人狼議事


14 冷たい校舎村10

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視点: 人


【人】 季節巡回 こころ


[ 少しの間その空間を楽しんで、
 わたしは再びエレベーターに乗った。]
 

(0) 2021/11/13(Sat) 00時半頃

【人】 季節巡回 こころ

 ── それから ──

[ まずは腹ごしらえである。
 ほとんど間食といっていい時間に、
 わたしは友だちが残した食事をとった。

 栄養満点品数たくさんの食事。>>2:437
 わたしの思う朝食の量を遥かに超えており、
 結果的には朝昼兼用でよかったかもしれない。

 作ってくれた人がもうここにいなくても、
 手を合わせて元気に「いただきます!」をして、
 最初に手を付けたのはヨーグルトだった。

 好きなものは最初に食べる派──だけど、
 友だちの作ったごはんはどれもおいしかった。

 叶うならわたしだっておかわりがしたい。
 自分の胃の容量を少し恨めしく思う。]
 

(1) 2021/11/13(Sat) 00時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ まなちはどこまで付き合ってくれたか。
 おなかがいっぱいになったら、
 今度はわたしも文化祭準備をしようと思う。
 遠くない未来、8時50分が訪れるのを知りながら。]
 

(2) 2021/11/13(Sat) 00時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ それから──── * ]
 

(3) 2021/11/13(Sat) 00時半頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 00時半頃


【人】 季節巡回 こころ


[ ──調理室に立っていた。

 甘い香りに釣られた──わけではないけれど、
 たどり着いた先に友だちの姿を見たなら、
 「わたしもやるー」って何気なくそこに。>>4

 調理台の平らな面に、
 軽く握った卵をこつんとぶつける。

 なんの装飾も施されていない卵から、
 鮮やかな黄色がどろりとボウルに落ちていく。

 きれいな丸を保った黄色を、
 同じ手で潰して、混ぜて、混ぜて。]
 

(15) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ その様子を見ながら思うのは。

 卵を割れば猫耳が出てくる。
 それを知っていたとしても、
 わたしはそれを割る気にはならなかっただろう。

 ポケットの中身。
 いつの間にか、声は聞こえなくなっていた。
 生まれることなく死んじゃったみたいだ。
 わたしはそう思い、自分の選択を少しだけ疑う。]
 

(16) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ おなかはそれほど減っていなかったけれど、
 甘い香りに誘われるように、
 何もつけないままのパンケーキを食べて。

 文化祭の再現であるなら、
 わたしは調理室と教室とを繋ぐ廊下を、
 すいすいと往復するべきなのだろうけれど、

 わたしたちの喫茶店は、
 どこ≠ニもつかない浮遊感の先にあり、
 ……結局、店員さんにお届けは叶ったんだっけな。

 それが叶っても、叶わなくても、
 またひとつあの日に近づいた文化祭。

 片付けなんてすべて終わってからでいいじゃない。
 わたしはそのとき、2階にいた。]
 

(17) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 広々としたエレベーターに乗り込み、
 わたしは迷わずに2のボタンを押した。

 廊下に降り立ち、周囲を見回す。
 あの日の光景がよく再現されている。
 そっくりそのまま持ってきたみたいに。

 行き先ははじめから決まっていたから、
 わたしは迷うこともなくその教室にたどり着く。]
 

(18) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ ──プラネタリウム。
 あの日はあんなに盛況だったのに、
 今はぽつんと投影用の機械があるのみ。>>2:113

 今なら夜空を独り占めできちゃうなあ。

 そんなことを考えもしたし、
 触ってみれば機械の動かし方もわかる気がした。

 ……どうしてそうしてしなかったんだろう。

 明るいままの部屋に立ち尽くしていた。
 ちょうどそのときだった。チャイムが鳴った。]
 

(19) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ なにか≠ェ壊れる音がした。]
 

(20) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ

 ── 午後8時50分 ──

[ わたしのポケットの中から?
 あるいは、そこらじゅうから。
 破裂するような音がはじまりだった。

 ポケットの中を、足元を確認するより先に、
 突然、世界から光が消えた。>>10

 声も上げずにただ立ち尽くすわたしの視界に、
 少しして、いつか見たような星空が広がる。]
 

(21) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ────わかにゃん?


[ わたしにその星空を見せてくれるのは、
 ほかの誰でもない、君だって思っていたの。

 そして、すぐに気がつく。
 星空が覆うのはこの教室だけではない。
 わたしのそば──たとえばその機械の近くに、
 君の姿があるわけじゃないということも。]
 

(22) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 改めて突きつけられたような気がした。
 この世界が誰かのこころの中だということ。
 その誰かはきっと、わたしたちに遺書を送った。
 君自身の手で、すべてを終わらせてしまう覚悟で。]
 

(23) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ──和歌奈ちゃん?! ねえ、みんな?!


[ 気がつけば床を蹴って、
 その教室を飛び出していた。

 誰かいないかと周囲に目をこらしながら、
 半ば闇雲に廊下を走り、声を上げる。

 優しい誰かが準備したエレベーター。
 わたしたちを等しくすべての階に運ぶもの。
 それさえも今のわたしにはもどかしく、

 きっと、誰かにばったりと出会うまで、
 わたしはそうして誰か≠探していただろう。**]
 

(24) 2021/11/13(Sat) 01時半頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 01時半頃


【人】 季節巡回 こころ

 ── 回想・日中 ──


  あは、ハグで落ち着かせてくれる?
  小さい子をなだめるみたいに。
  そっちのほうがあったかくて、いいねー


[ クールな言葉がちょっぴり独特で、
 とびきりお茶目なわたしの友だち。

 彼女よりもずいぶん大きなわたしは、
 そんな彼女のWIN-WINらしい提案に、
 少し甘えた口ぶりで言ってくつくつ笑った。>>26]
 

(39) 2021/11/13(Sat) 11時頃

【人】 季節巡回 こころ



  心配しないで。
  わたし、強いから。

  頑張っているつもりもなければ、
  疲れて打ちひしがれることもない。

  ──って、自信満々に思ってたんだけどー
  わたしにはまなちのハグが必要だったみたい。


[ だから、手始めにひとついいかな?
 しゃがんで、彼女より小さくなって、
 腕だけは大きく広げて、ほらハグは? なんて。

 視線の高さの差が埋まって、君との距離が近くなる。
 きれいな黒色の瞳がいつもよりよく見えた。
 それは思った以上にあたたかな色をしていた。]
 

(40) 2021/11/13(Sat) 11時頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……駆けつけるための脚がなくたって、、
  まなちはいつだってわたしのこころにいるよ。
  そのぶん、君は言葉を尽くしてくれるじゃない。
 

[ これだけ近ければ大きな声を出す必要もない。
 囁くような声音で言って、頬を緩めたわたし。]


  これからも思っていてよ。
  それで、わたしを抱きしめにきて。

  わたし、平らな地面が好きなの。
  そのほうがうんと自由に駆け回れるから。

 

(41) 2021/11/13(Sat) 11時頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 探し出される前にわたしのほうから、
 君の胸に飛び込んでしまうかもしれないけど!

 冗談みたいな口調で言ったけれど、
 それらは全部本当のところ。わたしのこころ。

 よいしょと立ち上がって、
 わたしはスカートの裾をそっと直す。]
 

(42) 2021/11/13(Sat) 11時頃

【人】 季節巡回 こころ



  んー、いいんじゃないかなー
  もういっそにんげんかい≠ナ。
  星空は誰が見たってきれいだよ。


[ 解説はわかにゃんに頼もうね。
 できればみんな揃ってがいいから、
 楽観的な話をするのであれば、元の世界で。

 エレベーターに現れたふしぎなボタン。
 それを押し込みながら語った。
 まだあるともないとも言えない未来の話。]
 

(43) 2021/11/13(Sat) 11時頃

【人】 季節巡回 こころ


[ またあとでね。

 チャイムが鳴るたびに状況は移ろう。
 また会えるという確証もないこの世界で、
 わたしはにっこり笑って手を振った。>>32

 日が沈んでいくことも、星が瞬くことも、
 雪と雲に阻まれて見えづらい窓の外。
 それでもやっぱり夜は訪れる。*]
 

(44) 2021/11/13(Sat) 11時頃

【人】 季節巡回 こころ

 ── 現在 ──

[ 心臓が早鐘を打つ。

 ありきたりな慣用句がよぎるほどに、
 わたしは動揺しているらしかった。

 誰もいないの?
 エレベーターを呼ぶボタンをしきりに押す。

 みんな、わたしを置いてっちゃったの?
 そんな思考がほんの一瞬だけよぎって、
 すぐさま思う。違う。ここはわたしの世界じゃない。

 わたしの世界に、きっと星は瞬かない。
 そして、そのことから思い浮かべるのは、
 やっぱりたった一人、君の顔なの。和歌奈ちゃん。]
 

(45) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 永遠にその扉が開かないかと思った。
 その優しい機械が故障してしまったのかと。

 きっと実際にはほんの短い時間だったんだろう。
 エレベーターが到着する音が廊下に響き、
 ゆっくりとその扉が開かれていく。

 待ちきれないというふうに飛び込もうとして、
 わたしは視界いっぱいにその光景を見た。

 そこにすでに乗り込んでいる人があっても、
 わたしの視線はまずそこに吸い寄せられる。]
 

(46) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 到着した箱の中、球体を抱える人形がある。
 バスケットボールだ、と思う間もなく、
 わたしの脳はそれを誰だか認識した。

 わたしよりも小さな体を持つ君。
 ね、気性の荒い猫とでも出会ったの?
 それにつけられた引っ搔き傷を見て思う。

 尋ねても答えは返ってこないだろうし、
 もしも君に意識があったとして、
 答えるより先に笑われちゃった気もする。]
 

(47) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ゆっ……雄火。
  驚かせないでよ、もー……


[ 驚きに顔を引きつらせたわたしは、
 それが誰かを理解して大きく息を吐いた。]
 

(48) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……君もどこかに行こうとしてたの?
  たどり着けたのかなあ、そこに。


[ やっぱり当たり前みたいに声をかけながら、
 わたしはその箱に乗り込んだ。

 そこに同乗者はあったか、
 あるいは途中で乗り込む人はいたのか。

 ひどく驚いて、逆に少し落ち着いたわたしは、
 行き先ボタンを眺め、そのうちのひとつに指を伸ばす。]
 

(49) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 飛んでいける
 わたしたち、翼も持っていないのに?

 星々に囲まれた校舎の中で、
 誰かさんが残そうとした言葉を思い出して。

 孵らなかった無数の卵たち。
 あるいは目には見えないだけで、
 なにかが飛び立っていくところなのだろうか。

 ポケットの中、薄く尖った感触を確かめながら、
 わたしを屋上へと導くボタンを押し込んだ。]
 

(50) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ その扉が再び開くとき、
 わたしが目にするのはきっと、
 先客二人分の背中だ。>>38*]
 

(51) 2021/11/13(Sat) 12時半頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 12時半頃


【人】 季節巡回 こころ

 ── 現在 ──

[ そこに、驚きがもう一つ。

 当たり前のように声をかけてくる猫に、>>62
 わたしは当然、ひどく驚くことになる。]


  ──っ、は、はるみちい?

  …………あのさー、
  人気のない校舎で突然遭遇する着ぐるみには、
  100人いたら99人は腰を抜かすと思うよ。


[ わたしが情けない声をあげるだけで済む、
 気丈な女の子で本当によかったね!
 人形より先にわたしを運ばせるところだった。]
 

(64) 2021/11/13(Sat) 16時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ どう考えてもさておけない事実に、>>62
 わたしの緊張も少しとけたらしい。
 気の抜けた笑い交じりの声で言って、
 わたしはそのエレベーターに乗り込む。

 屋上とハルミチーは言い、>>62
 わたしはそれに迷いなくうなずいた。

 その箱が上昇しきるまでのわずかな間、
 ただ待つことももどかしく、
 わたしはぽつりぽつりと言葉をこぼす。]
 

(65) 2021/11/13(Sat) 16時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……広いねえ。
  大きな猫ちゃんと大きめのわたしと、
  バスケ少年が一緒に乗り込んでても。
  この世界を作った人は、みんなに優しい。


[ 着ぐるみ姿のままらしいから、
 君の目を見て──とはいえないけれど。

 高い位置にある着ぐるみの大きな頭。
 それを見上げて、わたしも言った。]
 

(66) 2021/11/13(Sat) 16時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  春満、知ってた?
  あのプラネタリウム、
  和歌奈ちゃんが作ってくれたの。
  天文部、もともとやる予定じゃなかったの。


[ だから、この世界は──というほど、
 意外性はない結論だ。この星空を見てしまえば。

 言い終わるのとほぼ同時みたいに、
 エレベーターが目的の場所で扉を開く。

 彼女たちはまだ扉の前にいただろうか。
 ゆっくり開く扉の先になにがあるのか。

 なにかを祈るような気持ちで、
 わたしの鼓動は今もひどく速い。*]
 

(67) 2021/11/13(Sat) 16時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ パンケーキをきれいな円にする方法。
 知ってる? 一点めがけて生地を流して、
 お玉の底でそっとゆすってやるのだ。
 ……型を使うときは必要ないんだけどね!

 わたしは文化祭準備に学んだことを、
 得意げに君に語ったりもした。

 どうせ全部混ぜちゃうんだからと、
 大雑把なわたしは笑うだけだった。>>71
 わかにゃんのへたっぴ。そんなふうに。
 言ってくれたら、それも教えたのに。]
 

(95) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 猫の顔が描かれたパンケーキ。
 誰もいない廊下は非常に駆けやすかった。
 人にぶつかる心配も、先生に捕まる心配もない。

 まるで文化祭ごっこ。
 もうずいぶんピースの欠けてしまった世界で。
 ほんの少し前の出来事がずいぶん遠くに感じる。]
 

(96) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ そして今、あの戯れのような時間を、
 ほんの少しだけ後悔しはじめている。

 ……文化祭の準備が整えば、
 終わりはあっという間にやってくる。
 そんなことをふいに想像して。]
 

(97) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ だって、ほら。>>81
 大きな猫ちゃんまで揃ってしまった。]


  ……もみくちゃだったねえ。
  でも、ずいぶん好評だったよー
  他クラスの委員長が歯ぎしりしてた。


[ 何気ない会話を重ねれば、
 少しだけ落ち着いていられる気がして。
 猫とバスケ少年とわたし。まだ上昇する箱の中。]
 

(98) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 当日、女の子に抱き着かれていたなって、
 わたしは思い出したりもしていた。

 家族ぐるみで文化祭を見に来るなんて、
 なんてほほえましいんだろうって思ったのだ。

 ずいぶん年の離れた友だちの妹。
 ふつうの、善良そうな一家。
 たとえ目鼻立ちがそれほど似ていなくても、
 彼らは世話焼きな友だちに容易く結びつき──、

 ああ、どうしたって思考が引き寄せられる。]
 

(99) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……ハルミチーはさ、
  言葉ばっかりつっけどんで、
  でも、他人に甘くて優しいよねえ。

  きっと、だから呼ばれたんだよ。
  引き寄せられた≠ニいうより。
  ……春満が春満だったから。
  ここに、必要だったんじゃないかなあ。


[ 少なくともわたしはそう思うよ。
 律儀に着ぐるみで現れた君だから。

 わかにゃんらしい。>>84
 その言葉にわたしはしっかりと頷き、
 ……ああ、扉が開いていく。
 強張りそうになる肩に、ぽんと手が置かれた。>>85]
 

(100) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……うん。会いに行こう。
  終わりなんて、いやだよ。 *

 

(101) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 扉のその先に、満点の星空を想像した。
 裏腹に、広がるのはひたすらに深い闇だ。>>74]
 

(102) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ

 ── 現在 ──


  ──和歌奈ちゃん!


[ わたし、飛び出すように、
 開け放たれた扉の方へと地面を蹴った。

 探していた人が背中を向けて立っている。
 かすかにため息が聞こえた。
 ただ事実を述べるような声も。>>79

 別に走ってきたわけじゃないのに、
 鼓動が速くて、息が苦しいのだ。
 やっとのことで名前を呼んだくらいに。

 こころが痛いのだ。
 その背が近づかないでと言うようで。]
 

(103) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 屋上に君は立つ君に、
 まなちが語りかけるのを見ていた。>>94

 穏やかな空気がまるで物語の終わりみたいで、
 わたし、耐えられずに声を張り上げてしまう。]


  ここが壊れちゃうなら、
  その前に一緒にかえろうよ!
  かえれるはずなの! 今からでも!


[ 50%を切ったって大丈夫。
 いつかそんなふうに笑ったくせ、
 多くの場合≠ノさえ確証を持てず、
 わたしの声はひどく切羽詰まっている。*]
 

(104) 2021/11/13(Sat) 21時半頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 21時半頃


季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/13(Sat) 23時半頃


【人】 季節巡回 こころ


[ ​風が吹いている。>>74
 簡単に煽られた髪があちこちに振れて、
 その一部が頬に張り付いていた。

 これで最後にするのだと君は言う。
 背後からも声が聞こえて、>>110
 わたしはまだその背中を見ていた。

 なにか叫び返しそうになる自分を、
 辛うじて押しとどめているような気持ちで。]
 

(133) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ それは一瞬の出来事に思えた。
 不意にまなちが動いた。>>121

 和歌奈ちゃんのところへ行くのかと思えば、
 彼女がまっすぐに向かったのは屋上の端だ。

 ひゅっと息を呑む音が聞こえた。
 ほかならぬわたしの喉から。

 とっさに駆けだそうとしたわたしの脚は、
 和歌奈ちゃんの動きを見て、はたと止まる。>>132
 それから再び動く。二人の方へと。]
 

(134) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ──取り返せなくたって、だからって。

  過去は変えられないよ。
  でも、それで終わりにしちゃったら、

  和歌奈ちゃんの最後は、
  嫌になっちゃった自分のままなんだよ。

  そんなふうに言うほど、
  君がなにをしたっていうの。


[ 一歩一歩を踏みしめながら、
 風に負けじとわたしは声を張り上げる。
 同じ屋上に立っているはずなのに、
 君の背中が果てしなく遠くに思える。
 その距離を一歩ずつ詰めていく。]
 

(135) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 知ってる。
 これがどんなに勝手で残酷な行為か。

 終わりにしたいというのは、
 君の明確な意思であるはずだった。

 そうなんだねえと物分かりよく頷けば、
 それは君にとって良い結末だったんだろうか。

 文化祭をもう一度。
 みんなと一緒に少しの間過ごして。

 そんな考えが過ぎらなかったわけではなくて、
 それでもわたし、言わずにはいられなかった。]
 

(136) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ──それに、
  わたしは和歌奈ちゃんが好き。

  たとえ、君自身が自分を嫌っても、
  わたしは、わたしの目に映る君が好きだよ。

  わたしの好きな人を勝手に殺さないで。

 

(137) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ 触れられるくらいの距離まで近づいて、
 わたしはその腕に手を伸ばした。

 いつか──遠い過去に思える最近。
 教室まで駆けだそうと掴んだときと、
 今と、どちらのほうが強引だっただろう。

 少なくともわたしは明確に、
 君の腕を捕まえる意思を持ってそうした。

 わたしの友だちを救おうと手を伸ばす、
 これまたわたしの友だちである君に。]
 

(138) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ねえ、ここにあるのは、
  この世界にも、元の世界にも、存在するのは、
  君が壊しちゃったものだけじゃないでしょう。

  ……プラネタリウム。
  あの教室があの姿じゃなければ、
  わたし、その時点できっと確信してた。
  この世界はわたしのものじゃないって。

  それだけの意味があるの。わたしにとっては。
  それを作ったのは和歌奈ちゃん、君なんだよ。
 
 

(139) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  君が自分のこと、嫌じゃなくなるまで。
  何度だって、どこまでだって付き合う。

  なにされたっていい。
  なんだってするって言ったよね。

  だから死なないで。
  わたしのこころを壊さないで。

 

(140) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ じとりと手のひらが汗ばんでいた。
 わたしの意思に関係なく指先が震えた。
 それでも言葉を紡ぐ。できうる限りに冷静と。

 理解しているつもりだ。
 これがどれだけ身勝手な言葉か。
 わかっていてそれを振りかざすくらいに、
 わたしは、君に生きていてほしい。だから。]


  和歌奈ちゃん。
  わたしを……わたしたちを見て。


[ もう一度と名前を呼び、
 わたしはただひたすらに君を見ていた。**]
 

(141) 2021/11/14(Sun) 01時半頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/14(Sun) 01時半頃


季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/14(Sun) 19時頃


【人】 季節巡回 こころ



  ……春満の言う通りだよ。
  わたしをこの世界に呼んだのも、
  わたしに手を貸したのも和歌奈ちゃん。

  今、この状況を招いたのも、そう。


[ わたしは春満ほど物分かりがよくないけれど。

 大きな猫が歩み寄ってきて、>>160
 入れ替わりにまなちはここから去っていった。

 いろいろと──先ほどの飛び降り未遂だとか、
 言いたいことはあるんだけれど、一旦さておき。

 わたしは目の前の君を逃がすわけにはいくまいと、
 君から課された課題に応えるのに忙しい。>>174]
 

(182) 2021/11/14(Sun) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  違わない。
  わたしがうれしかったから、
  わたしはそれを優しさって呼ぶ。
  たとえ、君とってはエゴでも。


[ ようやく顔をあげた君に、>>174
 わたしは断定的な口調で言う。]


  この答えが気に食わないなら、
  何度だって解答を持ってくるから。
  だから、ちゃんと採点して。和歌奈ちゃんの手で。


[ 君の選択なら受け入れる≠ニは言えず、
 わたしは食い下がった。ここで終わらせないために。]
 

(183) 2021/11/14(Sun) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ いつしか君は泣いていて、>>180
 わたしは少しだけ手のひらから力を抜いた。

 訥々と語られるのは、
 どこか不器用にも思える優しい言葉で、
 わたしはようやく少しだけ頬を緩ませる。]


  ……今の和歌奈ちゃんも、わたし好きだよ。


[ 叶うことならその肩を抱き寄せようと、
 もう片方の手も君に向けて伸ばした。]
 

(184) 2021/11/14(Sun) 21時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  うっかりしてて、泣きべそかいてて、
  手を貸してって言ってくれるところ。

  先にかえったみんなも、
  きっと同じ気持ちになると思うなあ。


[ その背中をさすってあげたいの。
 これはエゴかしら。優しさかしら。
 どっちだっていいとわたしは思って、
 気の向くままに動き、言葉を紡ぐ。]
 

(185) 2021/11/14(Sun) 22時頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……だから、大丈夫。
  やり直す方法も、みんなに伝える方法も。
  一緒に探すから。教えてあげるから。
  和歌奈ちゃんが自分を好きになれるまで。

 

(186) 2021/11/14(Sun) 22時頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……だから、
  一緒にかえるんだよ、和歌奈ちゃん。
  それから、君のことをもっと教えて?


[ 意図的に強引な言い方を選び、
 裏腹に、目を細めて小さく微笑んだ。*]
 

(187) 2021/11/14(Sun) 22時頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/14(Sun) 22時頃


【人】 季節巡回 こころ


[ あら。ハルミチくん。
 女の子の涙は苦手ですか?
 助けを求めるような視線を受けつつも、>>193
 わたしは和歌奈ちゃんの方に手を伸ばしたのだ。

 彼は言う。彼女の気持ちがいくらかわかると。
 それから、実体験に基づく話も。>>195]
 

(199) 2021/11/14(Sun) 23時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  ……言われてみれば、確かにー
  わたしだってそうだよ。お兄もお姉も。
  なんやかんやあったけど今じゃ仲良し。

  わかにゃん、大丈夫だよ。
  ハルミチー、頼りになるぅ。


[ そんなところまで頭が回らなかった。
 わたしは素直に感心しながら、
 ふと、さっきより自然に話せている自分に気づく。]
 

(200) 2021/11/14(Sun) 23時半頃

【人】 季節巡回 こころ



  それじゃあ、
  わたしたちが押し入っちゃったのかもね。
  君の危機をびびびっと察知して。
  ……そういうことにしてもいいよー


[ だから、いつも通りに近づいた口調で、
 不思議そうに言う君に悪戯っぽく笑う。>>188

 わたしたちのこころ。
 中になにが入っているかもわからない。
 答え合わせのしようもないなにか。

 わたしはここで、その断片に触れたのだろうか。
 本来覗くことのできない君のこころの中を。]
 

(201) 2021/11/14(Sun) 23時半頃

【人】 季節巡回 こころ


[ ……そうだとしたら、
 わたしはやっぱり君が好きだよ。
 君が作った不器用な優しさの詰まった世界が。]
 

(202) 2021/11/15(Mon) 00時頃

【人】 季節巡回 こころ


[ その体を抱きしめて体温を分かち合い、
 待ち望んだ言葉を君の口から聞きながら、>>191
 わたしはそんなことを考えたりもした。]


  ……うん。
  進捗どうですかー……じゃなくて、
  今度は一緒に、ちょっとずつ進めよう。

  まずはみんなにー、
  ただいまと大好きを言うために。
  かえろう、和歌奈ちゃん。


[ わたしは抱きしめていた腕をほどき、
 代わりに、促すように腕を引っ張った。
 もう片方でハルミチーを……嫌がられなければ。]
 

(203) 2021/11/15(Mon) 00時頃

【人】 季節巡回 こころ



  まなちも迎えに行かなきゃね。
  まったく、マイペース娘め。

  和歌奈ちゃん、ホストの不思議な力で、
  びびびっと居場所がわかったりするの?


[ そうでなければ、心当たりはあるかもしれない。
 きっと時間はもうあまり残されていないから、
 ──ほら! って、わたしはまたその腕を引いた。*]
 

(204) 2021/11/15(Mon) 00時頃

【人】 季節巡回 こころ


[ ホストの不思議な力の有無に関わらず、
 この世界の終わりに急かされようが、
 きっとわたしはその場所に向かった。

 2回目だからね。こらー! とも言うだろう。
 狼を呼んでねと言ったのに、
 結局一度だってそうしてくれなかった友だち。

 それについて言いたいことも、
 あれもこれもそれも、山積みだけれど、
 今はとにかく、かえるんだよって。
 わたしは強引と言われようが彼女を抱え──、
 いえ、大きな猫ちゃんがお願いされてくれる?

 とにかく、言えるのはこれだけだ。
 一緒に、みんなのいる世界へかえろう。*]
 

(205) 2021/11/15(Mon) 00時頃

季節巡回 こころは、メモを貼った。

2021/11/15(Mon) 00時頃


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