27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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……へっ、あっ、ど、どうも???
[返す、という物言いに一瞬だけ 先程まで感じていた恐怖心が飛び。 裏返った声で答えてしまう。
むろん大藤は別に己の所有物ではないし、 言葉のあやだろうとは思ったけれど。 動揺する自分を他所に先輩二人は平然としている。
ともあれ、軽く頭を下げて高祈を見送った後 大藤の方を見て。]
(206) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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あ、はい。行きます。 仁科ちゃんならまだエントランスに居るんじゃないかな。 田端先輩は……えっと……返事返って来ないのは たぶん今こどもになってるからじゃないかなって……
[あの幼児がスマホを使えるとは思えない。 生憎今田端がどこにいるかどうかはわからないのだが 二人について自分が知っていることを話し。
先程顔を合わせてきた自分とは違い、 彼も話をしたいのだろうから。 大人しく着いていくつもりでいる。**]
(207) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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素っ頓狂な声だな。
[高祈の言葉に上がった、裏返る声には >>206 聞こえるか聞こえないかの大きさで呟いた。
エントランスに仁科が残っているらしいことを聞けば 顔を見るくらいは出来るかもなと、一二歩歩を進めて。]
………繋ぐか?
[唐突に、手を差し出す。*]
(208) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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―現在: ―
わたしを 。
[そこはどこだったのでしょうか。 元の声で、朗々と響かせるように紡ぐ声。 それは一遍の詩でした。 小学生の田端が胸に抱えていた詩集にあるうちの一つ。 新川和江という女性詩人の、広く未来に拡がる詩だと田端は思っていました。 私を決めつけないで欲しい。 何かの型に当てはめないで欲しい。 私は自然と共になる。 私の価値は私が決めるのだと言う、田端自身の決意にもにた歌に思えていたのです。 5連あるうちの四つまでを読み上げて、田端の声はそこで途切れました。]
(209) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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…………四年が三人残ればよかったのにね。
[後輩が一人、最後に残ってしまったからこぼれた言葉でした。 生き残りたい。生きていたい。 もし生き残って、その価値を譲ってあげたくても譲りたくはないのです。 けれど、後輩の女の子が残るのは少し可哀想でした。 だからと言って大藤が死ねば良いとも思えません。 でも、年下が苦しい思いをするよりも、同じ年齢の奴ら三人残るのなら受け止め方も違うのにと、残される側なりに考えてしまいました。 死にたくない。死なせたくない。でも、変わらない。 結末は変わらない。 それなら、やっぱりこれは本当に慈悲なのでしょうか。 だから、田端から別れの挨拶をしに行ったりはしません。 死は残す方も残される方も辛いのだと知っているからです。 それなら。 多くを知らない方が良い気もするのです。]
(210) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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[声はそのまま消えてしまいます。 それはとても穏やかなものでした。]*
(211) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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へっ!?!?
[ぼそっと呟かれた言葉は聞こえなかったものの 唐突に差し伸べられた手に 更に変な声が出た。>>208
いや、彼の方から言われるとは 思っていなかったもので。 むずむずと口元が緩むのは許してほしい。]
………… 繋ぎます…………
[おずおず、その手に自分のそれを重ねて、 先程彼がそうしたようにきゅっと握る。*]
(212) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>184
オレは、死神みたいなものだ。 キミの思うような色で間違いないと思うよ。
[嬉しそう彼女に微笑みかけた]
迷わないように、だな。 間違っても、彷徨わないように、
(213) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>185 そう もし、彷徨ったとしても、連れていくまでは見守る存在。 それでいいと思う。
[彼女の心に浮かぶ存在が視える。 確実に迷わないように、そう、彼女も]
いいね、そういう風に考えるのは。
[そ、その時。>>185 零れた言葉には返事はあえて返さない]
願うことは、叶うことだよ
(214) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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素直だな。
[隠しているつもりか、そんなつもりも無いのか 素直に口元がムズムズしているような表情が見て取れた。 一瞬吹き出しそうになって顔だけ逸らして耐え、 手を繋いだならそのまま、生還する仁科に会いに行こう。
言葉も多く交わすことは出来ないだろう。 会いに行くことさえ、置いていく側としては重荷かもしれない。 それでも仁科は「話しましょう」と言ってくれたから。]
(215) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>188
まぁ、偽名だね。 だが、キミに教えるわけにはいかないんだ。
だから本当のオレが描いてもらえないのは残念だが、 許してくれ。
[そして、彼女に近寄り囁いた]
(216) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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─ エントランス ─
[目覚めてしまう前に、顔を合わせるくらいは間に合ったろうか。 林檎は自分が見た時よりも数多く樹に戻っている。 あと三つ。いや、残るはあと二つ。]
話すのは上手くない。 大したことは、伝えられないが。
[普段、口数の少ない自分が言葉を選び真っ直ぐに向ける。]
ありがとう。
[メッセージから読み取れる、仁科なりの気遣いへの感謝。 また会えるか、これが最後か。 自分か、回谷か、田端か。 天使の宣告はきっとすぐそばで*]
(217) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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どーせ顔に出ますよ。
[今ちょっと笑いそうだったでしょ。 咄嗟に顔を逸らす大藤をジト目で見上げたものの。>>215 やはりこうして手を繋いでいると 感じていた心もとなさが解けていく。
ほ、と少し緩んだ表情になりつつも 再びエントランスにとんぼ返りしたろうか。
仁科が還るまでに間に合えば 空いている方の手を振りさっきぶり、と言ったものの。
基本的には口を挟まず、大藤の見送りを聞いているつもり。**]
(218) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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[そういえばあまりに普通に聞こえたからスルーしてしまったが。 田端が今、子供になっている…? >>207
一体どういうことなのか。 自分の生死がどうであれ、探し出さねばなるまい。 向こうに会う意思が無ければそれも難しい世界かもしれないが**]
(219) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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アリババは、狐は役目を終わると、駆けていく。*
2023/08/03(Thu) 23時半頃
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─夢の終わり─
[スケッチブックに描かれた白黒の絵。 色つきの絵具があればよかったけど、骨谷先輩や田端先輩のような魔法はやっぱり使えなかった。]
どうか 安らかに
[だれに向けてか、なんだか宗教画みたいだと思う。 塗りつぶされた逃れられぬ死の運命。 身体と魂を切り離す刃。 黒翼の紳士が手を差し伸べて連れて行くのは魂の在るべき場所。
満足したせいか、意識がどこかに引き戻されていく感覚。 それは逆行して眠りに落ちるようでもあり。]
(220) 2023/08/04(Fri) 00時頃
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[寸前に見えた大藤先輩とこころ先輩に手をあげる。 手を繋いでいてびっくりしたけれど。
大藤先輩の、不器用な声が届く。>>217 話しに来てくれたことに喜色を乗せて、お辞儀する。
再開を祈ることも別れも告げず“よかった、話せましたね”と、言ったはずだが消えかかっているものだから、それは音になったかどうか。
視界は白く塗りつぶされた**]
(221) 2023/08/04(Fri) 00時頃
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[林檎のそばに、ぱたりと落ちたスケッチブック。
何枚も書いた美少女のラフ。 黒翼の紳士も、ラフとして何カットか描かれているけれど それはちっとも恐ろしい絵ではなく、 模写の対象として描かれたもの。
教えるわけにはいかないと 彼の囁きには、「それは残念」と笑ったと思う。
裏表紙にこっそり描いた絵は、モデルに差し上げよう。 死神と少女を仕上げた後に、 時間の許す限り描いた、ちょっと優しい紳士の姿を**]
(222) 2023/08/04(Fri) 00時頃
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