10 冷たい校舎村9
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……俺、やっぱり向こう行ってる。
[ 他人がいても気まずいだろうとか、
そんな殊勝で冷静な心掛けじゃあなく、
たぶんその瞬間、そこにいたくなかっただけ。
鏡もないんじゃ見えやしないが、
きっと、慎一は顔をひどくゆがめてそこを立ち去る。*]
おう、ただいま。
えっと…… いや、なんでもない。
[そこに居たのは
物言わぬ人形なんかじゃあなくて
ちゃんと生きているマナだったから、さ。
無事帰ってこれてた喜びだとか、
そりゃあ…
言いたいことは山程あったんだけど。
ま、それはあとでいっかな、って。
お嬢様、カフェオレ温めておきました。
お陰様で俺のポケットもほかほかしていて、
俺は、じゃ、またあとで、って売店に向かうんだ]
[そしてこちらもまあ
無事、売店は開いていたわけで。
(どうしても開いてるわけがねえって?
じゃあ絆創膏の自販機があったことにするからな!)
調達するのは絆創膏だけ。
んで暫く廊下にあった大きな鏡に向かって
俺は格闘することにする。
眦の傷、そんなに大きくなくてよかったな、って。
あっちの世界はさ、
日常なんかとは随分かけ離れていたけれど
確かに、夢なんかじゃないって思い知らされる。]*
― 綿見と ―
そっか。だろーなとは思ってたけど、
やっぱ姿見るとほっとする。
え、あ、そう!?ごめん。
ついつい気になっちゃって……
でも恥ずかしがってる綿見ちゃんなんて
レアだからちょっと役得。なーんて。
[勿論なんか変な気持ちで見てたわけじゃない、が、
確かにちょっと不躾だったかも。
謝罪を交えつつ、軽口を叩く綿見に笑いかける。
元気そうで何よりだ。]
[続いて、黒沢の容体に水を向ければ
ちらりと綿見の視線が集中治療室に向く。
まだ状況は何も変わっていないようで、
笑っていた顔を物憂げに曇らせた。]
………そっか……
九重ちゃんが来てるのは聞いたけど、
番代ちゃんも来てるんだ。
[番代家の厳しい門限を知っている身としては
よく親が許可してくれたなって思ったけど、
それだけ必死に頼みこんだのかもしれない。
やっぱり皆、じっとしていられないのだ。]
[他の奴も来ているんだろうか、
なんて思考の端に過った所で
ちょうど鳩羽が戻って来たか
おっすおっす、って軽く手を上げて挨拶し
飲み物俺の分はねーの?とか、てかその傷どしたん、とか
ちょっとした戯れ(ウザ絡みとも言う)をしたのち
売店に去っていく友人を見送る。]
……忙しいだけ、なら、いいんだけど。
[可能性を考えるならいろいろある。
元々父親はいなかった、とか、いろんな事情もあるだろう。
私は乃絵ちゃんの家庭については知らないんだから、
どう足掻いても余計な推測になってしまう。
私の両親だって、私が自殺未遂を起こしたなんてことがあれば、
絶対に、全速力で、何があっても駆け付けてくれるという確信がある。
だから、そうじゃない家庭について想像を巡らせる能力が足りていない。]
[だけど、だけどね。
もし父親が来ない理由が、
乃絵ちゃんが自ら命を絶とうとした理由と何か関係があるなら、って。
少しでも思ってしまったせいで、歯止めが効かない。
無言で視線を向け合えば、
同じ発想に至ったかどうか、目に走った動揺を感じ取った。
そのまま向井くんを見送って、
心の中に引っ掛かったその違和感と向き合いながら、
過ぎていく時間を待ち続けるだろう。
ポケットの中に重みを与えているコーラ缶の、
プルタブ部分を指でなぞる動きを繰り返す。
……うん、少し落ち着く。*]
[んで、聞かれた話の続き。
校舎内で綿見とあんまりじっくり話す機会は無かったけど、
そう言う風に思うってことは、
やっぱり彼女の中でも何か変化があったのかな。
そこまでは分からないにせよ。
何せ、成り行き上とは言え、
唯一俺の中学時代のごたごたを零した相手ではある。
ちょっとだけ気恥ずかしいような気持ちで
眉を下げて苦笑を浮かべた。]
………うん、
なんてゆーかさ、あっちでいろいろ話して、
人の話も聞いてみてさ、
俺視野狭かったんかなーって。思って。
過去言われたことは変わんないし、
俺がやらかしたことも変わんないし、
新しい彼女が出来たわけでもないけどさ。
[現実が何か大きく変わったわけでも、
根本的に解決したわけでもない。
…俺が実の親に棄てられた事実が
変わるわけじゃない。けれど。]
いつも笑ってなきゃ駄目だって思い込んでたんだ。
でも、なんかさ、皆優しいんだよ。
優しくしてくれたんだと思う、ずっと。
だからもっかい信じてみたいなって。
今度はちゃんと向き合いたいなって。思った。
[求めた愛を得られたわけではないけれど。
俺の周りにはたくさんの人がいて、
少しずつやさしさや愛をくれていた。
闇雲に欲しがるばかりで、
ずっとまともに見ていなかったんだって。
ようやく気付いたから俺は、
やり直したくて帰って来たんだ。
いつか俺も俺をちゃんと好きになれるように。]
……俺の方はそんな感じ。
[なんか語っちゃったな。
素に戻るとちょっと照れ臭くて、
あははと笑って軽く頭をかく。]
綿見ちゃんは?
ちょっとは気持ち、楽になった?
[いつかのやり取りを思い出して。
お返しに聞いてみるんだ。**]
── 現在・病院外 ──
[ 「忙しいだけなら」って、
番代の言葉がやけに頭に残った。
そうやって少ない言葉を交わして、
その場を離れた慎一は、
待合室にいる人と混ざる気分でもなくて、
結局、またなんとなく外にいる。
たぶん、寒いくらいのほうが、
頭の中がぐちゃぐちゃになったり、
あるいは手に汗を握りそうなとき、
少し落ち着ける気がしてよかった。]
[ そう。可能性はいくらでもある。
いろんな家族の形があることも、
慎一は知らないわけじゃない。
そう頭では理解しているはずなのに、
今は、無性に落ち着かないから。
病院の外、入り口から少し離れて、
邪魔にならないようなところに立ち、
時折冷めたミルクティーを口にしながら、
ペットボトルの蓋のぎざぎざを、
短い爪でじっじっとこすってた。
誰かが似たことしてるとも知らず、
ただ、自分を落ち着けるために。]
[ 慎一がここでそうしている間にも、
病院の中がわあっと明るくなりますように。
どうか、また会えますようにと祈りながら。*]
[ 少し前。
ひとみからの反応を見て、
生きづらかったよね、なんて言われて。
思わずこくんと頷いて、ちょっとだけ
目が潤みそうになっていたのは秘密の話。
こんな簡単なことだったし、わかってくれた。
…… 言っても大丈夫だということに気がつくのに、
やたらと時間は掛かってしまったけれど。
ひとみも私も、同じようなものに囚われていた。
これからはそんな話をするような事も
段々と無くなっていくのやもとは思う。]
[ 誰にも言えない秘密の共有があった事は、
何処かにあの子たちと一緒に残るだろうけど。
それこそ、あの冷たい校舎の中とかに。]
[ さいごにはなにが残されるのだろう。
ここにいる私たちには、想像しかできない。]*
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