27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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[朝にはあまり強くないこと、猫が好きなこと、 高校生の頃洋楽にはまっていたこと。 ささやかな情報は影の輪郭を少しずつ描いているようだった。
ゆっくりと頭を撫でていた手を放す。
やがて落とした言葉に頬を染め 口を開いた回谷を、ただただ瞳に映して。]
回谷は、男を見る目がないな。
[それはまごうことなき本心だ。 もっと見る目を鍛えた方がいい。 ただ、あまりにもわかりにくい自分の表情は ここに訪れたバスの中での時のように 何処か意地悪に、笑んでいた。]
(166) 2023/08/01(Tue) 02時頃
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ああ。
[帰ったら。帰れたら。 その言葉に神は天秤をどう傾けるのだろう。 なるべくなら、どうか。
弱弱しく言葉を萎れさせていく回谷の手が 服の裾を掴み、小さく雨を降らせたから。 感化されてロータリーの四角い窓から、優しく雨が落ちる。
影の中に、光と共に。]
(167) 2023/08/01(Tue) 02時頃
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……そうだな。 お前の髪が腰まで伸びたら、な。
[少しの間を持って意地悪に紡ぐ言葉は明確にしない、約束。
人を傷つけてすれ違っても、生きていれば その先に誰かの待つ未来があるなら。
もう一度手を伸ばし、ぽんぽんと背中を撫でる。 雨が止むまで。*]
(168) 2023/08/01(Tue) 02時頃
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[ アリババの声が、命ある者の声を告げる。
では皆も、銀と同じ場所で眠っているのだ。
彼の話では後遺症の残るものではないらしい。
少なくとも身体には。
――――きっと、喜んでいいことなんだろう。]
[意識ひとつでカメラが切り替わるよう視点が変わる。
カフェに、ロータリーに、どこかの部屋に
点在する彼らの姿をひととおり確認した後で。
和を意識したレイアウトの部屋に視点は移る。
茶器や漆工芸品の展示された部屋を、
銀はまだちゃんと鑑賞したことがなかった。]
こういうの、子供の頃って
全然興味持てなかったから。
[書画や仏像の類も、後回しにしがちだ。
目が覚めたら、見に行ってみようか。
今度は別の美術館でもいい。
銀にはその機会が与えられているのだから。
"今度"のない者のことが過るの仕方のない。
溜息を吐いて、彼らの声に意識を傾けた。**]
――病室207号室――
[夢見が浅く、あちらの世界から
拒絶されているかのようだ。
幾つかの場所を、場面を、人を、
垣間見ることはできるのにはっきりと、
これは"オレの夢"ではないと感じる。
だからもう、あの冷蔵庫から
ご馳走を取り出すことも、
誰かに話しかけることも、
オレと認識して貰うこともできない。]
…………駄目やな。
[無理矢理寝ようとしても、
睡魔すら訪れなくなってしまった。
仕方無しにベッドから起き上がり、
ナースコールのボタンを押す。]
[すぐに回診の医者がやって来て、
点滴の針からは解放して貰えた。
もとより、軽い貧血と脱水症状で
栄養を送っていただけらしい。]
こんなんでも、腹は減るんやなぁ。
[トサカ先輩ほど旺盛ではないけれど、
夢で食べたにぎり飯で現実の胃は満たされず、
第一声も肉じゃがだった。
今も、夢の中のハンバーグを想うと
腹の虫とヨダレが止まらない。
『もしよかったら』と看護士さんが
差し入れてくれたのは、
綺麗に皮を剥かれ串切りに揃った林檎だった。]
……………………っ、
すみませ……、
今はちょっと林檎は、
[食べたくない。
真っ二つに割れた美術館の入口、
ぐしゃりと無残に潰れた果実が一つ。
看護士さんには、単に林檎が苦手なのだと
受け取られたようで、オレは肩を竦めて謝った。]
[一通りの軽い検査を終えて、
帰宅用の書類も書かされた。
念の為、二日後にもう一度検査がある旨も。
何なら一番酷い外傷は、彼女に撲たれた頬だった。]
多分、連絡したら親が迎えに来るんで、
保険証はその時に、ハイ。
しばらくは待機ですね、分かりました。
あ、西門先生のところに、報告に行っても?
[ついでに、同じタイミングでシロマちゃんも
目覚めているはずだ。
他は、アリババ氏は語ってくれなかった。
ただ、夢の中なのに、生者の宣告だけは
はっきりと脳裏に刻まれていた。]
ツブツブいちご教は存続か。
お袋の味ならぬ、ノっくんの味が
失われんくて良かった。
今度ちゃんと教わらな。
味噌汁も、肉じゃがも、
そん時に食べたらええよな。
[気の抜けた西訛りでぼやく。
我が家の台所は、兼業主婦の母と
同居の母方の祖母が占拠していて、
オレも親父も殆ど入れて貰えないのだ。
そんな家風はもう時代錯誤、
今回の夢で、料理できる男もいいなと、
ひしひし実感したから、本気で取り組んでみよう。
自作の器に、相応しい手作り料理を盛って
お茶を淹れたら、次の彼女には少しは
オレの趣味も受け入れて貰えるかも、なんて。]
[そして漸く、離れ離れになっていた
相棒の黒のザックが返ってきた。
勿論最初に取り出すのはスケッチブック。]
…………なるほど?
[バス内での走り描きは残っているけれど、
それ以外は綺麗サッパリだ。
吊り橋の向こうがない、とLINEにあったから、
トンネルか吊り橋が夢の世界との架け橋なのかと
思案したこともあるけれど、
記憶が曖昧になってアリババ氏を見た辺りから、
現世ではなかったようだ。]
あの美術館、どうなったんやろう。
しばらくは休館かなあ。
[シロマちゃんに御薦めされた絵画も
まだ見ていなかった。感想も求められていたのに。
或いは夢の世界ならまだ、
展示されているかも知れない。
オレは一度、未練がましく少しシーツの乱れた
白い寝台を見やる。]
……せや、連絡っと、
[手元にはもう一つの貴重品であるスマホ。
真っ先に確認するも、研究室のグループLINEは
課外授業の日程と集合時間等、
事務的にスケジュールが綴られているのを最後に、
美術館での変事は何一つ表示されない。
ただ、別れたはずのアカリんからの
百件に届きそうな不在着信と、
LINEの嵐がオレの心を少し重くした。]
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