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【人】 超心理学会 ヒイラギ─心臓の止まる時 柊木達見の最期─ (286) 2023/08/20(Sun) 19時頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ[康生にも、その学友達にも、申し訳無い事をしてしまった。謝れない事が、心残りだ。] (287) 2023/08/20(Sun) 19時頃 |
――四度目の襲撃――
やっぱり戦う気しかないのかな!
[
無数に見える砲門から無数に見えるミサイルが飛んでいき砲撃を開始したのを見て、距離を取るので正解だったようだ。
攻撃開始までに随分と時間がかかっていたから避難は十分に出来ていたし重質量兵器でないならば地下に影響はあんまりないはずだ。
こんなに揺れていたら怖いに違いない。
笑顔なんて浮かべるのは本当は難しいのだけれどそれでも珊瑚は笑顔を浮かべていた。
こちらを向いて笑みを浮かべるから膝を追って子どもたちに向き合う前にぎゅうって強く抱きしめた]
ほら、みんなも手をつないで。
隣の子から元気を貰って歌おうか。
[
聞きながら少し遅れて歌っていって、懐かしい歌は次第に周囲のご老体たちも歌い始めていく。
歌はいいものらしい。歌っていると元気になっていく気がする。
子どもの相手をする珊瑚はやっぱり女神かなって思うくらいだけれど怖がってるのは分かるから大和はずっと傍にいて歌の合間に一緒に子どもと話続けたり抱きしめてあげたりしていた。
話す内容はあまりなくて好きな食べ物は、とか聞いたりするしかないのだけれど。
そうしていると震動が収まっていき
震動が収まってもすぐに外には出られない。
外の安全が確認されたなら、だが――外に出れば三度目よりも更に広がった更地を確認できるのだろう*]
―― 四度目の襲来:遠ざかる街、敵、ソレ ――
[大きな音が車の後ろから、道の向こう…
――― あたし達の街の方から響いてくる。
何度も
遠ざかる内に音は小さくなったけど、
最後の音は前二回よりうんと大きくて。
耳を塞いでいた手を離して、ゆっくりと
後ろを振り向いてその光景を見た。
二体の怪物が白い煙を上げていて、
車が進む度、その煙が晴れていった。
そこで見えたのは、白くて丸い…?]
……あれ、なんだろう…?
[疑問を口にした所で誰からも、
何処からも答えが返って来ることは無くて。
その白いのも認識できない程遠ざかった所で、
先にハート型の方が。続く様にいつも出てくる
人型…?の方が、上から徐々に消えていった。
あれは『終わった』合図だと、
テレビやクラスでの会話の中で聞いてたから
お兄ちゃんとお母さんとに向け声を掛け
車を道端停めてもらった。
三人でその方角をただ茫然と眺める。
…街は、家は、無事なんだろうか…。]
[しばらくそのままでいたけれど、
現地に戻るには危ないという流れになって
あたし達は当初の予定通りおとうさんの病院がある
街の方へと再度車を走らせた。
――― 車内では自然、
これからどうするかの話が出て。
流石にもう離れるべきだろうって
二人の間で話がまとまっていた。]
[……あたしの疎開が決まった瞬間だった。]**
メモを貼った。
【人】 超心理学会 ヒイラギ─戦闘終了直前 コックピットにて─ (293) 2023/08/20(Sun) 20時頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ─戦闘終了後 本郷へ─ (294) 2023/08/20(Sun) 20時頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ─戦闘終了後 カガセンへ─ (301) 2023/08/20(Sun) 20時頃 |
─四度目の襲来─
わたしも一度強くぎゅっと抱きついた。周りの子供達も、大人も、少しはしゃいだ声がしたけれど気にしない。
『さんごおねえちゃんはほんとうに
みことおにいちゃんがすきなんだね!』
『らぶらぶー!!!』
「そうだよー、命くんのこと大好きなんだ。
準備ができたら、お嫁さんにしてもらうんだから。」
歌の合間にそんなやりとりだってあった。
揺れよりも何よりも、何も無くなった焦土のような真っさらな大地に恐怖を覚えていたけれど。
それを忘れるように笑顔を浮かべる。
実際そうして話している時が紛れるもの。
命くんの温もりを感じるとそれだけで気持ちが落ち着くの。
みんなのお話を聞いて落ち着かせているようで、わたしの方がみんなに元気をもらっていたと思う。
特に命くんからは…想像以上に元気をもらってたから。
「はい、ポケットを叩くと…
ビスケットじゃなくてキャンディが出ました〜!」
不思議なポケットの歌を歌ってから、ビスケットだとアレルギーを持ってる子がいたら可哀想だからよりアレルギー食品の少ない飴をポケットから出して子供達に配る。
きゃっきゃっと喜ぶ子供たちの笑顔は大人たちにとっても癒しだったから。
命くんにも手伝ってもらって手持ちの分を配り終えた頃、外は静かになっていたかもしれない。
でも、まだ身体が揺れる気がして命くんに背中を預けて、そのあとすぐにぐるりと振り向いて肩口に額を預けた。
子供たちと接していると忘れられるけど。
自分たちの住んでいる街が本当に消えてしまう。
そんな恐怖に改めて襲われて、なんていうか…ちょっとわたしも、限界が近かったのかもしれない。
「…外、出たら。どっか旅行、いこ?」
お父さんに許可を取らなくちゃ。
お金の問題はまあ大丈夫だと思う。お年玉はあるし、もらってた生活費だって無駄にはしてない。
だからこれは、ある意味わたしからのヘルプサイン。
この土地から離れたくない。
だけどあんな光景を見るのは嫌。
あれに巻き込まれるのはもっと嫌。
ここから逃げ出してしまうようで心苦しいけれど。
それでもどこか、遠くに行きたい。
じわ、と滲んだものが命くんの服に染みて。
ごめんね、と小さく小さく呟いた。
彼以外に聞こえないように。*
【人】 超心理学会 ヒイラギ─戦闘終了後 縁士へ─ (304) 2023/08/20(Sun) 20時半頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ─心臓が止まった後 ケイへ─ (305) 2023/08/20(Sun) 20時半頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ─カガセンに託した手紙─ (306) 2023/08/20(Sun) 20時半頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ『パイロットのみんなへ』 (307) 2023/08/20(Sun) 20時半頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ『俺の心臓はとっくに止まってて、今俺の中にあんのは父さんの心臓なんだ。 (308) 2023/08/20(Sun) 21時頃 |
【人】 超心理学会 ヒイラギ『謝るついでに、図々しいけどお願いがあります。 (309) 2023/08/20(Sun) 21時頃 |
――四度目の襲来、そして――
[
おばさまらがいても子どもたちがいても変わらない]
そうだよ、ラブラブだからね。
珊瑚さんは最高のお嫁さんになるからね。
[そこは最早確信しているので大和は子どもたちに笑顔を振る舞う。
震動があっても心を震わせる原動力の一助となればいい。
甘いものは頬が緩むし心も落ち着く。
一緒になってキャンディを配っていって子どもたちも落ち着いてくると歌も少しずつ静かになっていき外も静かになっていた。
隣街か、そのまた隣か。
遠くの観測所からホットラインで安全を教えてもらったら外には出れる。
珊瑚の身体を後ろから抱きしめて包み込んであげて、それでももの足りないのか反転したので背中と腰に手を回してしっかり抱きしめた]
珊瑚さん……。
[大和は街に思い入れが少ないけれど数少ない思い出の地は珊瑚の家の周囲に多い。
あの狸は割れずに残っているだろうか。
マンションはそもそも無事なのだろうか。
これまで見えていて過ごしてきた街並みが崩れ落ち火に炙られているところを見るのは本当に辛いことなのだろう]
僕ね、旅行は合宿しか行ったことがないんだ。
でも夢はあって……。
珊瑚さんと一緒に星を見に行きたいな。
珊瑚さんはどこにいきたい?
[親の許可やお金の心配ではなく楽しい旅行の内容を語る。
背中に触れていた手を頭に伸ばしてゆっくり撫でていく。
大丈夫って耳元で囁きながら涙が零れて止まらない珊瑚の表情が誰にも見えないように覆い隠してしまおう]
南の島とか、山の上とか星が綺麗らしいね。
僕は珊瑚さんの水着姿も見たいな?
[これ以上珊瑚が傷ついてしまわないように。
遠い地に楽しい目的をみつけて旅行に行こうねって落ち着くまでの間、いろいろと夢と案を語りながら頭をぽんぽんと優しく撫で続けた]
[後に――。
外に出た後の被害状況は推して知るべしというものだった。
この街は呪われているんじゃないかって言われるくらいに更地が広がってまだ火が燻っている場所も沢山あったけれど消化なんてできるわけもなくて――。
でも、それでも――。
疎開した人や一時的に離れた人が戻れるようにって、安全が確認されれば復興が始まるんだ。
人が存在しているって証を立てるかのように*]
メモを貼った。
【人】 超心理学会 ヒイラギ─心臓が止まった後 ケイへ─ (313) 2023/08/20(Sun) 21時頃 |
―― 四度目の襲来:夜 ――
[お父さんの居る病院のある街に着いて、
手頃なホテルに家族三人で部屋を取って、泊まった。
晩御飯は適当に食べて、三人揃ってひたすら
テレビのニュースを眺めていた。
高校から少しだけ離れた市街地。
焦土と化した大地と、最後に大きな音を響かせた
白煙立ち込めるあの光景の中で起こった
衝撃波の影響で傾いた電信柱、傾いた家。
度重なる襲来の影響で街からは人が減ってたし、
三度目ともなると避難も早かったからか、
この間の襲来よりは犠牲者の数は少ない。
……けれど、いない訳じゃなくて。]
[どのチャンネルを回しても同じニュース、
映像、現地の人へのインタビュー。
周辺病院への取材や泣く子供達…
――― もしかしたら瑠璃川先輩達の
病院にも行っていたのかも。
そんな映像がひっきりなしに流れて。
あたしは次第に見る気を失くして、
お兄ちゃんもIフォン見る方に移って、
お母さんだけはずっとテレビを見続けてて…
そうして夜が更けていって、
お風呂も済ませたあたし達は寝る事になった。
けど、]
[部屋を抜け出して、あたしは
ビジネスホテルの人のいないラウンジで
しばらくぼんやりと過ごしていた。
また途中で目を覚ましてしまって。
…今度は寝付けなくって。
缶ジュースに少し口を着けてからぼーっと
今日見た光景とニュースとを思い出しては
頭を振って追い出して、それを何度か
繰り返して時を過ごしてしまった。
ふ、と
外の景色が見えそうな上から下までの窓を
フロアの端に見付けて、そっと近付いた。]
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