27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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── 回想・食事中 ──
[先程何気なく挨拶し、問いに肯定を返した相手>>2 まだ一年生の彼とは、同じゼミの為にこうして気軽に言葉は交わせるがあまり関わった経験が無い。]
……手伝う? えっと、ああ、ありがとう。じゃあお願いしようかな
[最初は何を言っているのか分からなかったが、続いた言葉に合点がいく。>>3
気を利かせて味噌汁を準備してくれるらしい。 勝手に用意して勝手に食事を始めてるのだから、それだけで満足なのだろうと考えて気にしなくてもいいだろうに。 しかし厚意には甘えておこう。普段の福原が重なるような律儀な後輩だ。]
(13) 2023/07/31(Mon) 00時半頃
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[流石に自分の部屋の冷蔵庫から作ってもらった料理や飲み物を出した経験くらいは、一人暮らしを始めて大学四年になって無い。 話に聞いていただけで場所が分からず多少探したのは、慣れていないからだと言われればそうだろう。
もし飲み物を口にした後に席に持ってあったおにぎりを手に取る様子が覚束なかったのだとしたら、それは経験ではなく思考の内容のせいかもしれない。>>2:301,>>2:302
そんなことは、柊に見られていたことも何を思われていたのかも知らない成海は考えもしないのだが。]
(14) 2023/07/31(Mon) 00時半頃
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── 宣告 ──
[上の空の意識が再びの唐突さにスマホを取り落とさせる。 席に腰を下ろしていた為に、それは硬質な音を立てテーブルに落ちただけだったが。
二人の覚醒、もう二人への宣告。>>0 これで四人の後輩の生還が決まった。]
目覚めまで見守っていただけてるんですね ありがとうございます、アリババ様
[彼の姿が今回も見えても見えなくとも、椅子から立ち上がり一礼をした。
銀にもメッセージくらい送っておけば良かったか、そう思っても後の祭り。 いつ目覚めるのか此方は悟れない。時間は有意義に使わねばならない。
ただ彼女はもう側にいる人間を疑ったりしなくて済むのは確実だから、良かったねと心の中で声を掛けておいた、*]
(15) 2023/07/31(Mon) 00時半頃
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[飲み物と食事を用意して>>2:301 おにぎり一つを時間を掛けて食べて>>2:301 その後骨谷からのメッセージを読み>>2:330 ファイルアプリを確認し画像を見つめ>>2:331,>>2:332 それから、声を聞いた。]
ありがとう、柊君 ……そしておめでとう、本当に良かったね
[それなりに時間が経っていた筈だが、 宣告の声を聞いた後に味噌汁を出される。>>6 そもそも時間を掛けて食べていたということが錯覚なのかもしれない。 階段についてアリババと話をしたことを思い出した。
そんな不思議も起こりうるのがこの空間なのだろう。 彼の体感と違ったかもしれない話は置いておいて、心からの祝福と共に笑いかけた。*]
(16) 2023/07/31(Mon) 00時半頃
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[──なって無いということは無い。>>14
ホームキーパーが常に部屋に常駐していたら、使用人なのだから。*]
(17) 2023/07/31(Mon) 00時半頃
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柊君にも色々思うことが生まれたかもしれない それは多分、同じ生還者としか分かち合えないものだ
今は目覚めるまで、悔いがないように過ごすことを 何より考えるべきじゃないかなって、俺は思うよ
[彼は味噌汁を零したりせずに先輩に差し出してくれたけど 少なくとも、驚きはしただろう。 呼ばれる心の準備をしていなかっただろう。 きっと骨谷もそうだったと想像した。
月並みなことしか語れないが、間違いではない筈だ。*]
(18) 2023/07/31(Mon) 01時頃
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じゃあ、いただきます
[区切りがついたところで手を合わせ、箸を掴んだ。
元より少食でおにぎり一つで済ませるつもりだったが、心優しい後輩により味噌汁まで付いてきた。
飲むとほっとし、嫌な感じがなく身体が温まる感覚。 アリババの話を借りるなら思い込みが夏場の気温を上回り──あの時のことばかり考えるのは、やめておこう。
柊が何かを言うのなら応じただろうが、そうでなければ黙々と椀を空にする作業へと入る。 食事をしながらスマホを弄ったり率先して喋るタイプではなかった。]
やあ、さっきぶり。 美味しかったよ。ありがとう
[例えば礼を言うべき相手が自らやって来るとか、そんな例外もあるけれど。>>12 もう一人の渦中の人物へ声を掛けた。*]
(19) 2023/07/31(Mon) 01時頃
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── 少し前・カフェ ──
[祝福へ応じる様子も、此方の言葉への反応も>>34,>>35 まるであの時の骨谷が重なるようだった。 それは別に彼等が似ているということではなく、語った通りに生還者のみで共有される複雑さなのだろう。]
……死ぬことばかり?
[しかし、流すには重すぎる言葉が耳に留まる。 それを皆の生存を望む優しさや、不安からのネガティブさと取ることも出来ただろう。 しかし自分自身の中にも存在した思考の為に、どうにも不穏に響いていた。
容易には触れられず、なんであろうと彼の生還が確定している為に結局相手の言葉を繰り返しただけで何も言わなかったのだが。 それに、考えようと思うと言う素直な声に嘘は無く感じたし。
別段後ろめたさを感じる理由もない成海は、 向けられるものを避けることなく真っ直ぐに視線を交わしていた。]
(51) 2023/07/31(Mon) 12時頃
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[待っている、なんとも健気な言葉だ。>>36
まるで生きているように会話出来る皆の中に一人の死者、誰なのかも分からずに置いて行き現実へ戻るのはさぞ心苦しいのだろうに。 そこには切実さと誰かを思い遣る気持ちだけがあるように感じた。]
もしそうなったら、もっと話してお互いを知れたらいいよね 今まではそんなに話せてなかったでしょ?
[などと正しく答えているようでそうではない返しをして 内側を微笑みで押し隠したままの先輩はなんと不誠実なのだろうか。
二人の距離は遠ざかる、キッチンへ向かう姿を目で追っていた。 もしかしたらこれが最後の可能性だってある光景を。>>37*]
(52) 2023/07/31(Mon) 12時頃
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── カフェ・福原と ──
……また? 君、将来は料理人にでもなるつもりなのかな
[あれだけ軽食を作った時点で皆福原に感謝するべきことだ。 非日常で与えられる日常がどれだけ精神に作用するか、実感したばかり。 しかし更に何か作る気だという彼に、少し呆気にとられた後に笑った。>>46]
いいよ。埋め合わせもまだだからね
[すぐ話せる距離にいた柊は真っ先に祝ったのだが。 まるで“いつもの福原”と変わりない様子に切り出すタイミングを見失っていた。 求められた時間の意味はなんとなく分かる為、今は何も無かったように振る舞うことを選ぶ。
相手が時間や場所でも指定するなら応じるが、そうでなければ連絡手段があるので此方からは特に何も言わない。*]
(53) 2023/07/31(Mon) 12時頃
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[皿や椀を持った成海がキッチンへ足を運んだのは、 福原が向かってすぐだったか、それとも物思いに耽って時間が経っていたか。
洗い物をするつもりだったが、二人の姿を見て思い直す 今回呼ばれた二人だ、互いとしか話せないこともあるだろう。
申し訳ないがお願いすると言い残し、邪魔にならず洗う時はすぐに手に取れる位置にそれらを置いて、両者に目礼し立ち去った。
彼等は今も話をしていたかどうか、 そうであっても話の内容は聞こうとはしていないし、耳にも留まっていない。**]
(54) 2023/07/31(Mon) 12時頃
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── 回想/カフェ・福原と ──
君は誰かの為に行動してばかりだな。
[呆気に取られた様子が、理解により普段通りに戻る。
働き者の福原に対し、彼に救急箱を探させ料理が更に必要と思わせる程食べた四年の男二人よ。 沢山食べてもらえるのは嬉しいのかもしれないし一般的に若い男はよく食べるそうなので、純粋に迷惑をかけた成海と比べれば大藤はずっとマシだが。]
本当に、頑張り屋だね
[光の足りない目を細める。
優しいと言うのは簡単だろう。けれど、この時は選ばない。 あの絵の前での打ち明け話を経て、今は何か違う気がしていた。*]
(75) 2023/07/31(Mon) 14時半頃
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── カフェを出て ──
[充分に休憩をしたので、 二人の会話や福原の約束を果たす為の料理を、無意味に邪魔しないように出てきたが 実のところ成海には目的という目的も今は無い。 連絡は福原の都合の良いタイミングで来るはずだ。>>61
未だ出会っていない者達が多少気掛かりなくらいだ。
……勿論顔を合わせた彼等彼女等にも、これ以上何もなく目覚めてほしいと思っている。 脳裏にはあの部屋で横たわる福原の姿、流れる血の赤さがちらついた。]
(76) 2023/07/31(Mon) 14時半頃
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[──だから、なのだろうか。
あの時遠さにもどかしくなった場所について、考えてしまったのだろうか。 いつの間にか、清潔そうで白が目立つ部屋への扉を開けて佇んでいた。
訪れたことが無い上にどうにも正規の道筋を辿った記憶が無いので、そこが本当に福原の言っていた部屋なのか違うのか分からないが。]
──……田端さん?
[その時彼女は未だ鏡の前だっただろうか、違うところにいただろうか。>>57 入り口から見つけられる場所にいたのは確かだろう。
何も知らない成海は気軽に声を掛ける。 ああ無事だったんだね、良かったな。 とでも言うように、日常と変わらない穏やかな声で。
成海は当人の想いがどうであれ温室育ちの男だった。 悪夢に酷い行いをされる発想など最初から無ければ、もし彼女や空間に違和感があってもすぐには気づかない。*]
(77) 2023/07/31(Mon) 14時半頃
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――西門さん以外、まだ誰も目覚めてないんですって。
――この子なんて、外傷はたいしたことないのになあ。
――あら……?
――今、この子、一瞬、目が開いたような……?
[302号室。ベッドに横になる銀の姿。
ああ、きっと私のケガはたいしたことないんだ。
覚醒しかけた意識をすんでのところで引き留めたのは
―――――声。>>*2]
[――――夢?
そうか、私は夢を見ている。
どんな夢だっけ。酷く悲しい。
悲しいなら、目を覚ましてしまえばいい。
そうすれば、忘れてしまえるかもしれない。
それはそう。
予感がある。記憶は鮮明とは言い難いけれど。
それでも、この夢にはこれまでもこれからも
哀しみが詰まっている。]
………………。
[悲しいことが好きなわけではない。
けれど、この胸に刻まれたばかりの傷は
すぐに手放していい類のものではない。
ぎゅ、とベッドの上、身体の横で拳に力が篭る。**]
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[鏡の前にいた田端は、不思議そうに首を傾げ 普段と何も変わらないように見えた。>>50 率先して行動し皆にこの世界について教えた、頼れる彼女に。
成海がこの部屋から感じることなど、グループに報告された件の場所だろうかと思うくらいで。 汚れたタオルは目に留まったが、何を拭った結果なのかも分からないので少し眺めた後に黙って視線から外す。]
……いや、それが 廊下を歩いていたのに気づくとここの扉を開けていた 不思議なことばかりだ、やっぱり夢の中なんだね
[そうとしか言いようがないのだから困る。
肩を竦めながら、彼女の視線を追うように奥のベッドを見る。>>81 使用による乱れとすれば納得出来る程度の様子に、別段疑問は抱かない。]
(99) 2023/07/31(Mon) 20時頃
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田端さんこそ、休憩してたのかな 皆の為に、あちこち動いてくれたみたいだもんね
[痛みがあれば疲れもあるかもしれない。 アリババすら休むことを提案してくるのだから、ベッドも不必要とは限らないのだろう。
彼女がそうしていても、おかしくはなかった。]
……君の悪夢に怪我はさせられなかった?
[もう一つの、この部屋に田端がいた理由の可能性。 問い掛けてしまったのは福原の件が未だに目に焼き付いてるからだろう。
己を由来とする怪奇現象に見舞われた者は、成海の知る限り自分を除いて彼と田端だった。*]
(100) 2023/07/31(Mon) 20時頃
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……俺みたいなことを言うね、田端さん まあ、していなかったならいいんだ
[元からそういう子だったと言われたらそうかもしれない。>>101 ただ、仁科の気持ちが分かったような気がしただけ。
曖昧な笑顔は少し引っ掛かった。 女子にするには失礼な質問?いや、流石にセクハラではないだろう。]
君らしいな でも、ゼミの子のことでは無さそうだね
[かえった泣いている子と聞いて既に帰還しただろう銀が浮かんだが、どうも話を聞くに違う気がした。 そこから悪夢の話に繋がったことからしても、的外れでは無さそうだ。>>102]
(107) 2023/07/31(Mon) 20時半頃
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[ある日から少し口数が増えた、二人の対話。
語らう内容は異常を示しているのに、まるで何でもない日常と錯覚させられる。 先程と重なる仕草の後に、今の状況へ思考を引き戻すような話と問い掛けを向けられた。]
……あった。 でもそれは、一般的には悪夢と呼ぶべきものだと思う
[女子としては長身の田端の目が真っ直ぐに向く。 瞳が強い意志を持っている気がした。 或いは自分のそれが暗すぎてそう感じただけかもしれない。
煙に巻こうとは出来なかった。 覚悟無く打ち明けられる範囲で、素直に答える。]
(108) 2023/07/31(Mon) 20時半頃
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これはあくまで俺の持論で間違っているかもしれない
[切り出しながら、顎に手を添え視線が逸れる。 自分でも自信は無いというように、成海は滑らかではない口振りで語り始めた。]
神が用意したのは死者との最後の時間と、宣告の天使だけ 生じている異変は、誰かにとって思うことがあるものは ……彼等の意図したことではないんじゃないかな
あのヒトの話の全てが本当ならきっと、 死者と一緒に昏睡中の魂か意志のようなものが 夢という曖昧な空間に集まっている
それは現世はおろか神の元でも起こり得ない特殊な状態で、 俺達人間には特に理解し難いようなことすら、起きる 怪我が治ったり都合の良い物が出てくることと 方向性が違うだけで同じなんだ
[悪夢とは関係する人間が、意識的ではなくても自ら生じさせてしまっているもの。 その結論は、怖い思いをしたのだろう女性には例え可能性でも伝え難かった。*]
(109) 2023/07/31(Mon) 20時半頃
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[あらゆる事柄に阻まれ実行せず終わったが、成海が見に行こうとしていたのは蒔絵の小箱だった。 蝶が飛び交い天原真那の声がするようになった経緯がそこにあると思ったのだ。
この異常な空間で、死者が会いに来た可能性を人間は何もなければ捨てきれない。 ただ真っ向からそんなフィクションを妄信するにはいくつか気になる点がある。
あまりにも生前と掛け離れる、己の願望に都合の良い真那の言動。 怨念と呼ぶには手が込み、どちらかといえば自分の記憶を材料にしているようだった映像。
それに、異変が起きる直前までずっと留まり眺めていたものは あの小箱だ。 儚くなった少女を想い、記憶に残る黒蝶を重ねていた。 ──“現実の世界“で、“本来繋がりがない“それらを心が結んでいた。
だから、小箱に何らかの変化があったのならば それは死者の依代でも蝶の発生源でもなく、 ましてやこの世界や上位的人外の悪意でもなく 成海の思考の投影の証拠であろう、と。*]
(110) 2023/07/31(Mon) 20時半頃
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に……く……じゃが……
[ぼんやりと光の滲む世界。
オレは尚も縋りつく骨の手を振り払えぬまま、
重い重い瞼を持ち上げるのを拒絶する。
だって、まだ留まっていたい。
あの世界でしかもう会えない。
死んでしまっている、誰かさんとは。]
[災害とやらから何時間経ったのか、
オレたちは一番乗りだったはずだけど。
救急搬送されたらしき病室、
眩いのはLEDの冷たいまでに白々しい灯。
軋む金属フレームのベッドに横たわった
オレの腕には点滴の針が刺さっていた。]
――うぅっ……、つっ、
[未だ色々混乱していて、
上半身を起こすにも難儀する。
後頭部にツキツキと疼痛。
そして、頬にはガーゼがあてられ
湿布の匂いが鼻腔を突いた。]
[生き残ったオレには、まだ責務がある。
タカナル先輩の言葉が重く刺さる。
オレはもう夢の世界の住人ではない。
九人目の彼女にフられたてほやほやの、
惨めで薄情な男。]
スケッチブック、は……?
[オレはベッドに寝たまま、
視線だけで黒のザックを探す。
見つけたところで、夢の世界で
加筆したものは消失しているだろうけれど。
――脳内で、黒い翼が吠える。]
[全身が怠くてたまらなくて、
瞑目してとろとろ微睡めば、
以前より薄ら頼りなく、夢の光景がオレを包む。
あの、暖かな湯気に包まれたカフェの。
オレが陣取っていた席に、オレは居ないけれど。
また何やら作り始めたノッ君。
ラギ君が口にしていた肉じゃがだけでなく、
ハンバーグやらデザートやら。
夢の中で食べられないのが口惜しいけど、
生きてるなら振る舞って貰える機会もあるだろう。
果たしてあれは、誰の晩餐になるのか。
大食いのトサカ先輩が平らげ積み上げた
皿の山を見ながら、この平皿たちは
幸せものだなあと、妙に暢気な感想を
抱いてしまったことを、思い出して。]
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ええ……?手厳しいね ちょっとした類似点が見つかるくらい、 誰とだってあるものじゃないかな
[咄嗟のように出た「嫌」に苦笑いした。 冗談でこういう反応をするタイプではない気がする。>>111 ほんのりと傷がついたような、そうでもないような。 ただ本気で嫌われているわけではないとも思っていた。
でも、彼女に大藤と間違えられることを面白がり見分け方も教えずに放置したのは良いこととは言えないかもしれない。 地元では誰もが自分を知りある種の畏れすら向けられることがあって、そんな経験は出来なかったから。
田端は悪夢のカケラを助けたらしい。 ゼミの子でなければ自ずと答えは一つだったものの、瞬きが一時早くなった。 自分と福原のそれは、見る者を傷つけるような悪夢だった。 厄介らしい彼女の悪夢には、無力で弱い存在が含まれている?]
(125) 2023/07/31(Mon) 22時頃
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[持論を語った結果、田端は思うことがある様子で。>>112
さてどのように解釈したのだろうと思ったが、 予想外の内容とそれに記憶を揺さぶられる感覚で硬直する。]
……それってもしかしてうちの大学の ああ、いや。知り合いだったわけじゃないんだけど
[一学年下の女子の突然の死。 彼女はとても見目麗しく知名度があったという。
ミスコンにも美女にも興味が無く、相手から特別関わりに来たこともない赤の他人。 だけどその死後噂を囁きあう中の一人に名前を聞いた気がする。 思えばそれは仁科という苗字だったような……。
何も知らない上に当人不在で聞いてしまった重い内容。 言葉が出てこずに、押し黙った。 脳裏には見たこともない必死さを見せた少女の姿。]
(126) 2023/07/31(Mon) 22時頃
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