34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】
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[頃合いになって、彼女は自然と目覚めただろうか?
そうでなければ、ジャーディンは彼女に 静かに『時間ですよ』と呼びかけるだろう。 彼女のカップの中身がもし残っているなら、 温め直しを提案もするだろう。 生活が変化する可能性は、 ジャーディンにとっては喜びよりも 不安や恐れを強く感じるものだった。 それを抑えて彼女の手を取れる理由が 何かしらあれば、迷いながらも応じるだろうけれど、 このままであれば色好い返答はできそうにない]**
(169) 2024/02/24(Sat) 22時頃
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花? …… [彼女は鞄から小さなブーケを取り出した。>>189 ジャーディンはそのブーケを素直に受け取り、 まじまじと物珍しげに眺めた。 店の内装で目にするマーガレットのように思ったが 想像よりも遥かに大きいのだ。 内装では花の大きさは知れない。 だからどの花も同じぐらいの大きさに思えていた。 以前見た百合が大輪であったことから どれもそのぐらい大きな花かと思っていたし カトレアも想像とそこまでの差異は無かった。
だからマーガレットの実物と想像の差に驚いたのだ]
(195) 2024/02/25(Sun) 12時頃
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[ジャーディンに任せたいと思っていた仕事について 彼女は詳しく聞かせてくれた。>>190>>191 尋ねたわけでもないのに知りたかったことが語られ、 ジャーディンは驚いたが、不快ではなかった。 思ったことが通じたような気がしたのだ。 後々放り出されるのかと思ったが、 そうではなかったらしい。 望むならばいさせてくれて、 望まないならば離れることも許容する、 ということなのだろうが…… 奴隷の自主性をそこまで認めるというのは あまりにも奇妙で、信じがたい主張だった]
(196) 2024/02/25(Sun) 12時頃
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[次いで、何が怖いのかと問われた。>>192 怖いのは彼女なのかとも。>>193 ジャーディンは慌てて首を左右に振る] そんな、カコ様が怖いわけじゃありません。
僕は、…… 働く場所が変わるのが、怖いです。 今と、同じじゃなくなるのが。
知らないところで、 やったことのないことをするのが…… [それは言うなれば未知への恐怖なのだろう。 失敗や馴染めないことへの不安ももちろんある]
(197) 2024/02/25(Sun) 12時頃
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[パルテールに勤め始めたばかりの頃、 ジャーディンは常に暴力に怯えていた。 客は暴力を振るってはならないことになっている。 だが、客が常に決まりを守るのだろうか? 客が暴力を振るわなくとも、 裏でオーナーに殴られることはあるのではないか? だが、そのようなことは起きないままに日々が過ぎ やがてジャーディンのその不安は減っていった。 だが、客やオーナーの怒りを買うかもしれないという 不安感は未だに消えずに残っている]
(198) 2024/02/25(Sun) 12時頃
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[それでも今までの積み重ねから、 今の生活で起きやすいこと、起きにくいことの 区別ぐらいはつくようになってきた。 だが新しい環境にはそういった情報がない。 いかに人に説明されようとも、自分で経験して 知ったことではない以上、信じ切れなかった。 カコのことは、少なくとも店内の様子からは 佳い主人であるように思える。 だが、店を離れてもそうなのだろうか? 彼女に対する恐怖感は今のところ強くはないが それが欺くための態度でないと言い切れるだろうか? かつてジャーディンを見切った主人たちも 来客の前では可愛がってくれたのだ。 人は複数の顔を持つ。彼はそれを実感してきた]**
(199) 2024/02/25(Sun) 12時頃
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[使用人にも奴隷とそうでない者がいるだろうが 奴隷をまともに人間扱いする人物は珍しい時代だ。 彼女の家がどういった家か、 彼女がどのような教えを受けて育ったかを ジャーディンは知らない。 知らない以上は、今まで見てきた屋敷を 一般的な例として考える以外ないのだ]
(211) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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[怖さを受け入れてもらえただけで それがいくらか和らぐのを感じた。>>207
けれど彼女が続けた言葉は、 ジャーディンの新たな不安を呼び起こす。>>208 いつまでもここで働けるわけではない。 誰かに気に入られて買われれば当然そうなる。
オーナーがドールをお払い箱にしたところは ジャーディンは見たことがない。 皆、買い手がついて店を去っている。 だがもし長い間買い手が着かず、 とうとうドールとしても働けないような 年齢になってしまったら……。]
(212) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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[彼女の元でしばらく世話になるのは、彼女の言う通り 悪い選択肢ではないのかもしれないが>>209] カコ様は、庭仕事を引き継いでくれそうな 新しい使用人がほしいんですよね。 だったら、既にそういう経験がある人のほうが 手っ取り早いんじゃないですか。 [「あなたが連れて帰りたいのは『僕』ではなくて、 『誰か都合のいい使用人候補』なんでしょう」 そう馬鹿正直に言葉に出すのはさすがに問題発言だと いくらジャーディンでも察しがついた]
(213) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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お客様がご満足されるまでお付き合いするのが ドールの務めですから。 またのご来店をお待ちしております、カコ様。 [謝る彼女に薄い微笑みを返したが、 それは言うなれば営業スマイル。 先日彼女に見せたものとは異なっていた。 ジャーディンは意識してそういった表情を 浮かべることは少ないが、客とのやり取りで 気分が和めば今のように微笑むことはあった。 出口で彼女を見送ると、バックヤードにブーケを置き また次の指名までは給仕をして過ごすだろう。]*
(214) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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え…… [彼女は問いに問いで返してきた。>>221 確かに使用人を求めるだけなら パルテールより安く買える場所は存在するだろう。 なのにここで買おうとするのは、 ……それだけ気に入ったから……?]
(225) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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[都合のいい思い上がりはよそう、と ジャーディンは首を左右に振った。 彼女は花が枯れる前と言いながら>>222 花を長持ちさせる方法を伝える。>>223>>224 花が長持ちするなら、その分 次の来訪は遅くなるのではないか。 そんなことを思ってから、 ジャーディンは自嘲したい気分になった。 これでは彼女の来訪を心待ちにしているかのようだ]
(226) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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[だが、営業終了後。
ジャーディンはオーナーからもうひとつ花瓶を借りて マーガレットを新たに部屋に活け、それから、 カトレアの茎の切り口をもう一度切り直した。
彼女に教えられた通りにしたつもりだ。 そうして翌日、窓辺を見てみれば、 そのまま萎れていくかと思ったカトレアは まだかろうじて咲いていた。
元気を取り戻すというよりは なんとか延命したという程度だが]
(227) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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[このように花を贈られるのは彼女からが初めてだが 彼女はドールによく花を贈る人だったろうか? 記憶をたどってみても過去にそのような姿を 見た気はしないが、個人的な贈り物だ。 人目につかないように渡していたかもしれない。 都合よく考えては期待に裏切られるし 思い上がっても馬鹿を見るだけだ、と ジャーディンは己を戒めた。 次に彼女が訪れるまでは、 またいつも通りの日々が続くのだ]**
(228) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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