人狼議事


10 冷たい校舎村9

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視点:


【人】 真向一気 シンイチ


[ 夜だった。慎一は教室にいる。
 朝が来るまでまだ少しあるね。

 なんにも書くようなことがない時間。
 教室は暗くて、窓の外は白かった。

 慎一にはこういう時間が苦じゃないけど、
 穴埋めになにか話でもしてようか。]
 

(10) 2021/06/10(Thu) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……や、もう何も特別する話がないなあ。
 購買のパン、一枚の10円玉、突然の大雪。
 もうそれで全部なんだ。慎一の身の上話。

 ただ、たぶん。何かの拍子に思ったんだ。
 日常のほんのささくれに打ちひしがれて、
 そんな自分に、慎一は付き合いきれない。]
 

(12) 2021/06/10(Thu) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ みんなといるのはすごく楽しかった。
 けど、慎一はちっともラクじゃない。]
 

(13) 2021/06/10(Thu) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……ああ、やっと6時だ。朝食にしよう。*]
 

(14) 2021/06/10(Thu) 00時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 午前8時50分・購買 ──


  …………あ?


[ その時間、慎一は朝食を済ませて、
 自分の使った食器を片して──、

 いつもどおり、購買に向かって、
 今日は固定メンバーとミックスサンド。
 レジのところでまたメモを書いていた。

 必要ないのかも。と薄々思いながらも、
 昨日そうしたから、今日も同じことをする。

 ふと、買った食べ物の賞味期限を気にして、
 スマホの日付を確認しようとしたとこだった。
 違和感。その正体に気づく前にそのときは来る。]
 

(15) 2021/06/10(Thu) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ そうそう、朝にごはんが食べたい人は、
 さすがに一膳分炊くわけにもいかなくて、
 いくらか余っているから食べてもいいよ。

 クレープだってまだ残ってるかもしれない。
 昨日の慎一ははじめに取ったひとつを、
 きれいに食べきっただけだからね!]
 

(16) 2021/06/10(Thu) 00時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……まあ、そんな場合じゃなくなるか。

 朝の8時50分。
 始業に相応しい時間にまたチャイムが鳴って、
 慎一は少し迷ったすえにゆっくり歩き始める。**]
 

(17) 2021/06/10(Thu) 00時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/10(Thu) 00時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 昨晩・3年9組 ──


  ……ヘーキ。
  ひとりでいい。


[ ──って、慎一は言ったんじゃないかな。
 これは夜の話。まだみんな起きてたころ。

 数名の残ってた教室にとどまらず、
 すぐ出ていこうとした慎一に、
 かけられた声があったから。>>46

 へらっと笑って慎一は出ていく。
 ひとりで平気じゃないわけがなかった。*]
 

(75) 2021/06/10(Thu) 09時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・1階廊下 ──

[ 購買にいる間にチャイムが鳴って、
 それで慎一は廊下に出たんだった。

 米を炊いたなら教えろって?>>37
 偶然会った人には言ったじゃんか。
 自分のためにしたことなんだから、
 黒板に書き残す道理もなかった。

 ……とにかく、
 今はもう朝で、お米は炊けてて、
 慎一は冷蔵庫の卵をひとつ消費して、
 財布の中身も昨日より減らして、
 今日もパンを抱えて歩いている。]
 

(76) 2021/06/10(Thu) 09時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 廊下に落ちているものの異変。
 さすがの慎一もはじめ気づかなかった。
 今度は正確に、「さすがの慎一も」でいい。

 変化にめっぽう弱い慎一が、
 そのとき気づかないでいられたのは、
 きっとちゃんと上靴を履いてるおかげで、
 そこまで足元を気にしなくてよくなったせい。

 それで、廊下と渡り廊下の境目くらい。
 奇妙なカッコをした人影を見る。>>66]
 

(77) 2021/06/10(Thu) 09時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……暮石?
  なにしてんの?


[ しゃがみこんでいる。というのは、
 慎一にだって見ればわかるんだけど。

 困惑って感じに見降ろして、
 ちょっと近くまで距離を詰めたけど。

 慎一は両手に大事にごはんを抱えてるので、
 残念ながら、支えにどうぞと差し出せる腕がない。**]
 

(78) 2021/06/10(Thu) 09時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/10(Thu) 09時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・渡り廊下 ──

[ 暮石の首がだんだん上を向く。>>164
 少しずつ傾いてって──、ぼきり。

 ……とはならなかったけど、
 徐々に傾く様子を見てた慎一は、
 九重みたいな人形を思い出して、
 ……ちょっとだけドキドキした。

 ごく近くまで来て、見下ろす。
 ……大丈夫、ちゃんと人間だった。
 口は開くし、声だって発する。]
 

(188) 2021/06/10(Thu) 18時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……落とし物?


[ そう言いながら何かを手繰るように、
 暮石の手が硬貨を一枚握りこむ。>>164
 それを慎一は立ったまま見てる。]


  え? あーー、うん。
  今日もあって、よかった。


[ 急に自分に話題が飛んできたから、>>169
 慎一はちょっとびっくりしちゃって。
 半ば反射的に答えはするんだけど、けどさ。]
 

(189) 2021/06/10(Thu) 18時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……立たねえの?
  まだ見つかんねえのあるなら、探す?

[ パンはそのへんに置けばいいしね。
 しゃがんだままってのは、変だよ。>>169
 慎一もさすがに怪訝に思うくらい。

 いつも通りのへらっとした笑いを向けられて、
 慎一は困惑したような顔をしちゃう。]


  つか、こんな時間から、
  なんでこんなとこ──、


[ そう言いながら顔を上げて、周囲を見て、
 そのときやっと慎一はひとつ変化に気づいた。]
 

(190) 2021/06/10(Thu) 18時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一が歩いてきたのと、反対側。
 暮石がいるほう。渡り廊下の奥。

 同じものがいくつも並んでる。
 同じもの。3年9組の屋台。ちょっとホラーなお店。

 昨日出口を探してさまよってたとき、
 ここは、こんなふうじゃなかったはずだ。
 ……おばけの学校じゃないんだから、
 もっと彩り豊かな通り道になっていたはず。だった。

 唖然。という感じに慎一はそれを見る。]
 

(191) 2021/06/10(Thu) 18時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……なんで?
  昨日まで、こんなんじゃ……、


[ 本当に純粋に「増える」あるいは「代わる」、
 そうなることの意味が理解できずつぶやく。、

 ああこれは、ほぼ独り言しての「なんで」だから、
 あんまり気にしてくれなくてもいい。

 どちらかというとひとつ前、
 どうしてここにいるのかってほうが、
 疑問らしい疑問ではあったんだけれど。
 果たして答えは得られるんだかどうか。

 ぽかんとしたまま、もう一度暮石を見下ろす。
 さっきちらりと見えた硬貨の意味にも気づかずに。*]
 

(192) 2021/06/10(Thu) 18時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/10(Thu) 18時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・渡り廊下 ──

[ 今日も不思議なテンポで暮石は言う。>>225
 「そうだねぇ」差し向けられた同意と、
 そこからはじまる短い沈黙と。

 示された右手が振られるけど、>>226
 ただ拳がゆらゆら揺れてるだけ。]


  見えねえけど……?


[ 「ほら」と言われましても。
 そう続けてもよかったんだけれど、
 慎一の意識がふいと逸れたからダメだった。]
 

(230) 2021/06/10(Thu) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 迷子みたい?>>226
 実際ほとんど迷子みたいなものじゃない?
 不思議な空間に迷い込んで、
 行くところも帰るところもわかんない。

 ……視線がかちりと合って、
 すうっとその目が細められてく。

 「向井くん」名前を呼ばれて、
 ……もう一度。目の前が翳る。>>227]
 

(232) 2021/06/10(Thu) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……はい。


[ 二度呼ばれた名前に、それしか浮かばず。
 慎一の返事は点呼のときみたく簡素だけど、
 ちゃんと目の焦点は合っているから平気。

 手に持ったものを取りこぼすこともなく、
 自力で立ち上がってた暮石を見てる。

 それで。与えられた答えに数度まばたき。
 帰ろうとその場を去ろうとするなら、
 ヤダヤダって駄々をこねるような真似しないけど。]
 

(234) 2021/06/10(Thu) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……いいの?
  なんにも買わないで。


[ ……なんにもつったって、
 もうここには一種類の屋台しかないのだった。

 財布を持って小銭を取りこぼしてたこと。
 それについての疑問でしかなかったけれど、
 はて。ここで何を買うってんだろうな。
 さっきの言葉じゃ「なんで」には、
 少しばかり不足しているんじゃないだろか。

 とはいえ、歩き出すならそれでいい。
 あの日、ほとんど一日中立ってた場所。
 オカルトちっくな屋台を少し振り返り、
 懐かしいような、複雑な気分を抱えて。]
 

(236) 2021/06/10(Thu) 21時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ──それにさ、]


  ……ホントに危ないのかなあ。
  ここが誰かの頭ん中だとしても?


[ 根拠のない言葉がぷかぷかと、
 ごく自然に慎一の口からこぼれてく。

 ここが、誰かの頭の中なら。
 もうだれかとそういう話した?

 ここが、ここにいる誰かの精神世界なら。
 いなくなった九重。散らばったカッターナイフ。
 物騒な世界だけど、本当に危ないのかなあ。
 不安がって迷子みたいな目ばかりするくせ、
 考え出すとそこが引っかかって仕方ない。*]
 

(239) 2021/06/10(Thu) 21時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/10(Thu) 21時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・渡り廊下 ──

[ 目の前で広げられた手が案外大きくて、
 慎一の視界はすっかり暗かった。>>272

 視界からの情報をなくしたまま、
 変わらない調子の暮石の声を聞いてる。]


  ……変なの。


[ 再び光がさして、今度は慎一が目を細めた。
 笑みをつくるんじゃなくって、ただ眩しくて。
 明るさに慣れたら、またそこに暮石がいる。

 両手をすりあわせるしぐさ。
 慎一はなんとなく、そこに小さい爪を探しちゃう。]
 

(291) 2021/06/10(Thu) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 暮石は目が回りそうだったらしい。>>272

 そんなこと知らない慎一は、
 ただ気になって後方を振り返ってた。

 なんとなく投げかけた疑問には、
 少しの間と首をかしげるしぐさのあと、
 肯定する言葉が返ってきた。>>273
 だから慎一はただ同意を得た気分でいた。]


  うん。だって、
  ひどいことするようなやつ、
  ここには────、


[ いないだろ。って、当たり前に言おうとしてた。
 慎一はみんなことが好きだよ。当たり前に。]
 

(292) 2021/06/10(Thu) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  …………。


[ さっきの掌を、慎一は親切だと受け取ったのに、
 暮石は今度は動揺させるようなことを言う。>>274

 せっかく立ち止まって、振り返って、
 また歩き出そうとしてたとこだったのに、]


  ……なんで、


[ 慎一はまた立ち止まってた。驚いて。
 泣き出すわけじゃないけど数秒固まって、
 それで──、暮石が笑わないから、
 仕方なくひとりでへらりと笑った。]
 

(293) 2021/06/10(Thu) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……あー、いや。そっか……
  そんなにわかりやすいかなあ。
  ユーガには褒められたのに。

  暮石、よく見てるね。人のこと。


[ 「そうだね」って慎一は付け足した。
 慎一にとってはやりづらい世界だった。

 なんだか急にみんなの中にどうやって、
 飛び込むんだかわかんなくなったみたい。

 それ以上に言うことが出てこなくて、
 きっとまた、少しだけ沈黙。
 ゆっくりと歩きだしかけて、思いついた。]
 

(294) 2021/06/10(Thu) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……でも、嫌いじゃないよ。
  ここ。悲しいけど、誰かの頭の中なら。
  ただちょっと、息がしづらいだけ。


[ ぽつ、ぽつと言葉をこぼしながら、
 この同じ景色から抜け出すべく歩こうか。

 あんまり早い速度ではないけど、
 慎一はゆっくりと歩き出そうとして、
 しながら、過去を振り返ったりしている。]
 

(295) 2021/06/10(Thu) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  暮石は──、ヘーキ?
  息、しやすくなった?


[ 平坦じゃなかったときの会話。
 慎一は自分から持ち出して、
 ちらりと暮石のほうを見た。

 さっきかざされた手。
 大きな掌。傷のない手首。

 今はふたつ合わさるそれを見下ろして。
 笑いを引っ込めて、おずおずと尋ねる。]
 

(296) 2021/06/10(Thu) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……ここ、暮石の世界じゃ、ない?


[ 「いいなぁ」って、
 自分に差し向けられた声。
 慎一はどうにも忘れられないでいる。*]
 

(297) 2021/06/10(Thu) 23時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 00時頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・渡り廊下 ──

[ 確かにそれならフツーだった。>>324
 慎一もよくやること。フツーに。

 そして、その目論見どおり。
 うやむやになってしまった疑問を、
 慎一はうまく投げ返せずに、
 短い渡り廊下を歩いていく。まだ歩いてた。

 ほんのすぐ先の建物が果てしなく遠いな。
 慎一がやたらと立ち止まるせいだ。

 少なくとも慎一にとってはそうだよ。
 再開されるはずの歩みを止めたのは慎一だった。
 ちゃんと歩き続けていれば着いただろうに。]
 

(351) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ そんな些細な認識のズレに気づかないのは、
 相手の思考を読めないからであって──、
 つまり、暮石の指摘は正しいんだろう。>>326

 拾っては向けられる思い出の断片に、>>325
 慎一もうまく笑えていないだろうから、
 へらへら笑いの消えた会話。]


  ……うん、言った。


[ はじめに出てきたのは肯定。
 下がった眉尻が笑顔を崩した。]
 

(352) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  自分にとってラクでもないこと、
  続けられんのはえらいと思うし、

  ラクかどうかが判断基準なのも、
  俺にとって大事なのもそう、だけど──、


[ 言わなきゃわからない。>>326

 知ってる。
 言ってもらえなきゃわからないこと。
 昨日だって実感したばっかりだった。

 だけど、言ったって仕方ないから。
 どうしようもないことだからって、笑っていた。
 知らないところで差し伸べられていた手。>>327
 そういうものに少しだって気づかないまま。]
 

(353) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 暮石の言葉は慎一に語り掛けるようで、
 どこか別にも向いているようで、>>326
 結局返事に迷った慎一が生んだのは沈黙だった。

 でもさあ、言わなきゃわからないなら、
 慎一は言っておかなくちゃいけなかった。

 慎一には不都合の多い世界。
 だけど、嫌いなわけじゃないよ。本当に。

 遺書みたいなメール。文化祭の様相。
 死んじゃったかもしれない人探し。

 そういうものにつられて、
 一度だってよぎってしまった相手ならなおさら。]
 

(354) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……うん、ヤだよ。
  息がしづらいのはしんどい。
  想定外のことばっかなのは疲れる。

  頭ン中真っ白になって、
  ひとつもちゃんと考えられなくなる。
  俺がぐちゃぐちゃになっちゃう。

 

(355) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 教室から駆け出しちゃうくらいにね!
 ……それは言わなくてもいいかな。
 さすがに伝わるよね。恥ずかしいんだ。

 真面目な顔して首をかしげる暮石を、
 慎一はまっすぐに見つめている。>>327

 さて、今言ったのも十分情けないけど、
 慎一は大真面目だったんだ。
 ここから先も大真面目に言うので、
 もう少しだけ、そうやって聞いててほしい。]
 

(356) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  でも、それは俺の問題で──、

  それより、この世界作ったやつも、
  こんな世界作っちゃうくらい、
  文化祭、楽しかったんだなあって。
  それは、なんか……うれしいし、

  それでも、もうダメなくらい、
  疲れちゃったんだろうなあって。
  そう思うと、悲しくなんない?

  だから、嫌いにはなれない、みたいな。

 

(357) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 「嫌いじゃない」の補足として、
 これは果たして十分だっただろうか。

 言葉にする気のなかったことを、
 探り探り声に出しているものだから、
 多少拙い部分はあったかもしれない。
 ジャッジはそちらにお任せするね。

 それから。先ほどのご指摘を受けて。
 慎一の「大切」についてもひとつ付け加えよう。]
 

(358) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……それに、
  本当にラクなのが一番大事なら、
  俺、クラス委員なんかやってない。
  文化祭なんかたぶん、休んでるよ。
  うるさいし、人多いし、疲れる。

  でも、楽しそうだなーって。
  やってみたくなっちゃって……、

  ……欲張るから疲れるんだろうけど。
  でも、楽しかったなあ。……ほんとに。


[ ゆっくり。思い出を語るような口調で、
 慎一は言いながら少し笑ってしまう。
 だって、なかなか情けない話だろう。]
  

(359) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……だから、ラクじゃないのは疲れるけど、
  たぶん、ほんとは向いてないけど、
  楽しいことも大事だったよ。俺には。

  どんなに疲れるんでも、
  みんなと一緒になって楽しかった。

  当日だって。すぐパニクって。
  必死で暮石のボタン′ゥたりさ、
  いろいろあったけど──、


[ ごめんね、優柔不断で。
 2つに1つをどうしたって選べない。
 それでも楽しかったよ。
 そういうニュアンスで語ろうとして、
 慎一はふと言葉を詰まらせた。]
 

(360) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 誰にもしてなかった話を思い出したのだ。
 「いろいろあった」の大部分を占めるもの。

 今まで誰にも言わず隠し持っていたものが、
 そのとき、慎一の喉元までせりあがってくる。

 慎一にとって、文化祭にたったひとつついた瑕。
 ……いや、慎一自身の過ちでしかないそれを、

 打ち明け話か、あるいは懺悔。
 ……みたいな口調で静かに添える。]
 

(361) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  本当はあの日、合わなかったんだ。
  記録上と、実際の残金。10円だけ。
  何回数えても、10円多くて……、

  そんとき、俺、テンパって──、
  ……抜いたんだよね。帳尻合わせるために。

  だから……ゴメン。
  楽しいとか言ってちゃダメなんだけど。


[ なんでなんだろうなあ。
 どこか他人事のように慎一は振り返ってしまう。

 あとから振り返れば、なんで起きたのかわからない、
 なんでしちゃったかわからないような失敗を、
 自分自身の手で積み重ねてばっかりだった。]
 

(362) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ──そんな話をしたから。
 また少しの間、慎一は黙るしかなかった。

 次に口を開いたときには別の話題。
 ずるいやり方で暮石に話題を向けて、
 また、息を詰めさせてしまっている。>>328]


  ……ずっとこのまま、かあ。
  そういや、チャイム……、


[ 始業の時間にまた鳴ったチャイムのこと。
 何もないとは思えなくて、だからこそ、
 続く言葉に、うまい言葉が浮かばなくて、>>330]
 

(363) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ きっとこのままだよ。とは言えなかった。
 きっとこの世界に終わりはある。
 世界の持ち主の生と死、どちらかを区切りとして。

 そんなことやっぱり言えるはずなくて、
 黙っているうちに発せられた言葉は、>>332
 先ほどまでと違って少し尖って聞こえた。

 向けられた視線の色が変わって、>>332
 ……慎一は少し驚いたんだけどね、
 でも、ごまかすような話でもないから、
 静かに、正直に答えるね。笑いもせずに。]
 

(364) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……信じるよ。

  暮石が「自分じゃない」って言えるなら、
  それが一番いいことだと思うから。


[ あの遺書みたいなメール。
 悲鳴の上がる校舎。散らばっている刃物。
 それらを生み出す覚えがないっていうなら。

 自分で自分を信じられるなら一番いいよ。
 暮石がそう信じるなら、慎一もそうする。

 気づけばまた立ち止まったままだった。
 不安も敵意も、何を向けてくれてもいいよ。
 ただじっと、その目を見つめていた。*]
 

(365) 2021/06/11(Fri) 03時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ──これは、それより後の話。]
 

(366) 2021/06/11(Fri) 04時頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 午後 ──

[ そのときの慎一の顔色は──、どうだろう。

 ただ、少なくとも何があったって、
 慎一はきちんと食事をとるんだろうし、
 それはすでに買ってあるパン類。
 ……という2点においては揺るぎなく。

 つまり、かけられた声に顔を上げて、>>310
 一瞬、不思議そうな表情を見せただろう。]
 

(367) 2021/06/11(Fri) 04時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 「不思議」というのは、
 今この状況で? というニュアンスなんだけど、
 ……いつもどおり昼食を取ろうとしてた、
 慎一に言えることはなにひとつないわけで。
 日常めいたことなら、慎一はいつでも歓迎する。]


  ン、……レン、買ってきたわけ?


[ うなずいて同席する意思を見せるだろうけど、
 食欲がないとやらで露骨に量が少ないなら、
 怪訝そうな顔くらいはしたんじゃないかな。]
 

(368) 2021/06/11(Fri) 04時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ いつかあげたアイスのアタリ棒。

 忘れたわけじゃないけれど、>>0:1178
 慎一はとうに交換してると思ってた。

 だってそうじゃない?
 仮に件のアタリ棒が鳩羽の元じゃなく、
 慎一の妹のところに渡ることになってたら。

 ……そもそも、棒のままだったら、
 「汚い!」って受け取ってもらえないから、
 慎一はオマケのアイスだけを持って帰っただろう。
 いや、きょうだい仲は普通だと思うんだけど……。]
 

(369) 2021/06/11(Fri) 04時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……つい話が逸れちゃったね。
 元に戻すと、夏はもうずいぶん前に過ぎて、
 今は真冬。雪の吹きすさぶ冷たい校舎にいる。

 ぎこちない慎一のこと。>>309
 気づかれていただなんて慎一は知らない。

 取り繕うのは上達した気でいて、
 自己評価が変なところで高いもんだから、
 なぁんにも察することはなく、

 ──さらにいうなら、友人の様子にも。
 違和感のひとつも抱くことなく立ち上がる。]
 

(370) 2021/06/11(Fri) 04時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……どっか行く? ここでいい?


[ 慎一はさ、この友人とはとりわけ、
 いつもどおりでいたかった。

 いつもどおり。
 元気で明るい男の子がふたり。
 そんなふうに笑っていたかった。

 だから極力、いつもどおりみたいな声で。**]
 

(371) 2021/06/11(Fri) 04時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 04時頃


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 14時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 現在・渡り廊下 ──

[ なにも、今までだって、
 ヤだったんじゃなくて──、
 なにがって、こんなふうに、
 きちんと向かい合って、
 楽しいわけでもない話をするのが。>>380

 ただ、へらへら笑って水面を掬って、
 返事に困るような話をしないで、
 そうするのがいいんだって、
 うまいやり方なんだって慎一は信じてた。

 だから、へらへら笑いの消えた廊下で、
 ごまかしのきかない話をするとき、
 自分がどんな顔してるかもわかんなかった。
 そのぶん、そっちでよく見といてね。]
 

(452) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 正面を取ることがなかったから、
 お互いの顔もよく見たことないふたり。>>385

 それに、いつも目を細めて笑ってたから、
 思ったより目が大きいんだなあとか、
 場合によっちゃ拳が飛んできそうなことを思う。

 幅広の目のかたち。
 焦茶色の瞳の奥をじっと見たって、
 何かがわかりやすく浮かび上がるわけじゃないけど。

 言わなくてもいいかな。いいよね。
 心の中の声は伝わったらしい。>>383]
 

(453) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


  言われてみれば。

[ 慎一の記憶に残ってるのは、
 癖みたいに動き続ける両手。
 目前にかざされた手のひら。深爪。

 ……どうやら手元を見て話してたらしいね。
 素直に、新鮮で不思議な気持ちで同意を重ねる。]

  ……思ったよりちっちゃいね、暮石。

[ だから何ってわけでもないんだけどね。
 怖いものを覆い隠すような手のひらの印象。
 慎一は黙ってちょっとだけ、
 自分の中の暮石像をアップデートする。
 たぶん、チャートを作ったあの日以来に。]
 

(454) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……だから何というわけでもないから、
 慎一は自分の「嫌いじゃない」を補足して、
 途切れがちな言葉を吐く暮石を見てた。>>387

 「そう思う」返ってきたのは同意なのに、
 いったいそれってどういう顔なのさ。
 閉じられた瞳を少し不思議に思ってる。

 悲しい。かわいそう。
 慎一はね、そこから先に進めずにいる。
 だって、そこからどうすればいい?]
 

(455) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  でも、悲しいから──、
  だからって、どうすればいいんだろうな。


[ これは、答えを求めない類の問い。
 素直な慎一は同意を得られたと信じて、
 呟きとして、声を吐き出したんだけど。]
 

(456) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ この世界の主の話は悲しい。
 けど、慎一の話には少し笑ってくれてよかった。>>388

 大丈夫、ヤじゃなかったから。
 声に出された同意も、淡い笑みも。

 それはただ、
 慎一がそういうものなんだって話。
 それを聞いてどんな反応をするかも、
 そりゃあ個々人の自由なんだけれど。

 やっぱり、馬鹿にされると悲しいからね。
 安堵したように、眉尻がさっきより瞼の形に寄り添う。]
 

(457) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ それから。短い沈黙を経て。>>392

 慎一は自分ばかり話してたなって、
 そういうことになかなか気づけない。
 暮石がそっと息を詰めていることも。

 「信じて」と暮石は言って、>>394
 慎一はちょっと驚いたような顔したあと、
 それでもしっかりとそれにうなずく。]
 

(458) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……わかった。いいよ。

  ここは、暮石の世界じゃない。
  ……し、俺の世界でも、ない。


[ 本当はね、気にならなかったわけじゃない。
 暮石のことじゃなくて、後半の方。
 なんで除外されたかわからない自分。
 
 ──でも、
 信じるって言ったから、ただうなずいて。

 それに、慎一が「なんで」って言おうとしたとしても、
 きっと、それより先に暮石が動いてた。>>395]
 

(459) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 天井に向けられた手のひら。ひとつめ。
 ピアノ。答え合わせをするみたいに、
 短い爪がくるりと表に向けられる。>>395

 暮石が一歩下がる。ふたつめ。
 過去形をして語られる夢。
 言葉を挟めないまま、暮石がまた下がる。

 ポケットに手を差し込んで、みっつめ。
 また顕になった手のひらの上に、
 10円硬貨が一枚ぽっち乗っかっている。]
 

(460) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 「10円足りなかったの」暮石が言う。>>396

 あのね、その言葉を聞いて慎一の胸に広がるのは、
 ただ、「そうだったのか」ってモヤモヤの溶けた気配。

 慎一が何をしたかって事実は変わらないんだけどさ。
 解けるはずのなかった謎がひとつ解けて、
 慎一はそのときやっぱり安堵したのだ。

 だから、びっくりしてたんだ。
 あとずさっていく動きが不思議だった。
 重ねられる言葉の意味も。

 しばらくの間理解できないまま、
 その様子を見るだけだった慎一が、
 ようやく動き出したのは、
 きっと暮石が身を翻す瞬間だった。]
 

(461) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ かけられていたのは賛辞なんだろう。
 それから種明かし。謝罪。肯定の類。

 慎一の頭はまだちっとも追い付いてないのに、
 こんなところに置き去りにしないでほしい。

 いつもみたいにゆっくり話してほしかった。
 暮石がなんで笑ってるかもわからないまま、>>309
 反転する体に咄嗟に手を伸ばしてた。>>400

 買ってきたものは床に散らばるんだけど、
 慎一はあとで意地でもそれを食べるはずだ。

 その手が暮石の腕に届いたか届かないか、
 それってほんの一瞬のタイミングによるけど、
 そのとき真っ先に慎一の口をついて出たのは、
 なんていうか──、なんでそれだったんだろう。]
 

(462) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……じ、10円。こ、今度返すから。
  まだ、持ってるから。


[ もっといろいろ言いたいことはあったのにな。

 ピアノの話……は慎一は詳しくないけど、
 それでもしたかった。文化祭の話ももっと。
 夢の話だってちゃんと聞きたかったよ。
 なんで過去形なの? 無理強いはしないけどさ。

 それでも慎一の口をついて出たのはそれで、
 ふざけてるんでもない、大真面目で──、
 それでいてちょっとほっとしてるんだから、
 今言ったカッコイイを3秒で撤回してもいいよ。]
 

(463) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 乱したのが暮石だったとしても、
 慎一も明らかに間違えていたよ。

 どうせほかの誰も知らないんだから、
 このふたりでもう清算しちゃダメかな。
 なーんだそうだったんだって笑ってさ。
 怒られるのはヤだから、今回だけ内緒で。

 その無謀な10円玉作戦>>397は、
 収拾がつくかどうか怪しいけれど……。]
 

(464) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ピアノ、もう弾けないの? 弾かないの? ]
 

(465) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……とか、
 それらは全部慎一の中から、
 一番には飛び出してってくれなかったモノ。

 誉め言葉へのありがとうも、
 黙ってたことへのごめんねも。

 暮石がそれでも走ってくってんなら、
 きっとそれらは伝えられないまま。

 慎一の頭の中をとうぶんの間、
 ふわふわと漂うものになるんだろう。*]
 

(466) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── それから ──


  ダメとは言ってねーし。
  ……急だなあって思っただけ。


[ ちょっとひしゃげたパンとともに、
 慎一はいつも昼を食べるときみたく、
 椅子を鳩羽のほうへと寄せる。

 ちらりと袋の中身に目をやれば、>>373
 「……少ねーの」って一言つぶやいてやる。]
 

(467) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……そういえばさ、
  時間は進んで、日付変わんないなら、
  賞味期限ってどうなんだろ。

  ……いつまで食って大丈夫なんだ、コレ。


[ ふと思い出したように言って、
 パンの袋を見つめたりもしたけど、
 ……その事実は未発見だった? あら。
 それならあとで黒板にでも書いておこうか。]
 

(472) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……チャイムが鳴って消えた二人。
 現れたマネキンそのものを、
 慎一はまだ見に行ってはいない。

 ただ事実としてそれを知って、
 それでもできるだけ普通に、普通に。

 会話を重ねていただんろう。
 そんな中、まるで世間話みたいな調子で、
 鳩羽が差し出してきたソレは、>>376
 忘れたわけじゃなかったけれど、
 慎一の目を丸くさせるには充分だった。]
 

(477) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……どうでもいい話だけれど、
 きっと譲渡する段階でそのへんで洗った。
 そういうことにしておこうよ、ね。]
 

(479) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……覚えてる。けど。
  せっかくなんだから、
  夏のうちに交換すればよかったのに。


[ ちょっとあきれた調子で慎一は言う。

 だって、慎一にとってそれは、
 ただのアタリの棒でしかなくて、
 お店に持っていけばアイスがもらえる、
 ちょっとうれしいアイテムに過ぎない。

 だから──、
 そんなふうに捉えられてると思わなくて。>>377]
 

(481) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……お守り、って。


[ 鳩羽はいつもと変わらない、
 明るい調子でいるように見えた。
 少なくとも慎一には、見える。

 お守り。願掛け。神頼み。
 そういうものに縋ることくらい、
 誰にだってあるのかもしれないけど、
 少なくとも慎一には少し意外だった。

 だから、なんていうか……、
 何にどう縋るかは自由だけどさ、
 少なくとも慎一は思うんだけど、]
 

(482) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  学校生活が楽しくて、
  悪いこと起きねえのは、
  その棒切れのせいじゃないだろ。


[ みなまで言わないけどさ。
 何気ないを装いながら言って、
 甘ったるいミルクティーを啜ってる。

 いつもと同じパンをかじりながら、
 鳩羽が言葉を重ねるのを聞いている。

 この世界の主についての思考。>>379
 それにはなんとなく共感できるものがある。]
 

(483) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……文化祭の思い出。
  だったのかなあって思ったけど、縋るもの。


[ メールを見ての感想だけどね。
 ここは慎一もひとつ無責任に想像しよう。]


  ……縋るものがあってもさ、
  もうダメだーーって。疲れちゃったんじゃないかな。


[ 慎一にはそんな感じに見えたよ。
 それに、それなら想像の範疇だった。

 だから、手に取りやすい仮説として、
 正解なんてない問いに今日も挑んでみよう。]
 

(484) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


  ……でも、呼んでくれたんだよな、ここに。
  ここにいた、10人くらいだけ。

  ……誰なんだろう。
  誰でも、ヤだけど。
  レンは──、どう思う?


[ やっぱり慎一の口調は、
 そこまで元気いっぱいではないかもね。

 「ここはお前の世界?」とも、
 「そうじゃないよね?」とも聞かず、
 慎一はなんだかずるい聞き方をしてる。

 日常めいたことしてるくせ、
 非日常的な会話をはじめながら。
 パンの袋の縁をゆっくりとなぞっていた。*]
 

(485) 2021/06/11(Fri) 17時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 17時半頃


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 18時半頃


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 18時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 昼・教室 ──


  え。あ、うん。
  朝、なんかおかしいなって思って。
  今、これ見てて思い出した。
  日付が変だったんだなあ。

  ……時計は動いてんのにな。
  なのに日付は書き換えられないって、
  食べ物、腐んのかな。季節はずっと冬?
  ……年も取らない、とか。


[ 慎一は日付、覚えてる。賞味期限も見る。
 ゴミの日は知らない。それは父の役割だから。

 食材の経過に意識が囚われそうだったから、
 あれこれ並べ立ててみたんだけれど。>>493]
 

(526) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ここにずーっといたら。
 それってつまり、死んじゃったらって、
 そういう仮定をするのと同じなんだろうか。

 頭をよぎった考えがあんまりで、
 慎一はそれを頭の中から追い出そうとする。

 チャイムが鳴って、これがはじまって、
 ひとり消え、ふたり消え、…………。]
 

(527) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……無事に合意が得られたようでよかった。>494
 慎一もそのくらいの常識は持っていたいから。

 とにかく、よくない方向に傾く思考を、
 一本の棒切れが遮ってくれたんだから、
 もう少し感謝してもいいんだろうけど。

 目を細めるしぐさ。>>495
 少なくとも同意と取れないその声が、
 慎一にとっては思いがけなかった。

 なんか、別にさ、悪い意味じゃないよ。
 でもこのままってのも誤解がありそうだし、
 パンに向けてた視線をチラリと鳩羽に向けて、
 慎一は口の中のものを飲み込んでから言う。]
 

(528) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……そ。日頃の行いだろ。


[ それ、ジンクスっていうんだけどね。
 慎一にはそれなりに馴染みがある言葉。
 信じるも信じないも個人の自由──だけど、

 天の神様に委ねる間もなく、
 君が鳩羽憐だから、どっちみちそうなるかなって。
 慎一は自分の感覚以外に裏切られたこともないし、
 そんな甘っちょろいことを考えたりもする。

 ……あくまで慎一の見解。
 疑問符にごく短い文章を返答として添えた。]
 

(529) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  なるほど、って言われても、
  わかんねえよ、考えただけだし……


[ 目の前でまばたきがひとつ。>>496
 その拍子に鱗がこぼれることはなかったが、
 だけどその素直な表情にさらされてると、
 一応、予防線をはりたくなっちゃって。

 まったくほんとに、
 見てくれだけはいつもどおりだってのに、
 会話の内容はこれっぽっちもそうじゃない。

 鳩羽が慎一の考えと似たことを言って、>>497
 慎一はこくりとひとつうなずいた。

 ……これは俺だって考えてたマウントじゃない。]
 

(530) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……だと、いいなって。


[ 最後に思い浮かべた。
 だからここにいる。ある。という仮説。

 慎一は言葉少なにそれを支持しよう。>>497
 だから自分がここにいるんなら、
 そうじゃないより、慎一はうれしい。

 ……それだけの理由だったけれど。]
 

(531) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 「どう思う?」漠然とした問いかけに、
 返ってきたのが存外きっぱりしたもので、>>500
 慎一にとっては思いがけなかった。

 首を横に振る仕草を、
 サンドイッチにかぶりつくのを中断して、
 無言のままにちょっと見つめちゃったくらい。

 ……慎一から見た鳩羽の印象を言おうか。
 元気で明るくてひょうきんで、
 人の探し物にヤな顔ひとつせず付き合う、
 なんていうか……清々しいくらい、良いやつ。

 言わないけどね。声に出しては。
 でも、だから、鳩羽なら、
 無条件に世界の持ち主を探してると思ってた。]
 

(532) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ そんな鳩羽が言葉を紡いでく。>>501

 迷いや後悔、そういったふうの。
 慎一からすると、これも意外なんだ。

 どれだけ人を平面で見てるのって、
 神様か誰かに叱られちゃいそうだけど、
 ああ、そっかあ。って慎一は思う。

 炭蔵の体に起動ボタンがなかったように、
 暮石の瞳の形をさっきはじめて知ったように、
 慎一には見えてないものがたくさんあるのだ。]
 

(533) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 食事をする手を止めたまま、
 慎一は口の中のものちゃんと飲み込んで、
 それからゆっくりと口を開いた。]


  「してほしい」んじゃなくて、
  「したかった」のかもしれないじゃん。

  挨拶とか、お別れパーティーとか、
  ……単純に最後に顔が見たかった、とか。

  あのメールの送り主が、死のうとしてたなら、
  どっちかっていうと、そうじゃないのかなあ。


[ 自信なさげに慎一の声はふわふわ浮かぶ。
 もっと溌剌元気といけばいいんだけど、
 話題からしてもふわふわさせてて問題ないよね。]
 

(534) 2021/06/11(Fri) 20時頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……人の思考なんて読めないから、
  そりゃ、本人じゃなきゃわかんないし。

  それに、もしそうだとして、
  お別れパーティーとか、ヤだけどさあ……


[ ……視点漏れ?>>503
 ごめんね、慎一は気がつかなかった。
 でもそれって、人に手を差し伸べようとするのが、
 あんまり板についてたせいで──、や。言い訳。*]
 

(535) 2021/06/11(Fri) 20時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 20時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── 昼・教室 ──

[ 慎一の日ごろの行いがよかったらしい。
 毎朝ひとりで起きれることかな。>>557

 儚い日常の断片が、
 非日常会話に紛れ込んでは消えて。
 引いては寄せて、みたいなことを、
 繰り返していたお昼時。

 ふたり、心に抱いた願望が、
 重なったなら慎一もうれしかったよ。>>558
 もしもその願望が本当になるなら、
 一緒に思い浮かべてもらえたことも、うれしい。]
 

(569) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  ……うーん、それはどうだろ。
  自覚ない説あるじゃん。ここの持ち主。


[ 持ち主というより地主なのかもしれないけど、
 鳩羽が懸命にそいつの望みを叶えようとするの、
 慎一は見て思う。やっぱり日頃の行いだよ。

 答えの出ない問いにうんうん唸るから、
 慎一もつられてうーんって唸ってる。

 言ってくれよ。とストレートな言葉に、
 ちょっと笑っちゃったりもするんだけどさ。>>560]
 

(570) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  言えてたら、きっと、
  こんなことになってねえよ。

  全部、やり直せたらいいのに。
  文化祭でも、おとといでもいいから、
  こんなことになる前にさ。


[ そしたら慎一は、泣いて縋ってでも……や、
 引き留められるかなあ。やり直せても。
 誰かに、辛くても生きろと言えるだろうか。

 そんなこと考えてたら、
 急に鳩羽が叫びだすから、>>561
 しんみりしていた慎一はビクッとなる。]
 

(571) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  おま、おまえ……
  打ち上げンときも叫んでなかった?
  なんで? 急にでけえ声出すなよ……!


[ 不穏な黒板の寄せ書き。
 ラピュタみたいな教室。いなくなった友達。

 どれを取っても非日常に、
 あとほんの一コマだけ日常を織り交ぜるね。*]
 

(572) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 21時半頃


【人】 真向一気 シンイチ

 ── それから ──

[ どのくらいそうしていただろう。

 慎一は会話の途切れ目に立ち上がる。
 人形を見てくる。と言った。

 それで、黒板を一通り確かめて、
 廊下のほうへゆっくりと歩き出す。]
 

(573) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 張り紙を見て深呼吸をして、
 教材倉庫の中に入った。>>3:417
 布団の場違いさにも笑えない。

 一瞬、それをめくろうとして──、
 なんとなく、気が引けてやめた。

 人形なの、わかってるはずなのに。
 女子だしなあ……って思っちゃって。

 昇降口。ふたりで呆然としたこと。
 そんなことを思い出して、
 「帰れた?」って聞いてみたくなる。]
 

(574) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ それから、1階の喫茶店にも。
 炭蔵のメモ、ひねくれてるよな。
 わざわざ樫樹とマネキンと、
 別件の扱いをして書くんだもん。

 喫茶店のセットに寝かされた人形。
 折れた首はそりゃそうなんだけど、
 うっすらとほほ笑む木製のそれを見てた。

 やっぱり慎一には友だちに見える。
 チャイムが鳴るたびに現れる人形が、
 消える友だちの代わりなんじゃないかな。

 ……会えなくなったら寂しいから、かなあ。
 それにしてはグロやホラーが過ぎるよって、
 考えながら、その教室をあとにした。*]
 

(575) 2021/06/11(Fri) 21時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 昼・教室 ──


  そしたら──、
  こうやってみんなでどっか閉じこもって、
  非日常っぽい会話でも、してみるか。


[ やり直せたら何ができるか。
 わかんないのは慎一もそうだった。>>577

 ほとんど冗談みたいなことを言った。
 だけど、楽しい日常生活の中では、
 きっとすることのなかった話。

 これをもっと早くにしていたらどうだろう。
 どうだったかなんて、今さら確かめられないけど。]
 

(621) 2021/06/11(Fri) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 鳩羽がはっきりとした口調で、
 とんでもなく重荷に思える宣言をするから、>>578

 慎一はさ、馬鹿にするんでもなく笑ってた。
 すごいなあ。えらいなあ。って、
 慎一にはまだそれはちょっとしんどいなあ。
 誰かが疲れたとき、疲れたねって言うくらいが精々。

 でも、よかったら一緒に休憩しようね。
 どんなに些細な理由でも、理由なんてなくても、
 慎一はなんにも言わないようにするから。]
 

(622) 2021/06/11(Fri) 23時頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ それが、日常めいた昼の話。*]
 

(623) 2021/06/11(Fri) 23時頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 23時頃


【人】 真向一気 シンイチ


[ これは、非日常めいた朝の話。]
 

(630) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 朝・渡り廊下 ──

[ 暮石が両手を目元にあてがっていた。
 ぐりぐり。すると、腫れるよ。>>583
 慎一はそういうのちょっと詳しい。
 自分がそうしてるとき、
 言われるのヤだから、言わないけど。]


  ……うん。


[ 「たぶんすき」の裏に隠されている、
 確信とか、推測とか、慎一は知らない。

 慎一がしたのは「誰か」のことで、
 そこにもし個人名が入るなら、
 この気持ちも何か変わったんだろうか。
 短い返事をしながら、小さい暮石を見てる。]
 

(631) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ



  自分で招き入れた人に、
  好きでいてもらえたら、
  うれしいだろ、たぶん……


[ きっと、慎一が何を言ってもさ、
 違うんだろうなって思っているけど、
 慎一が何か言いたかったんだ。聞き流して。]
 

(632) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一のものさし。どんなにちっぽけだろう。
 なにかできることなんてあるのかな。>>584]


  やれること、かあ……


[ 慎一にできること。きっと少ない。
 それでもなにかないだろうかって、
 慎一はそのとき考えたんだった。

 ……難しい、けど。
 そのとき思いつかなかったから、
 お昼まで、ひっそりと考えてた。
 きっと、これからも考え続ける。]
 

(633) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 10円と、危機的状況の暮石の話。>>588

 びっくりしたのは慎一も一緒だった。
 そんなことになると思ってなくて、
 わあっとずいぶん焦った顔をしたはず。

 ……だからだよ。
 飛び出してきた言葉がへんちくりんだったの。

 駄菓子でも買いに行こうという提案に、>>590
 うん。と素直にうなずいている程度には、
 慎一の心臓は早鐘を打っているし、

 ここは暮石のでも、慎一の世界でもない。
 そう、当たり前みたいに受け入れていて、]
 

(634) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……暮石は笑っていた。>>590

 まだ慎一の頭の中は、
 再起動がかかっていないような状態だけど、
 つられたように、少しだけ笑おう。

 それで──、ほかの言葉は「預かり」ってことで。
 だって、「今度」があるんだろう。
 それなら今は、ここでその背を見送ろう。

 それも信じているから、
 ほかの話はそのときでいいよ。*]
 

(635) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ その日の慎一の夕飯はパンケーキだった。>>525]
 

(645) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

── 夜 ──

[ 卵がなくなっちゃう前に、
 どうにかならないと困るなあ。
 毎日減ってるんだ。綿見だと思う。
 毎日食べてる身でなんだけど、
 少し節約してほしいです。……なんて。

 チャイムが鳴る前、
 慎一はそういうことを考えてた。

 今日も夕飯代わりにパンケーキをつまんで、
 明日もお米が炊けるようにして、
 明日に備えて……備えたんだけどなあ。

 文句ばっかり言ってごめんね。
 そのときも慎一は自分の心の平穏を、
 決まった手順で守るべく、忙しかった。]
 

(646) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 食堂にほかの人がいたんだか。
 慎一はチャイムの鳴る前に立ち寄って、
 それで、自分の用事を済ませただけ。

 それから、購買にも立ち寄った。
 見慣れた陳列棚を見ながら考えてる。

 いつまでここにいれるんだろう。
 ……ふたつの意味で。

 いつまでここにいることを許されるかと、
 慎一がいつまで耐えられるんだろうってこと。]
 

(647) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 嫌いじゃないこの世界で。
 慎一はやっぱり息がしづらい。
 もうずっと、いつもの自分でいる方法がわからない。]
 

(649) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……ああ、でも。

 「21時少し前に集まろう」
 ──って黒板のメモにあったから。
 そう思って購買の扉に手をかけた。

 ……8時50分になる直前だった。
 
 どうでもいい話だけど慎一は、
 「少し前」って書き方、好きじゃない。]
 

(650) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 開いた扉の隙間から、こぽりと泡が立つ。]
 

(651) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 意味がわからない? わからないね。
 慎一も。なにひとつわからなくって。

 なんで。
 って言おうとした口の端から、
 声の代わりに泡が膨れてこぼれた。

 なんだか体が重い。
 床に足つけて立ってるだけなのに。

 開いた扉の向こう。伸びる廊下。
 その様子は文化祭の日のままなのに。]
 

(652) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ああ、どうやらここは水の中みたい。]
 

(653) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だからここは今から、うんと静かな水底。

 全部、全部、たとえ話。
 はじめから何か変だった。
 その何かを手に入れたこともないから、
 慎一にはうまく言語化できない。
 慎一の世界を直接見せることもできない。

 だからここはひとつ、
 なんてことはない日常の話をしよう。
 魚にでもなった気分で聞いてほしい。]
 

(654) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ さて。
 慎一はこの不可解な状況に呆然として、
 今ようやっと歩き出したとこだけど、
 体が重たくってたまらない。

 もたもたと不格好に歩いてる。
 水の中では歩きづらいからね。

 「なんで?」と「どうしよう」を、
 交互に思い浮かべながら歩いてったら、
 少し先に昇降口が見えた。出口だ。]
 

(655) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……実をいうと、少し迷ったんだ。

 はじめは不可解な状況に、
 茫然自失という感じだった慎一だけど、
 このころには薄々理解しはじめてる。

 単純に、慎一の番だった。帰る時間。

 米なんて炊かなくてよかったんだな。
 まっすぐ行ったら外に出れるのかも。
 この息がまだ続いている間にも。

 ……そう、慎一は息苦しい。
 水の中じゃうまく呼吸ができない。

 でも、21時の少し前に集まろうって、
 みんなで約束をしたはずだった。
 21時の少し前って結局何分だよ。くそ。]
 

(656) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ みんなの中に自分も含まれているって、
 慎一は信じているから、階段を上った。

 こぽり、こぽり。
 ときどき泡をこぼしながら、
 3年9組の教室の近くまで。

 それで──、少し離れた柱のとこ。
 そこから先、なんとなく進めずに。
 こぽり、こぽり、こぽり。泡が増える。

 教室への入り方も忘れちゃったみたいに、
 ただ、立ち尽くしていた。泡をこぼして。
 もう息が続かないなあって思いながら。

 みんなのところに行きたかったけど、
 あの部屋の中も水でいっぱいなんだ。
 慎一は知ってる。それが悲しい。]
 

(657) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……これでおしまい。

 なんだろうなあ。
 慎一にはなんにもなかった。
 大きな不幸とか、別れとか、裏切りとか。
 たとえばこの空間で邂逅できるようなもの。

 だから、普通に歩いてきてみたんだ。
 慎一にとって、日常の一部で大切な場所まで。

 思ったよりも大変だったなあ。
 でも、いつもそんな感じだった。
 うまく表現できないけれど、
 慎一は水の中で生きるのにあまり向いてない。]
 

(658) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ こぽり。ひときわ大きな泡がこぼれる。]
 

(659) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 息ができないなぁ。
 だんだんと苦しくなって、
 慎一は無意識に首を掻きむしってる。

 水の中なんだから当たり前だった。
 当たり前なんだけど、悲しいなあ。
 やっぱり慎一はうまく呼吸ができない。

 でも、爪が短くってよかったなあ。
 伸びてたりギザギザだったりしたら、
 もっともっと痛かっただろうから。

 いいことあったよ、深爪。
 そうする理由を手放してしまったんでも、
 別にやめなくてもいいと思うなあ。
 案外いいこと、あるかもしんないよ。
 案外、使う日が来るかもしれないし。]
 

(660) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ だんだんどこにも力が入らなくなって、
 水中であるなら浮かぶべきなんだけど、
 ここは学校だから、慎一は床に沈んだ。]
 

(661) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一は水中じゃうまく息ができない。
 エラがなかったとは言わないけれど、
 きっと形成が不全だった。

 発達途上ならまだ救われたんだけど、
 その一点においては、
 いびつなのが慎一の生まれ持った形だ。

 ほかがどんなに健全に育っても、
 いつだって不完全な器官で息をしている。
 一生のはじまりからおわりまで、ずっと。
 それが、慎一のたったひとつの瑕だった。]
 

(662) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ きっと誰しも瑕のひとつくらいある。

 それもわかってるよ。
 どんなに慎一から見てかんぺきでも、
 ふつうでも、息苦しかったりするんだろ。

 だから……そう。
 特別ぶりたいんじゃないんだ。
 ただ、慎一はしんどくて疲れちゃった。
 他人との比較なんかしなくたって、
 自分で自分に疲れちゃった。]
 

(663) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ このまま生きていれば、
 いつかはラクになるのかな。
 みんなといることにもいつか慣れて、
 この水の中でも息がしやすくなるのかな。

 そんな夢を見ていたんだけど、
 それってたぶん寝て見るほうの夢だったな。
 目が覚めたら、もう疲れ果ててた。
 それが悲しかった。泣いちゃうくらい。]
 

(664) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ つまり、やっぱり息がしづらいというだけの話。]
 

(665) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 慎一は静かなのが落ち着くから、
 最後までうるさくなんかしない。
 その人形は、気づいたらそこにいる。
 前だけ見て歩いてたら、通りすぎちゃうかも。]
 

(666) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ

 ── 午後8時50分 ──

[ 遠く、遠く、遠く。
 静かな水底にも微かに響く。
 どこかでチャイムが鳴っている。

 それは、購買からの帰り道。
 ……あ、いやいや。昇降口じゃなく。
 みんなのいるとこに帰るはずだった。
 2階の廊下。教室の近くまできたくせ、
 柱の陰に隠れるみたいに縮こまってる。

 縮こまってるからわからないけれど、
 首元にいくつも引っかき傷がある。、
 どれもさほど大きな怪我ってわけじゃない。]
 

(667) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ 不自然なことといえばほかにひとつ。
 血を流していない代わりに水浸し。

 髪の端かどこかからぽた、ぽたと、
 水滴をひたすらに滴らせている。

 乾くまで放っておいてくれてもいいよ。
 ひとりでいるのもラクで悪くないんだ。

 でも、君たちといるのは楽しかったよ。
 ……やっぱり、タオルだけ貸してくれるかな。]
 

(668) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ ……ただ、ほら。
 顔も、手足も、胴体も、
 上から下まで全部びしょ濡れだから、
 泣いてたとしてもきっとわかんない。
 それだけはよかったなあって慎一は思う。]
 

(669) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ たぶん、それが最後の思考。]
  

(670) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

【人】 真向一気 シンイチ


[ お邪魔しました。
 君の作った世界の中に、
 慎一も入れてくれてありがとう。*]
 

(671) 2021/06/11(Fri) 23時半頃

真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/11(Fri) 23時半頃


真向一気 シンイチは、メモを貼った。

2021/06/12(Sat) 00時頃


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