31 私を■したあなたたちへ
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[去ろうとする背に投げられた、小さな声は>>117 海流に呑まれることなく、己の元へと届く。]
……――――っ
莫迦やろう。俺まで泣かせる気か。
[小さく毒づいた呟きは、笑み混じる 柔らかな響きを帯びていた。*]
(155) yunamagi 2023/11/25(Sat) 11時半頃
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[ホテルの部屋を出てロビーに向かう。 熱いコーヒーが飲みたかった。
ソファに腰かけ、 アポロでコーヒを頼もうとして、 気づく雛子からのメッセージ。 彼女から”にーちゃん”その変わらない呼びかけに。 目頭が熱くなったのは、 今しがたの中村との会話で生じた情感が、 彼女の言葉を引き金に、溢れそうになったためだろう。]
(156) yunamagi 2023/11/25(Sat) 12時頃
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[研究所にいた小さな子供。るくあの”友達” 彼女を死なせてしまわなくてよかったと心底思う。
るくあが人体実験にあっていたように、 彼女にも何らかの実験が施されていたのだろうか。 夜の時間に相応しい、落ち着いた調光した ロビーの天井を見上げて、考えるように息を吐いた。 それを考えるには、感情が定まらずに。
今はただ、彼らが平穏に帰還できることを 祈るのみだ。*]
(157) yunamagi 2023/11/25(Sat) 12時頃
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あれか?
[中途半端な所でメッセージを送り付けてから、 ロビー内にいる影に目を細める。
中村との話の余韻で、 周囲に気を配る余裕を失っていたらしい。 向こうは気付いていただろか。]
待たせたなマスター。 まだ、起きてられるかい?
[片手を挙げて呼びかけた。**]
(158) yunamagi 2023/11/25(Sat) 12時頃
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――ホテルロビー
[己の目に卯木はこれまで、 柔和ながらも整然とした様相を崩さずにいたから、 眠たげな顔は少々新鮮に映る。>>159
卯木が勧めたのとどちらが先か、 そこにあった大福に手を伸ばし、口許に運んでいた。 先ほどのカレーは遅めの昼食といった認識で、 それから食事を摂っていなかった。 甘いものは不得手だったが、 腹が減っていたのと、仄かな酸味の 控え目な甘さのせいだろう、 その甘味を好ましく感じる。 ]
(161) yunamagi 2023/11/25(Sat) 16時半頃
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うん、美味い。 和菓子もメニューにあるのか。
[よもや男の手作りと思わず、咀嚼すると、 向かいの席に腰を下ろす。 先ほど注文したコーヒーを モナリザが運んできて、目の前のテーブルに置いた。]
ああ、 ヤツと話して……そうだな、
[卯木の問いに口を開いたものの、一度言葉を切った。 カップに手をかけて、一口黒い液体を啜って。]
(162) yunamagi 2023/11/25(Sat) 16時半頃
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アンタ、マスター何を知ってるんだっけな、 るくあが、どうやら人を操ることができて、 俺とは血の繋がりがなくて、
……まあ、こんなことは アンタには関係ない話か。
[薄く笑う。 彼は、己を断罪するつもりなのだろうか。 卯木が受け入れるにせよ、撥ねのけるにせよ、 この男に、己の身の上話を経緯を聞かせる―― 「聞いてもらう」のは、 己にとっていかにも都合の良いことのように 思えたのだ。*]
(163) yunamagi 2023/11/25(Sat) 16時半頃
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[卯木の言葉で、これが彼の手作りであることを知る。 喫茶店を営んでいるとはいえ、 こんな場所でまでわざわざなァと、 それが手向け故とは至らない身には、 半ば呆れ混じりの感想を抱く。]
……どうしたいか。
[卯木の言葉を反芻する。 彼の心中を理解しない己には、 それこそ関わりのないことでは? と、過りもしたわけだが。]
(178) yunamagi 2023/11/25(Sat) 18時頃
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別段、話したくないことなどは、ない。 俺のいた研究所が具体的に何をやっていたか 知る必要がある。 まだ何処かで、得体の知れない実験なんぞを 続けているのなら、それは潰しておきたい。 ……まあ、るくあが「止めさせた」可能性のほうが 高いとは思っちゃいるが。
それでも、知っておく必要があるだろう。
[研究所のデータの粗方は処分されているだろうから、 関係者を探して。 彼らの記憶に残っている真実を 拾い集めねばならない。]
(179) yunamagi 2023/11/25(Sat) 18時頃
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身の振り方って話なら、 俺はこれでも優秀な研究者なんだ。何とでもなるさ。
[肩を竦めて言うと、ガラス外に広がる 夜の暗闇に目を向けた。**]
(180) yunamagi 2023/11/25(Sat) 18時頃
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――ホテルロビー
[お節介だな、前にも抱いた感想を苦笑混じりに。 密星にも感じたが、少しでも関わった人間に 心を砕ける性質なのだろうか。 己には不足気味の細やかさに、 若干面映ゆい心地になりながらも。]
多少、危険なことはあるかもしれんが、 死ぬつもりはない。今はもうな。
そこを心配してくれてるんだったら、 はっきり言っておくよ。
[明言して、 視線を交えるように対面の男を見つめた。]
(191) yunamagi 2023/11/25(Sat) 22時半頃
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[今度は何の歌詞だ? >>186 混ぜっ返すようなことを言いかけて、 語り始めた卯木の過去に、口を噤む。]
そりゃあ良かった。
[浮かぶ微笑みから、 己を慮ってのものだと理解しつつ、それでも、 後悔していたという卯木が、 ここに来て、前向きな気持ちになったという そのことに対して、短く相槌を打つ。]
(192) yunamagi 2023/11/25(Sat) 22時半頃
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[紡がれた言葉からは、 男と従弟との関係性まで覗けない。 年の離れた従弟、この男のことだ、 優しく見守って、彼の優れた洞察力で 見えるもの教えられるものを与えたんだろう。]
どうだろうな。 アンタは出来のいい兄貴だったろうから。 反発することはあったかもな。
[朧な推測の元、それでも彼の兄としての像は 容易に想像できる気がした。]
(193) yunamagi 2023/11/25(Sat) 22時半頃
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……まあ、それだけじゃなかったと 俺は思うがね。 勿論、実際のところは判らんが、
アンタは、そうだな、少なくとも俺の目には、 ソイツにとってデカくて有意義な存在だった。 そう思わせる人間だ。
随分、余計なことを喋ったが、 巻き込んじまったサービスだとでも思ってくれ。
[そこで言葉を結ぶと、ガラス越し、 まだ夜明けには遠い景色を一瞥する。 それから席を立っただろう。*]
(194) yunamagi 2023/11/25(Sat) 22時半頃
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[それ以上、問いを重ねることもなく、 卯木は曇りない微笑みを浮かべる。>>205
年の離れた従弟と、目の前の武侠めいた男が 重なることはさすがにないだろうが。 彼が己の先行きを、心底案じたゆえのものだと すんなり得心がいったから。
こちらも、親し気な笑みで返す。]
じゃあな。 今度、店に飯でも食いに行くよ。
[感謝の言葉は、やはり己には過分と思えたが、 素直に受け取って。 手を振る姿に別れを告げた。*]
(219) yunamagi 2023/11/26(Sun) 10時半頃
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――311号室
[ホテルの部屋に戻ったものの、 昼間睡眠を取ったたためか、目も思考も冴えていた。
シャワーを浴びて一度寝支度をするも、 横になる気にはなれず。
指先は密星にメッセージを投げていた。 今頃彼女は深い眠りに就いているだろうか。 (それは己が望んだことでもなるのだが) 彼女のとってのおはようがどのタイミングになったか。
ホテルの窓から星の瞬く夜空を、 眠気が訪れるまでは眺めているだろう。**]
(220) yunamagi 2023/11/26(Sun) 11時頃
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んぅ……、
[取り留めのない思考や感情を眠気が遮りはじめたのは、 もう明け方も近い時分。 時間は短かったが、深い睡眠を取れたようで、 目覚めはすっきりとしていた。
島にやってくる「救援」の上層に、 先んじて連絡をつけておく。 戻れば、己は事情(幾らか虚偽を交えたものであれ)を 説明・報告する必要があるが 彼らが事細かに追及されることはなく、 望むならあっさり身柄を解放されるだろう。]
(247) yunamagi 2023/11/26(Sun) 14時頃
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――――さて。
[アポロからの通信に目を通して、 転換の詞を、ぽつり。]
(248) yunamagi 2023/11/26(Sun) 14時頃
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――ホテル・ロビー
[生きた人間よりロボットの数が上回るロビーで。 いや、恐らくそれ以外の場所でも。 その姿はすぐに見つけられただろう。>>232
そんな甘味の効いた考えを過らせたことが 可笑しくて苦笑しつつ、近づいていく。]
おはよう。ご相伴にあずかっても?
[軽く首を傾げで、向かいの席に腰かけた。*]
(249) yunamagi 2023/11/26(Sun) 14時頃
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俺は夕べ食いそびれてな、 腹は減っている。
……黒烏龍茶と、ピザにするか。
[メニューリストからペパロニとドリンクを選んで、 彼女のものと一緒に注文するつもりで。 質すような視線の意味は、 彼女の差し出すメニューとともに 落とされた言葉に解がある。]
(256) yunamagi 2023/11/26(Sun) 15時頃
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……ああ、遅くに送ってしまってすまなかった。 あれから……中村と話して、 卯木とも会ってたんだ。
[就寝の遅くなった理由を、昨夜の遣り取りを 思い起こしながら。]
なかなか寝付けなくてね、 ……アンタの顔が浮かんだ。
そっちは、ぐっすり寝れたかい?
[密星を見つめ返して、尋ねる。 その面に疲労の後がないか見定めるように。*]
(257) yunamagi 2023/11/26(Sun) 15時頃
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[卯木と中村から受け取った、 己の在り様を肯定する数々を、 殊更口にする必要はないだろう。 お疲れ様の言葉には、緩く頷くに留めて。]
休めたのなら何よりだ。 それなら、あちこち廻れそうだな。
[思いの外、感情豊かに瞬く瞳。 彼女の蘇芳を確と映したくて、 サングラスをテーブルの上に置く。]
(266) yunamagi 2023/11/26(Sun) 16時頃
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[間もなく、モナリザが二人分の料理を運んでくる。 ロボットに手を振る密星、パレードの際には お辞儀もしていたことを思い出して、 笑みを浮かべつつ、ピザに手を伸ばした。]
あァ、料理は外れがない。
[一片を摘まみ上げ、口に入れると同意を示す。 それから、微笑む顔に目を向けて。]
(267) yunamagi 2023/11/26(Sun) 16時頃
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口説いてるんだよ。
[寝付けない一人の夜に。 るくあでも他の誰でもない、 会いたいと思えた相手に、 常と変わらぬ様子で告げた。*]
(268) yunamagi 2023/11/26(Sun) 16時頃
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[そう、遊園地は初めての彼女なのだ。 単純な遊興と言い切るには取り巻く想いのある場所だが、 それでも残りの時間を楽しんで欲しかった。
サングラスのない顔を見つめる様子には肩を竦めて、]
これな、武装だよ。 女の化粧と似たようなもん。
[研究員としてはいかにも似つかわしくないだろう、 サングラスに煙管、三つ編みに衣装めいた格好について 端的に述べた。]
(282) yunamagi 2023/11/26(Sun) 17時半頃
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[彼女に投げる己の視線は、多分に意味の含む、 そうと意識させるものだったろう。
彼女の抑制された、それでも動揺の滲む反応に、 満足そうに笑みを浮かべる。]
面倒ごとは嫌いなんだ。 このテの冗談をいう趣味はないんだが……、
[両手で頬を覆う姿を視界に収めて。 まあいいと、笑みを湛えたまま、食事を進めた。]
(283) yunamagi 2023/11/26(Sun) 17時半頃
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先ずは例の宇宙遊泳に乗るか。 どんとこいって話だったよな?
[食事を済ませた頃に、 果たして落ち着きを取り戻しているかどうか、 ホテルの外に出ようと水を向ける。**]
(284) yunamagi 2023/11/26(Sun) 17時半頃
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[素の自分。 少なからず精神へ影響を及ぼしていた力の存在。 知った今では、己の自由意志について 若干の揺らぎが生じていた。
とはいえ、性分というのは生来のものだろうし、 何より彼女が己に興味を惹かれているという事実に、 喜色が浮かぶ。]
嬉しいねえ。 結構素直な反応するよな、アンタ。
[ラウンジチェアのアームに片肘ついて、 にやにやと。]
(298) yunamagi 2023/11/26(Sun) 20時半頃
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[白い貌に滲む赤に気を悦くしながら、 食事を続けた。 ピザを全て平らげて烏龍茶を飲み干して、 彼女が食事を終えるの待つ。
一度ロビーで別れてから、再びまみえると、 その足でアトラクションへ向かった。」
(299) yunamagi 2023/11/26(Sun) 20時半頃
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――宇宙遊泳
そら、ゴーグル。
[>>0:66 遊園地の目玉のアトラクションである ジェットコースターは、VRでの宇宙旅行をしながら アトラクンションを楽しむというものだ。 ゴーグルを手渡して席に着くと、 自動的に安全装置が装着される。
昨日一昨日は殆ど意識しなかったが、 己としても遊園地に客として訪れるのは 学生の頃以来だ。 初デートを思い出すな、という余計な感想は 無論口に出すことはせず。 懐かしいなという一言に留めた。]
(300) yunamagi 2023/11/26(Sun) 20時半頃
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