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─海辺にて 恵一と─
怖かったっつーか、まあ……。
俺も、ケイと似たこと考えてたけど。
[返事は、バイク乗ってた時はちょっと濁した。結局、海着いてから話すことになったしな。海外に居たケイがちょっと情報漁るだけで、俺に行き着くくらいだからまあ相当だよなって。]
[俺は運転するわけじゃねーから、ウィンドブレーカーの上からショルダーバッグを斜めに下げてた。足元もスニーカー。ケイがコーラ好きなのは知ってるけど、何となく目を逸らしちまった。ロボットのコーラを思い出すから。俺はコーラのことカッコいいって思ってるし好きだけど、複雑な気持ちだったんだ。]
あー、うまいよなスパムおにぎり。
スムージーと一緒に、とは思わねーけど!
[いつもみたいに笑えてるか、ちょっとだけ自信が無い。それでも俺は、なるべく普通にするよう心掛けた。変に心配掛けたくねーし。]
うん! 俺も、砂の上歩くの結構好き!
波の音も、風も匂いも海って感じでいいよな〜!
[並んで置かせてもらった荷物には、何だか見覚えがある気がした。今年はまだ海来てないはずだし、去年もこんな風にケイと荷物並べたりはしなかったと思うんだけど。変だな?]
近況、か……。
そんな大変なことになってたんだな、ケイ。
俺、便りがないのは無事な証拠とかって、勝手に思ってた。 ……ごめん。
匡先輩がアメリカなのは知ってたから、そっち行った可能性は考えてた
日本に居ないんなら、その方がいいとさえ思ってた。
そしたらケイは安全だし、何も言われねーから。
心配は、いいって。俺が勝手にしただけだし、大変だったのケイなんだしさ。
[俺は自分から「身体弱くて」なんて話はしないけど、珊瑚は全部知ってるし、俺も聞かれれば肯定した。だからケイは、入学してから割と早い段階で、俺が昔心臓悪かったってことは知ったんじゃないかと思う。今は(俺基準だと)完全に健康体なんだけどな。体力・持久力がゴミなだけで。]
俺の近況……そう、だな。
LINE見てわかる通り、みんなと天体観測会の準備してる。
七尾が発案してくれて、瑠璃川がマンション屋上使う許可取ってくれて、命がいろんなもん買ったり運んだりしてくれてさ。
日時ももう決まってんだけど、ケイは○月×日って空いてる?
もしかしたら、一晩中になるかもなんだけど。
[楽しい話をしようとしたら、みんなのことばっかりで、俺自身のことがすっぽり抜け落ちた。ケイが温かく包んでくれた俺の手は、多分冷え切ってたと思う。訊かれれば、何とか答えたけど。]
実は、コーラ……あのロボットなんだけどさ。
ケイも合宿で見ただろ?
あれ含めて、今まで五回出ててさ。
合宿の後、学校に二回出て。
そん次……四回目が、うちの真上。
つまり、四回連続で俺の真上に出たんだよ。
さすがに四回も続いたら、気付く奴も疑う奴も出て来てさ。
俺が中学まで学校行けてなかったのもあって、社会に潜り込もうとしてる異星人だの人殺しだのなんだのボロカス書かれてる。
うちは家も壊れてねーし、家族も無事だから……余計に。
五回目にコーラが出たのは俺の真上じゃなかったけど、それでも近かったから、疑いは消えてくれなくてさ。
俺自身も、自分がほんとにコーラと無関係なのかわかんなくなって来ちまった。
……夢、見るんだよ。最近。俺が、コーラのパイロットになって戦ってる夢。
それに…………なんでかコーラのこと、俺自身が悪く思えなくてさ。
……もう、自分が信じらんねぇんだ。
[笑ったつもりだけど、全然笑えてねー顔になってたと思う。こんな愚痴ってか弱音、吐く気なかったのにな。ノイローゼになってんのかも。心配掛けたくねーのにな。*]
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![]() | 【人】 白銀∴秘星 マユミ うん、協力型のにしよう。コッパーヘッド。 (34) 2023/08/23(Wed) 17時頃 |
ーー僕らを結ぶ海辺/康生ーー
[彼が言葉を濁したのには、運転中気付かなかった。
僕はまだ、甘かった。
彼が晒されているのを知りながら、その影響がどんな風にあり、どれだけ苦しんでいるかを知らなかったんだ。
それを知るのはもう少し後。]
[確かにスパムおにぎりとスムージーの組み合わせは奇妙だろう、鰻に梅干しぐらいに。
だが僕は生姜焼きをコーラと一緒に食べたりするから。
彼の笑顔に翳りがあるのは気のせいか。メットを外して身バレを心配しているのか。
砂を靴で踏みしめる時は元気に見えたが。]
[僕がまず近況を話すと、彼は僕を案じながら謝る。そしてポロリを、する。
僕はそれを聞き逃さない。]
謝らないで。連絡出来なかった僕のが悪いよ。
ーー何も言われ……それって。
[僕は海外にいたから、何も言われなくて、良かった。
すなわち日本にいた彼は。
彼の心臓や健康面に関しては、珊瑚から聞いている。]
うん、天体観測は楽しみ。
その日は大丈夫だけどーー
コウ?
君の手、凄くーー冷たい。
それに君は天文部の話ばかりだよ。
僕はーー僕は君の事が聞きたい。
……何か、あったの?
辛いこと?
コウ。……話してくれ。
僕らは親友だよ。
[僕は彼がバイクでの会話で言葉を濁したのを思い出す。
彼の抱えているものが知りたい。
重ねていた手の甲を持ち上げ、無意識に自身の胸に導く。
心臓の鼓動を伝える。
彼が積を切ったように話し始めた。
僕みたいに声を荒げる事はない。しかし、積み重なる言葉には彼の悲痛が滲む。
ぽたり、ぽたり。
まるで血が滴るような想いの告白に僕は驚く。]
そんな、……そんな。
君が異星人?ーー人殺し、だって?
なんだそれ…ふざけてるッ
君があんなロボットと関係あるはずないのにッ
たまたまの出現位置からそんな憶測、無責任すぎるだろッ
学校行けなかったのは健康面の事情じゃないかッ
家が壊れないのもそんな理由なわけーー馬鹿らしいッ!
[彼が静かなのに僕が熱くなる。顔を真っ赤にして怒る。]
夢?パイロット?
[ふと、僕の脳裏に漆黒の宇宙が広がる。
僕も奇妙な夢は見たが。
だからって、ロボットのパイロット?]
[
ーーロボットは、コアを。
……人、ゴロシ。]
違う、君はーー
君はッ!!
[心臓の鼓動では彼を落ち着かせられない。僕はガバッと彼を抱き締める。力の限り。強く、強く。]
君が悪いことなんかーー
何一つないッ
君には一片の曇りもないッ
……君は。
いつだってみんなのために。
誰かのために。
怖くても辛くても我慢して。
心配かけたくないって。
独りで抱えて。
……僕が。僕がいるよ。
君を独りにしない。
君を決して独りにしないッ
ーーコウ。
[内側から溢れる、温かい濁流みたいな感情。
身体が弾け飛びそうなほど、僕の中で。
ーー彼が溢れて。]
[肩を乱暴に掴むと、真っ直ぐ彼の色素が薄い瞳を見つめーー唇を重ねようと。
舌を入れたりはせず、ただ包み込む。
その柔らかに愛を、癒しを、慈しみを注ぎたい。
僕の全身全霊にて。]*
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――旅行の日――
うん! もちろん!
[
アルバムはしっかりと、でもその時には一緒にいる星が増えているかもしれないけれど珊瑚も満更ではないようなのでいろいろと頑張っていきたい。
入籍だけはお互いに18歳になったらすぐにしたいけれどそうすると名前の変更が?
ここもまた相談しよう。
いろいろと意気込みはあるけれど、珊瑚の口から愛の星座と聞くと大和はウワーって顔を赤くしてしまうのでその辺りも慣れないといけない。
珊瑚と同棲し始めてからまだ然程時は過ぎていないけれど慣れていないことは沢山ある。
触れ合うのも身を重ねるのもそう。
どれだけ触れても飽きないというか飽きるとかあるのだろうか。
珊瑚が止めても大和は止まらないし奥の隅まで最後は洗っていた?しやはりお風呂はいいものだと思う]
[そんなわけで露天風呂だけどいいお値段がするホテルということもあり音の対策はされている。
窓を開けている隣の部屋に聞こえるとかもないだろう。
流石に大声だと普通に響くかもしれないけれど。
それに閑散期なので隣のお部屋に人がいないようなので大丈夫。
湯舟の縁に腰かける珊瑚は綺麗だった]
今日は夜の女神みたいだよ。
[手拭いで前を隠しているけれど全部は隠せないだろう。
零れる横乳も麗しいし横腹のラインも綺麗だ。
それに濡れた手拭いは肌に張り付くから隠していても透けてみるものもあって大和はぐんぐんと元気になる。
前屈みになりながら頭と身体を洗って泡を流す間横目でちらちらと珊瑚を見てしまって、身体を洗い終わった後も前屈みで近づいていこう]
おまちどうさま。
その……本当に綺麗だよ。
[ちゅっ、と頬に口づけると腰に手を回そう。
プールにも入れる暑気だけれど夜は少しずつ涼しくなってきているから温まろうって湯舟の中に浸かろうって勧める]
あ……でも、湯舟に手拭いは沈めたらダメだよ。
[おいで、と先に湯舟に脚を沈めて誘う合間に耳元でそう囁きかけて、大和はにっこり微笑んだ。
珊瑚が隠していた手拭いを外したら――外せるかな?
湯舟の中ではどの向きでお膝の上に座るだろう。
きっといつもより少し身体もよく温められるはずだ。
お空の星を見上げながらね*]
――五回目の襲撃後――
えっ、ええっ!?
重たくないよ! 全然重たくない!
重みだからね、重たいじゃないよ。
珊瑚さんは軽いからね??
[
宇宙空間ではないのだから重さはあるもので心地好い重みがあるのが良いのだが珊瑚は全然軽い方だと思う。
流石にこの前背負った子どもと比べると、うん、だがそれは比べる対象が悪い。
そう言えば最近お胸が大きくなったかなというのは気づいているけれどカップとかの話はよくわかっていない。
日々触れ合っているとなんとなく違う気がするというだけでお買い物にはついていくけれど店の中に入ると沸騰しきった感じになって動きがぎこちなくなるのは確かだろう。
ただ、毎日に近しく触れ合っているのでこの後も育つなら何度か機会があるのだろうけれど慣れるには時間を要する話である]
[脅威が去ったかどうかは政府にもわからないのだろう。
突然出現しはじめて、瞬く間に五回も襲撃があって未曾有の被害がでているのだから。
傷痕は深いが範囲は狭いのが地震とかと違うところだが地震と違って終わりが見えないのが難点か。
誰か教えてくれるならば教えて欲しいものだ。
終わったと確信できたなら珊瑚も心休めることができるだろう。
ただ、珊瑚を抱きしめるように座る心地良さを覚えてしまった大和は襲撃が終わったとなってももう離れることはできなさそうだ。
珊瑚も離れることはないと思うのでホームポジションというやつだろう。
下手人に関しては、おのれ乾いいいいい、と叫んだりしたが快復したのは喜ばしいことなのでそれはそれで喜んでいる。
戻ってきてすぐに皆で集まれないのが悔やまれるところだ。
交換条件のように出された珊瑚の写真だけれど――うん、普通の写真にしよう。
流出すると嫌だしね、ということでお料理作っているところとかお風呂あがりにくっ付いているところの写真とかになると思う。
珊瑚の待ち受けはこれからも変わっていくのだろうけれど、楽しかった思い出が映し出されていくのはいいと思っている]
[復興の証、タヌキくん、ちゃん?
珊瑚の家の周囲では一番シンボルになりやすい子で近くのお店や商店街とかも少しずつ復興していくことになるだろう。
最初は皆恐る恐るですぐに逃げられるように準備はしている。
ん……そうだね……。
少し離れたとしてもまた戻ってこよう。
その時はもっといろんなことができるようになってる。
この街で生きていこう。
[やはりすぐには全てが復興するわけではないけれど、それでも時間をかけて戻っていく。
珊瑚にとってはお義父さんとお義母さんとの思い出がある地だから、僕らもこの街でって約束しよう*]
─海辺にて 恵一と─
[ケイが重ねてた手を持ち上げ、心臓へと導いた。鼓動が伝わって来る。俺にとって心臓ってのは特別な場所で、「生きてるな」って実感や幸せを感じたり、命について考える時に触れることが多い。今は心臓に触れてなかったから、俺が死んでる…じゃないけど。俺を外しての話してたことに、ケイは気付いたのかもしれなかった。そこまでわかってなくても、自分の心臓に俺を繋いでくれたのは確かだ。]
……だよなぁ。バカらしい、よな。
[俺の半分死に掛かったみたいな心の代わりに、ケイは真っ赤になって怒って
け、いち……?
[……あれ? ほんとに初めてだよな? なんか身に覚えがある気がする
[俺は貧弱だけど衛生面の心配は無いから、付き合ってきた彼女にキスされたことくらいはある。でも、その度に「なんか違うな?」って感じがしてた。何がどう違うのか、俺説明下手だし、どう言ったらいいのかわかんねーけど。]
ん……、…………。
[ケイにされたキスは、「違うな」って感じが全然しなかった。何だろうな? 寒かったのが温められて、ほっとするような感じ
[だから親友とか、男同士とか、そもそもなんでケイは俺にキスしてんだろとか、多分考えなきゃいけないことはいっぱいあったんだろうけど。何でか俺は目を閉じて、そのキスを普通に受け入れてた。*]
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![]() | 【人】 白銀∴秘星 マユミ─花火大会の日─ (39) 2023/08/23(Wed) 20時頃 |
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─旅行の日─
こうして家のいろいろな所にアレが置かれることになっていったんだった。
だから観測会の時はきっちり片付けなきゃね!
まあこの時は、…持ってたなら確信犯?だったのかなあ。
奥の奥までされてシャワーで疲れ果ててしまったから最終的にあまり憶えてないんだけど。
…まあそんな記憶もあったから、体を洗うのは別々にしてたんだけどね。
「もー、命くん凄く褒めてくれるよね。
それなら命くんは星の神かな。
命くんのおかげで私もキラキラできるの。
命くんがいるから、元気でいられるの。」
前面の大事なところは隠れてるけど、薄くて濡れてる手拭いじゃよく見ればツンと尖ったところとかも見えただろうし、昼間にプールで遊んだから薄っすらと日焼け痕も見えたかも。
胸の外側や腰のラインも仕方がないけど…。
元気になられると私も視線を泳がせる。
嬉しいけど恥ずかしい。頬を染めて、見ないことにしちゃった。
最近は命くんの体格がますます良くなって、ギリシャ彫刻みたいだなって思うことあるよ。
私には真似できないかっこよさ。
「ん…。」
洗い終わって隣に来てくれた命くんとキスをする。
ちゃぷりとお湯が揺れた音がして、私はそのまま入ろうとしたけど。
「えっ?あ、でも、ここは使用後にお湯を抜く仕様だし
個人のところだからセーフ…じゃない?」
なんて思ったけど、にっこり微笑まれながら断言されちゃうと…もう、断れないよね。
ううー、と小さくうめいてから目を逸らして、そっと手拭いを外しながら湯船に浸かる。
本当は隣に並んでまったりしたかったけどお膝においでされるから…大人しく、後ろから抱きしめられる体制を選んだ。
う、ちょっと浮力で胸が浮いてる。やっぱり大っきくなったかも…としみじみ。
「星綺麗だね…。今日本当楽しかった。
一緒に来てくれてありがとう、命くん。
これでまた頑張れるよ。」
まあ、本当はこの後にもショックなことは起きるのだけどね。
でもこの時は本当にそう思ってた。
また頑張ろう。病院でもみんな助け合ってる。
学校もそのうち再開するだろうし受験に向けてだって頑張らなくちゃ。
今日は、そのための先取りご褒美?
もしくは心のお疲れ様会。
「温泉もあったかいし、体もほぐれて
もうサイコーだよね…。」
お湯の温かさで肌が桃色に染まっていく。
裸ではあるけれど、背中を向けているのもあって私はほんにゃり気が抜けて、命くんに背を委ねた。**
ーー君と繋がる/康生ーー
[もしも眼を閉じても、胸に触れたら人は感じるんだ。
鼓動を、脈動を。
血を全身に循環させる、身体のすべてに行き渡らせる心臓は生きる中心だ。
規則正しく刻むリズムは、人を生かす音だ。
聴かせる事で、聴く事で。
存在を知らしめる。
共に在る、見守っている、
独りの身体じゃない。
そして想いが集約する場でもある。好きな人に触れられたら、ドキドキしてーー速まる。
伝わる?
[君は独りじゃない。
そして僕も、独りじゃーーない。]
[彼は少しぽかんとしたような、記憶を探るような顔をしたんだ。
薄紅の花弁が咲いて。
僕は蝶が導かれるよう。
その蜜を求めた。
ーーもし、いつか何処かにあった可能性のように。
僕自身が寂しくて。
独りぼっちが嫌で求めたら、それは彼の今までの恋人と同じだったかも。
今の僕は、彼の寂しさや苦しさ、孤独を埋めようとした。
僕の唇で。]
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