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キランディは、キャンディを不信の目で見た。
steel 2023/11/23(Thu) 12時頃
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[>>3:275 何で諦めるんですか? と言われたけれど返せる言葉がなかった。 脱出して自首すれば、唯一の生きている意味である歌舞伎を失うだろう。 両親が会いに来てくれたとしても何が変わるわけでもない。 それならば、憐れな招待者にここでこの身を殺させてあげて、 無念を晴らしてあげてもいいのではないか、と考えた。 どうせ自分はどの道を行っても詰んでいるのだから。
永遠の別れとも思える”さよなら”。
おそらく本当に永遠の別れになるのだから、 むしろこのまま、自分の事は忘れてもらった方がいいと考えて。
そうして、一人メリーゴーランドへ向かう。]*
(29) steel 2023/11/23(Thu) 13時頃
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──メリーゴーランド『銀河の海賊』
[緩やかに廻るメリーゴーランドを選んだのは、視認しやすさ、射殺しやすさ、からであるが。果たしてどのように復讐が成されるのか、見当はついていなかった。 造り物だけど、白馬の上で死ぬのもドラマティックで、ある意味ファンサかな、などと不謹慎なことを考えながら。
やがて、エレクトリカルパレードが終わったのだろうか。 『月光・第3楽章』が流れ始める。]
坂理君がプログラムしてくれたやつか……。
これが僕のエンディング曲になるのかな。
[緊張感はなく、おだやかな気持ちで待ち続けていたが。 曲が終わりに近づいても、何も、起こらなかった。]
(30) steel 2023/11/23(Thu) 13時半頃
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[招待者は灰羅であろうと思っているが…… アポロでの反応もない。 犯人への復讐のために集められたなら、犯人である自分を放置するわけはないと思ったけれど。 ついに何も起こらないまま、パレードも終わりを迎える。 さすがに小首を傾げた。]
メリーゴーランドじゃ殺しづらい…?
いいよ、ホテルに帰ってあげる。
[そうして、舞台上のような優雅さで白馬からすとんと降り立ち、ゆるやかに上下し続ける馬車や星座の乗り物を潜り抜けて、ホテルの方角に歩いて行った。
パレードのモナリザたちがいつの間にか整列して、 『SOS』を描いている事には、勿論気付かずに。]*
(31) steel 2023/11/23(Thu) 13時半頃
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キランディは、キャンディを不信の目で見た。
steel 2023/11/23(Thu) 18時半頃
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[その後、ホテルのロビーに戻り、灰羅の食べていた星型の野菜が入ったカレーを食べて、モナリザのおすすめワインを飲んで。 ほろ酔いのまま部屋に戻ってベッドに倒れ込んだ。
───まだ殺されてないな。
いつ世界が真っ白になるだろう、 覚悟を決めていたのだが ついぞ刺客は現れなかった。
このまま、部屋の扉を少し開けておいて眠ってしまう?と、横向きに寝がえりを打った時、デバイスに通知が入っていることに気が付いた。 何件かあったが、真っ先に目に入ったのは、 灰羅からの一斉送信。>>*0]
(84) steel 2023/11/24(Fri) 18時半頃
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─── えっ?
[思わずベッドから起き上がる。
招待者が灰羅なのは予想通りだったけど。 ”巻き込んだキミらには申し訳なく思ってる”の キミら は まさか犯人である自分も含むのだろうか。
考えるより先に、文章を打ち始めた。]*
(85) steel 2023/11/24(Fri) 18時半頃
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[法に任せる。
通報されているなら甘んじて受け入れるし、されていなくても自首する意志がある。 そういう意味で書いた。
キラが、灰羅の境遇を知って、気が変わったように。 彼にも 心境が変わる出来事があったのかもしれない。]
(86) steel 2023/11/24(Fri) 19時頃
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[他にも何か言う事があるかもしれないが、 それだけを送信した。]
犯人が死んだらみんなを出してあげるって 最初に言ってたから 待ってたよ。
……… ……そうか。 生きなきゃいけないのかな。 *
(87) steel 2023/11/24(Fri) 19時頃
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[デバイスへの返事は無い。 ならばこの部屋に来るだろう。さすがに寝た姿勢で迎えるのはどうかと考え、ベッドから身体を起こした。
開けっ放しだったカーテンを閉め乍ら、ギャラクシーランドの夜景を見下ろす。 遠くに見えるモナリザ隊の灯かりに目を凝らした時に、ノックが聴こえた。]
──いらっしゃい。
そうですね。 ていうか。
昼に会った時は誤魔化して御免なさい。
[窓際にある椅子に座って、 緊張感からか、ふう…、と一息ついた。 向かいの椅子を勧めるが彼は座るかどうか。]
(100) steel 2023/11/24(Fri) 23時頃
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まあ、形式的なものは置いといて…。
LINEの連絡先を教えた流れを覚えていないのは、 話した通りです。
僕は基本、ファンの女の子のLINEは、読むだけで 返事をしないのですが。
ある時、るくあちゃんがぽつりと
───”私、…………し にたい”
と。
[スマホは手にあるから、実際の文章を見せてもよいのだが。 その文字列を、身内が見たがるかどうかは分からない。 今は口頭だけで、続けた。]
(101) steel 2023/11/24(Fri) 23時頃
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どういうわけか、るくあちゃんのその一文を見た時、 反射的に返事を送ってしまったんです。 自分でも驚いたんですが…
その後少しやり取りをして… 何だろうな…
彼女に自分の持つ毒薬を渡さなければ。 渡してあげたい。 使命感みたいなのに駆られて。 ───次の日に、件のブックカフェで会いました。
[そもそも何故、致死量の毒物を所持しているのかは 話すと長くなる上に脱線なので置いておく。
あとは、事実のままに。 煙崎るくあとのやり取りを、詳細に伝えた。]
(102) steel 2023/11/24(Fri) 23時頃
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[ブックカフェに、おしゃれをして来た彼女が現れて。
>>2:146 本名をまず教えて、雑談をしたこと。 >>2:147 幸せそうに見える?と聞いたら、 >>2:159「幸せならいいなと、思います」と返された事。
>>2:148>>2:149 それから毒をそっと手渡して。
>>2:162 「ありがとう。私、今 とっても しあわせ」
最後に彼女に言われた言葉────………。]
……… 一緒に居た時間は少ないかな。 カフェを出てその場でお別れしたけど、 ……僕は彼女の笑顔しか思い出せないです。
(103) steel 2023/11/24(Fri) 23時半頃
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その夜のLINEは、おやすみなさいだけ……
会ったのはそれきりで、日常に戻りました。……が、 だんだんるくあちゃんからのメッセージが 途切れて来て、 ……最後は人づてに聞きました。
[そこまで一気に話しきって、 ため息にならないよう薄く息を吐いた。
最後に。]
自分が原因だと自覚出来たのはこの島に来てからです。 心臓マヒと聞いていたので。
(104) steel 2023/11/24(Fri) 23時半頃
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毒を渡した時の自分の精神状態は 至って普通だったと思います。
変な高揚感はあったかな…。 自分だけが彼女の望みを叶えてあげられる、 背中を押してあげられる……みたいな。
これで全てです。
[突然殴られても仕方ない、何なら初志貫徹で殺される可能性も考えてはいたが。 真っ直ぐに目の前の灰羅と向き合っていた。]*
(105) steel 2023/11/24(Fri) 23時半頃
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[本当なら凄まじい、とは。 卯木の話していた、特異体質のことだろう。
キラの話をする時はいつも笑っていた、 と言うのには、じわじわと悲しみを覚えた。
──観客の皆様には、ひとときの幸せを。 ──とびきりの笑顔を与えたい。 観劇の間は、 日常の苦しさや悩みから解き放たれて欲しい。 いつも、そう考えながら舞台に立っている。
舞台が終わった後、出待ちで見かけた彼女、 煙崎るくあの、高揚した、幸せそうな顔。
カフェで僕を見つけた時の、眩しそうな笑顔。
毒を渡されて、やわらかく微笑んだ顔]
(114) steel 2023/11/25(Sat) 00時半頃
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[思えば、最初から最後まで己は。 煙崎るくあの笑顔と、眩しそうな顔しか知らない。
彼女はずっと。 光に向かう目で、僕を見つめていた。
今さらに、 涙が零れ落ちて、 灰羅の手前、細い指先で拭う。]
(115) steel 2023/11/25(Sat) 00時半頃
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[話を聞けてよかった、と灰羅は言う。 法的なことには関与しない、と。 それが彼のアンサーなのだろう。
”アイツの望みを叶えて、アンタは――――”、
聴きたいことは伝わっていたが、 今は、答えが出せなかった。
立ち上がる灰羅の背中は、復讐に燃える男ではなく、 ただ、妹を失くした寂しい男の背中だった。]
(116) steel 2023/11/25(Sat) 00時半頃
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………灰羅さん。
僕の方こそ。話しに来てくれてありがとう…
[無知、というのは。 煙崎るくあの希死念慮を気付いてやれなかった事だろうか。 部屋から出ようとする灰羅の背に、告げた。]
きっと、僕は彼女からとても遠い存在だから 言えたのだと ……思います。
[流されるかもしれなかった、小さな呟き。 きっとそれは、海に流す小瓶に入れたメッセージのような ものだったのだろう。]
(117) steel 2023/11/25(Sat) 00時半頃
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[それを僕が、拾い上げてしまった───。
灰羅が部屋を出て行った後も、 しばらくそこに立ち尽くしていたが。
突然、力が抜けたように、ベッドに座り込んで そのまま後ろにぱたっと倒れ落ちた。]
(118) steel 2023/11/25(Sat) 00時半頃
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………死ななかった。
[これから──帰還してからどうするのか、 考える事は山ほどあるが。
脳裏にはずっと、 走馬燈のようなメリーゴーランドが 緩やかに廻っている。]*
(119) steel 2023/11/25(Sat) 01時頃
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── ホテル・503号室 ──
[灰羅との話を終えてから、どれくらいの時間が経っただろうか。数時間か、数十分か。窓の外ではまだアトラクションの光が点滅している。
死ぬつもりでいたけれど。 生きている。 生きて行かなければ、ならない。]
────………
[考えていたのは、雛子とのやり取りだった。>>3:270 一斉送信でのメッセージは全て見ているだろうけれど、 灰羅との最後のやり取りを、 一時でも味方しようとしてくれた彼女に 伝えないままなのは不誠実だと思って。
文章に迷いながら、デバイスにメッセージを入れた。]
(123) steel 2023/11/25(Sat) 01時半頃
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[メッセージを送信すると、アポロをベッドの上に投げ出して、そのまま横向きに蹲る。 刑務所なんて穏やかじゃない単語を使うべきじゃなかったな、相手は高校生なのに。 でも、ここを出たら当分会えなくなる可能性は伝えておきたくて。 ……当分会えなくなるって何だろう? 会う予定はそもそもない…嫌われているだろうし。
そんな事をぐるぐる考えていたら、通知が入ったので、手に取って。
届いた返事をぼんやり眺めていると、2通目が入って、 そこで初めて上体を起こした。]
え? 待ってるって、今から会えるって事?
[ちらりと時間を見ると、そこそこ遅い。けれど。]
(131) steel 2023/11/25(Sat) 02時半頃
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[あまり余計な事は書かずにメッセージを送信した。
デバイスと、スマホを胸ポケットに入れて、それから さっきちょっと泣いちゃったのでサングラスをかけて。 居場所が分かったらすぐに向かう心算。]*
(132) steel 2023/11/25(Sat) 02時半頃
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[返事が来たので、中央カフェに向かう。 ロビーを急いで走り抜けたので、モナリザとぶつかりそうになって”ごめ〜ん!”と謝りつつ。
まだここに来て、2日しか経っていないけど。雛子と待ち合わせをするのは何回目だろう。彼女や特定の相手を作った事がないので、これほど同じ女の子と待ち合わせたのは初めてかもしれない。
アトラクションの光と街灯だけの道を走って、中央カフェに着くと、仄暗いテラス席で一口ドーナツを前に座っている姿を見つけた。
前面から走ってきたので、こちらもすぐに見つかっただろうか。走るのをやめて、手を振りながらテラスに近付く。]
(135) steel 2023/11/25(Sat) 03時半頃
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お待たせ… 遅いのにありがと。
[お待たせといっても、返事を貰ってすぐに走ってきたので、あまり待っていない筈ではあるが。 テラス席は丸いテーブルを囲んだ4人席だったので、向かいの椅子に座る。 雛子の前に置かれたドーナツをじっと見て。]
惑星ドーナツ? 僕もそれ貰おうかな。
[こんな時間に甘味を摂取することはあまり無いのだけど、同じものを注文しようとモナリザをちょいちょいと呼んだ。]
(136) steel 2023/11/25(Sat) 03時半頃
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[それから、雛子の顔を見つめる。カフェの灯かりに照らされた表情は、何を考えているのか読み取れない。 勢いで会いに来たけど、何を話そうかな……、 と考えていると、注文した黒烏龍茶が来た。
ストローをぐるぐる回しながら呟く。]
……灰羅のメッセージで見たと思うけど、 明日か明後日には救援が来るんだって。
僕は帰って、出来る事をするよ。 まだどうなるか分からないけれど……、
(137) steel 2023/11/25(Sat) 03時半頃
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……雛子ちゃんは、
[聞いた言葉をひとつひとつ思い出す。 役者なのでその手の記憶力は自信があった、が。]
いつ死ぬか、殺されるか分からない毎日だった ……って言ってたけど。
それって今は大丈夫なの?
帰っても大丈夫な家、ある……?
[結局、ずっと気になっていたことを聞いた。]*
(138) steel 2023/11/25(Sat) 03時半頃
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[頬が膨らむ様子を見ると、ちょっとキョトンとして。 口元に差し出された海王星ドーナツを、ぱくっと食べた。]
そうだね。遅いから半分この方がいいね。
[ようやく、ふっと笑って。 ───それから。
雛子の返事は、答えになっているようで、 なっていないようで、 しかし。確かな事は。]
────……逃げる必要がある家 って事なのかな。
(141) steel 2023/11/25(Sat) 04時頃
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[頭の中で、繋がっていない単語が渦を巻く。 人体実験の被験者。 特異体質。 幼馴染。]
君の境遇も、るくあちゃんの境遇も、 僕には量りかねる部分があるんだけど……
[少し考えて、星型のドーナツにピックを刺す。]
……行くとこないなら、うち来る? *
(142) steel 2023/11/25(Sat) 04時頃
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[逃げる必要がある家。 雛子は確かに頷いた。>>168
うちに来る?という、かなり突拍子もない提案に、しばらくの沈黙の後、出てきた言葉>>169を聞いて。 星ドーナツをピックに突き立てたまま、少し身を乗り出した。]
分かった。 ここを出たら、うちにおいで。
[真剣顔で告げた後、ピックに刺していた星型ドーナツを口に運ぶ。 そのまま咀嚼して、黒烏龍茶で流し込んだあと、一息ついてから話し始めた。]
(175) steel 2023/11/25(Sat) 18時頃
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……少し唐突な話だったと思うけど、 要は僕の付き人になる?って話なんだよね。 正直かなり忙しいけど、それでもいいなら……。
[面接官みたいだけど、むしろスカウトなのだろうか?]
年齢制限はないから学校行かなくてもいい。 住み込みもあるし…… 今の僕の付き人も、家出人の子だよ。 お弟子になりたいみたいだから、丁度いいな。
[それから、水色にコーティングされた水星っぽいドーナツを口に放り込む。
付き人である麗(れい)の顔を思い浮かべて、長らく会っていないような気になった。 基本的に付き人は役者に付きっ切りなので、一緒にいる時間がとても長い。]
(176) steel 2023/11/25(Sat) 18時頃
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[雛子の家の事情は今はまだ分からないけれど、 『逃げる必要がある家』 という事が確定しているのなら。>>168 何ら迷うところは無かった。]
帰還後に僕自身がどうなるのかなんとも言えないけど… まぁどうにかなるでしょ。
……雛子ちゃんが死ぬのは嫌だから、 僕に出来る事があるならさせて欲しい。
[それは、いつか言われたこと>>231に呼応するように 自然に出てきた言葉だった。]*
(177) steel 2023/11/25(Sat) 18時頃
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[>>181 頑張ります、と言われてこちらも微笑んだ。]
御恩も何も、こちらも助けてもらう感じになるし。 歌舞伎の付き人は諸事情で求人も出しづらくてね。
うん、じゃあ、決まり。 島を出たらそのまま一緒に帰ろう。
[無断外泊して稽古もサボって…… 帰宅したらまず義父とひと悶着になるだろうけど。 叱られるのは別に初めてでもない。 生きてさえいれば何とかなる。]
(182) steel 2023/11/25(Sat) 20時半頃
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[それよりも、やっと雛子の笑顔を見ることが出来て 心から嬉しくなった。 しばらく微笑みながら彼女の顔を見つめていたけど、 残りの烏龍茶を飲み干して、口を開く。]
ここに居られる時間もあと少しみたいだし、 何か行きたいとこ、やりたい事ある…?
[煙崎るくあが眠るというこの島───。
ふたたび訪れる事は難しいかもしれない。]*
(183) steel 2023/11/25(Sat) 20時半頃
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[>>189 予想外に名前を何度も呼ばれて、にっこりした。]
身の回りに居る人はさすがに本名知っているけど、 アキラさんて呼ぶ人は居ないな。 みんなキラさんって呼ぶ。 でも、なんかいいね。
[頬杖をついて、残り2個になったうち、赤い粉のかかった 星ドーナツを食べてみる。火星だろうか。 赤い粉は粉末ラズベリーで、甘酸っぱい味がした。]
2人きりの時は ずっとアキラさんでいいよ? 付き人してもらうとなると、互いだけの時間多いし。
[他意は込めずに、そんなことを言って。]
(195) steel 2023/11/25(Sat) 23時半頃
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[行きたいところややりたい事、と聞かれたので 少し考え込んで、しばらくしてから。 ぱあっと明るい顔を上げた。]
じゃあ、全部乗っちゃお! もう乗ったやつも、まだのやつも。
取り敢えずメリーゴーランド行こ。 僕、まだ一人でしか乗ってないんだ、あれ…
[そうして、最後のドーナツを雛子が食べ終わったら、椅子から立ち上がった。]*
(196) steel 2023/11/25(Sat) 23時半頃
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よし、じゃあアトラクション動いてるうちに行こ!
[揃って足早にメリーゴーランド『銀河の海賊』まで辿り着く。 雛子が乗るものを決めたら、乗る時に手を貸して。 それから、”僕はやっぱこれにしよー!”と言いながら、 既にお馴染みの立体起動装置付き白馬に跨った。
1回目に乗った時はただのんびりしていたけど、 2回目に乗った時は。走馬燈が見えた。 そして3回目は。
近くの何かに乗っている雛子の方を見て、手を振った後、 アポロを出して写真を一枚撮る。]
動き遅いから、写真撮れていいね。 ただ廻ってるだけなのに楽しーな、これ。
[そんな風にして何周かゆったりと、乗り続けた。]
(206) steel 2023/11/26(Sun) 00時半頃
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[遊園地は本当に初めてだけど、幼いころから厳しい稽古と躾、文武両道でなければならないと剣術に学業に明け暮れていたキラは、そもそもそんな場所に行く発想すら無かった。 知識はあったけど、せいぜい公園の遊具に毛が生えた程度のものを想像していたかもしれない。
だけど。 こんな緩やかな乗り物すら、舞台上のようにキラキラとして幻想的で。なんて軽やかに夢の世界に連れて行ってくれるのだろう──。]
ジェットコースターも刺激的だったけど、 僕はこれが好きなのかも。 世界観も速度も、絵本みたいに子供向けでやさしい感じ。
雛子ちゃんはどれが好きだった?
(209) steel 2023/11/26(Sun) 00時半頃
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[そうして、しばらくの間──おおよそキラの気が済むまで乗った後は、雛子の希望するアトラクションへと向かう。
乗物から降りる時にはふたたび手を貸して、 『夜だしね』、と その手を繋いだままで歩き始めた。]*
(210) steel 2023/11/26(Sun) 00時半頃
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― メリーゴーランド/銀河の海賊 ―
>>-221 「も」? ってなんだろ。
[卯木と乗っていた事は知らないので小首を傾げつつ。 馬を選んだのは乗馬が好きという理由だった。 うちに来るなら一緒に本物の馬に乗る機会もあるだろうか。
それから、写真を撮られたことについてはくすっと笑って。]
写真なんかいくらでも撮っていいよ。
[要はプライベート写真が流出しなければ構わないのだが 雛子はSNSなんてやってなさそうにも見える。]
(244) steel 2023/11/26(Sun) 13時半頃
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そうだね。 ジェットコースターは速いし高いし、 ワケわからなくなるけど これは緩やかで、周囲を見る余裕があるから 少し舞台上に似てるかもしれない。
[感情が動かないように生きてきた>>223、と言うのには 少し首を傾げつつ。]
そうなの? 僕の振る舞いで随分怒ってたみたいだし、 若い女の子は難しいな、なんて思ったくらいだけど…。
逆にジェットコースターは、僕ほど騒いでなかったものの 楽しそうに見えたよ。
[眉を下げて笑った彼女は、そう見えたけど>>1:120 一緒に遊んだから、贔屓目なのだろうか。]
(245) steel 2023/11/26(Sun) 13時半頃
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[降りる時に手を貸すと、王子様、と呼ばれるので ”どういたしまして、お姫様”と返しつつ。
手を繋いだままゴンドラに向かって歩く。 こんなとこ写真に撮られて流出したら週刊誌に載っちゃうな なんてことも思いつくけど、 どうせ独身だし別に問題ないか。と気にしない事にした。
歩きながら、頭ひとつ小さい雛子の呟き声がする。>>224]
ふふ。 僕は歌舞伎が無いと、空っぽの人間だけどねぇ。
[深刻さを出さないように明るくそう言うと、 雛子の手を握ったまま、くるっと周囲を回った。 勢いで雛子も一回転するので、あははごめん、と笑って。]*
(246) steel 2023/11/26(Sun) 13時半頃
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──休憩所──
[ゴンドラに向かう途中の休憩所で、カプセルトイを見つけて。 思い出に何か持って帰りたい、という言葉に微笑む。 お土産が欲しくなるのは、ここに来てよかった、という意味に解釈できて。
雛子が回すのを見守っていたが、一つ目、二つ目、と 希望しないものが出てきたので頬が膨れてしまった。 見てて飽きないな……、と思いつつ。]
シークレット? ああ、お星さま欲しいんだ。
よーし、お兄さんが出してあげようじゃない。
[そう言ってしゃがみ込み、アポロをカードリーダーにセットして勢いよく回した。コロン、と天王星のマスコットが出る。]
(259) steel 2023/11/26(Sun) 15時頃
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あー惜しい。もう一回!
[全く惜しくはないが、悔しそうに、続けて回した。 天王星、火星、水星。]
うーん、出ないな〜。 アポロで無料なんだし、ここは数の暴力で……
[次に出たのは、水星、地球、火星、水星、天王星。 掠りもしない。 ムキになって回し続ける。 金星、海王星、太陽、海王星、地球、太陽…… 地球、土星、水星………、 気が付くと腕の中が惑星マスコットで一杯になっていた。]
……手強い!
(260) steel 2023/11/26(Sun) 15時頃
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[さすがに持ちきれなくなって、モナリザをちょいちょいと呼びつけ、『これ503号室に運んでおいて…』と惑星マスコットをどっさり渡す。]
シークレットってこんな出ないんだ…… 全然やった事なかったから知らなかった。
でも、惑星いっぱい出たから全部持ち帰ろ!
[そうして、モナリザに渡したマスコットの中から火星だけ取り出して、スマホに括りつけ、ゴンドラに向かった。]*
(261) steel 2023/11/26(Sun) 15時半頃
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― ゴンドラ/ミルキィウェイ ―
[ゴンドラに乗るのは2回目だけど、前回は昼間だった。 夜の湖面は、ライトアップが必要ないほどの数の星が煌めいている。]
やっぱり夜のほうが綺麗だったね。 また来れてよかった。
[向かい合わせに座って、髪を靡かせて瞼を閉じる雛子を眺める。 職業柄、女性の仕草を観察する癖が昔からあるのだけど、 こういった自然な可憐さは到底真似できないな、などと考えつつ。 話に耳を傾けた。]
そっかー…
死にたくないって思ったのだったら、よかったな。
(288) steel 2023/11/26(Sun) 19時頃
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………僕も、
[星空を映す湖面を眺めながら、ぽつぽつと呟く。]
静かな暗闇のほうが落ち着くタイプだよ。
だから、今の仕事は、自分の内面と対極というか…… 煌びやかで騒がしくて、派手な世界だからね。
[くすりと笑って、 ゴンドラの中に落ちていた小石を拾って湖面に投げた。 水きり遊びのように、石が水面を何度か跳ねて飛ぶ。]
でも、舞台に上がって、光を浴びて笑顔で演じてると それも自分の人生であるかのように感じてね。
また、あそこに戻りたいなと思う。 僕の幸せはそれかなって。
(289) steel 2023/11/26(Sun) 19時頃
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雛子ちゃんにとっての幸せが、楽しい事なら これからたくさん楽しい事していこう。
るくあちゃんもそれを望んだみたいだし。 それに… 僕も君が楽しそうだと嬉しいな。
[銀河を渡るゴンドラの上。 よろしくお願いします、という彼女に あらためて微笑んだ。]*
(290) steel 2023/11/26(Sun) 19時頃
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[>>294雛子の言葉にはにっこりと微笑んで。 発着所から降りる時は、また手を差し出した。]
うーん、そうね。 もうだいぶ遅いけど、観覧車だけ乗ろうか。 救援がいつ着くか分からないけど、残りは明日でもいいかな。
[そして、ライトアップされた園内を並んで歩き、 やがて辿り着いた観覧車に乗り込んだ。 最後になるであろうギャラクシー・ランドの夜景を ゆっくりと眺める。]
(305) steel 2023/11/26(Sun) 22時頃
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[観覧車の一番高いところに来て、 園内ほぼすべてが見渡せるようになると。 特に何も言わずに眼を取じて、黙祷を始めた。
この島に眠ると言う彼女に。
───あの時、本当に
”幸せ”だったのか。
もう聞くことは叶わないけれど。]
(306) steel 2023/11/26(Sun) 22時頃
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……いつか落ち着いたらでいいから、 雛子ちゃんとるくあちゃんの話聴かせてね。
[”幸せになってね”という言葉は、重みがある。 ただの幼馴染ではない絆がありそうな二人。
観覧車を降りたら、ホテルまでゆっくり いろんな話をしながら帰ろう──。]*
(310) steel 2023/11/26(Sun) 22時半頃
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──それから・帰還後のはなし──
[救援の船で帰還した後の話。 迎えの車で帰宅途中、とあるマンションの前で止めてもらう。 そこで雛子を一度降ろした。]
僕はちょっと義父に叱られてくるね。 ここは歴代付き人さんに使ってもらってるマンション。 後で僕も来るから、待っていてくれるかな。
[そうして、現付き人の麗に雛子ちゃんをお願いする。 心配そうな顔をしていたかもしれないけど、手を振って。]
(318) steel 2023/11/26(Sun) 23時半頃
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[和風造りの実家に戻ると、義父の部屋に通される。 稽古を二日ほど無断で休んだが、綺羅之介の出番がない場面に集中させたので特に進行に問題は無いとのことだった。 捜索願は意外にもまだ出されていなかった。が、あと一日遅ければ大々的に捜索されただろうと言う。
ホッとすると同時に、それほど心配されもしなかったのか、と複雑な胸中だったが。]
『お前は昔から不良だから。』
『しかし、無断で稽古を休む事は今まで無かった』 『とても心配したが、信じたかった』
(319) steel 2023/11/26(Sun) 23時半頃
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『………大切な身体だ。あまり心配をさせるな』
[低く重たい声で義父が言葉を発する。 正直に言って、容赦なく殴り飛ばされると考えていたので、これだけの叱責で済んだ事にも驚きだし、 何より。 ───”大切”って今言った?
初めて使われる言葉だった。
正座をして、膝の上に置いた両の手に雫が零れ落ちる。]
───……はい、義父さん。 申し訳ありませんでした………。
(320) steel 2023/11/26(Sun) 23時半頃
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[今後も精進して稽古に打ちこみなさい、とだけ言い残して義父が去った後も、なかなか立ち上がれずに、しばらくその場で肩を震わせていた。
雛子と麗の待つマンションにようやく帰ったのは、数時間後の事だっただろうか。]
*
[そして───、
結局、自首はしなかった。]
(321) steel 2023/11/26(Sun) 23時半頃
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[義父と、懇意にしている弁護士さんとも協議した末の決断であるけれど。 自身でも納得していた。 雛子を預かったことも大きく関係していたが。
償う方法は、きっと色々ある。]*
(322) steel 2023/11/26(Sun) 23時半頃
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──観覧車の後で──
聞かなければ良かったと思うような、か。
僕もなかなかハードな人生歩んできたけど… 聞きたいならいつでも話すし、 話してくれるなら何でも聞きたいな。
[ホテルへの帰り道、雛子が最後の一回!と言いながらカプセルトイに挑戦するのを見て、続いて回してみる。 コロンと出てきたのは木星だったので、二人して笑った。]
星は出なかったけど、惑星マスコットたくさん手に入っちゃった。 お揃いいっぱいだね、ふふ。
[そんな風に話して、手を繋いでホテルまで帰った。 明日は何から乗ろうか、なんて話しながら──。]**
(323) steel 2023/11/26(Sun) 23時半頃
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──遊園地・503号室──
[遅い時間ではあったが、日を跨ぐよりはと 密星にメッセージを送信した。 犯人にかける言葉なんて難しかっただろうに 配慮されたメッセージを紡いでくれた彼女に感謝しつつ。
眠れるだろうか、ベッドに横になって。 少し考えてから、もう一度アポロを手に取った。]
(342) steel 2023/11/27(Mon) 12時頃
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[メッセージを送信して、ふうっと一息ついて横になる。
今日一日で、あまりに色々な事があった。 頬をぴしゃりと叩く。]
……しっかりしよ。
[雛子を引き取る事にしたのは、彼女の境遇もあるけれど、 ”煙崎るくあが、雛子に幸せになって欲しいと告げた” と言うのも大きかった。 償いのひとつになれば、と。
だけど今は、帰還しても雛子が自分の傍に居てくれる事実に、とても安堵している。 どういう感情なのか分からないけど、そこだけ光が射したように。
眼を閉じると、走馬燈のようにメリーゴーランドが見えた。]*
(343) steel 2023/11/27(Mon) 12時頃
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──翌朝・遊園地──
[最後の日になるかもしれないので、朝ご飯を食べた後に雛子ちゃんと待ち合わせて、残りのアトラクションを順番に乗っていく。 ジェットコースター『宇宙遊泳』は2回目だから少しは余裕があってもいいのだが、相変わらずきゃーきゃー声を出しつつ。 貸衣装館『星の夢』で、1日目に着た衣装をもう一度借りて雛子ちゃんと写真を撮ったり。『惑星パーティ』でコーヒーカップをぐるぐる回して騒いだり。 それから、園内の片隅にこっそり建っていたお化け屋敷『宇宙病棟』。病院の地下室で人体実験が行われているというコンセプトで、入り口には血まみれナースの服を着たモナリザが建っていた。 キラは怖がりではないけど、雛子ちゃんが怖がるかもしれないしと、ぎゅっと手を握って回った。
最後に、もう一度カプセルトイに挑戦しようと休憩所へ。]
よーし大盤振る舞いで回しちゃお!
[アポロで無料なのだが、大人の財力っぽい掛け声で一気に10回チャレンジした。 海王星、火星、土星、金星、木星、海王星、地球、星、水星、火星………]
………あっ、
(359) steel 2023/11/27(Mon) 18時頃
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で、出たーーー!!! シークレット出たよ!!やった!!!
[連続して出てきた10個の中に、シークレットの星マスコットが入っていて、大喜びした。 カプセルを開けて星を取り出すと、雛子に差し出す。]
はい。これは雛子ちゃんのお土産ね。 よかったーー。
[当たりの星マスコットも大量の惑星ぬいぐるみも、みんな微笑んで”おめでとう!”と言っているようだった。]*
(360) steel 2023/11/27(Mon) 18時頃
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― 翌朝/遊園地 ―
[シークレットの星のマスコットをあげると、嬉しそうにしてくれたので、同じように嬉しそうに微笑みながら。 雛子ももう一度回すと言うので、後方で見守る。 シークレットが出た瞬間は、思わず『えっすごい!!』と声が出た。]
すごいすごーい!! 2人ともシークレット出すなんてツイてるなぁ。
[お揃いが良かった、と言って手渡されると、ふふ、ともう一度嬉しそうに笑って受け取った。]
本当、全部お揃いになっちゃったね。 まさかのシークレットまで。
(407) steel 2023/11/28(Tue) 01時頃
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なんだか、色々うまく行きそうな気がして来た。 単純かもしれないけど。
[昨日、人生を終える覚悟をしていた事なんて嘘のようだ。 帰宅してからどうなるかはまだ分からないけど。 今こんな風に笑っていられるのは。]
……色々ありがとう。
灰羅は君を妹みたいに思ってるんだって。 『泣かせるようなことはするな』って言われちゃった。
泣かせる事なんて勿論しない……というか、 君の笑顔が見ていたいから。 僕も頑張るね。
[そうして、二人で揃いの星マスコットを付け、 休憩所を後にした。]*
(408) steel 2023/11/28(Tue) 01時頃
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― 帰還後のはなし ―
[帰宅した日。義父との話が終わってから、雛子と麗のいるマンションに帰ったのは少し遅めの時間だった。 とても心配されていたけど、大丈夫だよ、とだけその日は告げて。
最初に考えていた通り、雛子には付き人が使っているマンションで暮らしてもらう事になった。 キラも自宅からそれなりの頻度で顔を出していたが、雛子が来て以降は以前にも増して頻繁に現れるようになり。
役者の化粧道具と演技用の小物は、基本的にお弟子が担当する。 付き人の仕事はほぼ雑用だけど、しばらくは麗に教えて貰いつつこなしているだろうか。
───女形の姿を雛子に見られるのは、何故か少し気恥ずかしいな、という気持ちになったけれど。それも一度舞台に立てば、別人になる。
舞台を降りて、出待ちの女の子たちに迎えられる時、 つい、煙崎るくあの姿を目で探すこともあった。
もう、彼女はどこにもいない。]
(410) steel 2023/11/28(Tue) 01時半頃
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……以前はよく見かけていたから、 今でもつい、るくあちゃんの姿を探すんだよね。
[ふ、と楽屋で雛子に漏らした事もあるかもしれない。
自首しなかった事で、心の中で晴れないモヤがいつまでもあった。 消化するのがとても難しくて。 舞台に打ちこんでいる間はよいけれど、時折、深い霧の中にいるように不安定な精神状態になる。 そんな時、いつも雛子の元に訪れた。
手を握って話を聞いてもらうと落ち着くことが出来た。
それは、彼女が数少ない”事件の真相をすべて知る人”だからに他ならない、と思っていたのだが───。]*
(411) steel 2023/11/28(Tue) 01時半頃
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── ある日の楽屋 ──
[いつものように、楽屋で一息ついている時間。 今日は珍しくお弟子の麗が発熱していて自宅で休んでいるので、雛子に化粧道具の手入れを頼んでいた。 鬘を脱いで頭に羽二重を巻いただけの状態で、化粧台の椅子に腰掛け一息をつく。]
ごめんね、全部やってもらっちゃうと忙しいでしょ。 少し座って休まない?
[そう雛子に声をかけると、隣の空いている化粧椅子に来るよう彼女を促した。 隣に彼女が来たなら、じぃ、と見つめて、口を開く。]
……雛子ちゃん、お化粧してみない?
(414) steel 2023/11/28(Tue) 01時半頃
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[雛子は驚いたか、遠慮するだろうか。 ずいっと前に出て、彼女の柔らかい頬に触れる。]
若いから肌も綺麗だし、薄化粧でも変わりそうだな。 あ、僕、お化粧のプロだから。 じっとしてて?
[そう言ってウインクをすると、自分用の化粧箱を傍に置いて、雛子の顔に手を掛けた。 歌舞伎役者は基本的に、自分で化粧をする。キラがプロであると言うのは嘘ではなかった。化粧水をつけて、下地を塗り、牡丹刷毛で薄く白粉をはたく。 舞台用の化粧はわざと大雑把に塗るものだが、これは普通の化粧なので出来るだけきめ細やかに丁寧に。]
綺麗な二重だからこれは手をかけなくていいね。 少し目を瞑って……。
(415) steel 2023/11/28(Tue) 02時頃
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[眉を整えて薄くシャドウを乗せ、目元を作り上げると、 最後に唇に紅を差した。 唇に触れる時、あまりの柔らかさに少しドキドキしてしまう。]
……はい、出来た。
[そう言って、自身の手鏡を雛子に手渡す。]
思った通りだ。……綺麗だな。
(416) steel 2023/11/28(Tue) 02時頃
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[ずっと雛子にお化粧してみたいな、と考えてはいたのだが。 ”思った通り”というのは実は嘘で。 思った以上に綺麗な彼女が目の前に現れたので、瞬間少し動揺してしまった。]
雛子ちゃんは、人の見た目に興味ないって言ってたけど。 僕は美しいものが好きなんだよね。
[目の前の彼女の美しさに素直に降参して、そんなことを言ってしまってから、慌てて付け加える。]
……あっ、でも。 雛子ちゃんは素顔でいいよ。お化粧した顔、とてもきれいだけど……
(417) steel 2023/11/28(Tue) 02時頃
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……なんだろ。 あんまり他の人に見せたくなくなっちゃった……
………、 ……なんてね、あはは。何言ってるんだろ僕。
[何も考えずに思い付いた順に喋っているから、声になって外に漏れた自分の考えに、己で驚いた。 自身も化粧した姿だったから、頬に紅が差してもきっと彼女には気付かれないだろう。]
(418) steel 2023/11/28(Tue) 02時頃
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[別に今初めてすべてを自覚したわけではなかった。
ただ、そんな独占欲が自分にあった事に驚いたのだ。
彼女に持ち続けている感情を、 もはやどう表現したらいいのだろう───。]*
(419) steel 2023/11/28(Tue) 02時頃
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─ その後・とあるカフェ ─
[あの遊園地から、どれほど経っただろうか。 雛子と外のカフェでランチを食べている時に聞いてみた。]
ねぇ、そういえば。 雛子ちゃんは兎坂庵、行きたいよね。
僕はあの場に居た人には、まだ顔を合わせづらいから… 一人で行って来る? お休み取っていいよ。
[自分なりの償いを、とずっと考えてはいるが。 まだ答えは見つかっていなかった。
雛子は1人だと遠慮するかもしれないな、と思いつつ。 星座のクリームソーダのストローをぐるぐる掻き回す。 ミルキーウェイという有名な星座モチーフのカフェは、どことなくギャラクシーランドを思い出させる。]
(430) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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[自分なりの償い。 それはまだ深い霧の中にあるけれど。
そういえば、雛子を幸せにすることが煙崎るくあに対する償いではないかと考えた日も、確かにあった。]
──……
……雛子ちゃん。
[ストローで遊ぶ手をふと止めて。 星座モチーフの何かを口に運ぶ彼女をじっと見つめ呟いた。]
(431) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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今、雛子ちゃんは幸せ……?
(432) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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僕は……、 雛子ちゃんを幸せにしようと思って うちに連れてきたんだけど……、
[また、考えながら話している。 生まれて初めて、自分が現在進行形で話している内容を恐ろしく感じていた。似た経験をしたことがないからだ。]
……そうじゃないな、って思って。 いや。幸せにしたいのは本当なんだけど。
(433) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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僕は、自分が幸せになりたくて君を連れてきたんだと思う。 最初から。
……出会った時、君がまだ高校生だったから、 考えないように自覚しないようにしてたけど。 君といると楽しくて… 何をしてても可愛く見えて…
……って、カフェでしていい話じゃないな……。
(434) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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……か、帰ろうか。
[そう言うと、慌てて残りのソーダを飲み干して、傍らに置いたサングラスを掛けた。 雛子が食べ終わるか飲み終わるのを待ってから、手を繋いでカフェを出る。 もしかしたら、こんな風に手を繋ぐのもあの遊園地以来だったかもしれない。]
(435) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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[繋いだ手から伝わるほど心臓が早鐘を打っていることに、彼女は気付くだろうか。サングラスの下で仄かに頬を染め、無口で手を引いて歩く。おそらくそんな亜綺羅を見るのは初めてだっただろう。
この出来事、というよりは、雛子との出会いで、綺羅之介の舞台での演技が大きく変化することになる。
つまり恋を知ったのだ。]*
(436) steel 2023/11/28(Tue) 04時頃
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─ その後・カフェの帰り道 ─
[手を引いて、人混みを掻き分けるように歩いていきながら。 彼女の声が微かに聞こえる。>>439
雛子の幸せとは何だろうか、と、引き取ることに決めた時から考えてはいた。衣食住に不自由しないことは、おそらく最低限の下地で、人間の幸せはもっと別のところにある。それは身を以て知っていたから。
だけど雛子は今、幸せだと言った。
顔に書いてあると言われる、と。
元よりキラ目線では、彼女は感情の揺れが分かりやすい子だったのだけど、毎日をほぼ共に過ごすようになってからは、少し感想が変わった。彼女の感情が揺れるのは自分、キラが原因のことが多い。 最初から、特等席で彼女を見つめていたらしい。]
(450) steel 2023/11/28(Tue) 10時半頃
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[そして知れば知るほど、他の表情も見たくなって。 移動しながら少しずつ、ぽつりぽつりと、言葉を落としていく。]
──……僕は、素の自分がそれほど好きでは無くて。 舞台に上がっている時だけが幸福な時間だったんだ。 だって、舞台上の僕は幸福な役を演じているんだからね。
[だから不幸な役の時は不幸なんだけど、と、くすりと笑って。]
でも、不幸な役を演じていても、御客さんが観て、同情して、涙を流してくれるから、独りではないと感じられて。矛盾してるようだけど、不幸でもやっぱり幸せなんだ、舞台の上なら。 独りじゃない、という感覚は舞台の上でしか得られなくてね。 そこを降りたら、僕はただの空っぽな人間だった。
だけど、雛子ちゃんが来てから、舞台を降りたあとに会えるのが楽しみになった。
(451) steel 2023/11/28(Tue) 10時半頃
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最初は、女の子の付き人だから細やかにお世話してもらえるのが嬉しいんだと自己解釈してたけど。 お疲れさまでした、と声をかけてもらえて嬉しい。 僕の着付けを手伝ってもらうようになってからは。舞台に上がる時の気持ちに張りが出るようになって。 それから──……
[手を繋いで、駅とは反対方向の公園に辿り着いて。ひと気が少なくなった頃、足取りが緩やかになる。木漏れ日の下を、ただ話をするために歩いた。]
……普通に、会いたくなってた。
舞台と無関係に、普段の僕で、君と一緒に過ごしたい。
あの遊園地の時みたいに、笑い合って……
(452) steel 2023/11/28(Tue) 10時半頃
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[そこまで話を終えると、ふと、足を止める。 誰からも聞かれない木陰で、引いていた手を握り直して、彼女と向き合った。]
……そんな風に、誰かに対して思ったのは 僕は生まれて初めてなんだ。
だから、何て言うのが正解なのか分からないけど…
[眉をハの字に下げて、先刻の言葉への返事を。>>439]
……君と居たら、 舞台を降りた僕も、幸せになれる気がする。
……… 一緒に、幸せになってくれる……?*
(453) steel 2023/11/28(Tue) 11時頃
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[目を細めて微笑む雛子に。同じように嬉しそうな微笑みを返して。人目もない場所だから、改めてサングラスを外した。]
そうか…。何となく感じ取ってはいたんだけど。同じ気持ちでいてくれて嬉しいな。
………触れてもいい?
[雛子の許しが得られれば、そのまま目の前の細い肩を引き寄せて、抱き締める。 静かな時間は、あの夢のような遊園地で燥いだ日から、とても遠くまで歩いて来たことを感じさせた。 だけど独りではなく、一緒に歩いて来たのだ。
柔らかい髪をしばらく撫でて、囁いた。]
……ところでさっきのは、 告白じゃなくて、
(467) steel 2023/11/28(Tue) 14時半頃
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プロポーズだけど、分かってる?
[抱き寄せた身体を一度離して、肩に手を置いたまま、告げる。 それから、くすりといつもの顔で笑って。]
順番間違えちゃった。 こういうの初めてだから許してね。 好きだよ、雛子ちゃん。
[そしてもう一度、木漏れ日の下で細い肩を抱き締めた。]*
(468) steel 2023/11/28(Tue) 14時半頃
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プロポーズ通じてなかったの?
[少し笑っていたかもしれない。髪を撫でながら、彼女の心臓の音を心地よく感じ取る。背中に回された腕は、細く小さいけれど。]
歌舞伎の台詞だと何でも遠回しに言うのが粋というか。直球は無粋な世界なんだけどね。 現実はやっぱり違うな。勉強しなきゃ。
[指先で髪を梳くように撫でつつ、時折耳やうなじに軽く触れた。 様子を注意深く見ながら、頬に手を添えて、上を向かせる。]
(484) steel 2023/11/28(Tue) 17時頃
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付き人ではなく、僕の伴侶になって。 ずっと傍で手を握っていて欲しい。 僕も、もう死ぬまで離さない。
[雛子の返事を貰えるか、貰わないか、そのまま首を傾けて唇を重ねて。 そっと顔を離すと、ふたたび手を繋ぐけれど、ここに来た時とは違う繋ぎ方で、木漏れ日の中を歩いて帰った。]**
(486) steel 2023/11/28(Tue) 17時頃
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── それから ──
[あの遊園地の一件から、かなりの月日が経ってから、 ひょっこりと、サングラスに和柄のシャツ、紫色の髪をした男が現れた。 歌舞伎役者の中村綺羅之介だ。 一緒に着ていた小柄な女性と店内に入ると、カウンター席に並んで座って、メニューを眺め始める。 しばらく迷ってから、口を開いた。]
すみません、ほうじ茶と大福ください。 あ、大福はおすすめの種類があればそれで。
[マスターがこちらを見たら、卯木さんだ!という顔をしてしまう。]
(510) steel 2023/11/28(Tue) 21時半頃
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[どんな顔をして伺えばよいのか分からなくて、随分と時間が経ってしまってからの来店だが。 ひっそりとでも約束を果たしたくて。
卯木がこちらに気付いても気付かなくても、勝手に話を始めた。]
……随分前に、マスターと会って、ここに来ると話していたので…… ……やっと来れました。
[ほうじ茶と大福が出てきたら、隣にいる雛子の注文したものが出てくるのを待って、一緒に食べ始める。]
(511) steel 2023/11/28(Tue) 22時頃
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えっ美味しーい!!
ねぇこれ美味しすぎるよ!一口食べる?
[一見、女友達同士のような雰囲気ではしゃぐけど、隣に座った女性に一口分けてあげる時の顔は、明らかに恋人同士だった。 実際は恋人ではなく婚約者であるが。
もしも卯木が気付いたら、少しずつ、帰還後にどう過ごしているのか。難しいけれど、聞かれれば心境も。本当に少しずつ、話すつもり。]**
(515) steel 2023/11/28(Tue) 22時頃
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──数年後・歌舞伎座──
[歌舞伎座に並ぶ紅紫色の旗。 その日は、綺羅之介の代表作となった演目『寒芍薬血染めの十字架』千秋楽だった。
内容はこうだ。 花魁・夕狐は姿見る者すべてを魅了する狐の妖怪。 位は座敷持で、結いは伊達兵庫。紅紫色の寒芍薬柄の着物を着ている。 町一番の美丈夫から、村はずれに住む若衆まで、皆が夕狐に恋をして求婚してくるが、夕狐は「私(わっち)の術に浮かされておるのであろう」と、誰も信じる事が出来ない。ある者は殺し合い、ある者は夕狐が手に入らぬことに絶望して自害していく。
寒芍薬が寂しく咲く林下、孤独に耐え切れず悪鬼と化す寸前の夕狐を、兄狐が毒殺する場面で舞台は終わる。]
「 有難う。 私、今 とっても しあわせ 」
[煙崎るくあの放ったあの言葉を、あの表情を 模していることは、綺羅之介本人しか知らない。]
(516) steel 2023/11/28(Tue) 22時頃
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[幕切れ前のこの台詞の名演技により、夕狐に魅せられた客足は途絶えず前例のないロングランになった。 その後も末永く再演され、愛される演目となる。
一度だけ、夕狐演じる中村綺羅之介がインタビューで答えたことがある。]
僕の演じる夕狐には、モデルとなった女性が居ます。 いえ、そういう意味では御座いません。 僕は妻以外の女性に恋したことがありませんので。
その方は……そうですね。 ずっと心の中で花を手向け続けているひとです。
[綺羅之介が夕狐のモデルとなった女性について語ったのはこの一回のみ。]
(517) steel 2023/11/28(Tue) 22時頃
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それじゃあ行って来るね、雛子。
[舞台に立つ前の中村綺羅之介はいつも、傍らで世話をする妻に声を掛けてから、光の中に歩み出していた。
尚、妻となった女性の名前は固く秘匿され、世に知れ渡る事はなかったけど、いつも一緒に居て笑い合っている、幸せそうな夫婦だったと記されている。]**
(518) steel 2023/11/28(Tue) 22時頃
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