27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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―― 夢の中 ――
おめかし……。
[ 銀先輩の声が耳に入って、
普段着姿でいようかなと思っていた俺は
少し思案したけども。
みんなが衣装チェンジしているなら、
俺も普段身に着けている帽子とピアスは外して、
ブラックスーツにシルバータイという
無難な服装になったと思う。 ]
[ それから、 ]
アリババさん、もし可能なら、
回谷先輩に伝えてもらえますか。
『回谷先輩の幸せそうな姿が見られて
少し心のつかえが取れた気持ちになりました。
俺は決して先輩と過ごした時間を忘れません。』
って。
[ 祝電にしては、>>*1
言葉のチョイスが重苦しい気もするけど、
そこまで大きな接点もなかった俺の立場で
言えることって、これくらいかなって思って。 ]
[ 届くかどうか分からない祝電を送った後、
俺は結婚式の進行を静かに見守ることにした。 ]*
|
>>176
キミが願えば、呼べば見える。 声も聞こえる。
まあ、時々、上司(神)に呼ばれて、不在時もあることは、 先に言っておこう。
[まあ、仕事も時々あるかもだからな]*
(177) 2023/08/05(Sat) 23時頃
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[どのタイミングか。 届いた言葉を新婦に伝える]
『回谷先輩の幸せそうな姿が見られて 少し心のつかえが取れた気持ちになりました。 俺は決して先輩と過ごした時間を忘れません。』
福原くんからだ。
(178) 2023/08/05(Sat) 23時頃
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[ 高祈と柊はそれぞれ相応しいと
思える格好でその場に在る。
仁科に高祈、柊とは夢から覚めたあとは
まだ会っていなかったから、再びの夢の中とはいえ
姿を確認できたことに安堵を覚えて。
高祈からの微笑みには頷きで応えた。
福原の改まった姿も視認する。]
あ、アリババさん。
私からは
『いつもありがとう すごくきれいだよ』って
伝えていただけると。
[福原に便乗して、念じると。
それ以降、銀の視線は新郎と新婦にのみ注ぐように
――努めた。**]
[見渡した時に見つけた、印象の変わる福原の姿。
少しの間見ていたけれど、やはり何も言わなかった成海だが
祝電が始まれば、続くように口を開いた。]
『回谷こころさん、結婚おめでとうございます。
天使の前で愛を誓った誰よりも美しい花嫁の姿は
参列する皆の心に、生涯残り続けることでしょう。
勿論、私も含めて。』
[これは冥婚であり、彼と彼女はいずれ離れ離れになる。
そう分かりながらもただ、祝う気持ちだけを告げる。
今この瞬間最も幸せである女性に向けるのは、それが相応しいのだと考えた。*]
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『いつもありがとう すごくきれいだよ』
これは、銀さんからだよ。
(184) 2023/08/05(Sat) 23時頃
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――休憩スペースより――
[掌の痛みが、オレを現実に引き戻す。
血で汚れた頁を破り捨て、新たな頁に
夢の中で纏まりかけていた図案を再現しようと、]
――っつ、 痛ぇ、
[大雑把に木屑と棘を除いて絆創膏を貼ったけど、
二本目の鉛筆を握る手は覚束無い。
優美で清楚な茄子の花と。
更なるモチーフを求めて、目を瞑る。
メグココちゃんが呪詛を唱えていたら、
これ以上は夢を見ていられないけれど。
傍らに未だ目覚めぬ二人の先輩が居て、
少しでも安らいでいてくれたら良いと願って。]
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『回谷こころさん、結婚おめでとうございます。
天使の前で愛を誓った誰よりも美しい花嫁の姿は 参列する皆の心に、生涯残り続けることでしょう。 勿論、私も含めて。』
これは、高祈さんだね。
[他にも届けられる言葉は、すべて、 彼女が、まだ彼女であるうちに届けることができただろう]
(186) 2023/08/05(Sat) 23時頃
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――夢の中――
伝えたいこと……?
[その世界が拓ける寸前、アリババ氏の
妙に親切な提案が聞こえた。]
――――っ!
[降り立った地は、記憶にある美術館の
どの展示室とも異なっていて。
柔らかな光に満ちていた。
青と白の世界。新郎と新婦。
黒翼の神父と黒留袖の立会人。
オレは普段着を恥じながら、一番後ろの席で佇む。
何故か、もう夢の世界には居ないはずの、
目覚めた面々がドレスアップして
参列している様も、ありありと。]
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>>185
[ギョッとしているのに気付きつつ、 ああ、残念ながら、すべてオールで垂れ流されてるのである。
きっと、サトミの可愛いところも世話焼きなところも、 みんなに見られてしまったねえ、と。
ま、しーらない。 きっといい方向にむくだろうし]*
(189) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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[白と青のチャペル。
清廉な白い花々と緑で飾られた神聖な儀式の場所で、
神父に扮したあの人の声が響く。
初めての結婚式にそわそわどきどきしつつ
銀先輩のお墨付き?を得て厳かな気持ちで見守る。
――時折、両手でフレームを作るようにしながら
カシャッと音はならないけれど、心のシャッターを切る。]
アリババさん――
『こころ先輩、ご結婚おめでとうございます。
先輩の、笑顔で幸せな最高の一枚を。』と。
[言葉は足りていないけど、残したいと思った絵。
カメラはないけれど、私も“魔法”になれたなら**]
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『こころ先輩、ご結婚おめでとうございます。 先輩の、笑顔で幸せな最高の一枚を。』
仁科さんからだな。
(190) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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[どこからともなく、祝福の鐘と
舞い散る花弁が、純白のドレス姿の
メグココちゃんを暖かく包み込んでいる。
オレは冥婚なんて単語は知らなかったけど。
唐突に現れたそれが、
メグココちゃんの望んだ夢の姿なのだと理解した。
現実にはもう叶いようもない、
幸せな幸せな夢。
結ばれた二人は、絵本の最後の1頁、
めでたしめでたしの絵姿そのもので。]
………………綺麗だ。
[オレはどれだけ呆けていただろう。
つい漏れた感想に、ばつが悪くて周囲を見まして、
それから寿ぐ言葉を探して、顎に手を添える。]
『今まで見た中で、
一番綺麗で幸福な
キミの姿を、オレは憶えてる。
――絶対に忘れない。
おめでとう、メグココちゃん。
それから、ありがとう。』
[果たせなかった約束の代わりの、
彼女のささやかな願いを胸に、
素直な気持ちをアリババ氏に託した。]
[俺からも一言]
『回谷先輩おめでとうございます!
見守っていますよ。とっても綺麗です。』
[この後、向かう先にも温かな光りが満ち溢れていますように。決して寂しくなりませんように。祈りを込めて言葉を届けた。**]
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柊くんから
『回谷先輩おめでとうございます! 見守っていますよ。とっても綺麗です。』
(191) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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おっと、こちらもだ。
『今まで見た中で、 一番綺麗で幸福な キミの姿を、オレは憶えてる。
――絶対に忘れない。
おめでとう、メグココちゃん。 それから、ありがとう。』
(192) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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[花と蔦の絵付けをしたカップには、
美しい花嫁のドレスとヴェールを偶った
繊細なホニトンレェスを透かし彫ろう。
完成品をメグココちゃんが見ることはないけど、
トサカ先輩に贈ればいいのかな、と
普段寡黙なのに正装がビシッと決まった
新郎にも視線を向ける。
目に焼きつけないといけないのに
視界がぼやけるのはきっと夢だからで。
こんな時まで真摯に優しく紡がれる
各々へ向けた想いが、鼓膜と心を震わせる。
頬を濡らす幾筋かを拭うことも忘れて
オレはありったけの祝福を篭めて
拍手を送り続けた。]
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