8 Solo Assembly Letters
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全
クリスマスに6人が投票した。
アマルテアに1人が投票した。
クリスマスは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
アマルテアが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、セシル、ハロウィン、ケイト、キリシマ、レックスの5名。
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――主催のバグ対策本部――
[即興の練習曲の譜面のような冊子から、更に2つの楽曲のページが消滅する。 先刻のふたりと同様に、“ キリト・W・キリシマ ”の項と“ 暖琴 ”の項のバグ修正が一定程度完了した証だ。
さて、未だ残っているページのうち、楽曲のNo.が自動的に打ち直される。]
“ No.1 セクレタリアト ” “ No.2 ガブリエル ”
[いま、開かれたNo.1とNo.1のページ。 その譜面にひしめいていたあり得ない記号が少しづつ消え、本来の記号が足されていく――バグ修正作業もいよいよ佳境だ!]
(0) 2021/04/17(Sat) 10時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2021/04/17(Sat) 10時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2021/04/17(Sat) 11時頃
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『――さっきああは書いてみたが。 ワタシの方から敢えて言うこともなかったやもな』
どうしたの、グラーツィア?
[ベーコンサラダの皿を手に対策本部に戻ってきていたセシルが、独り言の思念を零す妖精に問う。]
『少々気になったことがあって、一筆認めてみたのだよ。 しかしワタシとて、あちら側のフィールドの様子をしかと観てはいない。 故に余計なお世話をひとつしてしまったやも思ってね』
そう。 …………。
(1) 2021/04/17(Sat) 11時頃
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グラーツィア。 誰に手紙を出したんだい?
[セシルの額に一筋の冷や汗。 ごとん、とテーブルに皿が置かれる。]
『ああ、アメリカとカルデアの駿馬にだよ?』
そう。 ……………………他には?
(2) 2021/04/17(Sat) 11時頃
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『ん? ああ、大分前に、水戸の魔術師と 倫敦の御使いにも書いたが。それがどうした?』
[グラーツィア、至って呑気に、ベーコンのまぶされたレタスを頬張りながら答える。]
……………………………
(3) 2021/04/17(Sat) 11時頃
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水戸の彼女とアメリカのカノジョは、まだ、いい。 きちんと知っている訳ではないけれど、 多分それなりに真っ当な手紙を送ったのだと 君を信じることにする。
でも、倫敦! 倫敦!! どうせ君はろくな内容を出してないッ! どうしてくれるの……本当に……
『ああそうそう。 世界の修復がきちんと完了したら、折角だからあの宴会場を選手たちに解放しようと思っていてね。 そこでキミはベーコンサラダを振舞うことになっている』
そんな呑気なことを言ってる場合じゃ―――
(4) 2021/04/17(Sat) 11時頃
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―――…ねえ、君、今、何て言った? 僕が……ベーコンサラダを……振舞う……??
『ああ! ガブリエルにもうまいぞーって薦めておいたよ。 実際、うまいだろう? ヒトの食べ物をワタシが食べられるのはこの世界においてのみだが、ああ、実にうまいものを頂いているよ!』
[妖精のこの言葉に嘘はない。 刻みに刻まれ凄惨な形となった、レタスとベビーリーフとチコリーとベーコン。 匙加減のろくに利いていない、でたらめで適当な香辛料と調味料。 そんな、見るも無残なベーコンサラダを、妖精は実に美味しそうに頬張っている。]
(5) 2021/04/17(Sat) 11時頃
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馬鹿ッ、 馬鹿か、君はッ!!!! ……もう、ダメだ……。 明けない夜って、こういうこと……。
[もはや涙目のセシルの前に、ぽとり、封筒がひとつ落ちてくる。 それは明けない夜などないことの象徴のようであり、 あるいは光と闇という区別を超えたイロのようでもある、 そんな、夜明けの空のような、薄紅色の封筒だった。]
(6) 2021/04/17(Sat) 11時頃
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…… ………
[さて、前の手紙を出してからどれくらい経ったろうか。 うつらうつらと日向ぼっこしていたところで、 ──突如振って落ちた公式スタイルの便箋、その角が、 額のあたりに突き刺さった]
(7) 2021/04/17(Sat) 17時半頃
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……むう。
[想像してみよう。 とっても気持ちよく微睡んでいたんです。 そこにもたらされる想定外の刺激、邪魔されたわけです。 で、目に前には心なしか揺れているポストが一つ。 ……加害者(?)、明々白白じゃないですか]
(8) 2021/04/17(Sat) 17時半頃
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あなた。 人が気持ちよく寝ている時に、 それはちょっと気遣いがないんじゃないです?
[じっとりした視線。 地震もないのに揺れるポスト、その肌は赤い]
青くなりなさいと言ったのに、 また赤じゃないですか。
(9) 2021/04/17(Sat) 18時頃
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[言いつつ、便箋の中を覗き読めば。 その表情はさらに険しくなって]
ふぅん。言えば変わってくれるはずなんですか。 え? なに顔振ってるんです? できるってお墨付きもあるじゃないですか。
[と、手紙の一節を指差し──]
(10) 2021/04/17(Sat) 18時頃
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じゃあ、ちゃんと指示通りにしますから。 回数分きっちり受けて、直ってくださいね?
[言って、しかしポストに背中を向ける。 果たしてポストにホッとするような感情があったか、 それは不明だが──次の瞬間。
その細い足のどこから、と思わせる 雷速の後ろ蹴りがポストの胴を抉り、 赤いヒールの金底に撃ち抜かれて火花を散らす]
(11) 2021/04/17(Sat) 18時頃
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……あと、14回。 しっかりやり切りますから、そうしたら、 青い姿でまたしっかりお仕事してくださいね?
[ニッコリ。 そうして競馬場には、しばし金属同士が 奏でる派手な衝突音が響いたそうな……
──そうして暫しののち、 その場にあるポストはああ、見間違えるまでもなく青い]
(12) 2021/04/17(Sat) 18時頃
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[セシルが薄紅色の封筒をこの場で開封したのは、あくまで運営側の業務として。 決して御使いの裁きを恐れての現実逃避ではない。 断じて妖精からの無茶ぶりを受けての現実逃避ではない。 これはあくまで業務だ。現実逃避ではない。]
………、また僕ら宛てに手紙が来たよ。 対応は僕のほうでするから。うん。
[――結論から言おう。 この薄紅色の封筒は、主催者宛ての手紙ではない。 故にこうして不用心にセシルが開封するべきものではなかった。はずだ。]
(13) 2021/04/17(Sat) 18時頃
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[夜明けの空のごとき薄紅の便箋に、 目立つ蒼色の文字が綴られている。 さながらそれはいのちあるものの赤と青の二重螺旋。 或いは果たされることの無かった二色祭典。 ―――という形容が正しいか否かは置いといて。]
…………………………。
これ、は。
[気まずさ故の恥ずかしさのような、更に泣きたいような、純粋にこそばゆくなるような、眩しくて尊いような、微かなうらやみ抱くような、一周回って再び抱く気まずさからの罪悪感のような。 セシル・グレースのアラウンドサーティーの情緒は、無残なベーコンサラダが如き しっちゃかめっちゃか に陥っていた。]
(14) 2021/04/17(Sat) 18時半頃
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『セシル、早いところ作業に戻ってくれ。 世界の修復がウマいこと軌道に乗っているとはいえ、まだまだタスクは残っているからね』
グラーツィア、僕はもうダメだ。 本当にダメだ。終わった。ダメだ。ダメだ。 悪いけどもう君ひとりでなんとかして……。
『いやあ、そいつは困るよセシル? キミの霊感由来の箇所もあるんだから。 それに――』
(15) 2021/04/17(Sat) 18時半頃
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『ワタシひとりの態勢の所為で大幅な遅れでも出たら。 大切なデートに遅刻してしまう選手も出てきてしまうかもしれないだろう?』
[まるであたかも他者を気遣うかのような言葉は、大して心の籠っていないあっけらかんとした口調。 「大切なデート」という発言も、ただの言葉のあやでしかない。 つまるところ、セシルを職場復帰させるための、気まぐれな妖精のただの方便でしかなかった。]
(16) 2021/04/17(Sat) 18時半頃
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[――が。 この方便は、セシルには重要な意味を持つものとして響いた。]
………、そうだね。解ったよ。 泣いて塞いで、腐ってるヒマなんて、ないな。
[こうしてセシルは、アコーディオンでスパゲッティなレトロフューチャーマシンの前へと戻っていく。 やがて作業がひと段落ついたところで、セシルはひとり、筆を執るのだ。]
(17) 2021/04/17(Sat) 18時半頃
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[結論から言うと、白い梟を捕まえることはできた。 長く苦しい戦いではなかったが、若干疲れた様子で、 湖のほとりで手紙を取り返したのだった。
其処は木々の少ない場所。 風に草花はそよぎさえぎられることのない月明かりが届く。 案外ここで手紙を書くのも悪くはないのではないか。
置いてきてしまったレターセットやら、 字が歪まないための下敷きやらをポストに持ってこさせた後、 最後にポストに運搬を頼んだのは―――ワインであった。 封の開いたそれをグラスに半分ほど注ぐ]
(18) 2021/04/17(Sat) 19時半頃
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―――…では、この奇妙な舞台《ステージ》に乾杯。
[そして一口分を……飲む!
男はめったに酒を飲まない。嗜好品を転がすよりは思考の回転を好む。 しかし息抜きはたまには必要である。つまりはそういうことだ。
そうして梟から取り返した手紙を改めて読んでいる]
ほう、……ほうほう。
[別に男まで梟になったわけではない。 ともあれようやく返事が書ける喜びが(酒も入って)若干大きくなりながら筆を執るのだ]
(19) 2021/04/17(Sat) 19時半頃
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[ ところで御使いが主催者たちに下したジャッジは 『ノータイム、ギルティ』であったし、 御使いの力を持ってして帰れぬのであれば 彼らの顔をしっかり拝んで(あわよくば滅して) 帰ろう────と既に思っていた。 ]
( それに...、ボクは悪魔じゃあありませんから。 かれらにも懺悔するだけの時間は 与えてさしあげるべきでしょう〜? )
(20) 2021/04/17(Sat) 20時頃
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[ まあ、どの道告解を聞くつもりはなかったのだが。 ]
(21) 2021/04/17(Sat) 20時頃
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わあ。 すごい。 ( ※棒読み )
[ そうして、いくらの時間が経ったのち、 ふたたびポストが二通の手紙を吐き出すまでのあいだ 手に取った──一度見覚えのある生成りの便箋を見て、
御使いはやはりにっこりと笑ったのだった。 ]
(22) 2021/04/17(Sat) 20時頃
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そんなに悔い改めたいなんて、よい心がけですね!
( たぶんそうじゃない? ええ、分かっていますよぉ。 )
[ でも、”そんなに”お薦めなさるサラダとやらには すこぉし興味が湧いたので────是非とも 賞味させて頂こうと決めました。
ちなみにこれで英国にある数々の料理以上に ”冒涜的な”ものであったら.... お礼に星をお見せすることにしようと思います。 ] ・・・・・・・・
(23) 2021/04/17(Sat) 20時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2021/04/17(Sat) 20時頃
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( 知ってます? 悪魔も逃げ出す スターゲイジー・パイ。 )
[ ベーコンサラダにかれらの明日は託された ( ...のかもしれない。 )
ところで見方を変えればそもそも天使に ”ベーコン”サラダを供しようとすること自体 その時点で冒涜的ともいえるのだが──────
そのあたりはのちのちに触れるとして。 ]
(24) 2021/04/17(Sat) 20時頃
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[ 閑話休題、─────筆を執る。 ]
(25) 2021/04/17(Sat) 20時半頃
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……うちに帰りたいんだぞ。
[ひとりぼっちの京都はいつもの何倍もさみしい。 ぽつりと零れた一言も誰も聞こえない。]
……!そうだ! おうち!
まだ桜が咲いてた頃なら、まだあるんだぞ!
[ぱっと顔を上げ走り出す。 庭同然の小路を走り抜けて、このときはまださほど改新の手の届いていなかった区画へ。]
(26) 2021/04/17(Sat) 20時半頃
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……琴のおうちなんだぞ……!
[今は取り壊されてしまった、ボロボロのあばら家。 あの日家の時間が止まったまま、冷めた料理もそのままの。]
………。 …………。 …………………ただいま、なんだぞ
[もう見れないと思ってた。]
(27) 2021/04/17(Sat) 20時半頃
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あ、お前も来たのか?
[ぴょんぴょんと飛んでくるポストに首を傾げる。 とくに動くことに疑問はない。 カラ傘おばけとかいるし。]
あ、お手紙なんだぞ! なんだかいっぱいかたいもの入ってるんだぞ!
[がさがさと開けて、取り出す。 ……?]
(28) 2021/04/17(Sat) 21時頃
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[甘い香りのする小さなお菓子が入れられている一通。
それと]
にんじんなんだぞ!
[生の。 甘い香りのとろっとした入れ物も同封してある。 しかし生である。]
(29) 2021/04/17(Sat) 21時頃
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………はふぁいんらほ(かたいんだぞ)
[そらそうよ。]
(30) 2021/04/17(Sat) 21時頃
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[御手紙を読むかぎり、 ちゃぁんとした『お礼』は急ぐ必要はなさそうですから。 ”安心”してポストに投函すると、次の手紙を開きました。]
(31) 2021/04/17(Sat) 21時頃
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……さて。 ほら、しゃんとなさい?
[ベッコベコに凹んだ「青い」ポストを揺さぶれば、 どうやら真っ直ぐな姿勢に戻る。 さて、もう1通2通書いてみるのもよいだろうか……]
(32) 2021/04/17(Sat) 22時頃
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[さて、手紙をひとつ投函し終えたところで気付いたのだが、 ワインの瓶の隣にちょこんと、ツマミの乗った皿がある。 チーズにナッツにサラミもある。 ポストが気を利かせてくれたのかは定かではないがワイン(2杯目)とともに有り難くいただいていると、 ポストがぴょんと跳ねて手紙を次々と吐き出した]
おや、沢山ありますね……どれどれ。
[そのうちのひとつ、枯草色の封筒を取ると便箋が零れ落ちた。 どうやら封が切られた状態のようだ。 零れ落ちた便箋を拾い上げ、何気なく封筒をひっくり返した]
(33) 2021/04/17(Sat) 22時半頃
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………… 『拝啓、主催のセシルさま』とは。
[この時点で既に嫌な予感がするが。 封筒が宛名違いなだけで中身はふつうかもしれないのだ。 早とちりは禁物である。
だが結論から言うと、中身もやっぱり主催宛てな文章であった。 男はポストを睨み、ポストは言葉もなく立ち尽くした]
(34) 2021/04/17(Sat) 22時半頃
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こらポスト。御配達しているじゃあないですか。 まったくどうすればいいんでしょうコレ。 とりあえずこの手紙を書いた人の元に送り返して……、
[などと言いつつ、封の切られた封筒に便箋を戻す前に、 つい中身を読んでしまったのは、なんというか人間の性である。 見てはいけないものほど見てしまうというか。
ちょうどこの状況と似て非なるかたちとして、 ……主催者の片割れ、”白い男”――もといセシルによって、 男が夜風に当たりに行く前に書いてポストに投函した、 ”此処にはいない者宛て”の歯の浮くような文面を並べた手紙を読まれてしまった! ……とは露知らず]
(35) 2021/04/17(Sat) 22時半頃
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ほう、……ほうほう。 この御仁は戦いを楽しみにしていたようで。 中毒《ジャンキー》でしょうか。競争でもいいと言っておりますし違うでしょうか……。
[さらっとひどいことを言いつつ、ともあれ]
しかしこれは……かぼちゃの女の子とも水戸の魔術師とも、 倫敦の水先案内人な方とも絵葉書の少女とも違う方からの手紙のようです。
[となれば該当するのはただ一人。人と獣の特徴を併せ持った少女。 ちなみに倫敦の者――ガブリエルに対する認識が”こう”なのは、 倫敦の観光スポットについて訊ねていたからである]
ま、手紙を返すついでに返事をするのも一興でしょう。
(36) 2021/04/17(Sat) 22時半頃
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いいですか? 私は十分に理性的です。 今回、このような手段に出たことをもし恨みたいなら、 それは主催の方……グラーツィアさんに言うといいわ。
回数含め、彼女の提案に従った結果ですもの。
[と、ポストに言い聞かせながら先に返信をもらった二人への 手紙を差し入れる。 まさかこの手紙が届かなくなっているなどとは 今の時点では思っていない模様]
……主催へは…… 先ほど片割れの方に送ったそれの返事もまだですし、 もう少し待ってみましょうか。
[なお誤送信]
(37) 2021/04/17(Sat) 23時半頃
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……このようなカートゥーンありましたよね? 獣耳の少女をペンライトを振って応援するという。
[なお真相は素面の男のみ知る。 ともあれ2杯で出来あがってきているが、 まだ残る理性的な部分が、あと一通……あと一通くらいお返事を……と訴えかけていた]
(38) 2021/04/18(Sun) 00時半頃
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[そうして、次に手に取ったのは、 どこか甘い香りのする便箋であった。 そう、便箋である。 最初に受け取った手紙が落書き帳じみた紙に書かれていたことを思うとこれはある種の前進である。
ファンファーレっぽい音楽が脳内に鳴り響いた。なぜか]
(39) 2021/04/18(Sun) 00時半頃
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[ 新しく届いた手紙を開けた天使はと言えば、 見慣れない───それでいてきらきらとした。 ポップな柄の便箋に呆気にとられたように、 ぱちくりとその目を大きくまたたかせた。 ]
これはまた────
おもしろいお便りなんですね。
( 前回のものよりは『お手紙』らしくはなった これまたきらきらとした筆跡から香る そこに並ぶ人口香料の香りに首を傾げながら、 あどけない文字を眺めていました。 )
(40) 2021/04/18(Sun) 02時頃
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[そこに迷いながら並ぶ幼子の、幼子らしくもあり、 両親の教育ともとれる『区別のない』考え方は 御使いのひとみを細めらせて]
(41) 2021/04/18(Sun) 02時頃
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( 影の英国に棲むばけもののなかには、 ひとよりひとらしいものたちもいたみたいですが。 たいてい“変わり者は”疎ましく思われたり 裏切られて死んじゃうんですよね。
そういうのって。 )
─────おろかなばけものって、 ...どこにでもいるんですねぇ。
[ ぽつりと夜闇に吐き出されたことばは どうせだれの耳にも聞こえないもの。 ]
(42) 2021/04/18(Sun) 02時頃
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...ばけものでも、天や主に救いを 求めることはあるんでしょうか?
[ただ、その“共存”に天まで入っているばけものは めずらしいものでしたから──────── ふうん、と思案しながら筆を執ります。]
(43) 2021/04/18(Sun) 02時半頃
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[手紙をポストに投函すればしばらく夜風に当たり。 さて帰りましょう、となった段階で予想外の事件が起きていた。 たまにぴょんぴょんするだけだったポストの様子が明らかにおかしい。 あっちへふらふら、こっちへふらふらとあまりにも頼りない動き]
……ポスト? どうしましたいったい。 まるで酔っ払いのような動きではありませんか。 もしや雰囲気酔いでもしてしまったというのですか!
少しは頭を冷やしなさい。
(44) 2021/04/18(Sun) 03時頃
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[するとそれを命令と受け取ったのか、 ポストは男が見た中でいっそう強く跳ね上がり、 あっという間に湖へと飛び込んだ。
ばっしゃーーん
死と生者の森の湖に、 思いの外派手な水柱が立ち上った]
(45) 2021/04/18(Sun) 03時頃
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[誰もいない家で、みんかからの手紙を読む。 それに返事をし、にんじんはちょっと茹でて柔らかくしてから食べた。 そして、ちいさな足袋のようなものに詰められていた菓子を見る。 2枚。]
とーちゃんとかーちゃんにあげるんだぞ!
[食卓の、いつも父母が座っていた場所に置く。 珍しいお菓子だけど、迷うことはなかった。 それからふすまを開ける。]
(46) 2021/04/18(Sun) 03時頃
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うんしょ、よいしょ
[ずる、と取り出すのは薄い布団。 それをきっちり3人分。]
琴、ちょっとおねむなんだぞ。 だから、ちょっとだけなんだぞ。
[3つ並べた布団の真ん中。 父と母に挟まれた、琴だけの特等席。 そこに身を滑り込ませ、目を閉じた。]
(47) 2021/04/18(Sun) 03時頃
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[ ...ばけものには天への道が開かれている、 なんてことは、もちろんないのです。 すくなくともボクが知る主の世界では。
そもそも人魚や悪魔みたいな... 『死んだら終わり』の魂なきものたちだって いるんですから、ね。 ]
( けれど、 あの夜の死者を甦らせた奇蹟は 『しかたなく』と言っても... ひともばけものも分け隔てなく。
ほんとうにばけものにも天や主を信じ、 万物と手をとろうとするこころが あるのであれば───────。 )
(48) 2021/04/18(Sun) 06時頃
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( ...その文面も手紙に同封したものも、 ただの興味のようなもの。
...お便りをくださったのは 物騒なことなんてなぁんにもおっしゃらない たしかに『いい子』でしたから。
ボクだってひどいことは言いませんよぉ? )
(49) 2021/04/18(Sun) 06時半頃
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[ さて、投函を終えると もう一通届いていたものを手に取ります。 ]
(50) 2021/04/18(Sun) 06時半頃
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[ 翼の生えた馬の描かれた絵葉書を眺めながら、 ふふ、と思わず微笑んだものです。 ]
そのダービーはとーっても面白そうですね!
・・・・・・ [ そういうものなら是非見てみたい、と思うのでした。 あ、もちろん観客席で、ですよぉ? ]
( ともあれ、筆を執ります。 )
(51) 2021/04/18(Sun) 08時半頃
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[ 認め終わったあと、ポストに投函して──── あらためて読み直した手紙にあった文字。
カルデア、と言う単語にわずかに興味を持ったのは そもそもガブリエルが『カルデア』を起源する存在、と 言うのに無関係でもないのだが、
いまはただの閑話である。 ]
(52) 2021/04/18(Sun) 09時頃
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[ さて、すべてにお返事を返してしまえばもう暫く 夜の静寂はつづき────── ]
.... さすがに天界にはいけないのでしょうねえ。
[ならば、『影』のほうには渡れるのでしょうか、と なにかを捜すよう、倫敦の夜に翼を広げてみるのでした。]
(53) 2021/04/18(Sun) 09時頃
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[さて、セシルが「こちらに誤送された手紙」の主に宛てて送った手紙の文面だが――。 記されているのは、セシルが最低限必要だと考えた説明と謝罪のみだ。いわば、事務に徹した「運営側からの手紙」、といってもいい。
……覗き見てしまった内容に思う想いがなかったわけではないが、それを敢えて認める暇はなかった。 そもそも、そんな感傷に浸っていたらまた情緒がガタ落ちになる危険性もあった。 何より、「そういう」ことをわざわざ記すのは、手紙に秘めた想いをしっかりばっちりまるっと確認している、と宣言するようなものだった。これをされた側の恥ずかしさは、セシルにも想像できる。 そういう意味では、グラーツィアが件の誤送手紙に対応しなかったのは幸運中の幸運だったかもしれないし、そうでもなかったのかもしれない。]
(54) 2021/04/18(Sun) 10時頃
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君たちの記念日を壊すような真似はしたくない。 だから、待ってて。
[想いは、月明かりの窓の下で、ひとり静かに零される。]
(55) 2021/04/18(Sun) 10時頃
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……逢えない傷は、僕だって、知ってるからね。
(56) 2021/04/18(Sun) 10時頃
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