人狼議事


14 冷たい校舎村10

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【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[やがて、2人の男が、1人の女性を同時に好きになったことが明かされる。
恋のガチンコ勝負。女性を射止めるのはどっちだ!?
——他人事のスタジオは、無責任に煽る煽る。

最終局面の告白シーン。
2人の男が思いの丈を女性にぶつけ、付き合ってくださいと猛アピール。
煩わしいCMを数回挟んだ後、その恋の行方は決着を見せた。

女性の心を見事射止めた男性は、涙ながらにインタビューに答える。
「必ず幸せにします!」女性の手を掴んで、そう語る。

負けてしまったもう1人の男性は、……あれ?
……もう1人の男性は……?

どうしてだろう、映像に映らない。
最後まで映らないまま、番組は終了した。]

(198) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[イシズ製薬のCMが流れて、我に返る。
気付けば勉強を放り投げて、テレビに齧り付いて見ていた自分がいた。

俺は、負けてしまったもうほうの男性の顔が見たかった。
でもそれは叶わなかった。

テレビとしては、勝利して夢を掴んだ男をクローズアップするのが当然で、
惨めに敗北した男のしけた顔など、いらないのだ。

視聴者は、世間は、人間は、華やかな勝者の姿を見たがっている。
無慈悲なまでに残酷に、
敗者はバカにされることすらなく、存在そのものが消されていく。]

(199) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[誰にも見られることなくフェードアウトしていった男性へ。
あなたが今どんな顔をしているのか、見せてほしい。

俺と同じ顔をしているのか、確かめさせてほしい。]
 

(200) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[潔く、敗者であることを認められたのなら。

こんなに苦しむ前に、自分から消えてしまえたのだろうか。*]

(201) 2021/11/12(Fri) 22時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 死ぬっていうか、
 ここを作り上げた奴と、ずっと一緒にいてやってもいいって。
 そうすれば現実では死ぬんだろ。

[>>212心中っていう言葉のチョイスが物騒だったか?
俺としては、こんな場所に俺たちを呼んだ奴の気持ちを汲んだつもり。]

 ……いや、そもそもここの主が俺たちをここに呼んだ理由、
 心中してほしいってわけじゃないのかもしれないけど。

[そのあたりは依然として不明なので。
俺の想像を述べただけに過ぎない。]

(219) 2021/11/12(Fri) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 ……??
 おっととと。

[>>217河合さんが何かを語ると同時に、
マネキンのバランスが崩れかけて、夏見さんの頭が一瞬床に近付いた。
俺も戸惑いながら、辛うじて落とさないようにバランスを立て直す。]

 いや、やりたいことっていうか……?
 なんだろう……な……?

[驚かせたらしいけど、その後の反応は心中を止めるでもなく、
選択肢のひとつだとまで言う。

別に俺は止めてほしくて言ったわけではないけど、
何か違和感がある。]

(220) 2021/11/12(Fri) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


 ここで死ぬこと、否定しないんだ。
 河合さんは、帰りたいと思ってる?

[確認するように聞いてみる。
>>218目は逸らされているけど、俺は細目で見つめていた。

エレベーターが到着すれば、マネキンを抱えたまま乗り込み、
そのままマネキンを安置している場所まで向かうつもりだけど、
その間に返事はもらえただろうか。*]

(221) 2021/11/12(Fri) 23時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[夏見さんのマネキンを運び終えたら、
河合さんと別れて、一人廊下を歩いていた。

気付けば夜も遅くなっていた時間。]

(228) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ



[ひらり、ひらり。

目の前に忽然と、1枚の紙片が現れたので、
無意識にそれを掴んでいた。]

 

(230) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[それは結婚式の招待状だった。

俺はこれを知っている。
我が家に届いた、ユイとあの男の挙式を告げる報せ。
俺にとっては突きつけられた敗者の宣告。

そうだ、結婚式が始まる。
俺は出席しなければならない。

記された場所は——『3F 音楽室』。]

(231) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 3F・音楽室 —

[急ぎ足でエレベーターに飛び乗り、目的の階へ。
音楽室の分厚い扉が見えてきた。

開始時間はもう過ぎているらしい。
急がなければならない。
フォーマルなスーツは持ってきていないから、生憎の制服姿で失礼。
扉に手をかけ、一息で開く。

そこは結婚式が執り行われるチャペルだった。]

(234) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[既に参列している人々で席は埋め尽くされており、
俺の姿はひどく場違いで。

真っ直ぐ伸びたバージンロードの向こう、
祭壇の上には、純白のドレスを纏ったユイと、
新郎の若社長が、揃って向き合っていた。]


「それでは、誓いのキスを」

[神父が宣言すると、2人は見つめ合って頷き合い、
そしてゆっくりと顔を近づける。

——間に合った。]

(235) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[握り締めていた招待状はいつの間にか、
鋭利なナイフに変わっていた。]
 

(237) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[一歩、二歩、三歩、踏み出して、
チャペルのど真ん中に、
番いの契りを結ぶ場所の中心に、
明らかに邪魔な制服姿の異物が立ち、ナイフを喉元に当てる。
鋭い切っ先が薄皮に食い込む感触を覚えた。

何度も思い描いたんだ。
俺の命を使って、ユイに呪いをかける方法。

惨めな悪役の散り際。

花嫁の人生を表すバージンロードを、
お前たちが蹴落とした敗者の血で汚してやろう。]

(238) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[ナイフを突き立てた箇所から、一筋の血が流れ出る。

そして、痛みを感じながら俺はようやく気付く。]
 

(239) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[ユイも。
その旦那になる男も。
席に着く参列者も。

誰一人として、俺のことを見ていない。]
 

(240) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[………………俺は。何をしてるんだろうな。]


 

(241) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[ユイ。
お前には少しでもいいから、俺を見て欲しかった。
俺に面と向かって、嫌いだと一言でも言って欲しかった。
愚かな俺に、正直な気持ちをぶつけてほしかった。
どうしても難しいことだったかもしれないけど。

お前は俺に長い夢を見せてくれた。
お前は、俺の心の大半を持って行ってしまった。

そしてお前は、それに気付かぬまま俺の元から去っていく。]

(242) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[お前をひどい裏切り者だと罵ることができれば良かったのに。
お前を恨んで、お前に消えない傷跡を刻んで、
忘れられないように縛り付けてやろうとも思ったのに。

違うよな、それは。
だって、お前のことを考えて思い浮かぶのは、
お前のことを何も知れないまま見ないフリしていた後悔と、
お前に何もしてやれなかった反省ばかりで。

お前を傷付けたいわけじゃなかった。
今も。これから先も。]

(243) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ



[手の力が抜けて、ナイフが零れ落ちる。]

 

(244) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[やっぱりお前が好きだったよ、ユイ。]


 

(245) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[首についた小さな傷から血を零しながら、
落としたナイフを拾い上げる。]
 

(246) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




[だからどうかお幸せに、唯さん。]



 

(247) 2021/11/12(Fri) 23時半頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ


[よろよろと、ふらつきながら、
ナイフを持ってチャペルの脇へ外れ、
そして壁に凭れ掛かり、目を閉じる。]
 

(248) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ




 ……結婚、おめでとう、ございます。


 

(249) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[拍手の音がする。
誓いのキスが終わったのだろう。

俺は、微笑んで。
握り直したナイフを首に当て直し、
勢いよく真横に引き切った。]

(250) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[お前たちは誰も俺を見ていない。
これから先もずっと、敗者は敗者のまま消えるのみ。

でも、こんな俺でも、
見てくれる奴らがいたことを思い出せた。

誕生日プレゼントの相談に乗ってくれたり、
家に遊びに来てバカ騒ぎしてくれたり、
恋バナをしようとしたり、
譲れない論争をしたり、
罰を考えてくれと申し出たり、
隙あらばいじったりからかってきたり——]

(251) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[やっぱりさ、俺は恵まれていたよな。
ちゃんと覚えてる。
全部覚えてるよ。
ありがとう、みんな。

人生の中で大切な何かを壊してしまったって、
それを埋めてくれる奴らは、必ず現れる。

それを教えてやりたくなったよ。
この校舎を作った、お前に——]

(252) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

— 8:50 —

[チャイムが鳴る。

3Fの音楽室を覗けば、楽器は壁際に片付けられており、
赤い絨毯が真っ直ぐに引かれ、左右には椅子が整然と並べられ、
なんだか、簡易的に作られた結婚式会場のよう。

花嫁も花婿も神父も参列者も、もう誰もいなくて、
絨毯には花弁が散らされた跡があり、
祝福の時はもう終わってしまったような雰囲気を感じさせる。]

(253) 2021/11/13(Sat) 00時頃

【人】 頭蓋骨と骨 ヘイタロウ

[参列者席の向こうに片づけられたグランドピアノの側で、
壁際に凭れ掛かりながらぐったりと崩れ落ちるマネキンがある。

男子生徒の制服を着ているそれは、
首元が掻き切られて血を流しており、
手には血のついたナイフが握られている。

まるで花嫁たちの祝福の時間を邪魔しないように、
誰にも見られない隅っこで、ひっそりと。**]

(254) 2021/11/13(Sat) 00時頃

頭蓋骨と骨 ヘイタロウは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 00時頃


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