17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
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[ 最初の一文に続けて、”それ”は手紙を書きました。
白い生き物が教えてくれた書き出しもなく、 末尾に添えたささやかな名前もなく、 遠くの果てに届くよう星空の色を滑らせました。
空っぽの”それ”を満たすのは人間です。 ”それ”は、身の内を返すことしかできません。]*
(57) 2022/03/07(Mon) 23時頃
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『 H へ
私は残される側の存在です。 ゆえに、還った者たちの行く末は分かりません。 ただ、二度と言葉を交わすことはできないと、 それだけを知っています。
あなたは、誰かをおもっているのですね。 私はあなたと話をしているつもりでした。 だから、生きているあなたならば、 白の底も見ることができるだろうと。
それとも、あなたもまた還る者なのでしょうか。 私を……いえ、あなたは、 扉の向こうへ帰ることを望んでおられますか。 』
(58) 2022/03/08(Tue) 00時頃
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『 あなたの故郷はとても美しいのですね。 春の緑も夏の青も秋の黄金も冬の白も、 私の知らない景色が届いたような心地がします。
こんなにも愛するものがあるのに あなたが頑なに赤を望むのは、 あなたが、あなたを許せないからですか。
思い描くあなたを赤く染めることはできますが、 あなたに贈る言葉はあなたの好む蒼穹にしか できないこと、お許しください。
これは今の私が持つ、唯一の繋がりなのです。
B 』
(59) 2022/03/08(Tue) 00時頃
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『 追伸
Hは人間の好きな食べ物をご存じですか。 私は多くの人間に出会ってきましたが、 答えはいつも違うものでした。 お力になれず、申し訳ないです。
人間の子どもが身体を壊した時は、 お腹に優しい食べ物を準備するようですよ。 その子が好むかは分かりませんが、 Hの思う優しいものを準備してはいかがですか。
あなたが辛くて疲れて眠ってしまった次の日に、 あったらいいなと願うようなものを。
もし、あなたがまた手紙を書いてくださるなら、 今度はその子の名前を教えてください。 それから、くりぃむそぉだの正体も。 』
(60) 2022/03/08(Tue) 00時頃
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『 扉のこちら側の あなたへ
あなたの二つある目は、何かを見つけたのですね。
答えなのか、進む道なのか、自分自身なのか。 いずれかでも、そうでなくとも。 大きな一歩でも、ささやかな変化でも。
あなたのほんの少しがあなたの力になるのなら、 私も嬉しいです。
私は気づく前のあなたを知りませんが、 あなたがくださった手紙には、 どこか晴れやかな印象を受けます。
雲ひとつない快晴とはいきませんが、 柔らかな日差しが入ったような。 』
(61) 2022/03/08(Tue) 01時頃
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『 私の勘違いならどうぞ笑ってください。 私にはそう見えたという話です。 仄かに温かくて、とても綺麗でした。
人間は人間と関わることで変化があると言います。 良い出会いがあったのでしょうか。 そうだといい。
わかったあなたなら、 これからもあなたに大切なことに気づけます。 きっとね。 どうやら1.2とはよく見える数字のようですから。
扉のこちら側から、 あなたの望む未来と幸せを願っています。 B』
(62) 2022/03/08(Tue) 01時頃
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[ ”それ”が箱≠フ外に出たのは、 上から落ちて来た以来のことでした。 身の内を色で満たしてからは初めてのことです。
”それ”は人に役割を与えられ意味を持つものでした。 そうして初めて”それ”でいられるのです。
不思議な気分でした。 ”それ”が、”それ”だけのために何かを書くのは 初めてのことでしたから。
もし、誰かが”それ”を見ることができたなら、 紙の上で尾が踊る様を 夢中になっていると評したかもしれません。
唯一可能な白い生き物>>51は、 相変わらずチーズに夢中なようでしたけど。]
(63) 2022/03/08(Tue) 01時頃
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[ ”それ”の周りに降った手紙にすべて返信した後、 丸まるように、細長い骨でとぐろを描きました。
”それ”の意思でどれだけ誰かを思い描いても、 ”それ”の内を泳ぐのは、未だ星空です。
頭のような部分だけを持ち上げて、 白い光の向こう、暗い暗い宙を見上げました。]
(64) 2022/03/08(Tue) 01時半頃
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あなたは今、どこにいますか。
(65) 2022/03/08(Tue) 01時半頃
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[ 骨組みの隙間から滲んだインクが、 ”それ”の周りを漂って朧げな文字になりました。
ここに来て最初に紙へ書いた言葉>>0:13。 今度は土台もなく、 たとえ白い生き物が手を伸ばしたとしても、 届くより前に霧散するような儚い形です。
”それ”は、暫く宙を見上げていました。]
(66) 2022/03/08(Tue) 01時半頃
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[ ”それ”に名前をつけたのは、平凡な人間でした。 ”それ”の役目は―― ]**
(67) 2022/03/08(Tue) 01時半頃
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『 前略、扉のこちら側から 刻の旅人たちを見送るB様へ
ここははじまりの白 ここで怪我をした子を運んだ時 血で床を染めてしまいました。 けれど気がつけばはじまりの白に帰りました。 まるでわたしたちの足跡がなかったかのように わたしはそれに恐怖しました。 あなたとわたしのいる場所はきっと違うのでしょう。 あなたは白に底があるという 雪の下で春を待つ植物たちのようなものを。 わたしにはわかりません。 己が足跡を塗りつぶす白の底 覗けば奈落の白がつづいているのでは…と恐れます
もし春待ち草があるとするのならば白の底ではなく 白と黒の狭間にあるのではと思っています。 だって、扉の向こうから風を運んでくた 素敵な蒼穹があったのですから ね? 』
(68) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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『 仰るとおり、わたしはわたしを許せません 未熟さも 甘さも 美徳とされる優しさも それですべてを失ってしまったのだから
もし、赤に染めることを厭うのならば わたしの故郷を描いてください。 あなたがとても美しい≠ニ仰るその風景を
そこにわたしはきっといるはずです わたしをゆるせなくなる前のわたしが
きっとわたしは扉の向こうへ帰るでしょう。 見送る者ではなく彷徨う者だから そして、その結末も……
叶うならば、今しばしは一時の風と繋がり 星々と戯れたく
そしてわたしの最果て色は漆黒ではなく 故郷の色でであればと 望みます H 』
(69) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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『 追伸
実は竜の子のお名前は聞き漏らしてしまって… でぃあ…まではわかったのだけど でぃあ…す? まんて? うーん…これも違うっぽい ごめんなさい。 もし起きた時、聞けたのならお伝えします。 辛い次の日ならきっと■■■■(なにやら消した跡) 温かいスープなどがよさそうですね。 『くりぃむそぉだ』もその時に 』
(70) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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[ 手紙を折り紙飛行機を飛ばしてから地面を見下ろす。 白の底*ウ論そのままの意味ではないけれど 手紙の彼は底に色があるという。 そもそもこの空間はなんなのだろう? 世界を違えた者たちが行き交い 世界の中心、管理者にして偶像として はじまりの動物、白ネズミが鎮座する…… ]
きゃっ…ごめんなさい。
[ 考えながら歩いていたら、カウンターに座る誰かに ぶつかりそうになって、慌てて飛び退る。>>21 見れば最初にあった女の人 このヒトは普通の…ヒトかな? と思えば 無意識に少しだけ距離をとった。 ]
(71) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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こんにちは。最初にお見かけしてましたね。 あちらの獣耳の方…あれはネコ…なのかな? 随分打ち解けられていた様子だったけど。 もしかしてお二人は同じ世界の方だったり?
[ 思い出したかのように『ホリーです』と名乗り しゃなりとお辞儀。 見たところ服装も違っていたが、わたしの世界より 発達した世界であることは間違いない。 不躾とは思いながらも視線を頭から足まで動かす (わたし的に)その綺羅びやかな顔立ちや装いは 新鮮で少し羨ましくも映っていた ]
(72) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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……ところでここ、どう思います? どこ≠ネのかというのも疑問ですけど なぜ≠ニいうのが…
見たこともない場所、会ったこともない世界の人達 何故か行き交う手紙に、何でも出てくる便利な環境 閉じ込められたわけでもない。 何かをさせたいわけでもない。 そもそも出口は最初からあるのだし。
[ そう言いながら一度横目で扉を見やり、 それから女の人にもう一度向き直る。 ]
(73) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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神様? は、わたしたちに何をさせたいのかな? って思いません? ただこの殺風景な広間で異世界交流をするだけ とも思えませんし。 なんでわたしたちなんだろう? とも。 お姉さんたちとわたしにに共通点とかあるのかな?
ね、気になりません?
[ 小首を傾げ見上げるようにして見つめる ]**
(74) 2022/03/08(Tue) 07時半頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2022/03/08(Tue) 07時半頃
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[ 目の前の人と話しながら >>1:174 もしもここに万年筆があったら 先程の手紙には何とお返事するのだろうな、 私はそんなふうに考える。
私の世界では、 文字は万年筆で書くものではなかった 専用の装置を身につければ 頭に浮かんだ文字を、手紙として書くことができた
それでも大切な手紙を書く時には、 万年筆を使って腰を据えて書くのが常だ。 ]
(75) 2022/03/08(Tue) 09時半頃
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[ お気に入りの色があった。 枯れること無い深い、深い、常緑。 私は、今もあの緑を夢見て、 この世界で、漂い続けている。 **]
(76) 2022/03/08(Tue) 09時半頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/08(Tue) 09時半頃
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[手紙と呼ぶには抽象的な語彙の羅列を それでもやや強い筆圧で並べて、 書き上げたものをネズミさんに差し出した。
小さな手が紙に触れるのならば その様子を目にして。
再びぼんやりとしていた時、 背中に人の気配を感じて振り返る。
驚いたような声が、ごめんなさい、と 耳に触れた。>>71 ]
(77) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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わ、いえいえ! こちらこそ、ぼーっと座ってたから……。
[反射的にこちらも腰を浮かせて、頭を下げる。 少しだけあいた距離。 その人の顔を見て、さっき会釈してくれた人だ、と すぐに気づいた。 ]
(78) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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こんにちは、はい、さっきお見かけしてました。 ホリー、さん。 私は、みずきです。はじめまして。
[しゃなりと音が聞こえそうな美しいお辞儀で、 名乗ってくれた彼女に同じように挨拶を返す。 私とはまた違う服装で、派手では無い色調。 綺麗に分けられた前髪、そこから続く髪が 綺麗だなとやっぱり思った。
ミケさんと同じようにこの人も、 私が知っている日本の女の子とは、どこか違う。 そんなことを考えていたら、ホリーさんの口から 当のミケさんらしき人の話が出て来て>>72 頷いて笑んだ。 ]
(79) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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はい、あー違う、ええと。 ホリーさんがおっしゃってる獣耳の方は、 ミケさんって言って…… 猫、ではない、と思う…… 優しい方でしたよ、あの耳、 本物かは聞かなかったけど……。
[考えてみれば不思議なはずのミケさんの、 ぴょこんと飛び出した耳のこと、 言われるまですっかり気にしていなかったな、と 思い出した。 そうして、あ、よかったらどうぞ、と 隣の椅子を勧めてみようか。 ]
(80) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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同じ世界……では無かったです ミケさんの故郷の名前、私は初めて聞いたので。 ここで、初めてお会いして、カルピス飲んで 私の話を聞いてくれました。
[『同じ世界』という言い方から、 ホリーさんは、私やミケさんとはまた違う世界から 来たのだろう、ということを、 特に疑いもせず思えたくらいには、 私はこの異空間に馴染んでいたのだろうか。 ]
(81) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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……どこ、なんやろう。 たしかに、不思議ですよね。 ─── ほら。
[ホリーさんの問いかけにじっと耳を傾けながら、 カウンターを見つめれば、またカルピスのグラスが ふたつ、音もなく現れる。
余談だけれどこの華奢な女の人が、 『くりぃむそぉだ』をいたく気に入って 感想を言う暇もなくじゅるじゅると 吸引(!)していた>>14ともし知っていたら カルピスじゃなくてくりぃむそぉだを出そうとしたはず。 こぉらふろぉと、も美味しいけどね。
そんなことは残念ながら知らないから、 乳白色の液体で満たされたグラスをひとつ、 ホリーさんの前へ滑らせて。 ]
(82) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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そうや、手紙! あなたももらったの?お返事くるの?これ。 ……えー、なんやろ、 だよね、すごくおもてなししてくれてる感あるし 帰るべき扉は、なんとなくわかる気もするし。
[小首を傾げるホリーさんを見つめながら、 私もちょっと肩を竦めて悩む。 見た感じ同じくらいの年齢かな、と思うホリーさんに どことなく親しみを感じて、 どこかへ消えた敬語でぶつぶつと呟いて。 ]
(83) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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共通点、かぁ─── ミケさんはカルピス、美味しいって。
[ふ、とちょっと口角を上げた。 息を吸って、吐いて。 ]
……家族も、仲間も、知っている人は誰も あの星にはいない>>1:11 って言ってた。 ひとりじゃない、って言ったけど 孤独を感じたことがあったとすれば
─── そこはわたしも同じだったかも。
(84) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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[グラスを手にして、そっと口をつける。 一口飲み込んだ冷たい液体は さっきとはほんの少し、濃さが違う気がする。 カウンターに戻したグラスが、コトン、と 硬い音を立てた。]
ホリーさんはどう? ……ひとりじゃない? 家族や友達とかはいる? こことか、故郷とかに。
[はじめまして、に続く会話にしては これまた少し立ち入った内容の質問を 緩やかな笑みで問いかけてみて。 ]**
(85) 2022/03/08(Tue) 11時頃
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[ 話しかけてみた異世界の住人は 結構格好いい口調の人。>>1:170
手紙の主は彼女ではないらしい。 こちらもまた、yesでもnoでも きっとどっちでもよかった。
多分僕は、誰かと話をしたかった。 ]
(86) 2022/03/08(Tue) 14時半頃
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