10 冷たい校舎村9
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ただの夢では無いだろうし。
やっぱ、苦しい目にあってこっちにきたんだ。
それでも死んだけど死んで無いって、
変な感じするよね、……。
[ ちゃんと答えてくれてよくできました。
なんて、じっと向井くんの指の先を
なんとなく見ながら、
いつか話した言葉について言われれば、顔を上げ]
ああ、そんなことも言ったね。
なんだかもうそれすら懐かしいけど。
そっか。やっぱり虚しかったよね。
[ 淡々と。泣きそうにもなくそう言う姿に
吹っ切れちゃってまぁ、なんて思いつつ。
泣いてくれてもよかったんだけどなあ。
彼もまた、死ぬことで何か変わったのだろうか。]
…… 私?
私はずっと諦めて虚しくてだったからね。
似たようなものだよ。
頑張りたかった。でも無理だった。諦めた。
向井くん、認めないで堪えて頑張ってたから。
まあ、……ちょっと意地悪したくて?
頑張るのやめちゃいなよー……ってさ。
頑張り続けるの辛いじゃん。 それだけ。
[ 我慢の皮が剥がれてぐちゃぐちゃになった
素直なその下を見て見たかったから、なんて。
そう、言うなれば引きずり下ろしたかっただけ。
ただの意地悪だよ。ごめーんね、と。
そこまで反省してない様子で言って。]
[ いきなり話題が変わっても、
まあこれ以上は泥沼かもしれないからね。
深入りしすぎない方がいいこともある。]
ああ、食べてくれたんだ。
それは良かった。……ありがとう。
[ この礼だけは、少しだけ黒い視線は
和らいだものになって。
やっぱり、ね。自分の作ったものだ。嬉しいから。
飲み物を買ってくれると言うならば
それに甘えさせてもらおう。]
じゃ、カフェオレお願いしまーす。
[ 多分あった気がするから、と。
雑な注文をひとつ投げかけて]*
[向井くんと茉奈ちゃんの会話を聞いている。
盗み聞きするような意図は無いから、耳を澄ましているわけじゃない。
聞こえた内容をただただ、聞き流している。
楽しいことだけを享受しようと振る舞ってきた私。
クラスの誰と誰がどんな秘密を共有しようと、介入できないものもある。
……女子グループって噂が早いし、聞き流し慣れてるってのもあるけどね。
だけど、あの世界で食べたもののことを聞けば、
釣られてしまう魚のようにそちらを向いてしまう。]
パン……ケーキ……?
[何それ。食べてない。
いいなーと羨みの視線を隠さずに2人に向ける。]
あ、クレープ美味しかったよ茉奈ちゃん。
ありがと!
[こちらに帰る前日の夜にいただいたクレープのお礼を、
ちゃんとしていたか、し忘れていたか、
覚えていなかったので、改めて伝えよっか。]
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