10 冷たい校舎村9
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冬休みを目前に控えた12月のある日。
君たちの住む町は、白一色に染まった。
(#0) 2021/06/02(Wed) 23時半頃
この町にこれほどの雪が降るのはいつぶりだろう。
君たちの記憶にそんな日があったかはさておき、
ニュースキャスターが例年にない大雪だと叫んでいる。
もしも君に天気予報をチェックする習慣があるなら、
昨日までの予報には雪などなかったと疑問を抱くかもしれない。
けれど、夢でないことは冷え切った空気が教えてくれるだろう。
奇妙なことに気象警報は発令されていない。
休校の連絡が君たちのもとに届くこともない。
交通機関も止まってはいないらしい。
いつもどおりの朝とは言いがたいが、
君たちは各々の理由を以て今日も学校へ向かうことに決めた。
(#1) 2021/06/02(Wed) 23時半頃
君たちは、豊町高校3年9組に所属する生徒だ。
修学旅行や体育祭、高校生活の主だったイベントは過ぎ、
特に熱心に取り組んだ最後の文化祭も先日終わってしまった。
今や進学校の生徒たる君たちの周囲は受験ムード一色だろう。
(#2) 2021/06/02(Wed) 23時半頃
さて、今日の話をしよう。学び舎に向かう道中のことだ。
利口な君たちであれば気付くこともあるかもしれない。
例えば、いつもより人通りが少ないこと。
例えば、同じ学校の生徒がほとんど見当たらないこと。
例えば、同じ制服姿を見つけたと思えば顔見知りばかりであること。
不思議に思ったところで目的地はもうすぐそこだ。
理由があってか、あるいは何もなくたって、
君たちはその校舎に足を踏み入れることに決める。
(#3) 2021/06/02(Wed) 23時半頃
ようこそ、冷たい校舎へ。
(#4) 2021/06/02(Wed) 23時半頃
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