人狼議事


33 桜森高校同窓会

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【人】 ラプター ニジノ

>>105
へぇ、人か狼か見破れるんじゃなくて?
私はどっちに見えるぅー?

[うぇっへっへ、なんて邪悪そうな笑みを浮かべながら、魂がどうとか言い出す絶世の美丈夫に不遜に返す。信憑性はともかく、意外とユーモアのセンスはあるようだ。]

お、もうそんな具体的な日取りまで!?
学生結婚も視野に入れてたり……?

その頃には留学終わって日本に戻って来れてるかな。
楽しみにしてるー!

[クルーエル社から怪しげな当選通知が来なくても、次にこのメンツが揃う機会は程なく訪れそうだ。

現実世界の炎の揺らめきと、桜森高校合唱部のBGM動画で気に入ってるので、特に添附は望まないけれど、そもそも柊個人の連絡先は知らない気がする。グループLINEで野々花と連絡が取れれば、今まで不自由なかったし。
ミス&ミスターコンの顛末を聞きでもしたら、カーテン製トーガを纏った古代彫刻風の写真を興味本位で欲しがっただろうけど。]

(123) りしあ 2024/02/23(Fri) 14時半頃

【人】 ラプター ニジノ

――っは はははは、大和何やってんのぉ!?

いいぞーもっとやれー!
桐野もテンポあげちゃって⤴

[最後の演目(?)に原住民みたいな腰蓑ファイヤーダンスwith情熱迸る大陸。
その頃には、下卑た野次と指笛を鳴らす、野球観戦中のOYAJIみたいになっていた。

踊り疲れてグィーっと飲み干した一杯が、ウーロン茶でなくウーロンハイだったらしい。
すっかりデキあがってイイ気分。一人でツボに入って大受け爆笑している。

体をくの字に折り曲げ腹を抱えて、キャラキャラ甲高い笑声がピアノ伴奏の合いの手に。
沙羅の手によってバケツ消火されるとこまで、コントでも見せられているようで。小柄な沙羅に「めっ!」されてしゅ〜んと項垂れる姿はまるで仔犬だ。]

おーつかれさまーぁー!

[笑い過ぎて涙まで浮かんできた。ヒーヒー苦しそうに腹筋を引き攣らせながら、戻って来た大和を労わりガバっと勢い任せに抱き着く。汗っかきの彼の耳裏あたりでスンスン鼻を蠢かせ、そののまま頬っぺにチュっと。
THE☆ヨッパライ。回収はお任せします。**]

(124) りしあ 2024/02/23(Fri) 15時頃

【人】 ラプター ニジノ

[キャンプファイヤーの終わり辺りから、何故か笑いが止まらなくなって。

笑って、笑って、笑って、お空に浮かんで三日月に引っ掛かる夢をみた。]

ん〜? んん〜〜〜??

[引っ掛かっているのは、誰かの肩のようだった。歩くテンポの上下の揺れが心地良くて、懐かしい香りの背中に頬を擦りつける。うっかり涎の沁をつけてしまってから、後で謝ろう、と思ったのを最後に、また泥濘のような酔いどれの微睡みに引きずりこまれてゆく。]

(138) りしあ 2024/02/24(Sat) 17時頃

【人】 ラプター ニジノ

―――― っ、 つつつ、ぅー。

[ありがとうを言いそびれたな、とぼんやり明方の薄闇の中、覚醒する。
ツキツキツキと蟀谷の奥あたりが罅割れたように痛む。肺腑の辺りも無性にムカムカした。]

どこ、ここ……あっれー?
練習……スケート靴……。

[日の出前のベッドに大きな欠伸を落として。ずるりと肩から滑り落ちたのは、着替えを途中で断念したような、ボタンの掛け違えたシャツ一枚。見覚えがない。
冷水を浴びせられたように、背筋が凍った。これは、もしかするともしかするのではないか。二日酔いに痛む頭、途切れた記憶。都市伝説に語られる、一晩の過ち的な――慌てて隣のベッドに眠る人影を確認する。]

(139) りしあ 2024/02/24(Sat) 17時頃

【人】 ラプター ニジノ

…………そっか、温泉に、泊まりで、えぇと。

[二度見三度見る10度見くらいして、もう夢ではないと確信を得る。朝起きたてから、何故かドっと疲れた。
普段から騒がしいくらいの大和だが、寝ている時は意外と静かだ。規則正しい寝息を聞きながら、漸く安堵を覚えた。]

あ、髭生えてる。

[ふふ、と小さく笑った拍子に、また疼痛に嘖まれる。二十歳になる直前に宿酔を体験してしまった己の不良っぷりに少し落胆しながら、もそもそとベッドに這い戻る。彼に起こされるまで、もう少し夢の合間に浸っていたい。**]

(140) りしあ 2024/02/24(Sat) 17時頃

【人】 ラプター ニジノ

[昨日は午前中に温泉プールとサウナでリラックスして、美肌ツヤツヤ〜のはずだったけれど。
軽く汗ばむほど踊った後で、酒気を纏わせながら舞台化粧も落とさず爆睡してしまったワケだ。枕カバーが何か黒ずんでいる。]

せ、洗顔……っ、いや、シャワーだ!

[二度寝から目覚め、朝っぱらから盛る大和犬に肘鉄をくれながら、貸切風呂の予約方法を聞き出す。
朝食の時間まで90分弱。急げ急げ!
部屋の洗面所でメイクオフしたスッピン顔は、下ろした髪でなるべく隠しながら。早朝の浴場が空いていることを祈りつつ、部屋を飛び出し廊下をダッシュ。]

うぅーあんま記憶ないけど、
昨晩は大和が介抱してくれたのかな?
お風呂は入れた?

――まだなら、えぇと、 っ

[あれ、これもしかして90分間で襲われるパターン?
二日酔いを理由に、何とか"待て"と"ハウス"を試みるけれど、あらゆる意味でチョロい虹乃は、どこまで陥落せず持ち堪えられるだろうか。**]

(168) りしあ 2024/02/25(Sun) 00時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[優雅に朝シャンでサッパリしっぽり(?)した後に。
漸く酔いが醒めてきて、真っ先に浮かんだ懸念は昨晩の柊とのやりとり案件。]

そう言えば、柊から聞いたんだけど!

けっ ケケ ――けっここ  こけっ、コン!
がどうとかこうとか……!

[鶏再び。最後狐も混ざった。
留学の影響もあってか、ジェスチャーも大振りだ。手を動かしていないと喋れない病気。]

何をどれだけ言いふらしてくれてんの!?
もしかして、みんなに!?

(181) りしあ 2024/02/25(Sun) 11時頃

【人】 ラプター ニジノ

留年決定で、こっから一年弱
今までよりも日本に帰れず
あっちで猛勉強しなきゃなんだよ?

引退したら翌日結婚、とか無理な話しなの、
わかってる!?

[左と右の人差し指を突き合わせ、もじもじしたり慌てたり忙しい。情緒が乱高下ジェットコースター。
隣でどこ吹く風状態の大和に、必死に捲し立てる。]

や、大和とパパママだけじゃなくて、
みんなにまで留年バレたら恥ずかしいじゃん!

かくなる上は――

[手っ取り早く証拠隠滅。
のび太くんと同じ手法――0点のテストは埋め埋め、もといズタボロ成績表はタイムカプセルに封印だ。昨日の内になら、火にくべてお焚き上げもできたなぁ、と悔やまれる。

何年後にどんなメンツで発掘するのかまでは、目の前のことでパニック気味の虹乃には想像を働かせられなかった。万が一、この酷い成績表が自分の子供にでも見られたら、100回くらい死にたくなるだろう。**]

(182) りしあ 2024/02/25(Sun) 11時頃

【人】 ラプター ニジノ

…………まぁなんか、
桐野には一から十まで、いや百まで
筒抜けツーカー状態なのは
薄々察してたからいいよ……諦めてる。

[大袈裟に肩で溜息を吐いた。
過保護な委員長は、他人の赤裸々なアレコレを迂闊に沙羅に漏らしたりはしないだろうと、信頼はしている。
スケートや勉学に邁進する余り、雑念の最たるものである大和のLINEはブロックしがちだから、その間のガス抜き要員を奪うのは得策ではない、という自分勝手な都合も含めて。]

なんだかんだ、桐野も大和のこと
可愛がってくれてるよねー。
いつもウチの大和が
ご迷惑おかけします、のお詫びは
うさぬいで足りたかなぁ……。

[すっかり飼い主の心境だ。]

(199) りしあ 2024/02/25(Sun) 16時頃

【人】 ラプター ニジノ

[結局、自分の実力不足のせいで、戻りが一年先まで遅れてしまったのだから、不毛な論争はここまでにしよう。罪悪感や不甲斐なさや恥辱が綯交ぜになった、ほぼ八つ当たりの言いがかりでしかない。

朝食を終えて、荷物を片付ける前に、最後に土産物コーナーを冷やかす。
途中、廊下の消火栓の裏から、すっかり見慣れたパッケージを発見した。うまか棒5味。]

コレ、ちゃんと全部見つけて貰えたのかな?
残りはスタッフ、もとい旅館の従業員さんが
美味しくいただきました、ならいいけど。

……落ちてるモノ拾って食べるのは、
行儀悪いし、本当は危ないんだからね。

[クルーエル社員にトンデモ味が当たったら、少しは恨みが晴れるかも?]

(200) りしあ 2024/02/25(Sun) 16時頃

ニジノは、ヤマトの口にうまか棒(ストロベリーくさや味)を突っ込んだ。

りしあ 2024/02/25(Sun) 16時頃


ニジノは、コレは見つけた人が全員スルーして余っていたに違いない。

りしあ 2024/02/25(Sun) 16時頃


ラプター ニジノは、メモを貼った。

りしあ 2024/02/25(Sun) 16時頃


【人】 ラプター ニジノ

――チェックアウト前/土産物屋――

[タイミングが重なることがあれば、帰る前にと土産を選ぶ誰彼に笑顔で手を振るだろう。

シアトルのルームメイトたちには健康にも良さそうなハーブティを。スケートクラブで配るのはお饅頭とバームクーヘン。自分用に、リニューアル前の桜森高校を写したポストカードセット。パパママには、お揃いのマグカップ。]

何?
大和は私にこの制服着て欲しいってー?

[物色しながら、そんな風に小突いて戯れ合う時間も、もう僅か。
タイムカプセルを後回しにした結果、まさか雪かきをする羽目になるとは思わなかったけれど。]

うぅ〜〜〜〜ん。

[文面が思いつかない。現役引退を決意はしたものの、スケート選手ではなくなった自分がどんな心境でどんな人生を歩んでいるのか、全く想像できないのだ。
黒歴史の成績表を封印するだけ、も味気ない。うんうん唸りながら悩んだ後、大和にロスタイムを願い出て、桜色のレターセットを購入すると、苦手な荷造りの合間にペンを走らせた。**]]

(219) りしあ 2024/02/25(Sun) 21時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[ついでに、ワカナさんへのお土産も買っておいた。

一緒にVRの中で、異様に顔面偏差値の高かった第二回ゲーム参加者を拝みたかったのではないかな、と老婆心で因縁深いチョーカーをチョイス。中央に嵌った若葉色の石は、エメラルドでもペリドットでもなく、ツァボライトと言うマイナーな石らしいが。
この翠色のガーネットは、タンザナイトと同じ鉱山で産出される、謂わば兄弟石みたいなものだ。]

いつも、花束持ってリンクサイドに
応援に来てくれてたもんね……。

あ、そうだ。
4月のプレゼンターの依頼もしておかないと。

(221) りしあ 2024/02/25(Sun) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

[ロシアンルーレット的にマスタードMAXを仕掛けると、大抵口移しの反撃を食らう。一体何度のキスがマスタード味だったことだろう。以来、嫌いな食べ物を問われると「マスタード」と回答する虹乃であったが、この度もう一品追加された。「くさや」だ。苺に罪はない。]

え、ちょっとこの味ヤバくない!?
パーティの罰ゲーム的なポジション狙い!?

や、やっぱり工場は、私が建て直さないと……!

[男がどうこう、五歳以上年下の未成年に対して、嫉妬しかかっている大和に気付かず、メラメラと再建欲を燃やす。
急に体が浮いて、壁や天井にぶつからないか心配しながら、ぐるぐる回される。幸い、スピンに比べれば全然生緩くて目を回すこともないが、一体何が彼をここまで喜ばせたのか、いまいち理解していない。]

まさか、ストロベリーくさやの衝撃で
大和が壊れた……!?

[味覚だけでも大分致命傷だ。全く、最後に何と恐ろしい時限爆弾が炸裂してしまったのか。

ただ、この状況が妙に懐かしく記憶の端に引っ掛かると思ったら、今朝の夢に辿り着いた。小学生の自分を肩車していたのは、もしかして――?]

(240) りしあ 2024/02/26(Mon) 01時頃

【人】 ラプター ニジノ

[旧桜森高校の制服を巡る一幕。]

制服は――あのデートの時はお互いまだ
ギリ高校生の年齢だったから
コスプレじゃないけど、


今着たら、確かにコスプレだね。

[その他、ここ三年余りの数えるほどの逢瀬で、色々なものを着せられてきた。海を隔てた超超超距離恋愛なので仕方ないのだが、それ故か二人きりになると、彼なりに工夫と趣向を凝らしまくってくれて、"普通の交際"からは大きく逸脱している気がするのだ。お蔭で度々、沙羅や野々花を宇宙に発射してしまっている。
一体どれだけ、衣装や道具に給料が消えているのだろう……あまり考えたくはないけれど。そしてまた、業の深い一着が加わった。]

ん〜〜〜〜〜〜っ、これは……、

[自分では買うつもりのないセーラー服を手に取って、大和の方に向けてみる。ちょっと肩幅がキツそうだけど、Lサイズなら入らなくはなさそう。

唐突に、セーラー服と伊達眼鏡で踊る大和の図が脳漿を襲った。結婚式の余興にしても、肉襦袢の腰蓑ダンスよりは露出度低いしマシなんじゃね? バックダンサーに柊と野々花と自分を足したところで、漸く現世に戻ってきた。酷いビジョンを見てしまった。**]

(241) りしあ 2024/02/26(Mon) 01時頃

【人】 ラプター ニジノ

[チェックアウト時間ギリギリに、どうにかこうにか大小のキャリーケースに荷物を詰め込んだ。小さい方は、今にも爆発して溢れそう。5分前行動と整理整頓が、いつまで経っても身に着かない。]

『あのう……ゲームコーナーのUFOキャッチャーの
アームが故障していたようでして……。

こちら、お詫びの品でございます。』

[部屋の鍵を返した受付で、平謝りされ何故か🦅のぬいぐるみを渡された。思わず大和と顔を見合わせる。
キャリーケースの中には、沙羅から里子に貰った仔犬が、憐れなほどぎゅうぎゅう詰めにされていて、🦅の入る余地などないほどの一触即発状態だ。ここは、大和に持って帰って貰おう。鷹匠ごっこでもするといい。

9200円もつぎ込んだのに🦅が取れなかった、みたいなクレームが複数あったらしい。ちょっと誇張されている気もする。]

(246) りしあ 2024/02/26(Mon) 01時半頃

ラプター ニジノは、メモを貼った。

りしあ 2024/02/26(Mon) 02時頃


【人】 ラプター ニジノ

[窓からの景色で薄々気付いてはいたが、玄関扉を開けると見事なまでの銀世界が広がっていた。もう、街は動き出しているのに、喧噪から隔てられた不思議な静けさがある。雪が音を吸うのだとか何だ、高校で習った気はするけど、思い出せない。]

わーああぁ! どの辺に埋める?

[大和は幾つか土に還らなそうな素材の箱を抱えているから、手伝うつもりで雪かき用のスコップを二本フロントで借りてきた。凝った白い吐息を撒きながら、疎らな足跡が続くだだっ広い雪のキャンバスを眺める。]

(253) りしあ 2024/02/26(Mon) 10時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[居ても立ってもいられなくなって、両手の荷物を放り出すと、誰にも踏み荒らされていない真白の中へ、背中からダイブした。地面より柔らかく受け止めてくれる雪の上で寝転がって、バタバタと手足を動かす。]

えへへーSnow Angel
  ……雪の天使って言うんだよ。

あっちでは雪が積もると、
雪ダルマより大量に発生するんだ。

大和も一緒にやろーよー?

[真ん中に小さく丸い頭の窪み、そしてリボンのように手足の部分は三角に。腕で作った分の形が天使の翼に見えるから、こんな名前なのだ。
大和も誘って、仲睦まじい様子の天使の姿を二人並べる。あはは、と朗らかな笑いも薄青い空に残響。]

(254) りしあ 2024/02/26(Mon) 10時半頃

【人】 ラプター ニジノ

いーやー、もう一日あれば、
今日は雪合戦大会だったのにねー。

でも昨晩降らなくて良かった、のかな。

[冬の試合で雪深い国も訪れるから、そう珍しい光景でもないはずなのに、一頻り子供のようにはしゃいでしまった。
後は粛々と、通り道の邪魔にならなさそうな外れに、雪と土を抄って膝上まで埋まるくらいの穴を掘る。]

(255) りしあ 2024/02/26(Mon) 10時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[結局、未来の自分へなんて何を書いていいか分からなかったから、他のみんなに宛てた手紙を一通ずつしたためた。何事もなければ数年後、環境が変わっても――お互いの結婚式に招待されたりもして――同じ面子で掘り返すだろうから。数奇な縁で引き合わされたこの出会いを、大切に育むのだ。芽吹きはしないけれど、種蒔きのようなもの。]

数年後には、笑い話になってるといいね。

[長い人生のたった一年、と辛抱強く待つことを承諾してくれた大和に甘えて、芽を出す必要のない汚点も、小さく折り畳んで沈めてしまえ。大和が鮫のぬいぐるみを入れるのも、似たような心境なんだろうか。]

(256) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時頃

【人】 ラプター ニジノ

それと、一応みんなに
シアトル土産用意してたんだけど、
なーんか渡しそびれたから、いっそ何年も
そびれたまま寝かせようかと……。

あー、お酒とか入れたら、
熟成されて美味しくなっちゃう?

[二枚ずつ揃いの、ガラスのコースターも放り込む。
いつぞやの女子会で、沙羅がガラスの美術館のお土産をくれたから。シアトルにも似たようなものがないかと探して、有名なガラス作家のChihuly Garden and Glassへ行ってみたのだ。残念ながら、前衛的過ぎてアートは理解はしきれなかったものの、その規模は圧巻であった。まだ、虹乃の感性でセーフな範囲のコースターを、手土産に忍ばせて来たのだが。]

(257) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時頃

【人】 ラプター ニジノ

[そうして、みんなが想いを詰め終わったら、元通り土を被せていく。雪までは戻さなかったから、そこだけ黒い土が剥き出しになった。]

場所、忘れちゃわないように地図描くとか、
宝探しの謎解き的な文言とか考えてみる?

スマホのカレンダーって何年先くらいまで
イベント登録できるかなぁ……。
途中で機種変しちゃうか。

[鬼が笑いそうな、来年より更にその先の杞憂。]

(258) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[スコップを返してきてから、今更に指先がかじかんでいることに気付いた。手袋を外すと、真っ赤になってしまっているのに、氷のように冷たい。]

ん゛っ…………ぅん。

[自然な動作、にはまだ修練が必要だ。差し伸べられる手に、冷え切った手を預けて、歩き出す。]

行きたいお店あるから、ちょっと付き合ってよ。
早く注文しないと、四月に間に合わないかも知れない。

[ねっ、とはにかんで、繋がれていない方の手でキャリーケースを引きずりながら。
一度だけ振り仰ぐ、通ったことのない校舎。次は桜の季節が良い――何人かは同じ気持ちだろう。

こうして、鷹羽虹乃の最高の同窓会合宿は、幕を下ろしたのだった。**]

(259) りしあ 2024/02/26(Mon) 11時半頃

【人】 ラプター ニジノ

――最後の椿姫――

[20XX年 4月 21日。

桜も散ろうかという季節になって、関東一帯を猛烈な寒波が襲い、桜色と風花が同時にちらつく幻想的な日になった。

久しぶりに日本のリンクに立つ、鷹羽虹乃。
全国から選手が集まるような大規模な試合ではないから、古くからこのリンクで過ごした関係者や古馴染みの多い場で、演技を披露するのもまだ試合慣れしないノービスやジュニアが中心だ。
一番年嵩で、スコアも高い虹乃は、オオトリを任されてしまったので、かなり緊張している。

製氷から時間が経って、爪先から少しずつ冷え強張っていく、あの感覚。
脚が治ってからも、なかなか氷の上への一歩が踏み出せなかった。何度試合に出ても、フェンスを越える一瞬だけ、悪夢に捕らわれる。

この足先の白銀の凶器で、未来を奪ってしまった相手。彼女は二度とリンクに戻れなかったが、それ以上をネットで調べる気はもうない。

今から捧げる演技は、贖罪ではなく、ここまで自分を支えてきてくれた人への感謝を目一杯籠めよう。
観客席に視線を向けて、近く一人一人を確認する。見知った顔を見つける度、心に勇気が満ちた。]

(292) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

――3番、鷹羽虹乃さん、
プログラムのナンバーは、『椿姫』――

[会場に響くアナウンスと拍手に押され、羽搏き滑り出す。
氷上に描かれる、シュプールのように波打つ溝。その軌跡は、スケート人生の集大成だ。

五年前の『乾杯の歌』から、復帰後の最高傑作『花から花へ』、そして『さようなら過ぎ去りし日よ』までメドレーで繋いだ一度限りのオリジナル。
幼馴染のデザインした、椿色の衣装(胸のサイズは直しが必要だった)を纏い、肌身離さぬ椿のピアスも飾って、銀盤を舞う。途中で白から紅に衣装チェンジするのも、エキシビションでしか許されない、幼馴染のアイディアだ。

振り上げた左脚の踏切も、すっかりブレずに完璧で、嘗て滑れないほどの大怪我を負ったなんて誰も信じないだろう。]

『さようなら、過ぎ去りし日の
楽しく美しい夢よ』

[前半は殊更妖艶に、刹那の愛と永久の愛に翻弄されるヴィオレッタ。この恋心を識ることで、演技幅がぐっと深まり、海外でも評価を得ることができた。
ダブルアクセルから、トリプルのコンビネーション。試合より長めに見せつけるような、180度開脚するスパイラルは、リンクの端から端までいっそ雄々しく滑り切る。]

(293) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

[後半は、死の病に侵されたヴィオレッタが、離れた恋人を懐かしむ詩だ。]

『嗚呼、道を踏み外した女の願いに
微笑みかけてください。

どうかお許しください、受け入れてください、神よ。
喜びも哀しみも、間もなく全てが終わるでしょう。』

[思い描く顔は決まっている。
ヴィオレッタはアルフレードと束の間の再会の後、すぐに息を引き取ってしまうけれど。
長い別離の果てに重なった二人の手。虹乃はその後も滑り続けるし、傍にいつも、彼が居るはずだ。

息の上がる後半、縺れそうになる足を叱咤しながら、夢中で氷を蹴る。
オイラーを挟んだ三連続のジャンプ、得意のフリップは片手を上げて。ステップの出口で少しバランスを崩しかけたけれど、そのまま最後のスピンへと。
――試合でも一度も組み入れなかった、フライングバタフライ。三度翼のようにフリーレッグを振り上げ、煌めくブレードが空気を真円に切り裂く。まるでヴィオレッタに忍び寄る、死神の鎌のよう。一度は虹乃を死に至らしめた、その技を最後に。

小さな会場を満たす拍手の中で、ヴィオレッタはその生涯を終え、冷たい氷上に倒れ伏す。]

(294) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時頃

【人】 ラプター ニジノ

[本当に最後は、呼吸ができないほど苦しかった。
最終滑走者だから、体感ではかなり長く、氷から身を起こせずにいて。汗だくの額に張り付く前髪を払いながら、よろよろと立ち上がる。

――全ての人に感謝と。この滑りの境地まで達せたことを、寿ぐ気持ちで溢れていた。
舞台の四面に向かって一礼をして、最後に関係者席に大きく両手を振る。やりきった、出し切った、と大声で伝えたい。]

(299) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[観客の目を十分に楽しませた後は、幾重にも削り跡のついたリンクに真っ赤なカーペットが敷かれ、表彰用の台が置かれる。
アナウンスが入って、今日のジュニアたちの順位表彰の跡、再び虹乃がコールされた。
椿姫の衣装のまま、リンクの真ん中に踊り出る。
畏まった顔で、赤い道の上を歩んでくるプレゼンター。賞状とトロフィーを携えた、なんか偉い人と。抱えきれないほどの紫の薔薇の花束に埋もれかけたワカナさんは、今日はきちんと正装している。同じくフォーマルな服装で、お手製の椿の造花で花冠を編んでくれた清佳と、馬子にも衣装状態の大和と。]

(300) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時半頃

【人】 ラプター ニジノ

――嗚呼、これで一区切り。

[全て終わるでしょう、と虹乃の中のヴィオレッタが嘆く。
けれど、自分にとっては精一杯でこれ以上ない、競技人生だった。
あまりに自分のことに夢中で駆け抜けてきたから、そろそろ周囲の暖かな人達に、氷上以外で恩返しもしていかなければいけない。

口上は聞き流しつつ、想いの篭った花束を受け取って、銀盤の椿姫はここで死ぬ。
新たに生まれ変わるのは、スケーターでないただの鷹羽虹乃だ。

さすがに感極まってきて、肩が震えて目頭が熱い。
けれどカメラに向ける嫣然とした笑みのまま、段を下りて大和の前に立った。スケート靴の分だけ底上げされて、目線が大分高いところになってしまっている。*]

(301) りしあ 2024/02/26(Mon) 22時半頃

【人】 ラプター ニジノ

うん、――うん、大和!
もう半年は、ちょっと勉強頑張らなきゃだけど、


いっぱい待たせちゃって、ごめんね。
長い間待っててくれて、ありがとう。

[人生を賭けた氷の上で、残りの人生を彼に誓おう。
夢見たシチュエーション。跪く彼の手ずから指輪を嵌めて貰って、潤む瞳で何度も頷く。
真ん中で燦めく、雪椿の庭で貰った、紫の貴石。]

(316) りしあ 2024/02/27(Tue) 00時半頃

【人】 ラプター ニジノ

[ひしと抱き合う二人のBGMに、気を利かせた誰かが会場のステレオから、アルフレードとヴィオレッタの熱烈なアリアを掻き鳴らす。
祝福と喝采に包まれたリンクは、大団円のフィナーレを迎えていた。


最後にリンクから去る前に。幼い頃から汗と涙と青春を捧げた銀氷の舞台に跪いてキスをして――氷の粒片をつけたままのくちびるで、大和の頬にも掠めるような冷たいキスを。
戯れ合う二人に、観客はドッと沸きたち、清佳はワナワナと拳を震わせている。両親も――特にパパは卒倒していないかな。ここまでくれば自棄気味に、インタビューだろうが取材だろうが、惚気に惚気まくってやるのだ。


マニア向けのスケート雑誌の端っこに、小さく氷上プロポーズの白黒写真と記事が載ってしまって、後日羞恥で死にかけることになる。**]

(317) りしあ 2024/02/27(Tue) 00時半頃

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