人狼議事


10 冷たい校舎村9

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視点: 人

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【人】 真向一気 シンイチ

 ── 夜・休憩室 ──

[ 休憩室には毛布が運び込まれてて、
 つまりここで寝なさいってことだった。

 はじめはいい子に横になったんだけど、
 ……案の定、慎一はちっとも寝付けない。

 被った毛布から慣れないにおいがする。
 いつもよりだだっ広い部屋の空気に、
 すぐ近くにある他人の気配。寝れない。

 与えられた毛布の端っこを、
 指先でもてあそんでいる夜だった。
 ……うるさくはしないから許してほしい。]
 

(618) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[>>609空気は冷たいんだけど、暖かいような生温いような感じ。
その例えは分かる気がした。ずっとそんな感覚だ。]

 うん。
 メールは……私も送ってないな。

[>>610まあ、そりゃそう。
でもメールの理屈で言うなら、あの時みんな一緒にいたし。
どうなんだろうって首を捻る。]

(619) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


 もし茉奈ちゃんも何か聞こえてるなら、
 私には吐き出しちゃっていいんだからね。

[……と。>>0:1017
いつかの相談の時に、やけに理解が早かった茉奈ちゃんの反応から、
そんなことを考えたことがあるので、カマをかけて見る。
なんて、私らしくないことをした。]

(620) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……うるさくは、しなかったはずだ。

 そのうちに慎一はするりと寝床を抜けて、
 人の気配のしない校舎の中を歩いていく。

 そのまま、3年9組の教室まで歩いてって、
 じっと、自分の席から窓の外を眺めてた。
 それが落ち着くと昼のうちに学んだから。

 上体を机に預けて、机の角を撫でながら、
 変わってく空の色と舞い続ける雪を見る。]
 

(621) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[だから気まずくなる前に、
次の話に切り替えることにして>>611]

 クレープ!!
 ほんと!?

[芽を輝かせて、食堂に狙いを定めるだろう。
……と、先に教室に寄るつもりだったので、まずそちらへと。*]

(622) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ …………そんな夜だった。*]
 

(623) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

明仄∴暁星 クロエは、メモを貼った。

2021/06/09(Wed) 23時半頃


【人】 店番 ソフィア

[——それから、教室へ戻って板書を確認し、
ああ、やっぱり今日はここで泊まるんだなあって実感して、
諦めからの覚悟を固めるのに時間を費やした。

私がまごまごしているうちに食事や寝泊まりの準備をしてくれた人たちがいて、
なんだか情けないというか、申し訳ない気持ちになる。
生活力と適応力、すごい。

茉奈ちゃんのクレープに舌鼓を打った後は、
せめて何かしようと思って、後片付けを引き受けようとしただろう。]

(624) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[そして保健室のベッドを1つ借りて今日は眠る。
……と、ここまでは良かったのだけど。

学校の保健室の電灯って、
常夜灯に切り替えることはできなかっただろうか。]

 電気、真っ暗にしてると、眠れないんだよね……。

[なんて。ぽつんと呟いた言葉が誰かに聞こえたとしても、
もうどうしようもないから、頑張る。うん。]

(625) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

— 早朝 —

[……努力はした。
私、頑張った。

必死で目を閉じて眠りにつこうと頑張って、
なんとか夢の始まりを見るところまでは行って、
そのまま全集中で睡眠の世界へしがみ付く。

少しは眠れた気がするけど、
全体的には眠りが浅いまま、朝の光が射すのを待って保健室の外に出た。]

(626) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[今の自分、すっごくひどい顔してるんだろうなあって苦笑して、
みんなが起きる前にどうやって顔を整えようか考える。

冷え切った廊下に広がる一面の窓に映るのは、今日も雪空の景色。
そして廊下の装飾は文化祭一色。
文化祭の特別感ってすごく好きだったのに、
なんでだろうな、もう見慣れちゃった気がする。

ぼんやり、廊下の隅に転がっているカッターナイフを見下ろす。
文化祭の思い出の中に割り込んでくるこれらのものが、
この校舎を作り上げた人の心に深く刺さっているのだろうか。]

(627) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[窓が開けばこのカッターナイフたちを拾って外に放り出そうと思った。
けど、1Fはどう足掻いても開かない。
聞いた話によれば2Fはラピュタらしい。

面倒だったので、そのへんに設置されたゴミ箱に、
ここら一帯のカッターナイフと替え刃をまとめて放り込んでおく。
朝のお掃除だ。気が紛れる。

昨日みたいに指を切るヘマはしない。
廊下をふらっと歩きながら、カッターを拾ってゴミ箱に捨てるのを繰り返した。]

(628) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


『おはよう、ひとみ。』

 おはよ、ぼたん。

[今朝もぼたんがやって来て、挨拶をする。
>>0:101昨日の朝はずっと足元を見ながら返事だけをしていた。
今日は振り返って、そして向き合う。
ズルズルに溶けてしまった幼い顔を見て、微笑む。]

(629) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア



『ねえ、ひとみ。お話があるの。』

 奇遇だね。私もきみに話したいことがあるの。

 

(630) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

— 1F:教材倉庫 —

[ぼたんに導かれるがまま着いてきた先にあったのは、
職員室の近くの教材倉庫。

重い扉を開ければ、そこは埃っぽい空間。
チョークやら三角定規やら重たい辞典やら予備の教科書やら、
授業で使う備品が大量に積まれて保管されてある。

広くはない部屋で、窓は無い。]

(631) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[足を踏み入れてすぐ、背後で重い扉が閉まる音がした。

倉庫内は闇で閉ざされる。
何も見えない、狭くて孤独な、暗闇の中へ。]

(632) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[誘拐犯の手が振り上げられる。
頭を殴られ、顔を殴られ、血の味がした。

当時の私の知識には無かったけど、
あの時に感じた「ひどいにおい」は、部屋に漂う酒の匂いと、
私自身の血やいろんなものが、混ざった臭いだ。

誘拐犯はひどく酒に酔っていて、
泣き続ける私を箱から出して、容赦無く殴る。殴る。殴る……。]

(633) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[いたい。こわい。やめて。もういやだ。
目を閉じて一心不乱に男の手から逃げ惑う。
箱の外の部屋はひどく散らかっていた。
逃げられる場所なんてない。

男がこちらを追いかけてくる。
私にできる抵抗は何もない。
夢中で、両手で何かを掴んでいた。
泣き喚きながら、逃れようとしてそれを引っ張る。
床に敷かれていたカーペットの端っこだった。

次の瞬間、足元が動いて体勢を崩した男が転び、そして、]

(634) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[——ガツン。

転倒した男の後頭部に机の角がぶつかった。
何かが割れるようなひどく重い音と、壁に飛び散る赤い色。
その後に訪れる突然の静寂。

私の瞳は、たしかにそれを映していた。]

(635) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア



 思い出した。

[倉庫の暗闇の中で、ぼたんに告げる。]

 

(636) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[あまりに強い恐怖に耐えられなくて、
私はぼたんという親友を生み出してしまった。

……文化祭の終わりの日、
>>56美沙さんから尋ねられた誘拐犯の死について、
私はその真実を知っていた。

都合良く、その辛い記憶をぼたんに押し付けて、
何食わぬ顔で平気で生きてきた。]

(637) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[誘拐された出来事を乗り越えて、全てを吹っ切って、
一人でも道を歩くことができるし、知らない人に話しかけることもできる。
私はごく普通に、強かに、生きていける。

そう思い込んでいたのに、結局のところ。
恐怖や痛みを全てぼたんに背負わせていただけ。

ぼたんという見えない友達がいなければ、
全てを自分で背負うしか無くて、
どこかで心が壊れてしまうしかなかった。]

(638) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


 全部、背負ってくれてありがとう。
 そして、忘れようとしてごめんなさい。

 きみは私の大切な友達だったのに。

[崩れた顔のぼたんが見える。
暗闇なのに、ハッキリとその存在が分かる。

彼女は笑っていた。
全て知っていると言うように、笑っていた。

ぼたんはわたしで、そして、わたしはぼたんだったのだ。]

(639) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


 ……この校舎は、私ときみの世界じゃない。
 そうだよね?

『うん。そうだよ。』

[ぼたんが私に抱きついてくる。
どうやらもう考える時間は残ってないみたい。
崩れ落ちたぼたんの顔は忘れようとした私の罪。
それを受け止めるように、抱き締め返す。]

(640) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


 ……ねえ、ぼたん。
 きみに背負わせた痛みを、全部、私に返して?

[私を抱きしめたまま、ぼたんはこくんと頷いた。
彼女の幼い両腕に込められる力が伝わってくる。]

(641) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア




[そして。
瞬く間に稲妻のような激痛が走り、私の意識も遠ざかっていった。]


 

(642) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


 ねえ、この校舎を作り出したメールの主さん。
 きみも私のように、他の人にその痛みを背負わせられたなら、
 自分自身に引導を渡してしまうほど思い悩むことはなかったのかな?

 それとも、私たちが少しでも背負ってあげられたのかな。
 私たちが、きみの「ぼたん」になれたのかな。
 私たちが、きみの残機になれたのかな。
 

(643) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア


 わからないな。わからないまま私は帰るよ。

 できれば次は、閉じ込められていない開けた場所で、
 コーラでも飲みながら話をしたいね。

 今をただ楽しむ方法には、ちょっとだけ詳しいんだよ。
 カッターナイフなんて全部捨ててさ、
 痛みじゃなくて、楽しさで埋められればさ……
 

(644) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

— 8:50 —

[その時刻、再びチャイムが鳴る。

1Fの職員室近くの、教材倉庫。
その重い扉は固く閉ざされているけど、
保健室から倉庫へ続く道にあるカッターナイフは片付けておいたので、
できれば誰か気付いて欲しい。

扉を開けて、窓の無い部屋の灯りをつければ、
倉庫の奥、教材の棚の前で仰向けに倒れているマネキンを見つけられるだろう。]

(645) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[そのマネキンは、
何かに強い力で握り潰された……いや、「抱き締められた」かのように、
腹部が潰れていて、そこから大量の血が流れ出ている。
床に血溜まりを作っており、教材の棚にまで飛び散っていただろう。

そしてその血溜まりの脇に、
まるで幼い子供が踏み荒らしたかのような、裸足の血の足跡が残っている。
足跡は倉庫の奥の壁のほうへ続いており、
壁に吸い込まれたようにそこで途切れている。]

(646) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

【人】 店番 ソフィア

[マネキンの背格好は間違いなく番代ひとみのものであり、
胸の上で握られている右手の拳からは、紺色のハンカチがはみ出て見えるだろう。

ずっとお守りとして持っていた薄青のボタンの代わりに、
痛みに耐えるため、友達の力を借りようとしたかのように。**]

(647) 2021/06/09(Wed) 23時半頃

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