人狼議事


4 【突発R18】痴☆電車

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【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

─ 後日談 ─

『こひらようこさんですね』

“こだいら”だろ?


[陽子の視線の先にいる男。
女の配属先の係長“館本 進”、35歳独身。
エリートというわけではないが昇進は早い方で、特別何かが秀でているわけではないが、そこそこ仕事はできるという評判だった。]


もう……来てるみたいだな。


[いつから気づいていたのか、話をしていた部下に視線で角を示した。
男は確かにあの日、陽子が出会った痴漢のはずで、ただ違うところがあるとすれば、あのとき浮かべていた薄ら笑みが浮かんでいなかったところだろう。]

(2) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[男はあの痴漢のはずだったが、陽子に対して手を出すどころか触れることすらしなかった。もちろん他の女性社員にも。
それにあの日のことを匂わせることすらなかった。

たまに同じ電車で帰る時も、電車の揺れで体が触れることはあっても、それ以上は決して何もせず、痴漢行為なんてものはその気配すらない。

そんな日々。

そしてある日、二人して残業になった夜。]

(3) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[二人きりになってもやはり男は陽子に何もしない。]


すまない、こっちの資料も纏めてくれ。


[あるのは仕事の会話だけ。
書類を捲る音、パソコンのキーを叩く音。
二人だけのオフィスにはそれだけが響いていた。

そして、その日も何事もなく仕事を終えた。]*

(4) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[女の言葉に男は口元をかすかに歪ませた。
眼鏡を外しデスクに置くと洋子へと近づく。]


ああ……忘れたな。


[浮かぶ薄ら笑い。男はネクタイを緩めるとシャツのボタンを一つ外すと距離を詰め、陽子の側へ。]


責める?何を?
散々イカせたことか?


[おもむろに手を伸ばすと陽子の頬に触れ、視線をこちらを向けさせる。あの日以来、男が陽子に触れたのはこれが初めてだった。職場でも、通勤電車の中でも、酒の席でさえ一度も触れなかったのに。]

(11) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 21時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

 
忘れていて欲しかったんじゃないのか?


[挑発的な声。
それは、そうではないことを確信している言葉。
陽子の頬に触れる男の手は熱を帯びていて、あの日と同じように熱く感じられることだろう。]


初めてだよ……素性を知られたのは。
こんな偶然もあるものだな。


[手が微かに動いて女の頬を優しく撫でた。]*

(12) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 21時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[痴漢は犯罪だ。
言われるまでもない。
たが、それだって露見しなければ罪には問われない。
そしていまの今までそれは一度もなかったこと。]


恋人は要らないな。


[頬から顎を撫で、男の親指が女の唇に掛かる。
なぞるようにして、それから唇の内側、濡れたところに触れる。]


今までバレたこともない。


[不敵な笑みが陽子に近づいていく。]

(16) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 22時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[男は日常的に、いつも痴漢している訳ではなかった。
それこそ昔は毎日のようにではあったが、今は休みの日や、たまに有給を取って智閑線に乗る程度。]


だけど。
陽子に痴漢できるのは魅力的な提案だ。


[近づく男の唇は陽子の耳元へ。
耳朶にキスを落として囁く。]


……シて欲しいんだろ?


[男の足が陽子の足の間へと強引に割り入った。]*

(17) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 22時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

─ そんなある日 ─

[その頃になれば館本と陽子の関係を疑う者も出始めたが、館本は気にする素振りもなく、二人きりになればやはり行為に及んでいた。

だが、それも最近は陽子か拒むことも増えた。
痴漢は受け入れるが、それ以上は拒む。それはポーズではなく、本心から嫌がっているようだった。

そんなある日。
その日もまた残業だったが、こうして二人で残るのは久しぶりのこと。
だというのに、館本は陽子に触れようとはしなかった。近寄ることも、何かを囁くことも。
まるで他の社員がいるときのように、淡々と仕事だけを進めて、遂には帰り支度を始めた。]

(26) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 16時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[『振られるか私が諦めるまで』
館本はきっとその日が近いのだろうと考えていた。
歪んだ自分と、歪んだ関係を持つのは陽子にとっても幸せなことではないだろう。

それに、快楽に染まりながらも拒む女と無理に関係を続ける気も館本にはなかった。
頭に一つの言葉が浮かぶ。

───潮時。

そういうものだと理解していた。
だから、今この場で痴漢すらしないということは、今後もそういうことはもうしないという意思表示であった。
明日からはただの上司と部下に戻る。]*

(27) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 16時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[男は思う奇跡は起きないから奇跡なのだと。

陽子の体の変化に気づいたとき、男はそれが理由だったのだと理解した。
妊娠、つまりそれが陽子が男を拒んだ理由。
ならば仕方のないこと、それは男には与えられないものだから。

陽子はこの手で咲かせた花だ。
惜しくないと言えば嘘になる、他の男のものになったことが悔しくないかと言えば嘘になる。

だけど、それはどうしようもないこと。
どんなに女を悦ばせても、どんなに淫らに堕としても、自分は男として致命的な欠陥を抱えているのだから。]

(30) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 17時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[はにかんだ笑顔が眩しく思えた。
いつも啼かせている時の恍惚とした表情とはまた違う。どちらかと言えばシてるときのほうが好みではあったが。]

まだ少し早いか。
買い物に行こう。


[二人でディナーというには太陽はまだ高すぎる。
予約したホテルのレストランもまだ開いてすらいない。]


何か買いたいものとかは?


[一人なら気ままにブラブラと物色するところだが、陽子が何か買い物したいならそれに付き合うつもりだった。]*

(32) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 19時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[紅茶が欲しいと言われれば頷いて、二人横並びにその店へ。
歩き出してすぐに館本の手が陽子の腰のあたりに添えられる。引き寄せるでも、痴漢のように弄るでもなく、ただ添えられただけ。

陽子が手を繋ごうとするそれすらも躊躇していてなんて知りもせず、事もなげに。

それは館本自身が何かしようとしてわけではなく、自然とそうなっていただけだったが。]

(35) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 21時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[館本はコーヒー党だった。
甘さを加えず、ブラックで飲むのが好きだった。
仕事場では主に自分で淹れている。
陽子や他の子に頼むことはほとんどなかった。]


紅茶には疎いな。
有名な銘柄ぐらいは知っているけど。


[だからというわけではないが、紅茶についての知識はほとんどない。かといってコーヒーに詳しいかといえばそういうわけでもないのだが。

店に入れば自然と手が離れる。
今日は悪さもしない手だ。]*

(36) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 21時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

─ 回想の回想 ─

『こだわりの淹れ方でもあるんですか?』

[給湯室でコーヒーを淹れている時にそんな声をかけられた。コーヒー党ではあるが、実は大したこだわりはない。コーヒーそのものが好きかと言われればそうでもなかったりする。
ただ、なんとなく、苦味のあるもので少し頭をスッキリさせたい、それがいつのまにかルーティンになっていた。]


……ある。


[薄ら笑いを浮かべて妖狐を手招きする。]


蒸らしたあとに、指を突っ込んで掻き混ぜるんだ。


[中指を立てて掻き混ぜるゼスチャー]

(39) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

 
……嘘に決まってるだろ。
そんなことしたら火傷する。


[ふっと笑うと陽子の耳元に顔を寄せて囁いた。]


……陽子のあそこも火傷しそうだけどな。


[給湯室に二人でいればそうしない理由がない。
スカートの上から陽子秘部へと指先を触れさせると、ぐりぐりと弄るのではなく、その先を想像させるように軽く撫でるだけ。

そんな上司と部下の良好な関係があった。]

(40) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

─ 回想 ─

[ルイボスティーといえば茶葉ではなく別の植物で、それが何かは知らない(ルイボスという名であることぐらいは知っている)か、日本でいうところの麦茶のようなものと勝手に思っていた。]


たまにはこういうもの飲んでみるのもいい。


[コーヒーでなければいけない理由は大してない。ただそれが常だったというだけのこと。]


会社用に買っていくか。
どれがいい?


[陽子に尋ねる、そんなやりとりはきっと周りのカップルたちと同じように見えているだろう。
誰が二人を見て痴漢する側とされる側ということを想像できるというのだろうか。]*

(41) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[問われても、答えは気が向いただけと。
握られた手を振り解く。
そうして今度は指を絡めて握り直した。

恋人ごっこ。

言ってしまえばそういうこと。
休日のデートのような一日も、二人でする買い物も、予約したイタリアンも、こうして手を繋ぐ事も。

陽子がこういう普通のことも望んでいるは知っている。だからこうして叶えてやることで、きっと陽子の熱の昂りもまた激しくなる。

そう、頭で思っていた。]

(44) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 23時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[食事を終え、陽子を連れてきたのはレストランと同じホテルの一室。
スイートとはならないが、そこそこいい部屋で、窓からの景色もなかなかのもの。

部屋に入れば、陽子を抱き寄せて唇を重ねた。
甘い口付け、緩やかな触れ合い。
まるでる恋人のように。

だが、恋人ごっこもそこまで。
陽子に触れ始めればそれはいつもの指さき、いつもの手つき。恋人の交わりなど知る由もない。
だから、あとはいつものように陽子を昂らせていくだけ。]

(45) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 23時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[それは、きっと初めてのことだった。
こうして関係を持ってから陽子が館本を、快楽を拒んだのは。
陽子の中で何かが変わりつつある。
そんな気配を感じてはいたが。

見つめる目の奥に何かがある。
陽子にとって館本の与える快楽よりも大事な何かが。

衣服を脱がせようとしていた手が陽子から離れる。]

(47) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 08時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

 
わかった。
……やめておこう。


[自分でも驚くぐらい冷えた声。
舞い上がっていたのは自分の方か。恋人の真似事なんて慣れないことをしたせいか、どうやららしくないことになっていた。

陽子から離れるとソファに座り、テーブルに置かれたシャンパンをグラスに注ぐ。]


今日は……楽しかったか?


[なぜそんなことを聞いたのか。
わからないまま、呷るようにして喉を潤した。]*

(48) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 08時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[普通のデート。
何を勘違いしていたのか。
男にできることは女に快感を与え、その身を堕とすことだけ。洋子と出会った日、あの夜の女の子を思い出す。誰かに壊され堕とされた女。
やってることは同じ。

陽子はいい意味で普通だった。
快楽に溺れても、堕ちてさえいても普通のまま。
求める先はやはりそちらなのだ。

傲慢さ。
男は自分の傲慢さに自省する。]

(51) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 09時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

 
今度……か。


[意図せず漏れた呟き。
歪んだ男が求めるものは普通ではない。今日のことも求めたのは普通のデートではなくらその先にあるもののはずだ。

陽子の内心を知らず、体の変化を知らず。
男はただ一人、己の歪みの中に沈んでいく。

思えばこの夜、すでに陽子は新たな命を宿していたのだ。
自分ではない、他の男の子を。]**

(52) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 09時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[小さく呟いた言葉。
その言葉がストンと腑に落ちた。
そうして電車を降りて街に降り立つ。
雑踏、人の流れのその中で、館本はスマートフォンを取り出した。]


『陽子か、俺だ。』

 

(58) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[所詮、恋人ごっこ。
寄せられた陽子の身体を抱き寄せて、ただそれだけで何もせず。

『好きです。』

その言葉が酷く虚しく思えた。
今更、普通など手に入るはずもない。
自分の歪みも欠陥も痛いほど理解している。

こうして恋人のような真似事をしていても、明日には他の女を痴漢しているのだ。
自身がそういう人間だということを男は理解している。]

(59) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[誘われた映画は観に行った。
暗がりで隣に座る陽子の身体を弄る。
感度のいい陽子の身体、だけど前とは違う。快感に身を震わせても、どこかブレーキをかけている。陽子は快楽に身を任せようとはしない。

後に理解する。
陽子はすでに他の男のものなのだと。

徐々に大きくなる陽子のお腹。
産休の申請に渋る部長に『問題になりますよ』と苦言を呈したりもした。

それぐらいはしてもいいだろうと思ったから。]

(60) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[そんなある日の夜。
妊婦とわかってからは出来るだけ残業する様なことにはならない様にしてきたが、どうしても陽子にお願いしなければならない仕事があった。

こうして二人で残業をするのも久しぶりのこと。

もちろん手を出すことはない。
二人の関係はすでに終わったもの。

だから、陽子が自分を呼ぶその呼び方が変わったことにすら気が付かなかった。

男はただ顔を上げ、笑わぬ係長の顔で陽子の方に視線を向けた。]*

(61) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

 
……ありえない。


[そう、そんなことはありえない。
普通の人の一万分の一、医者からは自然妊娠はできないと言われた。それでもいい、普通の家庭を築くなんて不可能だと思っていた。
だから、出来るはずがない。]


ありえないんだ。
俺には……精子かほとんど存在しない。


[無精子、正しくは乏精子症と言うらしいが。
確かに全くのゼロということではないが、その確率は奇跡と呼ぶしかない。]

(66) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[他の男の子、他の男に抱かれたのかと、そう問いただそうとして言葉が喉に詰まった。

信じられない、信じたい、そんな奇跡など起こらない、ここに奇跡が起きた。
様々な思いが男の顔に浮かぶ。
もはや自分がどんな顔をしているのかわからない。]


…………本当なのか?


[気づく。
頭をよぎる可能性や感情に、陽子を疑うものがふくまれていないことに。
疑ってない。
陽子が嘘をついているなんてことは欠片も疑っていなかった。]

(67) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

[椅背もたりに背を預け、ギシリと椅子が音を立てる。
なぜ、もっと早く言い出さなかったのか。]


……言わせなかったのは……俺か。


[歪んだ人間、痴漢という犯罪者。
父親という存在からはあまりにも程遠い、陽子の子の父親になれる様な人間ではない。
だからか。
陽子が父親を不要としたのは。]

(68) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃

【人】 時間貯蓄銀行 ヤカモト

 
……必要なものは全て用意する。


[机に両肘をつき俯く顔を手で覆った。]


認知が必要なら認知もする。
養育にかかる費用も。
全て、何もかも……。


[ここまでの人生の中で、これほどに自分が真人間でないことを恨めしく思ったことはなかった。]*

(69) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃

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