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うわ、綺麗だな。
花嫁、さん…
[僕はきゅっと彼の手を繋ぐ(ちゃんと洗ってハンカチで拭いたよ)。
群衆が歩いてきた方向、中庭に何やら白い建物が見えた。なんだろう。]
ねえコウ、あれはなんだろう。
ちょっと見に行かない?
[宿泊者でなくともホテル内を見て歩いて咎められることはなかろう。]*
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――どんぐり亭――
[その後は日取りを決めて珊瑚と一緒にどんぐり亭を訪れた。
元気な乾の姿を見れたらそれはそれでほっとできるし快復してよかったと伝えられる。
でもお店の方から入ったら最初に顔を合わせるのは乾のご両親だろう。
合宿所からの帰りに送ってもらったお礼を改めて伝えてお店の再開記念も丁寧にお伝えした。
大和自身は初めてくるけれど珊瑚の思い出の店であるし珊瑚がいいなら来年からは自分と珊瑚の思い出の店にしていきたい。
その挨拶が終わってから大和は乾と会うわけで――]
えっと……乾は元気そうで何より。
……なんだけど、
[風の噂程度の乾と柊木の仲の話だったが嘘が真になったのか最初から真だったのかはわからないがそういうことらしい。
大和の恋人というか婚約者未来のお嫁さんと一緒にきたので心構えを話して聞かれるのは正直恥ずかしいので局所的に二人でお話する感じになれるだろうか**]
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―― 天体観測会:準備 ――
[天体観測会の準備は、僕が意識を失っている間にメンバーたちの間で着々進行していた。
余り星には詳しくない、と聞いていた千映が積極的に企画を進めているのには驚いたが、彼女は多分星が見たいというより、思い出作りがしたいのだろう。
家族との疎開が決まっているから。]
[彼女が描いたポスターを見た時、僕は非常に強く胸を打たれた。
広がる天の川は、空から宇宙まで跨ぐような迫力。
濃淡バランスが素晴らしく、遠く、遠くにみんなの想いがあるような。
描かれた人物たちは『僕ら』だ。
空にみんなが抱かれている。
僕は校内にてポスターを見る度に誇らしい気持ちになった。]
[カガセンへの連絡は康生がしてくれたし、予算の計算も頭脳明晰な彼の方が向いている。
さて僕の仕事は人集めだ。
彼は僕を人たらしなど勘違いしているが
しかし、やらねばならない。
僕には秘策があったーー。]
天体観測会に来ない?
星、綺麗だよ。美味しいお菓子や食べ物あるよ。
後、特別にーー来るならどんぐり亭定食割引チケットあげる。
[ぴら、と数枚綴りのチケットをちらつかせる。学生はお金がないから、喉から手が出るほど欲しいやつ。
こうして僕は何人かを集めることに成功したーー。]**
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ーーどんぐり亭/大和、珊瑚ーー
[二人が仲良く揃ってどんぐり亭を訪れてくれた時は、店の営業も通常通りになっていただろう。
店は父さんが厨房で料理を作り、母さんとバイトの女性がホールを切り盛りする。
四十ほどの席があり、カウンター席もあった。
チェック柄のテーブルクロスとか、テーブルの上に丸い占いくじが置いてあるとか、昭和臭い洋食屋である。
メニューはハンバーグ、ナポリタンなど定番を揃える。]
[人気はケチャップライスを包んだオーソドックスなオムライス(卵とろとろ)と、デザートのミルクレープ。
クリームたっぷりのミルクレープは珊瑚のお気に入りだ。]
[二人の姿を見ると、父さんが厨房から顔を出す。]
『大和くん、よく来たね。珊瑚ちゃんは久しぶり。
おじさんが腕によりをかけるから、好きなメニューを頼んでね。遠慮はいらないよ。』
[大和の丁寧な挨拶には母さんが応えた。]
『まあまあ、大和くんは本当にしっかりしていて礼儀正しいのねえ。
ありがとう。お店をまたこうしてお父さんと出来て、良かったわ。街の賑わいに頑張って貢献するわね。
さあさあ座って?』
[母さんは二人を四人席に案内し、僕は向かい側に座った。]
久しぶり。大和も珊瑚も元気で何より。
二人とも来てくれてありがとう。二人が一緒に来るなら、僕もコウを呼べばよかったかな?
[寄り添う二人からのラブラブ圧が凄い。しかし僕はたった独りでも、コウに対する愛を叫ぼう!世界の中心にて。]
あの話って、僕とコウが交際スタートしたこと?
うん…コウの気持ちはまだ親友に近いみたいだけど、僕の気持ちは受け止めてくれて。
今まで珊瑚に沢山恋愛相談に乗って貰い励まして貰ったお陰だよ。
本当にありがとう。
[僕は頭を下げた。それから二人にメニューを勧め。]
好きなもの頼んでね?仲良くシェアしてもいいんだよ。
[僕はコーラと生姜焼きをお母さんに頼んだ。]
僕は人と付き合うの、初めてなんだ。コウを絶対幸せにしたい。喧嘩とかせず、ずっと仲良く愛を育みたいんだ。
大和はさ、真っ直ぐじゃん。大切な人を…つまり珊瑚を護ってるんだろうな、て。
端から見てカッコいい、漢だと思うんだよ。
僕もコウを護りたい。
君たちがどう上手くやってるかを聞かせて欲しいな。
気を付けてることとか、積極的にしてる、言ってる言葉とかあるのかなあ。
[僕は根掘り葉掘り聞くつもりだ。
僕の惚気は後攻だ。]*
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─天体観測会の準備─
うわ、すげ〜! めちゃくちゃ絵うまいじゃん!
これなら、めっちゃ人集まりそう!
七尾に任せてよかった〜! ほんとサンキュ!
[七尾が描いてくれたポスター
[コーラ騒ぎが収まってからにはなっちまったけど、俺の方でも二年と、あと三年の先輩達にも声掛けに行った。ケイがチケット渡してる
[予算の方もうまくやりくりできたし、七尾の作ったポスターは取り込んで、HPの方にも載せておいた。命や瑠璃川も準備進めてくれてるから、あとは○月×日を待つだけって感じだ。*]
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─どんぐり亭─
確かに私も"恋する乙女として相談に乗って!"と言われたらちょっと恥ずかしいかもしれない。
自分のことを色々話すのはそれはそれでノリとタイミングと勢が必要なのだ。
「うん、今年は行けてなかったけど
毎年お誕生日にお父さんとどんぐり亭で食事してたの。
私が料理できない頃はかなりの回数行ってたなあ。
だからどんぐり亭に一緒に行くのは大賛成!
それに、うん。来年はね?
私の誕生日に一緒に行こうね、どんぐり亭。」
だから恵一くんには『おめでとう、仲良く大事にね。』『取り敢えずどんぐり亭には一緒に行きます』と、ひとまずの連絡と、なるべく近い日付で二人で行く日時を伝えておく。
「乾さん、お久しぶりです。
お元気そうでよかったです。」
恵一くんのご両親にも挨拶はきちんとして、席に案内されていく。
テーブルの下でも手を繋いでいても、黒檀のリングをお揃いでつけていても普通だよ、普通。
「まあ、私自身はそういう傾向ないけれど
セクシャリティでどうのこうの言うつもりなかったし
幸せならそれで良いかなって思ってる、今でも。
恵一くん、想いを伝えられてよかったね。
でも、どう、上手くやってる…?」
はて。そんなコツなんかあったっけ。
メニューを開いて、「誕生日の時はオムライスとミルクレープって決めてるんだ」「でも他のも勿論美味しいよ」「サラダのドレッシングもオリジナルで美味しいの」なんて、もっと詳しい恵一くんが目の前にいるのにメニューを命くんに見せながら教えていく。
取り敢えず私はシーザーサラダとピザトースト。飲み物は温かいレモンティーをお願いする。
「…命くんのことを、1番に考えてる?
それと、我慢はしないようにしてる、かな?
お互いの意見はあると思うけど
嫌な事は嫌って伝えるし、
好きって気持ちも好きって伝えるし。
勝手にいろいろやらないで、自分の意見も言うけど
相手の意見も聞いて、受け止めていく…?」
そんな所?かな?と首を捻りつつ。
え、嫌な事伝えたことあったかって?
まあ基本的にあんまり無いんだけど…下着は!洗濯いっしょは嫌!恥ずかしい!は言ったね!
他に何かあるかな…?と、疑問符を浮かべながら美琴くんをじっと見つめた。**
─天体観測会の名称の件─
私と命くんは事前に機材の運び出しと掃除片付け。
それに当日のメニューに向けての買い出しなんかも間近になったらやる予定。
日持ちするものなら良いけど、それ以外は直前じゃ無いと痛むからね。
予定として。
当日七尾ちゃんと作るのはコーンスープとステンドグラスクッキーも含めた各種クッキー、ホットココア。
前日までに肉じゃがと琥珀糖、パウンドケーキと1日かそれ以上おいた方が美味しいものを仕込んでおく予定。
ふふふー、たくさん作るの楽しみだな!
甘味が多いのはしょうがないよ。リクエストがあったらもっとおかずも作るけどね。体を温めるもの、お腹が膨れるものをメインにしました!
そうして他のみんなも動いてくれたのでいろいろ進んでいた頃。
そう言えばポスターはどうなってたかな?もあるんだけどね。
『そう言えばこの観測会の名前どうする?
学校の名前とうちのマンションの名前取って
日暈・麗蘭復輝祭みたいなのはどうかな?』
ちなみにマンションの名前は麗蘭荘。
開催者も場所もわかりやすいけど、輝きの復活…なんかは流石にアレかな?
一応候補としてあげました。
あとはみんなの反応や候補次第かな!**
─旅行の日─
元々体のサイズも違うけど、元気くん状態になると硬さも熱も全く違うから面食らってしまうほど。
汗臭かったりはしないけど、濃厚な命くんの匂いがする。
舌先を這わせて、キスをして。溢れた蜜を舐めとるとなんとも言えない味がした。でも、嫌いじゃ無い。
「ん、ふ…?」
一度ピタッと止まったけど、それはやばいと言われたから。
ちゅ、ちゅ〜っと唇を短く長くとランダムに押し付けて吸いながら、唇でも命くんの形を覚えていく。
根本から先端へ、先端の形も覚えるようにくびれも丸みも舌と唇で甘く刺激する。
「ふふ、気持ち良いならよかった。
いつもして貰ってばかりだから…なんか
これはこれで楽し…きゃっ!?」
それは唇と舌先での刺激を止めて、先端を頬に押し付けるようにしながら手作った輪で元気くんを包んで上下に動かしてた時だった。
唐突に震えて頬に熱いものが掛かって、びっくりしてしまって。
頬や鼻先、口元に噴き出したものがかかってぎゅっと目を閉じる。
驚いて手を止めてしまっていたけど…大丈夫だったかな?
まあ、その、元気くんから発射されたもので顔や胸元がべったりしてしまったんだけど。
「…沢山、出たね?」
ほわあ…と純粋に驚いて目をぱちぱちさせて、これどうしたら良い?と上目遣いのまま命くんに判断を委ねてしまっていた。
取り敢えずシャワーかな?**
ーーどんぐり亭/大和、珊瑚ーー
[僕と同い年の珊瑚はお父さんと共にどんぐり亭の常連だ。
珊瑚も医者であるお父さんの教育のせいか、小さな頃から礼儀正しく僕の家庭で評価が高い。
兄さんは『可愛い娘さんじゃないか。仲良くしたら?』
父さんは『ああいう、小さな頃からしっかりしてた良い子が恵一のお嫁さんになってくれたらな。』
珊瑚は凄く可愛い女の子だと思う。明るいし、優しい。康生と同じぐらいの光属性だ。
ーーでも僕は、小さな頃から"女子"に一度も異性として惹かれたことがなかった。
といって男子にドキドキしていたかと言えばそうでもないから、ガチホモではないと思いたいがーー。]
[僕の恋心は、高校入学の電撃的出逢いまで一切花開かなかったのである。
だから、珊瑚は友達。
今は恋愛の先生だろうか。]
[二人が揃いの指輪をしているのに気付き、僕は目を細める。]
それは婚約指輪?素敵だね…
[僕も早く康生との指輪を買いに行きたい。
珊瑚は常連だから僕よりオーダーもスムーズ。大和も好きなものを頼むだろう。]
一番に考える。
うん、それは大丈夫だ。
[先生の言葉に僕は頷いた。むしろ彼以外が見えなくなるほどだし。一番より唯一かも。]
我慢しないーー。
嫌なこと。
好きを伝えるはしてるよ。
コウが溺れるほど。
[僕は何か彼に嫌なことあったかな?…ない。
なら我慢はしてない?
いや、1つだけある。
我慢しない方がいいのか…
もっと触ったり抱き締めていいということ…?
それ以上も…?
勝手にやらないよう、彼がどんな風にしたいか聞く…?
と、僕はあらぬ方向に解釈していく。
大和、止めるんだこの野獣を。君しかいない。]*
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─同居の提案 ケイとの電話─
[俺は、自分のこととか家のこととか、自分からはあまり話さない。でも、ケイはすごく話して欲しそうにするし聞きたがるから、ケイには話した。そしたら「僕んちに住まない?」って提案された
や、有難い提案だし嬉しいけど……ちょっと待って。
親に相談してみっから。
父さぁーん、ケイが一緒に住もうって言ってる〜。
[そっから、電話の向こうで説明下手な俺に父さんがあれこれ聞き回る間が少し。もしかしたら、補足説明はケイに投げたかも。でも最終的には家族三人で「お願いします」って話になった。お世話になる間の家賃は払うし、その金額はケイの親と話し合って決めたっぽい。]
[うちの家の状況考えると早い方がいいだろってことで、ケイん家の準備ができ次第、荷物運び込んで暮らす流れになった。家財の大半(もちろんBlu-rayBOXやプラモとかも)はトランクルームに預けたけど、父さんは書斎机と椅子を持ち込んだ。ないとしっくり来ないらしい。俺は机とか椅子とかそこまで愛着ねーから、使っていいもんがあれば使わせてもらってるかも。*]
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ーー電話/康生ーー
はい、じゃあ父に代わります。
[彼に建て替え中の同居(家族ごと)の提案をした所、親同士が話し合う事となった。
父さんは最初『同じ街の住民が助け合うのは当たり前だから家賃は大丈夫』と言っていたが、それはそれで柊木一家は気を使ってしまうのに気付いたようだ。
二人の父親は話し合い、そういう子供には関与出来ない部分もきちんと決めてくれた。]
[自宅とどんぐり亭は隣接した建物である。
ご両親にどんぐり亭二階を使って頂き、康生には自宅側の兄の部屋を、という提案を父がした。
どんぐり亭二階にはキッチンバストイレ、普通に生活出来るものが揃っているから、柊木家の生活やプライバシーは保たれるだろう。また、彼のお父さんが書斎机や椅子を持ち込む十分なスペースもある。
勿論、家族交流を望むなら二家族で自宅のリビングに集まりパーティーみたいにご飯を食べたりも可能だ。
きっとその際は、シェフである父さんと、母さん、康生のお母さんが三人で自宅キッチンに立ったりするんだろうな。
康生は寝る時だけ兄の部屋を使えばいい。兄さんは当然両親から事情を聞き人助けに快く協力するといったし、遠慮はいらない。]
[両親と祖父母(他界)の部屋は一階、兄と僕の部屋は二階である。
二階で、隣同士の部屋だ。
ーーつまり。彼が毎晩僕の隣の部屋で寝息を立てるという。
身を持て余しそうな、悩ましい状況が出来あがってしまったのであるーー]**
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