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ああ、うん。
ユキも、これからもよろしく。
[あらたまった挨拶、ひとつ
悪友であり、類友であり、戦友であり、級友であり。
なあもしよかったら、親友も名乗らせてもらっていいかな]
[ちなみに電話を切る前にさ]
とりあえず病院行く、でいいよな
それとも先、ノエんち殴り込みにいく?
[って言って「嘘だよ」ってすぐに撤回したのは
まあ6割くらいは冗談だったかな。 ]**
メモを貼った。
![]() | 【人】 泥炭採り ユンカー
(72) 2021/06/14(Mon) 17時頃 |
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(73) 2021/06/14(Mon) 17時頃 |
![]() | 【人】 泥炭採り ユンカー
(75) 2021/06/14(Mon) 17時頃 |
[黒沢から聞いた、優しくない人の話。
自分勝手で、他罰的で、思い通りにならないと気がすまない人。
それが誰を指しているのか、
具体的には聞かなかったけれど、]
……俺もはっきりとは聞いてないけど、
たぶん親とか、家族……… じゃないかな。
[見放されたら生きていけない
俺はそれを聞いて、咄嗟に親だと思った。
ってのは今まで俺がそう生きて来たからなんだけど
直感はそんなに間違ってないと思う。]
[俺達未成年の行動範囲なんてたかが知れてる。
あんな空間を作り上げる黒沢が、
学校で嫌な思いしてるとは思えないし
恋愛絡みとかでもないと思う。ないよね。
黒沢を支配して根本的な価値観に影響を与えた大人。
親か、兄弟か、それに類する保護者の誰か。]
[黒沢からその話を聞いた時、
感じたのはシンパシーだった。
でも、彼女の現実を改めて理解した今、俺は憤ってる。
子どもは親に嫌われたら生きていけないんだよ。
苦しくても認められたくて必死になるものなんだ。
それをいいことに支配して、搾取して、追い詰めて
挙句の果てに死に追いやってしまうなんて、
心の底から胸糞悪いと思った。
だって俺だって多分、
もし何かが少しだけ違ってたらそうなってた。
だからこれは黒沢の為というより
自分の為の怒りなのかもしれないけど、
今はそれでもいいよね。]
[静かな呟きには即答が返って来て
俺はその反応に安堵した。
怒りを抑えた静かな声が今は心地いい。
独白めいた思いの丈に相槌を打って。]
…………うん。
でも、副会長は自分のそーゆー部分も
あんまり人に知られたくなかった気がするからさ。
変にレンが責任感じることはないと思うよ。
何も知らない奴の明るい言葉に
却って救われてたりすることもあるしね。
[鳩羽だしは、そのまんまの意味。
感情豊かで他人に寄り添って痛みを気遣える
お前がそう言う奴だから、話してもいいかなって思ったの。
きっと黒沢も許してくれるんじゃないかなって。
これを信頼って呼ぶならそうなんだろうね。
…言わせんなよ恥ずかしい。]
[そんな悪友兼類友兼戦友兼…長えよ。
いいんじゃないもう親友で。
とにかく共に盃(紅茶●伝)を交わしたマイフレンドは
あながち冗談じゃなさそうな口振りで言うものだから、
俺は呆れたように苦笑する。]
殴りこみて。
行くなら加勢するけどさあ、
俺、副会長んち知らないもん。
[まあ気持ち的には俺もそうしたいくらいだったけど
きわめて現実的な問題が阻んだ。
それにもし知ってたとしても、
ひとまずは黒沢の容体が気にかかる。
なので電話を切った後は病院に向かうつもりだ。**]
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[責任感じるな、みたいな言葉
俺の知らないところで、言われてたこと
俺は、自分で聞いてないから知らないしさ。
それでもごめんな、って思っちまうんだよ
優等生じゃないけど
案外さ、責任感は人一倍強いのが俺だから
だからさあ。
今はユキの怒りが俺と同じ方向向いてるって
俺は信じて話してっけどさ。
実は 自分のための怒りだったとかさ
そもそもユキの境遇だとかさ
先にそーゆーこと聞いてたら
あーたぶんユキんち殴り込みにいくわ。
これは、10割本気で。 ]
[俺はさ、多分ユキやノエの、苦しみを、
たぶん根本のところで判ってあげられない。
生まれてきた境遇、環境は人それぞれだし
18年もの長い間に感じた想いと、
そこから生まれた感情っていうのは、
きっと、「似てる」からこそ判るものもある。
寄り添ってるつもりでもさ、
わかんねーことが多いんだよ。俺
だけど、似てない俺がさ、
それでも少しでも寄り添えてたらいいなって思うし ]
[ 誰かと軽く交わした「今度」が
ちゃんと訪れたらいいな、って、思うよ。 ]
[共に盃(森永)を交わしたマイフレンドは
至極現実的な問題を口にするから。
あーーーーーーーーー、確かに、って言って。
ま。冗談だからな。半分は…
じゃあ、とりあえず病院で、って
俺もきっと、電話を切ったはず。かな。 ]*
メモを貼った。
── 自宅→ ──
[俺は玄関で靴の紐を結ぶ。
あの世界で貸したはずのダッフルコートは
きちんと手元に戻ってきている。
まさか最終的には
ユキの身体を温めてたなんてこと
俺は、知らなかったけどさ。
知らなくてよかったと思うぜ。
だって知ってたら
確実に恩を着せてたと思うから!(それな) ]
[出かけるの?ってアイちゃんが聞く。
友達が危篤、ってマジなテンションで言ったら
マジなほうでちゃんと捉えてくれたから、
これは家族であることに、感謝感謝。
こんな馬鹿やってる俺だけど
そーゆー洒落にならねー冗談は
絶対つかないのをアイちゃんは知ってる
送ってくぞ、って父親が言う。
最初は無視してやろうかと思ったんだ。
でもさ、少し考えてから
『 うん。病院まで頼む。 』 ]
『 なあ親父
俺、ちゃんと、考えたよ
駐車場から車は発進する
『 俺さ、高校卒業したら
この家、出ることにしたよ。だけど 』
オーディオからは
聞き慣れた、親父の好きな洋楽が流れてる
『 俺も、やっぱ嫌なんだ。
この家に、たとえ血縁だって
知らないやつが我が物顔で住むの。 』
乗り慣れた助手席
乗り慣れた車の匂い
『 想像したら、怖かったよ。
俺らの居場所はなくなる。
俺らの家族は、壊れちまうって 』
ウインカーの音
タイヤが道路に擦れる僅かな音
『 親父が、誰を好きになろうと
それは。構わないよ。
俺も、アイちゃんも家を出たらさ
親父、もう自由に生きられんだろ。 』
暗闇に浮かぶ赤信号
人通りの無い深夜の住宅街
それでも親父は規則をちゃんと守る男だ
『 家には、誰も入れないで。 』
それが俺の結論。
できれば籍も抜いて欲しい。こっちは願望。
『 あの家は。
俺と、アイちゃんと、親父の家だ。
俺が外に出てしまっても。
アイちゃんが外に出てしまっても。
帰りたい家のままに、しておいてほしい 』
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