人狼議事


28 僕等(ぼくら)の

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視点:


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ーー夢と現実の狭間でーー

[ーー長い、永い夢を見ていた。]


[意識がさ迷う。まるで、何もない空間を漂っているような。

ーー真っ暗で光のない虚ろ。無限の広がり。

僕は生まれたままの姿で膝を抱え、毬のように小さくなり慣性に任せた緩い回転をしつつ闇の大海を漂う。

ーー声が、聴こえた。]


[ーー愛してる。


 君を。君だけを永遠に。


 何度生まれ変わろうと、
       僕は君を愛すると誓う。]


[それは僕の声だった。でも、僕はそんな言葉を発した記憶はない。

ーーそして僕は回転を速める。ぐるぐる回りながら、闇を突き進み、遠くーー遥か彼方に浮かぶ光点を目指す。]


[ーー○○。君の、元へ。

また、僕の声だ。
一体僕は何処を目指しているのか。
誰の元へーー目指しているのか。

そして僕は、ニューヨークのとある病院の一室で目覚めた。]


ーーニューヨークの病院ーー

[病室にて目覚めた僕は、看護婦さんが呼んだ両親と兄に抱き締められた。

何が起きたのか全くわからない。

ーーああ、そうだ。合宿最後の日に巨大ロボットが日本に現れて。

僕は両親と共にすぐ飛行機にてニューヨークに向かったのだ。

兄の元へ。

しかし、現地の空港に着いた途端、激しい頭痛と吐き気がし、僕は意識を失った。

その後は記憶がなく、両親から聞いた話になる。]


[まず僕はすぐ病院に搬送された。しかし意識は戻らず、医者の懸命な措置も空しく寝たきり状態。

このまま植物人間になるか、目覚めるか。原因もわからないし、見通しもないーー。

そんな最中、日本では全部で四回のロボット戦があり、被害が広がっていたわけである。

目覚めた僕はそれらを耳にして青ざめる。

学校や近隣に被害が出たなら僕の友達は。天文部員たちは。

僕の想い人はーー。]


すぐLINEを確認する。珊瑚や彼から連絡があった。
僕は音信不通になっていた事情をグループLINEに手短に書いた。]

(グループLINE)
『心配かけてごめん。

実は今ニューヨークの病院。
父さんたちと避難してきた直後倒れて、意識なくしてたんだ。

さっき目覚めたばかり。

取り敢えず元気だから。
必ず帰るからね。』


それから両親に告げる、固い意思を持って。]

 僕は日本に帰る。
 どうしても逢わなくちゃ、彼に。

 ーーコウに。

[僕は彼にだけ個人的にLINEをした。]

(康生へのLINE)

『帰国したら、すぐに逢いたい。ーー逢いたい。』**


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─天文部のグループLINE─

[五回目の戦いが済んだ後も、ネットでの誹謗中傷はあんま収まらなかった。避難所にも姿を見せてない俺がどこに居たのかなんてみんな知らないし、出現位置も離れてたとは言え、うちから近かったからそれはそう。『柊木康生と仲のいい奴の家がそっちに在る』とか『じゃあ今回はそこに居たんじゃね?』とか、俺だって根も葉もあるかどうかわからないような話がネット上に沢山流れてた。]

[いつの間にか顔写真まで流出してたから、両親も俺が外を歩くことを心配するようになった。だから俺は、登校日以外はほぼほぼ引き籠ってる。こうなると、病院も家もそんな変わんねーのな。]

[ただ、俺はそういうの自分から言う方じゃないし、天文部のグループLINEでは普通にしてた。役割分担がうまく行ってて、声掛けを除けば俺の仕事は家からネットやメッセージ通じてできるもんばっかだったから、天体観測会の準備が滞ることもなかった。声掛けだけ『ケイと連絡付いてからな〜』って感じで後回しにしてたけど。]


[で、そのケイから漸く連絡が入った。]

『意識なくしてたってマジ!?』
『(驚いてるコアラのスタンプ)』
『帰って来るのは嬉しいけど、無理すんなよ〜』
『まずは身体きっちり治せよー?』

[天文部のLINEに俺は、そんな感じで返した。多分同じような言葉が、他のみんなからも飛んだんじゃないかな。]


─恵一とのLINE─

[そんで、俺の方には個別でケイからの連絡が来てた。]

…………、……。

[俺も、ケイに会いたかった。会いたい。元気なのか心配だったし、話したかった。]

[でも、会ったら迷惑になっちまうんじゃねーかなって気持ちも同じくらいあった。ケイは多分、俺の今の状況を知らない。俺と会ってるの見られんのがどんだけリスク高いなんて、わかってねーはずだ。「俺は何もしてねーんだから堂々としてればいい」って気持ちと「ケイに迷惑掛けたくねーな」って気持ちで、ぐちゃぐちゃになった。]

『俺も会いたいよ』
『いつ、こっち帰ってくんの?』

[結局、悩んだ挙句にそれだけ送った。会うとも会わないとも書いてないメッセージ。ケイが帰ってくるまでに、少しでもネットの祭りが下火になってますようにって祈った。*]


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ーー帰国/康生と珊瑚ーー

[意識を無くしていた僕は、起きた直後、その間に起きたロボット戦についても、ネットの噂も何も知らなかった。

まず、天文部のグループLINEにて天体観測の予定を話しているのを見、みんなが無事であるのを確認し胸を撫で下ろした。

僕は長いことみんなからの連絡に応えられず心配をかけた。
だから、まずLINEで無事を伝えたわけである。

一番最初にグループLINEに書き込みがあったのは、親友の彼だ。
みんなからも来たかな。

僕はいつも彼が使う動物スタンプに微笑み書き込みをする。


(グループLINE)
マジなんだ。だから今浦島太郎なんだよ。

そっち大変だよね?父さんたちからざっとは聞いてる。

僕は大丈夫。みんなに早く逢いたいよ。

彼からは個人的LINEも返ってきた。

逢いたい、の文字に胸がきゅ、となった。
僕はーー僕はずっと、彼のことを。

でも、彼は僕の気持ちを知らない。

本当は今回の合宿中、ブナの木の下で告白する予定だったのだが、勇気を振り絞る事が出来なかったから。

彼の"逢いたい"は親友としての意味だ。理解している。

それでも僕の心は躍って止まない。]


[帰国については両親と相談が必要だから一旦返事は保留、僕はまずネットを調べて脱・竜宮城を目指す。

まず見たのは、ロボットが街で暴れる様子のニュース映像や動画。

合宿で僕が唯一目の当たりにしたロボットの爪痕をまざまざと思い出して、身体が震える。

その後何体ものロボットが僕らの街に現れたなど、現実感がない。

ネットの情報も漁る。すると、
『搭乗者はこの街の住民だ』『日暈学園高校の生徒だろう』
なんてものが。

眉唾な匿名掲示板のものだが、随分尾ひれがついて話が広がっている。

更に調べると、康生の写真や実名までもが出てきて驚く。]


 ……なんだこれ。酷い。

 コウがあんなロボットと関係あるはずないのに……

 学校の、天文部のみんなだってーー

 憶測で書かれた誹謗中傷じゃないかッ

[僕は腹を立て、同時に彼が心配でならなくなる。

両親にだだをこね3日後という最速帰国日の約束を取り付けた。すぐさま彼にLINEする。]


(康生へのLINE)

『帰国は3日後。

 端的に話すよ。

 ネットで、君やみんなに関する無責任かつ根拠ない推測、誹謗中傷を見た。

コウ、今何処にいるの?自宅?避難所?

兎に角逢って話を聞きたい。

数時間の外出許可、ご両親から取れるかな。

変装して見つからないよう出て来て欲しい。

迎えに行くから、君が指定する何処かで待ち合わせたい。

君と二人きりで誰にも邪魔されず話せる安全な場所まで、僕が責任持って連れていく。


ーーうってつけのいい移動手段があるんだ。

[待ち合わせ場所と時間は彼に任せる。

次に僕は珊瑚にLINEした。]

(珊瑚へのLINE)

珊瑚、心配かけてごめんね。
僕は元気だ。

幼馴染みの君はわかるかな?
コウって今彼女いる?

前に話したが、僕はコウが好きなんだ…でも、恋人がいるなら邪魔したくないから、教えて欲しい。**


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─瑠璃川と部室で─

土産? あ、命とのラブラブ旅行のか!
んな気ぃ遣わなくてよかったのに。
へへ、でもサンキュ! 大事にするな〜。

[珊瑚がくれたのは、やたらニヒルな笑みを浮かべたストラップだった。俺、こういうよくわかんないの結構好きなんだよな〜。早速、通学鞄に付けといた。貰ったもんジャラジャラ付けがちだから、子供か女子の鞄みたいになってる。]

俺が鈍くて気付いてなかっただけかぁ〜。
片想いだと隠して、両想いだと隠さないってのもよくわかんねーけど。
そんな相手が居てくれたらいいんだろーけど、正直恋人作るよりも、ダチと居る方が気楽っちゃ気楽なんだよな〜。ケイとかさ。
あ、でも、瑠璃川と命見てると「いいよな〜」とは思うぜ!

[末永くお幸せにな〜って揶揄って、この日の会話は流れてった。*]


 ーー久しぶりの日本。

[目覚めて3日後に僕は両親と共に帰国した。
自宅も店舗も無事で胸を撫で下ろす。

両親が避難所の様子を見に行くというので、僕は着いていった。

そこはーー災害の時にテレビの映像で見るような。

狭い空間を拙い仕切りで区切り、個人のプライバシーすら護れない場所でひしめきあう人々。

近所の、どんぐり亭の常連さんたちや、学校生徒や家族もいたか。

いつもオムライスを食べに来ていたおじいさんや、ミルクレープが好きだったお姉さんが戦闘に巻き込まれ亡くなった事を耳にした。

なんて、痛ましいのだろう。
みんな憔悴しきっている…]


[そう言えば天文部グループLINEには、天体観測の予定が書かれていた。

こういう大変な最中にも楽しみがあるのは良いことだ。
働き者の後輩が仕切っているのかな。

僕は彼女にLINEをした。]


(千映へのLINE)
どうも。奇跡の生還を果たした先輩です。
なんてふざけてる場合ではないね。

千映も大変だと思うが、大丈夫かな?
天体観測の企画は今からでも僕もお手伝いしたい。**


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─恵一とのLINE─

[帰国の日程を訊ねてから、暫くLINEが途切れた。多分、親と話してるんだろうなーって待ってたんだけど……返って来たメッセージに、肩が跳ねた。知られちまった、って思ったから。俺は何もしてなくて、疚しいことなんて……いや、ちょっとはあるのかもしれない。]

[表立って言えねーけど、俺はコーラのことを悪く思ってなかった。だから、誹謗中傷も全くの無根拠じゃねーんだ。火のないところに煙は立たないって言うし───と、こんな風に考えちまう程度には、俺は参ってるんだと思う。]

『避難所は行けないから、家に居る』
『三日後なら、学校ないから裏門でどう?』
『親には許可取っとく』

[聞かれたことだけ、手短に返した。駅前広場や三角公園は避難してる人が多いから、今俺が行くのは危険過ぎる。コーラの出現場所が出現場所だから学校は避難所にもなってないし、ちょうどいい。休みの日なら、ほとんど人も居ないだろう。]

[そこで疑問が湧いて来て、メッセージを一つ足した。]

『移動手段って、何?』*


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(康生へのLINE)

『裏門了解。

変装は一見では君とわからないぐらいにしてきて。

嗚呼、バイクだよ。

入学当時免許取ったんだ。一年以上経ってるから2人乗り出来るよ。メットは二つある。

バイクが駄目なら父さんにどんぐりワゴン出して送って貰うよ。』

[彼とは親友だが、バイク仲間は学外にいて別なので、僕がライダーなのは知らないかも。]*


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─恵一との約束─

『ケイ、バイク乗れんの!?』
『初耳なんだけど』
『転ぶとかなきゃ大丈夫』
『俺、バイク乗んの初めて』

[飲んでる薬の中に、血をサラサラにするやつがあるから、怪我すんのは割とヤベーけど。それ以外の制限は、納豆が食えないくらいしかない。大抵のことはできるし、大体のもんは食える。代わりに体力終わってるけど。]

[特に問題ないなら、俺は当日、父さんと一緒に裏門で待ってるだろう。色素の薄い髪と目が目立たないように、ウィンドブレーカーのフードを目深に被って、伊達眼鏡とマスクを着けた。逆に怪しい気もするけど、背に腹は代えられない。]

[ちなみに、母さんも俺そっくりだから二人して出られなくなってて、配給とかは全部父さんが取りに行ってくれてる。父さんは純日本人で、髪も目も真っ黒だし。ケイと合流するまではってことで、俺を心配して今もこうして傍に居てくれてる。*]


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─天文部グループLINE─

まさかの恵一くんからの連絡に目を瞠る。


『大丈夫? 無理はしないで。
 どこでも良いから日本でも念の為受診してね。
 お大事に。』
『(濃い顔のパパの医者と話がしてぇスタンプ)』


グループラインには一先ずこれだけ。


「恵一くんやっぱりアメリカいたみたい。
 でも意識なかったんだって。大丈夫かな?」


そんな風に命くんにも画面を見せつつ情報を共有する。
そんな時に、恵一くんからの個別ラインも届いたのだった。*


─恵一くんとLINE─

『いないよ?最近バタバタしてるし
 合宿前に別れたきりじゃないかな?』


そこら辺はさらっと打ち返す。
でも。
はて。と首を傾げる。


『彼氏とかは知らないよ?
 多分彼氏でも隠さないとは思うけど
 彼氏に男同士だから秘密な!なノリされたら
 約束守って隠すムーブはあり得るかも。
 
 まあ、そっちも多分いないけど
 自分の気持ちの割に彼女限定にするの?って
 ちょっと疑問に思ったからあえて言ったけど。

 まあでも…一番の親友は恵一くんかな。
 本人曰く"恋人よりダチ作る方が気楽"だから
 そこを脱却するかどうかは恵一くん次第かな。
 どうにも柊木くんから好きが返ってきにくいのが
 今までの恋人に振られた主な原因だから
 その辺、ゆっくりと気持ちを育んで
 恵一くんの好きって気持ちを注いで
 柊木くんの恋心を育てるんだってくらい
 気持ちに余裕持った方が上手くいくかも。』


(康生へのLINE)

『2人乗り出来るようになったの最近だし。

合宿終わったら誘おうと思ってたんだよ、タンデム。

一年乗ってるから大丈夫。

僕にしっかり掴まってれば問題ないよ。後ろの人は免許はいらない。

じゃあ裏門ね。
(バイクに乗るコアラスタンプ)』


別に意地悪とかじゃなくて、気になったんだよね。
そこ彼女限定なんだーって。
まあ、全面的な応援はしないけど、私も邪魔はしない。
私なりのアドバイスを送ったり相談に乗ったりはするよ。
でも恵一くん面倒いんだもん!
今は私の方が命くんとお付き合いしてるから色々払拭されてるとは思うけど、私と柊木くんの仲を疑ってきたりもして大変な時もあったんだから!

まあそんな事もあったけど、今は落ち着いてるから応援…?まあがんばれー、くらいの感じ。
嫌なやつじゃ無いしね。
若干情緒不安定で愛が重すぎるだけで。**


ーー裏門待ち合わせ/康生ーー

[当日、僕は黒のライダースーツに身を包み、彼のメットを後部にくくりつけて学校裏門に向かった。

そこには怪しげな変装の人物と初対面の中年男性。

バイクを止めてメットを取り。]

 コウ?…えっと。

[隣がお父さんと聞けば挨拶するだろう。]


 コウの友達の乾恵一です。クラスも部活も一緒です。

 今日は少し康生くんをお借りします。危ない場所は行かないし人目も避けます。

息子さんを僕にください。
…じゃなくて、任せてくださいね。

[最後の言葉は少し変だった。慌てて言い直す。

彼にメットを渡した。バイクは
トライアンフ・スクランブラー400X。
僕の免許は400ccまでで、これはギリギリ乗れる。
見た目はシンプルでスマート、クラシックなバイクだ。]


 ちょっとここらから離れるつもり。

[ネットで晒されたらどこに行ってもだが、人気が少ない場所に行くつもりだ。

彼が後ろに跨がってくれたら、白煙を吐きながら走り出すだろう。]

 僕の腰にしっかり掴まって!*


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─裏門での待ち合わせ 恵一と─

[俺の免許は要らないって聞いて、ほっとした。]

[当日現れたケイの語尾は尻上がりだったから、変装の出来は上々らしい。久し振りに見たケイは、寝込んでただけあって痩せたなーって印象。でも、初めて見るライダースーツ姿はビシッとしててカッコよかった。俺は逆に、体型誤魔化す為に緩めのウィンドブレーカーにしてるから、ダボッとしてるんだけどさ。]

へへ。俺だってわかんなかった?
あ、こっちは俺の父さん。心配だからって一緒に待っててくれたんだ。

[父さんは「康生の父です」と短く自己紹介した。話せば面白いとこもあんだけど、基本的に真面目だし、愛想のある方じゃない。ケイの言葉に片眉を上げたけど、言い間違えが訂正されると「康生の事、よろしくお願いします」って軽く頭を下げた。]

ん、了解!

[ケイのバイクの後ろに跨って、言われた通りしっかりと腰に捕まった。]

そんじゃ父さん、行って来る!

[父さんは「気を付けてな」と俺らを見送ってくれた。*]


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ーーLINE/珊瑚ーー

[彼女に恋愛相談をしたのは随分前だ。

僕は入学当初に康生に一目惚れをしてしまい、その想いを打ち明けられるのは珊瑚だけだった。

珊瑚は康生の幼馴染みだから、色々彼の情報に詳しいし、親身に話を聞いてくれるから。]

(LINE)
『そっか、うん。
教えてくれてありがとう。

結構長く僕は意識不明だったからさ。その間のことはわからないし。


いや、確かに男と付き合う可能性はあるとは思うけど、珊瑚から今まで聞いた情報はみんな女の子だったじゃない?』

[そう。彼はモテモテなのだ。あれだけのイケメン、性格もいいなら当たり前だが。

ただ別れるのも早い。
そして聞く限り相手は女の子ばかりだった。]

『隠していたらそれはもう仕方ない。いると分かれば今までみたいに告白を控えるのは可能だけど。

取り敢えず今までの恋人は女の子なんだし、男子まで気にしても…三千院部長とかカッコいいから、彼がもしコウを好きでライバルだと勝てる気がしないが。』


[三千院部長は鋼メンタルの天文部部長だ。コウには負けるがイケメンである。

僕は珊瑚のアドバイスに耳を傾ける。]

『うん、ありがとう。

大丈夫、僕が気持ちを伝えたいのは、彼がどれだけ素敵で魅力的かを伝えたいが一番なんだ。

僕がこんなにも好きになるだけの輝きが彼にはあると。

そもそも同性だから嬉しくないかもだけど…

彼にゆっくり、花に水を与えるように愛情を注ぎたい。
それを彼が許してくれるなら、だけどね。』


[僕の誤解は、二人が幼馴染みで仲良しなの僕が知らなかった時だから仕方ないよ!

珊瑚に面倒臭いだの重たすぎる愛だの思われているのを知らない僕はつっこめないが、感謝してLINEを終えた。]**


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――旅行の日――


  早くできるように僕も頑張るよ。
  そうだ、写真はたくさん撮ろうね。
  珊瑚さんの花嫁衣裳姿ずっと見られるようにね。


今日の旅行の写真もそうだけれど記憶は色褪せていくけれど写真は形に残るから積極的に保存していきたい。
大和は多くは望んでいないけれど珊瑚との人並みの幸せを求めていて、珊瑚との出会いが彩りのなかった人生に色がつきはじめた始まりなのだからその証としたかった。

 こんなにも優しく笑みを浮かべてくれるのだ。
ぎゅうと抱きしめて耳元で、星が多いほうが星座って分かりやすいよ、って囁いた]


  うん、濡らさないほうがいいと思う。
  学校は付けていくと没収されそうだし、
  ……うん、うん、そうしよ。


[大和も指輪を外して貴重品入れに入れておいた。
無くさないように小さな袋に小分けして擦れたりしないようにしておこう。
小皿に入れて飾るのもいいと思う。
その時は二つ並べて――またそれも写真で残せたらいいなと思う。

 キスをまた重ねて、お風呂は一緒かなとうきうきしてたけど洗うところを見られるのは恥ずかしいらしい。
さっきも恥ずかしい想いをさせたから大和は素直に頷いた]


  それじゃあ待ってるね。
  離れて寂しくなる前に呼んでね?


[なんて残念そうに眉根を下げて小さく笑うと珊瑚が露天風呂の方へ向かうのを見送った。
以前に一緒にシャワーを浴びた時は――大和が丁寧に洗っていったんだったか。
またしたいけどそれは帰ってからでもできること。

 呼ばれるまでの間に準備を整えて声がかかるのを畳の上に寝ころびながらまだかなーってごろごろしながら待っていた*]


ーー裏門→思い出にない海辺/康生ーー

[バイクの後ろに乗るのに免許はいらないし、年齢制限もないから安心してほしい。

彼の変装はちょっと犯罪者チックだが、彼だとわからない点では完璧だ。

紹介されたお父さんは彼とはあまり似てはない。彼はお母さん似なのかも。

お父さんに挨拶をし、僕らは出発する。
しっかり掴まる彼の腕を感じ、僕は少し照れながらアクセルを踏んだ。]


[心地よく風を切りながら進む。スピードを押さえ気味にしてるなら、走りながらの前後の会話も可能。信号では止まるしね。]

 わかんなかったなあ。
 それなら見つかることはないよ。
 ただ、君の顔が見れないのは寂しいけど。

 お父さん、心配して付いてきてくれたんだね。優しいな。

 そう言えばコウの家族は避難所暮らしじゃないんだね。
 おうちが無事で何よりだ。
 うちも無事だった。

[流れる風景は全面から迫ってきて、背後に消えていく。
この爽快感を彼はどう思ってるのかな。]


 あ、そろそろだ。潮の香りがする。

[暫く走ると真っ直ぐな海岸線が見えてきた。

僕はとある海辺の砂浜を目指す。今はもう夏を過ぎて泳ぐ季節じゃないからガラガラのはず。]

 コンビニ寄る?飲み物とか買おう。メットは取ってね。

[海岸近くのコンビニ前にバイクを止める。コーラでも買おうかな。彼は何を飲むんだろう?

ーー海は静かに波打ち、僕らを待っている。]*


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─五回目の襲撃後─

私は五回目の襲撃後、随分と穏やかな気持ちで目を覚ましていた。
夢の中は、なんだろう。穏やかだけどどこか寂しい夢を見ていたの。
合宿先の天文台で、わたしと命くんが二人きりで空を見上げていたの。
蟹座と獅子座を探して、綺麗な夢だったけれど──時々私が"ごめんね"って泣いてたんだ。
何がごめんねなのかわからない。
命くんは頭を撫でて私を落ち着かせてくれていた。
ただ、二人がそれからも一緒だよと言葉でも確認しあって寄り添う様が幸せそうでもあり、切なくもあって。
穏やかな気持ちだったのに私は起きた時じんわりと涙を滲ませていた。
でもやっぱり幸せな夢だった。
世界に二人きりでも、私は命くんと一緒にいたい。


まあでも目を覚ましたら命くんをマットレスみたいにして寝てて、あれ家かな?と思ったら周りがザワザワしてて一気に目が覚めた。
──ここ避難所だ!


「ごっ、ごめん命くん!重く無い!?」


てしてし命くんの胸元を軽く叩いて確認する。
幸い見え難い所にいたから見つかっては無いみたいだけど、だいぶ時間経ってたんじゃないかな?
そこからはみんなの方に合流して、今回の被害のことを聞いたりさっきのトラブルのことをお父さんに報告したりと色々していたけど…。
チラッと私たちを見て気まずそうにしていたり、あらあらまあまあしている人たちに私は不思議そうな顔を返しておいた。

キスマークのことはすっかり忘れてました!**


―― お久し振りです! ――


 『乾先輩!』
 『避難されてたんですね…!』
 『意識無かったのは心配ですが…
  無事だったなら良かったです!』
 『(アヒルが嬉しそうに踊ってるスタンプ)』


[天文部のグループLINEにその報告を見付けたなら
 見付けたタイミングで速連送。
 他にも天文部内で連絡のない部員はいたけど、
 関わりの深い先輩の無事報告には
 どっと安堵が溢れてきて、思わず
 目尻に涙が浮かんでしまった。LINEで良かった…。]
 



[その後に個別で送られてきたLINEに
 相変わらず距離が近いな、なんて
 クスクス楽しそうに笑いながら。


 『はい!あたしは大丈夫です』
 『ただ、遠方に疎開が決まっちゃって…
  だから皆さんと思い出作りしたいなって
  わがまま言っちゃいました』
 『お手伝いありがとうございます!
  でも実は、乾先輩の役割もう決めちゃってて』
 『詳細は柊木先輩に聞いてみてください!』
 『(花束を抱えたうさぎのスタンプ)』


[LINEを送り終えれば一旦画面を落として、
 自分の「責務を全うするぞ!」なんて意気込みをし
 ポスター制作へと没頭していった。**]
 


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――五度目の襲撃後日――

[シェルターの中で眠る珊瑚を抱きしめながら大和は優しく頭を撫で続けていた。
片手はずっと背中に回していて離れないように身を寄せて。
襲撃が終わったような感じはあって既に外に確認に向かっている大人がいる中でのんびりさせてもらっていた。

 家ではいつも抱き枕みたいな感じなのでマットレスみたいになるのはこれはこれで良いものだった]


  おはよう、珊瑚さん。
  ん、んー……この重さは幸せの重さだね。


[てしてしされるとくすくすと小さく笑う。
珊瑚は多分軽い方だと思うけど、もし重くなっているならお胸が育ってきているのではないだろうか。
そんな大和は毎日お美味しいご飯を食べてヒョロっとていたのがガッチリしてきているので体重はかなり増えている。

 よいしょと身体を起こして再び珊瑚と向き合う姿勢で座ると、いつものおはようのキスをしよう]


  それじゃあ僕らもそろそろ行こっか。


[首筋は無理でも胸元は隠そうかとなるべく服を整えてあげて、またキスをしてから外に出よう。
報告とかいろいろしている中で視線を向けられたりして、ペアルックのように首筋にキスマークがある大和が傍にいるものだからきっとまた暫く話題の的だろう。

 お義父さんはちょっと怖い顔してこっちを見ていたのでそっぽを向いておいた]


[襲撃が終わる度にもうロボットの襲撃がありませんようにと願われてきたはずだ。
二度目から五度目の襲撃は全て同じ街で行われ、一つの街だけが破壊されていった。
六度目はありませんように――きっと街に住む誰もが願っている。

 忙しければ疑心暗鬼を抱く暇もない。
考える時間がなければ不安に苛まれる時間も減る。
結局災害地にて何かしら不穏な行動をしてしまう者は何もしていない人なのだ。
家や避難所で億劫に過ごしていると心が蝕まれていくのだろう。
或いはそれは外部から着た余裕のありあまっている人間か。

 あの後、問題行動を起こした者は精神的療養の必要性ありとされて街の外へと移送されていくようになった。
それはもうお義父さんへの報告が終わるとすぐにそうなった。
何せ避難誘導のみならず支援をしている人間への暴行未遂である。
放っておいていいことは一切ない。
街へ入る者もチェックが厳しくなったそうだ。
こうした場所では火事場泥棒も横行するので当然だろう。
そうして人の波が調整されていきまた少しずつ復興が始まっていくだろう]


[家に戻ると大和は相変わらず珊瑚にべったりだ。
好みなのはやっぱり膝の間に座ってもらって後ろから抱きしめるパターン。

乾も無事だったとは珊瑚から聞いた話になる。
良かった、って短く答えて微笑んだ。
相変わらず柊木とは仲がいいのだろうが、海外にいると聞くと素直に驚いてしまうしお土産は何だろうねと呑気な話を振ったりする。
乾本人はそれどころではなかったらしいが無事だったならとそういう話もしていこう。

 ところでこの頃になると珊瑚のスマホの中に大和の寝顔の写真があることには気づいてしまうわけで、その出所はどうやってもあの時なので顔を両手で覆って身悶える大和の姿が発生することになった]


  そうだ、珊瑚さん。
  なんかタヌキ明日にでも起き上がるんだって。
  見に行く?


[ずっと倒れたままだったタヌキは割れてはいなかった。
合宿の日、お弁当とお菓子を受け取る待ち合わせの場所に使った信楽焼はこの辺りの復興の証として復帰するらしい。

 少しずつ、少しずつ、街を元に戻そうとする動きは続いている**]


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ーーLINE/千映ーー

[グループLINEに僕が親近感を覚える後輩の文字が浮かぶと嬉しい気持ちに。

心配してくれてたのかな。

個人のLINEに返事を返す。]

(千映へのLINE)

疎開?そうなのか…
それはとても残念だし、僕は寂しい。

お別れ会を開きたいが難しいよね。避難なら一時的だが、疎開なら引っ越しだから、忙しいだろうし。


じゃあ、天体観測がゆっくりみんなで集まれる最後かな。

コウに聞くの了解。

そうだ、アメリカのお土産があるんだ。

七尾さんへのお土産は食べ物だから、天体観測に渡すのだと間に合わないと思う。

宅急便で送るよ。

[翌日、彼女の自宅に宅急便が届く。

中身はファットウィッチベーカリー」のブラウニー。

包装に可愛い魔女の絵があり人気商品だ。濃厚なチョコレート味のブラウニーはニューヨーカー女子に大人気。]**


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─バイクで移動 恵一と─

[見た目は完全に母さん寄りだけど、性格とかは割と父さん似なんだよな、俺。ま、あの短いやり取りじゃわかんないか。]

顔はな〜。ほら、俺って今有名人だし?
俺はケイの顔見れたから、それでいいんだよ。

[なるべく明るく話すけど、俺を取り巻く状況はあんまよくない。不用意に出歩いたら、知らん奴に高いとこから突き落とされて死んでもおかしくないレベル。あんだけ街壊したコーラと関係あるって思われてるもんな。避難所になんて行けっこないから、そこは敢えて流した。]

……ん、まあな。
あちこち傾いたり、水出なかったり、ガラス割られたりしてっけど。
住むとこあるだけ大分マシ、って感じ。
ケイんちが無事でよかったよ。

[うちに来てもらうことを選ばなかったのは落書きとかされてるからだし、ガラスはコーラのせいで割れたのもあるけど石投げ込まれて割られたのもある。それを「無事」って言っていいかわからない。ケイん家は本当に無事だろうから、そこはよかったなって思った。]


[話してて、思わず腕に力が入る。けど、バイクで風を切って走るのは気持ちよかった。俺が大好きな綺麗な世界は、確かにまだここに在るんだって感じられた。今だけは、やなこと全部忘れられる気がして。「ほんと、ケイが居てくれてよかった」って心の底から思った。]

そうだな、寄ろうぜ!
あ、俺スムージー飲みたい!

[もう夏もとっくに過ぎてるし、バイク乗ってたら体感気温大分下がるから、温かい飲み物の方がいいんだろうけど。なんか無性に飲みたくなって、俺は果物丸ごと入ってる冷たいスムージーを買った。メット取るのはちょっと怖かったけど、変装の甲斐あってか、街から離れたからか、特に誰かにバレることはなくてほっとした。]

海来るってわかってたら、水着持って来たのにな〜。
ま、さすがにもう泳げる季節じゃないか。
来年のお楽しみだな〜。

[買い終わったら、ケイの案内で海へ。陽の光で煌めく海を見て、俺は伊達眼鏡の奥の目を細めて笑った。人が全然居ないなら、マスクは外しちまおうかな。スムージーも飲みたいし。*]


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


ーー海辺/康生と二人ーー

 え、僕の顔?や、うん…そっか。

[意識不明で倒れていたなんて聞いたら当たり前か。

真面目な話、突然原因不明に倒れそのまま植物人間になる事例は沢山あるのだから。

それでも僕は、何処か嬉しかった。]


 ……そっか。でも、コウもご家族も無事で本当に良かった。

 うちはちょっと離れてるし。

 ロボット…動画を見たんだが、合宿で見た人型ロボットが勝ち続けているよね。

 あれ、なんだかアイツが僕らの味方でさ、地球護るために戦ってるように見えて。

 だとしたらカッコいいんだけど。…動画だからそう感じるんだよな、きっと。

 コウやみんなは間近で怖かったよね…。

[戦いに巻き込まれて家が壊れたり、人が亡くなったり。そういうのを考えたらカッコいいなんて。

しかし、こんな気持ちが何処か僕にはあった。親友だからこそ話せる。]


[しがみついた彼を、その存在をライダースーツ越しにも温かく感じる。

嗚呼、僕らは生きている。
僕らは生きているからこうして。

なんだかそう強く思った。]


[コンビニ前にバイクを止めて、シート下の格納スペースからショルダーバッグを取り出して肩に。

コンビニでは不思議とある銘柄のパンと珈琲が気になったが、僕は結局コーラを買った。

みんながあのロボットをコーラと呼んでるのを僕はまだ知らない。

彼はスムージーを飲むようだ。]

 それ美味しいよね!今年の夏はそのスムージーとスパムおにぎりよく食べてたよ。

[なんて話しながら、買い物を済ませたらリゾートホテルが海岸沿いに立つような綺麗なビーチにやってくる。

コバルトブルーとはいかないが、そこそこは澄んだ海。

合宿の時も海の近くだったが、ビーチで遊んだりはしていないから今年初めての海だ。]


[海岸線に添う道路には若干だがヤシの木まで植えられていて、なんだか雰囲気がある。

砂を踏みしめると靴底に不思議な感覚だ。]

 いや今泳いだら少し肌寒いよ。
 それに今日は話がしたかったから、遊びはまた後日にしよ?

 ーーなあ、コウ。

 砂のさくさくした感触、いいよね。

 ……あれ?

僕は自分でそう言いながら首を傾げる。なんだか、この台詞に懐かしさを感じた。何かドラマにでもあった台詞かな?

持参のビニールシートを敷いて荷物を置き、そこに2人で座った。]


 まずはお互い近況からだよね。僕の方から話そうか。
 ほとんど記憶ないから簡単だしーー。

 アメリカに避難したのは兄さんがニューヨークに留学してたから。

 去年の合宿、花火ではしゃぎすぎるコウを注意してた匡兄さんね。

 だけど空港着いたら急に目の前暗転してーー気付いたら病院。グループLINEした日。

 みんなに心配かけるから、LINEにはあんまり深刻に書かなかったけど、原因わからないし一生目覚めない可能性もあったみたい。


 ーー身体が弱い君の気持ちが良くわかった。
 怖いね、自分が死ぬかもって。
 独りになっちゃうかも、…て。

 でも復活したからね、僕。
 連絡つかない間、心配かけてーーごめんね。

[隣に座る彼の手の甲に、掌を重ねるのは許されるか。

波音が近く、遠く響く。

次は彼の近況を聞きたい。]*


メモを貼った。


─旅行の日─

「ふふ、二人の結婚式の、だよ?」


確かに花嫁衣装は憧れる。お母さんのヴェールを受け継いでの式にしたいから、神前式まで行かずともドレスを着て式に臨みたい。
その横には新郎の衣装に身を固めた命くんが居て。
結婚式のアルバムもしっかり作りたいな。
そんな思い出の結婚式にしたい。でもそれなら、と現実的な部分が顔を出す事もそう。
早くしたいけど…と逸る気持ちはあるけれど、それぞれタイミングが、ね?
入籍だけは先にしときたいなあ、と改めて思ったりしていたら。


「…それは、その、そうね…?」


そう。星が多い方が星座がわかりやすいの。
きっと私たちの星座は賑やかで明るい愛の星座だね。
ぽっと頬が染まるのは仕方がないよ。
頑張って、沢山元気な子を産むからね?


そして、一度離れてお風呂に入ることになる。
体を洗ってるだけだけど。
だって前回一緒にシャワーを浴びたら、こう…それはもう丁寧に…泡で滑るといつもと触られた感じが違ってえっちな声が沢山出てしまって…そういう時はもうダメとかもういいとか言ってもなかなか止めてくれないどころか…それだけで4回くらいイ…いや何でもない!
とにかく、ここは一応屋外でもあるんだからそんな声出せないし!
お布団敷く時に両隣は部屋付きの温泉がない部屋ですよ、なんて説明されたけど聞かなかったことにして。
頭を洗い、体も洗って泡を流して。


「命くーん。準備できたよー?」


湯船のあるところの淵に腰をかけて、体の前側を部屋にあった手拭いで隠しながら呼びかけた。**


─五回目の襲撃後─

「ううっ、命くんが重いって言った…!」


幸せの重みだろうが重いものは重いと解釈してちょっとめそっとするけど。
正直にいうと私の体重は微増している。
理由は言わずもがなでばれていたけど、最近少し胸が大きくなった気がする。と言うか大きくなってる。
アンダーが変わってなくてカップがキツくて、今のサイズだとムチッとしてしまうから早めに買いに行かないとなあ。
流石にその時は命くんはお留守番…?
ううん、あんなことがあったんだから一応来て貰って、買い物中だけ待っててもらう?
…ちょっと悩ましいです。育ったのは嬉しいけど。


それにしても、色んなことがあったけれど。
この街に関わる人もある程度規制されることになってホッとした。
わたしたちは何も悪くない。
何か原因はあったかもしれないけれど、必要があって戦ってたのかもしれない。
それは分からないけれど…。
政府からは何か発表はないんだろうか。
もう脅威は去りました、みたいに。
政府も知らないのかな。少し不安を抱えたまま日々が過ぎる。
そんな日々の中でやっぱり命くんと一緒にいるのが救いだった。
私もその座り方好き。全部抱きしめられてて、気持ちが落ち着くんだ。
その状態で勉強したり読書したり、食べる以外の座ってやることは基本的にここでしてる。
あっ、寝顔がバレた時は…うん。正直に下手人を告発しました。
でも、多分他には渡ってないと思うよ!とフォローして見たり…ごめんね?
その代わり私の写真何か撮って良いよ、と言って見たりね。
今は許可を得られたら、待受はプールでの二人の写真になってるはず。
楽しかったもんね!


「たぬき? あー、見にいく!
 あの子も無事だったんだね!」


信楽焼の狸さん。まさか復興の証となるとは!
倒れてたのは見たけど怪我もなかったなんて良かった。昔からあそこにいるもんね、あのこ。
そう言うわけで、命くんと手を繋いで見物に行く。
更地になったような場所も少しずつきれいな道になってきて、壊れた家もまだあるけど少しずつ傷跡が癒えていく、そんな街並みに目を細める。


「…やっぱりできればこの街にいたいな。」


そんな希望がぽつりと溢れた。**


─回想恵一くん+α─

恵一くんに柊木くんへの気持ちを相談されたのは、高校入学直後くらいだったと思う。
それこそその時は柊木くんとお互いに「珊瑚」「康生くん」と呼び合っていた頃。
康生くんに一目惚れしたらしい恵一くんからの圧が、もうね。
呼び出されて壁ドンされての付き合ってるのかの確認は本当肘鉄じゃすまないくらいビビったんだからね!
その時の私はまだ命くんにも想いを寄せる前だったし、説明が本当に面倒だった。
一先ず「お父さんの病院の患者さん」「小さい頃から入院期間よくあって、その時病院に遊びに行って仲良くなった」「幼馴染みたいなものだし親同士交流あるけど、だからこそ友達止まりだよ?」「と言うか私的には入院のイメージ強すぎて心配する対象になっちゃう」「そして食べさせ甲斐が無い。もっと食べてくれる人がいい」なんて説明ついでに私の好みも話す羽目になった。
それ以来は納得してくれたのか現在に至るわけ。


『同性でも異性でも恋は恋、愛は愛。
 男同士だから嬉しく無いかもしれないと思うなら
 同じことを柊木くんに言われたりされたりしたら
 どう思うかな、って想像して見たら?

 柊木くんが男だから好きなんじゃ無いでしょう?
 押し付けるのは良く無いと思うけど。
 愛も恋も自由だよ、きっとね。』


エール代わりにそんなメッセージを送っておく。
命くんが女の子だったらは今更想像できないけどね。
命くんそっくりの女の子なら可愛いと思うけど。
…それはきっと、なんて一人想像してほっこり。**


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─海辺にて 恵一と─

怖かったっつーか、まあ……。
俺も、ケイと似たこと考えてたけど。

[返事は、バイク乗ってた時はちょっと濁した。結局、海着いてから話すことになったしな。海外に居たケイがちょっと情報漁るだけで、俺に行き着くくらいだからまあ相当だよなって。]

[俺は運転するわけじゃねーから、ウィンドブレーカーの上からショルダーバッグを斜めに下げてた。足元もスニーカー。ケイがコーラ好きなのは知ってるけど、何となく目を逸らしちまった。ロボットのコーラを思い出すから。俺はコーラのことカッコいいって思ってるし好きだけど、複雑な気持ちだったんだ。]

あー、うまいよなスパムおにぎり。
スムージーと一緒に、とは思わねーけど!

[いつもみたいに笑えてるか、ちょっとだけ自信が無い。それでも俺は、なるべく普通にするよう心掛けた。変に心配掛けたくねーし。]

うん! 俺も、砂の上歩くの結構好き!
波の音も、風も匂いも海って感じでいいよな〜!

[並んで置かせてもらった荷物には、何だか見覚えがある気がした。今年はまだ海来てないはずだし、去年もこんな風にケイと荷物並べたりはしなかったと思うんだけど。変だな?]


近況、か……。
そんな大変なことになってたんだな、ケイ。
俺、便りがないのは無事な証拠とかって、勝手に思ってた。 ……ごめん。
匡先輩がアメリカなのは知ってたから、そっち行った可能性は考えてたし、だから無事だろうって思ってて……。
日本に居ないんなら、その方がいいとさえ思ってた。
そしたらケイは安全だし、何も言われねーから。
心配は、いいって。俺が勝手にしただけだし、大変だったのケイなんだしさ。

[俺は自分から「身体弱くて」なんて話はしないけど、珊瑚は全部知ってるし、俺も聞かれれば肯定した。だからケイは、入学してから割と早い段階で、俺が昔心臓悪かったってことは知ったんじゃないかと思う。今は(俺基準だと)完全に健康体なんだけどな。体力・持久力がゴミなだけで。]

俺の近況……そう、だな。
LINE見てわかる通り、みんなと天体観測会の準備してる。
七尾が発案してくれて、瑠璃川がマンション屋上使う許可取ってくれて、命がいろんなもん買ったり運んだりしてくれてさ。
日時ももう決まってんだけど、ケイは○月×日って空いてる?
もしかしたら、一晩中になるかもなんだけど。


[楽しい話をしようとしたら、みんなのことばっかりで、俺自身のことがすっぽり抜け落ちた。ケイが温かく包んでくれた俺の手は、多分冷え切ってたと思う。訊かれれば、何とか答えたけど。]


実は、コーラ……あのロボットなんだけどさ。
ケイも合宿で見ただろ?
あれ含めて、今まで五回出ててさ。
合宿の後、学校に二回出て。
そん次……四回目が、うちの真上。
つまり、四回連続で俺の真上に出たんだよ。

さすがに四回も続いたら、気付く奴も疑う奴も出て来てさ。
俺が中学まで学校行けてなかったのもあって、社会に潜り込もうとしてる異星人だの人殺しだのなんだのボロカス書かれてる。
うちは家も壊れてねーし、家族も無事だから……余計に。

五回目にコーラが出たのは俺の真上じゃなかったけど、それでも近かったから、疑いは消えてくれなくてさ。
俺自身も、自分がほんとにコーラと無関係なのかわかんなくなって来ちまった。
……夢、見るんだよ。最近。俺が、コーラのパイロットになって戦ってる夢。
それに…………なんでかコーラのこと、俺自身が悪く思えなくてさ。
……もう、自分が信じらんねぇんだ。

[笑ったつもりだけど、全然笑えてねー顔になってたと思う。こんな愚痴ってか弱音、吐く気なかったのにな。ノイローゼになってんのかも。心配掛けたくねーのにな。*]


メモを貼った。


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ーー僕らを結ぶ海辺/康生ーー

[彼が言葉を濁したのには、運転中気付かなかった。

僕はまだ、甘かった。

彼が晒されているのを知りながら、その影響がどんな風にあり、どれだけ苦しんでいるかを知らなかったんだ。

それを知るのはもう少し後。]

[確かにスパムおにぎりとスムージーの組み合わせは奇妙だろう、鰻に梅干しぐらいに。

だが僕は生姜焼きをコーラと一緒に食べたりするから。

彼の笑顔に翳りがあるのは気のせいか。メットを外して身バレを心配しているのか。

砂を靴で踏みしめる時は元気に見えたが。]


[僕がまず近況を話すと、彼は僕を案じながら謝る。そしてポロリを、する。

僕はそれを聞き逃さない。]

 謝らないで。連絡出来なかった僕のが悪いよ。

 ーー何も言われ……それって。

[僕は海外にいたから、何も言われなくて、良かった。
すなわち日本にいた彼は。

彼の心臓や健康面に関しては、珊瑚から聞いている。]

 うん、天体観測は楽しみ。
 その日は大丈夫だけどーー

 コウ?

 君の手、凄くーー冷たい。
 それに君は天文部の話ばかりだよ。


 僕はーー僕は君の事が聞きたい。

 ……何か、あったの?
 辛いこと?
 
 コウ。……話してくれ。
 僕らは親友だよ。

[僕は彼がバイクでの会話で言葉を濁したのを思い出す。

彼の抱えているものが知りたい。

重ねていた手の甲を持ち上げ、無意識に自身の胸に導く。
心臓の鼓動を伝える。

彼が積を切ったように話し始めた。
僕みたいに声を荒げる事はない。しかし、積み重なる言葉には彼の悲痛が滲む。

ぽたり、ぽたり。
まるで血が滴るような想いの告白に僕は驚く。]


 そんな、……そんな。
 君が異星人?ーー人殺し、だって?

 なんだそれ…ふざけてるッ
 君があんなロボットと関係あるはずないのにッ
 たまたまの出現位置からそんな憶測、無責任すぎるだろッ

 学校行けなかったのは健康面の事情じゃないかッ
 家が壊れないのもそんな理由なわけーー馬鹿らしいッ!

[彼が静かなのに僕が熱くなる。顔を真っ赤にして怒る。]

 夢?パイロット?

[ふと、僕の脳裏に漆黒の宇宙が広がる。
僕も奇妙な夢は見たが。

だからって、ロボットのパイロット?]


[

ーーロボットは、コアを。


             ……人、ゴロシ。]


 違う、君はーー
 君はッ!!

[心臓の鼓動では彼を落ち着かせられない。僕はガバッと彼を抱き締める。力の限り。強く、強く。]

 君が悪いことなんかーー
 何一つないッ

 君には一片の曇りもないッ

 ……君は。
 いつだってみんなのために。
 誰かのために。

 怖くても辛くても我慢して。
 心配かけたくないって。

 独りで抱えて。


 ……僕が。僕がいるよ。

 君を独りにしない。
 君を決して独りにしないッ
              ーーコウ。

[内側から溢れる、温かい濁流みたいな感情。

身体が弾け飛びそうなほど、僕の中で。

ーー彼が溢れて。]

[肩を乱暴に掴むと、真っ直ぐ彼の色素が薄い瞳を見つめーー唇を重ねようと。

舌を入れたりはせず、ただ包み込む。

その柔らかに愛を、癒しを、慈しみを注ぎたい。

僕の全身全霊にて。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


――旅行の日――


  うん! もちろん!


ヴェールを受け継いで式の前と最中と後に撮りたい。
アルバムはしっかりと、でもその時には一緒にいる星が増えているかもしれないけれど珊瑚も満更ではないようなのでいろいろと頑張っていきたい。
入籍だけはお互いに18歳になったらすぐにしたいけれどそうすると名前の変更が?
ここもまた相談しよう。

 いろいろと意気込みはあるけれど、珊瑚の口から愛の星座と聞くと大和はウワーって顔を赤くしてしまうのでその辺りも慣れないといけない。
珊瑚と同棲し始めてからまだ然程時は過ぎていないけれど慣れていないことは沢山ある。
触れ合うのも身を重ねるのもそう。
どれだけ触れても飽きないというか飽きるとかあるのだろうか。
珊瑚が止めても大和は止まらないし奥の隅まで最後は洗っていた?しやはりお風呂はいいものだと思う]


[そんなわけで露天風呂だけどいいお値段がするホテルということもあり音の対策はされている。
窓を開けている隣の部屋に聞こえるとかもないだろう。
流石に大声だと普通に響くかもしれないけれど。
それに閑散期なので隣のお部屋に人がいないようなので大丈夫。

 呼ばれるとはーいと着替えとかを持ってすぽーんとして珊瑚の前にはそろりそろりと現れた。
湯舟の縁に腰かける珊瑚は綺麗だった]


  今日は夜の女神みたいだよ。


[手拭いで前を隠しているけれど全部は隠せないだろう。
零れる横乳も麗しいし横腹のラインも綺麗だ。
それに濡れた手拭いは肌に張り付くから隠していても透けてみるものもあって大和はぐんぐんと元気になる。
前屈みになりながら頭と身体を洗って泡を流す間横目でちらちらと珊瑚を見てしまって、身体を洗い終わった後も前屈みで近づいていこう]


  おまちどうさま。
  その……本当に綺麗だよ。


[ちゅっ、と頬に口づけると腰に手を回そう。
プールにも入れる暑気だけれど夜は少しずつ涼しくなってきているから温まろうって湯舟の中に浸かろうって勧める]


  あ……でも、湯舟に手拭いは沈めたらダメだよ。


[おいで、と先に湯舟に脚を沈めて誘う合間に耳元でそう囁きかけて、大和はにっこり微笑んだ。
珊瑚が隠していた手拭いを外したら――外せるかな?
湯舟の中ではどの向きでお膝の上に座るだろう。
きっといつもより少し身体もよく温められるはずだ。
お空の星を見上げながらね*]


――五回目の襲撃後――


  えっ、ええっ!?
  重たくないよ! 全然重たくない!
  重みだからね、重たいじゃないよ。
  珊瑚さんは軽いからね??


めそっとしょげてしまう珊瑚を見て大和はすごい勢いで身振り手振り違う、違うんだと否定する。
宇宙空間ではないのだから重さはあるもので心地好い重みがあるのが良いのだが珊瑚は全然軽い方だと思う。
流石にこの前背負った子どもと比べると、うん、だがそれは比べる対象が悪い。
そう言えば最近お胸が大きくなったかなというのは気づいているけれどカップとかの話はよくわかっていない。
日々触れ合っているとなんとなく違う気がするというだけでお買い物にはついていくけれど店の中に入ると沸騰しきった感じになって動きがぎこちなくなるのは確かだろう。
ただ、毎日に近しく触れ合っているのでこの後も育つなら何度か機会があるのだろうけれど慣れるには時間を要する話である]


[脅威が去ったかどうかは政府にもわからないのだろう。
突然出現しはじめて、瞬く間に五回も襲撃があって未曾有の被害がでているのだから。
傷痕は深いが範囲は狭いのが地震とかと違うところだが地震と違って終わりが見えないのが難点か。
誰か教えてくれるならば教えて欲しいものだ。

 終わったと確信できたなら珊瑚も心休めることができるだろう。
ただ、珊瑚を抱きしめるように座る心地良さを覚えてしまった大和は襲撃が終わったとなってももう離れることはできなさそうだ。
珊瑚も離れることはないと思うのでホームポジションというやつだろう。

 下手人に関しては、おのれ乾いいいいい、と叫んだりしたが快復したのは喜ばしいことなのでそれはそれで喜んでいる。
戻ってきてすぐに皆で集まれないのが悔やまれるところだ。
交換条件のように出された珊瑚の写真だけれど――うん、普通の写真にしよう。
流出すると嫌だしね、ということでお料理作っているところとかお風呂あがりにくっ付いているところの写真とかになると思う。
珊瑚の待ち受けはこれからも変わっていくのだろうけれど、楽しかった思い出が映し出されていくのはいいと思っている]


[復興の証、タヌキくん、ちゃん?
珊瑚の家の周囲では一番シンボルになりやすい子で近くのお店や商店街とかも少しずつ復興していくことになるだろう。
最初は皆恐る恐るですぐに逃げられるように準備はしている。

 珊瑚と一緒にタヌキが立つのを見つめながらこてんと珊瑚の頭に頭を触れる]


  ん……そうだね……。
  少し離れたとしてもまた戻ってこよう。
  その時はもっといろんなことができるようになってる。
  この街で生きていこう。


[やはりすぐには全てが復興するわけではないけれど、それでも時間をかけて戻っていく。
珊瑚にとってはお義父さんとお義母さんとの思い出がある地だから、僕らもこの街でって約束しよう*]


─海辺にて 恵一と─

[ケイが重ねてた手を持ち上げ、心臓へと導いた。鼓動が伝わって来る。俺にとって心臓ってのは特別な場所で、「生きてるな」って実感や幸せを感じたり、命について考える時に触れることが多い。今は心臓に触れてなかったから、俺が死んでる…じゃないけど。俺を外しての話してたことに、ケイは気付いたのかもしれなかった。そこまでわかってなくても、自分の心臓に俺を繋いでくれたのは確かだ。]

……だよなぁ。バカらしい、よな。

[俺の半分死に掛かったみたいな心の代わりに、ケイは真っ赤になって怒ってくれた。それでも俺が情けない苦笑しか返せなかったからか、思いっきり抱き締められた。さすがに驚いて、目を丸くする。ケイは(俺とはまた違う感じで)変に距離近いとこあるけど、こんな力いっぱい抱き締められたのは初めてだったから。ちょっと痛いけど、そんだけ気持ちが籠ってんのはわかった。]


け、いち……?

[……あれ? ほんとに初めてだよな? なんか身に覚えがある気がする。こうやって、ケイに肩を掴まれたことがあったような────デジャヴに気を取られてる間に、俺とケイの唇が重なった。]

[俺は貧弱だけど衛生面の心配は無いから、付き合ってきた彼女にキスされたことくらいはある。でも、その度に「なんか違うな?」って感じがしてた。何がどう違うのか、俺説明下手だし、どう言ったらいいのかわかんねーけど。]

ん……、…………。

[ケイにされたキスは、「違うな」って感じが全然しなかった。何だろうな? 寒かったのが温められて、ほっとするような感じ。]

[だから親友とか、男同士とか、そもそもなんでケイは俺にキスしてんだろとか、多分考えなきゃいけないことはいっぱいあったんだろうけど。何でか俺は目を閉じて、そのキスを普通に受け入れてた。*]


メモを貼った。


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─旅行の日─

そう、シャワーの時は奥の奥まで…。
こうして家のいろいろな所にアレが置かれることになっていったんだった。
だから観測会の時はきっちり片付けなきゃね!
まあこの時は、…持ってたなら確信犯?だったのかなあ。
奥の奥までされてシャワーで疲れ果ててしまったから最終的にあまり憶えてないんだけど。

…まあそんな記憶もあったから、体を洗うのは別々にしてたんだけどね。


「もー、命くん凄く褒めてくれるよね。
 それなら命くんは星の神かな。
 命くんのおかげで私もキラキラできるの。
 命くんがいるから、元気でいられるの。」


確かに私の体は手拭いじゃ隠しきれない。
前面の大事なところは隠れてるけど、薄くて濡れてる手拭いじゃよく見ればツンと尖ったところとかも見えただろうし、昼間にプールで遊んだから薄っすらと日焼け痕も見えたかも。
胸の外側や腰のラインも仕方がないけど…。
元気になられると私も視線を泳がせる。
嬉しいけど恥ずかしい。頬を染めて、見ないことにしちゃった。
最近は命くんの体格がますます良くなって、ギリシャ彫刻みたいだなって思うことあるよ。
私には真似できないかっこよさ。


「ん…。」


洗い終わって隣に来てくれた命くんとキスをする。
ちゃぷりとお湯が揺れた音がして、私はそのまま入ろうとしたけど。


「えっ?あ、でも、ここは使用後にお湯を抜く仕様だし
 個人のところだからセーフ…じゃない?」


手拭いを入れちゃいけないのはそんな理由で大浴場だけでは?
なんて思ったけど、にっこり微笑まれながら断言されちゃうと…もう、断れないよね。
ううー、と小さくうめいてから目を逸らして、そっと手拭いを外しながら湯船に浸かる。
本当は隣に並んでまったりしたかったけどお膝においでされるから…大人しく、後ろから抱きしめられる体制を選んだ。
う、ちょっと浮力で胸が浮いてる。やっぱり大っきくなったかも…としみじみ。


「星綺麗だね…。今日本当楽しかった。
 一緒に来てくれてありがとう、命くん。
 これでまた頑張れるよ。」


まあ、本当はこの後にもショックなことは起きるのだけどね。
でもこの時は本当にそう思ってた。
また頑張ろう。病院でもみんな助け合ってる。
学校もそのうち再開するだろうし受験に向けてだって頑張らなくちゃ。


今日は、そのための先取りご褒美?
もしくは心のお疲れ様会。


「温泉もあったかいし、体もほぐれて
 もうサイコーだよね…。」


お湯の温かさで肌が桃色に染まっていく。
裸ではあるけれど、背中を向けているのもあって私はほんにゃり気が抜けて、命くんに背を委ねた。**


ーー君と繋がる/康生ーー

[もしも眼を閉じても、胸に触れたら人は感じるんだ。

鼓動を、脈動を。

血を全身に循環させる、身体のすべてに行き渡らせる心臓は生きる中心だ。

規則正しく刻むリズムは、人を生かす音だ。

聴かせる事で、聴く事で。
存在を知らしめる。

共に在る、見守っている、
独りの身体じゃない。

そして想いが集約する場でもある。好きな人に触れられたら、ドキドキしてーー速まる。

伝わる?


[君は独りじゃない。
そして僕も、独りじゃーーない。]


[彼は少しぽかんとしたような、記憶を探るような顔をしたんだ。

薄紅の花弁が咲いて。
僕は蝶が導かれるよう。
その蜜を求めた。

ーーもし、いつか何処かにあった可能性のように。

僕自身が寂しくて。
独りぼっちが嫌で求めたら、それは彼の今までの恋人と同じだったかも。

今の僕は、彼の寂しさや苦しさ、孤独を埋めようとした。

僕の唇で。]


[重なりあった運命は。
ゆっくりまた歯車となりーー
僕らの刻が動き出す。

ほんの刹那の触れ合いだったにも関わらず。
初めての、しかも恋しい彼との口づけに酔いしれて、僕は頬を熱くした。

そ、と離れ強めに掴んでしまった肩を離す。
瞳をゆらゆらとさせ。]

 ーーあのッ、これは。
 君が、辛そうでッ

 ……僕の大切な君が。
 それだけじゃ、ない。
 好き、だから。

 僕は君をーー好きなんだ。


[見開いた後に彼を捉える。心臓は早鐘みたい。汗もかいて、ただ、ただ彼を見つめ。

愛しさに溢れ。]

 聞いて、くれる?
 ーー僕の気持ちを。

[ザーン、と一際高く白波が砂を拐う。

僕は静かに話し出した。]

 ーー君が好きだ、コウ。

 入学当時君に出逢った瞬間、電撃に打たれたみたいになって。

 でも君は男だし、この気持ちは何?とパニックに陥った。

 一目惚れ。そう言ってしまえばそう。だけど、それは結局君の容姿が見目麗しく惹かれたに過ぎないよね。

 評価、に近いかな。


 君は綺麗だ、と。

 でも僕はーー同じクラス、部活になり。

 みんなに囲まれて朗らかに笑う君。
 教室の掃除だろうが体力的に苦手な運動だろうが精一杯楽しもうとする君。
 成績が良いだけでなく、物事の判断も速い君。
 困っているクラスメートがいたら手を差し伸べる面倒見がいい君。
 たまに大胆で羽目を外しおっちょこちょいな君。

 全てが輝いていた。
 君の内面から光が溢れていた。

 君は人を惹き付ける。
 魅力があり価値がある。

 ーー君は素敵。
 僕の心を引き寄せ、狂おしく締め付ける。


 君の傍にいるとドキドキする。
 嬉しくて愉しくて仕方ない。
 君に触れると身体が熱くなる。

 君を想うとーー想うだけで、胸がいっぱいになるんだ。

 これは恋だと想う。
 僕は君に、恋をしてるんだーー。


[最初の一滴は小さな。
でも、僕の心をじわじわと侵食して。

やがて自覚に至る。

本当に好きなら、その相手が男か女かなんて、相手が自分を好いてくれるかくれないかなんて、些細なんだよ。

ーーつまり。
僕は柊木康生に恋をしている。

『よく、恋は落ちるものっていうよね。
 いつの間にか好きになってるの。』

 彼と初めて会った瞬間から僕は目が離せなくなり、いつの間にか今までの、他の友達に感じる友情とは異なる好きの感情を持っていた。


『友情は信用と信頼で成り立つけど』

そう、友達としても僕は彼を好きだ。

『性的な欲求とも、違うと思う。』

彼に恋を自覚してから、キスしたいとか身体に触れたいという気持ちが、彼にだけ芽生えはした。

そういう欲求が先で、誰でも良ければ恋ではない。

『友情だったら"いいって事よ!"で済むのが
 恋愛だったら"もっとしてあげたい"と
 "察して欲しい""自分にも返して欲しい"になる?』

彼に僕の気持ちを察してほしいと思った。
彼が僕を恋愛的な意味で好きになり、気持ちを返してくれたらと願った。
勿論、彼が嫌がるなら話しは別だが。


『もっと笑顔が見たいとか、
 何かしてもらえると他の人より嬉しい』

勿論だ。笑顔が見たいし、彼に褒められたり触れられると誰より嬉しい。

『自分より優先したい相手なら』

言わずもがな。もし僕が死ねば世界と彼が生きるなら、僕は喜んで死ぬ。

『狂おしいほど相手が欲しい。奪いたいくらい。』

彼が珊瑚と幼馴染みで仲良しなのを付き合っていると誤解し、僕は明確に嫉妬した。

『隣にいるだけでドキドキするとか。
 ほんのちょっとしたことが嬉しい、とか。』

手の甲が触れるだけでドキドキした。
彼が僕の顔を見たいと言っただけで、嬉しかった。

ーー珊瑚に、僕はこう答えたんだ。]


[僕は恋をしている。
まるで坂道を転がるように、抗いようなく、恋に堕ちた。

たった一滴が花開く。
たった一滴を僕は、噛み締める。

珊瑚は言った。

『同性でも異性でも恋は恋、愛は愛。
 男同士だから嬉しく無いかもしれないと思うなら
 同じことを柊木くんに言われたりされたりしたら
 どう思うかな、って想像して見たら?』

 とても悲しい。そんなこと気にしないで欲しいと思う。
 気持ちが嬉しいから。]


[『柊木くんが男だから好きなんじゃ無いでしょう?』

 うん。彼だから、好きなだけ。

『愛も恋も自由だよ、きっとね。』

 ありがとう、珊瑚。
 
 想いを伝えた後息を吐く。

 何処までも澄んだ青空が僕らの頭上に広がっている。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


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――旅行の日――

あの日は一日中くっついていたからどこに行くでもあれは持ち運んでいた気がする。
それまでにもたくさんしていたから珊瑚が疲れ果てさせてしまったのでそれからは少し自重するようにしている。
確信犯と言えば確信犯だった。
トイレ以外片時も離すつもりがなかった。

 珊瑚を褒めるのは大和にとっては平常運転で、逆に褒められると慣れてないものだから、おうふ、って顔を赤くして目元を手で覆ってしまう]


  僕は珊瑚さんがいるから……。
  珊瑚さんの傍が居場所だって思えてるんだ。
  キラキラで元気でいてくれるなら嬉しいんだよ。


[星の神と夜の女神ならお似合いかなって頬を掻きながら苦笑い。
嬉しいけれど恥ずかしい、そんな気持ちを抱きつつも珊瑚の肌を見るのは別の意味で嬉しい。
お胸の尖ったところとか日焼け痕にはどうしても視線が向いてしまうからきっと永続的に魅了されているのだろう。
大和の元気なところを見て顔を逸らしてしまうのを見ると余計に元気になってしまう。
頬も染まってとても可愛い]


[もっと見たいからってお風呂ルールを急遽適用したらうめきながらも外してくれた。
後ろから抱きしめながらお空を見上げて、時折珊瑚の首筋や肩にキスをしていく]


  僕も楽しかった。ありがとう。
  初めての二人旅行だものね。
  でもね、無理しすぎないでね。
  頑張って倒れそうなときは僕が支えるから。


[こうやって、ってぎゅっと身体を抱きしめる。
襲撃は後何回続くのか、ずっと僕らの街なのかもわからないけれど――預けられた身体を自身の身体で支えて桜色に染まる肌にキスを落とし続けていく]


  ほわああってするし、珊瑚さんも可愛いし。
  たくさんのんびり過ごせていいよね。


[スキンシップを続けていき、湯に浮かぶおっぱいを水中から手のひらで持ち上げては重みを感じたりしているとお疲れ様会にはならないかもしれないけれど――おっぱいから手を離して珊瑚の手に触れると握る]


  今日はもうこのまま休む?
  それとも――。


[と耳元で囁いて、ぱくりと耳朶を唇で甘く食んだ*]


―― LINE:甘い味 ――


 『えへへ…お別れ会、ありがとうございます』
 『でも、学校もお店も皆さんも大変ですし、
  だからせめて天体観測会が
  上手くいったらな、て思ってます!』
 『たくさん盛り上げましょう〜!』
 『(ハチワレねこが拳を突き上げてるポーズ)』


[こちらが勝手に巻き込んだ企画ですが、
 ここはもう元気に協力を仰いでしまおう!と。]


 『えっ、お土産ですか…!?』
 『わ、わ、ありがとうございますっ!』
 『ちゃ、着払いでお願いします〜!』

 



[そんなやり取りを重ねつつ、最後は
 「では、天体観測会で!」なんて言葉で
 先輩とのLINEは終わりました。


 その後届いたのは…甘いあまいお菓子。
 手描きの街並みと魔女の女の子のキャラが
 可愛くて、包装ごとに少しずつ味が違っていて
 どれも美味しくって…。

 お母さんにも、…お兄ちゃんにも分けてあげて、
 家族みんなで美味しくいただきました!と
 うさぎのスタンプを付けながら
 後日先輩へとLINEでお礼を伝えました。

 ありがとうございます、乾先輩!
 先輩にも甘くて良い事が起こりますように。**]
 


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─復興の兆し─

政府から、もうロボットによる襲撃の危険性はないと発表されて世間はまた騒がしくなった。
どうしてそれを政府が把握しているのか。
もしかしたら発表元は軍の関係だったかもしれないけど、それによって私たちの学校が関係しているかもしれないと言う噂は少しずつ消えていった。
完全には消えていない。けれど、少数派意見というヤツ。
そして日本の復興力は凄かった。
前にも震災後とか道路陥没後とかの動画を見たことがあったけど、街はどんどん綺麗になっていく。
マンションも病院も補修工事はするけれどなんとか持ち直して行けそうとのこと。
良かったね、と命くんと話しながら狸さんの前を通りつつお買い物をしていく。
学校も復活するらしいけど──そちらは後手になってしまっている。1番被害が大きいあたりだからかもしれないし、生活に絶対的に必要、では無いからかも。
今年度はオンライン講義がメインらしいけど、来年度は他の学校への転校も視野に入れられてるらしい。


「そう言えば、命くんはどうするの?
 学校とか…家、とか。」


だから、街を歩く中でそんな話題も自然と出た。
私はちょっと悩んでることがある。


「専門には行こうと思ってるんだけどね。
 わざわざこの街を離れて別の高校…もあれだから。
 今の学校に残るか、いっそ
 高卒認定試験でも受けてから専門かなって。
 高卒認定試験って中学から高1が範囲らしいし
 マークシートだから希望持てるなって!」


マークシートは勉強苦手な私にとって希望です!
答えが全くわからなくても何分の一かで正解できるんだから!
あと、16から受けられるらしいし出題範囲も狭いなんて嬉しい事ばっかり!
まあ、それに…。


「専門や大学に進学したら、
 絶対離れてる時間ができるのに
 学校に行って別のクラスだったらやだな。

 …なんて、ワガママすぎる?」**


─海辺にて 恵一と─

[俺にとって恋愛は、よくわからないもんってのが正直なとこだ。なんかうまく行かねーし、伝わんねーし、何かが違う。そんな感想を持ってた。他に楽しいこといっぱいあるから、別にそれをしなくてもいいよなって。 ……そう、思ってた。]

[けど、この時の俺は、どうしようもなく傷ついてたし、凹んでたし、参ってた。父さんも母さんも居てくれてるのに、迷惑掛けてばっかな気がしてて。そんなことないはずなのに、なんでか世界中に嫌われてるみたいな感覚があった。酷く独りぼっちのような気がしてて。俺が死んだらいいのかな、って。そんな気持ちもちょっとあったんだ。]

[でも、ケイから伝わって来る少し早い鼓動も、温もりも「そうじゃない」って言ってくれてるような気がした。それが俺の勘違いじゃないってことは、この後続く言葉で証明された。]

好き……? 俺のことを?

[辛かったのは、とっくに見抜かれてた。「聞いてくれる?」って言われたから頷いて、ケイの言葉を待った。 ……や、正確にはちょい違う。言葉を待ったわけじゃない。こんなこと言うと怒るかガッカリさせるかさせそうだけど、言葉は別に要らなかったんだ。]


[なんか俺の顔がいいらしいってのは、今まで告白して来た子達も言ってたし、そうなんだと思う。だから、ケイに言われても「男でもそう思うんだな」って感想だった。]

[俺が感じてたのは、もっと奥。ケイの────恵一の心臓だった。繋いで貰ってから、ずっと手を置いてた場所。そこが言葉の通りにドキドキして、体温を上げるのを感じてた。俺と居るから、俺を想ってるからそうなるんだって。当たり前だけど、女子の胸に手を置いた状態で告白を受けたことなんてないから、こういう体験は初めてだった。]

──……そっか。
ケイは俺に恋してて、俺が居ると嬉しいんだな?

[微笑んで、確かめるように手を少し動かす。ケイの胸元を撫でるような動作。言葉よりも明確な返事が返って来て、嬉しさが顔に出た。 ──ああ、俺はここに居ていいんだなって。久し振りにそう思えたって言うか、息を吹き返したみたいな気分だった。]

サンキュ、ケイ。すげー嬉しい。
俺も、ケイが居てくれて嬉しいんだ。
だから、えっと……どう言ったらいいんだろうな? これ。


[ケイがくれたのと同じものを返せるかはわかんなくて、返したい気持ちはあって。俺がケイをどう想ってるかなんて難しいこと、今考えたってよくわからない。俺が好きってのはわかったけど、だからケイはどうしたいのかってのも、よくわかんねーし。結論が出たところで、うまく説明できるかもわからない。]

[だから俺は、息を吐いた後のケイに顔を近付けて、同じように触れるだけのキスをした。同じくらいの刹那、重ねて離れて。]

…………説明、下手なんだよ。俺。

[知ってるだろ、ってはにかんだ。*]


メモを貼った。


─旅行の日─

ふふふ、照れてる命くんはレアだよね!
それが見られて私も嬉しい。私も恥ずかしくはなってるんだけど。


「うん、ありがとう…いつも支えてもらってるよ。
 本当に、ありがとう…。」


キスを落とされ、抱きしめられる。
それだけでとても心が落ち着くし、また一つ思い出が増えていくのを感じていた。
やっぱりこの体勢だと胸を触りやすいよね。ふよふよ、ふわふわ、むにむにと触られると時々甘い声が漏れちゃうけど、私はその手を跳ね除けたりしないんだ。
そうなることも込みでの一緒のお風呂だもの。
その手が離れて、私の手が握られる。
ちゅぷっ、と耳元に湿った感覚と音が伝わって、びくぅと肩を跳ねさせた。


「んんっ! ん、…休ま、ない…。」


握られた手を私も握り返す。
そして、多分お尻あたりにあるんだろう、命くんの元気になった部分にお尻を押し付けてゆるく上下に動いてみる。少しお尻に力を入れて、谷間に挟み込む感じ?


「い、いつも、私ばっかり気持ちよくなってるから
 きょ、今日は、私が気持ちよくして…あげたいな?
 ほ、ほら、私いつもしてもらってばっかりで
 だからそのぅ、…今日くらい、ね?」


とは言っても大事なアレはお風呂場に持ち込んでない。
肩越しに振り返りながら、上下に動けばちゃぷちゃぷ湯船に波が立つ。
とは言ってもやり方をそんなに知ってるわけじゃ無いから、聞きかじりの知識でやるしか無いんだけど…。


「だから、どんなふうにしてほしいか
 私に…教えてほしいな?」**


メモを貼った。


――復興の足音とともに――

政府発表は鶴の一声となった。
復興支援金が組まれれば街が息を吹き返す速度も早まっていく。
ただ全てが一切合切同時に復興されていくわけではないので日々少しずつ形を取り戻していくようだ。
マンションも病院も持ち直していくならば更に一安心できる。
一番被害が多いのは学校付近で、続いては星となった穴と穴を繋ぐ断裂だろう。
その辺りが時間がかかりそうなのは仕方ないのかもしれない。

 身近なところで言えば狸さんの前を通りながらしている買い物で感じられる。
街の人に生気を感じられるし精力的に動いている。
買い物でも商品が切れることは少ないし買い物客も多くなる。
買い物の荷物は大和が重たいものを大半を持っている。
隣に並んで街並みを眺めながら歩いていると振られた話題に少しの間言葉が出なかった]


  あー……家は両親名義だからどうしようもなくてさ。
  そもそも借りてるから大家さん次第だし。
  だから家は珊瑚さんと住めたらいいなって。


[大和が住んでいた築60年以上のボロアパートも復興の手が入るのに時間がかかる区域にある。
あそこが復興するのも来年だろうし大和のネックは成人するまでは両親になる。
これだけ騒がれていても一切帰ってきたりしないのだから愛想も尽きるというものだ]


  学校も……かな。
  引っ越しとか転校とか手続きできないから。
  僕は今の学校に残ることになると思うんだ。


[ぐう、と唸ってしまう。
珊瑚は家に居て高卒認定試験を受ける方向で一緒に居られる時間を維持していたいらしいが、大和は縛りが多すぎて二進も三進もいかない。
望みを叶えてあげられない不自由さがもどかしいと同時にわずらわしさを感じてしまう]


  ワガママじゃないよ、僕も珊瑚さんと一緒に居たい。
  ただ……うんん……。
  来年は疎開とかで人が減ってそうだし、
  クラスは一つ……なんじゃないかな。
  それにオンライン授業ならみんな同じ授業だよね。
  すぐに決められなくてごめん。


[オンライン授業ならまとめて同じ時間割りでやるだろうし、クラス割りも同様に1クラスで纏まるくらいしか残っていない気がする。
学校に通いながら高卒認定試験を受けられるなら――とも思うがそこは加賀先生あたりに聞くしかないだろうか]


  今が幸せすぎて、離れ難すぎるね。


[そう苦笑しながらマンションに入ると大和は珊瑚にキスをする。
はっきりと答えてあげられなくてごめんねと口づけを交わしてから――]


  一日二十四時間珊瑚さんだけ見つめていたいのに。
  世の中世知辛いな。


[最大級に我儘なことを大和は口にすると情報を集めながらもう少しゆっくり考えようと語る*]


ーー告白、そして/康生ーー

[僕が気持ちを説明する必要がなく。僕は彼に一番の安心や、わかりやすい"想い"を伝えられたなら、それは幸いだ。

説明をしたのは、もし僕が誰かから好きだと言われた場合、嬉しいのは勿論だけど『どこをどう?』が聞きたいと思ったから。

でも彼は、僕とは違う純粋過ぎる、ピュアすぎる心を持っているから。

疑うなんてなかったんだーー。]


 うん。君が好きだ。
 好きは色々あるけど、友達への好きとは違うんだ。

[話しながら僕の声は上擦り、鼓動は速くなる。

彼の掌の熱をしかと感じながら。]

 ーー嬉しい。
 君じゃないと駄目なんだ。

[友達だって親友だって欠けがえない存在だけどーーこのときめきをくれるのは彼だけだ。

抱き締めて、唇を合わせ。
今も彼が触れていると想うだけでこんなにもーー

溢れる泉のよう。]


 嬉しいの?ーー。
 良かった…良かった。

[大好きな彼を困らせたくない。だからずっと、恋人がいる時は伝えないと決めてきたのだ。

勿論いなくとも困らせる可能性はあったが。

僕の目頭が熱くなり、涙腺が緩む。まるで懺悔をして赦しを得たみたいに救われる。

そして。]

 ーー……ッ

[余りの予想外。僕は真っ赤になり、完全に固まった。
全身にビビッと痺れが走り。

一瞬末端な手足まで伝わり震えたがーー二人のしっとりが馴染んだら弛緩。

暫しうっとりと。]


[これどういう意味のキス?と思考が回ったのは離れてからだ。

彼の言から推察出来るのは、キスが、行動が答えだということ。]

 う。照れる…でも、
 ーーありがとう。嬉しい。

 僕はこういう関係って初めてだから、少しずつ確かめて行きたい。

 二人で何をしたら心地好いか。気持ちいいか。

 ……君が嫌でなければ、これからもっと触れたい。もっと。

 君の身体に。

[熱い頬を持て余しながら彼を見つめる。

こうして僕らは特別な関係になったーー。]


[さて、何処かの僕ならその場で押し倒したかもしれないが。
僕はそこまでの野獣ではない。

ーーそこそこの野獣だ。]

 指輪が欲しい。ペアリング。
 そういうの、つけるのやだ?
 
 シンプルで安いのでいいから。一緒に買いたいな。

 勿論、君への攻撃や誹謗中傷が鎮火したら。
 いつか消えるよ。
 それまではどうか、気をつけて。

 ーー独りの身体じゃないんだよ、もう。

 君と僕は一緒だから。

[僕は彼の肩を抱き寄せ、凭れさせる。身をひたりと合わせて海を眺めた。]


 ーーごめんコウ。お手伝いに行きたい。

[ロマンチックに浸っていたのだが、コーラを飲んだら僕の膀胱が主張した。

見渡し、僕はリゾートホテルを指差す。]

 あそこで借りるよ。コウ、一緒に来て。君を独りにしたくないから。

[決して独りでトイレに行けないわけではない。]*


メモを貼った。


――旅行の日――

最初に救われたのは大和の方なのだ。
だから支えるのは当たり前だし、でも感謝されるととても嬉しい]


  これからもずっと支えていくよ。


[と言っておっぱいを水面下で支えているけれどそういう意味ではないのは確かである。
この体勢はおっぱいを触りやすくていい。
向き合うとキスがいっぱいできるし、横抱きは甘やかしている感が強く一番密着度が高い気がする。
珊瑚はどの体勢が一番好きなのだろう。
耳が弱いことだけは確かなのだけれど]


  うっ……んん……。
  休まないなら、いっぱい好き合おうね。


[握り返された手をふにふにするけれどお尻で元気なところを刺激されると気持ち好さに声が漏れてしまう。
柔らかなお尻の圧にたじろいでしまい、同時にあと少し前ならばと腰を動かしてお尻に擦り付けていってしまう]


  そんなこと……ないよ?
  珊瑚さんが気持ち好くなってくれたら、
  僕も後で気持ち好くなれるしね?

  でも、折角だから――。


[4回程至った後の珊瑚の奥はとても心地好い場所なのでそれは真の話。
きっとあれがなければもっと気持ちがいいのだろう。
あれがない時が初めてなのでその感覚は覚えてはいるのである]


[それに、もう無理状態になった珊瑚はとても可愛い。
だから大和は珊瑚に気持ち好くなってもらおうとするのだが、今日くらいはと言われると、それなら、と流されてしまう。

 肩越しに振り返ってくれると唇を重ね合わせて舌を絡めあい、どんな風にと問われると少し悩んでから向かい合うように反転してもらう。
珊瑚の身体が離れると大和は波をあまり立てないように立ち上がり湯舟の縁に腰を降ろして脚を開いた]


  えっと……それじゃあ……、
  珊瑚さんのお口と手でしてくれると嬉しい、かな。


[お尻を当てられて一層元気になったものを水面から直立させて先ずは舌でお願いしますと先程まで絡めていた舌をご指名させていただいた*]


─復興の兆し─

そっかあ、それはそうだよね。
あの獅子座と蟹座も消えてしまうのは少し勿体無い気もするけれど、それだけ深い傷痕を残したものでもあるから…直されていくんだろう。
あの獅子座と蟹座には意味があったのかな?
M44の所でその戦いの時には消えたらしいけど。
中国では積屍気と呼ばれる、死んだ人の魂の天に行く時の穴と呼ばれるらしいけど。


「そう言えばご両親は…探さなくて良いの?
 あんまり聞かない方が良いかなとは思ってたけど…。
 まあ、学校とかはしょうがないよね。
 大事だし、今のこの状況が普通じゃ無いもん。

 …なーんて。
 もし子供ができたらもっと大変らしいよ?
 だけどもっと幸せだと思う!」


私としては提案しただけだから、仕方がないなら仕方がないなって。
くすくす笑いながら私もキスを受け止めて、指先を絡めて手を繋ぐ。
お買い物の途中だったけど、なんとなく歩く先を変えていく。
なんとなく気になったの。例のM44地点。
流石に大穴に落ちないように立ち入り禁止のテープが貼ってあるだろうけど。
もし聞かれたら素直に言おうかな。
獅子座と蟹座が気になっていたこと。
その地点の謂れと、そこで消えたロボットたちのこと。
他の場所はあまり気にしてないのだけど、そこだけは本当に少し…気になっていた。
だから、塞がる前に行きたいなって。


「今のことや将来のこと、
 悩めるのはきっとそれだけ平和ってことだもん。
 普通なら学校が違って当たり前、
 仕事で日中会えないのが当たり前なんだから

 今は今の幸せを満喫しましょ?」


現場に近づいていくと、ロボットの襲来がないと発表されたからか。
性根逞しい人たちが屋台を出していてりしたけど、その中で私は花屋さんを見つけて花を少し買う。
献花する人も居るんだろう。
私は、ピンクと白を基調とした花束を買った。


「…なんとなくね。
 M44の所は、色んな人の魂が集まってる気がして。」


そんなことを呟きながら、その場に近づいていく。
少しずつ、復興の手がまだ及んでない場所へ。**


メモを貼った。


─旅行の日─

いっぱい好き合おう。そう、いっぱい好きっていうし、いっぱい気持ち良くもなってもらいたい。
私自身も繋がりたい。
でも、私が気持ちよくなったら…のくだりはよくわからないんだよね。そこは男女の差なのかな?
自分の内側の感覚なんてわからない。でも、確かに何度も果てた後はものすごく敏感になってて、もうダメえってなりがちな気はしてる。
あと、私側はあんまり変わらないんだけど、アレがなかった時の感覚は──、満たされてるって感じはとてもしたんだ。
感覚よりも受け止め方かもしれない。
あの時は痛みもあって、だけど気持ちよくて、不慣れな行為にいっぱいいっぱいだったから今そうしたらまた感じが変わってるかも。
でも、それはまだね。
早くしたいけど、それには私たちが責任を取れる大人にならなくちゃ。
それまでは、ね。せっかくの二人きりの時間を楽しんで行こう。


「ん…♡」


肩越しにキスして、振り返り様に首筋に縋りついた。
舌先を絡ませながら横抱きに座る姿勢になって。
唇を話した後は一度離れながら向かい合う。
そして水面からぴょこんと飛び出た大和くんのそれにぎくんとしたけど(何せ、ここまで間近のご対面は初めてかもしれない!)赤面しながらもしてあげたい事はそういう事だったから。


「う、うん…。お邪魔します。」


両足の間にすいーっと近づいて、ドキドキしながら大和くんのに手を伸ばす。
両手で位置を確認して固定して、ちゅ、ちゅ、とキスをしたり、舌先で突いたり舐めたりして。
自分とは全く違う匂いがして頭がくらくらしそう。
上目遣いに見上げながら、口の中に含んで頬張って見たり。


「んっ、ふ…ん、んん…っ。」


ぎゅっと膝を閉じ合わせながら、舌全体を竿に押し付けて擦っていく。
気持ち良いかな?大丈夫かな?と、命くんを潤む瞳で見上げながら。**


メモを貼った。


─海辺にて 恵一と─

[ケイが伝えてくれた鼓動も、熱も、言葉だって、俺はちっとも疑わなかった。だって、ケイだし。俺の中では、それで十分だった。]

うん。 ……ガッカリさせたらごめんな?
俺は、ケイと居てこんな風にドキドキしたことはない。
でも、いつか同じになれたらいいって思ってる。

[「友達への好きとは違う」への俺の答えは、こう。ケイが「君じゃないと駄目」って言うなら、俺が同じになるしかないし、なりたいと思ってる。だから、嫌じゃないし困らないし、同じもん返すつもりあるよって意味でキスを返した。]

[そんでも、俺はケイの気持ちの全部をわかってるわけじゃねーから、もしこの瞬間押し倒されてたらさすがにビビッたと思う。ビビッてどうするかはわかんねーけど、確実にビビッてたのは確かだ。「もっと触れたい」って言われても、その先のことまでは深く考えてなかったくらいだから。]

ん、いいぜ。ケイに触られてやだとかねーし。
ペアリングも……うん。
今すぐ買いに行くのはムズいかもだけど、着けんのは嫌じゃねーよ。


独りの身体じゃ…って、俺に子供でも居るみたいな言い回しだな?
や、うん。ケイの言いたいことは、何となくわかるよ。
そんくらい、俺のこと心配してくれてるってことだろ?

[俺になんかあったら、ケイは死んじまいそうだよなって──なんでだろうな、そんな感じがした。だから俺は、身体の中に別の命がなくたって独りじゃねーし、命を大事にしなきゃなって思ったんだ。ケイに凭れて、ケイの体温を感じながら、「ケイを置いて死にたくないな」って確かに思った。]

……ん? 便所? いいけど。

[言われて、立ち上がって付いてく。今の俺、目を離したら襲撃されて死んでましたとか普通にありそうだもんな。そんなのは俺も嫌だから、大人しく付いてった。]

[ちなみに家族旅行だけど、心臓が良くなってから2回行った。父さんも母さんも俺の体調最優先って感じだったから、のんびりペースでのだったけど、ホテルにも泊まった。もちろんここじゃなかったから、俺が「すげー」って言いながら、辺りを見回してたのは一緒だった。*]


――復興の兆し――

獅子座と蟹座は範囲があまりにも広いから残しておくと復興に支障がでると思われる。
ただ、あの穴と断裂はすぐに消えることはないことは確かで航空写真とかもたくさん撮られていくだろう。
あれの意味は――よくわからないけれど何か残したかったんじゃないかなって思う。
今の大和には珊瑚がいるから満たされていてよくわからない。
ただもしも失ったらと思うと胸が張り裂けそうなくらいに痛くなって、その痛みもまた世界に留まるには足らず――あれは一種の墓標なんじゃないかな]


  うーん……正直、探しても出てこないと思う。
  それに今更な気もするし。
  僕の家族は珊瑚さんだもの。


[何よりも珊瑚とお義父さんに迷惑をかけたくないしこのまま失踪しておいてもらったほうがいいと思っている。
血は繋がっているけれど縁は既に切れている。

 学校のことはなるようにしかならないだろうけれど、オンライン授業なら家から一緒に受けられるし受験シーズンまでは今までくらいの時間を一緒に過ごせるだろう]


  うん、幸せになろうね。
  珊瑚さんに負担がかからないように頑張るよ。


[子育てとかも勉強しないとなあとまだ先になることを考えておこう。

 いつも通り手を恋人繋ぎにして街を歩く。
どこに行くのかなと行先は珊瑚に任せてぶらりぶらり。
どこもかしこも瓦礫の撤去で忙しそうだった。
長期休暇になったら大和も雇われて――そうするとまた一緒にいられる時間が減ってしまうから困る。

 大穴は迂回して断裂には鉄板を通した橋がかかっている。
渡るとからんころん音がして落ちないかだけ少し心配になるが車が通るのだから大丈夫だろう]


  ……それは、そうなんだけどね。
  これは贅沢な悩みなのかな。

  幸せは、毎日いっぱいもらっているよ。
  今ももらってる。


望んでいた幸せがここにある。
消えてなくなってしまわないようにと手をしっかりと握り直した。

 近づいていくM44の痕。
これ以上は危険ですよと示すようにテープが何重にも張り巡らされていて、その周囲ではM44と頭文字につけた食べ物とかが売っていたりする。
ここまで来て買う人とかいるのだろうか。

 珊瑚が花を買うならお代を半分出して、追加で青い花も足してもらおう]


  きっと想いが沢山集まってるんだよ。
  生きている人も亡くなられた方も。
  色んな想いがこの場所に集って昇華されていく。

  ここは終わりの地じゃなくて。
  始まりの地なんじゃないかな。
  生まれ変わる場所とか。


[復興の手はまだ及んではいない場所。
でもちらほらと献花が見られ、一番M44が近い場所には献花台はなくとも沢山の花が供えられていた。

 空を見上げれば今日もいい天気だ。
地上の星座と宙の星座が顔合わせをする日も近い**]


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─戦いが終わって 柊木家の場合─

[ケイとの再会から割とすぐ、国防軍の対策室は脅威が去ったことを発表した。それからというもの、俺を取り巻く環境は一気に……とは言わないまでも、確実に変わった。日暈学園の生徒──とりわけ俺の──関与を疑う声が完全に無くなったわけじゃないけど、口にする人たちの方が「はいはい陰謀論ね」みたいな目で見られるようになっていった。]

え? 「本当に君はコーラと関係無かったの?」って?
そうそう実は……って、んなわけねーっつーの!
あれって、軍のロボットだったんだろ?
「実は高校生が操縦して戦ってた〜」とか、アニメの見過ぎじゃね?

[偶に、こうして俺自身に体当たりで聞いて来るような人も居るんだけどさ。俺の方も余裕ができたから、冗談交じりに流せるようになった。「三回起きれば偶然じゃなくて必然」って言うけど、四回起きても、俺にとってコーラ騒ぎは唯の偶然だった。五回目は真上じゃなかったしな。どうにも世の中には、軍人さんよりもイケメン高校生にロボットに乗って戦ってほしかった層が一定数居るらしいってのを、俺は学んだ。]


[誹謗中傷に関しては、父さんが法的にあれこれ動いてくれてたのが実って、結構な人数からそこそこの賠償金が得られたらしい。父さんって、ああ見えて結構強かだからさ。うちの建替え資金の一部がそれだってんだから、世の中わからない。世界ってのはただ綺麗なだけじゃなくて、滑稽な面もあるんだなって思った。]

[で、目下の問題は、建替えの間の仮住まいをどうするかだった。とりあえず、今すぐ崩れるってわけじゃないから住み続けてるけど。次に地震でも来たら潰れそうだし、早い内に建替えた方がいいのは確かだ。祖母ちゃんちのあるドイツに行く案もあったんだけど、俺がこの街を離れたくないからっつって保留にしてる。一応、俺って天文部の次期部長だしさ。数ヶ月日本離れるとか無理。]

[進路についても、そろそろ考えなきゃだよな。まあ、なんかどっか大学行こうとは思ってるけど。みんなと違って義務教育ほぼ受けれてない俺は「まだ学生やりたいから」ってのが進学理由の九割だし、マジでどこでもいいって言えばいいんだよな。父さんも母さんも「康生のしたいようにしなさい」としか言わねーし。]

[ま、俺とかうちとかの状況はこんな感じ。**]


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─復興の兆し─

私も、復興が落ち着いて世間が落ち着いてきたら本格的に一人暮らしをしなくちゃならない。
一人暮らしは私とお父さんの間であって、結局は命くんと二人暮らしする予定だけど。
そうしたらアルバイトだってして行かなくちゃ。
一緒に過ごせる時間は短くなるけど…今までが普通じゃなかったもんね。
名残惜しいけど普通の生活に戻っていくってそういうところもあるんだろう。
それにしても──。


「うん、それはそうだね。
 私も、私の家族は命くん!」


命くんの両親についてはそれ以上聞かない事にした。
だって、前から聞いた情報も合わせると…ね。
彼方から関わってこなければ良いんじゃないかな。一応、聞いては見たけど多分これで終わり。
学校も、最善を尽くすけどどんな方向性も保てるようにしておこう。
私の場合、その時その時で考えることも違うだろうから。
命くんと幸せになりたい、以外はね?


「ふふ、私も毎日しあわせ!
 命くんいなかったら私ダメだったかも。
 多分、今引きこもってるんじゃないかな〜…。」


そう、今が幸せすぎて忘れそうになるけど、多分命くんがいなかったら私は潰れてたかも。気持ちがね?
悪意を向けられてあのまま避難所から追い出されたかもしれない。
ううん、やっぱり引きこもってるかな。自分の家から出られなくなってた気がする。
だからこうして毎日が穏やかなのが不思議なくらい。毎日、生きる力をもらってる自覚はある。
それにしても…M44系の食べ物はどうなんだろうね?飲み物はまあ、水分補給ってことで必要だけど。
チラッと、天文関係のグッズが並んでたりするのはそう言うの好きな人向けなんだろうなあ。
献花とか災害とかより、天文のロマンに惹かれた人向け。
でも今日の私の目的はそれよりも献花だった。
だってこの刻まれた痕には、誰かの強い想いが眠ってる気がする──。


だから二人して献花された花の前に来ると、そっと花を手向けた。
すでにある花の上にそっと重ねる。
そして目を閉じて両手を合わせた。

私たちは蟹座と獅子座。
だからこそよりこの場所に惹かれたのかもしれない。
でもこの場所が、今回の一連の被害に遭った人達へ向ける祈りには相応しい場所に思えていた。
もしかしたらここにはそうした何かができるかもしれない。
M44の大穴としてか、埋められた上で石碑やオブジェができるのか、まだ分からないけれど。
教会が建てられてここで式を、なーんてね!

でも、祈りを捧げてる時は静かに、それだけを考える。
犠牲になった方々に。
若しかしたらコーラを操縦していただろう誰かに。
アレの必要性や理由は私には伝わっていない。
だけど、コーラが負けていたらどうなっていたのか?
それは、…若しかしたら何かもっと酷いことが起きていたかもしれないと思うから。

残された人たちも、黄泉路の旅に出た人たちも、どうかこころ安らかでありますように。
そう願いながらしばらくの間手を合わせて──。


「あ、そうだ。
 今度、お母さんのお墓参り、一緒に行こう?」


あの後、お母さんの位牌はお父さんのところに預けていたけど、そろそろ手元に戻す予定。
私たちだけ避難していてお母さんひとりぼっちは可哀想だからね。
祈りを済ませてまた手を繋いで、また新しい予定を付け足して。
そうして、私たちはまた未来に向けて歩いていくんだ。**


―― 天体観測会:準備 ――

[天文部のLINEで反応の無かった一年部員に、
 スタンプでも反応くれた部員にも、
 個別でメッセージを送って人集めをお願いした。

 ちゃんと男子部員もいるんですよ!
 …ので、その子には大和先輩のテントの組み立ても
 手伝って!ってお願いしておきました。


 そうして人集めについては他を頼りつつ、
 あたしは目の前に広げたポスターへと
 用意した絵筆を向ける。]
 



[同学年の美術部の子から、崩れた美術部の部室から
 掘り出された画材を必要分だけ貰って。
 絵の具を溶いてそっ…と紙に筆を着地される。
 
 まずは薄い色から。薄水に薄荷、淡い黄色に
 夕焼けの色を紙の端へ。
 星の色をと赤、オレンジ、黄色、青と、
 濃い色も点々と置いていく。
 
 次いで空全体の色を塗ろう……、と思ってから。



 シャーペンを走らせて人影を描いた。
 シルエットだけだけど、多めにって11人くらい。
 男女それぞれと、先生も同席してくれたらなって
 想いも込めて少し大きめな人影。]
 



[輝く星と人影だけを残して濃い空の色を創っていく。
 淡い地平の色から徐々に宇宙の色へ。
 星雲は空の濃淡で表して。
 残された星以外に、白い絵の具を飛ばして
 たくさんの星も産み出す。
 描いたのは天の川。
 
 天の川って夏のイメージだけど、
 …なんでか描きたくて仕方なかった。
 うっかり白い絵の具が人影の方に零れて、
 大きな粒が浮いちゃったのはご愛敬。


 良く乾かしてから持ち上げて、
 ちょっと色が足りないかな?て所は色鉛筆を足した。
 ざらざらとした質感が空の靄を表すのに丁度良くて
 星雲の周りなんかにも淡い色を足してみたりして。]
 



[そうして描き終わったポスター。
 自分で描いたにしては結構よくできた気がして、
 お母さんに。そしてお父さんにも写真を撮って
 送ったりなんかしちゃって。

 文字は上から切って貼って。
 説明文も四角い吹出し状に切った紙を貼って。


 ちゃんと完成できたなら、
 顧問先生の所に持っていって、
 たくさんカラーコピーして貰った。

 残った校内の目立つ所に貼りに行って。
 仕事をやり終えたあたしはにんまり笑った。]
 




  ――― 絶対、成功しますように!

 



[この頃はまだ襲来が終わるなんて思ってなかったから、
 そんな願いと祈りとをそのポスターに込めていた。


 
 そうして着々と他の準備も進められ、
 天体観測会はその日を迎えようと ―― **]

  


メモを貼った。


メモを貼った。


ーー復興へ/乾家とどんぐり亭ーー

[事態は呆気なく終息した。
国防の大々的な発表が世間に轟き、もうロボットの襲来はなく平和になったことが告げられた。

異星人どうのならそんなことを政府が把握できるはずがないから、僕の推理では、日本と何処かの国の代理戦争だったのでは、と思ったり。

ネットでも様々な憶測が飛び交った。だが重要なのは、ロボットの正体やら真実ではない。

康生に対する誹謗中傷がどうなるかだった。

海辺デート後、僕らはLINEや電話で頻繁に愛を交わしていた(※僕視点)。

彼から誹謗中傷が終息に向かった事を聞けたなら、ほっと胸を撫で下ろしたことだろう。]


[街は復興に向かう。

両親は避難所生活をする近隣の人々への料理の差し入れ奉仕活動を続けながら、どんぐり亭の営業を再開した。

幸い、あれだけの戦火がありながらどんぐり亭、どんぐりワゴン、自宅はガラスが少し割れた程度で無事である。

存命中は大工だった祖父が頑丈に建てたからだろうか。
木造なんだけどね。

僕は学校が通える状態であるなら、普通の学生に戻ったろう。

天体観測や、彼とのデートを楽しみにする、幸せいっぱいの日々が始まる。]


――旅行の日――

[大和はキスは好意の情がよく伝わると思っている。
いっぱい好き合って、気持ち好くなって、繋がる第一歩。
キスして蕩けていく珊瑚を見ているのも好きだ。
珊瑚が蕩けていくと――は上手に伝えられなかったので不思議そうにしていたからどうやって伝えようと思っていたら粘性の高い液体を発掘してきて使ってみることになるのはまた後日の話。
逆に女の子はどんな感じなのかも尋ねれてみたい。
ただ、肌も直接触れるほうが心地好いし手拭い一枚も隔てないほうが気持ち良いのはすぐにわかってくれるだろうか。

 そんな元気くんだが珊瑚の目の前にあるのは確かに初めてだった。
見せる位置取り体勢になるくらいならキスしていたい。
それくらいキスをいっぱいしているから――驚いた表情でそれでも顔が赤いのは湯で温まっただけではないだろう]


  う、うん……いらっしゃい。


[それに近づかれる方も緊張する。
いつも中盤以降にしか出番がないから余計にだった。

 伸びてきた両手が触れるとそれだけで腰がぞわりとする。
キスをされると太腿が震えそうになり声を堪えるために歯噛みし湯舟の縁を強く握る。
予想以上に刺激が強い。
洗ったばかりだから臭くはないだろうけれどいろいろされていると元気な証拠が湧き出してくるからそれは大和のにおいがすると思う]


  ぐっ、うっ……珊瑚さん……やば、い。


[気持ち好過ぎてよくわからない。
腰が引けてしまうが縁に座ってるからそれ以上下がらないので前屈みになってしまう。
珊瑚の上目遣いも危険だ。
珊瑚に見つめられると大和はダメになってしまう]


ーー康生との電話ーー

[康生の家は人為的被害もあったわけで、建て替えが必須らしい。
こんな事情が聞けるのも、僕らが特別な関係になったから。

僕は両親に相談をし、彼にある提案をした。]

(電話)

実はうちの両親がさ、どんぐり亭の二階及び自宅の空き部屋を被災者の人に提供することを考えていたらしくて。

うち、祖父母は他界してるし兄さんは留学中だから結構部屋があるんだ。

どんぐり亭の二階にも昔親戚が住んでて。一家族悠々住めるようになってて。

コウの家庭の事は、コウのお父さんお母さんが決めるとは思うんだけどーー差し出がましいかもだけど。

コウ。建て替えの間、僕んちに住まない?ご両親も一緒に。


君たちは被災者だと思う。
お父さんたちに話して見てくれないかな。

うちの両親は、息子のクラスメートの家族の助けになりたいと言ってる。

[勿論助けになる提案でないなら、断ってくれて大丈夫と言い添えた。]*


  気持ち好過ぎて……ダメに、なる……。
  うっ……ん、ん。
  つづけられたら、でそ……。


[潤んだ瞳がまた大和を昂らせてしまい珊瑚の舌に強く匂いを残していく。
元気なところはより元気に脈動に合わせて震え始め次第に手に負えないように成長していった。

 気持ち良いし、大丈夫だけど果てそうと伝える。
もう無理とかこれまで珊瑚が言っても止めなかった大和である。
表情も赤くなってぷるぷるしてしまっているが珊瑚が止めてくれないならそう遅くない頃合いに元気よく先端から噴き出させて珊瑚の顔にかかってしまうことになるかもしれない*]


ーー復興開始/珊瑚へのLINEーー

[というかまあ、海辺デート直後だ、直後。僕は康生と別れた後、光の速さで珊瑚に連絡をした。

勿論目的は康生と特別な関係になったことの報告だがそれ以外のが実はメイン。]

(珊瑚へのLINE)

珊瑚、康生とのこと色々心配し、アドバイスをくれてありがとう。

僕は彼に告白した。
返事は…多分okで。
夢みたいだ。嬉しくて倒れそう。

うまくいったのは珊瑚のおかげだ。


まだ彼は僕への気持ちはハッキリしないみたいだけど(当たり前)、
傍にいたいと思ってくれてるよ。

それでさ、珊瑚と逢って話したいんだけど、その前にーー

大和に逢いたいんだ、僕。
恋人を持つ男の心構えを、漢である彼から聞きたい。

あとニューヨークのお土産渡したい。

大和の連絡先は一応知ってるんだけどさ、珊瑚から伝えて貰う方がいいかなと。


もし彼も僕に逢いたいと思ってくれるなら。

そうそう、大和と逢うならどんぐり亭に来て欲しいんだ。

合宿に父さんたちが迎えに来て、ワゴンに大和を乗せて帰ったんだけど、大和その時凄く丁寧に挨拶しててさ、うちの両親気に入ってるんだよ。

だから『美味しい料理を食べにおいで』って言ってる。

勿論無理にじゃないけどね。

珊瑚と三人でもいいんだが、僕大和とゆっくり二人で話したことないから。

出来たら、て感じ。
大和に伝えてね。頼んだよ!*


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


――復興の兆し――

家の方は珊瑚が学生の間はお義父さんが維持してくれるのだろうか。
流石に子どもに稼がせてとかはないだろうから大和は自分の分は払えるようにアルバイトはするつもりだったので普通の日常に戻ればそうなっていくのは仕方がないところだ。
学費も稼がないといけないし珊瑚との時間が減ると思うと今から億劫ですみたいな陰鬱な表情になってしまう。

 それでも珊瑚の家族が大和であると聞けたら表情は晴れやかになるし目元には涙を湛えてしまうのだけれど。
大和にとっては泣く程嬉しいことなのだ。

 珊瑚がいなかったら今の大和は存在していない。
きっと擦り切れてそのまま姿を消していただろう。
救って救われて、もしも引きこもりになってしまったらずっと守っていくくらいの気概ではあるけれど一層珊瑚を傷つけるものは許さない大和に育っていく]


[M44は遠い宙の彼方にある。
本当のところはどうなのかは分からないけれどどうやら周囲の復興作業をしている人たちの飯どころでもあるらしく、ガツンとくる系の食べ物も結構売ってた。
天文関係もあるし中にはスピリチュアル系なのもあるかもしれないがどうにも浪漫を詰め合わせたような場所になっているらしい。
この場所に限って言えば保全を訴える人もいたりするくらいパワースポット化が進んでいる。
あらゆる意味で人の想いが集っている場所になっていた。

 大和は、どうしてか少し目を逸らしたくなる気持ちがあったり逆に行く末を見据えたりと自分でもよくわからない想いを抱いているが目を閉じ手を合わせ冥福を祈る心は変わらない。

 ここはどういう復興がされていくのかはこれから次第だけれど、きっと悪いようにはならないだろう。
――後に大規模な冠婚葬祭の式場になるとは誰も想像していなかっただろう。多分。
新たな生命の伊吹も終末を迎えた魂もこの場所を行き来ししていく中継地点のターミナル。

 コーラが戦い、勝ち続けたから存在する今の街の未来図かな]


[献花を終えると珊瑚が誘ってきたので大和は二つ返事で、うん、と答えた]


  もちろん行く。
  僕が珊瑚さんと出会えるようにしてくれた人だしね。

  お墓はどの辺にあるの?


[位牌は見たことあるし手を合わせたこともあるけれどお墓の場所までは聞いたことがなかった気がする。
位牌もちゃんと避難できていたしみんな無事で良かったと思う。

 手を繋ぎ直すとまた未来の予定が一つ積み重なり、ゆっくりと歩き出した。
未来に向けて少しずつ進んでいく。
この手を離さずにしっかりと、一歩ずつ*]


――恋愛相談――

[大和はスマホを持っていないのでLINEが使えないため珊瑚から乾から話があると聞くと、少し間を置いて――]


  えっ、何の相談?
  ……恋人を持つ男の、心構え?

  ええ……。


[そんな大それた話ができるわけでもないので狼狽えてしまう。
ただ乾のご両親にはお世話になったし食べにおいでと言われてると聞いたら行くと決めるのだけれど――]


  珊瑚さんと離れたくないから一緒にいかない?
  ほら、婚約記念日のお祝い、みたいな感じで。
  僕、どんぐり亭に行くの初めてだし、
  お勧めの料理とかも教えてほしいな。

  でも来年はさ、珊瑚さんのお誕生日に。
  一緒に行けたらいきたいな。


[今年は一か月遅れだったから来年はちゃんと7月1日にね。
これからはちゃんと大和が毎年お祝いしていく所存だ。

 乾との話し合いは向こうについてから二人で話そうと思っている。
いや、心構えなんて考えたことがないから今から考えていかないといけないのだけれど――*]


ーー白い小さな教会/康生ーー

[自分がドキドキしていない相手から告白される。

ある意味康生の恋人付き合いはいつもそうだったのかも。
彼は優しいから、他人の想いを無下にしないから。

でも、付き合って彼の中にドキドキが育たなければ上手くいかなくなるのは当然なのだ。

つまり、僕らももしかしたら上手くいかないかもだ。
彼と付き合えるようになったのはゴールじゃない。むしろ、二人で手を繋いでスタートするのだ。

愛は育むものだから。]


[今はただ、これからどうなりかなんかより、ひたすら僕を受け入れ寄り添ってくれる彼に深い感謝が溢れた。]

 ありがとう……コウ。
 ゆっくりと。君との時間を過ごし、想いを分かち合えるようになりたい。

[この言葉にすべてが集約された。]

 ーーこどッ、いや君が身籠っているとか思ってないッ
 赤ちゃんを授かるにはそういう行為をしないとで僕らはまだシてないいやでも男同士だから行為は出来ても種付あああッ

[わかりやすく混乱した。多分親友である彼は僕がたまにバグるのには慣れてるから大丈夫だろう。]

 そう。君の身体に何かあったら堪えられない。そういうことだよ。


[そこで僕はふと思い付いた事があったが今は伝えず、彼を伴いリゾートホテルへ。

バイクはちゃんとした駐輪場に止めてあるから大丈夫だろう。]

[豪華なリゾートホテルに驚いたのは僕も同じ。家族旅行は僕もあるけど五人でこんな高そうなホテルに泊まったら大変だし。

フロントに行き手洗いを借りる了承を得たら、僕は綺麗なトイレでスッキリした。…変な事はしてないです。神に誓って。]

 あれ?なんだろーー

[手洗いを出たら、中庭の方からぞろぞろ人が歩いてきた。
先頭にいるのは綺麗な衣裳に身を包んだ花嫁と花婿。

このホテル内の披露宴会場に移動中らしい。]


 うわ、綺麗だな。
 花嫁、さん…

[僕はきゅっと彼の手を繋ぐ(ちゃんと洗ってハンカチで拭いたよ)。

群衆が歩いてきた方向、中庭に何やら白い建物が見えた。なんだろう。]

 ねえコウ、あれはなんだろう。
 ちょっと見に行かない?

[宿泊者でなくともホテル内を見て歩いて咎められることはなかろう。]*


メモを貼った。


――どんぐり亭――

[その後は日取りを決めて珊瑚と一緒にどんぐり亭を訪れた。
元気な乾の姿を見れたらそれはそれでほっとできるし快復してよかったと伝えられる。

 でもお店の方から入ったら最初に顔を合わせるのは乾のご両親だろう。
合宿所からの帰りに送ってもらったお礼を改めて伝えてお店の再開記念も丁寧にお伝えした。
大和自身は初めてくるけれど珊瑚の思い出の店であるし珊瑚がいいなら来年からは自分と珊瑚の思い出の店にしていきたい。

 その挨拶が終わってから大和は乾と会うわけで――]


  えっと……乾は元気そうで何より。
  ……なんだけど、あの話は本当に?


[風の噂程度の乾と柊木の仲の話だったが嘘が真になったのか最初から真だったのかはわからないがそういうことらしい。
大和の恋人というか婚約者未来のお嫁さんと一緒にきたので心構えを話して聞かれるのは正直恥ずかしいので局所的に二人でお話する感じになれるだろうか**]


メモを貼った。


メモを貼った。


―― 天体観測会:準備 ――

[天体観測会の準備は、僕が意識を失っている間にメンバーたちの間で着々進行していた。

余り星には詳しくない、と聞いていた千映が積極的に企画を進めているのには驚いたが、彼女は多分星が見たいというより、思い出作りがしたいのだろう。

家族との疎開が決まっているから。]


[彼女が描いたポスターを見た時、僕は非常に強く胸を打たれた。


広がる天の川は、空から宇宙まで跨ぐような迫力。
濃淡バランスが素晴らしく、遠く、遠くにみんなの想いがあるような。
描かれた人物たちは『僕ら』だ。
空にみんなが抱かれている。

僕は校内にてポスターを見る度に誇らしい気持ちになった。]


[カガセンへの連絡は康生がしてくれたし、予算の計算も頭脳明晰な彼の方が向いている。

さて僕の仕事は人集めだ。

彼は僕を人たらしなど勘違いしているがいいえコミュ力ゼロの恋人いない歴年齢だった糞雑魚ナメクジだよ?

しかし、やらねばならない。
僕には秘策があったーー。]

 天体観測会に来ない?
 星、綺麗だよ。美味しいお菓子や食べ物あるよ。

 後、特別にーー来るならどんぐり亭定食割引チケットあげる。

[ぴら、と数枚綴りのチケットをちらつかせる。学生はお金がないから、喉から手が出るほど欲しいやつ。

こうして僕は何人かを集めることに成功したーー。]**


メモを貼った。


ーーどんぐり亭/大和、珊瑚ーー

[二人が仲良く揃ってどんぐり亭を訪れてくれた時は、店の営業も通常通りになっていただろう。

店は父さんが厨房で料理を作り、母さんとバイトの女性がホールを切り盛りする。

四十ほどの席があり、カウンター席もあった。

チェック柄のテーブルクロスとか、テーブルの上に丸い占いくじが置いてあるとか、昭和臭い洋食屋である。

メニューはハンバーグ、ナポリタンなど定番を揃える。]


[人気はケチャップライスを包んだオーソドックスなオムライス(卵とろとろ)と、デザートのミルクレープ。

クリームたっぷりのミルクレープは珊瑚のお気に入りだ。]

[二人の姿を見ると、父さんが厨房から顔を出す。]

『大和くん、よく来たね。珊瑚ちゃんは久しぶり。

おじさんが腕によりをかけるから、好きなメニューを頼んでね。遠慮はいらないよ。』

[大和の丁寧な挨拶には母さんが応えた。]

『まあまあ、大和くんは本当にしっかりしていて礼儀正しいのねえ。

ありがとう。お店をまたこうしてお父さんと出来て、良かったわ。街の賑わいに頑張って貢献するわね。

さあさあ座って?』


[母さんは二人を四人席に案内し、僕は向かい側に座った。]

 久しぶり。大和も珊瑚も元気で何より。

 二人とも来てくれてありがとう。二人が一緒に来るなら、僕もコウを呼べばよかったかな?

[寄り添う二人からのラブラブ圧が凄い。しかし僕はたった独りでも、コウに対する愛を叫ぼう!世界の中心にて。]

 あの話って、僕とコウが交際スタートしたこと?

 うん…コウの気持ちはまだ親友に近いみたいだけど、僕の気持ちは受け止めてくれて。

 今まで珊瑚に沢山恋愛相談に乗って貰い励まして貰ったお陰だよ。

 本当にありがとう。


[僕は頭を下げた。それから二人にメニューを勧め。]

 好きなもの頼んでね?仲良くシェアしてもいいんだよ。

[僕はコーラと生姜焼きをお母さんに頼んだ。]

 僕は人と付き合うの、初めてなんだ。コウを絶対幸せにしたい。喧嘩とかせず、ずっと仲良く愛を育みたいんだ。

 大和はさ、真っ直ぐじゃん。大切な人を…つまり珊瑚を護ってるんだろうな、て。

 端から見てカッコいい、漢だと思うんだよ。

 僕もコウを護りたい。

 君たちがどう上手くやってるかを聞かせて欲しいな。

 気を付けてることとか、積極的にしてる、言ってる言葉とかあるのかなあ。

[僕は根掘り葉掘り聞くつもりだ。
僕の惚気は後攻だ。]*


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─天体観測会の準備─

うわ、すげ〜! めちゃくちゃ絵うまいじゃん!
これなら、めっちゃ人集まりそう!
七尾に任せてよかった〜! ほんとサンキュ!

[七尾が描いてくれたポスターを見た俺は、思わず声を上げた。暮れていく空と広がる満天の星。合宿の、展望台で見た光景を思い出した。七尾もきっと、あの時のこと思い出しながら描いてくれたんだろうな。絵で伝えられるってすげー。止めらんないなら、わしゃわしゃって七尾の頭撫でたと思う。]

[コーラ騒ぎが収まってからにはなっちまったけど、俺の方でも二年と、あと三年の先輩達にも声掛けに行った。ケイがチケット渡してるの見掛けたら、「買収してどうすんだよ」ってペシッとツッコんだかも。文化祭のライブで箱埋めたい、なんてのとは違うんだからさ。興味ある奴が来てくれたら、それでいいんだって。ま、興味あるけど参加する勇気は出ない奴の、最後のひと押しにする分には全然いいんだけどな。]

[予算の方もうまくやりくりできたし、七尾の作ったポスターは取り込んで、HPの方にも載せておいた。命や瑠璃川も準備進めてくれてるから、あとは○月×日を待つだけって感じだ。*]


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─どんぐり亭─
 
恵一くんからのラインは命くんにそのまま見せた。
私の方もなんの話だろ?という疑問半分、何話すんだろ!という興味本位半分。で、命くんはちょっと戸惑ってた。
確かに私も"恋する乙女として相談に乗って!"と言われたらちょっと恥ずかしいかもしれない。
自分のことを色々話すのはそれはそれでノリとタイミングと勢が必要なのだ。


「うん、今年は行けてなかったけど
 毎年お誕生日にお父さんとどんぐり亭で食事してたの。
 私が料理できない頃はかなりの回数行ってたなあ。
 だからどんぐり亭に一緒に行くのは大賛成!
 それに、うん。来年はね?
 私の誕生日に一緒に行こうね、どんぐり亭。」


命くんの提案には一も二もなく頷いた。
だから恵一くんには『おめでとう、仲良く大事にね。』『取り敢えずどんぐり亭には一緒に行きます』と、ひとまずの連絡と、なるべく近い日付で二人で行く日時を伝えておく。
そうして訪れたどんぐり亭は昔から変わってない、懐かしい雰囲気のするお店。


「乾さん、お久しぶりです。
 お元気そうでよかったです。」


恵一くんのご両親にも挨拶はきちんとして、席に案内されていく。
まあ四人席なら私と命くんが隣同士なのは仕方ないよね?
テーブルの下でも手を繋いでいても、黒檀のリングをお揃いでつけていても普通だよ、普通。


「まあ、私自身はそういう傾向ないけれど
 セクシャリティでどうのこうの言うつもりなかったし
 幸せならそれで良いかなって思ってる、今でも。
 恵一くん、想いを伝えられてよかったね。
 
 でも、どう、上手くやってる…?」


はて。そんなコツなんかあったっけ。
メニューを開いて、「誕生日の時はオムライスとミルクレープって決めてるんだ」「でも他のも勿論美味しいよ」「サラダのドレッシングもオリジナルで美味しいの」なんて、もっと詳しい恵一くんが目の前にいるのにメニューを命くんに見せながら教えていく。


取り敢えず私はシーザーサラダとピザトースト。飲み物は温かいレモンティーをお願いする。


「…命くんのことを、1番に考えてる?
 それと、我慢はしないようにしてる、かな?
 お互いの意見はあると思うけど
 嫌な事は嫌って伝えるし、
 好きって気持ちも好きって伝えるし。
 勝手にいろいろやらないで、自分の意見も言うけど
 相手の意見も聞いて、受け止めていく…?」


そんな所?かな?と首を捻りつつ。
え、嫌な事伝えたことあったかって?
まあ基本的にあんまり無いんだけど…下着は!洗濯いっしょは嫌!恥ずかしい!は言ったね!
他に何かあるかな…?と、疑問符を浮かべながら美琴くんをじっと見つめた。**


─天体観測会の名称の件─

私と命くんは事前に機材の運び出しと掃除片付け。
それに当日のメニューに向けての買い出しなんかも間近になったらやる予定。
日持ちするものなら良いけど、それ以外は直前じゃ無いと痛むからね。
予定として。
当日七尾ちゃんと作るのはコーンスープとステンドグラスクッキーも含めた各種クッキー、ホットココア。
前日までに肉じゃがと琥珀糖、パウンドケーキと1日かそれ以上おいた方が美味しいものを仕込んでおく予定。
ふふふー、たくさん作るの楽しみだな!
甘味が多いのはしょうがないよ。リクエストがあったらもっとおかずも作るけどね。体を温めるもの、お腹が膨れるものをメインにしました!


そうして他のみんなも動いてくれたのでいろいろ進んでいた頃。
そう言えばポスターはどうなってたかな?もあるんだけどね。


『そう言えばこの観測会の名前どうする?
 学校の名前とうちのマンションの名前取って
 日暈・麗蘭復輝祭みたいなのはどうかな?』


ちなみにマンションの名前は麗蘭荘。
開催者も場所もわかりやすいけど、輝きの復活…なんかは流石にアレかな?
一応候補としてあげました。
あとはみんなの反応や候補次第かな!**


─旅行の日─

命くんの元気くんは今日も元気に聳え立っている。…うん、ほら、小児科でお手伝いしてるとお漏らししちゃった子とかのお着替えしたりもするけど、あんなサイズがこんなサイズに…とビックリする。
元々体のサイズも違うけど、元気くん状態になると硬さも熱も全く違うから面食らってしまうほど。
汗臭かったりはしないけど、濃厚な命くんの匂いがする。
舌先を這わせて、キスをして。溢れた蜜を舐めとるとなんとも言えない味がした。でも、嫌いじゃ無い。


「ん、ふ…?」


一度ピタッと止まったけど、それはやばいと言われたから。
直ぐにそれが気持ち良いと知らされたら、ちょっと嬉しくなって微笑みが漏れた。
ちゅ、ちゅ〜っと唇を短く長くとランダムに押し付けて吸いながら、唇でも命くんの形を覚えていく。
根本から先端へ、先端の形も覚えるようにくびれも丸みも舌と唇で甘く刺激する。


「ふふ、気持ち良いならよかった。
 いつもして貰ってばかりだから…なんか
 これはこれで楽し…きゃっ!?」


それは唇と舌先での刺激を止めて、先端を頬に押し付けるようにしながら手作った輪で元気くんを包んで上下に動かしてた時だった。
唐突に震えて頬に熱いものが掛かって、びっくりしてしまって。
頬や鼻先、口元に噴き出したものがかかってぎゅっと目を閉じる。
驚いて手を止めてしまっていたけど…大丈夫だったかな?

まあ、その、元気くんから発射されたもので顔や胸元がべったりしてしまったんだけど。


「…沢山、出たね?」


ほわあ…と純粋に驚いて目をぱちぱちさせて、これどうしたら良い?と上目遣いのまま命くんに判断を委ねてしまっていた。
取り敢えずシャワーかな?**


ーーどんぐり亭/大和、珊瑚ーー

[僕と同い年の珊瑚はお父さんと共にどんぐり亭の常連だ。
珊瑚も医者であるお父さんの教育のせいか、小さな頃から礼儀正しく僕の家庭で評価が高い。

兄さんは『可愛い娘さんじゃないか。仲良くしたら?』

父さんは『ああいう、小さな頃からしっかりしてた良い子が恵一のお嫁さんになってくれたらな。』

珊瑚は凄く可愛い女の子だと思う。明るいし、優しい。康生と同じぐらいの光属性だ。

ーーでも僕は、小さな頃から"女子"に一度も異性として惹かれたことがなかった。

といって男子にドキドキしていたかと言えばそうでもないから、ガチホモではないと思いたいがーー。]


[僕の恋心は、高校入学の電撃的出逢いまで一切花開かなかったのである。

だから、珊瑚は友達。
今は恋愛の先生だろうか。]

[二人が揃いの指輪をしているのに気付き、僕は目を細める。]

 それは婚約指輪?素敵だね…

[僕も早く康生との指輪を買いに行きたい。

珊瑚は常連だから僕よりオーダーもスムーズ。大和も好きなものを頼むだろう。]

 一番に考える。
 うん、それは大丈夫だ。

[先生の言葉に僕は頷いた。むしろ彼以外が見えなくなるほどだし。一番より唯一かも。]


 我慢しないーー。
 嫌なこと。
 
 好きを伝えるはしてるよ。
 コウが溺れるほど。

[僕は何か彼に嫌なことあったかな?…ない。

なら我慢はしてない?
いや、1つだけある。

我慢しない方がいいのか…
もっと触ったり抱き締めていいということ…?
それ以上も…?
勝手にやらないよう、彼がどんな風にしたいか聞く…?

と、僕はあらぬ方向に解釈していく。

大和、止めるんだこの野獣を。君しかいない。]*


メモを貼った。


─同居の提案 ケイとの電話─

[俺は、自分のこととか家のこととか、自分からはあまり話さない。でも、ケイはすごく話して欲しそうにするし聞きたがるから、ケイには話した。そしたら「僕んちに住まない?」って提案された。]

や、有難い提案だし嬉しいけど……ちょっと待って。
親に相談してみっから。
父さぁーん、ケイが一緒に住もうって言ってる〜。

[そっから、電話の向こうで説明下手な俺に父さんがあれこれ聞き回る間が少し。もしかしたら、補足説明はケイに投げたかも。でも最終的には家族三人で「お願いします」って話になった。お世話になる間の家賃は払うし、その金額はケイの親と話し合って決めたっぽい。]

[うちの家の状況考えると早い方がいいだろってことで、ケイん家の準備ができ次第、荷物運び込んで暮らす流れになった。家財の大半(もちろんBlu-rayBOXやプラモとかも)はトランクルームに預けたけど、父さんは書斎机と椅子を持ち込んだ。ないとしっくり来ないらしい。俺は机とか椅子とかそこまで愛着ねーから、使っていいもんがあれば使わせてもらってるかも。*]


メモを貼った。


メモを貼った。


ーー電話/康生ーー

 はい、じゃあ父に代わります。

[彼に建て替え中の同居(家族ごと)の提案をした所、親同士が話し合う事となった。

父さんは最初『同じ街の住民が助け合うのは当たり前だから家賃は大丈夫』と言っていたが、それはそれで柊木一家は気を使ってしまうのに気付いたようだ。

二人の父親は話し合い、そういう子供には関与出来ない部分もきちんと決めてくれた。]


[自宅とどんぐり亭は隣接した建物である。

ご両親にどんぐり亭二階を使って頂き、康生には自宅側の兄の部屋を、という提案を父がした。

どんぐり亭二階にはキッチンバストイレ、普通に生活出来るものが揃っているから、柊木家の生活やプライバシーは保たれるだろう。また、彼のお父さんが書斎机や椅子を持ち込む十分なスペースもある。

勿論、家族交流を望むなら二家族で自宅のリビングに集まりパーティーみたいにご飯を食べたりも可能だ。
きっとその際は、シェフである父さんと、母さん、康生のお母さんが三人で自宅キッチンに立ったりするんだろうな。

康生は寝る時だけ兄の部屋を使えばいい。兄さんは当然両親から事情を聞き人助けに快く協力するといったし、遠慮はいらない。]


[両親と祖父母(他界)の部屋は一階、兄と僕の部屋は二階である。

二階で、隣同士の部屋だ。

ーーつまり。彼が毎晩僕の隣の部屋で寝息を立てるという。

身を持て余しそうな、悩ましい状況が出来あがってしまったのであるーー]**


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メモを貼った。


─復興の兆し、そしてお墓参り─

これは後で聴くことになるのだけど、今私たちが住んでるマンションの大谷さんは実はお父さんだったらしい。
知らなかったよ!?
そう言えば家賃の話したことなかったな!?
ここは麗蘭荘ってマンションにしては和風なネーミングなんだけど、そう言えばお母さんの名前はレイラ・ブラウンなんだよね。
結婚して入籍したから正式にはレイラ・ブラウン=瑠璃川かな?
あーそう言う?
お母さんの為に買った?建てた?マンションだったんだねーってちょっと脱力したりしたけど。
そのことを今の彼女さんは知らないらしいから、一応言ったほうが良いよ…過去の妻の情が残ってそうな物件立地が良くても名前からしてどうなんだろうとちょっと進言してみた。
そっちのローンとかは無いみたいだけど、さてどうなるやら。
学生のうちは諸費用払ってくれるらしいけどね。
だけど補修も必要だろうし。
…もしお隣さんがお父さん新婚夫婦になったらやだなあ、せめて一部屋開けてね?くらいは言っても良いよね。
まあ落ち着くまで多分大丈夫だと思う、とそちらは楽観的。


でも、離れるのがやだって陰鬱な顔をしてた命くんが嬉しそうに涙ぐむから、私も嬉しくて繋いだ手を唇に寄せてちゅっとキスしたの。

そうして、祈りと願いを込めて花を供えて。
また今度向かう先はお母さんのところ。
少し離れた坂の上で、幸い先頭のあったところからは離れた場所にある。
バス停は近くにあったから、それで一本、20分くらい。
瑠璃川家の墓がそこにある。
お線香を買って、お花も──仏花よりはとお花屋さんで白とピンクのカーネーションを中心に花束を作って貰った。
桶と柄杓を借りてお水を汲んで、いろんな人のお墓がある中をまた少し登ってたどり着く。


「なんだか久々な気がしちゃう。
 この間13回忌があったばかりなのに。」


ここだよー、と笑いかけて、お墓のお掃除を始めよう。
草むしりしたり、古いお花を回収したり。
墓石の上からお水をかけて、お花にお水を入れて。
個包装のどら焼きを一度おいて。
そして最後にお線香に火をつけてお供えした。


「いつも、家の方ではご挨拶してるよね。
 でも改めて。
 私の1番大切な人、大和命くんです。

 …これからは毎回一緒に来るつもり。」


そんな風にお墓に話しかけて、手を合わせて。
そっと目を閉じていろんな報告を胸の中で。**


――どんぐり亭――

どんぐり亭に訪れるのは初めてで小さい食堂かなと思っていたら40席もある結構広い食堂だった。
乾のご両親に会うのは合宿の帰り以来で車の中では大半を寝ていたから乗る時と降りる時が主だった気がする。
ご挨拶は無事に終わって改めていいご両親だなと認識する。
比較対象が自身の親であることは言うまでもない]


  乾は思っていたよりも元気そうで。
  意識不明だったんだって?

  ああ……うん、その話。


[やはり柊木とはそういう仲になったらしいのは本当のようだ。
本人が語っているのだからそうなのだろうし珊瑚が相談に乗っていたなら確実だ。
二人の仲を取り持つなんて珊瑚は恋天使なのだろうか、天使であることは疑いようがないのだが]


[どんぐり亭に訪れることになって喜んでくれて嬉しかったし来年からの約束もできた。
仲良しラブラブ圧は多分とても強いと思う。
お店に到着した時も手を握っていたし二人揃ってペアリングを左手の薬指に着けていて距離感もとても近いから、あらあらまあまあされていてもおかしくない圧があったと思うが普通である。

 普通に珊瑚とは隣同士で座って料理は乾と珊瑚さんが教えてくれたのでオムライスとミルクレープを頼むことにした。
誕生日の日ではないけれどつまり今年はまだ食べてないから初二人でどんぐり亭に来た記念にだ。
他の料理も美味しそうだったけれどそれはまた今度の機会にしよう。
飲み物は烏龍茶を頼んだ]


  えっと、取り合えずはおめでとう?
  乾と柊木のこと祝福してるよ。


[大和も人と付き合ったのは珊瑚が初めてで好き合ったのも
珊瑚が初めてで最後まで珊瑚のつもりなのでアドバイスを言われてもかなり困ってしまう。
先に珊瑚が語ってくれたけれど――、珊瑚と繋いでいる手を握り直す]


  僕も珊瑚のことを一番に考えてるよ。
  喜んでくれる顔が見たいからずっと考えてるし、
  幸せにしたいから幸せになってくれるように想ってる。
  護るのはそうだけど護られてもいるからさ。
  そこはお互い様なところもあるよ。
  珊瑚さんも言ってるけど一方通行にならないことかな。
  好きなら好きってちゃんと伝えて好きなことを誤魔化さない。
  もらった好きには好きを一つ足して返すとか。


[見つめてくる珊瑚へと視線を向けて見つめ返して、ねー、って仲良く疑問符を浮かべてみる。
良いことはより多く伝えて、嫌なことも伝えて、嫌な事ってあんまりないからそれは大切。
独り善がりなのはよくないはず。
ただ珊瑚とはいつもくっ付いていて近いから独り善がりになる前にお話してるからお話することが大切なのかもしれない]


  そんな、感じ?
  乾だったら柊木が嫌なことは改めるんだよ。
  自分よりも相手の幸せを願ってる感じだもの。
  お互いにそう思ってたら二人とも幸せだよね。


[下着はそうね、そうだ。
よく触ってるけど洗うのは別腹みたいな感じらしい。
そういうところも可愛くて好きって惚気てしまうのだけれどね。

 乾は二人の話で何か得れたろうか。
止める? 止めるなんてことはないかな*]


――天体観測の準備――

[皆がそれぞれの手段で準備している中で大和がすることはあんまりないんじゃないかなって思っている。
管理人さんに許可を貰って機材を揃えて当日に間に合うように展開して準備する。
一番の成果は学校から望遠鏡を持ち帰ったことではなかろうか。
それは柊木の判断の正しさなのだけれど。

 やっぱりポスターの作成が当日までで一番忙しかったと思う。
七尾の作ったポスターは人を惹きつける何かがあるように思えるよ。
人が減って戻ってくる速度は多分遅いけれど素敵な天体観測になると思う。

 当日は普通のテントもだけれど近くの商店街から借りた四脚の体育とかで立ってるようなテントも立てることになった。
この辺りは七尾の呼びかけで手伝いが増えたので楽ができる。
そこにテーブルと椅子、カセットコンロとかを用意しておいて暖を取れる準備もする。
毛布も必要だから――そういうのは借りれたりするから洗ったりして当日までに準備は整えてある]


[約束通り厚手のシートも用意して風で飛ばないように目張りとかする準備もしているから寝ころんで夜空を見上げることできるだろう。
他に準備することと言えば設営に関しては以上だろうか?
珊瑚にはしょっぱくて身体が温まってお腹が膨れるならトン汁はどうかなって伝えてはおいたけれど採用されるならその準備は手伝う予定*]


─海辺にて 恵一と─

[ドキドキしてない相手から告白されるってのは、毎回そう。それに加えて俺には、ドキドキすることがちょっと怖いって気持ちがあったりする。カッコ悪いから言ってねーけどな。いつかそれを克服して、ケイと同じ気持ちになれたらいいって思ってんのは、ほんとだ。]

ん。ゆっくりのが助かる。

[だから、返事も自然とこうなった。]

ははッ、わかってるって! んなバグんなよ〜。
幾ら俺だって、そこまで無知じゃねぇっての。

[この「わかってるって」は、俺は男だし妊娠しないってことくらいわかってるって意味。男同士じゃできないから、してねーのは当たり前だろ? いつにも増して面白いバグり方してんな〜って思って笑ってた。]


─ホテルの教会にて 恵一と─

[ケイがホテルの便所りてる間は、大人しく待ってた。キョロキョロはしてたけど。伊達眼鏡はそのままだったけど、マスク着け直し損ねてたのもあって、今変に目立ちたくなかったしな。人がぞろぞろ歩いて来たら、便所から出て来たケイの陰に隠れた。ちょい不安だったのバレたかなって思いつつ、手を握り返す。]

ケイ、ああいう感じが好み?
ん? 行くのはいいけど……あの人たちが通り過ぎてからでいいか?

[不特定多数とすれ違うのは身バレが怖かったから、少しだけケイを引き留めて、その後で建物に近付くことにした。その白い建物は、すぐに教会だってわかった。ビーチが見える教会。どっかで見たような光景だから、ロマンチックな教会って大体こういうものなのかもしれない。]

さっきの人たち、ここで結婚式挙げてたのかな。

[何気なく、そう口にした。*]


─どんぐり亭─
 
恵一くんの恋愛事情は一目惚れ相談の頃に聞いたなら知ってるけど。
まあ乾家の中で高評価なのはお世辞込みだと思うけど、多分その辺りは私まで伝わらなかった情報だと思う。
私だってお付き合いは命くんが初めてだし、そのまま最期までと言うつもりだもの。


「ふふ、夜空の星みたいでしょ?ありがと!」


指輪を褒められて、芸能人がやるみたいにキラッと見せてみる。これは自慢して良いポイント!
でも恵一くんの話を聞いて。
命くんの意見も聞いて。
うんうんそーだねーって頷いてたんだけど。


「あー…でも、ほら。
 私たちにはもうあんまり関係ないけど…。
 溺れるほど好きを注いでるって言ってたけど
 その、一方通行にならないように?
 先走りすぎないように?
 …自分のしたい事は先に宣言しておいた方が
 良いのかも…しれない?

 ほら、柊くんって病院生活長かったのもあって
 体力無いし、恋愛ごとに疎いところあるらしいし。
 その、…ほら、段階を先に進めたいなら
 "自分はこう言うことしたいと思ってるけど
 康生くんの気持ちが整うまで待ってるから
 もし整ったら教えて欲しい。"とか?
 その、
 "自分はこうしたいと思ってるから
 あんまり油断してると進んで良いと思っちゃうから
 それを前提として知っておいて欲しい"みたいな。

 …通じる?」


これ以上具体的に言うのは、知り合いのお店と言うのもあってどうかと思う。
だからちょっと赤くなりながらコソコソと。
困ったように命くんをチラチラしながら。**


――旅行の日――

一瞬止まってくれたけれど次の瞬間にはとても嬉しそうに微笑んで動きを再開されたらどうなるかって火を見るよりも明らかなことだった。
珊瑚の嬉しそうな表情が好きだもの。
キスするのも好きだしその唇が自分の元気くんにキスしてくれて形を覚えるように舌を這わせられたら、ねえ。
いつも絡めている舌の動きもよく見えてしまっていたし、搾るように手で刺激されたら暴発やむなしであった。

 手が止まったのはまた呼び水で抑えるものがないから逆に勢いはよくて満足しましたと元気くんが元気じゃないくんになった。
――のは一瞬のことだった]


  ご、ごめんね、珊瑚さん。
  気持ち好過ぎて……うん、たくさんでた。


[そして、自分の出したものに染まる珊瑚が上目遣いで見てきたら元気じゃないくんは屹立して元気くんに早戻りしていた。
珊瑚の目の前で萎む様を見せた後でまた元気になるところを見られて顔は真っ赤になってしまう]


  そだ、洗い流そうか。
  そうしよう、そうしよう


[湯舟に落ちたのはそのまま流れていってしまうけれど身体についたのは落とさないとにおいがついてしまいそう。
行こうかと珊瑚の手を取り湯舟から出る際は滑らないように配慮して腰に手を触れながらシャワーに向かった。

 緩く温水を出して胸元についていたのを洗い落としていく。
手で触れながら軽く擦るようにして目に見えるのを流していくけれど、洗うところを見られるのを恥ずかしがっていたのに流れで一緒に来ている今、大和は優しい手つきで珊瑚の肌に触れつづけていた。
後ろから抱きしめて、次はお顔かなと顔は自分で流すかなと首筋にちゅっ、とキスをしよう。

 大和は珊瑚にするのが好きだった。
楽しいというのがわかってくれたと思うけれど楽しいんだよねと、離れるつもりもなく*]


――どんぐり亭――

うん、大丈夫、そんな感じだよってにっこり微笑を返す。
自分がしたいことを押し付けないのは大切だと思う。
大和の場合は珊瑚が心穏やかに、こう気持ち好く過ごして欲しいと思っているのだけれど――。

 得てして男児は自分の快いことを優先してしまいがちなので相手の快いことを優先する。
即ち自分よりも相手の快さを優先していけばいいと思う。
そこがすれ違いポイントだとは思うな]


  ほら、好きな人の笑ってるとこ見たら幸せだろ。
  僕は珊瑚さんが笑ってくれてると幸せなんだ。

  喧嘩もさ、絶対しないとか考えてたら疲れちゃうけど、
  相手が幸せであるようにって想うのは疲れないよ。


[マイナス方向ではなくてプラス方向で思考していったほうがいいよねも付け加えておいて、あとは何かあるだろうか。
あんまり無い気もするけれど――と見ていてわかる程に大和と珊瑚は近い距離でいちゃいちゃしているのでそういうところかもしれないが*]


─ケイの家で 日常─

[俺ら家族がどんぐり亭の二階と匡先輩の部屋に移り住んだのは、ケイが珊瑚や命たちと食事会したよりは後のはずだ。俺は当然、その会での主な話題が俺についてだったなんて知らない。]

[……と言うか、珊瑚や命にわざわざケイと付き合うことになったなんて報告をまずしてない。俺の付き合いって基本的に続かないから、ケイに限らず、誰が相手の時でも周りに報告とかしないし。もちろん、聞かれりゃ正直に答えるけどな。言うことでも隠すことでもないだろ、って感覚。長く続けば、変わって来るかもしんねーけど。]

[新聞配達してた頃の命ほどじゃねーけど、俺が寝んのは比較的早い方。体力ねーしな。風呂や飯済ませたら、割とすぐ匡先輩の部屋の方行って宿題したり、ケイの部屋に「遊ぼうぜー」って感じでお邪魔したりしてる。ケイが身を持て余してるなんてのは、言われなきゃ想像もしないだろう。]

[父さんが言うには、俺は「良く言えば天真爛漫、悪く言えば遠慮とは無縁の性格をしている>0:11」らしい。その分、ケイん家での生活に馴染むのは早かったんじゃねーかな。*]


――お墓参り――

マンション秘話は後で聞けたなら大和も目を丸くしてしまうものだった。
うん、マンション名を変えるのも何だしだけど彼女さんにお話しておいたほうがいいのは珊瑚に同意だった。
諸費用と言ってもマンションの空き部屋を一室渡すのだったら賃料もかからないし、お義父さんが出ていく方も空き部屋に移動するだけだったのなら引っ越しのお金も時間もかからないし何より珊瑚から離れることがないという――確かに同じ家には住んでないので彼女さんの同居拒否にも従っているのでお義父さんの策士っぷりに、ほわー、なんて声が出てしまっていた。
多分、離れることなく住めるのだろうけれど、うん。
住まわせてもらう大和には何も言えることはなかった。

 思い立ったが吉日というやつでお墓は意外と近いところにあるらしい。
バス乗り換えなく20分圏内はかなり近いと思うのでこれからも月に一度とかで来れるのではないだろうか。
そう言えば大和家の墓とか見たことも聞いたことも行ったこともないなと道中のバスの中で首を傾げていたが多分ないのだろう]


[坂の上からは街は一望できたろうか。
水を汲んで重たくなった桶を柄杓を持ってお墓まで向かう]


  そっか、合宿の――。


[十三回忌だといろいろと特別なのだったか。
その辺りのことも聞いたことがない大和は話でしか知らない流れを思い出しながら見様見真似でお墓掃除を手伝い始める。
草むしりは慣れているのでちゃんと根から綺麗に引き抜いていこう。
根が残っているとすぐ生えてくるからネ。

 お供え物はどら焼きらしい。
お義母さんが好きだったのだろうか。
お線香の煙が念じた言葉を届けてくれるように空に昇る]


[大和もまた手を合わせると冥福を祈った。
珊瑚からの話でしか知らない人だけれど珊瑚と会わせてくれた人だもの。
位牌の前とお墓の前ではまた少し雰囲気が違う気がする

 報告が終わると目を開けて珊瑚に向けて微笑んでから左手を取って、お墓へと視線を向けてから言葉を紡ぐ]


  僕の一番大切な人。瑠璃川珊瑚さん。
  これから先もずっと一緒に居て、
  幸せにすることをここに誓います。


[お義母さんへと向けた言葉。
誓いを伝えてから身体を抱き寄せてキスを交わす。
毎回一緒に来ようねって仲睦まじいところを――家ではずっと見ているかもしれないけれど――見せたら安心してくれるだろうか*]


メモを貼った。


─旅行の日─

一瞬柔らかくなった元気じゃ無いくんが直ぐにムクムクと元気くんに戻ったのはビックリした。
何事!?と、まじまじと見てしまうけど…あっ、そりゃ恥ずかしいよね?
でも、こんな風になるの初めて見るから驚いちゃう。回復力が早いなあ、でもどうしたの?ってまた上目遣いで小首を傾げる。


「ううん、気持ちよかったならよかった!」


ぱっと笑顔の花を咲かせて見上げていたけど、シャワーを浴びた方が良いのは確かにそうだよね。
手を引かれて胸元を軽く手で隠しながら向かうけど、撫で洗いしてくれるものだからピクンと体が反応しちゃう。


「んんっ、あ、洗える、自分でできるから…。
 んむぅ…!」


声がくぐもったのはちょうど顔を洗ってたからで、首筋へのキスにぞくっとして身を竦めた。
キスは好き。キスは好きだけど…裸でイチャイチャしてたら、私だってその、したくなる。
お風呂に浸かってた時はそこまでじゃなかったけど、気持ちよさそうな命くんを見て嬉しくて、赤い顔や元気くんが元気な状態にお腹の奥底がキュンっとして──歯に衣着せぬ言い方すれば興奮してたから。
胸元を撫でられて、首筋にキスされて、どんどん私の中のそんなスイッチが入れられていく感覚がする。
耳まで赤くしながら振り返る。
うるっと涙を滲ませながら。


「こ、これ以上そう言う触り方すると…。
 もっと触って欲しくなっちゃうから…ね?」


ダメなんて言わない。言わないけど。
ちら、と部屋の方を見たのは、そっちなら続きができるでしょ?ってそんな気持ちを込めたから。
うう、と小さくうめいて抱きつきながら硬い胸板に顔を埋めて隠しちゃお。

──女の子だって。そう言うの、期待してないわけじゃ無いんだからねって。**


ーーどんぐり亭/大和、珊瑚ーー

[二人の指に光るペアリングはとても素敵だ。
僕と康生も、こうした絆を深めたい。]

 したいことを宣言か…

 もっと手を繋ぎたいし、抱き締めたいし、キスしたい。

[ここで言うスタイル。両親は店の切り盛りで忙しいから大丈夫だろうが。]

 そうだね。いきなりが一番良くない。
 ゆっくり、彼の心の準備を待つんだね。


[珊瑚のアドバイスに頷く。
大和の言葉には微笑んで。]

 わかるよ。だから、コウが笑顔なら僕じゃない人と付き合い、幸せでもいいかとも何度も。

 でもこういう風に進んでしまうと欲が出る。

 彼が欲しくなる。

 それが彼の幸せになるか、考えてみるよ。

[そんな話をしていたら料理が到着し、テーブルを埋め尽くす。暫くはどんぐり亭の味に舌鼓を打とう。]


 大和は珊瑚のお菓子をよく食べてたけど、今は手料理メイン?

 珊瑚、大和の好物は何?
 何を喜んで食べるの?

 あ、これお土産だよ。

[なんて聞いた後、ニューヨークのお土産を二人に渡そう。

ニューヨークで有名な食器ブランド・フィッシュ&エディのペアマグカップ。白地にぐるりとニューヨークの町並みが描かれている。]*


メモを貼った。


─どんぐり亭─
 
さぁみなさん(?)ここで注目ポイントです。
恵一くんは「もっと手を繋ぎたいし、抱き締めたいし、キスしたい」と言いました。
と言う事は、一度はそれらの経験はあるんだな──と私はほっこり笑顔になりました。
そのくらいは拒絶されない関係なのだと理解できて、ちょっとホッとしたからね。
命くんからも理解の笑顔を向けられたからこっちも安堵でニコッと返す。
ニコニコ。二人して笑顔だと嬉しいね。

相手のことが欲しくなる気持ちもまあわかる。あんま生々しい事は言いたく無いし、それこそそうなったら男子二人で話すことになると思う。
少なくともそれは私が答えられる事は少ないと思うし…???
なんてちょっと視線を泳がせたあたりでご飯が届いた。
外外のピザトーストを一口大にちぎって、命くんに「味見する?」なんて聞いてみたりする。勿論、食べるって言われたらはいあーんって自然としてしまうけど…言われなかったらそぉ?って自分の口にインするだけ。


「うん? うん、だって一緒に暮らしてるし…。
 なんでも喜んで食べてくれるから作り甲斐あるよ!
 あっ、でもお弁当の卵焼きときんぴらと
 あと唐揚げは気に入ってくれてると思うなあ。
 どう? 合ってる?」


もし嫌いなのが合ったら言って欲しいけど、好きなのも合ったら聞いておきたいからチラッと命くんをみて。
恵一くんのお土産に顔を綻ばせた。


「わあ、ありがとう!
 ニューヨークかあ、時差ボケとか大丈夫だった?」


いや、大和くん向けのお土産かもしれないけどね。ついタイミングでね!**


――旅行の日――

[珊瑚は割と無自覚に大和を元気にしてくれる。
そんなところも好きでたくさんの好きが積み重なっている。
大体上目遣いに弱く、その笑顔にも弱く、強みなんて一つも見いだせるところはない。
触れると震える身体も擦り合わせている脚も、もちろん涙を滲ませている瞳も大和を釘付けにしてしまう]


  うん、気持ち好くて――それでね。
  次は僕の番だよね。


[裸の触れ合いは普段の触れ合いとは違い心地好いのだがそれに付加して昂っていく。
振り返った珊瑚のおっぱいに手指をかけながら唇を重ね合わせて、そういう触れ方を続けてしまいたい]


  僕はもっと触れていたいな?
  珊瑚さんの可愛さがどんどんあがっていくんだ。


[ちらりと部屋へと向けられた視線に目蓋を瞬かせて、大和は微笑むと耳元で『お風呂はこのままにしておくね』と囁いて胸板に顔を埋めて見えないように隠れている珊瑚を連れて脱衣所へと。
着替えも用意していたけれどタオルで身体と髪を拭くと珊瑚の身体にタオルを巻いてそのまま用意してもらったお布団へと向かおう。

 掛け布団を捲り敷布団の上に座ると纏ってもらっているタオルの隙間から手を差し込み肌に触れ、膨らみを手にかけていく。
唇もまた少し離れただけで寂しくなっていたものだから、続きだね、とキスを交わしていった。

 先程のお礼にと大和は首筋や胸元にもキスをして回る。
昂ればおっぱいの飾りもツンと尖っていきそれはタオルの上からでも分かるだろう。
するりとタオルを捲り、開ければ――ああ、電灯は消してとお願いされていたら薄らとその姿態の艶やかさが見えるだけだろうか。

 『綺麗だよ』と言葉を投げかけてその尖りにもキスをして――甘い声色を引き出していこう*]


ーー教会での誓い/康生ーー

[『わかってる』『無知じゃない』僕は彼の言葉を完全に誤解した。

そも、彼は何人も恋人がいた。
つまりキスやそれ以上を経験済と考える方が普通ではないかーー相手は女の子だろうけど。

僕はといえば完全に妖精で童貞だ。

しかし彼を好きになり一年以上、男同士でも愛し合い方があるのを広いネットに散らばる知識から得てしまった。しまっている。

彼の表情からはどこまで覚悟があるのか、僕にはわからないがーー。]


 凄く可愛いなあ、衣裳。
 フワッとしてお姫様みたい。

[彼は心配したが、幸い花嫁花婿集団は僕ら子供になんの興味も示ず通りすぎた。念のた庇うように立ちはだかったが。]

 うん、誰もいなくなったら。

[挙式が終われば人ははける。
教会入り口にはフラワーシャワーの名残の花弁が沢山落ちている。]

 そうだね、結婚式……。
 中、見てみよう。

[希望的にホテル内チャペルは出入り自由である。普段から信者が集い礼拝を行う場所ではなく、セレモニー専用施設だから。

挙式を考えて事前の見学をするカップルもいるから、式のない時間はオープンだ。

 彼の手を引き、僕はバージンロードを踏む。その瞬間ーー]


 ……あ。

[僕の胸が高鳴り、きゅっと締め付けられた。

記憶?違う。デジャヴ…?]

 ーー…。

[さっきの花嫁と彼が重なる。ウェディングドレスを着る彼がしずしずと歩く姿。

僕は何を見ている?願望?

ーー涙が一筋頬を伝う。立ち尽くして不意に泣き出した僕に彼は驚くか。]


 ごめん!なんだか…なんだか変に懐かしくて。

 ねえ、笑わない?

 君がさっきみたいな花嫁衣裳を着たら綺麗だと思う。
 その姿が見えたんだ。

 ーーいつか、そんな姿を見てみたい。

[溢れる涙。そんな僕は彼を困らせたかも。

落ち着いたら、祭壇まで行ってみよう。彼と向き合う。]

 コウ。……君と付き合うことが出来て、僕は幸せで堪らない。

 それだけで十分なんだが、お願いが1つあるんだ。

 ーーどうか、誓いを。

[誓いは重たい言葉だ。無理を言うとも考えながら。]


[僕は願いを口にする。]

 お願いだ。
 僕より先に死なないで。*


メモを貼った。


メモを貼った。


─お墓参り─

そう、坂の上にあるこのお墓は、今となっては街が一望できる位置にあった。
前はそれほどでもなかったけど、高い建物が倒れてしまっていたり倒壊の危機で立て直し工事が入ったりしてよく周りが見える。
更地になった場所も、壊れてしまったものも、そして再生しつつある街並みも。


「そう、私がまだ保育園の頃ね。
 お母さん急に倒れて、ビックリして──
 パニックになりながらお父さんに電話したんだけど
 助からなくて、ずいぶん責めちゃった。
 あの時のお父さんには悪いことしたなあ…。」


お母さんが急に目の前で倒れて、そのまま目を覚まさずに居なくなってしまった。
どうにもならない死を目前にしたし、助けられなかったお父さんを責めた。
お父さんだって辛かったはずなのに、と今ならわかる。
今の私はお父さんを恨んで無いし、あのことがあったからこそ人なんて極論いつ死ぬかわからないことを知っている。
あのロボットたちの争いを目の当たりにしたら尚更だった。
だから。今生きていることを尊く感じる。
愛しい人に出会えた奇跡も。

ちなみにどら焼きなのは、お母さんが好きだったからもあるし、お父さんも好きだからだ。


「…うん。私も、これからずっと一緒にいて
 命くんを幸せにするって、
 一緒に幸せになるって…誓います。」


手を取られて、抱き寄せられる。
命くんがくれた誓いの言葉に誓いを返して、私からもそっと唇を重ねた。
ああ、出会えてよかった。
生きていて、よかった。
きっとお母さんも喜んでくれるよね。
そして安心してくれるはず。

珊瑚は、とても幸せに生きて、これからもっと幸せになれるはずだって。*


メモを貼った。


メモを貼った。


─旅行の日─

少し湿った身体のまま、私はお風呂を上がってタオルに巻かれてお布団へ。
お風呂はこのまま…うん、温くなっても単にお湯を入れ直せば良いし、そんなに時間かからないし…でも、温くなる前に戻って来れる気がしないなんて。
そんな事は言わないの。恥ずかしくなってくるから。


背中を向けた状態でざっと拭いたけど、髪の毛がまだしっとりとしてる。肌も、さすが美肌の湯だからかな?いつもよりもスベスベしっとりしてる感じ。
タオルに包まれてキスを受ける。キスの雨が降るたびに身体がぴくっ、ぴくっ、と小さく震えた。
もう既に気持ちが昂っていたからかな、それとも温泉で身体が温まっていたから?
いつもよりも気持ち良い気がする。甘い声が止められない。元より、部屋に入ってしまったから堪える必要もないかもしれないけど。


「んんっ、ンッ、ふぁ…あっ!」


でもスルリとタオルが外されてしまうとつい恥ずかしさで声が出て。
ツンと尖った胸の先も、秘密の花園に繋がる薄い茂みも、素肌も全て見られてしまう。
そう言えば電気のことを言い忘れてたから──もしかしてくっきりはっきり、見られてしまったかも?


「あっ、ァ、命くん──。」


真っ赤になりながら、でも、潤んだ瞳は期待の証。
綺麗だよと褒められて、もっと触れられてキスされて、私は甘く鳴きながら蜜を蕩けさせる。

きっと、お布団が二組あってよかったと思う。
湯上がりの髪の水分が染み込んで、汗も、蜜も、きっと染み込んでしまったから。
私の中に生まれた熱は、中々冷めることがなくて、私からも何度も命くんにキスしながらしがみついて、そして。

もう一度お風呂に入る頃には、きっとくったり疲れ果てて…だけど満たされて。
すっかり温くなってしまったお湯を入れ替えて、今度こそのんびりお風呂に入ったはず。
朝食のバイキングも楽しみだね!**


メモを貼った。


─ホテルの教会にて 恵一と─

[過去の彼女たちの俺に対する愚痴がケイの耳に届いてないのは無理もない。俺だって知らねえし。や、通常範囲の知識はあるし、迫られたことだってあるけどさ。俺がのらりくらり避けちまってただけ。さすがに全員じゃねーけど、それが理由でフラれたこともある。]

[付き合いのスパン短いのもあって「あいつヤリ捨ててんじゃね?」って噂が一部であんのは知ってるし、俺も特に否定してない。「迫ったけど手を出してもらえなくて別れた」より「ヤリ捨てられた」の方が、向こうのダメージも少ないだろうし。俺的にも、チキンと思われるよかマシだしな。]

[で、バカな俺は「男同士ならそういうのなさそうだなー」くらいにしか考えてなかったから、覚悟どころか気楽に構えてた。]

ん? 衣装の方? ……まあ似合うんじゃね?

[一旦は首を傾げたけど、俺に告白して来るくらいだから、ケイに「花嫁になりたい」って願望があってもおかしくねーよなって思い返した。だから、その後の中を見ようって提案にも「ああ」って頷いた。手を引かれ、中へと足を踏み入れる。]


えっ、ケイ!? ど、どしたんだよ。泣くなって〜!
あ、ティッシュ使うか?

[何か頭に引っ掛かるもんがある気もしたけど、それよりも急に泣き出したケイに気を取られた。]

や、笑わねぇけど……俺!? ケイじゃなくてか?
ん〜……や、ケイが見たいっつーんならいいけどさぁ……。
ヘンな風になっても文句言うなよー?

[ぶっ飛んだ話来たな〜って思ったけど、泣いてるケイに頼まれて断れるほど、薄情じゃねーんだよな俺。困ったことに。ま、一旦はそれで泣き止んでくれたからよしとする。]

…………、……。

[祭壇の前で、ケイが口にした願いは重くて、俺は思わず胸元に手を当てた。何度も何度も死に掛けた時の記憶が蘇る。涙をとめどなく流してるケイの顔まで浮かんで来た。俺が先に死んだら、ケイはきっとこんな風に泣くんだろうな。やだな。泣かせたくねぇな。「ケイを置いて死にたくないな」って、また思った。]


────……わかった。
ケイより先には死なねぇよ。絶対。
誓うし、約束する。

[何度も死に掛かってるようなポンコツな心臓抱えて、何言ってんだろーな。俺。バカじゃねぇのって、叶えらんなかったらどうすんだよって、自分でも思うけどさ。もう俺のせいで泣かせたくなかったから、今までのどんな時より真剣な顔で、そう誓った。*]


ーー誓いと、想いと/康生ーー

[不意の涙は彼を驚かせる。僕もそうしたかったわけじゃないが。

何かが溢れたんだ。

ティッシュを借りて目元を拭う。
彼は僕の希望に困惑を示しつつも頷いた。

僕だって、なんで急にそんなイメージが浮かんだかわからないのだから。

ただ、気持ちを偽らず伝える。]

……。

[祭壇の前で僕が、余りに重い願いを口にしても。

彼は真剣な表情にてゆっくり胸元に手を当てて。

決意を誓いとしてくれた。]


 ーーコウッ

[彼を抱き締める。きつくきつく。彼が死んでしまうと何故思ったのかもわからないが、それだけは、どうしても。]

 ーーもう離れたくない。
 離れたく、ない。

[離れたことなど、僕が意識を失っていた間ぐらいしかないのに。

僕はまた涙に咽びながら彼を離さずにいたーー。]

 実は、珊瑚に色々相談に乗って貰ってて。お礼を兼ねて報告してもいい?


[バイクに再び乗る前に僕は彼に聞いた。

そしてまた、彼を後ろに乗せて走り出す。

僕らは1つになりながら。
流れ行く風景を置き去りにしてーー。

ーー政府からのロボット襲来事件の終息が告げられたのは、その直後だった。]**


メモを貼った。


─ホテルの教会にて 恵一と─

[言う通りに…ってか、俺がそうしたいと思ったから誓ったのに、俺を強く抱き締めたケイはまた咽び泣き始めた。]

もー……、また泣いてんじゃん。
ケイのこと、泣かしたくてやってんじゃねーんだから

[ポケットティッシュはもう品切れになっちまったし、胸元に当ててた右手は抱き締められて巻き込まれた。残った左手をケイに伸ばして、涙を拭ってやる。俺だって泣かないわけじゃないけど、ケイってほんと涙脆いよな。その内、腫れて開かなくなるんじゃね? ま、俺は死ぬ心配されんのも、それを宥めんのも慣れっこだからいいけどさ。]

ん? 瑠璃川に報告? 別に構わねぇよ。
俺自身が嫌だから言いづらいってこと基本ねーし。
ケイが報告したいんならさ。

[一体どんな相談したんだろうな〜とは、ちょっと思うけど。後で、機会があったら珊瑚に聞いてみるか。もしかしたら、珊瑚の方から話したいって言われるかもだけど。]

[そんな風に考えながら、ケイのバイクの後ろに跨る。この時点ではまだ何も解決してなかったのに、それでも帰りの景色は行きのそれよりも輝いて見えた。*]


─ー平和な日常/康生─ー

[街の復興、どんぐり亭の再開。

時は過ぎていく。変わり行く。

時系列的に、僕が珊瑚大和カップルと逢った後に柊木家族との同居生活が始まった。

学校も授業を再開しただろう。

僕らは一緒に登校し、同じクラスで授業を受けて、同じ部活をし。

同じ家に帰る生活が始まる。

一緒にご飯を食べる日もあったし、テレビを見たりもあった。

僕の部屋でゲームをしたり、
彼が使う兄の部屋で勉強を教えて貰ったり。


メモを貼った。


[愉しくて愉しくて堪らない毎日。
キスやハグは日常になった。

親が見ていなければだが、お休みのキスをしたりも。

しかしーー僕はやはり、想いを募らせる。

彼がほしいと。
ある日、僕は彼に告げた。]

 ーーコウ。あのね。
 今のままで僕は十分幸せなゎだが。
 
 もっと、君に触れたいんだ。
 ーー君と。

[ハッキリ言わなくちゃ、伝わらない。僕は真っ赤になりながら告げる。]


 君とエッチなことがしたい。
 キスより先…身体を重ねたい。
 男同士でもそれは、出来るんだ。

 君と気持ちよくなってみたい。
 ……君のすべてが欲しい。

 君が嫌なことをいきなりしてしまい、驚かせないように。
 僕の願望を伝える。

 もし、君が僕を受け入れてくれるなら。
 君がそうしても大丈夫と思えたら、心の準備が出来たら。

 その時、僕に、……教えてくれないか。*


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


─大和へのSMS─

[コーラ騒ぎで引き籠ってる間、俺は家から指示飛ばさなきゃだったし、当たり前だけど命と連絡取る必要もあったから、SMSの使い方はちゃんとマスターした。]

[それでも俺は俺だったから、自分の近況なんてまるで報告してなくて、ネットに晒されてたのも、ケイと付き合うことになったってのも言ってなかった。命が、それをもう知ってるってのも知らないで居る。ましてや、食事会したとか聞いてもない。俺のことが思いっきり話題に上がってるなんて、予想もしてなかった。]

[だから、天体観測会の準備の連絡ついでに一言足したのだって、他意はなかったんだ。]

『そういや、瑠璃川と命ってどうなん?』
『キスとかハグとかしてんの?』

[ケイは結構そういうのしたがるけど、二人はどうなんだろうなって。俺の中では、二人とも清い関係って言うか、そういうのあんましなさそうだなーって印象がある。確かに、イチャイチャはしてるの見てるけどさ。まさかヤリまくってるとか想像もしてねぇわけで。だからこそ、何の気なしに聞いてみたんだけど。*]


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


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―― 見上げた夜空 ――

[それはいつの星だっただろう。
 あのロボット達がもう襲来しない、と
 世間的に広まり暫くしてからか。

 ふと見上げた空に、
 知らない赤い星が輝いて見えた。
 暫く眺めているとその光はだんだんと弱っていき、
 最終的には宙の闇に溶けていってしまう…

 かと思いきや、また一際大きく輝いて。
 何度か点滅でもするようにゆらり、ちかりと
 その輝きを変えながらも、一際存在感を放ち
 宙に煌めき続けていた。

 そうして最後、一番強く輝いて……‥ ――― ]
 



[宙の何処にも見当たらなくなってしまったと
 理解した瞬間、胸の奥から込み上げて来る
 『想い』を感じて、涙を溢した。

 何故泣いてしまったのかはわからない、けれど。
 あたしの目に、心に、記憶に。


 その星の輝きは一生涯留まり続けただろう。]


 



[この宙にある星は一体幾つあって
 幾つ生まれて 幾つ死んでいくんだろう
 
 誰にも知られずに生まれて、誰かに見付かって、
 名前を受けて、見守られて、愛されて、忘れられて、
 誰にも知られずに死んで、誰かに気付かれて。
 

 誰にも気付かれないかもしれない
 けれど
 
 あたしが今見た星は
 
 
 そして、これまでも消えた星達は
 新たに輝き出す星達は
 必ず誰かの目に、心に、記憶に。]
 


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