そうして、マネキンの傍にしゃがみ込み
 上に積もる雪を、素手で払い除けていた。

 顔があるべき場所になくったって、
 これは柊だと分かっていた。 ]


  こんなところに一人で、寒かっただろうな
  ……暮石、鳩羽の傍に運んでやらないか?


[ そういえば、柊の下の名前はユキだったか。
 誰かを下の名前で呼んだことはない俺は、
 ふと頭の中で、連想ゲームをしていた。

 それと、寂しがりな柊のことだ、
 ひとりで廊下に残されるより良いだろ? *]
 

(75) 2021/06/14(Mon) 17時頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/14(Mon) 17時頃


[黒沢から聞いた、優しくない人の話。
自分勝手で、他罰的で、思い通りにならないと気がすまない人。

それが誰を指しているのか、
具体的には聞かなかったけれど、]


……俺もはっきりとは聞いてないけど、
たぶん親とか、家族……… じゃないかな。


[見放されたら生きていけない

俺はそれを聞いて、咄嗟に親だと思った。
ってのは今まで俺がそう生きて来たからなんだけど
直感はそんなに間違ってないと思う。]


[俺達未成年の行動範囲なんてたかが知れてる。

あんな空間を作り上げる黒沢が、
学校で嫌な思いしてるとは思えないし
恋愛絡みとかでもないと思う。ないよね。

黒沢を支配して根本的な価値観に影響を与えた大人。
親か、兄弟か、それに類する保護者の誰か。]


[黒沢からその話を聞いた時、
感じたのはシンパシーだった。
でも、彼女の現実を改めて理解した今、俺は憤ってる。

子どもは親に嫌われたら生きていけないんだよ。
苦しくても認められたくて必死になるものなんだ。

それをいいことに支配して、搾取して、追い詰めて
挙句の果てに死に追いやってしまうなんて、
心の底から胸糞悪いと思った。

だって俺だって多分、
もし何かが少しだけ違ってたらそうなってた。

だからこれは黒沢の為というより
自分の為の怒りなのかもしれないけど、
今はそれでもいいよね。]


[静かな呟きには即答が返って来て
俺はその反応に安堵した。

怒りを抑えた静かな声が今は心地いい。
独白めいた思いの丈に相槌を打って。]

…………うん。

でも、副会長は自分のそーゆー部分も
あんまり人に知られたくなかった気がするからさ。

変にレンが責任感じることはないと思うよ。
何も知らない奴の明るい言葉に
却って救われてたりすることもあるしね。


[鳩羽だしは、そのまんまの意味。

感情豊かで他人に寄り添って痛みを気遣える
お前がそう言う奴だから、話してもいいかなって思ったの。
きっと黒沢も許してくれるんじゃないかなって。

これを信頼って呼ぶならそうなんだろうね。
…言わせんなよ恥ずかしい。]


[そんな悪友兼類友兼戦友兼…長えよ。
いいんじゃないもう親友で。

とにかく共に盃(紅茶●伝)を交わしたマイフレンドは
あながち冗談じゃなさそうな口振りで言うものだから、
俺は呆れたように苦笑する。]

殴りこみて。
行くなら加勢するけどさあ、
俺、副会長んち知らないもん。

[まあ気持ち的には俺もそうしたいくらいだったけど
きわめて現実的な問題が阻んだ。

それにもし知ってたとしても、
ひとまずは黒沢の容体が気にかかる。
なので電話を切った後は病院に向かうつもりだ。**]


メモを貼った。


[責任感じるな、みたいな言葉
俺の知らないところで、言われてたこと
俺は、自分で聞いてないから知らないしさ。

それでもごめんな、って思っちまうんだよ
優等生じゃないけど
案外さ、責任感は人一倍強いのが俺だから

だからさあ。
今はユキの怒りが俺と同じ方向向いてるって
俺は信じて話してっけどさ。

実は 自分のための怒りだったとかさ
そもそもユキの境遇だとかさ
先にそーゆーこと聞いてたら

   あーたぶんユキんち殴り込みにいくわ。
   これは、10割本気で。 ]
 


 
[俺はさ、多分ユキやノエの、苦しみを、
たぶん根本のところで判ってあげられない。

生まれてきた境遇、環境は人それぞれだし
18年もの長い間に感じた想いと、
そこから生まれた感情っていうのは、
きっと、「似てる」からこそ判るものもある。

寄り添ってるつもりでもさ、
わかんねーことが多いんだよ。俺

だけど、似てない俺がさ、
それでも少しでも寄り添えてたらいいなって思うし ]
 


 

[ 誰かと軽く交わした「今度」が
  ちゃんと訪れたらいいな、って、思うよ。 ]

 


 
[共に盃(森永)を交わしたマイフレンドは
至極現実的な問題を口にするから。
あーーーーーーーーー、確かに、って言って。

ま。冗談だからな。半分は…

じゃあ、とりあえず病院で、って
俺もきっと、電話を切ったはず。かな。 ]*
 


メモを貼った。


 
── 自宅→ ──

[俺は玄関で靴の紐を結ぶ。
あの世界で貸したはずのダッフルコートは
きちんと手元に戻ってきている。

 まさか最終的には
 ユキの身体を温めてたなんてこと
 俺は、知らなかったけどさ。

 知らなくてよかったと思うぜ。
 だって知ってたら
 確実に恩を着せてたと思うから!(それな) ]
 


 
[出かけるの?ってアイちゃんが聞く。
友達が危篤、ってマジなテンションで言ったら
マジなほうでちゃんと捉えてくれたから、
これは家族であることに、感謝感謝。

  こんな馬鹿やってる俺だけど
  そーゆー洒落にならねー冗談は
  絶対つかないのをアイちゃんは知ってる

送ってくぞ、って父親が言う。
最初は無視してやろうかと思ったんだ。
でもさ、少し考えてから

   
    『 うん。病院まで頼む。 』 ]
 


 
   『 なあ親父
     俺、ちゃんと、考えたよ


 駐車場から車は発進する


   『 俺さ、高校卒業したら
     この家、出ることにしたよ。だけど 』


 オーディオからは
 聞き慣れた、親父の好きな洋楽が流れてる


   『 俺も、やっぱ嫌なんだ。
     この家に、たとえ血縁だって
     知らないやつが我が物顔で住むの。 』
 


 
 乗り慣れた助手席
 乗り慣れた車の匂い


   『 想像したら、怖かったよ。
     俺らの居場所はなくなる。
     俺らの家族は、壊れちまうって 』


 ウインカーの音
 タイヤが道路に擦れる僅かな音


   『 親父が、誰を好きになろうと
     それは。構わないよ。
     俺も、アイちゃんも家を出たらさ
     親父、もう自由に生きられんだろ。 』
 


 
 暗闇に浮かぶ赤信号
 人通りの無い深夜の住宅街
 それでも親父は規則をちゃんと守る男だ

 
   『 家には、誰も入れないで。 』


 それが俺の結論。
 できれば籍も抜いて欲しい。こっちは願望。

 
   『 あの家は。
     俺と、アイちゃんと、親父の家だ。
     俺が外に出てしまっても。
     アイちゃんが外に出てしまっても。
     帰りたい家のままに、しておいてほしい 』
 


 
 ブレーキランプが点滅する
 間もなく俺は病院に着く
 

   『 俺と、アイちゃんの望みが叶うなら。
     親父が誰を好きになろうとさ。
     親父が誰に騙されようとさ。
     そんなの。俺、知ったこっちゃないよ。

     手酷く振られた親父のことさ
     俺とアイちゃんで笑ってやるから。

     だから、好きなようにしたらいいよ。 』
 


 

 病院の白い壁。
 あの入り口のほうにいるのはシンだろうか。
 ユキは、病院ついたかな。どうだろ。


   『 でもさ、覚えておいて。
     俺にとって、鳩羽家は。
     親父と、アイちゃんと俺だけだから。
     ほかのひとは、必要ないよ。 』


 


 


  じゃ、行ってくる。
  帰り?適当に連絡するけど、
  待ってなくていいよ、寝てろよ。


   ……それかタクシー代ください、って言ったら
   アイちゃんだったらげんこつモノだけど。
   優しい親父はどうかな。
   諭吉一人くらい恵んでくれないかな。 *

 


 
── 病院外 ──


 シン!

[そうして病院の外の自販機に、
シンの姿が見えたなら、きっと駆け寄ると思う

よかった、無事だった。って。
へらっと笑った顔は、いつかの夏のように
心底嬉しそうな、顔をして。 ]*
 


メモを貼った。


 ── 現在・病院前 ──

[ いつもみたいにおどけてみたって、
 目の前に横たわる笑えない現実は変わらない。

 子どもみたいに「ずるい」と言って、
 変なところで胸を張った番代に、
 慎一は笑っていられたんだけど。

 場を離れてひとり、
 冷え込む空気に晒されながら、
 自販機を見上げるころにはなんだか、
 もう、全然。ちっとも笑えなかった。]
 



[ 暗がりにぼんやり光る箱の前。
 自販機のラインナップを上から眺めて、
 財布の中の小銭の合計を数えて──、

 ……そう。たとえば、なんだけど。
 校舎に迷い込んで間もないころ、
 「慣れちゃった」と言った黒沢に、
 もし慎一が「そっか」以外を言えてたら。

 ……あったか〜いカフェオレ。
 缶入りのそれを見つけてボタンを押す。
 がこんって音がして缶が落下してくる。]
 



[ 落第生の反省部屋。
 そういう言い方ができるのは、
 慎一にその自覚があるからだ。

 これからはもっとちゃんとやる。
 もう少しがんばってみたいと思う。
 表向きは前向きな言葉を並べてみても、

 今、この瞬間、胸の内側にあるのは、
 「むなしい」だか「くやしい」だか、
 あのとき視界に確かに存在したものに、
 慎一は手を伸ばさなかった、という自覚。

 ……仕方ないと思っていたんだけどなあ。
 慎一は自分のことで手一杯なんだから。
 人の助けになれればどんなにいいかと夢見ても、
 慎一の腕はいつもふさがってる。だから仕方ない。]
 



[ 他人の面倒を見るなんて、
 慎一にはまだまだ早かったみたい。

 でも、ほら。
 少しずつ自分との付き合い方を学んだみたいに、
 いつかはそれもできるようになるかもしれない。

 今はまだ早かっただけ。
 みんなより少し歩みはゆっくりでも、
 ちゃんと前には進んでるからえらい。
 そのうちきっとできるようになるから。

 そう言い聞かせるようにしてきたんだけど、
 正しくて、前向きな考えのつもりなんだけど、
 慎一は今、どうしようもなく悲しい。

 ……つめた〜いコーラ。片隅に追いやられてた。
 またボタンをひとつ押す。ガコンと音がする。]
 



[ ……いつか、じゃダメだった。
 慎一はもうあの校舎には戻れない。
 せっかく慎一のことも招いてくれたのに。]
 



[ ……あったか〜いミルクティー。
 缶じゃなくてペットボトルのやつ。

 慎一は缶飲料のあの飲み口の感触がどうも苦手で、
 だから、缶が多いコーヒーよりダンゼン紅茶派。
 今もそれを探してボタンを押す。これでみっつめ。

 取り出し口はぎゅうぎゅうだろうなあって、
 しゃがみ込んで、手を突っ込んで、まさぐって。

 ……ああ、取り出しにくいったらない。
 全然引っ張り出せなくて、泣けてくるくらい。

 「くそ」ってひとりごちながら、
 一つひとつ順番にパズルみたいに取り出してく。
 もどかしくって、涙が出てくる。ばかみたいだ。]
 



[ できることなら慎一は、
 今すぐあの校舎まで飛んで帰って、
 なにか、なにか言いたい。分不相応でも。
 あの手首を、全然痛まない程度に握って、
 一緒に帰ろうってここまで引っ張ってきちゃいたい。]
 



[ ……気づくのも遅いんだよなあ。慎一ってば。
 手の届く小さな範囲に抱くくやしさも、
 「言えよ!」って叫びたくなる気持ちも。

 どれも遅すぎたので、雑の飲み物を取り出しながら、
 ただひたすら、もう一度目の前に立ってほしいと思う。
 慎一の視界にも入るとこに。両手を広げて届く距離に。]
 



[ ……ごめん、綿見。
 もう少し頭を冷やしてから戻るね。
 カフェオレ、ちょっと冷めるかもしれない。
 番代は──、コーラが爆発したらごめん。

 そんなことを考えながら、
 ぼうっとひとりで自販機の前に突っ立ってた。
 たぶん、少しの間。両手に飲み物を抱えて。]
 



[ ひとりでいるのはさみしい。
 ラクなはずなのに、楽しくない。
 そのうえ時にはひどく気が滅入る。]
 



[ ──なので、
 そのとき声をかけてくれてよかった。

 いつだって慎一はそう思ってる。
 馬鹿げた量の買い出しのときも、
 非日常めいた校舎の中、日常ぶってみたときも、
 それから今、ひたすら自販機の灯りを眺めてたときも。]
 


 ── 現在・病院外 ──


  ……えっ、うわ、わっ、


[ ほとんど意識が内側に向いてたものだから、
 慎一は唐突にかけられた声に驚いて、
 落としそうになった飲み物のバランスを取ったとこ。

 一瞬、ぽかんみたいな顔をして、
 まじまじと10秒くらいは見慣れたその顔を見つめた。

 いつもと変わらない顔。いつかみたいな笑顔。
 混線しかけた脳内がゆっくりと整理されて、
 帰ってきたのか、というところにやっと行き着く。]
 




  ──レン?


[ その瞬間、あの世界がどうなったとか、
 いろんなこといったん全部さておいて、
 慎一もつられたように笑う。いつもみたいに。

 なんていうか──、
 君の笑顔にはそうさせる何かがあるよね。
 とは、慎一は口に出しては言わなかったが、]


  ……レン、おかえり。帰ってきたんだな。


[ 顔が見れて安心した。
 ……ってのは隠しきれやしないだろう。]
 




  で、その傷……、
  またチャイム、鳴ったんだ。


[ 顔についてる真新しい傷のこと。
 うすうす原因に想像はつくんだけれど、
 そういうことだろうなと思いつつ聞いたりして。

 中にほかのメンバーも来ていること、
 それから、黒沢の母親がそこにいることも、
 タイミングをみて伝えられるといい。*]
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー

── 3F階段前の教室 ──

[ 大丈夫と告げていたのを信じていたが、>>76
 やはり目の前にすると落ち着かないようだった。
 少しでも暮石の感情を逃がすことの
 手助けになっているのなら、よかった。>>79

 それから、暮石には
 どうにも弱みを握られてしまうものだ。>>80
 けれど、ふたりとも同じ顔を
 しているんだから、おあいこだ。

 泣き笑う暮石につられて、
 俺も人差し指を口元に添えて笑っていた。 ]
 

(91) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 廊下に出れば、雪に埋もれた柊を発掘する。>>82
 ごちゃごちゃと五月蠅く飾られた鳩羽の横に、
 柊が寄り添うように置こう。

 歪な顔をしたふたりが並ぶ。
 暮石が声をかけるのを横目に、
 俺は、何時間も前のことを思い返していた。 ]


  ……約束は忘れてないからな


[ ふたりと交わした約束を叶えるため、
 俺は暮石と共に衣装部屋を後にする。 ]
 

(92) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー

── 3Fの果てへ ──

[ 鳩羽と柊を見つけることができた。
 残すはあと一人。
 俺たちの心当たりのある人だ。

 暮石の言葉に、頷く。>>84
 まともな作戦会議はできなくとも、
 向かうべき場所は、同じだ。

 俺ひとりで背負わなくてもいい。
 心強い味方が隣に、未来にいる。 ]


  ……もしも、変なことを口走っていたら
  構わず俺の背中を叩いてくれ


[ そうだ、果てに辿り着く直前。
 作戦会議ならぬお願いを、暮石にしておこう。 ]

(93) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ ─── ようやく、ご対面だ。

 三階、一番端の教室。
 音楽室に黒沢は居た。>>88

 振り返る彼女は微笑んでいて、
 それから自ら話し始めるのを静かに聞いていた。
 俺にとっては、その光景は異様に見えたが
 隣にいる暮石にはどう見えただろう。]


  黒沢、探したぞ


[ 俺の第一声はこれだ。
 こんな端っこにいるのは骨が折れたぞ。 ]
 

(94) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ それから、 ]


  この髪型、似合ってるか?


[ 幼く見えると言われた前髪を示す。>>78
 仲間はずれの前髪の端を、
 暮石がしたように自分でも流してみせる。

 ご機嫌になっているともつゆしらず、
 どうだ?なんて、黒沢にも同じ質問を。 ]
 

(95) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ それから、 ]


  そのクレープはどうした?


[ なんて、手に持っているクレープを指摘する。
 ほら、確かクレープは完売だった筈だ。
 女子が夜中に何をしていたのかなんて、
 俺は全く知らなかったから。 ]
 

(96) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ それから、 ]


  ……黒沢が言いたいのはそれだけか?


[ 頭を下げる黒沢を見て>>90、俺の眸は薄くなる。
 俺が知りたいのは、そんなことじゃない。>>89
 俺はあの日≠ゥら今までずっと、
 黒沢の嘘に乗っかっているんだ。>>0:817

 黒沢からのSOSを、ずっと、ずっと待っていた。 ]
 

(97) 2021/06/14(Mon) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺は、無意識の内にだろうか。

 まだ絆創膏が貼られたままの、
 左手首を握り締めていた。 *]
 

(98) 2021/06/14(Mon) 21時頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/14(Mon) 21時頃


── 病院外・シン ──

[持ち過ぎじゃあなかろうか。
コーラにカフェオレ、ミルクティー。
つめた〜いもあったか〜いも抱えたシンが
自動販売機の前で、ぼんやりしてた ]


 あっごめ


[俺の声かけはシンにとっては
今日もイレギュラーだっただろうか。
荷物を取り落としそうになったシンにさ
ごめん、って思わず声をかけた。

それからぽかんとした顔をしてさ、
こっちをじーって見つめるわけ。 ]
 


 
[レン?ってシンが呼んでくれて
ああ、なんか理解してくれたんだな、って
シンの中でなんか繋がったんだな、って
それがわかっちゃって、うれしくって。 ]


 おう。ただいま。


[多分いまはさ、
こんなウキウキした状況じゃあ決して無いんだけど。
でも目の前のシンは少なくともずぶ濡れじゃなくて
マネキンなんかじゃなくて、息を吸える人間で。

だから、嬉しかったんだ、笑わせてくれよ。 ]
 


 

 傷…
 あ、そう、そうだった、痛ッ


[忘れてた。
車の中ではすっかり大事な話に気を取られてたし
ノエの話聞いてからはそれどころじゃなかった
忘れてたけど、痛いんだった。]
 


 


 飲み物……
 パシリ?


[中に居るであろう人物を思い浮かべる。
ひとみと、トシミと、マナと、リツ…… かな
それにしては本数が少ないけど。

リツは自分で買いに来そう。
トシミはこういうの頼まなさそう。
……ああなるほどなって勝手に理解したころには、
中に居たメンバーの話はきっと聞けたはず。 ]
 


 

 ユキも。帰ってきてるよ。
 さっき電話した。

[残ってるのはユーガと、メイ。そしてノエ。
ってのは別にシンには言わなくても判るかな。]

 中、入る?
 それともちょっとどっかで話す?

[あ、でもそれ持ってかないと、
女子たちに怒られちまうのかな。どうだろ。]
 


 
[結局さ。俺、シンの
生きづらさに気づいてあげられなかった

メイにさ、シンの代弁してもらって
ようやく、すこしだけ知ることができたくらい。

……今からでもさ、遅くないかな。
楽しいと嬉しい以外の話、
これからでもできるかな


  ………それとも。
  俺やっぱり楽しい話、してたほうが、
  シンはさ、嬉しい、って思えるのかな。 ]
 


 

[ 心の声に気づくほど
   俺は、賢くなんてないけどさ。
   だけど、抱えた荷物には、気づくよ。
   目に見えるものなら、いつだって判るよ ]

 


 


 とりあえずさ、あったかいのか冷たいの
 どっちか持つよ。
 ぬっるーいコーラ、多分イヤだろ。


[荷物を肩代わりするくらいならできるからさ。
俺にできることなら、なんでも言ってよ。

そしてさ、シンの両手がほんのすこし楽になったら
なんか一緒に、話でもしようよ。 ]
 


 

 …んじゃー、ふつーの話する?
 それとも、まじめな話する?


[あんまり大笑いできる心境でもねえから、
笑顔はいつもより弱々しかったかもだけど。

でもすこし話すくらいよくない?

ユキの正解はさ、まじめな話だったけど
シンの「当たり前」の日々に存在して欲しい話題はさ
今は、どっちなんだろう。 ]* 
 


メモを貼った。



[ 炭蔵くんの泣き顔は、もしかしたら
  彼がこちらに戻った時に見られるかも?
  ……なんて。

  珍しいものが見られたなら残したくなるのが
  人の性といいますもの。
  撮れたらねって二つ返事で了承しよう。

  まあ、長いこと彼と一緒にいる向井くんすら
  なかなかお目にかかれない代物の様だけど。]
 



[ どれだけ彼の心に棘を刺していたのかは
  私には測り知れないのだけれども。
  さて、何でわかったのと訊かれたならば
  何だか愉快気な様子のまま。]
 
 
  そうだなあ…………。
  …… 私にはそう見えた。そんな感じ。


[ 藪蛇でもないんじゃない?と。
  少なくとも今の君には。
  同族嫌悪にも近しい何かだったけれど。

  死んだ程度では然程変わらなくても、
  それでも何も無かった訳ではないだろう]
 



[ あそこで何が起ころうが、現実が変わる訳でも
  急に物事が解決するわけもない。
  せいぜいものの見え方が変わるくらいだろう。

  何だかくすぐったそうにしている彼に
  こちらは笑みを浮かべるばかり。
  ……過去形であることを指摘されれば、
  今度はこちらがむず痒いような気持ちになる番。]


  んー…… 何だろう。
  何も変わってないんだよ、私。
  頑張る気はそんなに無いし、諦めてるし。

  でも。ちょっとだけ、荷物は降ろせたかな。


[ 諦めたくせに、それを後ろめたく思ってたから。]



[ よかった。 ……のかもしれない。
  後ろ向きに前向きな形ではあるけど、
  やっと許せそうではあったから。]


  そんなに怖がらなくても良いのに。

  ……そっか。
  なんかまた限界ギリギリになってたら
  つつきにでも行ってあげようかな。


[ なーんて。彼がしばらくは頑張るつもりなんだ、
  それに水を差そうとは思わない。

  そっと教えて欲しい
  言い添えられたなら。
  わかったわかったって軽く言っておこう。]



[ なんだか不思議な目線を感じたけれども
  そのあたりはひとみの視線を感じて、一旦中断。]


  大丈夫大丈夫、また作るからさ。
  こっちに戻ってきたんだもん、
  ひとみにも幾らでも作ってあげるよ。


[ あの空間だとある程度材料は限られちゃってたし、
  こっちでまた、何度でもやればいい。
  キラキラした目線に応える様に笑って。

  また女の子の秘密の夜を再現しても良いし、ね。]
 



[ リクエストを聞いてくれた向井くんを
  そっと見送ってから、
  ひとみからかけられた言葉に少し、考える。]


  ……どこまで、わかってたの?
  本当にびっくりしたんだけど、……まあいっか。

  寝て起きたら言おうと思ってたら、
  ひとみ居なくなってるしさ。
  困ったっていうか、……何だろうな。


[ 酷い醜態を晒したことは、流石に言えなかった。
  あれは私と黒沢ちゃんだけの秘密。]
 



[ 迷いつつ、言葉を探す。
  彼女の方はと、いうと

  以前聞いた守護霊の子とは、なんとかなりそう、と
  ……マネキンの側にあった小さな足跡、
  きっとそれが、そうだったのだろうか なんて。]


  ……そっか。
  ひとみにとって良い形に収まったなら、
  よかったって思うよ。

  教えてくれてありがと。


[ 思い込みの力って、強大だから。
  それは私も身をもって知っているしね]*



 ひとみちゃんの瞳は全てお見通しだからね。

 ……なんて。
 私、何もわかんなかったけど、
 茉奈ちゃんも似たようなことを抱えてるから、
 相談に乗ってくれたのかなって。

[エスパーじゃないよ、ただの勘。
あの相談の時に呟いていた言葉はよく聞こえなかったけど、
反応をなんとなく覚えていたから。]

 あ……先に帰って、ごめん。

[そうか、茉奈ちゃんからしたらそういうことになるのか。
その後のことは分からないけど、私の帰るタイミングが悪すぎたらしい。]


[茉奈ちゃんが言葉を濁しても構わない。
話したければでいいし、話したくなければそれでも。
私は私の報告だけを伝えて、スッキリしたつもり。]

 うん。良かった良かった。

 ……あ、利美ちゃんから貰ったおふだの捨て方、
 後で教えて貰わなきゃな……。

[結局意味の無かったアレをどうするかを思い出したように呟いて、
集中治療室で今も頑張っている乃絵ちゃんのことを想う。
クラスメートが死にかけているこんな時でも、
私は自分の荷を下ろせて笑って、不謹慎って言うのかな、やっぱり。

茉奈ちゃんとの話に区切りが付けば、
集中治療室前のほうへ戻ってみようか、と思って立ち上がる。*]


 ── 現在・病院外 ──

[ 傍から見た自分の姿など、
 意識してもいなかったけれど、
 確かによくばりさんのソレだった。

 別に悪くもない相手に謝られながら、
 こぼれおちそうなコーラ缶をキャッチ。

 ただ慎一がぼーっとしてただけだった。
 確かに、誰かに声をかけられた慎一は、
 おおよその場合慌てているんだけれど。]
 



[ 「ただいま」って鳩羽が笑う。
 病院の目の前にはちょっと不相応な笑顔で。]


  ……なんだよ、
  そんなニコニコして。

  いなくなった奴は帰ったんだって、
  なんとなく予想はついてたろ。


[ つられて笑ってしまったくせして、
 あんまり屈託なく笑われると、
 慎一はなんだか少し変な気分。

 先に帰って待つ立場ならともかく、
 あの世界の主──黒沢が帰ってきたならともかく。]
 



[ ……あ、いや。ヤなわけじゃなく。
 ただ少し不思議なだけだった。

 だから今も、思い出したように痛がる姿に、
 ささやかな日常を感じて笑っていた。]


  ……頼んだらバンソーコーとか、
  消毒液くらい貸してもらえんじゃね?
  なんせここ、病院だし。

  何があったんだか知らないけど、
  男前が台無し……、


[ 保健室じゃないんだからって、
 怒られてしまう可能性もあるけれど。]
 



[ 当たり前のように始まる、
 なんでもないような会話が、
 慎一にはいつだって心地よかった。

 あのあと、あの場所では何があったの?
 何か進展はあった? そう聞くより先に、
 冗談交じりの言葉を投げながら、
 不本意な疑問には否定の言葉を返す。]


  ……自発的にだよ。
  パシリじゃねーし。


[ ね。ここだけ切り取れば、
 文化祭の会話といってもわかんないね。]
 



[ 「ユキも」そう言われて、
 慎一は「そっか」って短く返した。

 言われなくても、頭の中で数えてる。
 誰が残っているのか。あと何人なのか。
 チャイムが何かの合図だとすれば、
 あとどれだけの時間が残されているのか。

 ようやく非日常に、
 言い換えればこの非情な現実に、
 慎一の思考も戻ってきたところだった。]


  ン、まだ戻んなくていいかな。
  なんか、女子で話してたっぽいし。


[ ちらりと病院のほうを見て、ふいと歩き出す。]
 



[ カイロ代わりにもなるふたつと、
 ちっとも恩恵のない冷たいひとつ。
 どちらを渡すのが正解なんだろう。

 「別にいいよ」って言いかけたけど、
 やっぱり両手が塞がってちゃ不便だった。

 どっちもどっちな選択肢に一瞬迷って、
 慎一はあったか〜いを差し出した。]


  ン、サンキュー。
  ポケットにでも入れといて。
  そっちは振っても問題ナシ。


[ 自販機前、占領してちゃ悪いからさ。
 少しだけ離れながら、慎一は笑った。]
 




  ……なンなんだよ、その二択。


[ 差し向けられた、ふつーorまじめ。
 握りしめるには冷たいコーラを、
 両手で交互に弄びながらその顔を見た。

 いつもどおりみたいでそうじゃない、
 ほんの少し弱々しい笑顔。
 きっとこれも正面から見なきゃわからなかった。]
 




  ……どっちがしたいんだよ、おまえはさ。


[ 思わず、少し笑って聞き返してた。
 少し性格の悪い答え方になっちゃうけど、
 慎一はまだどう踏み込めばいいのかわからない。
 今までそんなことしてこなかったからさ。]
 



[ でも、そうだなあ。
 何も話したいことがないわけじゃないんだ。
 だから慎一は一瞬おいて、ゆっくり口を開く。]


  ……俺はなー、
  レンってすごいやつだったんだなーって、
  まさに今。そういうこと考えてたとこ。


[ これはふつーの話だと思う?
 それともまじめな話? どう思う?

 行く当てもないから、ゆっくり歩いて、
 いつもより少しゆっくりと言葉を吐き出す。]
 



[ ふつーでもまじめでも、どっちでもよくて、
 ただその顔見てたら、口に出したくなっただけ。

 どうだろう。慎一は静かに笑ってる。
 「もう少し話す」のに相応しい話題だっただろうか。*]
 


― 幕間・柊家 ―

[病院に向かうにしたって
現実的な問題その2が伸し掛かる。
そう、つまり交通手段だ。

こんな時間じゃ電車もバスも通ってない、
高校生にはタクシー代もままならない、
誰か呼び出してきてもらうにしたって
うっすい繋がりの男の為に自宅まで
わざわざ来てくれる可能性も低い。

一先ず身支度をしていた所で
物音を聞きつけた親が起きてきた。
不良学生の俺だけど、こんな時間から出かけるのは珍しい。

怪訝そうに、けど少し離れて様子を窺う親に、
少しだけ逡巡して声を発する。

「―――あのさ。」]



友達が危篤で。搬送されたって。だから。
病院まで車、出して貰えないかな。


[それを聞いて両親の顔が歪む。
こんな時間に?今から急に?明日も仕事なのに、
って書いてあるのが分かる。

多分俺、今までだったらここで
やっぱいいよって薄笑い浮かべただろう。
ううん、そもそも頼まなかったと思う。

怪訝そうな父と困惑顔の母。
2人を見て、頭を下げた。]




自殺未遂で重体なんだって。
心配なんだ。……おねがい。


[顔を上げた時、2人は驚いたように俺を見ていた。
少しの間があってひとつため息をついた後、
来なさい、って母が言う。]


[結局、母の車に乗せて言って貰えることになった。
俺を病院まで送って行った後、
どこかで時間を潰してそのままパートに出るらしい。

迎えにはいけないけど大丈夫、って聞くから
バスか電車で帰るよって答えた。

友達は大丈夫なの、って聞くから
わかんない、って答えた。

静かだった。
暫くお互い無言のまま、走行音だけが響く。]


……ねえ。




 虐待ってさ、
 どうやって助けたらいいの。  

 


[そう問いかけた時、
母親がはっきり目を見開いたのが
ミラー越しに分かった。

また数分の沈黙の後、
彼女がぽつぽつと話し始める。
俺の知らない話だった。

彼女ら夫婦は昔、俺が小さい頃に居たような
児童養護施設でボランティアしていて、
それがきっかけで出会って結婚したんだそうだ。

色んなこどもが居たそうだ。
障害がある子、親が亡くなった子、貧困家庭の子、
それこそ親から虐待を受けている子も
珍しくなかったらしい。

……昔の俺みたいに?
って突っ込んで聞く勇気は
流石にまだなかったけどさ。]


[それから、
色んな制度を教えてくれた。

専門のお悩み相談窓口みたいなものとか
困った時に逃げ込めるシェルターだとか、
場合によっては弁護士や裁判所が
相談に乗ってくれることも。

全部が全部は覚えきれなかったけど、
頭のメモ帳に書き入れた。
黒沢が戻ってきた後に、
もしも何か役立つことがあればと思って、]



「もう薄々気付いてるかもしれないけど。
 大人も、思ってるほど立派じゃないの。
 でも、あなたたちよりは知識をもってるから。
 困った時は頼りなさい。」 


[ふいに、そんな台詞が耳に届いて、
目を丸くするのは今度は俺の方。

でも、それ以上話を続ける前に
車が病院に到着したから。
運転席のその人は、じっと俺の方を見ていた。]




 「由樹。
  あなたの顔を久しぶりに見た気がする。
 

    ……友達、無事に回復するといいね。」

 


[そう言って俺を見る母さんは、
少し気まずそうな顔で。
それでも一番最初に会った時みたいに
穏やかに微笑んでいた。

その時初めて、俺も。
まともに彼女の顔を見て話したのが
随分久しぶりだってことに気付いた。]


[―――うん、だから。
殴りこみを頼むのはもうちょっとだけ
話してからでもいいのかもしれないな。

気持ちは有り難く受け取っておくよ。*]


― 病院にて ―

[俺の家は豊高から電車で2時間かかるところにある。
つまりそれだけ郊外にあるわけで、
鳩羽よりも到着するのは遅かったと思う。

受け付けの人に黒沢が居る部屋を聞いて、
病院内の廊下を歩く。

皆帰って来てる筈、とは思ったけど
やっぱり姿を見るまで安心は出来ないからさ。
きょろきょろと知り合いの姿を探していれば
誰か見つけられただろうか**]


メモを貼った。


── 病院外・シン ──


 半信半疑だったよ。
 だからうれしーんだよ言わせんな!


[居なくなったやつが帰れるかどうかは、
俺ん中でずっと確証なんて、なかった。
いや、だってさ
世界と同化するとか言うやつがいたから…
まあ結果的に帰ってこれたから、いいんだけど。

照れ隠しにゴツ、とグーで肩を正面から小突く
また蹌踉めかせても悪ぃから、
全然強くは小突いてないけどな! ]
 


 
[でも肝心のノエは帰ってきてない。
本当の「良かった」を言葉にするのは、
もうすこし、あとに取っておきたい。……って ]


 え、なに?
 男前っていった?
 もう一回言っていいよ


[傷を擦りながらへらへらと笑う。
絆創膏は、あとで頼んでみようかなって
ちょっと頭の隅にとどめておいた。]
 


 
[両手に収まったのはカイロ代わりになるふたつ。
丈ぴったりのダッフルコートのポケットはでかい。
両ポケットに突っ込んだなら、見た目は悪いけど
俺も無事、両手は空いた。
すこしはシンの両手も、軽くなるだろ。な。]
 


 


 ええーどっちでもいいかなー


[選択肢を振ってみたものの、
ぶっちゃけ何から話したらいいのかなんて
改まって考えると、困っちまうよな。

どっちでもいいし、どっちもしたい。
なんなら馬鹿な話も、いくらでも。

目の前の「生きてるシン」に
相変わらず嬉しそうなのは否めないだろう
だって俺、昨日死ぬほど泣いたんだぜ? ]
 


 
[そんな矢先に、そんなこと、いうから]


 なんッでだよ
 どこがだよ!!


[褒められるのには慣れてないんだよ(n回目)
シンよりすごいところがどこかにあるだろうか。
もしかしたらあるのかも?あるんじゃねえか?って
一瞬頭の中を探したけれど、思いつかねえ。
だから俺は、挙動不審だ。] 
 


 


 んなことねーよ
 シンのほうがすげーし、
 多分、すごく、頑張ってるよ。


[シンの歩調に合わせて、ゆっくりとなりを歩く
静かに笑ってるシンを見て、俺は言う。
やっぱりきっと、ちょっとだけ笑って。
自虐的だとか卑屈だとかそういう顔じゃねえよ?
だって、本当に、そう思ってる。 ]
 


 

 ………苦しかった?
 今も、苦しい?


[何が、とは聞かなかった。
どう捉えてくれても構わなかった。
何が?って聞き返されるのならばそれでもよかった

服の下、首がどうなってるのかは知らない。
だけど苦しそうだったシンの人形は見たしさ。
メイに聞いた話だって、あるし。

でも、本当のシンが、
俺にどう話してくれるのかを
ちょっとだけさ、知りたかったんだ。
どんな答えでも、俺はシンの言葉をまっすぐ聞くよ。 ]*
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 暮石が背中を叩いてくれないから、>>100
 俺の口から出る言葉は止まらなかった。

 でも、きっと同じような感覚でいたから、
 思っていたように上手くできないのは、
 俺も十二分に分かっているつもりだった。 ]
 

(113) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ ありがとう、と言われても、>>105
 黒沢のホントの気持ちが全く分からなくて、
 口元がへの字に曲がってしまう。

 前髪の評価については、
 暮石と同じように高評価だった。>>106
 こうして真っ直ぐに目が交わるのは初めてで、
 きっと、黒沢にとっての俺の印象も
 また変わってしまいそうだ。 ]
 

(114) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 暮石がクレープを見て何を思っているのか>>99
 前しか見てない俺には分からなかった。

 ただ、少し焦げたクレープの生地が視界に映る。
 楽しかったと考えてしまうことが、
 不謹慎とか不謹慎じゃないとか>>107
 そんなことは俺にとっては問題じゃなかった。 ]
 

(115) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺の言葉の後に、
 吐き出すような暮石の言葉が響く。>>104

 黒沢は、淡々と事実を語り、
 ただただ謝るだけだった。>>108>>109
 俺の言葉に対しても。>>110
 暮石の拒む言葉に対しても。>>104

 別に俺は怒っているわけじゃない。 ]


  俺も、たぶん暮石も、
  黒沢からの謝罪が欲しい訳じゃない


[ 左右に首を振って否定する。 ]
 

(116) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ それをいうのなら、>>111
 綺麗に並べたドミノが、
 どこかを崩してしまえばあっという間に
 全てが崩れていくようなもので。
 黒沢の隠していたものに勘付きながら、
 放置してしまっていた俺にも非はある。

 あの日、無理矢理にでも
 黒沢の腕を掴んでしまえばよかった。
 そんな後悔が、胸に過ぎる。 ]
 

(117) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  俺も、つい数時間前まで
  「助け」を求めることを知らなかった
  だから、助けてと言えなくたって
  俺は馬鹿だとは思わないがな


[ 笑う黒沢は、見ていてとても痛々しく思う。 ]
 

(118) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  噫、これは黒沢と同じ気持ちに
  なってみようと思ってな


[ 絆創膏のことを指摘されれば、
 特に悪びれた様子もなく見せるだろう。
 暮石にはああ言ったが、>>65
 向井に嗾けられなくとも、いずれやっていただろう。
 だから、五分……ではなく、十割俺が悪い。>>77

 なあ、黒沢の傷の具合はどうだ?
 もう迂闊なことをしていないようだが、
 つい、黒沢の手首に視線が向いてしまう。 ]
 

(119) 2021/06/14(Mon) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  この世界は、助けてと言えない黒沢の気持ちを
  代弁した世界なのだと俺は思っていた

  だから、俺を最後まで残してくれたのは
  俺に何かして欲しいことがあるんじゃないか?


[ 最後までいてほしかった。>>90
 その言葉には、嘘はないだろう?
 俺は、きっと黒沢の気持ちを
 全て分かってやれないかもしれないが。
 少しでもいいから、言葉にして欲しいと思う。

 あの日のようにわかりやすく、話して欲しい。
 切実とも取れる眸で、俺は黒沢を見つめている。* ]
 

(120) 2021/06/14(Mon) 23時頃


[ じっと、その深い色の目を見てた。]
 


 ── 少し前・病院内 ──

[ ……なんか楽しそう。って、
 うっかり言ったりはしなかった。

 ただ、短く返された言葉を拾って、
 「そう見えた」……そっかあ。

 「人のことよく見てるんだね」とは、
 そのとき、綿見には言わなかった。

 同族嫌悪という言葉が浮かぶことは、
 慎一の中ではついぞなかったが、
 それでも、慎一も考えたわけだ。]
 



[ たとえば。腹の奥底に飼うむなしさの話。
 慎一に深く根付いて吐き出せないそれを、
 あるいは似たものを内側に抱えてるなら、
 やっぱり、慎一は「よかったね」と思う。]


  ……あはは、
  じゃあ、似たようなもんだなあ。
  少しだけでも、綿見が、
  身軽になれたんならよかった。


[ それともたまには、あのときみたく、
 「むなしいね」って言い合ってみる?
 ……そんな日が来ないのが一番だけどさ。]
 




  破裂する前によろしく。
  ……やさしく、な?


[ そんなこと言われたって怖いものは怖い。

 いくら似たものを抱えていたって、
 きっと慎一と君じゃあ怖いものは違う。

 結局のところ互いに何を飼っていたのか、
 その形そのものは知らないまんま、
 慎一は綿見と番代に手を振って立ち去った。

 お礼≠ニついで≠買うために。*]
 


メモを貼った。



[ それで今、缶飲料を抱えて、
 12月の冷えた空気の中にいる。]
 


 ── 現在・病院外 ──


  ……うれしいんだ、へえー。


[ わいわいと騒がしく言うやつがあったから、
 慎一はわざとらしくよろめいて笑った。

 いつものおふざけみたいなノリに、
 慎一も同じように笑っていたけれど、

 半信半疑であったなら仕方がない。
 世界と同化する説なんてちっとも知らず、
 悪い気分じゃないから慎一は笑ってる。]
 




  ……男前だよ、
  その傷がなけりゃな。


[ すっかりあいた片手で、
 デコピンのひとつでもしてやろうか。
 もちろん、傷のとこは避けるからさ。

 別にあながち冗談ってわけでもないから、
 鳩羽憐に春が訪れない理由を論ずる会なら、
 後日別途開催してもいい。喜んで参加する。

 返ってきたどっちつかずの返答に、
 慎一はへらりと笑って言っただろう。]
 




  おまえがどうしたいか、
  聞いてみたいと思ったのに。


[ やっと思ったんだけどな。
 冗談みたいに軽い口調でね。

 去ったあとでの校舎の出来事。
 当たり前なんだけど、慎一は知らない。
 なんかうれしそうだなあって、
 不思議にさえ思いながら、また一歩歩いて。
 コーラを右手に左手に持ち替えたりして。

 だから、いつものどおりならさ、
 適当にじゃれあうような話、
 このままずうっとしててもよかった。
 それでも慎一はきっと楽しい。]
 



[ でも、ほら。せっかくの機会だ。
 勢いがいいなあって思ったし、
 慎一は一瞬驚いたけど、聞くなら答えるよ。]


  いっつも笑ってるとこ。
  こっちがつられて笑っちゃうくらいに。

  人前で機嫌よく振舞えるとこ。
  ヤな顔もせず人に手ぇ貸せるとこ。

  相手の「してほしいこと」ばっかり、
  うんうん考えて、しまいに叫びだすとこ。
  ……そいつの顔もわかんねえのに。


[ 「まだいる?」って慎一は笑った。まだあるよ。
 いっこも嘘じゃない。こっちもそんな顔してる。]
 




  ……どっちがすごいとか、
  どっちのががんばってるとか、
  言い合ったって、不毛だって。
  素直に褒められとけって。


[ 本心だったのかもしれない。
 あるいは励ましだったのかも。

 だけど今だけは、
 その屈託のない笑顔が刺さるなあ。

 「すごく頑張ってる」って、
 何を指して言ってるんだろう。]
 




  ……がんばってるよ、俺も。
  みんな何かしらがんばってんだろ。


[ ぶりかえしたように、喉元が痛痒くて、
 あいているほうの手でセーターの襟元、
 なんとなくいじってみたりもするけれど。

 「苦しい?」投げかけられた問いに、
 慎一は一瞬たじろいで──、人形かな。それとも?
 なんでそれを聞かれたか、考えたりもする。

 おもしろがるんでもない、
 ただまっすぐな目が、こっちを見てる。]
 




  ……苦しかったよ。

  今は──、少しマシ。
  今は夜で、ここは静かで、
  目の前におまえしかいないから。

  なあ、それ。俺の人形見たから聞いてる?


[ 「俺、そんなにひどかった?」って、
 慎一は苦笑してもうひとつ質問を挟んだ。

 嫌とか怒ってるとか、そうじゃなくて、
 ただ、これでも慎一は隠してたつもりだったから。
 ことごとくバレてるなあって自分に呆れただけ。]
 



[ だからちょっと諦めたみたいに、
 慎一は笑いながらその話をしている。
 自分の話。うまく説明もできないから、
 他人にする気のなかった話の断片。]


  ……心配してくれてんなら、
  マジで、あんまり気にしないで。
  なんていうか──、そういうもんだから。
  たぶん、ちょっと脆いんだよね。俺って。
  別に、悪者がいるような話でもないし。

  どっちかっていうと、そんな傷作ってくる、
  おまえがどうしたんだって聞きたいくらい。


[ 後半部分は大まじめにね。前半もまじめだけど。
 笑みを引っ込めて心配そうな目を向けていた。**]
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 手首を見せて、事実を伝えたら
 頬を強く抓られて、>>124馬鹿と罵られる。>>132

 そんなに悪いことだったか?
 俺は心底困った顔をするし、
 何よりすごく痛い。暮石の手が。

 離してくれ、と暮石に視線を送った後、
 黒沢の叱るような言葉に向き直った。 ]
 

(144) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  あはは、これで死んだら元も子もないよな
  ……けど、こうやって叱ってくれたり、
  俺に必要な言葉をくれる黒沢が、
  何を考えているのかが知りたいんだ


[ 暮石の問いかけに全てが詰まっていた。>>125
 俺たちは知りたいんだ、黒沢のこと。

 それに柊にも同じような話をしたが、
 誰にでもこんなことをする訳じゃない。 ]
 

(145) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  ……だったら、今
  その約束を叶えてはくれないか?
  俺は、黒沢のSOSを受け取りたい


[ 無理に汚いところを見せろとは言わないが、>>133
 それを知ったところで
 黒沢に対する気持ちは変わらない。
 強がることも悪いことだとは思わない。
 
 でも、黒沢が弱みを見せても良いと思えるような、
 そんな特別な相手に俺はなりたかったんだ。

 小突かれて、黒沢に手の届く距離へ近づく。>>120
 ……案外、暮石が粗雑に扱ってくるから、
 ちょっと意外そうな顔もしつつ、だったけど。 ]
 

(146) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ それから、黒沢がぽつりぽつりと話し出す。>>136

 家族の話は、覚えていた。
 あの時はまだ、自信を持って家族を好きだと言えた。

 黒沢の吐露される家族関係を知り、>>137
 黒沢の感じていた痛みを知った。>>138 ]
 

(147) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 父親からの命令、──…
 俺の父親からの教育も、一種の命令のようなものだ。
 俺は、炭蔵祐駕は、こうあるべきだと、
 俺は疑問も持たずに応え続けてきた。

 俺と黒沢との違いもスペックの問題≠セとしたら、
 黒沢が言っていたように
 俺は気持ちの理解ができないんだろう。

 けれど、その命令は俺の中では悪≠セ。>>141 ]
 

(148) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺と黒沢は、友達と言うには距離があっただろう。
 ──… けれど、暮石は?
 俺からすれば、ふたりは友人のように見えていた。

 こんなことを聞いて、
 どんな顔をしているのか、
 大丈夫だろうかと少し心配して
 暮石の反応を少し窺いもしただろう。

 暮石の様子を窺って、それから、
 クレープに落ちる雫を見て、俺は言葉を紡いだ。 ]
 

(149) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


  父親の言うことに逆らえない気持ちは
  俺もよく、分かる
  でも、父親が本当に正しい≠フか?

  俺たちはまだ子どもで、
  親が俺たちの全てのような気がしてしまう
  俺もここにくるまではそう思っていたよ
 

(150) 2021/06/15(Tue) 00時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


  でも、俺たちだって考えるひとりの人間だ
  俺は黒沢のことを見れていない父親の所為で、
  大切な友人を失いたくない

  それに黒沢乃絵は黒沢乃絵で、
  姉に代わりでもなければ、父親の道具でもない
  俺は、今泣きながら弱音も吐けるような、
  そのままの黒沢が好きだ

  ……これからも教えて欲しいことも沢山ある
  ほら、知ってるだろ?俺の不器用なとこ**
 

(151) 2021/06/15(Tue) 01時頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/15(Tue) 01時頃


── 現在・病院外 ──


 う、嬉しかったらダメかよ!


[なんてさ。
巫山戯るのなんて永遠にできるんだ
鳩羽憐に春が訪れない理由を論ずる会は
ぜひ開催して欲しい。ついでに春持ってきて。

ああほんとうにさ。
永遠にやってたいけど、
今は、本当に嬉しがるときじゃないから
まだ帰ってこない仲間が帰ってくるまで
とりあえず続きはさ、お預け。 ]
 


 
[本心と称賛以外のナニモノでもなかった
だから「がんばらないと生きていけない」とかさ
「そんな世界を苦しく思う気持ち」とかさ。
……それでも、がんばりたい気持ち、とか。


………ほら、やっぱり判ってないんだよ。俺。


知ったとて「頑張ってるからえらいよ」って。
「でも無理に頑張らなくてもいいよ」って。
そんな言葉が口から出かねない俺は、
喉元に掛かる手、大きな意味に気づけない。

たぶんさ、そうじゃないだろ。 ] 
 


 

 ……そっか。

[苦しかった。って。
けど、「今は」少しマシだって。
シンの答えは、シンプルだった
それから苦笑とともに質問をひとつ、ふたつ。]
 


 

 うん、人形、見たよ
 苦しそうだった。
 俺、シンがあんなになるまで
 シンのことさあ、ちゃんと知らなかったなって
 …………………うん。 

 それでもさ、教室、来てくれようとしてたろ
 知ってるよ。嬉しかったよ。

[やりきれない想いとか、
まとまらない感情は沈黙に乗せた。
メイからちょっと聞いたシンの断片については
今は、伏せておくことにする。]
 


 
[そういうもんだから…っていう
シンの話も聞いてさ

えらい、とか頑張ってる、とか、すごいとか、
そういう客観的に誰かを測る言葉じゃなくて
大丈夫か、とか無理すんなとか、
そういう心に負担を掛けちゃう言葉でもなくて

俺の「うれしい」っていう気持ちを送るよ。
ああ、でもさ、 ]
 


 

 心配は、させてよ。
 心配は、したいの、俺が。

 ………なんっつーかなー
 別に馬鹿な話、してるだけでも
 日常はさ、すげー楽しいけど

 でもさー シンのこと全部知れてねーみたいで
 それはなんかめっちゃ悔しい

[悔しいって言いながら
それなのに顔は笑ってるから、
俺の感情はやっぱどっか忙しい。

っつうかなんだろうな、言葉だけ切り取ると
彼女みたいじゃん????って思うから
あっそういう事?俺に春が来ない理由。]
 


 
 俺の傷?
 ああ、うん、……………うん。
 あっちの世界で、傷つけた名残だと思う。

 俺もさ。
 シンとは別かもしんないけど
 やっぱり息苦しいなって思うことあんだよ
 ………いや、あった、んだよ。

 自分と向き合ったら空っぽで、
 いつだって取り繕ってて、さぁ
 イヤだって思っていきてきたわけじゃねーけど
 それじゃだめだなって思ったのは確か。

 ああ、でも
 


 

 シンと居た時は、
 深呼吸なんてしなくても、息、吸えてたから
 だから、うーんそうだな、

 ……ありがと。

[息苦しい自分はさ、
「昨日」までの世界に、置いてきた。
だから今は、「ありがとう」それだけ。

それでもいつか寄り添ってくれるっていうなら
ちゃんとイチから全部、話すから。
だからシンのことも、教えてよ。 ]**
 


 ── 現在・病院外 ──


  ダメとは言ってねーだろ。
  俺もうれしかったよ。……うん。
  ただ、ちょっと驚いた。うん。


[ 自分で言いながら納得するように、
 慎一はうんうんうなずいていた。

 たぶん、慎一もわかりやすい方だろうけど、
 鳩羽の背後にはたまにしっぽが見える。
 びゅんびゅん振れてるそれを見て、
 驚いたとしても、ヤなはずがなかった。]
 



[ だから本当に、女子ってわからない。

 本当にみんな残らず帰ってきて、
 気兼ねなくうれしがれる時がきたら、
 男子みんなで顔を寄せ合って話し合おうか。

 女の子は秘密のお菓子パーティーをしたという。
 男の子にもなにかがあってもいいだろう。
 ……それで対抗できるのか? わからないけど。

 しかし困った。
 あいにく当方、春は在庫切れだなあ……。]
 



[ こんな話はまた今度でもいいね。

 「知らなかった」と鳩羽は言う。
 知らせようとしなかったのは慎一だ。]


  ……知ってもらう気なかったからね。
  だってさ、変に気遣われると、
  俺、変な奴みたいじゃん……そうなんだけど。


[ ちょっと言いづらそうな何かとか、
 間のあいた相槌とか、そういうの全部、
 なんだか少しもどかしかった。

 モヤモヤさせたいんじゃないんだけど。
 人との向き合い方がへたくそでごめんね。]
 



[ 教室に辿り着けなかった慎一は、
 そのことを指摘されて笑う。]


  ああ、遠かったなあ……、
  集まろうって言うくせにさ、
  時間の決め方、すんげー雑で、
  なんなんだよって思ってたの。

  うれしいって、おまえ、
  マジで人がいいというか……、


[ おかしなことを言うなあって思ってた。
 なんていうか、再会の「うれしい」も、
 今の「うれしい」もピンとこなくて、
 慎一はただ、いいやつだなあって思って。]
 



[ ……思ってた。
 「心配したい」と言われて、
 人が良すぎるって思い始めるくらいには。]


  そーいうとこだよ。
  すごいなっつってんの。
  あれもこれも人のこと心配して、
  全部知っても、疲れるじゃんか。


[ 少なくとも慎一にはできないソレ。
 確かに、そういうことかもしれない。
 みんなに優しい男はモテないって聞いた。]
 



[ そう。そういうふうに考えてて。

 やたらと「うれしい」とか、
 妙なやつだなあって思ったりもしたけど。

 なんだか話の雲行きが妙だった。
 というか、慎一からすると不思議だった。

 「自分でやったの?」と眉をひそめて、
 まじまじとその傷を見つめたりしながら、
 鳩羽が息苦しさを語るのを聞いていた。

 慎一の周りの人たちは思い切りがよくて困る。
 黒沢も、炭蔵も、鳩羽もみんなそう。]
 



[ 礼を言われて、慎一は不思議だった。

 「息が吸えた」と言われて、
 「シンといたときは」と言われて。
 慎一は一瞬、意味がわからなくて──、

 それで、ぽかんとしていたんだけど、
 だんだんと込み上げてくるのはなんだろう。

 「うれしい」で合ってるかな。
 たぶん、そのときやっと気づいたのだ。
 友だち甲斐のないやつでごめんね。]
 



[ 「みんな」の中のひとりじゃなく、
 たくさんいる中の友だちAでもなく、
 どうやら鳩羽は慎一に言っているらしい。]
 



[ いつだって誰かの背を追いかけている気でいた。
 みんなより遅れて、先をいく背中ばかり眺めて。

 ひとりはさみしい。
 慎一の視界からみんなが消えたらさみしい。

 そう考えることはあっても、
 前を向いて先を行く他人の視界に、
 自分がなにかの意味を以て存在するなんて、
 慎一はたぶん、想像したことがなかった。]
 



[ だから、あの世界に呼ばれてうれしかった。
 少なくとも誰かの中に存在したんだと思えて。

 「俺だったらどうする?」って聞かれて、
 同じように聞き返す気だって起きなかった。

 慎一が消えて泣いたやつがいたなんて知ったら、
 そりゃあもう、抱きしめちゃうだろうね。力一杯。]
 




  ……そっか。そっかあ。


[ へへ、みたいな笑いを堪えきれずに、
 慎一はちょっと視線を泳がせていた。

 少しだけでも、誰かにとって、
 お荷物なだけじゃないなにかになれてたら、
 慎一はうれしいよ。とてもうれしい。

 「ありがと」と言われたら、
 「どういたしまして」がお決まりだろうに、
 どうも言うタイミングを逃してしまった。
 代わりに、笑みを浮かべたまま口を開く。]
 




  レンが他の奴にするみたいに、
  当たり前みたいに接してくれて、
  俺はさ、楽しかったよ。うれしかった。

  人付き合い、苦手なのに、
  そういうの憧れだったから。

  息をするのが少しくらい大変でも、
  俺、おまえとバカ騒ぎしてたかった。

  でもさ、どっかで思ってたんだ。
  俺にとっては特別なことでも、
  レンからすれば当たり前なんだろうって。

 




  ……だから、なんかさ、
  ああやってバカ話してるだけの日常が、
  レンにとっても意味があったんなら、
  なんか……よかった、……ありがと。


[ へらりと笑ってみたりするけれど、
 これは何も上っ面の笑顔ってんじゃなく、
 ただ、なんか力が抜けちゃっただけ。

 これくらいはちゃんと立ち止まって言おう。
 なぜか大事に抱えちゃってたコーラは、
 たぶん、もうちょっと、いやだいぶぬるい。
 だってこの寒い中、慎一は結構あたたかい。]
 




  ……なあ、また、
  一緒にアイス食ったり、
  昼飯食ったり……食ってばっかだな。
  そういうふつーのこと、してくれる?

  レンがそうしたいときだけでいいよ。
  深呼吸に疲れたときだけでもいい。

  ……俺も疲れちゃったときは、
  今日はパス! って言うかもしれないし。


[ 願わくばどちらか一方の望みとしてじゃなく、
 そういうふうに続いていけたらいいって、
 そんな大それた祈りを込めて、慎一は笑った。**]
 


メモを貼った。


[ 本当にお見通しだったら困るな、と
  くすくす笑いかえしておいて。]


  そっか。
  まあ、そうだね、……似たような事態が
  私にも起こっていたのは確かだし。
  ……わかり、やすかった?


[ 他人事だと思えなかったから、相談に乗った。
  その見立てはあながち間違っていないし。

  さて、ならば。
  今度は私の相談したかったことの
  一端とその顛末をお伝えしておこうか、と。]



  帰っちゃったのはしょうがないよ。
  ちょっとびっくりしたけどさ……

  …… 私の場合はさ。ずーっと、こう、
  幻聴って言っちゃあそれまでだけど、……
  そういうのが、聞こえてて。
  それにちょっと追い詰められてた、っていうか。

  今はもう、聞こえないし大丈夫だけど。
  ほんと、四六時中そうだったから。
  静かすぎて逆に、なんだか慣れないや。


[ 説明が難しいな、という表情をしながら
  それでもどこかすっきりした様に。]
 


  

  利美のお札……まぁ、
  捨てなくてもお守りに持ってたりしても
  良いんじゃないの?

  どういうものかは知らないけど。


[ ひとみが集中治療室の方に行くのなら
  いってらっしゃいと手を振って。
  …… まだ、あまりそっちの方に行く気には
  私はなれなかった。

  冷えた指先を摩りつつ、待合室に佇んでいる。]*
 



[ 身軽になってしまった、という気持ちはある。
  恐らくそれは悪い事では無いし、
  私が、──私自身に抱いていた抑圧を、
  どうにか緩められた様なところはあって。

  きっとこの静けさにもそのうち慣れていく。
  それをむなしく感じる日が来るのだろうか。

  ……むなしいねって、言い合える相手が居るなら
  それも悪く無いのかもしれないけれど]
 




  ……あ。
  柊くん?


[ そんな折。廊下の方に見えた姿に
  待合室からゆるく手を振ってみる。

  彼もこっちに帰ってきていたのか、と
  少しばかり安堵しつつ]*
 


── 現在・病院外 ──

[尻尾?そんなのどこに。
……なんてね。

変に気遣われたくなかった、って
シンが言う言葉にさ、俺ちょっと笑ったよ。

だって最近よく聞いた台詞!!!
それに、うん、その「うれしい」だって
どこかで聞いた台詞のひとつ

だからさ。 ]


 そんなん、俺もだよ!


[ってさ、言ったの。とりあえず今はここまで。 ]
 


 
[だってシンがさ「みんな」のひとりじゃあなくて
俺にとっては「シン」であるのが大事なんだって。
気づくのはもうすこし、あとのことだったから。

言わなくても判るだろって、ほら思っちゃう。
そういう意味では
俺からしたら当たり前だったんだろうね]
 


 
[傷は自分でやったんだけど、
傷の大きさはさ、あっちの世界とは
比べ物にならないくらい小さかったから
案外どうでもよかったの、かも

顔じゅう傷だらけにしたって言ったら
シン、びっくりしちゃうだろうから。

多分この眦の傷は、
最後に俺がほんの少し流した涙の跡

血の跡はさ、ぜんぶ、全部消えたけど
最後に抱いた想いの部分だけは、
きっと消えなかったんだよ。って都合いい解釈]
 


 

[んでさ。いろいろ話したあとで
突然シンの様子がおかしいわけ。]

 


 

 ………えぇ……
 んなん、意味あるに決まってんだろ

[当たり前だったけど、特別だったよ
でもさ、特別だったけど当たり前過ぎて、
俺にはたぶんやっぱりシンの気持ちは全部読めない

だから俺からは
感動させるような名台詞でも、
心を揺さぶるようなクサイ台詞でもなくて、
至極ふつうの感想しか、出てこなかったんだ。]
 


 
[たとえば自分が「みんな」のうちの
ひとりだって思ってた、ってちゃんと言葉で聞いてたら
んなわけねーだろ!シンだから!いいの!って
食い気味に反論してたと思う。

シンが消えて泣いたやつ?はい!俺、挙手!
シン以外のやつの人形見ても泣かなかった俺がだよ
お前の人形見て、動けなくなるくらい泣いたの。
メイに心配されちまうくらい、泣いたの。
メイと話し終わっても、離れられないくらい泣いたの。

全力でアピールするね。
もしも声が聞こえてたら、だけど。]
 


 
[でもさあ、聞こえてこないから、
俺にとってはいつもの「日常」の延長で、
その中でも特別なシンがさ、
ひどくアタリマエのことを、喋ってる。

んでもさあ、ようやくシンが理解してくれたなら
さっきのこと、ちゃんとシンに向けて話せるよ ]
 


 

 さっきの話もさ、
 変に気遣う、とかじゃあなくて、
 別に悩みを解決してやる!とかもできねーけど

 ペットボトル持ってやるわ、くらいの感じでさ
 シンのこと、楽にできてたらうれしーの。
 俺にできるの、そんくらいだけど、
 
 馬鹿話することでさ、
 俺がシンの役に立ってたんならさ
 俺、すげーうれしいんだからね。

 なんだこんなことでいいのかって、笑っちゃう

 


 
[へらへらの笑みのシンに、
こっちもへらへらの笑みをむける。

なんかできることなかったのかなって
すげえ、すげえ、悩んだんだよ
全部、上手く行ってなかったって思ったから
俺、なんもできなかったって、思ったんだから

だから、いつもの俺のまんまで
大事な友人の役に立ててたことがとても、嬉しいし、]
 


 

[なによりも、シンの「みんな」の中にも、
ちゃんと俺が居たんだなあって、改めて知って

俺、それが一番、嬉しい。

もう、隣にいるからさ、俺寂しくなんかねーよ。]

 


 
[静かな夜の中で足音がふたつ、止まる。
シンからのお願いは、他愛のないもの
特別なんかじゃない、普通の日常のこと。

きっと食ってばっかなんかじゃなかったよ。

俺らには文化祭以外にも、体育祭も球技祭も
それからなんだろうな、普段のガッコーも?あってさ
たぶん羅列してくと挙げきれねえから、
どうしたって食ってばっかのことになっちまうけど

俺たちの日常はさ、
こんな狭いワンシーンじゃ描ききれないものばかりだし
別に喜怒哀楽どれでもねーような、つまんねーコト、
だけどどれも大切なコトばっかりだっただろ。 ]
 


 

 おう。当たり前だろ。
 ふつーのこと、いつだってしようぜ。
 食ったり、食ったり、食ったり…って、オイ!

[笑う。あ、手始めにバスケ部vsサッカー部で
最後のバレンタインチョコの個数対決でもする?
俺万年モテない組だから結果は目に見えてるけど……
義理チョコも数えていいね??いいよね??? ]
 


 

 そのかわり。
 シンがさ、疲れたときには
 遠慮なく、無理!って言ってな。
 俺も何できるか、そんとき考えるから。

 俺も、言うから。

[大それた祈りは、お互いさまで。
それからさらに一歩、踏み出した願いを
俺は欲張りにも、添えてみる。

きっと叶うんだろ?ううん、違ぇな。

叶えるのは、俺たちだから。
俺たちならきっと、叶えられるだろ?って。
俺も、夜空の下で、笑った。 ]**
 


メモを貼った。


メモを貼った。


― 院内・待合室付近 ―

[普段病院に来る機会が
そうそう多いわけじゃない。
ましてや集中治療室なんて縁もない。

うろうろしていれば
遠くから手を振る見知った人影]

あ、綿見ちゃん!

[思わずほっと表情を緩め、
手を振る彼女に小走りで駆け寄る。]


………ちゃんと帰って来てたんだ。よかった。


[なんせ調理室で見たマネキンの姿が
脳裏には色濃く残っているものだから。
ついつい腹部にまじまじと視線を落としてしまう。

自分だって別に何ともないんだから
現実の彼女まで怪我してたりはしないと思うけどね。
やっぱりあれ見ちゃうとちょっとね。]

綿見ちゃんもやっぱりメッセージ見てここに?
その、副会長は……。

[何か容体に変化はあったのだろうか。
少し聞くのが怖いような気持と共に、言葉を詰まらせる**]


メモを貼った。


 ── 現在・病院外 ──

[ どうしてなかなかすれ違っちゃうね。

 「言えよー」って叫んでるの見ても、
 「言わなきゃ伝わらない」と教わっても、

 自分の内側に持ってる当たり前の感覚は、
 どうやら根深すぎてなかなか見せ合えない。

 慎一だって、考えてたわけじゃなかった。
 わざわざ思ったり考えて出した結論じゃない。

 ただ、いつの間にか存在していた。
 その形を意識することさえなく。

 だから────、]
 




  ……そっかぁ。


[ なんだか気の抜けるような声に、
 慎一もとぼけた声でそう言おう。

 俺の人形見て泣いた人、はーい。
 なんて、口が裂けても言うわけなかった。
 いると思ってないんだから当然だな。

 だから、校舎での出来事を振り返って、
 そんな大騒ぎをするのは、
 またいつか機会があったらにしよう。]
 




  ……うれしいし、助かるよ。
  ペットボトル持ってくれるのも、
  日常の、ほんのしょうもないことで、
  一緒にゲラゲラ笑ってくれるのも。

  レンには「こんなこと」でも、
  俺にとってはそうじゃないから。


[ いつものままの鳩羽憐に、
 実は救われていた人、はーい!
 ……ってされたら、
 はーい! って素直に手を挙げたってよかった。

 けど君はそれをしないだろうから、
 少なくとも慎一にとっての「なにか」だったよ。
 それはここにだけ書き記しておくね。]
 



[ いざアレもコレもと挙げだすと、
 きっとキリがない愉快な日常。

 けれど、かけがえのなかったそれが、
 この先にもずっと続いていけばいい。

 些細なこと、しょうもないことだとしても、
 慎一はそれを大切に持っていくから。

 食ったり、食ったり、食ったり。
 ふざけた口調で言った鳩羽につられて笑う。

 手始めに、そうだなあ。
 バレンタインチョコ対決もいいけど、
 お互い補欠になるんじゃ切なくない?]
 




  いいじゃん。食って食って食って。
  今度さ、あのアタリ棒交換しにいこう。
  冬にアイスも、たまにはいいだろ。

  ……アタリくらいまた引いてやるし、
  それにたぶん、そんな棒っきれより、
  俺とつるんでるほうが、ご利益あるよ。

 



[ ふふん、と強気に笑ってみたけれど、
 正直ちょっと照れ隠しも入ってた。

 「わかった」と笑ってうなずけば、
 それは祈りというより約束だった。

 この寒い12月の夜から、朝に、昼に、
 そしてまた次の季節へと、この先ずっと、
 それが続いていけばいいと夜空に祈って。

 ……祈るんじゃなくて叶えるんだっけ?
 もう少しと言わずがんばらなきゃなあ。

 大丈夫、息はしやすいよ。今は。
 疲れたときはまた言うからさ、
 ちょっとだけ立ち止まって待っててほしい。
 慎一もちゃんと目を見て耳を傾けて、
 ペットボトルだって代わりに持つ準備はしとくから。]
 




  ……あ!
  そろそろ飲み物届けてくる。
  カフェオレ冷めちゃった?


[ それで──目の前の話。
 思い出したように慎一は言う。

 なんなら右に左に持ち替えてた、
 ぬるめのコーラの方が気がかりだが、
 まあ……オマケだし。お代はいいから。]
 



[ 鳩羽からそれを受け取れば、
 再び院内へと戻ってそれを手渡そう。
 あ、お使いしてくれるならそれでもいい。
 たぶんそのほうがはやいだろうしね。
 慎一も相手を告げて渡すだろう。

 誰かと話し込んでいるなら、
 またあとにするけど──、さてはて。**]
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 暮石には悪いと思っている。>>161
 母親がどうして亡くなったとか、
 どんな夢を抱いていたのかなんて知っていたら。>>162
 もう少しだけ、気を遣うよう努力したと思う。

 それから生死の話。
 暮石にとっては、自分でいられなくなること。>>1:528
 それが、彼女の死なのだろうが、
 暮石が自分でいられなくなる切欠を俺は知らない。 
 だから、余計に暮石に気を遣えなくて申し訳ない。

 それから、黒沢も自分を棚に上げて言う。>>152
 心を大切にする為に切ったとしても、
 身体のことは大切にしていないじゃないか。 ]
 

(186) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  ……分かった、善処する


[ 欲張りな暮石と、自分勝手な黒沢に謝罪しておこう。 ]
 

(187) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 全てを曝け出した黒沢は>>154
 手遅れだと言う。>>153

 俺はようやく黒沢と話したことを思い出し、
 父親のことだったのかと気付く。>>0:1173
 それに、黒沢は俺とは違う言えない¢、の人間だ。
 内に秘めて、グレーゾーンを受け入れようとする。
 黒沢は言ってくれるだろうという自負が、>>1:267
 きっと俺の中の誤算だったのだろうな。

 それに、父親への依存は、>>157
 必ずしも黒沢だけではなかった。
 俺だって、父親に依存して寄生して生きている。
 父親の進行方向へ右へ倣えの生活だった。
 それは同じな筈なのに。 ]
 

(188) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 炭蔵家では父親の方が過ちを犯し、
 それが俺の人生にとっての汚点だと思っていた。
 でも、父に依存していた俺は切り捨てられなくて、
 何もなかった時間に巻き戻したかったんだ。

 ……もう、本当に手遅れなんだろうか?>>158 ]
 

(189) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺の言葉選びが下手なこと、よく知ってるだろう?
 
 口説き文句だと勘違いされても別に構わなかった。
 男女の仲など関係もなく、黒沢を信頼しているし
 尊敬もしていて、人として好きだから。
 俺が俺でいられるのも、こうやって俺を認めてくれる
 黒沢がいるおかげでもあるんだ。>>159 ]


  それはありがたいよ


[ 物腰柔らか仕様にもしもなれていたのなら、
 両想いじゃないか、くらい言えただろうか。 ]
 

(190) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ そうして、暮石に視線を向けた時には、
 彼女は少し表情が柔らかくなっていた。>>169
 物腰柔らか仕様の返答は、暮石に任せよう。

 多分、俺とは違う黒沢をずっとよく知っていて、
 今も見えている世界が違うんだろうと、思う。

 暮石が包むように掌を重ね、>>169
 文化祭の思い出を語り出すのを静観していた。>>170

 この世界に来てから、
 確かに見ていて惨いこともあっただろう。
 でも、この世界に来てからいいことはあった。>>172
 俺もそうだ。鳩羽も同じ気持ちだろう。>>4:221
 それに柊のことも知れたし、>>4:230
 向井と本音で話せたのも、>>2:414
 この世界に来れたから、この世界じゃなければ、
 きっと俺は、知らないままのことが多かっただろう。 ]
 

(191) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 頭に伸びた掌が、今度はピアノに向かう。>>173
 暮石がピアノを得意とすることを知らなかった。
 その音色を聞いたこともなかった。

 魔法というにはあまりにも雄大で、>>176
 お世辞にも完璧とは言い難い一曲だった。

 しかし、音楽に詳しい訳ではないが、
 技巧の高さだけでは乗せきれない思いが確かにあった。

 一直線に黒沢に向かっていく、圧倒する何かが。 ]
 

(192) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー

[ 鍵盤から指が離れ、暮石の眸に涙が溢れる。>>179

 きっと、親を亡くした暮石にしか
 分からない感覚なのだろうと思う。>>180
 黒沢に向けた懇願のような言葉の数々を耳にして、
 もう前髪で隠されていない俺の表情も、
 ほんの少しもらい泣きしそうになっていただろう。 ]
 

(193) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺も聞きたかったこと。>>184
 仮説の話、───もしも手遅れじゃなかったら? ]


  もしも、この世界が黒沢の最後のSOSなら
  手遅れなんて言わせない、間に合わせてみせる

  それに、少しくらいわがまま言ったって
  ここには誰も咎める人はいないだろ?

  俺たちに気を遣う必要だってない
  俺たちはいつだって対等な関係にあるんだ


[ 暮石のように、友達≠ニ俺の口からは
 自信をもって言えなくてこんな言い回しになる。 ]
 

(194) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  俺もこのまま、黒沢を思い出にしたくない
  まだ黒沢の知らないところがたくさんあるんだ

  でも黒沢は聡いから、このまま戻れても
  その先はどうして生きたらいいのかって悩むだろう

  でも、俺も暮石も、
  それに先に帰ったみんなもいる。
  黒沢からのSOSはしっかりと受け取ったから、
  もうひとりで悩まなくていいんだ

  黒沢の生きる場所は俺たちに作らせてほしい

 

(195) 2021/06/15(Tue) 17時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 暮石みたいに顔を歪ませるようなことはないが、>>185
 やっぱり泣きそうになっている顔は変わらない。

 それから、今ぐらいは触れてもいいだろうか?
 暮石には気兼ねなく触れられたけど、
 やはり黒沢に対しては、許可を取りたくなってしまう。

 叶うなら、そうだな。
 ほとんど同じ高さにある頭くらい撫でさせてくれ。 **]
 

(196) 2021/06/15(Tue) 17時頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/15(Tue) 17時頃


[わかりやすかった、わけもなく。
他人の楽しいことばかり見ようとしていた自分でも、
気付いてしまうものがあったというだけで、たぶん、そういう巡り合わせ。
その問いには軽く微笑んで返そう。

茉奈ちゃんも何者かの声が聞こえていたことを教えてくれれば、
ああ、そっか、そうなんだ、と、納得と理解が染み渡っていく。
独り言が多かったもんね、そういえば。
わかるよ。わかる。
人に説明するの難しいのも、わかる。]



 それに苦しめられてたんだ。
 私とは違って。

[私が見えていた、存在しない友達は、
当たり前のようにそこにいて、友達として振る舞ってくれた。
苦しめる怨嗟の声ではなく、私の心を守るような声で。
だからそこは違ってたのだけど。]

 ……もう大丈夫そうなら良かった。
 聞こえてくる声が当たり前になってると、
 いろいろさ、生きづらかったよね。

[共感、というか、確認、というか。
私もずっと信じてもらえなくて、割り切れなくて、疲れてしまった。
私だけの悩みじゃなかったんだと知れて、良かった。]


[お互いにもう悩まなくなるのであれば、
あの時のように相談することも、もう無いんだろうと思いつつ。]

 ……それもそうかなぁ?
 すごい、なんか、悪い夢見れそうな文字書いてるから……。

[お守りに持っておくには気が引ける代物なので、
軽く苦笑して、まあこれは後で利美ちゃんに聞こう。

自販機に行ってくれた向井くんを待ちつつも、
戻りが遅かったので、誰かと話してるのかなと思い、
集中治療室前に戻ることにした。

赤いランプはまだ消えていない。*]


── 病院外→病院内へ ──

[冬のアイスの約束に、笑う。
きっとまた、夏が来て二人で買うアイスは、
俺が外れて、シンが当たるんだろう。
なんとなく、そんな気もした。でも、それがいい。

お互いにお互いが「特別」だったとしても
当たり前の「日常」が、一番の特別だからさ。

シンの当たり前の片隅にさ、
なんかこいついっつも居るなーくらいの感じで
俺のこと、置いといてよ。ね。 ]

 あ、カフェオレ。

[言われて気づく。
ダッフルコートのポケットのカフェオレは
確かにだいぶぬる〜くなっていたと思う。 ]
 


 
[マナとひとみは二人で話してるんだっけ。
なんて。俺ン中で情報はアップデートされてねえし
シンにとってもそうなんじゃない?

すでにひとみが集中治療室のほうに行ってて、
マナんとこにはユキが到着してる、なんてさ
たぶん俺はエスパーじゃねえからわかんね。

とりあえず待合室戻るか。
持ってくよ、なんてシンと一緒に戻るけどさ。
そのあとシンはコーラを渡しに行ったりすんのかね。

マナとユキがまだ話してるようなら
片手挙げて挨拶して。
ぬる〜くなった、カフェオレ渡して。]
 


 

 マナ、ただいま。
 ノエは……まだ会えねえよな。

 俺、ちょっと病院の売店探してくるわ

[24時間営業かどうかはしらねーけど、
そうなんじゃないの!そういうことにしとこ!
だってそっちのほうがきっと便利じゃん!!!

ご都合主義?知るか。
とりあえず俺は、絆創膏がさ、欲しい。 ]*
 


メモを貼った。



── 柊くんと ──

[ 気づいて貰えたらしい。
  こちらに駆け寄ってくる姿に、ゆるく笑んで。

  そういえば彼は私のマネキンを見たんだったな、と
  その視線の先を思う。]


  うん、一足お先にね。
  …… あんまり見てるとセクハラだって
  思われちゃっても仕方ないと思うなあ?


[ 恥ずかしいなぁ、なんて茶化しながら、
  とっても元気な様子でも見せようか。
  五体満足、何も問題はありませんよって。]



  そ。起きたら利美からメッセージ来てたし。
  黒沢ちゃん、集中治療室の方に居るよ。
  どういう状況かは、……わかんないけど。
  来たけどさ、私まだそっちの方行ってなくて。

  多分利美とか、ひとみの方が詳しいのかも。


[ 私より先に来ていたし、と
  治療室のある方をちらりと見つつ。]
 



  ……柊くんはさ。どうなった?
  戻ってきたって事は、何か、……
  踏ん切りか何か、ついたのかなって。


[ そうであっても、そうでなくても。
  答えがあっても無くても、良いのだけれど。

  話の途中に掛けられる声がもうひとつあれば
  ゆるくそちらに顔を向けて。]


  鳩羽くん。……おかえり。
  無事な様で何より。
  あ、カフェオレもありがと。


[ だいぶぬるくなっているカフェオレでも、
  やたら冷たい指先には暖かく感じた]*


 ── 現在・病院内へ ──


  俺、番代のこと探してくんね。
  治療室のほう戻ったかなあ……


[ ぬる〜いカフェオレを鳩羽に託し、
 慎一は再び病院の中を歩いていく。

 待合室に綿見と柊がいるのを見かければ、
 そちらにひらりと手を振っておこう。
 帰ってきたってさっき聞いたからね。
 それではまた後ほどって具合に。]
 



[ それで──、
 集中治療室の前に番代を見つけたら、
 「ほら」って微妙な温度のコーラを放る。
 ……炭酸を雑に扱うなって? やだな今さら。]


  レンとユキも来てたよ。
  もう会ったかもしんないけど。

  あと、ユーガと暮石と……、
  …………黒沢、遅いね。


[ 帰ってきてほしいなあって願望を、
 帰ってくるはずみたいな言い方に混ぜ込んで。]
 



[ さっき話してたとおりみたいに、
 炭蔵がちっとも帰ってこないから、
 慎一もいつの間にか思ってる。ユーガなら。

 それから、自分でも慎一でもないと言った、
 暮石のあの声色。表情。そんなのを思い出して。

 ちょっと考え込んでしまったけど──、
 今渡したコーラ、五分五分ってとこだから、

 お代は当然受け取る気はないし、
 なんなら忠告すべきか逃げるべきか、
 はたまた差し出すハンカチでも探すべきか。]
 



[ どちらにせよ、ここは少し居づらい。
 慎一は黒沢の親の顔をさっきから見れない。
 どんなに辛かろう、悲しかろうと思うから。

 だから、あまり長居はしないつもりで。*]
 


メモを貼った。


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 綿見と話せたこと、
 それが黒沢の出した結論で、
 向き合う努力をしたことを知れれば、
 失望なんてする筈もなかったよ。>>210

 いや、どんな結果を選んでも、
 失望するしないの資格もないんだが。 ]
 

(213) 2021/06/15(Tue) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 三人で帰りたいと、暮石は言う。>>198
 同意を求める言葉に、俺は頷いた。>>199

 俺が此処にいられるのも、暮石のお陰だった。>>197
 教室で動けないで居た俺を迎えに来てくれたのも、
 こうして黒沢に近づくよう促してくれたのも、
 俺が先延ばしにせず向き合えているのも。

 俺にとっても暮石は、
 今日限りだったとしても相棒だ。
 同じ方向を向いている親しみを持った相棒だ。 ]
 

(214) 2021/06/15(Tue) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ でも、黒沢は───…
 まだ同じ方向を向いてはくれないらしい。>>212

 ピアノの演奏を聴いていた黒沢は、
 確かに揺れていたように思ったのに、>>207
 黒沢の口から溢れでたのは、
 楽になりたいというわがままだった。>>208 ]
 

(215) 2021/06/15(Tue) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  ……俺だったら、生きようと思う
  けど、楽になることが悪いこととは思わない
  人は誰しも、楽な方に流れるものだろ

  これまで頑張ってきたんだもんな、黒沢は
  これ以上頑張れとも言えないよ

 

(216) 2021/06/15(Tue) 21時頃

【人】 泥炭採り ユンカー



  でも、それでも、生きて欲しいと思う
  これは命令でもなくて俺の我儘でお願いだから
  もちろんこの手を振り払ってくれてもいい

  ただ、黒沢が怖くなくなるまで
  俺は絶対に手を離すつもりはない


[ そう言って、片手を差し伸べる。
 手を取ってくれなかったら?
 多分、俺の顔はようやく歪む。 *]
 

(217) 2021/06/15(Tue) 21時頃

— 病院・集中治療室前 —

[向井くんが来たならば、
コーラありがとーって顔をしてそちらに歩いて、
放られた缶をキャッチする。]

 ちょっとー。

[炭酸が宙でシェイクされたことへの抗議の声を上げつつ、
買ってから時間が経った缶の温度を確かめる。

……こんな寒い季節に「つめた〜い」のスイッチを押させて、
ずっと持っていてもらった苦労を思えば、まあ、
文句を言うより重ね重ねお礼を言うべきなのかもしれないけど。]



 そっか、わかった。

[戻りが遅かったのは道理で、
帰ってきた人たちを出迎えていたかららしい。
乃絵ちゃん以外の帰還をもはや疑っていなかったから、
驚くこともなく、会ったら挨拶をしようか。

そうすると、まだ残っているのは誰なのか。
落第生でもわかる簡単な計算問題。]

 ……頑張ってるんだ、今も。

[あの校舎に残って答えと対峙している炭蔵くんと芽衣ちゃん、
そして、乃絵ちゃんも。私には想像もできないくらい、
今、頑張っている最中なんだろうなあって。]


[買ってきてくれたコーラをすぐに飲むべきか、悩んで。
シェイクされた缶をここで開けたら、どうなるかは容易に想像できるし、
自分の家や学校ならともかく、病院だしなーという遠慮は流石にある。
結局、ここで缶を開けることなくコートのポケットの中にすとんと落とした。

コーラ代と言いつつお金を取り出そうとするけど、
受け取らないという素振りをするようなら、
何度も問答はしないので、奢られておきましょうか。]


[向井くんと同じ居辛さを私も感じているけど、
それでもここに戻ってきたのは、やっぱり気になるから。

乃絵ちゃんが帰って来れるか、というのはもちろん、
乃絵ちゃんのお母さんのいるほうを一瞬だけ見て、
思ったことをどうにも誰かに言っておきたい衝動に駆られる。

あの世界の主に辿り着けなかった落第生の一人なりに、
気付けるとしたら、今が最後のチャンスなのかも、って。

向井くんの近くに寄って、
他の誰にも聞こえないくらいの小さな呟きを吐き出す。]



 ……乃絵ちゃんのお父さん、来てないみたい。

[だからどうなんだ、という問答をしたいわけではなく、
乃絵ちゃんの家庭事情を今ここで詮索したいわけでもない。

ただ、私が感じてしまった可能性って間違ってないよね?と、
それを確認したいという気持ちを言葉に込めて。

それだけ伝わったなら、いや、伝わらなくても。
ここから去るであろう向井くんを見送るだろう。*]


 ── 現在・集中治療室前 ──

[ 番代がこちらに歩いてきたので、
 治療室前が気まずい慎一は少し助かる。

 だから、抗議の声にも少しだけ笑って、
 「ごめん」って素直に謝っておこう。

 コントロールは悪くなかったろ。
 ……そういう問題じゃない? 知ってる。

 さっき会った面々について告げれば、
 落第生による引き算の時間だ。]
 



[ 「頑張ってるんだ」って言葉に、
 慎一は「うん」ってうなずいた。

 何も知らない人からすれば不審な会話でも、
 この距離なら黒沢の母親には届かないだろう。]


  ……がんばってるよ。
  黒沢もだし、ユーガも、暮石も。


[ あんな世界を作り上げたのだ。
 まだがんばってるって、慎一は信じる。]
 



[ 確かに。飲むのはせめて待合室だった。

 ポケットにしまわれたコーラに、
 慎一は内心でほっと安堵の息を漏らす。

 あまり状態のよくないコーラのお代は、
 もちろん、丁重に受け取りを断って、
 ふいに揺れた番代の視線を追っていた。]
 



[ ……そこには女がひとりいる。
 黒沢の母親だって慎一は疑わなかった。
 娘の帰りを今か今かと待ってるんだろうと。

 かわいそう。と慎一は思って、
 だから番代のささやきは不意打ちだった。

 びくりと一歩あとずさりしそうになって、
 それでも、流し込まれた言葉の意味を咀嚼する。]


  ……あ、


[ ひとり≠ナ待っているんだなって。
 今の今まで慎一が気がつかなかった事実。]
 




  ……忙しい、のかな。


[ その人のほうへ張り付きそうだった視線を、
 無理やり引っぺがして、かろうじて慎一は言う。

 忙しいのかもしれない。家をあけていたのかも。
 黒沢の家族について、聞いたことはあったっけ。

 いくらか頭の中で理由を並べ立てたけど、
 たぶん、自分でも不思議なほど声は強張っていた。]
 



[ ……もし、これが慎一だったら。
 きっとこの場所はもっと騒がしい。

 どんなに大事な仕事が入ってたって、
 父も母も全部放り出してここに駆け付ける。

 どこか別の場所にいたんだとしても──、
 なあ、黒沢が搬送されてどのくらい経つっけ。

 そんなこと聞けやせずに、
 慎一はじっと番代のことを見下ろしていた。

 人の家族について憶測で何か言いはしないけどさ、
 たぶん、慎一の目はひどく動揺に泳いで、
 似たものを感じ取ったことを番代に知らせるだろう。]
 




  ……俺、やっぱり向こう行ってる。


[ 他人がいても気まずいだろうとか、
 そんな殊勝で冷静な心掛けじゃあなく、
 たぶんその瞬間、そこにいたくなかっただけ。

 鏡もないんじゃ見えやしないが、
 きっと、慎一は顔をひどくゆがめてそこを立ち去る。*]
 


 

 おう、ただいま。
 えっと…… いや、なんでもない。

[そこに居たのは
物言わぬ人形なんかじゃあなくて
ちゃんと生きているマナだったから、さ。

無事帰ってこれてた喜びだとか、
そりゃあ…
言いたいことは山程あったんだけど。
ま、それはあとでいっかな、って。

お嬢様、カフェオレ温めておきました。
お陰様で俺のポケットもほかほかしていて、
俺は、じゃ、またあとで、って売店に向かうんだ]
 


 

[そしてこちらもまあ
無事、売店は開いていたわけで。
(どうしても開いてるわけがねえって?
じゃあ絆創膏の自販機があったことにするからな!)
調達するのは絆創膏だけ。

んで暫く廊下にあった大きな鏡に向かって
俺は格闘することにする。
眦の傷、そんなに大きくなくてよかったな、って。

あっちの世界はさ、
日常なんかとは随分かけ離れていたけれど
確かに、夢なんかじゃないって思い知らされる。]*

 


メモを貼った。


― 綿見と ―

そっか。だろーなとは思ってたけど、
やっぱ姿見るとほっとする。

え、あ、そう!?ごめん。
ついつい気になっちゃって……
でも恥ずかしがってる綿見ちゃんなんて
レアだからちょっと役得。なーんて。

[勿論なんか変な気持ちで見てたわけじゃない、が、
確かにちょっと不躾だったかも。
謝罪を交えつつ、軽口を叩く綿見に笑いかける。
元気そうで何よりだ。]


[続いて、黒沢の容体に水を向ければ
ちらりと綿見の視線が集中治療室に向く。
まだ状況は何も変わっていないようで、
笑っていた顔を物憂げに曇らせた。]

………そっか……

九重ちゃんが来てるのは聞いたけど、
番代ちゃんも来てるんだ。

[番代家の厳しい門限を知っている身としては
よく親が許可してくれたなって思ったけど、
それだけ必死に頼みこんだのかもしれない。
やっぱり皆、じっとしていられないのだ。]


メモを貼った。


[他の奴も来ているんだろうか、
なんて思考の端に過った所で
ちょうど鳩羽が戻って来たか

おっすおっす、って軽く手を上げて挨拶し
飲み物俺の分はねーの?とか、てかその傷どしたん、とか
ちょっとした戯れ(ウザ絡みとも言う)をしたのち
売店に去っていく友人を見送る。]



 ……忙しいだけ、なら、いいんだけど。

[可能性を考えるならいろいろある。
元々父親はいなかった、とか、いろんな事情もあるだろう。
私は乃絵ちゃんの家庭については知らないんだから、
どう足掻いても余計な推測になってしまう。

私の両親だって、私が自殺未遂を起こしたなんてことがあれば、
絶対に、全速力で、何があっても駆け付けてくれるという確信がある。
だから、そうじゃない家庭について想像を巡らせる能力が足りていない。]


[だけど、だけどね。
もし父親が来ない理由が、
乃絵ちゃんが自ら命を絶とうとした理由と何か関係があるなら、って。
少しでも思ってしまったせいで、歯止めが効かない。

無言で視線を向け合えば、
同じ発想に至ったかどうか、目に走った動揺を感じ取った。

そのまま向井くんを見送って、
心の中に引っ掛かったその違和感と向き合いながら、
過ぎていく時間を待ち続けるだろう。

ポケットの中に重みを与えているコーラ缶の、
プルタブ部分を指でなぞる動きを繰り返す。

……うん、少し落ち着く。*]


[んで、聞かれた話の続き。
校舎内で綿見とあんまりじっくり話す機会は無かったけど、
そう言う風に思うってことは、
やっぱり彼女の中でも何か変化があったのかな。
そこまでは分からないにせよ。

何せ、成り行き上とは言え、
唯一俺の中学時代のごたごたを零した相手ではある。
ちょっとだけ気恥ずかしいような気持ちで
眉を下げて苦笑を浮かべた。]

………うん、


なんてゆーかさ、あっちでいろいろ話して、
人の話も聞いてみてさ、
俺視野狭かったんかなーって。思って。

過去言われたことは変わんないし、
俺がやらかしたことも変わんないし、
新しい彼女が出来たわけでもないけどさ。

[現実が何か大きく変わったわけでも、
根本的に解決したわけでもない。

…俺が実の親に棄てられた事実が
変わるわけじゃない。けれど。]



いつも笑ってなきゃ駄目だって思い込んでたんだ。
でも、なんかさ、皆優しいんだよ。
優しくしてくれたんだと思う、ずっと。

だからもっかい信じてみたいなって。
今度はちゃんと向き合いたいなって。思った。


[求めた愛を得られたわけではないけれど。
俺の周りにはたくさんの人がいて、
少しずつやさしさや愛をくれていた。

闇雲に欲しがるばかりで、
ずっとまともに見ていなかったんだって。
ようやく気付いたから俺は、
やり直したくて帰って来たんだ。

いつか俺も俺をちゃんと好きになれるように。]


【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺が言いたいことを、
 あの日黒沢がピーマンに例えて説明してくれたように
 暮石がかみ砕いて
 言葉にしてくれるのを聞いていた。>>227

 もしも、黒沢の中が空っぽのように感じているのなら
 暮石が心残りをひとつ積み上げたように
 俺たちが黒沢の中を埋めてあげたいと思う。 ]


  俺も、わがままを言ってみたかったんだよ
  人生ではじめてのわがままをここで使うとはな

 

(243) 2021/06/15(Tue) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 黒沢のひとつ目の願いは、>>234
 俺も先延ばしにしてきたことだったから、
 どこまで力になれるのか自信はないが。

 二つ目の願いは、>>235
 俺でも叶えられそうな内容だった。 ]
 

(244) 2021/06/15(Tue) 23時頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ べそべそとクレープを食べる姿が、少し可笑しくて
 ちゃんと食べ終わるのを待っていた。>>236

 それから、黒沢がわがままを言う。 ]


  分かった、約束しよう
  絶対に叶えてみせる
  …俺のできる範囲にはなるが、善処しよう

  俺の未来にも、黒沢が居て欲しい


[ 今回だけ、特別だからな。
 わがままを全部、叶えてやろう。
 だから、右手でも左手でもどっちでもいいから、
 この手を取って欲しいと思う。

 二本の腕は、手を取られるのを待っている。>>228 *]

(245) 2021/06/15(Tue) 23時頃


……俺の方はそんな感じ。

[なんか語っちゃったな。
素に戻るとちょっと照れ臭くて、
あははと笑って軽く頭をかく。]

綿見ちゃんは?
ちょっとは気持ち、楽になった?

[いつかのやり取りを思い出して。
お返しに聞いてみるんだ。**]


 ── 現在・病院外 ──

[ 「忙しいだけなら」って、
 番代の言葉がやけに頭に残った。

 そうやって少ない言葉を交わして、
 その場を離れた慎一は、
 待合室にいる人と混ざる気分でもなくて、
 結局、またなんとなく外にいる。

 たぶん、寒いくらいのほうが、
 頭の中がぐちゃぐちゃになったり、
 あるいは手に汗を握りそうなとき、
 少し落ち着ける気がしてよかった。]
 



[ そう。可能性はいくらでもある。

 いろんな家族の形があることも、
 慎一は知らないわけじゃない。
 そう頭では理解しているはずなのに、
 今は、無性に落ち着かないから。

 病院の外、入り口から少し離れて、
 邪魔にならないようなところに立ち、
 時折冷めたミルクティーを口にしながら、
 ペットボトルの蓋のぎざぎざを、
 短い爪でじっじっとこすってた。

 誰かが似たことしてるとも知らず、
 ただ、自分を落ち着けるために。]
 



[ 慎一がここでそうしている間にも、
 病院の中がわあっと明るくなりますように。
 どうか、また会えますようにと祈りながら。*]
 


【人】 泥炭採り ユンカー

[ 握られた手を、強く握り返した。>>250 ]

(253) 2021/06/15(Tue) 23時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ 俺のはじめてを貰った責任は、
 ちゃんと取ってもらわないと困る。>>249
 だから、俺のわがままが叶うまでは
 黒沢から目が離せない。

 ところで、俺たちも帰る為には、
 これまでの法則からすれば、
 マネキンになる必要があるんだろうか?

 ……それとも、この世界の主が、
 帰ると決めたのであれば、
 もう少し違う帰り方があるんだろうか? ]
 

(254) 2021/06/15(Tue) 23時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ そうだ、それから。 ]


  帰る前に、言っておきたいわがままはあるか?


[ 現実世界の黒沢がどうなっているのか、
 それを俺たちはまだ知らないけれど、
 きっとすぐには会えないかもしれないから。

 今、こうして話せるうちに聞いておきたい。 ]
 

(255) 2021/06/15(Tue) 23時半頃

【人】 泥炭採り ユンカー


[ どうやって帰るのかは、黒沢次第。
 ただ、この世界から帰る直前に呟くだろう。 ]


  ───… ありがとな


[ この世界に招待してくれて。
 特別だと、思ってくれて。

 反対側の腕が暮石の方に引かれれば、>>251
 俺の腕も同じように引っ張られる。
 黒沢へ視線を向ければ、向こうに暮石が見える。>>252

 時の止まった冷たい校舎から、
 みんなの待つ明日≠ヨ向かおう。* ]
 

(256) 2021/06/15(Tue) 23時半頃

泥炭採り ユンカーは、メモを貼った。

2021/06/15(Tue) 23時半頃


メモを貼った。


メモを貼った。



[ 少し前。
  ひとみからの反応を見て
  生きづらかったよね、なんて言われて。

  思わずこくんと頷いて、ちょっとだけ
  目が潤みそうになっていたのは秘密の話。

  こんな簡単なことだったし、わかってくれた。
  …… 言っても大丈夫だということに気がつくのに、
  やたらと時間は掛かってしまったけれど。

  ひとみも私も、同じようなものに囚われていた。
  これからはそんな話をするような事も
  段々と無くなっていくのやもとは思う。]
 




[ 誰にも言えない秘密の共有があった事は、
  何処かにあの子たちと一緒に残るだろうけど。

  それこそ、あの冷たい校舎の中とかに。]
 
 






      [ さいごにはなにが残されるのだろう。
     ここにいる私たちには、想像しかできない。]*
 


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