人狼議事


18 星間回遊オテル・デカダン

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[――救いとはなんだろうか。

 実際のところ、本人もよくわかっていないのかもしれなかった。
 自分が何を求めているのか。
 何を求めて手を差し伸べ続けていたのか。

 手を、伸ばし続けていたのか。]


[ポッドの冷却処理が始まる。
 星喰いアメーバの体は冷凍には耐えられない。
 凍りついた髪の先、指の先から組織が壊れ、砕け、崩れていく。]


[恐怖はさほどなかった。
 恐れているのは死そのものではなく、かつて見た、焼き殺される同胞の断末魔だ。

 死後の世界も生まれ変わりも信じていないアルクビエレにとって、死はただの終わりでしかない。大抵の命には終わりがあるものだ。
 自分がいずれ死ぬことは想定して教団を動かしていたし、後のことは"こどもたち"にしっかりと教え込んである。当然のこととして。

 だから、終わりだな、という実感と。
 痛かったらいやだな、という不安くらいのものだった。]


[顔が崩れ、腕が崩れ、脚が崩れた。
 ポッドの中には、粉々になったきたない肉色の組織片が増えていく。

 星喰いアメーバには急所というものが存在しない。
 体の一部が残っている限り、意識も思考も続く。

 急速に冷えてゆく感覚と、末端から崩れていく痛みがあった。ただ、冷やされ続けているためじきに麻痺して、わからなくなった。
 焼かれるよりはましだったのかもしれなかった。

 全てが塵と化す直前、最期の意識がふと、思った。]


[この瞬間、手を伸ばしたとして、
 もしも、誰かがその手をとってくれたとしたら、

 もしかしたら、それが、――]


[手をとる者などいない。

 誰にでも優しく、誰にでも微笑み、
 誰の手もとろうとし続けた"慈悲深い"教祖には、

 最期に思い浮かぶ誰かの顔すらも、なかった。]



[ポッドの中に、赤い塵が舞っている。*]
 


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PJをじっと見つめた。


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